アセロラ「サトシとスイレンの結婚式…来月だね」

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1 : ◆uhiZRIcVl. [saga !orz]:2019/05/28(火) 20:42:25.22 ID:4iBsWcOgO
サトシがポケモンスクールを卒業してから15年の月日が流れた

マオ「そうだね…」

アマージョ「ッジョ」

ここはアローラ地方のアイナ食堂。22時〜1時までの間はbarとなっている

普段はお酒が苦手なアセロラだったが

今日は何故か…barへと飲みにきたい気分だった


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2 : ◆uhiZRIcVl. [saga]:2019/05/28(火) 20:54:38.02 ID:4iBsWcOgO
アセロラ「カントー地方で結婚式かぁ……すごいよねー?」

ミミたん「キュー」

マオ「うん、カントーまでの飛行機代は全部サトシとスイレン持ちらしいよ?」シャカシャカ

アセロラ「へー?サトシ、稼いでるんだね」クスッ

マオ「ふふっ、そうだね?」シャカシャカ

アセロラ「スイレン……喜んでた?」

マオ「うん、すっごく喜んでだよ!」シャカシャカ

アセロラ「……もうカントーでサトシと一緒に暮らしてるんだよね?スイレン、何か言ってた?」

マオ「うーん……愚痴は結構言ってたかな?サトシは料理下手とか……イビキうるさいとか、その他諸々…」シャカシャカ

アマージョ「ッジョ」

アセロラ「そっかぁ……でも……」

アセロラ「スイレン……幸せそうだった?」

マオ「……うん、すっごくね?」ニコッ
3 : ◆uhiZRIcVl. [saga]:2019/05/28(火) 21:28:31.72 ID:4iBsWcOgO
アセロラ「ふふっ、そっかぁ……スイレンに先こされちゃったね?ミミたん」

ミミたん「キュー」

マオ「………」シャカシャカ

アセロラ「ねぇマオ!サトシとスイレンの結婚式……いっぱい人くるのかな?」

マオ「うん、カントーとアローラはもちろん……ジョウトにホウエン……シンオウ、イッシュ、カロスからも来るんだって!」

アセロラ「すごーい!サトシ、有名人だね!」

アセロラ「マオ……確か、スイレンの友人代表スピーチやるんだっけ?」

マオ「うん、リーリエと一緒にね?」

アセロラ「そんなにいっぱい人が来るのに……緊張するね!」

マオ「アハハ、まぁね?リーリエなんか今からガチガチだよ〜」シャカシャカ

アセロラ「あー、想像できるかも……」クスッ

マオ「それとー……カキとマーマネは結婚式で何かサプライズ芸やるらしいよ!」シャカシャカ

アセロラ「サプライズ芸……滑らなきゃいいけど……」ウーン

マオ「あー……カキとマーマネだし……それは何とも言えないね……?」アハハ

アマージョ「ッジョォ」コクコク
4 : ◆uhiZRIcVl. [saga]:2019/05/28(火) 21:37:58.50 ID:4iBsWcOgO
アセロラ「うふふ、でもー……そんなに人がいっぱい来るなら、サトシよりもカッコいい人もいるかもねー?」

ミミたん「キュー」

マオ「………」シャカシャカ

アセロラ「スイレンに負けてられないね!結婚式で……アセロラも素敵な出会い、ゲットだよ♪」

ミミたん「キュー…」

マオ「…………」シャカシャカ

アセロラ「もちろん、サトシとスイレンのお祝いが最優先だけどねー?」

ミミたん「キュー」

マオ「……」シャカシャカ

マオ「はい、どうぞアセロラ」スッ

アセロラ「? マオ……さっきからシャカシャカしてたの……それ、カクテル?」

マオ「うん、そうだよ?」ニコッ

アセロラ「……あのー、アセロラ……頼んでないんだけど……」

マオ「これは私からの奢りだよ?飲んでアセロラ!」

マオ「大丈夫!お酒が苦手なアセロラでも飲みやすいように作ったからさ?」ニコッ

アマージョ「ッジョ!」
5 : ◆uhiZRIcVl. [saga]:2019/05/28(火) 21:53:00.08 ID:4iBsWcOgO
アセロラ「…………」ゴクン

アセロラ「! 苦くて甘いような……でも、飲みやすい、不思議な味だね!」

アセロラ「うん、美味しいよ!ありがとうマオ!」ニコッ

マオ「……ふっふっふ、それは……ハバンのみを贅沢に使った……マオちゃん特製"にがあまメモリーズカクテル"だよ!」

アセロラ「にがあまメモリー……?」

マオ「……子供の頃……私の先生に教えてもらったんだよ……」

アセロラ「…………先生……?」

マオ「うん、お酒も料理も……ただ、美味しいものを出すだけじゃダメなんだ。ちゃんとお客さんのことをよ〜く見て……」ジーッ

アセロラ「!」

マオ「その人が求めている……舌もお腹も心も満たされるものを出さなきゃダメだって」

マオ「今私がアセロラに作ったカクテルは……」

マオ「甘くて、それでいてちょっぴり苦い……初恋の味だよ」

アマージョ「ッジョ!」

アセロラ「初恋………」
6 : ◆uhiZRIcVl. [saga]:2019/05/28(火) 22:08:36.28 ID:4iBsWcOgO
マオ「……ごめんねアセロラ……私、なんとなくだけど……気づいてたんだよ。アセロラがサトシに気がありそうなこと…」

アセロラ「マオ……」

マオ「……でも、スイレンがスクールの頃からずっとサトシのこと好きなのも知ってた、だから…」

アセロラ「…………」

マオ「……普段お酒が苦手なアセロラが一人で飲みにきた理由なんてだいたい察しがつくよ……」

アセロラ「!」

マオ「……スイレンがサトシと結婚するのは心からお祝いしたい、でも……」

マオ「……やっぱり好きだった人が結婚するのはちょっぴり悲しい、だから……お酒を飲んで誰かに話を聞いてもらって……」

マオ「少しでもすっきりしたかった。……違うかな?」

アセロラ「……うぅ……」グスッ

ミミたん「キュー」

アセロラ「…………ヒッグ…!ごめんね……?アセロラ、嫌な子なんだよ…」グスッ

アセロラ「…………サトシとスイレンの結婚はお祝いしたいと思ってるよ……でも……ヒッグ…」

アセロラ「…………やっぱり……辛くて……!」グスッ

マオ「……何言ってるのよ…アセロラは優しいよ……でも…」ナデ

マオ「……我慢しないで……今日だけは全部言いたいこと言っていきなよ。私で良かったらいくらでも付き合うよ!」ニコッ

アマージョ「ッジョ!」ニコッ

アセロラ「マオ…」ウルウル

マオ「……そしてさ……?」

マオ「結婚式当日は……笑顔で二人をお祝いしてあげようよ?」ニコッ

アセロラ「…………うん…!」グスッ

ミミたん「キュー」
7 : ◆uhiZRIcVl. [saga]:2019/05/28(火) 22:23:02.93 ID:4iBsWcOgO
アセロラ「………何て言うか…サトシとスイレンには昔っから……他の誰かが入っていけないような何かがあったから……だからアセロラ……」グスッ

マオ(あ〜………何となくわかるかも…)ウーン

マオ「……辛かったんだね……アセロラ」

アセロラ「…………うん……」グスッ

マオ「……こんなこと言うのもなんだけどー……アセロラは可愛いし、しっかりしてるし、面倒見もいいし……」

マオ「スイレンに負けないものだっていっぱい持ってるよ!だから……私が男の子ならアセロラをほっとかないよ!絶対!」グッ

アセロラ「マオ……」ウルウル

マオ「だからー……きっとすぐにアセロラにもいい人が〜」

アセロラ「マオ!アセロラと結婚して〜!」ウワーン

マオ「えぇ!?そ、それはちょっと……」ビクッ

マオ(うわっ……アセロラ、かな〜り酔ってるよ……)ハハハ

マオ「……そ、そう焦らなくても、大丈夫だよアセロラ!運命の出会いなんていつ来るかわかんないんだしさ?」

アセロラ「運命の出会い……」

アセロラ「…………サトシ……」ズーン

ミミたん「キュー」

マオ(し、しまった!マルマインだったよ!)

マオ「そ、その……たとえばー……あのドアの向こうから……」

アセロラ「………ドアの向こうから?」グスッ

カランカラン

マオ、アセロラ「!」
8 : ◆uhiZRIcVl. [saga]:2019/05/28(火) 22:33:59.38 ID:4iBsWcOgO
カキ「お〜い!マオ〜!飲みにきたぞー」ガチャッ

マオ「……カキ……」

アセロラ「………カキかぁ……」ハァ

カキ「………って、なんだ。アセロラもいたのか、珍しいな」

カキ「………ところで……なんだそのため息は??」

アセロラ「………なんでもないよ」ハァ

ミミたん「キュー」ハァ

カキ「………すごく気になるんだが…」

マオ「ちょっとカキ!空気よみなよー!」プンプン

アマージョ「ッジョ!」プンプン

カキ「おいおい……せっかく飲みに来てやったのにこの扱い……」
9 : ◆uhiZRIcVl. [saga]:2019/05/28(火) 22:47:37.21 ID:4iBsWcOgO
マオ「いやいや飲みにきたんなら帰ってもらってもいいんだけど?」ジッ

カキ「お、おいマオ!常連客に向かってその態度はなんだ!」

マオ「……どーせ今日もホシちゃんの話でしょ?」

カキ「ど、どうせってなんだ!」

マオ「違うの?毎日毎日飲みにくるくらい暇なカキが羨ましいねー?アマージョ」

アマージョ「ッジョ」コクコク

カキ「な、なんだと!?」

マオ「……今はアセロラとだ〜いじなガールズトークしてるんだよ!悪いけど今日はあんまり相手してあげれないからね!」

カキ「………べ、別に向こうで飲むからいいし!それに……」

カキ「今日は一人じゃないからな!」ドヤッ

アセロラ「一人じゃない……?まさかカキ…ガールフレンドが……」ジトー

マオ「ハァ!?な、何よソレ!!」

カキ「な、なに怒ってんだ!」

カキ「それに……今日連れてきたのは……」チラッ

ガチャッ

マオ、アセロラ「!」
10 : ◆uhiZRIcVl. [saga]:2019/05/28(火) 22:57:51.25 ID:4iBsWcOgO
グラジオ「……フッ、話には聞いていたが……なかなかいい店だなカキ。終の宴には丁度いい」フッ

マオ「……えぇっ!?リーリエのお兄さん!?」

アマージョ「ッジョ!?」

グラジオ「フッ」

カキ「そういうことだマオ!新規客つれてきたんだからな!感謝しろよ!」ドヤッ

マオ「う、うん……でも、カキとリーリエのお兄さんって意外な組み合わせ…」

アセロラ「…………終の宴って?」

カキ「俺とグラジオ二人で月一回行ってるアローラ妹大好きの会の二次会だ!」

アセロラ「アローラ妹大好きの会!?」

ミミたん「キュー!?」

マオ「……うん。全然意外な組み合わせじゃなかったよ」

アマージョ「ッジョ」コクコク
11 : ◆uhiZRIcVl. [saga]:2019/05/28(火) 23:14:10.18 ID:4iBsWcOgO
………

マオ「はい、どうぞ」スッ

マオ「いっつもホシちゃんにデレデレあまあまなカキには、甘くて刺激的なロズレイカクテルだよ」コト

カキ「これこれ!さすがマオ!わかってるな!」

マオ「はいはいドーモ。……で、グラジオには……」

グラジオ「………………」

マオ「……なんか元気なさそうだから……このスッキリ爽快サイコソーダカクテルで元気出して……」

グラジオ「……悪いな」

アセロラ「…………グラジオ、すっごく暗い顔してるけど……何かあったの?」

グラジオ「……お前にはわからん……この俺の胸の痛みは……」クッ

アセロラ「……ちょ、ちょっと何よその態度!せっかく人が心配してあげてるのに!!」プンプン

ミミたん「キュー!」プンプン

グラジオ「……………」

マオ「まぁまぁ、おさえてよアセロラ」ハハハ

カキ「お、おい……なんだかアセロラ……今日は荒れてるな……?」ヒソヒソ

マオ「……そのー……いい具合に良いが回ってるのとそれと……」ヒソヒソ

マオ「……サトシとスイレンの結婚で……」ヒソヒソ

カキ「………ああ………」

アセロラ「だいたい……胸の痛みって何よ!?それなら、アセロラの方がよっぽど……」

グラジオ「……………うるさい女だ。酒くらい静かに飲ませろ」フッ

アセロラ「なっ!?」カチン

カキ「お、おいグラジオ……さすがにその態度はないだろー」

マオ「そうだよー!アセロラがせっかく心配してくれてるのに……」

グラジオ「……………」

アセロラ「もういいよ!ミミたん、あっちで飲も……」プンプン

グラジオ「………実は……」

アセロラ「!」

マオ、カキ(あっ、やっぱり誰かに愚痴聞いてほしかったんだ)
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