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【安価】NEX-USの世界でアイドルたちが戦うようです
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59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 22:44:59.01 ID:9kf/zxSC0
>>58
1.事務所に避難する
――オオイシファクトリー、第一工場2階(事務室)
みく「はぁ……助かったぁ」
P「とりあえず避難できたが……」
みく「事務室の中めっちゃくちゃ……機材置きっぱなしだし」
P「……」
みく「あ、これうちで使ってるとこのフレーム素材だ。こんなの置きっぱなしとか……もってっちゃおうかな」
P「こらこら、そんなことしている場合じゃ――」
P(……これは)
みく「ん、どしたのお兄さん?」
P(開きっぱなしの端末……このデータは……モービルの設計図……?)カタッ
カタカタカタカタッ!
P(いや、違う……? もしかして、これは――)
ドガアアアアアアンッ!!!
みく「うひゃああっ!?」
P「うおっ!? この爆発、ち、近いぞ……っていうかこの工場じゃないか」
みく「や、やっぱりモービルで逃げる!?」
P「そうするか……くそっ、時間を無駄にしたか……早いところモービル探してればよかった……」
みく「もおおおおお……!」
……
…………
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 22:46:09.07 ID:9kf/zxSC0
※アイドルのステータスが更新されました
キャラ名:前川みく
操縦技術:90
親愛度 :48→53
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 22:49:34.41 ID:9kf/zxSC0
――オオイシファクトリー、第二工場1階(製造工場前)
「職員や警備の応戦が激しい……ショーコ、やっぱりこっちはアタリみたいだぞ!」パァン! パァンッ!
輝子「フヒッ、そ、そうだな……でも、これじゃ奥にいけない……」
有香「伏せてください、グレネードを……!」ブンッ!
ドガアアアアアアアンッ!!
「よしっ! いいぞ、このままウチがまとめて――」バッ!
パァンッ!!
「え――」
ドサッ!
「……」
輝子「あ……あ、あ……」
有香「くっ、こちらの数の差が……!」パァンッ! パァンッ!
輝子「う……う、うううおおおおお前らああああああ!!!!」バッ!
有香「なっ!? 待ってください!」
輝子「よくもおおおおおお!! ゴートゥーヘェェェェェルゥゥゥゥ!!」ドガガガガガガガガッ!!
職員「がっ!?」
警備員「ぎゃあああっ!?」
有香「なんて無茶苦茶な……ですが、これで奥に……行きましょう!」
輝子「くそっ、くそっ……クソッ!!」
タタタタタッ!
「……ご、め……こう……さ……の……の……」
……
…………
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 22:52:03.36 ID:9kf/zxSC0
――オオイシファクトリー、第一工場1階(通路)
ドガガガガガガガッ!!
職員「撃て! これ以上奥に行かせるなよ!」
P「くそっ、もうここまで戦闘になってるのか……」
みく「ひぃぃ……」
P(遠目でハッキリとは分からないが、攻めてきているのは地球連邦の兵士か? コロニー連合の戦闘機が外を攻めているはずじゃあ……)
P(連邦非加盟国のMBG共和国のコロニーなのに、両方から狙われるってことは……)
P「みくちゃん、向こうで職員たちが応戦している間に急ごう。やっぱりここは何かおかしい」
……
…………
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 22:56:21.33 ID:9kf/zxSC0
――オオイシファクトリー、第二工場1階(製造工場)
タタタタタッ!
有香「これは……!」
輝子「せ、戦闘機……」
有香「2機……ラプター……いえ、新型?」
輝子「く、靴は……」キョロキョロ
有香「データの転送先になった端末は……これでしょうか」カタカタカタッ!
ピーッ!
有香「認証コード……システム遮断……!? くっ、認証が無ければ端末データが破棄される仕掛けに……!」
輝子「く、靴が無理なら……これ、持って帰ろう……動かせるか、分からないけど……」
有香「そうですね。新型の情報もありましたから、手ぶらでは帰れません。あなたはそちらの機体に!」バッ!
輝子「もう乗ってる……これ、なんだ……?」カタカタカタカタッ!
ピッ、ピッ、ピッ!
有香「これは……機体本体のベースは……いえ、共和国のOMDですが、搭載されているシステムは……?」
……
…………
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 23:01:52.75 ID:9kf/zxSC0
――オオイシファクトリー、第一工場1階(製造工場)
P「これは……戦闘機!?」
みく「うぇっ、モービルじゃないの!? ていうか、ここに戦闘機があるって絶対おかしいよ!」
P「しかも置いているのは連合のラプターって……OMDですらないのかよ」キョロキョロ
P「奥にも機体が……あれは見たことが無い……もしかして、あっちは新型か?」
みく「お、お兄さん、どうしよう……?」
P「とりあえずこれに乗って外に出るしかないだろう。メンテ用の梯子がある。コックピットハッチまで登ろう」
みく「み、みくはさすがに戦闘機は乗ったことないんだけど……」
パァンッ! パァンッ!
職員「ぐっ……」ドサッ!
P「銃声……!? マズイ、みくちゃん急いで!」
みく「お兄さんは!?」
P「ちゃんと後ろにいる! 早く機体に登るんだ!」
アーニャ(声……!? まだ他にも……)タタタタタタッ!
パァンッ! パァンッ! パァンッ!
ガキィン!
みく「ヒッ!?」
P「銃がこっちに……奥から来てるのか!?」
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 23:05:56.26 ID:9kf/zxSC0
みく「の、登ったにゃ! お兄さんも早く!」
P「待ってろ、もう――危ない!」バッ!
みく「わわっ!?」
パァンッ!
P「うぐっ……!?」ドサッ!
みく「お、お兄さん……みくを庇って……お兄さん、お兄さん!!」
P「う、ぐ……」ハァ、ハァ……
アーニャ(ラプターの上……だけど足を止めた今なら……!)タタタタタッ!
アーニャ「動くな!」バッ!
みく「にゃっ!?」
アーニャ「っ!?」
みく「……」
アーニャ「……」
アーニャ(職員の制服じゃない……立地確認に一度立ち寄った、隣の工業カレッジの……民間、人……アーニャの、敵じゃ、ない……)
みく「……」ハッ、ハッ、ハッ……
P「ぐ、う……う……」
アーニャ「……靴は、ない」キョロキョロ
P「……靴?」ピクッ
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 23:06:45.96 ID:9kf/zxSC0
ドガアアアアアアンッ!!
みく「わっ!?」
アーニャ「爆撃……!? もうここまで……」バッ!
アーニャ(靴は見当たらない……向こうの機体が新型なら、せめてこれだけでも……)タタタタッ!
アーニャ「貴方たち!」
みく「!?」ビクッ!
アーニャ「民間人なら、撃ちません! ここが、崩れる前に、逃げてください!」ピッ!
パシュンッ!
みく「う、え……?」
P「くそっ、あの連邦の兵士……こっちを撃っておいて……ハッチに……ロックは、掛かってない、か……」ピッ、ピッ
パシュンッ!
P「みくちゃん……乗るんだ」
みく「う、うん……」
……
…………
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 23:07:38.17 ID:9kf/zxSC0
――ラプター機体内
P「機体は使えるか……」ハァ、ハァ……
みく「あれ、戦闘機のコンソール周りって、モービルに結構似てる……?」
P「機体起動……システム……なんだ、これは……?」カタカタカタッ!
みく「……なに、このシステム……これ――」
……
…………
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 23:08:38.22 ID:9kf/zxSC0
アーニャ「新型……このシステムは……」
有香「これは、いえ、私の知っているものでは……」
輝子「ぐ、偶然か……うん……偶然……うん?」
みく「機体のシステム……これって……」
『Network.』
『Enhance.』
『X.』
『Unite.』
『System.』
ピピッ!!
アーニャ「コックピットの中が!?」
輝子「あ、青くなって……目に悪いぞ……あ、色が消えた」
有香「アクティベーション……一体、何に対して……? システム初回稼働……いえ、でもドコに……」カタカタカタカタッ!
みく「ふわあああ……いまコックピットの中で光ってたの、なんだったんだろ……」
P「NEX-US……いや、違う、か……」ピッ!
みく(……えっ?)
パシュウンッ!
……
…………
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 23:10:27.65 ID:9kf/zxSC0
――ナシヤマ、港
泉「データの消去は?」
「確認できました。どうやら認証コードは解析されなかったようです」
泉「自動削除が起動したならよかったわ。データの吸出しが昨晩中に間に合ってよかった……私たちも急いでここを出ましょう」
「ですが宙域に出ても、恐らく地球連邦かコロニー連合の艦が待機しているかと……」
泉「中の騒ぎも派手にやってくれているし、宙域に滞在している艦を確認できるならコロニーの防衛部隊がOMDAを出して警告を出すはずよ。その隙に私たちも出るわ」
「わかりました。準備を進めます。機体のほうはどうしますか?」
泉「運び出す時間は無かったもの……諦めるしかないわね。そっちのほうが私たちの領分だったけれど」
泉「データの直接搬送も長旅になるわ。中継予定のコロニーへの根回しが出来ているか、後で確認を取りましょう。移動先の選別もしておかないと……」
泉「……本当、嫌な仕事を受けていたのね。こんなことを、したかったわけじゃないのに」
……
…………
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 23:12:21.74 ID:9kf/zxSC0
結構長く続けたので今日はこれで終了します(令和前だし)
いまやっている部分は次回後半部分投下して終わりになります。
長時間お付き合い頂きありがとうございました。
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/02(木) 21:28:57.19 ID:fTmx2Z77o
乙!
楽しみに待ってるわ!
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 02:20:18.59 ID:3dxGhGyF0
5/3(金)の15時頃か、同日の21時頃から再開します
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 15:07:45.84 ID:3dxGhGyF0
シャニマスやってるので21時からにします
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 21:02:50.04 ID:3dxGhGyF0
――オオイシファクトリー
ドガアアアアアンッ!!
P「コロニー連合の汎用人型戦闘機、ラプター……動けるか?」ガションッ!
P「うぐっ! う、腕が……」
みく「お、お兄さん大丈夫……?」
P「大丈夫だ……近場で乗り捨ててシェルターに――」
ドシュウウウウンッ!
P「あの機体……さっきの地球連邦の兵士が乗ったのか?」
みく「飛んで行っちゃった……あれ、他にも2機……さっきのとは別の場所に飛んで行って――」
ドガアアアアアアンッ!!
P「ぐっ!? なんだ、別のラプターがこっちに……連合か……?」
みく「にゃにゃっ!?」
ピピピッ!
P「通信回線?」ピッ!
『おい、お前どこの所属だ? ラプターで一番乗りしたのは俺のはずだぞ?』
P「違う、俺たちは民間人だ。工場の騒ぎで避難する為にやむを得ずこの機体に乗って外に出たんだ」
『……さてはお前、連邦か? 識別コードも無い。こっちで用意したラプターではないな』
ピッ!
P「待て……!」
ドガガガガガガッ!
みく「う、撃ってきたにゃあの糸目!」
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 21:09:29.42 ID:3dxGhGyF0
P「あれはラプターだ。コロニー連合で採用されている主力機……んなこと話している場合じゃない!」ギュンッ!
みく「お兄さん動かせるの!?」
P「初めてだ!」
みく「なんで動かせるの!?」
P「操作周りが意外とモービルと似てるからだ! 武装は……!」カタカタカタッ!
ピピッ!
P「アームライフル……これだ!」ガションッ!
ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!
みく「当たってないけど!」
P「くっ……う、腕に力が……照準が定まらん……」ハァ、ハァ、ハァ……
みく「そ、そうだ……お兄さん撃たれてケガして……」
ドガガガガガガァンッ!!
みく「にゃあああああっ!?」
P「ぐうぅっ!?」
P「マシンガンの、連射を受けても装甲へのダメージが少ない……おかしい、ラプターはこんなに硬かったのか……?」ハァ、ハァ……
みく「お兄さん操縦桿貸して!!」
P「なっ、だ、ダメだ! 適当に動かせるものじゃないぞ!」
みく「みくだってモービル動かしてるんだから何となくわかるモン! この!!」ギュンッ!
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 21:14:59.15 ID:3dxGhGyF0
みく「操作周り……確かに、モービルと似てる……」ハァ、ハァ……
みく「普通の操縦桿の他に、スクリーンパネルも……こんなの使い方わかんないから……」
P「複数のコンソールで操作制御が出来るのか……今の、戦闘機はこんななのか……?」
ピピッ!
みく「あ、相手の糸目からミサイルが……!」
P「よ、避けろ!」
みく「ええいっ!」ガションッ!
ギュンッ!
ドガガガガガガァンッ!!
みく「よ、避けれる……!」ハァ、ハァッ!
みく「こ、これなら……!!」
※戦闘コンマ判定。前川みくの操縦技術により安価判定が決定されます。
コンマ2桁が5以上で勝利
コンマ2桁が4以下で被弾
↓1
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/03(金) 21:15:55.05 ID:kGTvndHco
はい
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/03(金) 21:16:25.27 ID:kGTvndHco
くそう
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 21:18:18.85 ID:3dxGhGyF0
>>77
判定:5
※シナリオルートが分岐します。
みく「ミサイルと……」ピッ!
ボシュシュシュッ!
P「接近できる……ビームブレイドを使え!」
みく「回り込んで、背中から腕を斬っちゃえば!」カカッ!
シュパアアアアアンッ!
ドガアアアアアアアアアンッ!!
みく「やった!」
P「た、大したもんだな……」ハァ、ハァ……
ドガアアアアアアンッ!!!!
みく「また爆発!? 今度は何!?」
P「あ、あれは……コロニーに穴が……!」
ギシッ、ギシギシッ!!
みく「ま、マズイにゃ……空気が……外に、押し出されちゃう……!」
ビュンッ!!
みく「にゃああああああっ!?」
P「くっ……!」
……
…………
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 21:23:32.34 ID:3dxGhGyF0
――木星圏宙域
みく「うえええ……宇宙に出た後の機体操作なんて分かんないんだけど……」
P「サブのコンソールを貸してくれ……スラスターの制御モジュールを、宙域稼働用に設定すれば大丈夫だ」
ピッ、ピピッ!
みく「おわっと!? い、いきなり姿勢制御がキレイになったし」ガクンッ!
P「回線を開いて救難信号を出さないと……いや、でもコロニーに穴が開いてる状況でそんなもん通るか……?」ピッ、ピッ!
みく「あ、コロニーの外壁に外装保護膜が貼られて……みくたちが通れるくらいの大きさの穴しかなかったから、緊急対応もすぐ出来てるみたい」
P「推進剤も、稼働確認の為の少量しか残っていないか……くっ、腕が……・みくちゃん、そっちの座席周りに非常用キットとかないか?」
みく「んん? ちょっと待って、えっと――」
ピピピピピッ!
ピピピピピッ!
みく「にゃっ!?」ビクッ!
P「センサーに反応? モニター……アンノウン……所属不明機、索敵範囲での該当機体数4……? だが、機体照合結果が無い……どういうことだ?」
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 21:28:46.35 ID:3dxGhGyF0
有香『あれは、通常機のラプター? いえ、ですが識別コードがこちらと同じ所属不明機扱いということは……』
ピピッ!
輝子『ファクトリーから……一緒に、出てきたヤツじゃないか……?』
有香『そちらの部隊でラプターが1機やられた報告もある……それなら恐らくはあの機体が……!』
輝子『……お、墜とす、か』
P「照準を付けられて……みくちゃん!」
みく「う、うん!」ガションッ!
ギュンッ!
有香『チッ、動くな!』ガションッ!
ドシュゥンッ! ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!
みく「撃ってきた!?」
P「速い……あの機体、新型なのか? 追いつかれる……!」
有香『相手の動きが鈍い? それならこのまま――』
ピピピピピッ!
有香『!?』ビクッ!
ズドォォォンッ!!
輝子『な、なんだ、砲撃……どこから……?』
アーニャ(あのラプターは……さっきの民間人……連合側じゃない、アーニャの、敵じゃない……)
みく『……』
アーニャ『……』
P『ぐ、う……』
ピピピッ!
アーニャ『そこの新型、あなたたちが相手をするのは、この私です……!!』ギュオオオオオッ!!
輝子『通常チャンネルで通信? な、なんだ……あの機体も、新型……?』
有香『いけません! そちらの機体のほうが……!』
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 21:33:43.77 ID:3dxGhGyF0
輝子『そ、それなら……ヒャッハアアアアアアアッ!! キノコミサイルの雨あられだぜえええええええ!!』
ボボボボボボボボボッ!!
アーニャ『この弾幕……くっ!』ギュンッ!!
みく「な、なんかあいつら、みくたち放っておいて戦い始めたし……」
P「今来たあの機体は……もしかして、さっき俺たちがファクトリーで見た――」
ピピピピピッ! ピピピピピッ!
P「っ!? みくちゃん!」
みく「わわっ!? また撃ってきた!」
ドシュゥンッ!
輝子『あ、あっちの新型も……何とかしておきたいけど、こっちのラプターも……逝っちまいなあああああ!!!!』
みく「あっ、あわわわわ……武器、武器……!」
ドガァンッ!!
みく「にゃあああああっ!?」
P「ぐあっ……!」
輝子『お、お仲間さん……こっちのラプターは愚図かも……こっち先にやったほうが、よさそう……』
有香『貴方、結構情緒不安定ですね……ですが、こちらの機体が……!』
アーニャ『やあああああっ!』ギュンッ!!
輝子『だ、弾幕張っておくから、交代してあっちのラプター……墜としといてくれ……』ボシュシュシュシュッ!!
有香『ではお任せしました!』
アーニャ『くぅっ……!? あちらの新型は、弾薬庫か何かでしょうか……近づけない!』
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 21:43:05.85 ID:3dxGhGyF0
P「識別コードも無い新型……どうする、どうする……!」カタカタカタッ!
ピピッ!
P「これは……あの機体情報か!? OMDX-12AS、アラドヴァル……武装は……」カタカタカタッ!
みく「ど、どうしようお兄さん!?」ギュンッ!
P「武装……ロングブレイド、アームライフル……相手はラプターストームやグラースCから空戦用の装備を抜いたような機体か……!」
P「みくちゃん、接近はダメだ、距離を取れ!」
みく「わわっ!? み、ミサイル……!」ガションッ!
ボシュシュシュッ!
有香『弾幕……チッ! 逃がさない!』ギュオオオオオッ!
みく「弾幕も抜けられる……!!」
※戦闘コンマ判定。前川みくのと中野有香の操縦技術により安価判定が決定されます。
コンマ2桁が39以上でシナリオ継続
コンマ2桁が38以下でシナリオ分岐
↓1
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/03(金) 21:43:38.69 ID:Ec9JcaGf0
せいや
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/03(金) 21:44:22.08 ID:efGzsW+l0
あ
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 21:44:32.92 ID:3dxGhGyF0
>>83
訂正
※安価は取りません
みく「別のが来たにゃ!?」
P「識別コードも無い新型……どうする、どうする……!」カタカタカタッ!
ピピッ!
P「これは……あの機体情報か!? OMDX-12AS、アラドヴァル……武装は……」カタカタカタッ!
みく「ど、どうしようお兄さん!?」ギュンッ!
P「武装……ロングブレイド、アームライフル……相手はラプターストームやグラースCから空戦用の装備を抜いたような機体か……!」
P「みくちゃん、接近はダメだ、距離を取れ!」
みく「わわっ!? み、ミサイル……!」ガションッ!
ボシュシュシュッ!
有香『弾幕……チッ! 逃がさない!』ギュオオオオオッ!
みく「弾幕も抜けられる……!!」
※戦闘コンマ判定。前川みくのと中野有香の操縦技術により安価判定が決定されます。
コンマ2桁が39以上でシナリオ継続
コンマ2桁が38以下でシナリオ分岐
↓1
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 21:50:59.21 ID:3dxGhGyF0
>>84
判定:69
※中野有香のステータス更新の内容が変更されます。
みく「ええええいっ!!」ガションッ!
ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!
有香『ライフル!? くっ、このっ……!』ドガァンッ!
みく「当たった!?」
ピピッ!
有香『ブレイドが1本……!? あのラプターのパイロット、腕が立つ……!!』
みく「もおおおおおこっち来ないで!!」
P「落ち着けみくちゃん! 何とかナシヤマに逃げたいが……!」
有香『ラプターといえども、あのファクトリーの機体でなら逃がすわけには……!』
ギュオオオオオオッ!!
みく「ま、また来た……!!」
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 21:54:25.99 ID:3dxGhGyF0
>>87
訂正
>>84
判定:69
※中野有香のステータス更新の内容が変更されます。
みく「ええええいっ!!」ガションッ!
ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!
有香『ライフル!? くっ、このっ……!』ドガァンッ!
みく「当たった!?」
ピピッ!
有香『ブレイドが1本……!? あのラプターのパイロット、腕が立つ……!!』
みく「もおおおおおこっち来ないで!!」
P「落ち着けみくちゃん! 何とかナシヤマに逃げたいが……!」
有香『ラプターといえども、あのファクトリーの機体なら逃がすわけには……!』
ギュオオオオオオッ!!
みく「ま、また来た……!!」
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 21:56:31.80 ID:3dxGhGyF0
P「くそっ、こっちだけじゃどうにもならないってのに……!」
有香『ビームブレイドで……墜ちろおおおおおお!!』ギュンッ!!
みく「このままだと、や、やられちゃう……何か、何か――」カタカタカタッ!
ピッ!
『Network.』
『Enhance.』
『X.』
『Unite.』
『System.』
『Connect』
みく「――」ドクンッ!
???『はじめてのアクセス確認。接続元のこの機体は……OMDX-151CX? あれ、データが保存されたのは最近のような……それにデータにある設計と全然違うし。ま、いっか』
???『OMDX-151CXのメインカメラ、機体稼働状況を受信、最適解は……採取完了。転送……フィードバック完了。それじゃ、あとは頑張ってね』
みく「――」ドクンッ!!
『北アイドルランド内戦の地球連邦の戦闘記録。先行した第一カーフス小隊による戦闘データ、少数の部隊運用――』
『オペレーションB、環状型コロニー建造中における元連合兵で構成されたテロ部隊対処における――』
みく「……っ!!」ドクンッ!!
ギュンッ!!
有香『なにっ!?』
ガキィィィィンッ!!
みく「……う、う……!!」
有香『ビームブレイド……この速度での接近で、受け止められた……!?』
P「みくちゃん!?」
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 21:59:00.32 ID:3dxGhGyF0
みく「や……やああああああっ!!」ガションッ!
ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!
有香『この機動は!? 明らかに先ほどとは違う、パイロットが変わった……? いえ、明らかに機体ポテンシャル自体が……!』
P「な、なんだ……機体の挙動が……どうなっているんだ?」カタカタカタッ!
P「これは……『FrameStream』……? 内臓されたシステムが、何かをトリガーにして起動しているのか?」ピッ!
??『機体反応……あの機体か』
??『やはり……アイドルなのか、あの機体に乗っているのは……』
アーニャ『あの機体は!? 確か民間人は2人いたはず……どちらかの動き……!?』
輝子『や、やばいな、あれ……思ってたのと違って、結構……キツそうだ……ミサイル入れとくか。てか、この機体実弾ばっかり積んでるな……』ボシュシュシュッ!
有香『このっ、墜ちろ!!』
P「ミサイル……しまった、この位置だと避けたらナシヤマに……!」
みく「……!!」ドシュシュシュンッ!
ドガガガガガガァンッ!!
輝子『は……?』
アーニャ『アームライフルでミサイルを打ち抜いた……操縦技術が、どうしてこんなに上がって……』
有香『だけど、このタイミングで――』
ズドォォンッ!!
有香『何っ!?』ギュンッ!
??『……』
有香『今のは砲撃!? 熱源……この宙域にもう1機機体がどこかに……どこから……!?』ピピッ!
P「みくちゃん、みくちゃん……! 通信……? なんだ!」ピピピッ!
ピッ!
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 22:01:29.23 ID:3dxGhGyF0
泉『そこのラプター、ファクトリーに置いてあった機体で間違いないかしら?』
P「事情を知っている奴……? ああそうだ、コロニー内の爆発で空いた穴から外に投げ出された」
泉『回収するわ。射線データは渡すから、悪いけど当たらないように気を付けてね』
P「は?」
みく「……」
ピピッ!
みく「……あれ?」ピクッ!
みく「みく……? あ、お兄さん、何か出てるにゃ……え、有効射程範囲?」
P「やべ……みくちゃん、離脱だ!」
みく「う、うん!」
……
…………
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 22:05:36.01 ID:3dxGhGyF0
――輸送艦『ニューウェーブ』(ブリッジ)
泉「主砲発射……うん、射線上のラプターは退避出来たみたいだし……」
「システム搭載機の3機には回避されました。OMDAも警告を出していますし、向こうは宙域から離脱する動きを見せています」
泉「どうせ回収も出来ないし、私たちの状況じゃ堕とすこともできないわ。ラプターで当たりだったのは本当みたいだし、回収しましょう」カタカタカタッ
泉「地球連邦もコロニー連合も、母艦がどこかにはいるだろうし……OMDAに捕まると厄介だし、私たちも急いでここから離れないといけないわね」
ピピッ!
泉「ラプター、大丈夫かしら?」
P『……ああ、大丈夫だ』
みく『ちょっと! 何するにゃ!! こっちは一人ケガしてるんだからあんな危ないモノ撃たないでほしいんだけど!!』
泉「あら、どこかのカップルが偶然乗ったのかな……映像回線に切り替えるわね」
ピピッ!
みく『みくに顔見せるなんて良い度胸……って泉チャン!?』
泉「……え、みく?」
P『……知り合いか?』
みく『うん、カレッジの同級生』
泉「まさか偶然とはいえ……とりあえず仕方が無いわ。みく、いまラプターを回収するから」
みく『なーにが何やら……』
……
…………
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 22:07:58.10 ID:3dxGhGyF0
――戦闘宙域跡
『アナスタシア。限界だ、OMDA部隊から再度の警告が来ている。引き上げるぞ』
アーニャ「……ダー、了解、です」ピッ!
ドシュウウウウンッ!
有香「あの機体は別ルートから離脱を……やはり、あちらは連邦が奪取した機体……」
輝子『こ、こっちも帰ろう……次警告貰ったら、蜂の巣にされるぞ……』
有香「……そうですね。では帰艦します。そちらの機体の方、合流艦は私が乗ってきたケーレスになりますので移動をお願いします」
輝子『荷物は後で運んでもらえばいっか……わ、わかった』
有香「……機体を入手できた……だけど、失敗、してしまった」
ピッ!
……
…………
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 22:11:29.75 ID:3dxGhGyF0
――戦闘宙域跡
ピピピッ!
??「どうした?」
晶葉『戦闘は終了したようだな。ファクトリーの機体は形になっていた物が奪取されたようだが、仕方がない。機体状況はどうだ?』
??「ジーオーの稼働状況は問題ない。持ってきたロングライフルだけど、コックピットに取り付けたスコープはいらなかったな」
晶葉『普通狙撃するならスコープいると思うんだがな……いや、アレにも搭載されてなかったし、どうなんだろうか』
??「加蓮が4機に接続するらしい。皮は違ったが、残りの1機もフレームの組み上げは間に合っていたみたいだ。多分、その機体がこっちに残ったはずだ」
晶葉『おおそうか! 成果物的には最後のヤツの出来が一番良くなるはずだからな。よかったよかった』
晶葉『NEX-USへの接続結果については、後でこっちから加蓮に聞いておくとして……お前はどうする?』
??「地球への降下までは、靴のデータの運搬を見守っておく。降下出来た後は、あっちの用事も片付けておかないと」
晶葉『ま、向こうは問題ないだろ。好き勝手暴れるヤツが行ってるんだし。まあ、中継するコロニーには連絡を入れておくよ。整備諸々はしっかりやっておいてくれ。あ、GEOの稼働データの転送も忘れるなよ』
??「わかってるって。落ち着いたらまた連絡する」
晶葉『もう少しで次の機体が出来上がるが、まだ稼働データが不足しているからな。頼んだぞ、セカンドドライバー』
……
…………
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 22:17:16.28 ID:3dxGhGyF0
――ニューウェーブ(格納庫)
P「……」ハァ、ハァ……
みく「お兄さん、ケガ大丈夫……?」
P「あ、ああ……みくちゃんも、何ともないか?」
みく「う、うん……」
みく「……」
みく(外で……整備班の人たちが集まってきてる……なんで、こんなことになっちゃったんだろ……)
みく「それに、さっきの――」
ピピッ!
みく「え、システムコール?」
P「みくちゃん? どう……した?」ハァ、ハァ……
みく「いや、今モニターに――」ピッ!
みく「っ!?」
――
――――
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 22:19:47.29 ID:3dxGhGyF0
――コロニー連合軍戦艦『ケーレス』(格納庫)
有香「これは……なぜ、NEX-USが戦闘機に――」
輝子「ウッソだろ――」
――
――――
――オグマ(格納庫)
アーニャ「どうして、こんなところに……アーニャの、アイド――」
――
――――
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 22:21:41.88 ID:3dxGhGyF0
――NEX−US(秘匿領域)
『認証が完了しました。指定管理エリアへの接続になります』
キャット「……にゃ?」
キャット「……あれ、NEX-US?」キョロキョロ
キャット「えー、あれ、さっきまで確か戦闘機に……って、ドコにいるんだろ、何もない白い空間って……マイルームにログインしてないし、事務所でもないにゃ……」
キャット「いや戦闘機乗ってる間にNEX-USに接続するとか意味わかんないし……とりあえずログアウトにゃ」ピッ!
キャット「ってあれ? ログアウトアイコンが非活性になってるし……どうなってるの?」
???『よしよし、こっちも接続されてるね。他もオッケーだったし』
キャット「え?」クルッ
???『……どうしたの?』
キャット「……誰? システム管理者?」
???『まー、そんな感じ? えっと、あなたは……IDはっと……チャーミングキャット、だね』
キャット「えっ!? な、なんでキャットのこと知ってるにゃ!? って管理者なら当然にゃ……」
???『そういうこと、あ、そうそう忘れてた。別に管理者って呼ばなくていいよ。私は……』
???『NEX-US内部を管理する制御補助AI、Keep.Assist.Recovery.Efficiency.Nurturerシステム。よろしくね』
キャット「は?」
【to be continued......】
……
…………
………………
……………………
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 22:27:38.26 ID:3dxGhGyF0
※キャラクターシートが更新されます
キャラ名:前川みく
操縦技術:90
親愛度 :53
キャラ名:アナスタシア
操縦技術:47→52
親愛度 :45
キャラ名:中野有香
操縦技術:61→71
親愛度 :8
キャラ名:星輝子
操縦技術:62→67
親愛度 :20
※キャラクター追加
キャラ名:セカンドドライバー(謎のパイロット)
操縦技術:-
親愛度 :-
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/03(金) 22:32:42.82 ID:3dxGhGyF0
ストーリー的にここで一旦区切りになるので、本日はこれで終了します。
今回までの量で第一部という形になります。全体としては五部で終了を予定しています、多分。
全体として1シナリオ分はそんなに長くならないと思うので1スレ内で終わると思いますので
よろしければ今後も安価にお付き合い頂けたら嬉しいです。
本日もご参加頂きありがとうございました。
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/03(金) 23:00:58.61 ID:4r1mAkN2o
おつおつ!
こういうのほんと好き
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/05(日) 20:09:30.97 ID:YodUO94d0
5/6(月)の17時頃か、同日の21時頃から再開します
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 21:05:36.59 ID:+OXOokn+0
【導入】
共和国のコロニー内でラプターが出現し、地球連邦、コロニー連合双方の部隊がオオイシ工業ファクトリーを襲撃した事件は瞬く間に共用ネットワークのNEX-USを通じて世界中に発信された。
地球連邦非加盟国の集合であるMBG共和国は連邦、連合双方に事件の詳細について事実確認を急がせている。
襲撃事件に巻き込まれたPは望まない形で宇宙に出ることとなり、そこで知らずのうちにNEX-USのアイドルである前川みく、アナスタシア、中野有香、星輝子と出会っていたのだった。
――
――――
――――――
――――――――
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 21:09:23.09 ID:+OXOokn+0
――木星圏宙域、ニューウェーブ(ブリッジ)
泉「……このルートだとダメね」カタカタカタッ!
ピピピッ!
泉「通信……はい」ピッ!
晶葉『元気か?』
泉「元気か、じゃないでしょう……プライベートチャンネルとはいえ、直接通信してくるなんて……」
晶葉『ナシヤマのニュースがこっちにも流れて来てな。分かってはいたことだが、さすがに心配になったんだが、どうだ?』
泉「もう……靴のデータは持ち出し出来たわ。ここから物理搬送なんて頭が痛くなるわ……」
晶葉『面倒事を押し付けてしまってすまない。今は何をやっていたんだ?』
泉「……ちょっと考えていたのよ。ムーン・サードを経由してMBGの低軌道ステーションから地球に降下する前に、コロニー拠点を跨いで補給したいの」
泉「ニューウェーブも、一応は長距離航行想定の艦ではあるけど、無補給で木星圏から月軌道まで直接行けるわけもないし、2、3はコロニーで補給もしたいんだけど……」
ピピッ!
泉「ナシヤマで確認した連邦と連合の艦、恐らくは追跡をしてくるはず。網も張られているだろうから移動も、立ち寄るコロニーも精査しないとダメだし、どうしたものかしら」
晶葉『一番近くのコロニーといえば、ガーワカナだが……まあ真っ先に網を張られる場所だろうな』
泉「ええ……こっちは自衛用の戦力もほとんどないから、慎重に行動しないと」
晶葉『そうだ、ところで機体はどうした? NEX-USの起動はされたと聞いているが』
泉「え? ええ、機体なら今……」
……
…………
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 21:14:01.04 ID:+OXOokn+0
――ニューウェーブ(格納庫)
みく「このっ! このっ、このっ!」ガンガンッ!!
整備長「おーい嬢ちゃん! 機体叩くなっての! 工学科の生徒なんだろ!」
みく「だってNEX-USの接続全然上手くいかないんだもん! この前あんなタイミングでいきなり勝手に繋がってたのに!」
整備長「接続要求が片側からしか通ってないんじゃねえのか。盗まれた他の3機から好き放題繋げられたら困るだろうし」
みく「ねーおじさーん。これ何でNEX-USに接続できるの? 戦闘機でしょ?」
整備長「んなもん俺に言われてもな……一応、組んだフレームを使う為だって話までは聞いてるけどよ……」
みく「もー……しかも何でみくも整備しなきゃならないの……」カタカタカタッ
……
…………
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 21:17:13.50 ID:+OXOokn+0
――ケーレス(格納庫)
「やはり駄目ですね。基幹システムについてはブラックボックス化されています。ここでの解析は難しいかと……」
有香「NEX-USについては?」
「そちらもどうにも……流体フレームが仕込まれているので、コレの制御も行われているとは思うのですが」
輝子「ど、どうする……?」
有香「……システムについては丸ごと吸い出して、本部の解析に回しましょう。宙域で見たあの艦に対する追跡部隊としては、千川少佐の指示を待ったほうがいいですね」
輝子「それまでは……た、待機……?」
有香「いえ、恐らくは追跡任務の続行になるでしょう。こちらから本部に引き上げるメンバーも出るでしょうし、今のうちに再編成予定を立てて準備をしておきましょう」
有香「ガーワカナに張った網に引っ掛かってくれれば……」
……
…………
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 21:20:55.98 ID:+OXOokn+0
――オグマ(ブリッジ)
艦長「新型機は奪取できたが、システム解析は困難、靴のデータについても確保ならず、か。収穫としては十分だが、本命を逃したのは痛い」
アーニャ「この後は、どうなりますか?」
艦長「靴のデータを追う……と言いたいところだが、司令通知が来ている」ピッ!
艦長「私たちは今後、靴のデータ奪取の任務については地球降下までの追跡任務で打ち切りとする。地球に降りた後は、ロシア領で発生している紛争に対して増援部隊として向かうことになる」
艦長「他所の任務もあったが、こちらに回されたとなると……状況は思ったより芳しくないのだろうな」
アーニャ「ロシア……」
艦長「……そうだったな。まあ、無駄に気を張っては任務に支障が出る。落ち着くことだ」
アーニャ「……はい」
……
…………
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 21:24:53.55 ID:+OXOokn+0
――木星圏宙域
晶葉『ニューウェーブが動くみたいだ。頼んだぞ、セカンドドライバー』
??「ああ、上手くやるさ」
晶葉『一応、NEX-USにダミーの情報はばら撒いておいたし、ある程度は相手に誤魔化しが効いてくれればいいが……』
??「もし連邦か連合の追跡部隊との戦闘になったら加勢する。前回は直接出なくてもよかったけど」
晶葉『あまり無理はするなよ。GEOは大したものじゃないんだからな』
??「まあ……確かに、もう少しまともな物にしてほしかったけど、自分で言うなよ」
晶葉『仕方ないだろ。認めたくは無いが、やはり私は天才ということだ。未だに模倣するしかないのは悔しいが』
晶葉『だが、次の機体はもう少しまともになっているはずだ。再現度も比較的上がっている。地球に降下するときに立ち寄る拠点を決めておいてくれれば、運ばせておくぞ』
??「それじゃあお言葉に甘えて、用意してもらうかな。まあ、ニューウェーブの動き次第だけど……」
……
…………
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 21:29:28.81 ID:+OXOokn+0
――ニューウェーブ(ブリーフィングルーム)
泉「ナシヤマを襲撃した部隊は連邦、連合それぞれから。みくが乗ったラプターを救出するのにニューウェーブも晒したことだし、こちらから艦が出ていることも把握されていると思うわ」
泉「となれば、こちらを追跡する可能性が十分にあるということ……連邦と連合が管理しているコロニーに立ち寄るのは避けたほうがいいわ」
泉「艦としては補給をしたいところだけど……チューブ区画のコロニーから離れた先にある連邦管理のガーワカナ区画のコロニーにも立ち寄れないとなると、物資もギリギリね」
P「ちょ、ちょっと待ってくれ、俺とみくちゃんはナシヤマに戻りたいんだ。せめて早めの定期便があるガーワカナで降ろしてくれないと帰るのも一苦労になるんだが」
みく「てかみくたちは何の事態に巻き込まれてるの……」
泉「ごめんなさい。ガーワカナでは降ろせないわ。さっき話した通りのこともあるし、この艦、ニューウェーブはMBG共和国防衛軍の民間協力船のライセンスを持っているのよ」
泉「レコーダーで艦の行動記録も取られているし、特に軍事機材のラプターに搭乗した貴方たち2人の行動も筒抜けになっているから、法的にも降ろすのは無理ね」
P「くっそ……外に投げ出されないうちにナシヤマの中で乗り捨て出来ればよかったのに……」
みく「理不尽! 泉チャン、何とかならないの!?」
泉「こればっかりは……何ともならないわね」
整備長「それより、こっちに今回のネタが入ってきたのはつい最近だぞ。靴のデータの持ち出しは出来たけど、機体も無事だったラプターと、予備機で置いてたラプター1機の2機だけじゃあどうにも……」
P(また、靴……)
泉「そうね。何はともあれ、靴のデータの搬送が終われば、オート・クレールから軍に繋いでもらえると2人も降ろせる手続きが出来るだろうし――」
P「なあ、靴って何の話だ?」
泉「……」
整備長「……」
みく「お兄さん?」
P「ファクトリーで俺を撃った連邦の兵士も、靴と呟いていた。俺たちは一体、何に巻き込まれているんだ?」
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 21:33:28.25 ID:+OXOokn+0
泉「……その傷、腕を綺麗に撃ち抜かれて、貴方を撃った兵士の腕が良かったみたいね。再生治療にもそれほど時間は掛からないだろうし」
泉「それほど、熟練した兵士をファクトリーに送ってきた程の話」
みく「い、泉チャン! 教えてよ、みくだって何も知らないままここにいるのなんてイヤだよ!」
泉「……整備長、ローカルの艦内記録、ここのブロックだけメンテナンス扱いで切っておいて」
整備長「いいんですかい?」
泉「仕方がないわ。OMDXだってアクティベートしてしまったみたいだし、2人には協力をお願いしたほうがよさそうだし」
整備長「へい、それじゃ切っておくんで話の続きは頼みますよ」
パシュンッ!
みく「あのおじさん、どっか行っちゃった」
泉「艦内記録を切ってもらいにいったわ。すぐ済むし……この話は軍の秘匿事項で、軍内、開発を請け負ったオート・クレールでも一部しか知られていないし、私もうちのファクトリーが製造のメインだったから話を聞かせてもらったけれど」
泉「2人とも、杖は知っているわね?」
みく「杖ってアレでしょ? 140年前くらいに土星圏で見つかったヤツ?」
P「宇宙進出の足掛かりになった超高密度のエネルギー体、だろ」
泉「そう。当時、土星圏を観測していた国際連合が、ある日土星圏内で莫大なエネルギーが測定されたことを切っ掛けに調査団を派遣して、見つかった杖の形状をした物体」
泉「構成要素も未知の物質であるそれは、地球以上の高度な文明による産物か、解析された結果から得たエネルギー変換技術は、宇宙進出に大きな影響を及ぼした程のもの」
P「今はそれ、連邦が持っているんだろう? 解析なんて140年前から今も地道にされているし、何で今さらそんな話になるんだ」
泉「もう1つ、杖と対になる物質があるのよ」
みく「え、そんなのあったっけ?」
泉「MBG共和国が、見つけたのよ。その杖と同じ構成要素を持つ、靴を」
みく「へー」
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 21:39:56.90 ID:+OXOokn+0
P「……そういうことか」
みく「え、どういうこと?」
P「連邦と共和国が杖と靴をそれぞれ所持して、かつコロニー連合が状況的に劣っているのが相当面白くないってことか」
泉「そうね。連邦からすれば、靴を連合に奪われたら規模的に優位だった自分たちのアドバンテージが無くなるし、連合からすればただでさえ連邦に劣っているところで、よりにもよって共和国に差を付けられるなんて」
泉「最後の小規模戦争からしばらく続いている冷戦期間、他国交流も恙無く行われているけど、内心としては、ね」
みく「くっだらな……そんなのでファクトリーに攻撃してきたとか」
泉「元々コロニー連合が独立した経緯を考えると、連邦にはこれ以上差を付けられたくないでしょう。そもそも今でさえ、先を見据えるなら杖の所有の差があるんだし」
P「靴を巡っての争い、か。杖を見つけた当時は地球連合で世界が1つにまとまっていた時代だったし、この時代だからこそ起きる争いってことか」
泉「……まあ、その靴のデータの解析も、うちのファクトリーで一部任されていたの。抽出されたデータも当時は丸ごと直接搬送されて、今度はこっちが解析した結果を直接搬送することになってはいたんだけど」
P「通信でのやり取りなら、データの傍受、流出の恐れがあるからか」
泉「時期を見てってところだったけど、今回ファクトリーを襲撃されたし、現時点で地球に向かってオート・クレールにデータを渡す必要があるわ。それと合わせて、私たちの安全も保障してもらわないと」
泉「さっきも話したけど、靴のデータについては秘匿事項、宙域の防衛軍にだって直接協力を頼めないわ。艦自体は民間協力のライセンスを発行してもらっているから、補給自体は出来るけれど……」
みく「それで、連邦の管理コロニーのガーワカナには降ろせないって話なの……はぁ」
P「……だったら、俺たちも協力して地球まで行ってから解放してもらうしかないってことか」
泉「つまり、そうね。こっちとしてはお願いすることになるんだけど……どのみちあのラプターのアクティベートをみくが済ませてしまったみたいだから、どうしてもそうなるというか……」
みく「あ、あれもしかしてみくで生体認証されたってこと?」
泉「機能的にね、そういうシステムで組んでいたの。本当に、申し訳ないんだけど……」
みく「う、うええええええ……」
……
…………
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 21:50:02.62 ID:+OXOokn+0
――木星圏宙域、ケーレス(ブリッジ)
有香「ガーワカナに張った網に引っ掛からなかったとなれば、やはりあの艦は逃げた、もしくはある程度の長距離航行の手段を確保していたと考えるのが妥当でしょう」
「靴の解析データ自体が転送済の可能性もあるのでは?」
輝子「そ、それなら……ファクトリーで、ローカル転送のログが残ってるのも、意味わかんないし……」
有香「ええ、千川少佐からも追跡任務への切り替えが出ました。靴のデータはあの艦が持ち出したと判断し、追跡行動に移りましょう」
「追跡任務に関しては、オペレーションFの対応もあって補充部隊は無い。本部に帰還した者もいるが、ケーレスの現要員で対応することになる」
「オペレーションFの成功が足掛かりになればそれも良いが、こちらの任務の遂行も最重要であることには変わりない」
有香(この状況、連邦と共和国に、後れを取るわけにはいかない……)
有香(そうだ、私たちは、これ以上……劣っているままでは、いられない……)
有香(ゆか――)
「では中野中尉、部隊については再編成した通りに指示を展開しておけ。艦を出す準備もそれほど時間は掛からん、急げよ」
有香「っ、了解しました」
輝子「……?」
……
…………
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 21:50:55.63 ID:+OXOokn+0
――ケーレス(通路)
パシュンッ!
輝子「ぶ、ブリッジのブリーフィングは、疲れるな……格納庫戻って、あの機体、見ておかないと……」
有香「……」
輝子「な、中野中尉は……追跡部隊の指揮を執るんだよな……ほ、他の上官、みんなオペレーションFに回されたし……」
有香「……ええ」
輝子「フヒッ! た、大変だな……下手に動くと、ナシヤマ以上の問題になるし……」
有香「星少尉、それでも……私たちは、負けるわけにはいかない……もう、失うものを、出しては……」
輝子「……」
『よしっ! いいぞ、このままウチがまとめて――』
『え――』
輝子「……そう、だな。そう……なんだ、よな」
……
…………
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 21:52:25.36 ID:+OXOokn+0
――木星圏宙域、オグマ(格納庫)
アーニャ「……」
「バラしたパーツ、ちゃんと構築手順組み立てておけよ! 終わったらクラウソラスも元に戻して使うからな!」
アーニャ(あそこにいた、民間人は……)
アーニャ『動くな!』
みく『にゃっ!?』
P『ぐ、う……う……』
アーニャ(アーニャが、傷付けてしまった……敵では、ないのに……なんて、ことを……・)
艦長『杖は我が連邦が所持している。連合に対してアドバンテージがある現状、共和国との分離があった上でもこちらが軍事的に優位な立場であることは変わらない』
艦長『だが、NEX-USを始め技術的な側面を見ると共和国側も無視できない。現状のパラーバランスを保ちたいというのが、上の考えだ』
アーニャ(NEX-US……)
キャット『えー、Pチャン何この仕事……バーチャル運動会なんてアバターのパラメータ振ってるキャラの勝ちに決まってるにゃ』
P『補正入れて参加者全体で均すって連絡来てるぞ。ユニットで固まって出るイベントもあるし、面白いと思ったんだが』
ツインテ『パラメータ振りが活かせないのは残念ですが、NEX-US内でも体を動かすイベントなら得意ですよ!』
キャット『いやツインテチャンはイイんだろうけど……』
セカンド『接触系の競技だとアバター衣装のパージ判定あるじゃん……てかこれ男キャラも参加できるのに全員パージ判定あるのか……どこ需要だよ』
P『I@LPに登録しているアイドルなら、パージ判定も1段階までだから大変なことにはならないはずだし、うん、ほら、5人競技で騎馬戦もあるし、丁度良くないか?』
キノコ『て、ていうか……もう、仕事取ったんだろ……拒否権、ないし……』
雪妖精『フフ、でも……みんなで遊ぶお仕事なら、フェアリーも、楽しみデス』
キャット『あー、そうやってPチャンを担ぐから変な仕事取ってくるにゃ。この前のデンジャラスフィッシング大会とか最悪だったにゃ……』
キノコ『それはキャットだけだろ、最低だったの……』
キャット『ニャァァァァァァァ!!!!』
アーニャ(NEX-US……いつか、こんなことが終われば、アーニャも……ずっと、あそこにいることが……)
「よーし、クラウソラスの組み直しするぞー! アーム回せよ!」
アーニャ「だから……今は……」
……
…………
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 22:02:04.73 ID:+OXOokn+0
――1週間後、火星圏宙域コロニー『バーチ』(港)
泉「外付け用のミサイルコンテナは艦外装のポイントに取り付けるから、そのままタンクと一緒に持っていって」
整備長「へい了解。ラプターの換装パーツはどうしますか?」
泉「ワイルドもストームも一式ずつ、ね……予備パーツの代わりにもなるし、一旦はそのまま積んでおきましょう」
整備長「じゃ先にコンテナの取り付けからやるか……」
P「ラプターの換装パーツはこっちで搬入しておくからお願いします」
整備長「おう、それじゃ頼んだぜ」
泉「それにしても、貴方がこういう作業に慣れていてくれて助かったわ。整備班も技術スタッフが兼任しているし、あまりこういう作業に慣れている人員がいなかったのよ」
P「仕事で外に出ることも何度かあったし、積み込みとかの作業は覚える必要あったからな。こういう形で役に立つとは思わなかったが」
泉「……腕の怪我、大丈夫? まだ完全に治っていないんだから、あまり無理をしてもらわなくてもいいんだけど」
P「コロニーの立ち寄りも4拠点に絞ったし、あまり長い間滞在してこの前の奴らに追いつかれても困るだろう。やれることは、やっておかないと。それに……」
泉「……みくのこと?」
P「機体が無いからって、学生の女の子をラプターに乗せるのは……な。本人も、戦闘なんて不安しかないだろう」
泉「そう、ね……みくには、本当に辛いことをさせてしまうのだけれど。私たちも、準備が足りなかったわ。せめて軍から非常時の為の正規パイロットを借りていれば……」
P「……大丈夫だ。俺が出て、それで済むなら」
泉「貴方……予備機のラプターはあるけれど、その怪我で……」
P「戦闘までに治せばいいさ。治療後は安静にしているし、治りも早い」
泉「……」
P「そうだ、みくちゃんはどうしているんだ? 今日1日は見かけていないが……」
泉「え? ええ、みくならシティのほうに行っているわ。なんでも用事があるからって。今のうちに、少しでも休んでほしいから、自由にしてもらってるけど」
P「そうか……」
※安価選択
1.みくが気になる
2.泉と作業を続ける
↓1
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/06(月) 22:03:12.06 ID:13bWLHzZ0
1
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 22:05:52.60 ID:+OXOokn+0
――バーチ(港)
泉「さて……と、搬入リストも……後は食糧分の残りだけね。だいぶ片付いたけど……」
P「そうだなぁ。整備班の積み込み作業も終わったから、整備長もメンテに戻ったし」
泉「ひと段落したら私たちも休憩しましょう。貴方もずっと外に出たままだし」
P「いや、俺は……」
P「……悪い。みくちゃんの様子を見に行っていいか? 今後のこともあるし、少し気になるというか」
泉「そう……貴方たち2人は巻き込んでしまったものね。2人でしか話せないこともあると思うし、行ってきていいわよ」
泉「残りの作業もそれほど多くないし、後は私のほうで済ませておくから」
P「悪い。ありがとう」
泉「そういえば、彼のIDデータに登録されていた職種、みくと同じ……まさか、ね」
……
…………
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 22:06:54.96 ID:+OXOokn+0
>>116
訂正
>>115
1.みくが気になる
――バーチ(港)
泉「さて……と、搬入リストも……後は食糧分の残りだけね。だいぶ片付いたけど……」
P「そうだなぁ。整備班の積み込み作業も終わったから、整備長もメンテに戻ったし」
泉「ひと段落したら私たちも休憩しましょう。貴方もずっと外に出たままだし」
P「いや、俺は……」
P「……悪い。みくちゃんの様子を見に行っていいか? 今後のこともあるし、少し気になるというか」
泉「そう……貴方たち2人は巻き込んでしまったものね。2人でしか話せないこともあると思うし、行ってきていいわよ」
泉「残りの作業もそれほど多くないし、後は私のほうで済ませておくから」
P「悪い。ありがとう」
泉「そういえば、彼のIDデータに登録されていた職種、みくと同じ……まさか、ね」
……
…………
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 22:07:28.30 ID:+OXOokn+0
――バーチ(市街区)
P「……町に来たが、みくちゃんが好んで行きそうな場所なんて、分からんな」
P「最近の流行り、か……抑えていないわけじゃないが、個人の好みとなるとな……」
P「NEX-USに接続してネットワークで遊んでいるか、単純に町で遊んでいるか、どうだろうか」
P「……NEX-USなら艦で端末を接続すれば入れるだろうが、落ち着かないかもしれないしな」
ピッ、ピッ!
P「近場にあるプレイルームの場所でも調べて、当たってみるか」
……
…………
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 22:08:31.80 ID:+OXOokn+0
――バーチ、市街区、プレイルーム
「ご利用1時間後から15分経過でクレジットが消費されます。清算結果は退出時に端末に転送されます」
P「ありがとうございます」
「入室したルーム、またはご使用になりますスペースにつきましては利用表示のアイコンを点灯願います。それでは、ごゆっくりお楽しみください」
P(さてと、プライベートルームに入られていたら分からないが、フリースペースにでもいてくれれば……)
P「……おっ」
みく「……」
P(運が良いな。仕切りスペースの端っこにいたのか。端末に接続しているから、NEX-USに入っているんだろうが……)
P(スペースの使用時間は……3時間か。結構潜ってるけど……俺もフリースペースで待つか)
P(事務所にも入っておきたいし、皆の様子も確認しておくか)
『認証が完了しました。NEX-USに接続します』
P「……」
……
…………
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 22:09:36.71 ID:+OXOokn+0
――NEX-US(事務所ルーム)
P「さてと……メールはどれくらい溜まってるのか……うわっ、この量はちょっとな……」
P「仕事の依頼は……結構来てるな。フェアリーやツインテは休暇申請出していたが……誰か接続してるだろうか」
ピピッ!
P「えっと、アイドル名簿……お、キャットとフェアリー、ツインテとキノコは接続しているのか。セカンドは……いないか」
P「来ている依頼は単独の仕事ばかり、か。ソロなら、誰かに声掛けてみるか。I@LPからアイドルの指定もないし……」
※安価選択(会話をするアイドルを選択してください)
1.チャーミングキャット(みく)
2.スノーフェアリー(アナスタシア)
3.キューティーツインテール(有香)
4.ナイトメア・キノコ(輝子)
↓1
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/05/06(月) 22:15:39.41 ID:o1VrtkrpO
2
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 22:29:53.28 ID:+OXOokn+0
>>121
2.スノーフェアリー(アナスタシア)
――NEX-US(事務所ルーム)
P「お疲れさん。フェアリー、休暇はどうだ?」
雪妖精「ダー、ゆっくりお休みしています。今は……お出かけしていたところで、少し接続していたんですが」
P「そうか、丁度良かったというか、休暇中なのは分かっているんだが……」
雪妖精「お仕事の話、デスね?」
P「そうなんだ。悪いな、こんなときで」
雪妖精「いえ、しばらくはI@LPから直接お仕事の依頼もありませんでしたし、嬉しいです」
雪妖精「新しいお仕事、キャットたちとは、お仕事しないんですか? それとも、他のアイドルですか?」
P「特に指定もないしソロの仕事だ。フェアリー用に良さそうな……これなんだが」
雪妖精「『ヨーロッパグルメスポットガイド』『ネットワークサバイバルシューティングキャンペーンガール』……あの」
P「どうした?」
雪妖精「よく、思うんですけど……NEX-USで食べ物のお仕事をするのって……」
P「まあ……生アイドルじゃないから、ほとんど台本なんだけどな」
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 22:40:18.71 ID:+OXOokn+0
雪妖精「キャットたちとのお仕事は、ないんですね……」
P「1人だと不安か? EUエリアのネットワークに何日かアバター置いたままになるだろうから、俺も付き添いで一緒にエリア行くけど」
雪妖精「プロデューサーと、2人……ですか?」
P「んまあ、事務所ルームには戻れるけど、貸し出してもらえる休憩スポットも1つしかないが……」
雪妖精「プロデューサーと一緒なら、大丈夫です」
雪妖精「プロデューサーはいつも、キャットばっかり構っていますから、たまには、フェアリーも構ってほしい、です」
P「キャットは他のみんなと違ってやかましさと慌ただしさがな……いや、別にキャットばかり構ってるわけじゃないんだが」
雪妖精「フフフ、ジョークです」
P「俺としては手が掛からないフェアリーやツインテのほうが一緒に仕事するときは助かるんだけど……」
雪妖精「そんなことを言うと、キャットが怒りますよ?」
P「ははは、確かに、悪かった。まあ、雪妖精と一緒に仕事っていうのも久しぶりだし、ゆっくり準備しようか」
雪妖精「はい♪」
P「それなら承認連絡出しておくとして。スケジュールは決まったら連絡するから、休暇が終わったら接続履歴だけ残しておいてくれな」
……
…………
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 22:41:27.12 ID:+OXOokn+0
※アイドルのステータスが更新されました
キャラ名:アナスタシア
操縦技術:52
親愛度 :45→50
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 22:43:06.25 ID:+OXOokn+0
――NEX-US、マイルーム『チャーミングキャット』
タンッ、タタンッ! タンッ、タンッ!
キャット「……で」
加蓮「ん?」
キャット「何見てるにゃ」
加蓮「楽しそうだなーって。アイドルなんでしょ?」
キャット「生アイドルじゃなくてネットアイドルにゃ。管理者ならデータ見れるんでしょ? ていうか、突然やってきていつまでキャットのところにいるにゃ」
加蓮「奈緒とレイナがねー、教えてくれたんだ。きっとアイドルが選ばれるんだって。ホントにアイドルが接続するんだって、ビックリしたけど」
キャット「一体何の話にゃ……AIもビックリするんだ」
加蓮「誰が私のところに接続するとか、NEX-USが教えてくれるわけじゃないし」
キャット「それって、あの戦闘機に乗るってこと?」
加蓮「そうそう、あ、そういえばあの機能どうだった?」
キャット「あの機能?」
加蓮「あれ、送った戦闘記録、頭の中にフィードバックされてなかった?」
キャット「……あれってやっぱり、アンタが送った来たのかにゃ」
加蓮「アンタって……もー、加蓮、でいいよ。せっかく名前つけてもらったんだから」
キャット「……加蓮、チャンが変なの頭の中に見せてきたせいで、途中から自分の体じゃなくなった気がしたにゃ」
加蓮「そういう機能もあるしねー。フレームの機能も、私のところに繋げなきゃ動かないし」
タンッ、タタンッ! タンッ、タンッ!
キャット「なんでNEX-USにそんな機能があるにゃ? ていうか何でNEX-USにそんな物騒なものが……」
加蓮「それが本当の役割だから」
キャット「役割?」
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 22:48:41.49 ID:+OXOokn+0
加蓮「NEX-USって世界中に広がってるでしょ?」
キャット「それくらい知ってるにゃ。NEX-USの共用ネットワークを利用している会社やシステムだってたくさんあるし、世界中にあるのなんて……あ」
加蓮「そう。情報収集のツールとしてNEX-USを利用している軍の一部施設や、組織……色んなところから情報が入ってくる」
加蓮「その情報を、上手く使って、促して、その先に行くのがNEX-USの役割」
キャット「……ふーん。にゃっ、にゃにゃっ、にゃっ、にゃ〜」
タンッ、タタンッ! タンッ、タンッ!
加蓮「ね、さっきからフラフラ動いてるそれ、アイドルの何かなの?」
キャット「イベントでパフォーマンスするときのステップにゃ。最近教えてもらった新しい内容だから、練習して覚えてるの」
加蓮「へー。でも、それならインプットしておいて自動モーションにしておけばいいのに。奈緒も同じようなことやってたけど」
キャット「それじゃ別にアイドルじゃなくてもいいし……自分で頑張るから、意味があるの」
加蓮「へえ……それじゃ――」
ピピピッ!
加蓮「あ、お呼び出しだ。それじゃあキャット、また遊ぼうね」
キャット「いやこっちは自主トレしてただけなんだけど……」
加蓮「そうそう、戦闘の時はいつでもNEX-US起動していいからね。ロック外しておいたから。それじゃ」
パシュンッ!
キャット「……行っちゃった。はぁ」
キャット「もう5時間以上潜ってたし……今日はもう終わろ」
……
…………
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 22:57:15.39 ID:+OXOokn+0
――バーチ、市街区(プレイルーム前)
P「……もう夕方の時間か。後ちょっとで日も落ちきるが」
パシュンッ!
みく「んーっ!」
P(ん、ようやく出てきたか)
みく「ふぁ〜……にゃっ、にゃにゃっ、にゃっ、にゃ〜」
タンッ、タタンッ! タンッ、タンッ!
P(あれは……)
P『ここで、軸足を変えて……こう』
キャット『……もう1回』
P『こうきて……ここで、こうして、こう』
キャット『にゃああああああっ!! ややこしいステップにゃ! フェアリーチャンたちのステップより難しいんだけど!』
P『猫っぽいのがいいって言ったのお前だろ……こっちだって資料集めて色々考えたんだから』
ツインテ『はははっ、頑張ってください、キャットちゃん』
雪妖精『ファイト、デス』
キノコ『こっちは、簡単なので……よかった』
キャット『ぐぐぐ……迂闊なこと言うもんじゃないにゃ……やってやるにゃ!!』
P(俺が、キャットに教えたステップ……どうして……まさか……)
みく「ってうわぁっ!? お、お兄さん!?」
P「……え? わっ!?」
みく「ビックリしたぁ……どうしてこんなトコにいるの?」
P「あ……いや、みくちゃんが中々戻ってこないから、どうしたものかと思って」
みく「あー……もう夕方だもんね。ごめんなさい」
P「いや、ナシヤマ出てからずっと艦の中にいたきりだったし、気分転換に外に出たってのは泉から聞いていたから」
みく「NEX-USで遊んでたんだけどね、あの艦の中で接続しても居心地よくなさそうだったし……」
P「……それじゃ、戻るのはもうちょっと遅くしようか。晩御飯、どこかで食べようか?」
みく「え? でも泉チャン心配するだろうし……」
P「俺も外に出る用事があったから夜に戻るって話してたから大丈夫だよ。それに、外で飯食べるほうが美味いしな」
……
…………
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 22:58:11.04 ID:+OXOokn+0
――バーチ、市街区(ファミレス)
みく「お兄さんのおっごり、おっごり♪」
P「いや……まあ、いいけどよ」
みく「んふふ〜、何食べようかな〜♪」
ピッ、ピッ!
P(……みくちゃんが、キャットなんてこと、あるんだろうか)
みく「艦に戻ったらデザートも食べられないし、食い溜めしちゃおっかなー?」
ピッ、ピッ!
P(もし、そうなら……いや、違う。みくちゃんがキャットかどうかなんて)
「お待たせしました。牛サーロインステーキプレートです。こちら、ソーセージグリルとポテトのセットになります」
みく「いっただきまーす!」
P(こんな、女の子を……この前のように、戦闘機に乗せて戦闘をさせるわけにはいかない。動かせるから、戦えるからといって……俺が、俺が……)
みく「ん、お兄さん何も注文しないの?」
P「ああいや、みくちゃんが注文しまくるもんだから……それじゃあ俺は、鯖定食にでもするかな」
……
…………
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 22:59:53.86 ID:+OXOokn+0
――夜、ニューウェーブ(みくの部屋)
みく「……」
『今月の月間ランキング、ピックアップされたユニットは……チャーミングキャット、スノーフェアリー、キューティーツインテール、ナイトメア・キノコ、セカンドブルーのユニットですね』
『長いですね。確か、ユニットとしての活動ではないんですよね?』
『I@LP上の登録ではそうみたいですね。ユーザーアンケートで5人1組での結果が多いのでこの形でご紹介していますけど』
『確か、この前のモービルレースの大会で実況チャンネル権を獲得していましたよね。その効果か、今月は129位、先月から500位以上も上がっていますね』
『2000位以内で一人前と言われるNEX-USのネットワークアイドルとしては、この順位帯でそこまで一気に順位を上げたのは凄いですね。実況でも――』
ピッ!
みく「……」
『東アフリカで発生している内戦の続報です。ただいま表示している地域において、地球連邦政府から被害レベルの――』
ピッ!
みく「……」
みく「……何やってんだろ、みく」
……
…………
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 23:06:24.35 ID:+OXOokn+0
――2週間後、火星圏宙域コロニー『ギチトー』(管理センター)
泉「ええ、機材搬送の依頼を受けてオート・クレールの本社に……はい、許可は貰っています」
「艦のライセンスを確認させて頂きます。こちらから端末を接続願います」
みく「泉チャン、まだかなー」
P「ギチトーを抜けたら次は月軌道か……ムーンを越えて共和国の防衛圏内を通過したら、もう降下か」
みく「……」
P「ん、どうした? 外に何かあるのか?」
みく「ううん、みく、地球には行ったことなかったから」
P「そうだったのか。降下手続きは面倒だからなぁ。一般の定期便で降りるにしても時間掛かるし」
みく「お兄さん、地球に行ったことあるの?」
P「まあ……俺は地球出身だから。こんなタイミングじゃなかったら、遊びに行く気分だったんだけどな」
みく「どうして宇宙に上がったの?」
P「ん、まあ……色々。俺は日本出身で、平和と言えば平和だったけど……すぐ隣の大陸だと紛争もあったし」
P「エネルギー資源の採取のメインが宇宙に移って、貧乏になる国もあって、安全じゃなくなって……っていうのが地球の実情で」
P「日本は平和だけど、オート・クレールの本社もあるし、いつテロリストとかの標的になるか分からなかったからな。危なくなる前に、宇宙に上がったって感じだ」
みく「まー確かに、共和国がムーン・サードとフィフスを管理コロニーにするって決まりになった時からは、他所のコロニーとのインフラも戻ったし」
P「結局、連合支持国家も地上に残ったし、俺が生まれる前に言われていた地球離れってのも起きなかったからな」
P「戦争だって、コロニー1つ壊してからは、無くなったと思ったんだけどな……」
みく「……どうなるんだろうね。今回の、ナシヤマの……戦争、ってことなのかな」
P「連邦も連合も、テロリストがって言い逃れしてるからなぁ。ラパス条約違反だって話もNEX-USで見かけたけど、連邦は地球でもそっちの対応しているのは事実で、連合のほうだって過去にコロニー建造の時に起きた事件もあったし」
P「ファクトリーに戦闘機があったって事実は、ニュースで公表されてなかったけど」
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 23:15:15.70 ID:+OXOokn+0
『次のニュースです。先日、月軌道上の地球連邦の管理コロニー、ムーン・ファースト内起きた爆発事件です。櫻井グループ関連12の企業施設で同時に起きたこの事件、地球連邦政府からの公開映像でテロリストによる犯行だとして――』
みく「げっ、モニターでやってる今のニュース……」
P「ファーストで起きてた事件か……艦に乗っているときもニュースで見たけど、嫌なタイミングだな」
みく「みくたちが降下するときに何もなきゃいいけど……まあ、みくたちは共和国だからサード経由で低軌道に向かうけど」
泉「お待たせ、遅くなってごめんなさい」タタタタッ!
みく「あ、泉チャン。手続き終わったの?」
泉「ええ、用意していた発注書の確認で時間取られたわ。オート・クレールの本社経由で確認してもらわないとダメだったし、センターの人にも悪いことしたわね」
P「軍に直接搬送してもらうのが出来ないって、ホント面倒だな」
泉「物が物だし、仕方がないわよ。今回の補給はそんなに時間が掛からないし、寄り道しないでニューウェーブに戻りましょうか」
P「そうだ、さっきニュースで流れたけど、ファーストでテロリストが出たって発表があったぞ」
泉「あら……もしかして昨日ニュースで流れてた爆発の……どうしましょうか。月軌道での話なら、テロリストが逃げる場所といえば地球か、別のコロニーってことになるけど……」
P「地球に逃げるなら、低軌道まで移動した後は降下するだけだからな。ちょっと危ないかと思ったんだが」
泉「うーん……とはいえ、ファーストの話、だけど……定期便も使わないし、私たちにはあまり影響なさそうだし……できれば用心したいけど、ファクトリーを襲った部隊が追跡してくるって可能性だってあるから、難しいわね」
みく「ねー泉チャン。なんで地球に降下するのに火星圏で先に降下手続き済ませてるの?」
泉「え? ああ、インフラ整備の為よ。ムーン・サードに到着したら二次手続きがあるけど、ここで手続きしているからそっちはあまり時間掛からないわ」
P「逆に地球から来て火星圏の外に出るときも、ムーンと火星圏のコロニーで手続き済ませないとダメだからな」
みく「はー、地球に降りるのも面倒くさいにゃ……」
泉「まあ、こればかりはね。遅くなったし、早くニューウェーブに戻りましょう」
……
…………
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 23:21:40.16 ID:+OXOokn+0
――土星圏宙域、ホクドウ(港)
ちひろ「艦の出航準備は?」
「間もなく完了します。ですが、本当によろしいのですか?」
ちひろ「オペレーションFについては合流タイミングを合わせれば良いだけです。βの対応が最優先になりますし、上からの許可も出ています。奪取した機体のデータは?」
「ナシヤマで発見した新型機のデータについては解析を進めています。メインフレーム自体の構造がこれまでの物とは異なっていますね」
ちひろ「恐らく、解析が終わったとしても、NEX-USに潜り込めなければ奪取した機体はこちらではどうにもできないでしょう。フレームの技術を転用するしかないですね」
「開発局には現在開発中の新型に転用できないかと打診していますが、何分進捗も芳しくなく……」
ちひろ「急がせてください。宇宙に戻った時には、一通りの作業が完了していることを期待しています」
「わかりました」
……
…………
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 23:28:46.45 ID:+OXOokn+0
――ホクドウ(港)
ピピピッ!
ちひろ「はい」
有香『千川少佐、βの件です。先日報告した通り、こちらも輸送艦を追って月軌道を越えました。念のため、地球への降下手続きは完了済みです』
ちひろ「そうですか、わかりました。私は……」
ちひろ「……プロジェクトFの対応で土星圏からは離れることが出来ませんが、作戦の準備が整い次第、アラスカに向かうことになっていますので」
有香『了解です。こちらも任務を続行します。靴のデータ、必ず持ち帰ってみせます』
ちひろ「極秘任務です。期待していますよ」
ピッ!
ちひろ「……」
ちひろ「さて、残りの障害は……後手に回る前に排除しておきたいが……」
……
…………
134 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 23:33:30.69 ID:+OXOokn+0
――地球圏宙域、低軌道上、ニューウェーブ(ブリッジ)
泉「さて、と……ムーン・サードから来てくれた護衛艦も、ここら辺で離脱かしら」
みく「ファーストのテロ対応もあって他のムーンコロニーの対応も厳しかったぁ……」
泉「仕方がないわよ。それおあってサードからの護衛艦もここまで来てくれたし、今回は有り難かったわ」
みく「ふわぁ……でも、降下までまだまだだよね? みく、ちょっと休んでくる……」
泉「降下準備、低軌道ステーションで艦のチェックが入ってからになるから、もうしばらく掛かるわ。休んでていいわよ」
みく「うーん……はぁ、それじゃ休んでこよー……」
パシュンッ!
……
…………
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/06(月) 23:36:39.64 ID:+OXOokn+0
結構長く続けたので今日はこれで終了します。
いまやっている部分は次回後半部分投下して終わりになります。
明日以降は平日なので再開間隔が少し空くと思います。週の後半くらいとか。
長時間お付き合い頂きありがとうございました。
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/10(金) 02:29:20.93 ID:/Noz+s8w0
5/10(金)の22時頃か、5/11(土)の13時頃から再開します
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 13:05:17.40 ID:C24/VbVx0
――ニューウェーブ(ブリッジ)
泉「……ところで、貴方」
P「ん?」
泉「いえ、シミュレーターの結果、見させてもらったけれど……貴方、本職じゃないわよね?」
P「俺のIDすっぱ抜いたんだろ? 本職はNEX-USのI@LPだぞ」
泉「ネットアイドル管理業務に従事してる人が、ラプターのシミュレーターで出せる戦闘スコアじゃないと思うのだけど」
P「……まあ、何というか、俺も驚きはしたが。モービルなら動かしたことはあるけど、学生のころよりも調子がいいんじゃないかって思った」
泉「まあ、地球に降りるときは共和国の降下ポイントになるし、日本にはすぐに着く予定だから、もしもの為ってレベルだけど……戦闘にならないことを祈るわ」
P「そうだな……」
泉「貴方も疲れているでしょう? ブリッジ作業も見てもらっちゃっているし、少し休んでていいわよ」
P「泉も休まなくていいのか?」
泉「私は対応があるもの。みくも休んでいるし、貴方も休んで」
P「……それじゃあ、悪いけど休ませてもらうよ。何か手伝えることがあったら言ってくれ」
泉「巻き込ませたのはこっちだもの。非常時にはラプターに乗ってもらうっていうだけで申し訳ないくらいよ」
P「いいんだよ。俺だって変なゴタゴタに巻き込まれて死にたくないし。それじゃ、後で」
……
…………
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 13:14:57.24 ID:C24/VbVx0
――地球圏宙域、低軌道上、ケーレス(ブリッジ)
「中尉、対象の輸送艦ですが、共和国の低軌道ステーションに入りました」
有香「ギリギリまで待ちましょう。共和国の防衛部隊に気付かれる前に対応したいので、相手の降下直前に奇襲を掛けます」
有香「武装は外付けしているようですが、所詮は輸送艦です。武装を潰して艦の足を止めた後に、編成した突入部隊でブリッジを掌握します」
「了解です。各班には準備を進めさせます」
有香「対象も低軌道ステーションに入ったばかりでしばらくは動かないでしょう。予定時間になったら各班で待機を。私も少し席を外します」
有香(今度は……今度こそ……!)
……
…………
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 13:17:55.15 ID:C24/VbVx0
――NEX-US(事務所ルーム)
P「もう少しで地球か……オート・クレールは横浜にあるし、日本に帰るのは久々だな……」
P「……本当に、こんなときじゃなかったら、よかったんだが」
ピピッ!
P「えっと、アイドル名簿……今日は全員接続しているのか」
P「地球に降りた後も、まだしばらくは面倒な事は残っているだろうし……誰かには顔を合わせておくかな」
※安価選択(会話をするアイドルを選択してください)
1.チャーミングキャット(みく)
2.スノーフェアリー(アナスタシア)
3.キューティーツインテール(有香)
4.ナイトメア・キノコ(輝子)
5.セカンドブルー(??)
↓1
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/11(土) 13:19:24.23 ID:FHXW6ecR0
3
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 13:31:23.05 ID:C24/VbVx0
>>140
3.キューティーツインテール(有香)
ピピピッ!
P「ん、ツインテから通話か」ピッ!
ツインテ『プロデューサー、お疲れ様です!』
P「おお、どうした? しばらくはI@LPからもスケジュールが入ってなかったと思うが」
ツインテ『いえ、最近はNEX-USに繋げても、プロデューサーと同じタイミングで接続していなかったので、お変わりないですか?』
P「ちょっと生のほうで忙しくてな。時間が空いた時にはなるべく接続してるんだけど、仕事のメールも結構溜まってるもんだから……」
ツインテ『そうだったんですか、I@LPの管理業務は大変そうですね……あたしたち以外のアイドルのお仕事もあるでしょうし』
P「まあ斡旋や調整がメインなところもあるし、実働してるツインテたちとそう変わらないよ」
P「そういえば、ツインテも最近はあまり接続している感じじゃないよな。生で何かあったのか?」
ツインテ『いえ、特に変わりはありません! いつも通り大変といえば大変ですが……』
P「ははは、いつも大変ならそれはそれで困るだろうに」
ツインテ『生でもやらなければならない大事なことはありますから。でも、アイドルだってもちろん同じくらい大切です。あ、少し事務所ルームにお邪魔してもいいですか? もう少しで接続切ってしまうので』
P「別に構わんよ。こっちも少し仕事したらまた切断するし」
ツインテ『わかりました。それでは……』
……
…………
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 13:43:11.59 ID:C24/VbVx0
――NEX-US(事務所ルーム)
ツインテ「ええと、I@LPから出している募集表は……」
P「仕事、何かしたいのか? I@LPからの個別依頼も来ていると思うが」
ツインテ「いえ、しばらくは接続する時間が制限されそうなので、時間に合った仕事が無いかと思って」
P「スケジュールが決まっているなら、こっちで回してやろうか?」
ツインテ「あ、その……それも、難しくて……どうしても通知自体、見れないタイミングも多くなりそうで……」
P「……」
ツインテ『いえ、最近はNEX-USに繋げても、プロデューサーと同じタイミングで接続していなかったので、お変わりないですか?』
P「ツインテ、もしかして地球から接続しているのか?」
ツインテ「えっ!? ど、どうしてですか?」
P「ほら、生の話だけど、最近は木星圏宙域のコロニーで起きた事件の後、特に地球の紛争が以前より活発になったって報道もあったし」
ツインテ「……」
P「もし危険な地域に住んでいるなら、一時的にでも安全な場所に引っ越すとか、I@LPもしばらくは休止手続きをするとかしたほうがいいと思ったんだが」
ツインテ「……いえ、そういったことは、ないから大丈夫です」
ツインテ「まあ、その……あたしも、騒がしいところには、いるんですけど」
P「そうか……なら、いいんだが」
ツインテ「プロデューサーこそ、生のほうも忙しくてNEX-USに接続する機会が減っているなら、管理業務も大変になっているんじゃないですか?」
P「まーどっちもどっちって感じだな。生のほうも忙しくなるとは思わなかったけど」
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 13:50:49.52 ID:C24/VbVx0
P「まあでも、ツインテがそういう危ないところにいないなら、よかったよ」
P「生の話は出来ないけど、こういう時期だしみんなの安全を気にすることはあるから、ツインテにも無事でいて欲しいし」
P「こういう時期だから、エンタメ担当のアイドルや、裏方の俺たちみたいなのが頑張らないとって思うからなぁ」
ツインテ「……」
P「ん、どうした?」
ツインテ「……いえ、そうですよね。生で起きている戦争とか、確かに不安に覚える人たちや、危ない目に遭っている人たちもいると思います」
ツインテ「だから、だからせめて、NEX-USの中だけでも、あたしたちアイドルが明るく楽しくやらないとダメですよね」
P「うん、そうだな。そういうときこその俺たちって部分もある。時間が取りにくい時期なら難しいかもしれんが、仕事もしっかりやっていこうか」
ツインテ「はい! それじゃあ、接続切る前に募集表から多めに仕事のピン止めしておきましょうか!」
P(……そうだな、こういうときだからこそ、だな)
P(ツインテだけじゃなくて、俺自身に何かあったら、みんなが困ることになるんだ。だからこそ……)
……
…………
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 13:51:55.41 ID:C24/VbVx0
※アイドルのステータスが更新されました
キャラ名:中野有香
操縦技術:71
親愛度 :8→13
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 13:53:42.89 ID:C24/VbVx0
――地球圏宙域、低軌道上、オグマ(食堂)
アーニャ(もうそろそろで降下……結局、任務は中断……あの輸送艦も降下ポイントまで来ているのに、アーニャたちはロシア領に……)
ビーッ! ビーッ! ビーッ!
アーニャ「警報!?」
ピピピッ!
艦長『アナスタシア、いるか』
アーニャ「艦長、何が……」
艦長『連邦防衛圏内スレスレだが、降下ポイントの予定圏外で、こちらより先に降下準備をしていた輸送艦から爆発があった。宙域映像だ』
ピピッ!
アーニャ「これは……サーフス!? 連邦の旧世代機が……もしかして……!」
艦長『ああ、この灰色のカラーは中央アジアとロシア領で発生している内紛で確認された機体と一致する。宙域のテロ部隊であることは間違いない』
艦長『同時刻に降下予定の民間船も付近にいるらしく、攻撃を受けたとの報告も来ている。戦闘区域が共和国の防衛圏に差し掛かってきているのもあって詳細な状況が分からん』
艦長『共和国の低軌道ステーション側からも通告が来ている。テロ部隊の対処の為、オグマは先行して緊急対応を取る。出られるな?』
アーニャ「はい!」
……
…………
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 13:55:13.96 ID:C24/VbVx0
――地球圏宙域、低軌道上、オグマ(食堂)
アーニャ(もうそろそろで降下……結局、任務は中断……あの輸送艦も降下ポイントまで来ているのに、アーニャたちはロシア領に……)
ビーッ! ビーッ! ビーッ!
アーニャ「警報!?」
ピピピッ!
艦長『アナスタシア、いるか』
アーニャ「艦長、何が……」
艦長『連邦防衛圏内スレスレだが、降下ポイントの予定圏外で、こちらより先に降下準備をしていた輸送艦から爆発があった。宙域映像だ』
ピピッ!
アーニャ「これは……サーフス!? 連邦の旧世代機が……もしかして……!」
艦長『ああ、この灰色のカラーは中央アジアとロシア領で発生している内紛で確認された機体と一致する。宙域のテロ部隊であることは間違いない』
艦長『同時刻に降下予定の民間船も付近にいるらしく、攻撃を受けたとの報告も来ている。戦闘区域が共和国の防衛圏に差し掛かってきているのもあって詳細な状況が分からん』
艦長『共和国の低軌道ステーション側からも通告が来ている。テロ部隊の対処の為、オグマは先行して緊急対応を取る。出られるな?』
アーニャ「はい!」
……
…………
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 13:58:03.84 ID:C24/VbVx0
――低軌道上、ニューウェーブ(ブリッジ)
ビーッ! ビーッ!
泉「ちょっと……! もうっ、本当にタイミング悪いんだから……!」
P「低軌道ステーションから通信が入った。連邦側のステーションから出ていた民間船と輸送艦を襲っているサーフスの部隊が共和国の防衛圏内に入ったみたいだ!」
泉「テロリストなんて警告はお構いなしなんだから……ってちょっと、こっちも捕捉されてるわ」カタカタカタッ!
「降下オペレーション、解除します! 艦下部に展開していたシールドを解除します」
泉「シールドは左舷に展開させて。テロ部隊のサーフスがこちらに向かってくるわ。迎撃用の対空ミサイルを発射管に装填、艦速度2で距離を取りましょう」
P「このっ……泉、俺がラプターで出る!」
泉「え、ちょっと! 降下ポイントなのよ! 高度も下げている状態で危ないわ!」
P「防衛部隊のOMDAが来るまで好き放題されるわけにはいかないだろう! あと、みくちゃんには言うなよ!」
泉「そんなこと……」
P「無理やり降りる場合は教えてくれ! 置き去りになる気はないからな!」
パシュンッ!
……
…………
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 14:08:43.43 ID:C24/VbVx0
――NEX-US(秘匿領域)
キャット「……」
加蓮「どしたの? マイルームに行かないでここでボケっとして」
キャット「……ねえ」
加蓮「なに?」
キャット「NEX-USって、戦争とか、戦う為のシステムなの?」
加蓮「宣伝知らないの? 『最新のニュース、イベント、世界の流行から今夜の晩ご飯まで、全世界にエンターテイメントを提供する全く新しい形の情報サービス!』ってやつ」
キャット「そんなの知ってるにゃ! そう、じゃなくて……」
キャット「……この間、加蓮チャンが教えてくれたでしょ? NEX-USは色んな情報を集めて、それを使うって」
加蓮「ま、大体そんなものだけど」
キャット「あれから、ちょっと考えたんだ。キャットね、NEX-USの中でアイドルやってて、Pチャンもいて、フェアリーや他のアイドルのみんなとお仕事する機会もあって、すごく楽しくて」
キャット「ああ、キャットはここにいるとアイドルなんだ。楽しい、夢のような場所なんだって思って」
キャット「だけど、ファクトリーであんなことがあって、戦闘機の中でNEX-USに接続して、戦闘の話とかも色々聞いて、NEX-USも生……現実と同じなんじゃないかって思った」
キャット「キャットも、よく分からないまま戦闘機を動かして、宇宙で戦って、だけど、キャットはアイドルなのに……」
キャット「アイドルがそんなことしちゃダメなのに、でも、お兄さんは、キャットを守る為にあの時……だから、思わずそうしちゃって……」
キャット「それ出来たのは、お兄さんの為だったのか、自分の為だったのか、どうしてなんだろう。戦争とか、現実の世界の話だから、キャットは関係ないって思ってたのに、楽しいはずのNEX-USが――」
加蓮「それってさ、何か悩むことなの?」
キャット「……よくわかんないにゃ。だから、悩んでるんだし」
加蓮「確かに、NEX-USのシステムは戦争の道具として使われているのは間違ってないよ。だけど、世界中のみんなが知ってるNEX-USだって本当」
加蓮「私のAIを造った人は、私にどうしてほしいのかは言わなかった。だけどね、奈緒が私に言ってくれたんだ」
キャット「誰の話にゃ……」
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 14:11:46.53 ID:C24/VbVx0
加蓮「『自分がここに来た理由は分からない。でも、自分が選んだ結果ここに来た。だから、自分がここで何かをしなきゃならないことだけは分かる』って」
加蓮「人間の感情次第なら何とも言えないし、今のキャットに当てはまるかは分からないけど……選択したのが自分自身なら、それを受け入れないと自分自身になれないんじゃない?」
キャット「……」
加蓮「NEX-USがどうかとか、ここにいるキャットや、現実のキャットがどうのって話じゃなくて、自分のやったことは、自分で選んだんでしょ? だったら、それを受け入れないと」
加蓮「自分を否定するから、何でも嘘に思えるんじゃないかな。他の色んな物が嘘だったとしても、自分自身は本当でいないと。だから、そのお兄さんって人がキャットを守ったのが自分で選んだことだから、キャットもそれに応えようとしたんじゃないかな?」
キャット「……キャット、が」
ピピッ!
加蓮「NEX-USで採取した最新情報? システムコール……へー、地球圏宙域の低軌道上で戦闘だって」
キャット「……え? 低軌道上?」
加蓮「うん、連邦と共和国の防衛圏の境界で起きてるんだって。これ、キャットがいる場所でしょ? 大変だね。外出たほうがいいんじゃない?」
キャット「大変だね、じゃないにゃ! なんでもっと早く教えてくれなかったにゃ!!」
加蓮「だって今NEX-USに来た情報だし」
キャット「……こうしちゃいられないにゃ!」
加蓮「接続切る? 気を付けてね」
キャット「なんでそんな他人事みたいに言うにゃ! あーもー!!」
……
…………
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 14:14:10.63 ID:C24/VbVx0
――ニューウェーブ(みくの部屋)
みく「泉チャン!!」
ピピピッ!
泉『あ、みく? もしかして寝てた? いま降下ポイントに来てるいるけど、ムーン・ファーストのほうで騒ぎになっていたテロリストが近くに来ているみたいだから、大人しくしてて』
みく「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ! 糸目……じゃなかった、ラプターあるでしょ! みく行くから!」
泉『え? ちょっ、あなたも!?』
みく「みくもって……もしかして」
泉『……彼が出ているわよ。みくには知らせないようにって言われていたけど』
みく「お兄さん……」
P『銃声……!? マズイ、みくちゃん急いで!』
みく『お兄さんは!?』
P『ちゃんと後ろにいる! 早く機体に登るんだ!』
パァンッ!
P『うぐっ……!?』
みく『お、お兄さん……みくを庇って……お兄さん、お兄さん!!』
みく「……もう!!」
泉『ちょっとみく――』
ピッ!
パシュンッ!
……
…………
151 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 14:17:40.55 ID:C24/VbVx0
――ニューウェーブ(カタパルト)
整備長『宙域戦闘だけど低軌道上だ、下には気つけろよ! 足の速いストームの装備にしてるが、換装した脚部にワイルドで使うミサイルポットも付けてるからな! 弾幕張って、防衛部隊が来るまで無理すんじゃねえぞ!』
P「ありがとうございます。兵装リストは確認済みだ……動かせます!」カタカタカタッ!
整備長『よーし! 甲板の射出ポイントに運んだ! 行ってこい!』
P「TMS-312S、ラプターストームで行きます!」
……
…………
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 14:20:49.27 ID:C24/VbVx0
――戦闘宙域
P「索敵……連邦の輸送艦……被弾しているのか! 民間船の盾になって……!」ピピッ!
P「機体状況問題無し……ファクトリーで乗ったラプターと機体性能や具合が違う。シミュレーターで動かした通りだけど、やっぱり実戦じゃ違和感があるか……」カタカタカタッ!
ピピッ!
P「防衛部隊のOMDAが来たのか……だけど、サーフスが1機こっちに……! くっ……」ギュンッ!
みく『ふぁ〜……にゃっ、にゃにゃっ、にゃっ、にゃ〜』
みく『お兄さんのおっごり、おっごり♪』
みく『いっただきまーす!』
みく『ん、お兄さん何も注文しないの?』
P「……! 後ろには、ニューウェーブがあるんだ、みくちゃんが……誰かなんて……!」ギュッ!
P「うおおおおおおっ!!」ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!
ドガアアアアアアンッ!!
P「1機墜とせた……!!」
ピピピッ!
『そこのラプター! 連合の機体か!』
P「違います! 後方で降下準備に入っていた軍の民間協力船に積んでいた機体です。コードも発行されています!」
『遅くなったが防衛部隊も到着した。お前は――』ピーッ!!
P「ちょっと! お、墜とされたのか!? くそっ、他のOMDA部隊も押されている……テロ部隊の数……15機!? あっちが多すぎるのかよ!」
……
…………
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 14:27:53.52 ID:C24/VbVx0
――戦闘宙域
艦長『グラース部隊、A装備の機体はC装備の機体の援護に回れ。共和国のOMDA部隊も勘定に入れたとしても、テロ部隊のほうが数が多い。OMDA部隊には弾を当てるなよ』
ピピッ!
アーニャ「宙域で1機、OMDA部隊に混ざって戦闘しているラプター……奥にあの輸送艦があるということは……あの民間人のラプター?」
艦長『アナスタシア、対象の輸送艦が奥に見えるが、こちらとしてはテロ部隊の対処が最優先だ。共和国に土足で踏み入っているんだ、対処を誤るなよ』
アーニャ「サーフスの数が多い……了解デス。クラウソラスで先行します」
ピピッ!
アーニャ「あの輸送艦からもう1機……識別コードが所属不明機扱いで反応? それなら、あっちの機体が……!」ガションッ!
……
…………
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 14:35:11.83 ID:C24/VbVx0
――戦闘宙域
サーフス『……』ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!
P「くそっ! ライフルに当たるかよ! 離れろ!!」ドガガガッ!!
ピピピッ!
みく『お兄さん!!』ギュオオオオオオッ!!
ドシュゥンッ!
サーフス『……!』ドガアアアアアンッ!!
P「いまのライフル……みくちゃん!? なんでここに来た!」
みく『なんでもないし! みくのこと何だと思ってるの!!』
P「何って……・」
みく『お兄さんに守ってほしいなんて頼んでないし、みくだって死にたくないモン!! 泉チャンが教えてくれたことはよく分かんないけど、こんなところからさっさと離れて、ちゃんとアイドルやりたいから!!』
P「っ!?」
みく『だから……だから、あのときみたいに、みくだって戦うから! みくが助かりたいからお兄さんを助けるし、だから……だから、みくのこと……守って!』
P「……無茶苦茶ばっかり言いやがって!」ガションッ!
ピピピピピッ!!
P「ミサイルで弾幕を張る! OMDAの部隊も後退している、もう少し下がれ!」ボシュシュシュシュッ!!
みく『うん!』
サーフス『……!』ギュオオオオオッ!!
ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!
みく『お兄さん、1機抜けて来てる! 牽制するよ!』ドシュゥンッ!!
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 14:39:31.72 ID:C24/VbVx0
P「そこだ、ビームブレイドで……!」ギュンッ!!
シュパアアアアアンッ!!
サーフス『……』ドガアアアアアンッ!!
P「……・まったく」
P(みく……やっぱり、キャットなのか……? だけど、それなら……)
ピピピッ!
P「周辺通信……?」ピッ!
みく『発信元……あ、あの機体! ファクトリーでお兄さんを撃った兵士が乗った機体!』
アーニャ『共和国防衛部隊のOMDAと、ラプターの2機、コチラは連邦のグラース部隊デス。こちらの不手際で申し訳ありませんが、今から加勢します』
P「ニューウェーブでデータは見た。OMDX-01AS、クラウソラスか……連邦のグラース部隊か、この数でもまだこっちが数で足りていないのか」
みく『あの兵士なら……多分、信用していいんだよね』
P「……ああ、大丈夫だと思うが」
……
…………
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 14:44:09.88 ID:C24/VbVx0
――戦闘宙域外、ケーレス(カタパルト)
有香「まったく、連邦は何を対処に遅れているのか……!」カタカタカタッ!
輝子『い、いきなり作戦中止は……それはそれで、困る……』
有香「仕方がありません、テロ部隊にあのファクトリーから出た輸送艦が落とされたらこちらとしても問題です。ケーレスをこれ以上接近させるわけにはいきませんが、状況もよろしくありません。援護するしかないでしょう」
ピピピッ!
『ハッチ開放。アラドヴァル、フラガラッハ、発進どうぞ』
有香「了解です。ケーレスは索敵外まで後退してください。帰艦タイミングについては別途こちらから通信を送ります。索敵に引っ掛からないように」
輝子『あの戦闘の中に飛び込むのか……ま、まあ……死なないように、頑張るか』
有香「まずは靴のデータを守ることが最優先です。OMDX-12ASアラドヴァル、出撃します!」
輝子『多分、弾足りるだろ……OMDX-21AEフラガラッハ、で、出るぞ……』
……
…………
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 14:47:35.16 ID:C24/VbVx0
――戦闘宙域、ニューウェーブ(ブリッジ)
「戦闘宙域に反応! クラウソラス、アラドヴァル、フラガラッハの3機を確認しました!」
泉「クラウソラスは周辺通信があったから連邦としては今回はこちらに手を出してこないでしょうが、残りの2機は……」
カタカタカタッ!
泉「P、みく、聞こえる? アラドヴァルとフラガラッハが戦闘宙域にいるわ」
P『あの宙域にいた残りの2機か!』
みく『なんでこんな時にノコノコやってくるの!!』
泉「相手の都合なんて知らないわよ。こちらとしては、隙を見て靴のデータを狙われると困るし、ニューウェーブは再度降下準備に入るわ」
P『このタイミングで降下だと、予定ポイントと大幅にズレるんじゃないか?』
泉「そうね……今も移動しているし、緊急時の受け入れポイント……この状態じゃEUの何処かに緊急通信を送るしかないかも。EUならこっちの加盟国もあるから、まだマシだけど……」カタカタカタッ!
P『捕捉されるよりはマシ、か……それじゃあ準備を進めてくれ』
泉「ええ、急がせるわ」
……
…………
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/05/11(土) 14:49:59.07 ID:C24/VbVx0
――戦闘宙域
P「よし、連邦の部隊も来ているし、こっちは無理はしないで降下準備を待とう」
ドシュゥンッ!
みく『わわっ!? って、のんびり待たせてくれそうにないし……このっ!』
ズドォンッ!!
みく『にゃっ!?』
P「なんだ!? 今の火線……あれは!」
ピピッ!
輝子『内臓ビームランチャー冷却……これ、燃費悪すぎだろ……』
有香『宙域の連邦、共和国双方の防衛部隊、こちらはコロニー連合部隊です。低軌道上でのテロリスト部隊への対応ですが、自衛の為コロニー連合も加勢します』
P「あいつら……盗んだ機体でよく平気で周辺通信してきたな」
泉『盗まれた機体は共和国でも極秘開発されていた物だし、共和国の防衛部隊も素性は分からないから新型機か何かとしか思わないでしょうね。悔しいけど……』
みく『図々しすぎない?』
アーニャ『そこのラプター』ギュンッ!
パシュンッ!
みく『ん?』
P『ケーブルの接触通信? なんだ』
ピピッ!
みく『片側から映像通信? あっ!』
アーニャ『……』
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