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サトシ「アローラ地方…久しぶりだな」
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1 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga !orz]:2019/05/01(水) 22:36:01.58 ID:Y0s1KLamo
空港
サトシ「みんな元気にしてるかなぁ」
ピカチュウ「ピカァ」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1556717761
2 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/01(水) 22:43:43.36 ID:Y0s1KLam0
サトシがポケモンスクールから卒業して10年の月日が経った…
だが10年の月日が流れようともスクールメンバーの友情は変わらず…
卒業してからも年に三回
サトシとポケモンスクールのメンバーは定期的に会い、食事会をひらいていた
去年の食事会は三回ともカントー地方で行った
今年はアローラ地方で食事会。サトシにとっては一年ぶりのアローラだ
いつもアローラで食事会を開く時は当日に合わせアローラ地方に来ていたサトシだったが…
今年は仕事の都合もつき、食事会の三日前にアローラ地方に来ていた
3 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/01(水) 22:52:42.61 ID:Y0s1KLam0
サトシ「一年ぶりに来たけど…やっぱりいいなー!アローラは!」
サトシ「俺の第二の故郷だよ!な?ピカチュウ!」ニッ
ピカチュウ「ピカピカァ!」ニコッ
サトシ「……えっと、スマホスマホ…」ゴソゴソ
サトシはスクールメンバーともLINEで時々連絡をとっていた
特に、スイレンとは頻繁にLINEをしていた
〜LINE〜
スイレン:サトシ!今年のお食事会、もうすぐだね!
サトシ:おう!楽しみだよ!早くみんなに会いたいな
スイレン:うん!私もすっごく楽しみ!
スイレン:早く会いたいな。サトシに
サトシ:俺もだよ。スイレンに会いたい
スイレン:えへへ♪
スイレン:サトシ!アローラに来る時は連絡してね!
サトシ:うん。必ず連絡するよ
サトシ「へへへ」
ピカチュウ「ピカァ!」
4 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/01(水) 22:58:10.36 ID:Y0s1KLam0
サトシ(スイレンにはLINEでアローラ行くときは連絡するって言ったけど……今回はサプライズ!誰にも連絡してない…)
サトシ「へへへ、いっつも当日ギリギリにアローラに来る俺が三日前に来てるなんて誰も想像してないだろうな」シシシ
ピカチュウ「ピカァ!」
サトシ「へへっ、いきなり現れてみんなをビックリさせてやろうぜ!ピカチュウ!」
ピカチュウ「ピッカー!」
5 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/01(水) 23:10:26.23 ID:Y0s1KLam0
…………
サトシ「いやぁ、この辺も変わってないなぁ」キョロキョロ
ピカチュウ「ピカー!」
サトシ「なぁピカチュウ!まず誰んとこ行く?」
ピカチュウ「ピカ?」
サトシ「……つってもー……今日は平日だし、みんな仕事中かな?」
サトシ「……確か………前の飲み会ではカキは実家の仕事を手伝いながら島キングやってるって言ってたな」
ピカチュウ「ピカピカ!」
サトシ「マーマネは宇宙飛行士、マオは今やアローラ全土にチェーン店を持つ、アイナ食堂のウルトラ料理長、リーリエはエーテル財団の名誉会長だっけ?みんなすっげーよなー」
ピカチュウ「ピカァ!」
サトシ「スイレンもこの前LINEでアローラ海底調査班の班長に選ばれたって言ってたっけ……」
ピカチュウ「ピカピカ!」
サトシ「ん〜……やっぱり事前の連絡無しじゃあ、みんなに会えそうにないな。ここはやっぱりカキ……」
ピカチュウ「! ピカピ!」クイクイ
サトシ「……ん?どうしたピカチュ………」
サトシ「! あれは!!」
6 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/01(水) 23:16:34.74 ID:Y0s1KLam0
スイレンママ「後頼まれてる物は…」ゴソゴソ
アシレーヌ「シレーヌ」
サトシ「! スイレンのママだ!」
ピカチュウ「ピカー!」
サトシ「すみませーーん!!」タッタッタ
ピカチュウ「ピカァ!」タッタッタ
7 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/01(水) 23:32:20.36 ID:Y0s1KLam0
スイレンママ「! あら?あなたは……」
サトシ「へへへっ!アローラ!お久しぶりです。ポケモンスクール時代にスイレンさんのクラスメイトだったサトシです!」
ピカチュウ「ピカァ!」
スイレンママ「サトシくん!?アローラ、久しぶりね」ニコッ
スイレンママ「スイレンからいっつも話は聞いてるわ?立派になっちゃって…」
サトシ「へへへ////」テレッ
ピカチュウ「ピカァ///」テレッ
スイレンママ「それにしても……どうしたの?確か、いっつもみんなで集まってるお食事会は三日後じゃなかったっけ?」
サトシ「はい!今回は都合がついたんで、少し早めに来たんです!」
スイレンママ「そうなの?でも……スイレン、サトシくんが早めにアローラに来るなんて一言も言ってなかったわよ?」
サトシ「へへへ、みんなにはナイショで来てビックリさせようと思って!」
ピカチュウ「ピカァ!」
スイレンママ「……ふふっ、そういうところ……昔と変わってないのね?」クスッ
サトシ「へへへ////」テレッ
アシレーヌ「シレーヌ♪」
サトシ「おっ!久しぶりだなアシレーヌ!スイレンママの買い物の手伝いか?偉いな」ナデナデ
アシレーヌ「シレーヌ!」
スイレンママ「そうなのよ!アシレーヌ、いっつも私の手伝いをしてくれて……」
サトシ「…………ん?」ピタッ
スイレンママ「? どうしたの?」
サトシ「……あ、いや……アシレーヌがここにいるってことは……今日、スイレン仕事休みですか?」
スイレンママ「……仕事?」
サトシ「はい!アローラ海底調査班の仕事です!スイレン、アシレーヌと一緒にゼンリョクで頑張ってるって言ってたから……」
スイレンママ「……アローラ海底調査班……?」
サトシ「スイレン、この前LINEでそこの班長に選ばれたって言ってすっげー喜んでて……」
スイレンママ「……………」
アシレーヌ「ウァ………」
スイレンママ「サトシくん」
サトシ「?」
スイレンママ「……もし予定がないのなら……今から家に来てもらってもいい?」
サトシ「え?」
ピカチュウ「ピカァ?」
8 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/01(水) 23:45:53.69 ID:Y0s1KLam0
スイレンの家
サトシ「スイレンのママ……家まで来てくれって言ったわりには、今度は家の前で待っててくれって……どういうことだろうな?ピカチュウ?」
ピカチュウ「ピカァ?」
スイレンママ「……スイレン!起きなさい!頼まれてた物買ってきたわよ!」ガンガン
アシレーヌ「シレーヌ!」
シーン……
スイレンママ「……いい加減にしなさいスイレン!!いつまで寝てるつもり!?もうお昼よ!!」ガンガンガン
「あー……もううるさいなぁ」ガチャッ
スイレンママ「!」
スイレン「………せっかく見てたのに。いい夢……」ボサッ
ナギサ「………ブイッ」ボサッ
9 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/01(水) 23:57:07.60 ID:Y0s1KLam0
スイレンママ「スイレン!!お母さんにむかってそのクチの聞き方はなんなの!?」
スイレン「あーうるさいうるさい。鬼ババ」ボソッ
ナギサ「イッブイ」
スイレンママ「なっ…!?お、鬼ババ!?」ムカッ
スイレン「それより…買ってきてくれた?頼んだもの」
スイレンママ「スイレン!まだお母さんの話は終わってないわよ!」
スイレン「なぁに?もぅ」イラッ
スイレンママ「なにじゃありません!あなた……恥ずかしくないの?いい歳して仕事もしないで家でゴロゴロと…しかも起きてくるのもお昼!!」
スイレン「……またその話?」イラッ
サトシ(えっ……?スイレンが仕事してない…!?海底調査班は!?ど、どういうことだ……?)コソッ
ピカチュウ「チャア……」
10 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/02(木) 00:13:52.55 ID:E9aSoUkd0
スイレンママ「どうせまた夜遅くまでパソコンしてたんでしょ!?」
スイレン「……就職サイト見てたの」
スイレンママ「あらそう。だったらいい仕事は見つかった?」
スイレン「……ま、まだ!その……私に合った仕事は無かった!…その……じっくり選びたいから!」アセアセ
ナギサ「ブイッ!ブイッ!」
スイレンママ「スイレン!あなたそう言って何年ニートするつもり!?」
スイレンママ「あなたと同じ歳くらいの、マオちゃんやカキくんやマーマネくん、アセロラちゃんだって立派に働いてるのよ!」
スイレン「お母さん、人は人。私は私、比べるのはよくない!私には私のペースがある!」ビシッ
スイレン「それと……マオちゃんやカキやマーマネはともかく、アセロラなんかと……」
スイレンママ「ハァ……あんたはそうやってヘリクツばっかり……」
スイレンママ「そんなんじゃサトシくんにも嫌われるわよ?」ジトー
スイレン「!? さ、サトシは関係ない!!////」
スイレンママ「……このさいだから言わせてもらうけど……スイレン、あなた夜な夜なサトシサトシうるさいのよ。年頃だから仕方ないけど……少しはお母さんたちのことも考えて……」
スイレン「う、うるさいうるさーい!!////」
スイレンママ「」ビクッ
スイレン「お、お母さん!!それ、プライバシーの侵害!い、いくら家族だって、踏み込んでいいことと悪いことが……!!」
スイレンママ「………………」
スイレン「……そ、それに!!お母さんには言ってなかったけど……私、付き合ってるから!!サトシと////」ポッ
ナギサ「ブイッ!」
スイレンママ「えっ?そうなの?」
アシレーヌ「ウァ……」
サトシ(は?俺と付き合ってる……?初耳だよスイレン……)ハァ
ピカチュウ「ピカピ」ポンッ
11 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/02(木) 00:35:14.73 ID:E9aSoUkd0
スイレン「うん!サトシとずっとLINEしてる!遠距離だけど……ラブラブ!私たち////」
ナギサ「イッブイ!」
スイレンママ「………………」
スイレン「三日後……いつもの食事会あるし、私……そこでサトシに私と結婚する気があるか聞いてみるつもり!」
スイレンママ「……は?結婚……?」
スイレン「そう!お母さんには今のうちに言っとく!」
スイレンママ「結婚って……」
スイレン「……あっ、よく考えたら…サトシと結婚ってなったら、私、する必要ない!就職!」
スイレンママ「…スイレン、百歩譲ってあなたがサトシくんのお嫁さんになるとして……」
スイレン「百歩譲ってってなに!?サトシと私……ラブラブだし、絶対に結婚できる!」
スイレンママ「……スイレン、主婦はあなたが思ってる程甘い物じゃないのよ?料理にお洗濯、掃除……お買い物に、旦那さんのサポート……その他諸々」
スイレンママ「子供ができたら子供の世話もしなくちゃいけないわ?とてもじゃないけど……ニートな上に、ウ◯コを製造することしかできない今のスイレンには……」
スイレン「私、小さい頃のホウとスイのお世話してたし、それくらい楽勝!……足りない分は……サトシとの愛のパワーで補えば…////」
スイレンママ「………………」
スイレン「あっ、お母さん!私、お腹空いた!ご飯まだ?」グー
ナギサ「イッブイ」グー
スイレンママ「……………ハァ……」
スイレンママ「……入ってきていいわよ?サトシくん」チラッ
アシレーヌ「……………」
スイレン「……………へ?」
ナギサ「ブイ?」
ガチャッ
12 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/02(木) 01:26:56.62 ID:HOMLVCYFO
サトシ「あ、アローラスイレン。久しぶり…」ハハハ
ピカチュウ「ピカ!」
スイレン「……うぇ……?さ、サトシ……?」
ナギサ「ブイ…」
スイレンママ「……………」
スイレン「な、なんでサトシが……」
サトシ「い、いや……そのー……今回、仕事の都合がついたから、少し早く来てみんなを驚かそうと……」ハハハ
スイレン「……ゆ、夢……?これ、さっきの夢の続き??そ、そうだ!そうに違いない!」ポンッ
サトシ「スイレン!?」
ピカチュウ「アッチャー……」
スイレン「は、早く行かなきゃ!!海底調査のお仕事!!アシレーヌ!ナギサ!支度して!」アセアセ
アシレーヌ「シレーヌ!?」
ナギサ「ブイー?」
サトシ「お、おい!スイレン……?」
スイレン「だ、だって!私、班長だし!班長が遅刻は厳禁!急がなきゃ!」ハハハ
サトシ「スイレン!落ち着けよ!」ガシッ
サトシ(……う、うわっ……スイレンなんか臭うな……風呂入ってないのか……?)
スイレン「うわぁぁぁぁん!!はなしてサトシー!私、ニートじゃないっ!!」ビエーン
ピカチュウ「ピカァ…」
アシレーヌ「シレーヌ…」グスッ
ウワァァァァン……
スイレンママ「………ハァ…」
ナギサ「イッブイ……」
13 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/02(木) 18:29:23.48 ID:b0SBAOOy0
…………
スイレン「うぇっ……!…ヒッグ…」グスッ
サトシ「……泣くなよスイレン…」
スイレン「だ、だっで…」グスッ
サトシ「……その……いつからニー……仕事してないの?」
スイレン「……ずっと……」
サトシ「……ずっとって……今までの食事会の時だってスイレン……オシャレな格好とかしてきてたじゃん。全然無職っぽくなかったよ」
サトシ「それに……カキたちだってスイレンが仕事してない何て一言も言ってなかったし…」
スイレン「……マオちゃんたちには私が海底調査の仕事してるって設定で話を合わせてもらってたの…」
スイレン「……食事会に着てきた服はその……お母さんから貰ったお金で、マオちゃんやリーリエに服を選んでもらって……」
サトシ「……じゃあ知らなかったのは俺だけか……」ハァ
スイレン「」ビクッ
サトシ「……なぁスイレーン!何でそこまでして俺に嘘ついてたんだよ」ジトー
スイレン「……だ、だって……私が無職のニートだって知ったらサトシ…嫌いになるだろうし…私のこと」モジモジ
スイレンママ「そう思うなら働きなさい!」
スイレン「い、今は関係ない!それ!お母さんは黙ってて!」
サトシ「…なぁスイレン。スイレンが無職だからって、別に嫌いになんかならないよ」
スイレン「え!?ホント?」パァァ
サトシ「うん。それより今まで嘘をつかれてた方がショックだよ」
スイレン「うぅ……じ、実は!」
サトシ「?」
スイレン「……海底調査班班長じゃなくって、自宅警備隊隊長でしたー!」テヘッ
サトシ、スイレンママ「は?」
スイレン「ゴメンナサイ」
ピカチュウ「ピカァ…」
ナギサ「ブイッ」
14 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/02(木) 20:19:37.30 ID:b0SBAOOy0
サトシ(にしても…あの頑張りやだったスイレンがニートだなんて…何かあったのかな?)
ピカチュウ「ピカァ」
サトシ「……あのさスイレン、何かあ……」
スイレン「なに?サトシ!」プーン
サトシ「うっ……(な、何だスイレン…すっげー臭う…)」
スイレンママ「スイレン!臭うわよ!お風呂ちゃんと入ってるの!?」
スイレン「ちょ、ちょっとお母さん!サトシの前!変なこと言わないで!////」アセアセ
スイレン「お風呂なら入った!1週間前に!」ドーン
サトシ、スイレンママ「ハァ?1週間前!?」
スイレン「うっそでーす♪本当は三日前でした!」
ナギサ「イッブイー♪」
スイレンママ「………この子は…」シクシク
アシレーヌ「シレヌ」ポンッ
サトシ「……スイレン、とりあえずお風呂入ってきなよ」
スイレン「えっ?お風呂って……」ドキッ
サトシ「?」
スイレン「サトシ、積極的!でも…今はお母さんの前だし////」キャッ
ナギサ「ブイッ!」キャッ
サトシ「……………」
スイレンママ「いいからお風呂に入ってきなさいスイレン!!」
15 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/02(木) 21:43:53.10 ID:b0SBAOOy0
…………
シャワワワワワ…
サトシ「あのー、すみません…スイレンがシャワー浴びてる間に聞いておきたいんですけど…」
ピカチュウ「ピッカー!」
スイレンママ「わかってるわサトシくん。スイレンがニートになった理由ね」
サトシ「はい…」コクッ
サトシ「何て言うか…こんなこと言っちゃ悪いかもしれませんが…俺、スイレンがニートだなんて、未だに信じられません!」
スイレンママ「………」
サトシ「俺の知ってるスイレンは……夢やポケモンに対して一生懸命で…何にでも積極的で純粋で…面倒見もいいし、頼りになるし…それで…」
ピカチュウ「ピカピ…」
サトシ「スイレンのいいとこあげたらキリがないよ!そのスイレンが…あんな……」
スイレンママ「ふふっ、ありがとう。サトシくん!さすがスイレンが夢中になる子なだけあるわね?」ニコッ
サトシ「いや……えーと…」
スイレンママ「あの子、五年前くらいまでは、サトシくんの言う通りなんにでも一生懸命だったの」
サトシ「!」
スイレンママ「辛いことや苦しいことがあっても…サトシくんとのLINEのやりとりを励みにして何にでもゼンリョクで頑張ってたの」
アシレーヌ「シレーヌ」
サトシ「スイレン…」
スイレンママ「でも……五年前のあの日…ある出会いがあの子の運命を変えたの…」
サトシ「! 出会い!?五年前、スイレンに何があったんですか!?」ガタッ
スイレンママ「スイレンの運命を変えた出会い…それは…」
サトシ、ピカチュウ「」ゴクリ
スイレンママ「アニメよ」
サトシ「……アニメ……」ゴクリ
ピカチュウ「ピカ……」ゴクリ
サトシ、ピカチュウ「………………」
サトシ「………え?アニメ……?」
ピカチュウ「ピカァ…」
16 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/02(木) 22:07:38.58 ID:b0SBAOOy0
サトシ「へ?いや、アニメって……」
スイレンママ「サトシくん、五年前からやってるレッツゴーピカチュウ&イーブイってアニメ知ってる?」
サトシ「えっと、はい…そこまで詳しくはないけど…」
スイレンママ「スイレン……その…スクールの頃からずっとサトシくんに気があったみたいで…」
サトシ「えっと…」
スイレンママ「……やっぱり…LINEじゃあ限界があったみたいであの子…寂しかったみたいなの。あの頃のスイレンは毎日のようにサトシに会いたい会いたいって言ってたわ」
サトシ「それならLINEで言ってくれれば…」
ピカチュウ「ピカピ」ポンッ
スイレンママ「そんなスイレンの心の隙間を埋めたのがアニメピカブイよ!」ビシッ
サトシ「すみません。ちょっと意味が……」
スイレンママ「あの子曰く……アニメピカブイの主人公がサトシくんの子供の頃そっくりみたいなの」
スイレンママ「その日以来、あの子はその主人公をサトシくんに重ねてもう夢中!最初はアニメを何があってもリアタイで見るくらいだったけど…」
サトシ「…………」
スイレンママ「だんだんエスカレートして言って…アニメの実況から関連サイトの徘徊、ついには1日中掲示板に貼りつくまで至ったわ」
サトシ「えぇ…」
ピカチュウ「ピカ…」
スイレンママ「あのアニメに出会って以来、スイレンはそのアニメと主人公が何においても第一!私が何を言っても"明日からゼンリョク出す"の一点張り」ハァ
アシレーヌ「シレーヌ……」
サトシ「スイレン……」
スイレンママ「……でもね、サトシくん。今日はスイレンをもう一度昔のスイレンに戻すチャンスなのよ!」
サトシ「へ?」
スイレンママ「サトシくん!元々スイレンがああなった理由はアニメの主人公をサトシくんに重ねてたからなのよ!」ズイッ
サトシ「えっと……」
スイレンママ「……つまり、リアルサトシくんがいる今、あの子がアニメに現実逃避をする理由もなくなった!」
スイレンママ「サトシくん!お願い、スイレンを助けて!!」ズイッ
アシレーヌ「シレーヌ!」ズイッ
サトシ「………………」
サトシ(……えっ?これ、遠回しにスイレンがああなったのは、俺のせいだって言いたいのかな!?)
ピカチュウ「ピカ!?」
17 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/02(木) 22:20:48.71 ID:b0SBAOOy0
ガチャッ
サトシ、スイレンママ「!」
スイレン「ふぅ…久しぶりのお風呂!いい湯加減だった!」スッキリ
ナギサ「イッブイ♪」サッパリ
スイレンママ「スイレン」チョイチョイ
スイレン「? なに?」
スイレンママ「はい、これ」スッ
スイレン「! こ、これは……一万円!!」ギョッ
スイレン「ど、どうしたのお母さん!ま、まさか……これあげるからハロワ行ってこいとか…」ジトー
ナギサ「ブイー?」
スイレンママ「なに言ってるのよ!久しぶりにサトシくんが来てるんだもん!」
スイレンママ「……それはお母さんからの餞別よ?それでサトシくんとデートしてきなさい?」ヒソヒソ
スイレン「で、デートって////」モジモジ
サトシ「……………」
サトシ(……ま、理由はどうあれ……俺もスイレンには昔みたいに戻ってほしいしな……)スクッ
サトシ「へへっ!行こうぜ!スイレン!」
ピカチュウ「ピッカー!」
スイレン「うん!////」ニコッ
ナギサ「イッブイ!」
18 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/02(木) 22:56:49.39 ID:b0SBAOOy0
…………
サトシ「こうやってスイレンと歩いてるとスクール通ってた頃のこと思い出すなー」
ピカチュウ「ピカー!」
スイレン「うん!よくスクール行く前にサトシとバルーンの練習を……」
ナギサ「イッブイ!」
サトシ(話してみたらスイレンはやっぱりスイレンだよ!あの頃と変わんない)ヘヘッ
スイレン「? どうしたのサトシ?何か笑ってる」ジトー
サトシ「へへっ!何でもないよ!それよりさ?これからどうする?」
サトシ「久しぶりに釣りでもー……」
スイレン「あっ!」
サトシ「?」
スイレン「サトシ!私、あそこよりたい!」スッ
サトシ「!」
『アニメショップアローラ店』
19 :
◆JJ3YoLBgLc
[sage]:2019/05/02(木) 22:58:38.64 ID:b0SBAOOy0
>>18
訂正
『アニメショップアローラ店』
↓
『アニメショップメレメレ店』
20 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/02(木) 23:08:59.92 ID:b0SBAOOy0
サトシ「アニメショップかぁ……いいよ!よろうぜ!」
ピカチュウ「ピッカー!」
スイレン「やった!」
ナギサ「ブイッ!」
サトシ「ピカブイのグッズでも買うの?」
スイレン「! サトシ、ピカブイ知ってるの!」キラキラ
サトシ「うん、あんまり詳しくはないけどな?」ハハハ
サトシ「スイレンのママからスイレンがピカブイにハマってるって聞いたからさ!よかったら色々教えてよ」
スイレン「うん!いいよ!」ニコッ
サトシ「へへっ」ニッ
スイレン「……よーし!そうと決まったら善はいそげ!アニメショップにレッツゴー!」ダッ
ナギサ「ブイッ!」ダッ
サトシ「ははは、スイレン!ナギサ!走ったら危な……」
ゴチン☆
サトシ「……って、言った先から……」ハハハ
ピカチュウ「ピカァ…」
ナギサ「ブイー」ヒリヒリ
「いたた……」
スイレン「大丈夫!ナギサ!」タッタッタ
ナギサ「イッブイ…」
スイレン「ナギサ!ちゃんと前見て走らなきゃ危ない!ほらっ、ぶつかっちゃった人に謝って!」プンプン
ナギサ「ブイ……」ペコッ
スイレン「あの……大丈夫です……」
「あーっ!!」
スイレン、ナギサ「」ビクッ
「お、俺の妹たちが……」ワナワナ
カキ「おい!俺の妹(フィギュア)たちに何してくれんだ!!」クワッ
21 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/02(木) 23:23:35.88 ID:b0SBAOOy0
スイレン「……って、なんだ。カキか」ヤレヤレ
ナギサ「イッブイ」ヤレヤレ
カキ「! スイレン!ナギサ!」
カキ「って、おいスイレン!人にぶつかっておいて何だとは何だ!」
スイレン「ハイハイ、ごめんごめん」
ナギサ「ブイー」
カキ「……ったく!これだから三次の女は…」ブツブツ
カキ「……はっ!そんなことより!妹(フィギュア)たち!ケガはないか!」アセアセ
スイレン「カキ、ぶつかったり怒ったり慌てたり忙しい」ヤレヤレ
ナギサ「ブイッ」ハァ
カキ「年中暇な奴に言われたくないんだよ!」ヤレヤレ
カキ「っと、今はスイレンなんかより……」ゴソゴソ
カキ「ケガはないか?ミヅキ(フィギュア)!メイ(フィギュア)!コトネ(フィギュア)!」
メイ(カキ裏声)「全然へーきだよ!お兄ちゃんが守ってくれたから!」
コトネ(カキ裏声)「おにーちゃんだ〜いすき♪」
ミヅキ(カキ裏声)「ウ◯コ製造機ぶっ飛ばす!」
カキ「おにーちゃんも大好きだぞ〜妹たち〜////」デレーン
スイレン「うわっ……カキ、相変わらずキモっ…」サーッ
ナギサ「イッブイ」オエッ
「おーい!」タッタッタ
スイレン、カキ「!」
22 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/02(木) 23:58:47.46 ID:b0SBAOOy0
サトシ「スイレーン!ナギサー!大丈夫かー!」タッタッタ
ピカチュウ「ピカー!」タッタッタ
カキ「サトシ!?」
サトシ「! カキ!」
ピカチュウ「ピカー!」
サトシ「ははっ!久しぶりだな!カキー!」
カキ「な、なんでサトシがアローラに…確か食事会は三日後のハズ……」
スイレン「サプライズで早めに来たんだって」
カキ「サプライズ!?」
スイレン「あっ、ちなみに私!今、サトシとデート中♪」
カキ「スイレン……嘘つきだけじゃなく、とうとう妄想癖まで…」
スイレン「お人形と話すカキにだけは言われたくない」
ナギサ「ブイブイ!」プンプン
サトシ「へへっ!会いたかったよ!カキ!」
ピカチュウ「ピカー!」
カキ「あ、ああ……お、俺もだよサトシ!」ハハハ
カキ「で、でもサトシー!来るなら来るって連絡くらいは……」
サトシ「……ん?カキ、その女の子の人形なに?ホシちゃんにプレゼント?」
カキ「! い、いや……!これは……」ササッ
サトシ「?」
スイレン「カキの可愛い妹たちだって。そのお人形」プププ
ナギサ「イブブ」プププ
サトシ「妹?」
ピカチュウ「ピカー?」
カキ「お、おいスイレン!何でサトシにバラすんだ!」
スイレン「カキ、そのお人形たちはカキの可愛い妹なんだし隠すことない!胸はって!」グッ
カキ「ふ、ふざけるなよ!お前がニートなのをサトシに隠すのに、今までみんなで散々協力してやっただろ!」ワナワナ
カキ「……こうなったら、サトシにスイレンがニートなのをバラして……」
スイレン「もうバレてま〜す♪」
ナギサ「イッブイー♪」
カキ「えぇ……」
23 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/03(金) 01:13:48.06 ID:hUBOBBx80
…………
カキ「………てな訳でー…」
カキ「サトシ!紹介するぜ!俺の妹たちだ!」
ミヅキフィギュア、コトネフィギュア、メイフィギュア「」ズラッ
サトシ、ピカチュウ「………………」
サトシ「な、なぁスイレン……カキが妹って言ってるあの子たち……俺にはどう見ても人形にしかみえないんだけど…」ヒソヒソ
ピカチュウ「ピカー…」
スイレン「サトシ!安心して!私にもお人形にしか見えない」ニコッ
ナギサ「イッブイ!」
サトシ「……ね、ねぇカキ……何かあった……」
カキ「みんな!こいつは俺のスクール時代からのライバルで親友のサトシだ!」
メイ(カキ裏声)「アローラ!よろしくね!サトシくん!」
コトネ(カキ裏声)「カキおにーちゃんだ〜いすき♪」
ミヅキ(カキ裏声)「カキおにーちゃんの方がイケメンだしバトル強いよ」
カキ「こらこら〜////」デレーン
サトシ「…………」
スイレン「う〜ん……これは重症…」
ピカチュウ「カッ」
サトシ「そ、そうだカキ!カキ、この間島キングに任命されたんだろ!」
カキ「!」
サトシ「なぁ!バトルしようぜ!カキ!」
ピカチュウ「ピカァ!」
カキ「い、いや……それがその〜…」ハハハ
サトシ「?」
スイレン「サトシ!それ、カキが見栄はっただけ!ライチさんはまだ現役!」
サトシ「……見栄……?」
カキ「ち、違う!そのー……だったらいいなぁ……と言うか……近い内にキングは俺かなぁ?って言う、希望的観測と言うか〜…」ハハハ
カキ「で、でも!実家の手伝いをしてるのは本当だぞ!スイレンと違って俺はちゃんと働いてる!」
サトシ「そ、そっか……」
スイレン「サトシ!私はまだ自分に合った仕事に出会ってないだけ!今はじゅうでん期間!」
スイレン「明日からゼンリョク出す!」
ナギサ「イッブイ!」
サトシ「そう…」
ピカチュウ「チャア…」
24 :
◆JJ3YoLBgLc
[saga]:2019/05/03(金) 01:40:03.02 ID:hUBOBBx80
サトシ「ねぇカキ……この人形のことなんだけど…」
カキ「あ?人形?」ギロッ
サトシ「……妹たちのことなんだけど…何で俺にはナイショにしてたの?」
カキ「それは…」
サトシ、ピカチュウ「」ゴクリ
カキ「だって……恥ずかしいだろ?////」テレッ
サトシ「そ、そう…」
スイレン「カキが人形に話しかけるのはアローラの島中の人たちが知ってる事実!今さら恥ずかしいも何もないと思う」ジトー
ナギサ「イッブイ」ジトー
カキ「う、うるさいなー!お前は人に文句言ってる暇があるなら働け!親父さんの手伝いでもしろ!」
スイレン「やだ。船の上じゃアニメ見れない」
サトシ「スイレン……」
カキ「これだから三次の女は……」ハァ
カキ「サトシ!親友として忠告しておく!三次の女はやめとけ!口うるさいだけだ!」
カキ「その点フィギュアは〜……」
サトシ「……………」
サトシ(カキ……あんなにホシちゃん大好きだったのに……人形を妹扱いなんて…いったいどうしちゃったんだよ…)
「おいくそ兄貴!!」
カキ「」ビクッ
サトシ、スイレン「!」
ホシ「ま〜た仕事サボってお人形さんごっこかよ!キメェんだよ!!」チャラチャラー
サトシ「……ねぇ、スイレン。あのすっげーギャルギャルした女の人だれ?」
スイレン「サトシ、あれは………」
カキ「ホシ……」
サトシ「えっ!?ホシちゃん?」ビクッ
ピカチュウ「ピカ……」
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