【ラブライブ×サイコパス】凛「見てかよちん! 凛の色相イエローグリーンだって!」

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16 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 10:07:11.78 ID:JZ7PuBSAO
宜野座「話を戻そう。そういったものの規制はメディアだけに留まるものではない。少なからず市民に影響を及ぼすスクールアイドルも規制と対象になった」

凛「そうにゃそうにゃ。メンバーが9人集まってからもいろいろと審査が必要とかでたいへんだったにゃ」

宜野座「その審査で振り落とされるグループがほとんどだ。そのお陰で、現存するスクールアイドルの数は多いとは言えない」

凛「だけどμ'sはかなり順調に審査を通ったって絵里ちゃんが言ってたにゃ」

宜野座「そうなのか?」

凛「なんか理事長がいろいろ手を回してくれたらしいにゃ」
17 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 10:08:39.26 ID:JZ7PuBSAO
宜野座「教育者の側がスクールアイドルに肯定的というのは珍しいな。それは有り難く思った方がいい」

凛「みんなでお礼言ったにゃ!」

宜野座「スクールアイドル活動で生徒や観衆のサイコパスに影響が出たりしたら大事だからな。普通なら教育者側は関わりたくない話のはずだ」

凛「穂乃果ちゃんは最初、学校を守るために生徒を集めようとしてスクールアイドルを始めたにゃ。けど理事長は自分たちのためにスクールアイドルをやりなさいって背中を押してくれたにゃ」

宜野座「それは教育者としてとても立派な方だ。なおさら感謝の念を忘れないでいることだな」
18 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 10:09:35.80 ID:JZ7PuBSAO
凛「だけどお兄さん、なんだかスクールアイドルのことにすごく詳しいね?」

宜野座「要するにだ」

凛「・・・」

宜野座「・・・」







宜野座「今度真姫ちゃんのサインを貰ってきてくれないか?」

凛「お兄さんは真姫ちゃん推しかにゃ」
19 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 10:20:40.59 ID:JZ7PuBSAO
───公安局

凛「今日から執行官として配属になりました、星空凛です! みなさんよろしくにゃ!」ビシッ

宜野座 (激しくスーツが似合ってないな)

六合塚 (この子はμ'sの・・・)

東金 (もともと黒いのなら、染める価値はないな)

雛河 (・・・)
20 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 10:22:21.44 ID:JZ7PuBSAO
朱「霜月監視官と同じで未成年の採用という形になります。みなさんにはいろいろフォローしてもらうことになると思いますが、よろしくお願いします」

美佳 (執行官と同じにするなっての・・・)

凛「にゃ? あなた確か凛を捕まえた人にゃ。久しぶりにゃ!」

美佳「気安く話かけないでよ執行官。私はあなたの上司なんだからね?」

凛「凛もただ挨拶しただけにゃ。かよちんを怖がらせるような人に、必要以上に話かけることはないにゃ」

美佳 (こ、こいつ・・・)イラッ

朱「当面は宜野座さんか六合塚さんとペアになって行動してもらうことにします。鹿矛囲という人物の行動が予測できない以上、星空さんに限らず単独での行動は控えるように。監視官の同行も含めて最低3人以上での行動を心掛けてください」
21 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 16:17:46.20 ID:muWMmPqVO
───星空家

凛母「今日はわざわざ娘のためにごめんなさいね? お忙しかったんじゃないかしら?」

朱「いえいえ、これも職務の一環ですので」

凛「お姉さん優しいから大丈夫にゃ!」

凛母「そういう問題じゃないでしょうが、まったく。ちゃんとお仕事するのよ?」

凛「もう、何度も言わなくてもわかってるにゃ」

朱「私も出来る限りのフォローはさせていただきますので、ご心配だとは思いますがお任せください」

凛母「本当にありがとうございます。どうか娘をよろしくお願いします」

朱「はい」

凛「それじゃあお母さん、また来るにゃ!」

凛母「たまにでいいわよ。あまり常守さんに迷惑かけちゃダメよ?」
22 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 16:19:25.77 ID:muWMmPqVO
宜野座「母親とは話せたのか?」

凛「もちろんにゃ。心配してくれてたみたいだし、お仕事がんばるにゃ!」

朱「ふふっ、頼もしいわね。だけど無理はしちゃダメよ?」

凛「了解にゃ」

宜野座「君には辛い話になるだろうが、君が潜在犯になった以上、君の家族は周りから批難を浴びることになるかもしれない。俺の家族がそうだったからな」

凛「お母さんなら大丈夫にゃ。そういうの全然気にしないし。それに仲良しのかよちんママがいるからきっと大丈夫にゃ」

宜野座「そうか」
23 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 16:20:36.12 ID:muWMmPqVO
朱「次は音乃木坂でよかったかしら?」

凛「はいにゃ。かよちんと真姫ちゃんと会う約束をしてるにゃ」

宜野座「遂に来たか。この時が」

朱「? 宜野座さんどうしたんですか?」

宜野座「こちらの話だ。気にしないでいい」

朱「はぁ」

凛「お兄さんすごい楽しみにしてたもんね」

宜野座「今日、君と非番が重なったことを天国の父に感謝する」
24 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 16:22:59.35 ID:muWMmPqVO
音乃木坂───

凛「かよち〜ん、真姫ちゃ〜ん。久しぶりにゃ〜!」

花陽「凛ちゃん!」

真姫「なによ、けっこう元気そうじゃない」

凛「凛はいつでも元気にゃ!」

宜野座 (生真姫ちゃんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!)

朱「はじめまして。私は常守朱、公安局の監視官よ」

真姫「凛の上司さんね。凛がお世話になってます」ペコリ

凛「お世話になってるにゃ!」ペコリ

朱「ふふっ」クスッ
25 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 16:24:43.25 ID:muWMmPqVO
花陽「あっ、そちらの方はこの間の・・・」

宜野座「俺は宜野座伸元。執行官だ」

真姫「執行官・・・」チラッ

宜野座 (いい視線だ。冷たい火傷を教わりたいところだ)

花陽「真姫ちゃん大丈夫だよ。このお兄さんは凛ちゃんのことを守ってくれたから」

真姫「別に警戒している訳じゃないわ。今は凛だって執行官な訳だしね」

凛「そうにゃそうにゃ。それにこのお兄さんは真姫ちゃんの大ファンにゃ」

真姫「そうなの?」

朱 (そうだったんだ・・・)
26 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 16:26:04.36 ID:muWMmPqVO
宜野座「その通りだ。初対面で恐縮だが、ぜひ君のサインをいただきたい」

真姫「まぁいいけど」カキカキ

宜野座「ありがとう。これでこれからもこの仕事を頑張っていけそうだ。それからかよちん」

花陽「はい?」

宜野座「出来れば君のサインもいただきたい。親父が君のファンだったものでな」

花陽「わ、私なんかのサインでよければ・・・」カキカキ
27 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 16:27:34.88 ID:muWMmPqVO
真姫「ファン『だった』?」

宜野座「俺の親父は、もうこの世にいないんだ。生粋の刑事だったが、最期は俺を守って、父親として死んだ」

花陽「そうだったんですか・・・。こんなもので、天国のお父さんが喜んでくれるなら」

宜野座「ありがとう、かよちん。次の休みに、早速親父に見せに行かせてもらうよ」

凛「ホントに見せるだけにした方がいいにゃ。お墓に置いて帰ったら盗まれる可能性があるにゃ」

宜野座「そうか。気を付けよう」
28 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 16:28:05.10 ID:muWMmPqVO
凛「みんなは元気にしてるかにゃ?」

花陽「うん。相変わらず絵里ちゃんたちはたいへんそうだけど、みんな元気だよ」

真姫「穂乃果たちもよろしく言ってたわ。今度はちゃんと会いましょうって」

凛「予定が合わなかったのは残念だにゃ」

宜野座「まったくだ」

朱「また都合がいいときに会いにきましょう?」

凛「そうするにゃ。またお願いするにゃ!」

朱「えぇ」ニコッ
29 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 17:43:52.41 ID:muWMmPqVO
───公安局 総合分析室

凛「失礼しますにゃ!」

志恩「あら? ずいぶん可愛らしいお客さんねぇ」

凛「新しく執行官になった星空凛です! よろしくお願いしますにゃ!」ビシッ

志恩「あぁ、聞いてるわよ〜。私は唐之杜志恩。あなたと同じ潜在犯よ。よろしくね」

凛「お世話になりますにゃ、志恩お姉さん!」

志恩「ふふっ、ホントに可愛いわね〜。ちょっと味見したくなっちゃうわ」
30 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 17:45:45.85 ID:muWMmPqVO
弥生「なに馬鹿なこと言っているの、志恩」スッ

志恩「あら、弥生」

弥生「まったくあなたは。いきなり新人に手を出そうとしないでくれる?」

志恩「もう、わかってるわよ〜」

弥生「どうだか」

凛「あっ、執行官のお姉さんにゃ」

弥生「私は六合塚弥生。よろしくね」

凛「よろしくお願いしますにゃ。弥生お姉さんでいいかにゃ?」

弥生「構わないわ」

凛「弥生お姉さんにも、いろいろお世話になりますにゃ!」ビシッ

弥生 (可愛い)

志恩「・・・」ジィ〜

弥生「・・・なに?」

志恩「別に〜?」

凛「?」
31 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 17:47:23.93 ID:muWMmPqVO
───メンタルケア施設内

青柳 (行方不明の酒々井監視官が指定した場所はここだけど、彼女の姿は見当たらないわね・・・)

真姫 (パパの言っていた施設はここね。はやくお使いを済ませて帰りましょう)

美馬「ダメなんだよ、こんな薬じゃあ!」ダンッ!

青柳「?」

職員「し、しかしマニュアルでは・・・」

美馬「こんなものでは、人の心を破壊するだけなんだよ!」ガッ!

職員「ぐあっ!」

青柳「っ! 止めなさい!」ダッ

真姫「なにごと?」
32 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 17:49:00.17 ID:muWMmPqVO
青柳「公安局よ! 大人しくしなさい!」スチャ

『犯罪係数 アンダー80 執行対象ではありません トリガーを ロックします』

青柳「えっ?」

美馬「私の邪魔をするな」ガッ!

青柳「っ!?」

ガシャーーン?

青柳「ぐっ・・・」バタッ

患者1「うわっ!?」

患者2「ヒィッ・・・!?」

真姫「あれは痛そうね」
33 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 17:51:29.53 ID:muWMmPqVO
───メンタルケア施設 外

美佳「どういう状況なの、これは?」

須郷「酒々井監視官からの連絡を受けて青柳監視官が施設内に入ったのですが、突然シャッターが閉まって連絡がつかなくなりました・・・」

蓮池「エリアストレスは上昇する一方です。執行対象だらけになっていてもおかしくないですよ?」

凛「シャッターをこじ開けて突入した方がよくないかにゃ?」

弥生「同感です。密室状態に閉じ込められたままでは、どのみち中の人達の色相悪化は避けられません」

美佳「いいえ、このまま待機です。犯罪係数が上がっているというならば、解放すればさらに悪化する可能性もあります。まずはストレスの原因を探るのが優先です」

凛「中の様子が分からなければ原因の調べようもないにゃ。バカなのかにゃ?」

美佳「うるっさい! 口を慎みなさいよ執行官っ!」

凛「あなたの方がよっぽどうるさいにゃ〜」
34 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 17:53:22.56 ID:muWMmPqVO
───メンタルケア施設内

美馬「私は告発する。人の心を破壊するメンタルケアの実態、ユーストレス欠乏症を!」

真姫 (! ユーストレス欠乏症・・・)

患者3「な、なに言ってるんだよ・・・」

患者4「ユーストレス欠乏症なんて、ただの都市伝説でしょ・・・?」

美馬「誤ったメンタルケアの末路、一切のストレスをなくした人間の成れの果てを!」

真姫 (・・・)

美馬「私は救世主になりたいんだ、鹿矛囲のように!」
35 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 17:55:08.89 ID:muWMmPqVO
美佳「なんなの? スピーカーまで用意して・・・」

凛「鹿矛囲って、いま凛達が追っている人の名前だよね?」

弥生「この状況に鹿矛囲が関わっているとすれば、なおさらここで足踏みしている場合ではないのでは?」

美佳「でも、そんな要請は受けてないし・・・」

凛「もうめんどくさいにゃ。雛河のお兄さん、この近くにホロをまとった人はいないかにゃ?」

雛河「えっ?」ビクッ

弥生 (そういえば居たのね・・・)
36 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 17:56:45.79 ID:muWMmPqVO
凛「鹿矛囲が関わってるなら、本人が近くで見ているかもしれないにゃ」

弥生「なるほど、それなら鹿矛囲は必ずホロをまとって変装しているはず・・・」

雛河「わ、わかった。探してみる・・・」ジィ...

美佳「ちょっと、 勝手な行動は慎みなさい! この現場の指揮をとっているのは私よ!?」

凛「その指揮がないから自分で考えて行動してるんだにゃ。凛達はカカシじゃないにゃ」

美佳 (こ、こいつ・・・っ!)ギリッ
37 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 18:36:35.57 ID:muWMmPqVO
───メンタルケア施設内

美馬「君達は生きている。生きる喜びを失うことの苦痛を知るべきなのだ!」ダンッ!

患者5「ヒィっ!?」

患者6「た、助けて・・・!」

青柳 (くっ・・・、ドミネーターが使えない状況で、いったいどうすれば)

美馬「ただ薬浸けにするだけのメンタルケアこそ、生きた屍を生み出す悪なのだ!」

真姫「その通りだわ」

美馬「むっ?」

青柳「っ!?」

真姫「あなたの言っているのことは間違っていないわ」

青柳「や、止めなさい! すぐにその男から離れて・・・」

美馬「君は・・・」

真姫「西木野真姫よ」

美馬「えっ、真姫ちゃん?」

青柳「えっ?」
38 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 18:37:46.67 ID:muWMmPqVO
真姫「あら、私を知っているの?」

美馬「もちろんだとも。私は君の大ファンだからね」

真姫「もうμ'sは解散しているというのに、ありがたい話ね」

美馬「君は知っているのかね、ユーストレス欠乏症を?」

真姫「以前、パパの部屋にあった資料で見たことがあるわ。パパには見てはいけないと言われていたけど・・・」

美馬「・・・」
39 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 18:39:57.88 ID:muWMmPqVO
真姫「そこには現在のメンタルケアの実態が記されていたわ。過度の投薬治療が人間の生きていく上で必要なストレスまで消失させてしまい、心を破壊すると。そしてそれこそがユーストレス欠乏症であると」

美馬「君のお父さんはお医者さんかね?」

真姫「えぇ。父はそのユーストレス欠乏症の治療法を研究しているわ」

美馬「なに?」

真姫「もちろん、表向きにそんなことをすれば間違いなく逮捕されてしまうわ。厚生省はユーストレス欠乏症の実態を表沙汰にしたがらないからね」

美馬「秘密裏に研究していたとしても、サイコパスの悪化は避けられないだろう?」

真姫「えぇ。定期検診の度に、パパの犯罪係数は上昇の一途をたどっているわ」

美馬「そこまでして何故?」
40 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 18:41:57.44 ID:muWMmPqVO
真姫「私もママも止めたわ。でもパパは研究を続けている。この問題を研究する人間が自分以外にいないからと」

美馬「・・・」

真姫「それからは、私もママもパパのやることを否定しなくたった。むしろママはパパの研究の手助けをするようになったわ」

美馬「・・・」

真姫「私は将来、医者の道を志すつもりよ。シュビラの職業適性なんて関係ない。もしパパ達が研究の末に潜在犯になったとしても、私はその意思を継いで研究を続ける」

美馬「真姫ちゃん・・・」

真姫「医者は患者の身体だけでなく、心も救わなければならない。私はずっとパパにそう教えられてきたわ」

美馬「こんな時代に、そのような意思に基づき事を為す医者が存在したとはな・・・」
41 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 18:43:14.94 ID:muWMmPqVO
真姫「あなたもユーストレス欠乏症の患者なのでしょう? 健康的な身体に見えるけど」

美馬「その通りだ。ある者からもらった特別な調合薬で症状を抑えている」

真姫「悪くない処方だと思うけど、それではダメね。その場凌ぎの処方では、長い目で見てその患者を救うことにはならないわ。そうね・・・」スッ

職員「な、なにを・・・?」

真姫「あなたがこの人に処方しようとした薬、量も効能も過剰すぎるわ。これでは患者の体への負担が大きすぎる」

鹿矛囲 (ほう・・・)

真姫「既存の薬でも、組み合わせを変えるだけでだいぶ違いが出るわ。そうね、この薬なら、これと・・・」

美馬「この薬はどうかね?」

真姫「いいわね。それからこれと・・・」

美馬「そこに〜座るだけでもわかる〜♪ 君は〜ヤバイ状態なんだよ〜♪」

真姫「やがて〜ふたりきりになりた〜い♪ 病気にな〜る〜 甘い〜薬を上げましょう〜♪」

真姫美馬「Beat in Angel〜♪」

青柳 (なにこれ?)
42 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 18:46:29.64 ID:muWMmPqVO
───メンタルケア施設 外

雛河「この近くには、ホロをまとった人はいないみたい・・・」

凛「それじゃあ中にいるに違いないにゃ。突入にゃ」ガララッ

弥生「私も行くわ」ガララッ

美佳「ちょっと!? なに勝手な行動してるの!!」

凛「ずっと待機なんて凛の性に合わないにゃ。それに今日の夜は希ちゃんと海未ちゃんと一緒にラーメンを食べに行く約束をしてるから早く終わらせたいにゃ」

美佳「なに馬鹿なこと言ってるのよ! それにそんなことが許可できるわけないでしょ!?」

凛「朱お姉さんに言ってあるから大丈夫にゃ。一緒に来てくれるにゃ」

弥生「私もご一緒していいかしら?」

凛「もちろんにゃ。せっかくだから志恩お姉さんも誘うにゃ」

美佳「あぁ〜、もうっ!!」イライラ
43 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 18:49:23.11 ID:muWMmPqVO
───メンタルケア施設内

凛「公安局にゃ! どういう状況かにゃ?」

真姫「あら? 凛じゃない」

凛「真姫ちゃん! なんでここにいるにゃ?」

真姫「ちょっとパパのお使いでね」

弥生 (ここの人達、執行対象とまではいかないけど、犯罪係数がかなり危険な状態ね・・・)スチャ

青柳「六合塚執行官、星空執行官・・・」

弥生「青柳監視官! 怪我を・・・」
44 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 18:51:55.89 ID:muWMmPqVO
青柳「私のことはいいから、あの男を・・・!」

美馬「・・・」

弥生「彼を?」スチャ

『犯罪係数 アンダー80 執行対象ではありません トリガーを ロックします』

弥生「・・・?」

青柳「この現状を作り出したのは彼よ。なぜか犯罪係数は規定値以下を保っているけど・・・」

弥生「えぇっ・・・!?」

美馬「その通りだ」

弥生「っ! 凛、その子と一緒に下がって!」

凛「真姫ちゃん、一緒にこっちに来るにゃ!」
45 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 18:53:40.62 ID:muWMmPqVO
真姫「彼なら大丈夫よ。抵抗の意思はないわ」

凛「えっ?」

美馬「真姫ちゃんの言う通り、私は君達に歯向かうつもりはない」

弥生「・・・」

美馬「私はこの社会に絶望していた。命の価値を軽んじる社会を変えたいと思っていた。だか、どうやらそれは私の思い上がりだったようだ・・・」

青柳「・・・」

美馬「真姫ちゃんのご両親の意思、そして真姫ちゃん自身の意思を知り、私はこの社会に希望を見出だすことができた。私は生きる実感を取り戻すことができた」

真姫「あなた・・・」

美馬「君に会えてよかったよ、真姫ちゃん。やはり君は人々に幸せをもたらす、素晴らしいスクールアイドルだ」

真姫「・・・」
46 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 18:55:22.71 ID:muWMmPqVO
弥生「ご同行願えますか?」

美馬「畏まる必要はない。今、私は特殊な投薬で犯罪係数を抑えているに過ぎない。薬が切れれば、実際の犯罪係数も分かるはずだ」

弥生「現在の犯罪係数が規定値を下回っている以上、任意同行という形になります。よろしいですか?」

美馬「かまわんよ。私は罰を受けなければならない」

弥生「わかりました。霜月監視官、彼を公安局までお願いします」

美佳「・・・はい」

青柳「須郷くん、蓮池くん。今ここにいる患者達は色相がかなり悪化しているわ。すぐにセラピーを受けさせる必要がある」

須郷「! 了解しました」

蓮池「青柳監視官こそヤバいんじゃないですか? その怪我だし、サイコパスだって・・・」スッ

青柳「私のことはいいから。それとドミネーターは向けないで。あなたの違反データを削除するのも面倒なんだからね?」

蓮池「へいへい。相変わらずお優しいことで」
47 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 18:56:34.96 ID:muWMmPqVO
朱「ごめんなさい、遅くなったわ!」

宜野座「状況は!?」

凛「もう大丈夫にゃ。真姫ちゃんが解決してくれたみたいだにゃ!」

朱「えぇ!? どういうこと?」

宜野座「真姫ちゃん!? なぜ君がここに・・・」

真姫「野暮用でたまたま居合わせたのよ。それに、別に私は何もしてないわ」

青柳「いいえ。あなたがいなければ、ここにいる人達全員のサイコパスが悪化して、最悪全員が執行対象になっていた可能性もあるわ。公安局を代表して、あなたに感謝の意を示させてもらいます」

真姫「ヴェェ・・・。まぁ、そこまで言うなら・・・///」
48 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 18:58:23.60 ID:muWMmPqVO
宜野座「とにかく真姫ちゃんが無事で何よりだ。君にもしものことがあったら、俺の犯罪係数は観測史上最高値を叩き出していたことだろう」

凛「お兄さんは相変わらずだにゃ」

弥生「あの、実は私も真姫さんのファンなんです」

凛「弥生お姉さんも!?」

弥生「あなたが作る曲にはいつも感銘を受けていました。よろしければサインお願い出来ますか?」

真姫「し、仕方ないわね///」カキカキ

凛「やっぱり真姫ちゃんは人気者だにゃ」

宜野座「六合塚、実は俺は先日真姫ちゃんに会って、先にサインをもらっていたのだ」ドヤッ

弥生「はぁ、そうですか」

東金 (出番がないな・・・)ハァ
49 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/11(土) 19:00:19.93 ID:muWMmPqVO
凛「にゃ? これは何かにゃ?」

朱「! これは・・・」

『WC』

凛「マジックで書いてあるにゃ」

弥生「なんかダサいわね」

凛「WC? トイレかにゃ?」

宜野座「やっぱりそう思うよな?」

朱「いいえ、これは恐らくwhat colorの頭文字。何色かという意味よ」

凛「色? なんの話かにゃ?」

朱「・・・」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/12(日) 20:01:47.94 ID:A6baSfp4o
どっちも好きな作品だから期待
51 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 15:24:21.78 ID:eXczLCw0O
>>50
コメサンクスです(`・ω・)
52 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 15:25:06.88 ID:eXczLCw0O
───公安局

美佳「軍事ドローン開発施設の視察、そんな大所帯で行く必要あったんですか? 1〜3係の共同捜査なんて・・・」

朱『人員については局長の指示よ』

美佳「増田代議士の聴取にメンタルケア施設の調査、それにホロの解析まで・・・、こちらのやることが多すぎます」

朱『それぞれ仕事を割り振ってあります。十分こなせると判断しました』

凛「弥生お姉さん、ここの操作はどうやるのかにゃ?」

弥生「ここをこうして・・・、ほら」

凛「おぉ! ありがとにゃ!」

弥生「いつでも聞いて大丈夫よ」ニコ

雛河 (なごむ・・・)カタカタ
53 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 15:26:20.76 ID:eXczLCw0O
美佳「負担が重すぎるんじゃないかと聞いているんです」イライラ

朱『現場に到着。切ります』

美佳「ちょっ・・・、もう!」

凛「なにイラついてるにゃ?」

美佳「うるさいっ! 黙って仕事をしなさい!」

凛「こっちは弥生お姉さんのお陰で順調にゃ。あなたも無駄話してないで早く仕事するにゃ」

美佳 (ホントにこいつは・・・!)イラッ
54 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 15:27:23.49 ID:eXczLCw0O
───局長室

禾生「何の用だね、霜月監視官」

美佳「常守監視官の問題行動について、ご一考していただければと」

禾生「彼女の行動のどこに問題があると言うのかね?」

美佳「いきすぎた現場主義や執行官の危険性を軽視した態度など、将来的に大きな問題に発展しかねないと判断します」

凛「そうかにゃ? お姉さんはみんなをしっかりまとめていて凄いと思うにゃ」
55 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 15:29:03.24 ID:eXczLCw0O
禾生「その通り、彼女の統率力は目を見張るところがある。ドローンに頼り切らない現場主義の姿勢も、監視官の職務としては評価されるべきものだ」

凛「マニュアルばかりに頼っていては現場じゃ何も出来ないにゃ」

美佳「・・・って、何でアンタがここにいるのよ!?」

凛「にゃ?」

美佳「執行官のアンタが局長に会うなんて・・・! 申し訳ありません局長!」

禾生「別に構わんよ。先のメンタルケア施設での一件、彼女の行動力が解決の一端を担ったことは聞いている。よくやってくれたな、星空執行官」

凛「照れるにゃ」

美佳「なっ・・・」
56 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 15:29:58.48 ID:eXczLCw0O
弥生「凛! 何をしているの!」ザッ

凛「あっ、弥生お姉さんにゃ」

美佳「ちょっ!? 六合塚さんまで・・・!」

弥生「申し訳ありません、禾生局長。すぐに戻らせますので」

禾生「うむ。下がりたまえ」

弥生「はい、失礼します。ほら行くわよ」

凛「わかったにゃ。失礼しますにゃ!」フリフリ

禾生「・・・」フリフリ

美佳「・・・」

禾生「どうした? まだ何か用があるのかね?」

美佳「・・・先程話した件については、どうかご考察ください」

禾生「あぁ、わかった。考えておこう」

美佳「・・・失礼します」




禾生「ふむ、星空執行官か。流石はμ'sのメンバー、可愛さがダンチだな」
57 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 15:34:05.27 ID:eXczLCw0O
───公安局 専用宿舎 東金自室

美佳「・・・ここね」スッ

『監視官権限により ロック解除』ウィン

美佳 (東金執行官、最近ぜんぜん目立ってないけど、先輩に対する視線がいやらしいのよね・・・。何か問題にでもなったら面倒だし、少し調べてみましょう)

美佳 (にしても殺風景な部屋ね。普段なにしてるのかしら。ん? この引き出しは・・・)ガラッ

美佳「っ! なに、これ!? 先輩の写真が大量に・・・!」

凛「うわっ!? こっちには朱お姉さんの女の子の日の周期が書いてあるにゃ! キモいにゃ!!」※公式設定

美佳「パソコンには先輩のサイコパスのデータが1日単位で・・・、キモすぎでしょ!?」
58 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 15:35:26.30 ID:eXczLCw0O
凛「美佳ちゃん、これ朱お姉さんに報告した方がよくないかにゃ?」

美佳「バカっ! こういうことは慎重に見定めないと・・・。と、とにかくこのことは私とアンタだけの秘密! いいわねっ?」

凛「わ、わかったにゃ」

美佳「・・・って!? なんでアンタがここにいるのよっ!?」

凛「今さら? それに同じ反応じゃつまらないにゃ」

美佳「あぁ〜ん、もうっ!!」イライライラ

prrrrrrr...

美佳「なによっ!」ピッ

志恩『わっ、いきなり何を怒ってるのよ? とにかく凛ちゃんと一緒にすぐに来て。先輩のピンチよ?』

美佳「えっ?」

凛「にゃ?」
59 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 19:14:14.19 ID:eXczLCw0O
───公安局 情報分析室

美佳「捜査中の軍事施設のドローンが乗っ取られたですって!?」

志恩「えぇ、国防省管轄のドローンが乗っ取られて、不特定多数の一般市民にコントロールされるっていう前代未聞の事態だわ」

弥生「おそらく一般市民に自覚はない。保護プログラムでドローンの操作を携帯端末ゲームに見せかけてる」

凛「お姉さん達は大丈夫なのかにゃ!?」

志恩「今のところはね。だけど現場から離れない限り、それも時間の問題だと思うわ」

弥生「霜月監視官と共に、現場に向かいます」

凛「凛も行くにゃ!」
60 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 19:15:05.85 ID:eXczLCw0O
朱『ダメよ! 敵は酒々井監視官のドミネーターを所持している可能性がある。執行官は来るべきではない』

凛「でもっ!」

朱『命令よ、星空執行官。あなたはそこで私達のバックアップをお願い!』

凛「っ! わかったにゃ・・・!」

志恩「どうにかしてドローンを操っているプロキシサーバを見つけないと・・・」
61 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 19:16:52.32 ID:eXczLCw0O
凛「ぷろきしさーば? それって国防相とは別の場所にあるものなのかにゃ?」

志恩「そりゃあここまで綿密なテロを計画しようっていうんだから・・・。いや、もしかしたら直接国防相のサーバを使用している可能性も・・・?」カタカタ

凛「?」

志恩「ビンゴ! 本当に国防相のサーバを使ってるわ! お手柄よ凛ちゃん!」

弥生「すごいわよ凛!」

凛「なんかよく分からないけど照れるにゃ!」

美佳「( ゚д゚)」ポカーン
62 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 19:18:14.98 ID:eXczLCw0O
朱『早急に解決策を見つけてくれたことは何よりです』

志恩「だけど国防相のプログラムとなれば解除に時間がかかるわ。もう少し持ちこたえて!」

雛河「ぼ、ぼくもやる・・・」

弥生「(いたのね・・・) 私もサポートします!」

凛「それじゃあ凛は踊ってみんなを応援するにゃ!」サーユメヲー♪

宜野座『何っ!? μ'sの生ライブだと!? クソッ、俺も居残り組だったら・・・!』

須郷『宜野座執行官! 今は現場に集中してください! 下手したら死にますよ!?』

宜野座『馬鹿者! 真姫ちゃんを残したまま死んでたまるか!!』
63 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 19:19:31.70 ID:eXczLCw0O
美佳「何やってんのよあいつ・・・」

凛「ほらっ! 美佳ちゃんもボーッとしてないで凛と踊るにゃ!」ソーアノヒー♪

美佳「踊らないわよっ! あと美佳ちゃんって呼ぶなっ!」

雛河「す、すごい・・・。μ'sの歌で、どんどんハイになっていく・・・!」

美佳 (なんかヤバい薬みたいになってるけど・・・)

雛河「出来たっ!」

美佳「はやっ!?」

志恩「オッケ〜! それじゃあ、イっちゃおうかしら!」ポチッ!
64 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 19:20:43.92 ID:eXczLCw0O
朱『! ドローンの動きが止まりましたっ!』

凛「やったにゃ!」

弥生「よかった・・・」ホッ

宜野座『いや、待て・・・。なんだ!? 今度は警備ドローンが暴れだしたぞ!?』

美佳「えぇっ!?」
65 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 19:23:24.80 ID:eXczLCw0O
───市街地

絵里「な、何よこれ!?」

希「エリチ走って!」ダッ

絵里「え、えぇ!」ダッ

にこ「なんで警備ドローンが・・・!?」ダッ



海未「こ、来ないでくださいっ!」

警備ドローン「ウミチャアアァァァァンッ!!」ガガガガッ

穂乃果「海未ちゃんっ! ことりちゃん、ゴッドバード!」

(・8・)「チュン!」ゴオオォォォォォォッ!!

ズガァァァァァァン!!

穂乃果「海未ちゃん大丈夫!?」

海未「あ、ありがとうございます。穂乃果、ことり」

ことり「今のうちに逃げよう!」ケホッ
66 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 19:24:48.68 ID:eXczLCw0O
───公安局 情報分析室

美佳「内にまで仕込んでいたって言うの!?」

凛「ど、どうするにゃ!?」

雑賀「プロキシサーバの場所、灯台もと暗しなんじゃないのか?」ザッ

志恩「そんなのとっくに解決済みよ!」

雑賀「えっ、そうなの?」

凛「おじさん! たいへんなことになってるにゃ!」

雑賀「ふむ・・・、なるほどな。これはもう、実際の映像をコントローラーである一般市民に見せるしかないだろう」

美佳「はぁ!? そんなことしたら、エリアストレスが急激に悪化するじゃない!」

雑賀「そこら辺はお前さんの仕事だろう。それに現状ドローンによる被害は最小限だ。直接映像を見たところで最悪の事態にはならんさ」

弥生「議論している暇はないわ! 志恩、ホロの除去プログラムは?」

志恩「もう翔くんが作成済みよ。それっ!」ポチッ!

美佳「ちょっ!?」
67 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 19:25:53.94 ID:eXczLCw0O
───市街地

絵里「と、止まった・・・?」

希「・・・みたいやね」

にこ「た、助かった〜〜・・・」ヘタッ



穂乃果「ことりちゃん、ブレイブバード!」

(・8・)「チュン!」ゴオオォォォォォォッ!!

海未「ちょっ、もう大丈夫みたいですよ!? 穂乃果っ! ことりぃぃぃぃぃっ!!」



市民1「なんだ!? 急にゲームの映像が変わったぞ!?」

市民2「ここに映ってるのって・・・、海未ちゃんじゃん!?」

市民3「こっちには絵里ちゃんと希ちゃんが映ってる!?」

市民4「のぞえり最高おおぉぉぉぉぉっ!!!」
68 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 19:27:50.13 ID:eXczLCw0O
───公安局 総合分析室

志恩「あら、思ってたよりもエリアストレスの上昇は大したことないわね?」

弥生「一部では逆にエリアストレスが良化しているわ。なんなのかしら?」

凛「何もないならそれに越したことはないにゃ」

雑賀「ふむ」

美佳「よ、よかった〜・・・」

朱『こちらもドローンの動きが止まりました。みなさん、ありがとうございました』

凛「お姉さん達が無事なら何よりにゃ!」
69 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 19:29:33.88 ID:eXczLCw0O
志恩「だけど、ゲームが現実のものと分かった上でドローンの操作を続けているやつもいるみたい。放っておけば間違いなく被害が出るわ」

弥生「私達の出番ね。行きましょう、霜月監視官。凛も準備して」

美佳「は、はい!」

凛「了解にゃ!」

志恩「! 朱ちゃん、酒々井監視官のドミネーターの反応が港に向かってる。海路で逃げるつもりかも知れないわ」

朱『っ! そこに鹿矛囲が・・・』

青柳『常守監視官! ドローンの実弾銃なんて持ってどこに行くつもり!?』

朱『皆さんは直ちに公安局に戻ってください! 監視官、執行官問わずセラピーを受けるように! 人的被害がなかったとはいえ、色相への影響は少なからず出ているはずです! 』

宜野座『それはお前だって同じだろう! 常守っ!』
70 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 19:30:44.25 ID:eXczLCw0O
───港

鹿矛囲「・・・」

朱 「鹿矛囲っ!」ザッ

青柳「酒々井監視官っ!」ザッ

酒々井「っ! 」

鹿矛囲「公安局・・・」

朱 (・・・やっぱり、サイマティックスキャンが認識しない)
71 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 19:31:56.38 ID:eXczLCw0O
鹿矛囲「計画は失敗だ。まさか、こんなにも早くドローンが無力化されるとは思っていなかった」

青柳「公安には優秀な人材が揃っているわ。あなたの思い通りにはならない」

鹿矛囲「そのようだ。先のメンタルケア施設の件でも、こちらの計画は失敗に終わった。僕達は現在、何もかもが後手に回っている」

酒々井「鹿矛囲・・・」

朱「降伏しなさい。あなたの考えは、公安局で聞かせてもらいます」

鹿矛囲「裁きたければ裁くがいい。無論ドミネーターでは無理だろうが、そのもうひとつの武器なら、この場で僕を裁けるはずだ」
72 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 19:32:55.36 ID:eXczLCw0O
朱「・・・っ!」グッ

鹿矛囲「無理だろうね、君には・・・。さらばだ」

青柳「っ! 船が・・・!」

東金「監視官、それを!」ザッ

朱「東金さん!?」

東金「やっと出番が・・・!」スチャ

朱「! ダメっ!!」ガッ

東金「えぇ? また見せ場なしぃ?」

鹿矛囲「・・・」

ザアアァァァ......

青柳「取り逃がしてしまったわね・・・」

朱「・・・」

東金「はぁ・・・」ショボン
73 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 19:35:35.59 ID:eXczLCw0O
───市街地 マンション一室

市民5「花陽ちゃ〜ん、花陽ちゃんはどこかなぁ〜〜?」スマホポチポチ

ガチャッ

美佳「公安局です!」

市民5「うわっ!? 公安!?」ダッ

凛「かよちんに手を出そうとはいい度胸にゃ」スチャ

『犯罪係数 オーバー130 執行対象です 執行モード ノンリーサル パラライザー』

凛「執行にゃ!」キュイン!

市民5「えっ!? μ'sの凛ちゃガッ!」バタッ
74 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/14(火) 19:37:37.84 ID:eXczLCw0O
凛「クリア」

弥生「次のエリアストレス警報は、ここから8q離れた商業エリアです」

美佳「あ〜、もうっ! キリがない・・・!」

凛「ぐずぐずしてなれないよ! 被害者が出る前に急ごう!」ダッ

美佳「ちょ、ちょっと! 一人で行ったら危ないからっ!」ダッ

弥生「凛っ、あまり先走ってはダメよ!」ダッ
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/16(木) 22:30:25.66 ID:/5d8GyatO
サイコパスは知らないけど面白い
76 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [sage]:2019/05/17(金) 21:58:40.37 ID:pfgRMM5YO
>>75
コメント感謝
更新まちまちで申し訳ない
77 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 21:59:51.45 ID:pfgRMM5YO
───市街地 住宅

美佳「公安局ですっ!」バッ

市民6「ふぇあっ!? 公安!?」

『犯罪係数 オーバー150 執行対象です 執行モード ノンリーサル パラライザー』

凛「執行!」キュイン!

市民6「μ'sの凛ちゃん!? あ、あのサインをガッ!!」バタッ

弥生「各地のエリアストレス警報もかなり沈静化してきました」ピッ

美佳「もうヘトヘトなんだけど・・・」

弥生「恐らく次で最後です。エリアストレス警報はここから4q先、音乃木坂の───」

凛 (!? そこって・・・!)
78 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:02:16.71 ID:pfgRMM5YO
───音乃木坂 小泉花陽 自宅

花陽 (ど、どうしよう・・・。テレビではこの近くの住人は避難するようにって言ってるけど、お母さん達もいないし、無闇に動かない方が安全なのかな・・・?)

───ガタッ

花陽「っ!」

花陽 (今の音は・・・。お母さん、帰ってきたのかな・・・?)

───ギィ...



男「・・・」ヒタッ

花陽「ひっ!? だ、誰っ!?」ガタッ
79 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:04:05.53 ID:pfgRMM5YO
男「フフッ、本当にいたよ・・・、μ'sの花陽ちゃん♪ ドローンの映像越しに一瞬花陽ちゃんみたいな人が見えたから、もしかしてって思ったけど・・・」

花陽「えっ、あっ・・・、えぇ!?」ガタッ

男「会いたかったよ、花陽ちゃん♪ 僕のこと分かるよね? キミのライブにはいつも応援に行っていたからね!」ヒタッ

花陽「ヒッ! あ、あの・・・!」

男「あれぇ? 分からないはずないよね? ほらっ、僕だよ、僕っ!」ヒタッ ヒタッ

花陽「い、いやぁ・・・っ!」ガタガタ
80 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:05:27.86 ID:pfgRMM5YO
コラッ ダカラヒトリジャアブナイッテ!
リンッ!

───バンッ!

凛「かよちんっ!」バッ

男「っ!」ビクッ

花陽「り、凛ちゃん!」グスッ

男「おぉ♪ 凛ちゃんまでいるなんて!」

凛「こいつっ!」スチャ!

『犯罪係数 216 執行対象です 執行モード ノンリーサル パラライザー』

凛「かよちんから離れろっ!」キュイン!

男「ガッ!」ビクンッ
81 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:07:48.06 ID:pfgRMM5YO
花陽「ヒャッ!?」

凛「かよちんっ、大じょ・・・」

───ダンッ!

男「・・・ぐぅっ!」ググッ

凛「!? ・・・えぇっ!?」

男「ふぅ・・・! ふぅ・・・!」

凛「そんな・・・、パラライザーが効いてない!?」

美佳「星空執行官!」ザッ

弥生「この男、興奮剤か何かを使っているようです!」
82 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:09:56.89 ID:pfgRMM5YO
凛「くっ、だったらもう一発・・・」スチャ

男「おっと!」ガッ

花陽「きゃあっ!?」

凛「かよちんっ!」

男「ほら凛ちゃん、撃ってもいいんだよ? 僕を撃ったら花陽ちゃんに当たっちゃうかもだけど♪」

弥生「! あの子を囮に・・・!」

美佳「こいつ・・・っ!」ギリッ

花陽「り、凛ちゃん・・・」

凛「くっ・・・」スチャ
83 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:11:24.81 ID:pfgRMM5YO
『対象の脅威判定が更新されました 犯罪係数328 執行対象です 執行モード リーサル エリミネーター』

凛 (!? エリミネーター!? どうしよう、もし撃った瞬間にかよちんを盾にされたら・・・!)

弥生「凛っ、落ち着きなさい!」

美佳「潜在犯! その子を離しなさいっ!」

男「撃たないの? それじゃあ今のうちに花陽ちゃんをいただいちゃおうかな〜♪」サワッ

花陽「ひぃっ!? り、凛ちゃ・・・」ポロポロ...




凛「」ブチッ
84 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:12:39.40 ID:pfgRMM5YO
───ダッ!

凛「かよちんから離れろぉっ!」ガッ!

男「ガハッ!?」バタッ

花陽「きゃあっ!」

美佳「!? 星空執行官っ!」

弥生「! 銃身で直接・・・!?」

凛「こいつっ! こいつっ! こいつっ!!」ガッ! ガッ! ガッ!

男「がっ! ぐっ、がはっ・・・!」
85 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:14:01.01 ID:pfgRMM5YO
花陽「凛ちゃんっ!!」バッ

弥生「凛っ! やめなさいっ!」

凛「こいつがっ、こいつがかよちんをっ!」ガッ! ガッ!

男「ぐっ・・・、ぐぅ・・・!」ビクッ ビクッ

弥生 (いけない、このままじゃ凛の犯罪係数が・・・!)

花陽「凛ちゃん! もうやめてっ!!」




『犯罪係数 252 刑事課登録執行官 任意執行対象です』
86 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:14:44.64 ID:pfgRMM5YO
───キュイン!

凛「に゛ゃあ!?」ビクンッ

弥生「!?」

凛「」バタッ

花陽「り、凛ちゃん!?」バッ

美佳「・・・」

弥生「! 霜月監視官・・・!」

男「・・・ぐっ、お前らぁ!」グッ

美佳「六合塚さん、その子を!」

弥生「っ!」バッ

花陽「ヒャッ!」
87 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:16:11.15 ID:pfgRMM5YO
美佳「・・・」スチャ

『犯罪係数 349 執行対象です 執行モード リーサル エリミネーター 落ち着いて標準を合わせ 対象を排除してください』

美佳「・・・!」ドヒュン!

市民7「ぐうっ・・・!? があぁぁっ!!」

───ドチャアッ!
88 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:17:53.88 ID:pfgRMM5YO
美佳「・・・」

花陽「な、なにが・・・」グッ

弥生「! 見てはダメっ!」

花陽「ひっ!? 人が・・・っ、血が・・・っ」バタッ

弥生「花陽さん! くっ・・・」

美佳「・・・六合塚さん、私は星空執行官を回収します。六合塚さんはその子をお願いします」

弥生「っ! 了解しました」

弥生 (すぐにセラピーを受けさせないと。サイコハザードでこの子のサイコパスまで・・・)スチャ

『犯罪係数 アンダー20 執行対象ではありません トリガーを ロックします』

弥生 (アンダー20!? この状況で、サイコパスをクリアに保っている・・・!?)

花陽「・・・凛ちゃん」クタッ
89 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 23:10:44.68 ID:pfgRMM5YO
───公安局 医務室

凛「・・・んっ」パチッ

凛「・・・ここ、どこにゃ?」

美佳「起きた?」

凛「・・・! 美佳ちゃん」

美佳「大丈夫?」

凛「う、うん。大丈夫・・・、くっ!」グッ

美佳「こら、まだ寝てなさい。無理しないでいいから」

凛「かよちん・・・、かよちんは大丈夫かにゃ?」

美佳「あの子なら大丈夫よ。ケガもないし、サイコパスへの影響もなかったわ」

凛「よ、よかったにゃ・・・」
90 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 23:12:01.02 ID:pfgRMM5YO
美佳「まったく、人のことより自分の心配しなさいよ。あなた、下手したら犯罪係数300越えてたんだからね?」

凛「・・・ごめんなさいにゃ」

美佳「まぁ、あの時の犯罪係数の上昇は一時的だったみたいだし、もう元の数値に戻ったみたいだから、今は落ち着いて体を休めなさい」

凛「・・・なんだか美佳ちゃんが優しいにゃ」

美佳「どういう意味よ。私はもう行くから」

凛「うん・・・」




美佳「・・・いきなり撃って、ごめん」

凛「・・・!」

───ガチャ

凛 「・・・」
91 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 23:12:52.77 ID:pfgRMM5YO
弥生「起きたのね、凛」スッ

凛「! 弥生お姉さん」

弥生「体は大丈夫?」

凛「うん。まだ痺れた感じだけど、けっこう大丈夫にゃ」

弥生「霜月監視官に感謝しなさい。狙って脊髄を避けて撃ったみたいだから」

凛「・・・撃たれて感謝するのもどうなのにゃ?」

弥生「仕方ないでしょ? あのままだったら、あなたの犯罪係数が大変なことになってたんだから」

凛「うん、わかってるにゃ。美佳ちゃんには感謝してるにゃ」

弥生「今はゆっくり休みなさい。もうすぐ志恩も来るから」

凛「わかったにゃ」
92 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 23:14:04.76 ID:pfgRMM5YO
───公安局 専用宿舎 弥生自室

美佳「・・・」

弥生「・・・大丈夫?」

美佳「はい」

弥生「無理しないでいいのよ?」

美佳「・・・潜在犯を執行するのに躊躇いなんかないはずでした。実際、あの潜在犯をエリミネーターで執行するのに迷いませんでした」

弥生「・・・」

美佳「それなのに、あの子を撃ったことには、今でも罪悪感みたいなものがあって・・・」

93 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 23:15:41.13 ID:pfgRMM5YO
弥生「・・・」

美佳「監視官失格ですよね? あの男のことはエリミネーターで排除しても何も思わないのに、あの子を撃ったことにはこんなに・・・」

───ポンッ

美佳「・・・!」

弥生「あまり自分を責めてはダメよ?」ナデナデ

美佳「・・・」

弥生「監視官にだって心はある。迷うことは間違いではないわ」

美佳「・・・はい」

弥生「そして、それは執行官も同じ。あの子はまだ心も未成熟だし、今回の件は仕方なかったことだと思う」
94 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 23:18:25.50 ID:pfgRMM5YO
美佳「・・・あんな無邪気な子が潜在犯になってしまった理由、わかったような気がします」

弥生「そうね。あの時の凛の様子を見たら・・・」

美佳「・・・」

弥生「あの子の愛情は、時に凶器にさえなり得るものなのかもしれないわ」

美佳「・・・私は監視官です」

弥生「・・・」

美佳「担当の執行官がこれ以上問題を起こさないよう、しっかり近くで見ていようと思います」

弥生「・・・そうね」ニコッ
95 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:07:21.36 ID:ANHCQ2xiO
───公安局 専用宿舎 東金自室

東金「・・・」

ゴチャァ...

東金 (忍び込んだならもう少し片付けていけよ・・・)ハァ
96 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:08:27.89 ID:ANHCQ2xiO
───公安局 フリースペース

美佳「東金執行官のパソコンからコピーしたデータ・・・、人事ファイル?」

美佳「っ! 何このデータ?今公開されてるものとはまるで別物・・・。 13年前に執行官として配属されてる。当時18歳・・・。えっ、アイツって今20代じゃないの!?」

美佳「職務中に犯罪係数が急激に悪化した担当監視官をエリミネーターで執行・・・、同じ事例が5件!?」

美佳 (なんなのコイツ!? ヤバい、コイツは本当にヤバい・・・!)
97 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:09:28.81 ID:ANHCQ2xiO
───公安局 総合分析室

朱「雛河くんのお陰で、鹿矛囲が使用しているホロが15年前の航空機事故の被害者を元にしていることが判明しました」

宜野座「そしてこの事故で唯一生き残った被害者の名前が・・・」

東金「鹿矛囲桐斗・・・」

朱「私たちは、前提条件から間違っていたようね。着目すべきは被害者個人ではなかった」

凛「美佳ちゃんが雛河のお兄さんの報告書をしっかり確認しないからいけないのにゃ」ヒソヒソ

美佳「う、うるさいわねっ。進展があったんだからいいでしょ?」ヒソヒソ

弥生 (なんだか最近仲良くなってきたかしら?)ウンウン
98 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:10:59.39 ID:ANHCQ2xiO
志恩「鹿矛囲桐斗個人のデータは公安の権限でも閲覧出来ないわね。理由は医療上の機密保持のためってなってるけど」

美佳 (医療上の機密保持ということは、薬剤特許絡みかしら。そういえば、今この国でかなりの薬剤特許を抱えてる財団って確か・・・)チラッ

東金「・・・」

志恩「あら、でも当時の執刀医さんがご存命だわ。枡嵜葉平、今も現役みたい」

朱「すぐに向かいます。星空さんは同行を」

凛「了解にゃ!」

朱「他の皆さんはそれぞれ割り振らせてもらった仕事をお願いします」
99 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:32:23.28 ID:ANHCQ2xiO
───車内 枡嵜葉平確保後

凛「やっと捜査が進展した感じだにゃ。よかったね朱お姉さん!」

朱「えぇ。だけど油断は禁物よ? 枡嵜医師は鹿矛囲と今でも通じているかもしれないわ。聴取で偽りの証言をする可能性もある」

凛「なるほど〜。それじゃあ一応、鹿矛囲の治療記録も調べて裏をとっておいた方がいいかにゃ?」

朱「そうね。病み上がりのところで悪いけど、公安局に戻ったらお願いできるかしら?」

凛「任せるにゃ!」ビシッ

朱「ふふっ、よろしくね?」
100 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:33:20.42 ID:ANHCQ2xiO
───経済省 特許局 記録保管室

美佳 (東金財団の所有する薬剤特許。この中に・・・)カタカタ

『鹿矛囲桐斗』 検索結果 1件

美佳「あった・・・」

美佳 (航空機事故被害者184名の遺体を繋ぎ合わせる多体移植技術、摘出した脳を分解して繋ぎ合わせる技術。・・・あれ? このデータ、閲覧履歴がある。閲覧した人物は・・・)

美佳 (っ! 航空機事故の被害者の名前。ということは、このデータを閲覧したのは鹿矛囲!?)

美佳「鹿矛囲がここに来た。何のために・・・?」
101 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:37:04.52 ID:ANHCQ2xiO
美佳 (鹿矛囲が閲覧したデータは東金財団が特許申請したもの。これらの特許技術は鹿矛囲の多体移植手術に使用されている)

美佳「鹿矛囲は、東金財団に復讐しようとしているの・・・?」

美佳 (だけど、なんで東金財団はこんな技術を所有していたのかしら。特許出願者の名前は・・・、東金美沙子!? 東金朔夜の母親・・・)

美佳 (すでに亡くなっているみたい・・・。父親は?)

『この情報は封印措置されています』

美佳 (封印措置!? 東金朔夜の出生にも薬剤特許が絡んでるの・・・?)

美佳 (サイコパスに関わる特異体質『AA』の先天性実証例。この項目は・・・)

『この情報は封印措置されています』

美佳「あぁ、もう。イミワカンナイ・・・」
102 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:39:06.23 ID:ANHCQ2xiO
美佳 (この情報、禾生局長に伝えてみようかしら。事件に関わっている情報なら、人員増加してくれるかもしれないし・・・)

美佳 (いや、だけどこの情報を上手く使えば、東金朔夜を危険視しない先輩を更迭させることも・・・)

美佳 (だけど、先輩の行動が鹿矛囲の存在を明らかにしたのは確かだ。刑事課の人達が命を落としてもおかしくなかった現場でも、皆を統率して生存させている。あの子の機転もあったけど・・・)

美佳「・・・」




美佳「・・・先輩のことは気にくわないけど、今は事件解決が先よね」
103 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:45:29.80 ID:ANHCQ2xiO
───公安局 刑事課 取調室

枡嵜「・・・」

雑賀「ふむ、嘘の証言をするつもりはなさそうだな」

枡嵜「その通りだ。私は事故被害者184名の体と7人の脳を使い鹿矛囲を治療・・・いや作り出し、今でもなお彼に手を貸している」

雑賀「手を貸すとは、具体的にどんなことだ?」

枡嵜「ドミネーターを使用許諾者以外でも使用できるよう、監視官の網膜パターンをトレースした生態コンタクトを作成した」

雑賀「酒々井監視官だな。それで鹿矛囲はドミネーターを扱えたというわけだ」

枡嵜「本来彼は先に起こした事件でドミネーターを複数手に入れているはずだった。だがどれも公安の手に阻まれ、計画は失敗に終わっている」

雑賀「・・・」

枡嵜「彼が成そうとしている革命はドミネーターなしでは実現できない。もはや、彼に出来ることは何もないはずだ」

雑賀「革命・・・。シュビラシステムの打倒か」
104 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:47:11.59 ID:ANHCQ2xiO
───公安局 総合分析室

宜野座「しかし、ドミネーターを使ってシュビラシステムを倒すとは、どういった考えなんだ?」

朱 (鹿矛囲の狙いは、恐らく・・・)

弥生「鹿矛囲の目的がドミネーターなら、ドミネーターの使用は控えるべきでは?」

朱「そうね。武装が限られてしまうけど、逆に言えばこちらが動かなければ鹿矛囲は何も出来ないということになるわ」
105 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:49:35.09 ID:ANHCQ2xiO
───公安局 局長室

禾生「なるほどな。君が集めた情報はとても興味深いよ、霜月監視官」

美佳「鹿矛囲の目的は東金財団への報復と考えられます。財団の関連施設の監視を含めて、捜査人員の増強を要請します」

禾生「その前に、君はこの『AA』とは何か分かるかね?」

美佳「いえ、鹿矛囲と東金財団を結びつける何かであるとは考えていますが・・・」

禾生「この『AA』とは所謂オープンデータと言われるものだ。簡単に言えば機密情報を暴こうとする逸脱者を誘き寄せる罠だ」

美佳「えっ・・・?」

禾生「さて、その罠に掛かった逸脱者である君の処分はどうしたものか・・・」

美佳「え、ちょ・・・!?」
106 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:55:30.19 ID:ANHCQ2xiO
───スチャ

美佳「ひっ・・・!」

東金「ほう、この状況でもサイコパスをクリアに保つとは・・・」

美佳「あ、アンタ・・・」

東金「母さん、こいつはいずれシステムを公開する時の模範として使えます」

美佳「か、母さんって・・・、東金美沙子!?」

禾生「そうね。だけど、それは彼女がシュビラの真実を知ってなおサイコパスを保てるならばの話。・・・そうね、試してみましょうか」スッ

美佳「な、なにを・・・!?」グスッ

禾生「霜月監視官、貴女にこの世界の真実を・・・、シュビラの正体を見せて上げる」

美佳「い、いやあぁぁぁ・・・っ!」




凛 (美佳ちゃん・・・! な、なんなのこれ・・・!?)ヒソッ
107 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 21:01:30.94 ID:ANHCQ2xiO
───東京某所 病院

東金 (霜月監視官から聞き出した、常守朱の祖母が入院しているという病院はここか・・・)

東金 (ヤツは幼少の頃から祖母と過ごす時間が長かった。その祖母を手に掛けられれば、流石の奴のサイコパスも黒く染まるはずだ・・・)

東金 (ククッ、老いぼれ一人嬲るだけでサイコパスを濁らすことが出来るなら安いものだ・・・)

東金 (・・・ここか)

───ギィ...




凛「これがレインボーブリッジにゃ!」ビシッ!

碧「まぁまぁ、 凛ちゃんはアヤトリが上手だねぇ」ニコッ

凛「照れるにゃ!」

東金「」
108 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 21:04:33.37 ID:ANHCQ2xiO
凛「それじゃあ次は〜・・・」

東金「・・・星空執行官」

凛「にゃ?」

碧「おや? またアーちゃんのお仲間かい?」

東金「・・・」

凛「あっ、東金のおじさんにゃ! こんな所で奇遇だにゃ!」

東金「おじっ・・・!? 星空執行官、君は宜野座執行官のことはお兄さんと呼んでいたよな?」

凛「それがどうしたにゃ?」

東金「俺は彼と年齢は変わらない。なのに俺だけおじさんというのは失礼じゃないか?」

凛「んー・・・。でもおじさん、なんだか凛のお父さんと同じくらいな気がするんだよね。40歳くらい?」

東金 (っ! なかなか鋭いな・・・)
109 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 21:06:26.46 ID:ANHCQ2xiO
───ガチャ

青柳「ジュース買ってきたわよ〜・・・、って、東金執行官?」

東金「っ! 青柳監視官、なぜここに・・・?」

青柳「この子が急に常守監視官のお婆様に会いたいって言うから、当直の常守監視官の代わりに連れてきたのよ。私も久々の非番だったしね」

凛「璃彩お姉さんがいてくれて助かったにゃ。ありがとにゃ!」

青柳「ふふっ、これくらい別に構わないわよ? ほらジュース。お婆様もどうぞ」

碧「おや、わざわざありがとうね」ニコッ

東金「」
110 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 21:09:00.36 ID:ANHCQ2xiO
青柳「それよりも、あなたの方こそ何でここに? まさか執行官一人で来たわけじゃないんでしょ?」

凛「・・・」ジィ...

東金「え、えぇ。霜月監視官と任務でこの近くまで来ていたんですよ。常守監視官からこの病院にお婆様がいらっしゃると伺っていたので・・・」

青柳「お婆様に何か用でもあったの?」

東金「先の事件でこの病院の警備ドローンも暴走したということでしたので、その件について少しお話を聞かせてもらえればと・・・」

青柳「なるほどね。だけど同伴とは言え、監視官の監視下を離れて単独で行動するのは感心しないわね。霜月監視官は車の中?」

東金「えぇ、任務で疲弊したということでしたので、車内で待機しています」

青柳「それは監視官としても意識的な面で問題があるわね。後で常守監視官から注意してもらわないと・・・」

東金 (あの娘には後で口裏を合わせておかないとな・・・)
111 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 21:11:46.97 ID:ANHCQ2xiO
凛「・・・」

東金「・・・ご入用の様子ですし、私はこれで失礼させていただきます」

碧「おや、何か私に聞きたいことがあったんじゃないのかい?」

東金「事件の詳細については病院の関係者の方から先に伺いましたので・・・」

青柳「そう。それじゃあ凛ちゃん、私達もそろそろ行きましょうか? あまり長居したらお婆様が疲れてしまうかもしれないから」

凛「えぇ〜? 凛はもう少しお婆ちゃんと遊びたいにゃ」

碧「ふふっ、私は構わないよ。アーちゃん以外にこんなに可愛いお客さんが来てくれることなんて滅多にないからね」ニコッ

凛「やったにゃ!」

青柳「まったく・・・」クスッ

東金「・・・失礼します」

凛 (・・・)

───ガチャ
112 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 21:13:45.34 ID:ANHCQ2xiO
東金 (クソッ・・・、計画は失敗か。星空執行官、あのガキが来てから予定が狂ってばかりだ・・・)

───千代田区 セントラルホール(国交省 会合場所)

鹿矛囲「・・・すまない、計画は失敗だ。これでは、シュビラシステムの位置を特定することは出来ない」

桑島「そうか・・・。俺達の望みは叶わなかった訳か」

鹿矛囲「まだ諦めたつもりはない。僕達の悲願を遂げるまでは・・・」

桑島「その気持ちがあるだけで、俺はまだ生きていける。航空機事故直前に転校して生き延び、仲間たちへの罪悪感で押し潰されそうになっていた俺を、お前は救ってくれたのだからな・・・」

鹿矛囲「国交省の役人共、今日始末するのか?」

桑島「あぁ。奴らこそが事故の元凶だ。大義を成すのは先になっても、奴らに審判を下すのは今日と決めていた。お前と違って、こんな汚れ仕事しか、俺に出来ることはないからな」

鹿矛囲「・・・君はあの日よりもずっと前から、僕達の仲間だったよ」

桑島「・・・後は頼んだぞ、桐斗」
113 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/23(木) 16:12:09.35 ID:8FHxMcueO
───公安局

朱「先日の千代田区セントラルホールでの火災で、放火を自首してきた国会議員の桑島浩一の取調べは一係が担当するようにとの通達がありました」

宜野座「桑島浩一、若手の議員としてはかなりの期待株だったらしいが、何故こんなことを・・・」

弥生「! 常守監視官、これを」

朱「どうしたの?」

弥生「この桑島という男、例の航空機事故の被害を受けた学校の児童だったようです。事故が起こる1週間前に転校していますが・・・」

宜野座「直前で事故を免れたということか。鹿矛囲との繋がりがありそうだな」

朱「雑賀先生と共に、すぐに取調べを行います」
114 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/23(木) 16:14:54.45 ID:8FHxMcueO
───取調べ室

桑島「・・・」

雑賀「ふむ、お前も偽りの証言をすることはなさそうだな」

桑島「偽りなど話す必要はない。我々は常に正義と共にある」

雑賀「ほう、国交省の高官達を一人残らず葬ったことがお前の正義であると?」

桑島「奴らはあの航空機事故を黙認し、それを利用して今の地位を手に入れていた。裁かれて当然の者達だ」

雑賀「まぁ、役人達がどうなろうと俺の知ったことではないのだが、今お前は我々と言ったな?」

桑島「・・・」

雑賀「お前は鹿矛囲と繋がりがあると判断していいかな?」

桑島「鹿矛囲は俺の・・・、俺達の希望だ。この社会を正し、新しい秩序をもたらすための」
115 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/23(木) 16:16:34.58 ID:8FHxMcueO
朱「しかし、あなた達の計画は失敗した。複数のドミネーターを手に入れない限り、あなた達の革命は起こせない」

桑島「君は、鹿矛囲の計画の全貌を暴いているのか?」

朱「予測の範囲ではあるけど、恐らくは」

桑島「・・・出来るなら、会話が外に漏れない状況で、君と二人で話をさせてもらいたい」

朱「・・・」

宜野座『常守、そんな要求を飲む必要はない。密室で何を仕出かすつもりか分からないぞ』

桑島「・・・」

朱「・・・」




朱「・・・いいでしょう」
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