【安価】NEX-USの世界でアイドルたちが戦うようです

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116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 22:05:52.60 ID:+OXOokn+0
――バーチ(港)

泉「さて……と、搬入リストも……後は食糧分の残りだけね。だいぶ片付いたけど……」

P「そうだなぁ。整備班の積み込み作業も終わったから、整備長もメンテに戻ったし」

泉「ひと段落したら私たちも休憩しましょう。貴方もずっと外に出たままだし」

P「いや、俺は……」

P「……悪い。みくちゃんの様子を見に行っていいか? 今後のこともあるし、少し気になるというか」

泉「そう……貴方たち2人は巻き込んでしまったものね。2人でしか話せないこともあると思うし、行ってきていいわよ」

泉「残りの作業もそれほど多くないし、後は私のほうで済ませておくから」

P「悪い。ありがとう」


泉「そういえば、彼のIDデータに登録されていた職種、みくと同じ……まさか、ね」

……
…………

117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 22:06:54.96 ID:+OXOokn+0
>>116訂正

>>115
1.みくが気になる


――バーチ(港)

泉「さて……と、搬入リストも……後は食糧分の残りだけね。だいぶ片付いたけど……」

P「そうだなぁ。整備班の積み込み作業も終わったから、整備長もメンテに戻ったし」

泉「ひと段落したら私たちも休憩しましょう。貴方もずっと外に出たままだし」

P「いや、俺は……」

P「……悪い。みくちゃんの様子を見に行っていいか? 今後のこともあるし、少し気になるというか」

泉「そう……貴方たち2人は巻き込んでしまったものね。2人でしか話せないこともあると思うし、行ってきていいわよ」

泉「残りの作業もそれほど多くないし、後は私のほうで済ませておくから」

P「悪い。ありがとう」


泉「そういえば、彼のIDデータに登録されていた職種、みくと同じ……まさか、ね」

……
…………

118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 22:07:28.30 ID:+OXOokn+0
――バーチ(市街区)

P「……町に来たが、みくちゃんが好んで行きそうな場所なんて、分からんな」

P「最近の流行り、か……抑えていないわけじゃないが、個人の好みとなるとな……」

P「NEX-USに接続してネットワークで遊んでいるか、単純に町で遊んでいるか、どうだろうか」

P「……NEX-USなら艦で端末を接続すれば入れるだろうが、落ち着かないかもしれないしな」

ピッ、ピッ!

P「近場にあるプレイルームの場所でも調べて、当たってみるか」

……
…………

119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 22:08:31.80 ID:+OXOokn+0
――バーチ、市街区、プレイルーム

「ご利用1時間後から15分経過でクレジットが消費されます。清算結果は退出時に端末に転送されます」

P「ありがとうございます」

「入室したルーム、またはご使用になりますスペースにつきましては利用表示のアイコンを点灯願います。それでは、ごゆっくりお楽しみください」


P(さてと、プライベートルームに入られていたら分からないが、フリースペースにでもいてくれれば……)

P「……おっ」


みく「……」


P(運が良いな。仕切りスペースの端っこにいたのか。端末に接続しているから、NEX-USに入っているんだろうが……)

P(スペースの使用時間は……3時間か。結構潜ってるけど……俺もフリースペースで待つか)

P(事務所にも入っておきたいし、皆の様子も確認しておくか)

『認証が完了しました。NEX-USに接続します』


P「……」

……
…………

120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 22:09:36.71 ID:+OXOokn+0
――NEX-US(事務所ルーム)

P「さてと……メールはどれくらい溜まってるのか……うわっ、この量はちょっとな……」

P「仕事の依頼は……結構来てるな。フェアリーやツインテは休暇申請出していたが……誰か接続してるだろうか」

ピピッ!

P「えっと、アイドル名簿……お、キャットとフェアリー、ツインテとキノコは接続しているのか。セカンドは……いないか」

P「来ている依頼は単独の仕事ばかり、か。ソロなら、誰かに声掛けてみるか。I@LPからアイドルの指定もないし……」


※安価選択(会話をするアイドルを選択してください)
1.チャーミングキャット(みく)
2.スノーフェアリー(アナスタシア)
3.キューティーツインテール(有香)
4.ナイトメア・キノコ(輝子)
↓1

121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/06(月) 22:15:39.41 ID:o1VrtkrpO

122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 22:29:53.28 ID:+OXOokn+0
>>121
2.スノーフェアリー(アナスタシア)


――NEX-US(事務所ルーム)

P「お疲れさん。フェアリー、休暇はどうだ?」

雪妖精「ダー、ゆっくりお休みしています。今は……お出かけしていたところで、少し接続していたんですが」

P「そうか、丁度良かったというか、休暇中なのは分かっているんだが……」

雪妖精「お仕事の話、デスね?」

P「そうなんだ。悪いな、こんなときで」

雪妖精「いえ、しばらくはI@LPから直接お仕事の依頼もありませんでしたし、嬉しいです」

雪妖精「新しいお仕事、キャットたちとは、お仕事しないんですか? それとも、他のアイドルですか?」

P「特に指定もないしソロの仕事だ。フェアリー用に良さそうな……これなんだが」

雪妖精「『ヨーロッパグルメスポットガイド』『ネットワークサバイバルシューティングキャンペーンガール』……あの」

P「どうした?」

雪妖精「よく、思うんですけど……NEX-USで食べ物のお仕事をするのって……」

P「まあ……生アイドルじゃないから、ほとんど台本なんだけどな」

123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 22:40:18.71 ID:+OXOokn+0
雪妖精「キャットたちとのお仕事は、ないんですね……」

P「1人だと不安か? EUエリアのネットワークに何日かアバター置いたままになるだろうから、俺も付き添いで一緒にエリア行くけど」

雪妖精「プロデューサーと、2人……ですか?」

P「んまあ、事務所ルームには戻れるけど、貸し出してもらえる休憩スポットも1つしかないが……」

雪妖精「プロデューサーと一緒なら、大丈夫です」

雪妖精「プロデューサーはいつも、キャットばっかり構っていますから、たまには、フェアリーも構ってほしい、です」

P「キャットは他のみんなと違ってやかましさと慌ただしさがな……いや、別にキャットばかり構ってるわけじゃないんだが」

雪妖精「フフフ、ジョークです」

P「俺としては手が掛からないフェアリーやツインテのほうが一緒に仕事するときは助かるんだけど……」

雪妖精「そんなことを言うと、キャットが怒りますよ?」

P「ははは、確かに、悪かった。まあ、雪妖精と一緒に仕事っていうのも久しぶりだし、ゆっくり準備しようか」

雪妖精「はい♪」

P「それなら承認連絡出しておくとして。スケジュールは決まったら連絡するから、休暇が終わったら接続履歴だけ残しておいてくれな」


……
…………
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 22:41:27.12 ID:+OXOokn+0
※アイドルのステータスが更新されました

キャラ名:アナスタシア
操縦技術:52
親愛度 :45→50
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 22:43:06.25 ID:+OXOokn+0
――NEX-US、マイルーム『チャーミングキャット』

タンッ、タタンッ! タンッ、タンッ!

キャット「……で」

加蓮「ん?」

キャット「何見てるにゃ」

加蓮「楽しそうだなーって。アイドルなんでしょ?」

キャット「生アイドルじゃなくてネットアイドルにゃ。管理者ならデータ見れるんでしょ? ていうか、突然やってきていつまでキャットのところにいるにゃ」

加蓮「奈緒とレイナがねー、教えてくれたんだ。きっとアイドルが選ばれるんだって。ホントにアイドルが接続するんだって、ビックリしたけど」

キャット「一体何の話にゃ……AIもビックリするんだ」

加蓮「誰が私のところに接続するとか、NEX-USが教えてくれるわけじゃないし」

キャット「それって、あの戦闘機に乗るってこと?」

加蓮「そうそう、あ、そういえばあの機能どうだった?」

キャット「あの機能?」

加蓮「あれ、送った戦闘記録、頭の中にフィードバックされてなかった?」

キャット「……あれってやっぱり、アンタが送った来たのかにゃ」

加蓮「アンタって……もー、加蓮、でいいよ。せっかく名前つけてもらったんだから」

キャット「……加蓮、チャンが変なの頭の中に見せてきたせいで、途中から自分の体じゃなくなった気がしたにゃ」

加蓮「そういう機能もあるしねー。フレームの機能も、私のところに繋げなきゃ動かないし」

タンッ、タタンッ! タンッ、タンッ!

キャット「なんでNEX-USにそんな機能があるにゃ? ていうか何でNEX-USにそんな物騒なものが……」

加蓮「それが本当の役割だから」

キャット「役割?」
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 22:48:41.49 ID:+OXOokn+0
加蓮「NEX-USって世界中に広がってるでしょ?」

キャット「それくらい知ってるにゃ。NEX-USの共用ネットワークを利用している会社やシステムだってたくさんあるし、世界中にあるのなんて……あ」

加蓮「そう。情報収集のツールとしてNEX-USを利用している軍の一部施設や、組織……色んなところから情報が入ってくる」

加蓮「その情報を、上手く使って、促して、その先に行くのがNEX-USの役割」

キャット「……ふーん。にゃっ、にゃにゃっ、にゃっ、にゃ〜」

タンッ、タタンッ! タンッ、タンッ!

加蓮「ね、さっきからフラフラ動いてるそれ、アイドルの何かなの?」

キャット「イベントでパフォーマンスするときのステップにゃ。最近教えてもらった新しい内容だから、練習して覚えてるの」

加蓮「へー。でも、それならインプットしておいて自動モーションにしておけばいいのに。奈緒も同じようなことやってたけど」

キャット「それじゃ別にアイドルじゃなくてもいいし……自分で頑張るから、意味があるの」

加蓮「へえ……それじゃ――」

ピピピッ!

加蓮「あ、お呼び出しだ。それじゃあキャット、また遊ぼうね」

キャット「いやこっちは自主トレしてただけなんだけど……」

加蓮「そうそう、戦闘の時はいつでもNEX-US起動していいからね。ロック外しておいたから。それじゃ」

パシュンッ!

キャット「……行っちゃった。はぁ」

キャット「もう5時間以上潜ってたし……今日はもう終わろ」

……
…………

127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 22:57:15.39 ID:+OXOokn+0
――バーチ、市街区(プレイルーム前)

P「……もう夕方の時間か。後ちょっとで日も落ちきるが」

パシュンッ!

みく「んーっ!」

P(ん、ようやく出てきたか)

みく「ふぁ〜……にゃっ、にゃにゃっ、にゃっ、にゃ〜」

タンッ、タタンッ! タンッ、タンッ!

P(あれは……)



P『ここで、軸足を変えて……こう』

キャット『……もう1回』

P『こうきて……ここで、こうして、こう』

キャット『にゃああああああっ!! ややこしいステップにゃ! フェアリーチャンたちのステップより難しいんだけど!』

P『猫っぽいのがいいって言ったのお前だろ……こっちだって資料集めて色々考えたんだから』

ツインテ『はははっ、頑張ってください、キャットちゃん』

雪妖精『ファイト、デス』

キノコ『こっちは、簡単なので……よかった』

キャット『ぐぐぐ……迂闊なこと言うもんじゃないにゃ……やってやるにゃ!!』



P(俺が、キャットに教えたステップ……どうして……まさか……)

みく「ってうわぁっ!? お、お兄さん!?」

P「……え? わっ!?」

みく「ビックリしたぁ……どうしてこんなトコにいるの?」

P「あ……いや、みくちゃんが中々戻ってこないから、どうしたものかと思って」

みく「あー……もう夕方だもんね。ごめんなさい」

P「いや、ナシヤマ出てからずっと艦の中にいたきりだったし、気分転換に外に出たってのは泉から聞いていたから」

みく「NEX-USで遊んでたんだけどね、あの艦の中で接続しても居心地よくなさそうだったし……」

P「……それじゃ、戻るのはもうちょっと遅くしようか。晩御飯、どこかで食べようか?」

みく「え? でも泉チャン心配するだろうし……」

P「俺も外に出る用事があったから夜に戻るって話してたから大丈夫だよ。それに、外で飯食べるほうが美味いしな」

……
…………

128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 22:58:11.04 ID:+OXOokn+0
――バーチ、市街区(ファミレス)

みく「お兄さんのおっごり、おっごり♪」

P「いや……まあ、いいけどよ」

みく「んふふ〜、何食べようかな〜♪」

ピッ、ピッ!


P(……みくちゃんが、キャットなんてこと、あるんだろうか)

みく「艦に戻ったらデザートも食べられないし、食い溜めしちゃおっかなー?」

ピッ、ピッ!

P(もし、そうなら……いや、違う。みくちゃんがキャットかどうかなんて)


「お待たせしました。牛サーロインステーキプレートです。こちら、ソーセージグリルとポテトのセットになります」

みく「いっただきまーす!」


P(こんな、女の子を……この前のように、戦闘機に乗せて戦闘をさせるわけにはいかない。動かせるから、戦えるからといって……俺が、俺が……)

みく「ん、お兄さん何も注文しないの?」

P「ああいや、みくちゃんが注文しまくるもんだから……それじゃあ俺は、鯖定食にでもするかな」


……
…………

129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 22:59:53.86 ID:+OXOokn+0
――夜、ニューウェーブ(みくの部屋)

みく「……」

『今月の月間ランキング、ピックアップされたユニットは……チャーミングキャット、スノーフェアリー、キューティーツインテール、ナイトメア・キノコ、セカンドブルーのユニットですね』

『長いですね。確か、ユニットとしての活動ではないんですよね?』

『I@LP上の登録ではそうみたいですね。ユーザーアンケートで5人1組での結果が多いのでこの形でご紹介していますけど』

『確か、この前のモービルレースの大会で実況チャンネル権を獲得していましたよね。その効果か、今月は129位、先月から500位以上も上がっていますね』

『2000位以内で一人前と言われるNEX-USのネットワークアイドルとしては、この順位帯でそこまで一気に順位を上げたのは凄いですね。実況でも――』

ピッ!

みく「……」

『東アフリカで発生している内戦の続報です。ただいま表示している地域において、地球連邦政府から被害レベルの――』

ピッ!

みく「……」


みく「……何やってんだろ、みく」


……
…………

130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 23:06:24.35 ID:+OXOokn+0
――2週間後、火星圏宙域コロニー『ギチトー』(管理センター)

泉「ええ、機材搬送の依頼を受けてオート・クレールの本社に……はい、許可は貰っています」

「艦のライセンスを確認させて頂きます。こちらから端末を接続願います」


みく「泉チャン、まだかなー」

P「ギチトーを抜けたら次は月軌道か……ムーンを越えて共和国の防衛圏内を通過したら、もう降下か」

みく「……」

P「ん、どうした? 外に何かあるのか?」

みく「ううん、みく、地球には行ったことなかったから」

P「そうだったのか。降下手続きは面倒だからなぁ。一般の定期便で降りるにしても時間掛かるし」

みく「お兄さん、地球に行ったことあるの?」

P「まあ……俺は地球出身だから。こんなタイミングじゃなかったら、遊びに行く気分だったんだけどな」

みく「どうして宇宙に上がったの?」

P「ん、まあ……色々。俺は日本出身で、平和と言えば平和だったけど……すぐ隣の大陸だと紛争もあったし」

P「エネルギー資源の採取のメインが宇宙に移って、貧乏になる国もあって、安全じゃなくなって……っていうのが地球の実情で」

P「日本は平和だけど、オート・クレールの本社もあるし、いつテロリストとかの標的になるか分からなかったからな。危なくなる前に、宇宙に上がったって感じだ」

みく「まー確かに、共和国がムーン・サードとフィフスを管理コロニーにするって決まりになった時からは、他所のコロニーとのインフラも戻ったし」

P「結局、連合支持国家も地上に残ったし、俺が生まれる前に言われていた地球離れってのも起きなかったからな」

P「戦争だって、コロニー1つ壊してからは、無くなったと思ったんだけどな……」

みく「……どうなるんだろうね。今回の、ナシヤマの……戦争、ってことなのかな」

P「連邦も連合も、テロリストがって言い逃れしてるからなぁ。ラパス条約違反だって話もNEX-USで見かけたけど、連邦は地球でもそっちの対応しているのは事実で、連合のほうだって過去にコロニー建造の時に起きた事件もあったし」

P「ファクトリーに戦闘機があったって事実は、ニュースで公表されてなかったけど」

131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 23:15:15.70 ID:+OXOokn+0

『次のニュースです。先日、月軌道上の地球連邦の管理コロニー、ムーン・ファースト内起きた爆発事件です。櫻井グループ関連12の企業施設で同時に起きたこの事件、地球連邦政府からの公開映像でテロリストによる犯行だとして――』


みく「げっ、モニターでやってる今のニュース……」

P「ファーストで起きてた事件か……艦に乗っているときもニュースで見たけど、嫌なタイミングだな」

みく「みくたちが降下するときに何もなきゃいいけど……まあ、みくたちは共和国だからサード経由で低軌道に向かうけど」


泉「お待たせ、遅くなってごめんなさい」タタタタッ!

みく「あ、泉チャン。手続き終わったの?」

泉「ええ、用意していた発注書の確認で時間取られたわ。オート・クレールの本社経由で確認してもらわないとダメだったし、センターの人にも悪いことしたわね」

P「軍に直接搬送してもらうのが出来ないって、ホント面倒だな」

泉「物が物だし、仕方がないわよ。今回の補給はそんなに時間が掛からないし、寄り道しないでニューウェーブに戻りましょうか」

P「そうだ、さっきニュースで流れたけど、ファーストでテロリストが出たって発表があったぞ」

泉「あら……もしかして昨日ニュースで流れてた爆発の……どうしましょうか。月軌道での話なら、テロリストが逃げる場所といえば地球か、別のコロニーってことになるけど……」

P「地球に逃げるなら、低軌道まで移動した後は降下するだけだからな。ちょっと危ないかと思ったんだが」

泉「うーん……とはいえ、ファーストの話、だけど……定期便も使わないし、私たちにはあまり影響なさそうだし……できれば用心したいけど、ファクトリーを襲った部隊が追跡してくるって可能性だってあるから、難しいわね」

みく「ねー泉チャン。なんで地球に降下するのに火星圏で先に降下手続き済ませてるの?」

泉「え? ああ、インフラ整備の為よ。ムーン・サードに到着したら二次手続きがあるけど、ここで手続きしているからそっちはあまり時間掛からないわ」

P「逆に地球から来て火星圏の外に出るときも、ムーンと火星圏のコロニーで手続き済ませないとダメだからな」

みく「はー、地球に降りるのも面倒くさいにゃ……」

泉「まあ、こればかりはね。遅くなったし、早くニューウェーブに戻りましょう」

……
…………

132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 23:21:40.16 ID:+OXOokn+0
――土星圏宙域、ホクドウ(港)

ちひろ「艦の出航準備は?」

「間もなく完了します。ですが、本当によろしいのですか?」

ちひろ「オペレーションFについては合流タイミングを合わせれば良いだけです。βの対応が最優先になりますし、上からの許可も出ています。奪取した機体のデータは?」

「ナシヤマで発見した新型機のデータについては解析を進めています。メインフレーム自体の構造がこれまでの物とは異なっていますね」

ちひろ「恐らく、解析が終わったとしても、NEX-USに潜り込めなければ奪取した機体はこちらではどうにもできないでしょう。フレームの技術を転用するしかないですね」

「開発局には現在開発中の新型に転用できないかと打診していますが、何分進捗も芳しくなく……」

ちひろ「急がせてください。宇宙に戻った時には、一通りの作業が完了していることを期待しています」

「わかりました」

……
…………

133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 23:28:46.45 ID:+OXOokn+0
――ホクドウ(港)

ピピピッ!

ちひろ「はい」

有香『千川少佐、βの件です。先日報告した通り、こちらも輸送艦を追って月軌道を越えました。念のため、地球への降下手続きは完了済みです』

ちひろ「そうですか、わかりました。私は……」

ちひろ「……プロジェクトFの対応で土星圏からは離れることが出来ませんが、作戦の準備が整い次第、アラスカに向かうことになっていますので」

有香『了解です。こちらも任務を続行します。靴のデータ、必ず持ち帰ってみせます』

ちひろ「極秘任務です。期待していますよ」

ピッ!

ちひろ「……」

ちひろ「さて、残りの障害は……後手に回る前に排除しておきたいが……」

……
…………

134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 23:33:30.69 ID:+OXOokn+0
――地球圏宙域、低軌道上、ニューウェーブ(ブリッジ)

泉「さて、と……ムーン・サードから来てくれた護衛艦も、ここら辺で離脱かしら」

みく「ファーストのテロ対応もあって他のムーンコロニーの対応も厳しかったぁ……」

泉「仕方がないわよ。それおあってサードからの護衛艦もここまで来てくれたし、今回は有り難かったわ」

みく「ふわぁ……でも、降下までまだまだだよね? みく、ちょっと休んでくる……」

泉「降下準備、低軌道ステーションで艦のチェックが入ってからになるから、もうしばらく掛かるわ。休んでていいわよ」

みく「うーん……はぁ、それじゃ休んでこよー……」

パシュンッ!

……
…………

135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 23:36:39.64 ID:+OXOokn+0
結構長く続けたので今日はこれで終了します。
いまやっている部分は次回後半部分投下して終わりになります。
明日以降は平日なので再開間隔が少し空くと思います。週の後半くらいとか。

長時間お付き合い頂きありがとうございました。
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/10(金) 02:29:20.93 ID:/Noz+s8w0
5/10(金)の22時頃か、5/11(土)の13時頃から再開します
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 13:05:17.40 ID:C24/VbVx0
――ニューウェーブ(ブリッジ)

泉「……ところで、貴方」

P「ん?」

泉「いえ、シミュレーターの結果、見させてもらったけれど……貴方、本職じゃないわよね?」

P「俺のIDすっぱ抜いたんだろ? 本職はNEX-USのI@LPだぞ」

泉「ネットアイドル管理業務に従事してる人が、ラプターのシミュレーターで出せる戦闘スコアじゃないと思うのだけど」

P「……まあ、何というか、俺も驚きはしたが。モービルなら動かしたことはあるけど、学生のころよりも調子がいいんじゃないかって思った」

泉「まあ、地球に降りるときは共和国の降下ポイントになるし、日本にはすぐに着く予定だから、もしもの為ってレベルだけど……戦闘にならないことを祈るわ」

P「そうだな……」

泉「貴方も疲れているでしょう? ブリッジ作業も見てもらっちゃっているし、少し休んでていいわよ」

P「泉も休まなくていいのか?」

泉「私は対応があるもの。みくも休んでいるし、貴方も休んで」

P「……それじゃあ、悪いけど休ませてもらうよ。何か手伝えることがあったら言ってくれ」

泉「巻き込ませたのはこっちだもの。非常時にはラプターに乗ってもらうっていうだけで申し訳ないくらいよ」

P「いいんだよ。俺だって変なゴタゴタに巻き込まれて死にたくないし。それじゃ、後で」

……
…………

138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 13:14:57.24 ID:C24/VbVx0
――地球圏宙域、低軌道上、ケーレス(ブリッジ)

「中尉、対象の輸送艦ですが、共和国の低軌道ステーションに入りました」

有香「ギリギリまで待ちましょう。共和国の防衛部隊に気付かれる前に対応したいので、相手の降下直前に奇襲を掛けます」

有香「武装は外付けしているようですが、所詮は輸送艦です。武装を潰して艦の足を止めた後に、編成した突入部隊でブリッジを掌握します」

「了解です。各班には準備を進めさせます」

有香「対象も低軌道ステーションに入ったばかりでしばらくは動かないでしょう。予定時間になったら各班で待機を。私も少し席を外します」


有香(今度は……今度こそ……!)


……
…………

139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 13:17:55.15 ID:C24/VbVx0
――NEX-US(事務所ルーム)

P「もう少しで地球か……オート・クレールは横浜にあるし、日本に帰るのは久々だな……」

P「……本当に、こんなときじゃなかったら、よかったんだが」

ピピッ!

P「えっと、アイドル名簿……今日は全員接続しているのか」

P「地球に降りた後も、まだしばらくは面倒な事は残っているだろうし……誰かには顔を合わせておくかな」


※安価選択(会話をするアイドルを選択してください)
1.チャーミングキャット(みく)
2.スノーフェアリー(アナスタシア)
3.キューティーツインテール(有香)
4.ナイトメア・キノコ(輝子)
5.セカンドブルー(??)
↓1
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/11(土) 13:19:24.23 ID:FHXW6ecR0
3
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 13:31:23.05 ID:C24/VbVx0
>>140
3.キューティーツインテール(有香)


ピピピッ!

P「ん、ツインテから通話か」ピッ!

ツインテ『プロデューサー、お疲れ様です!』

P「おお、どうした? しばらくはI@LPからもスケジュールが入ってなかったと思うが」

ツインテ『いえ、最近はNEX-USに繋げても、プロデューサーと同じタイミングで接続していなかったので、お変わりないですか?』

P「ちょっと生のほうで忙しくてな。時間が空いた時にはなるべく接続してるんだけど、仕事のメールも結構溜まってるもんだから……」

ツインテ『そうだったんですか、I@LPの管理業務は大変そうですね……あたしたち以外のアイドルのお仕事もあるでしょうし』

P「まあ斡旋や調整がメインなところもあるし、実働してるツインテたちとそう変わらないよ」

P「そういえば、ツインテも最近はあまり接続している感じじゃないよな。生で何かあったのか?」

ツインテ『いえ、特に変わりはありません! いつも通り大変といえば大変ですが……』

P「ははは、いつも大変ならそれはそれで困るだろうに」

ツインテ『生でもやらなければならない大事なことはありますから。でも、アイドルだってもちろん同じくらい大切です。あ、少し事務所ルームにお邪魔してもいいですか? もう少しで接続切ってしまうので』

P「別に構わんよ。こっちも少し仕事したらまた切断するし」

ツインテ『わかりました。それでは……』

……
…………
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 13:43:11.59 ID:C24/VbVx0
――NEX-US(事務所ルーム)

ツインテ「ええと、I@LPから出している募集表は……」

P「仕事、何かしたいのか? I@LPからの個別依頼も来ていると思うが」

ツインテ「いえ、しばらくは接続する時間が制限されそうなので、時間に合った仕事が無いかと思って」

P「スケジュールが決まっているなら、こっちで回してやろうか?」

ツインテ「あ、その……それも、難しくて……どうしても通知自体、見れないタイミングも多くなりそうで……」

P「……」


ツインテ『いえ、最近はNEX-USに繋げても、プロデューサーと同じタイミングで接続していなかったので、お変わりないですか?』


P「ツインテ、もしかして地球から接続しているのか?」

ツインテ「えっ!? ど、どうしてですか?」

P「ほら、生の話だけど、最近は木星圏宙域のコロニーで起きた事件の後、特に地球の紛争が以前より活発になったって報道もあったし」

ツインテ「……」

P「もし危険な地域に住んでいるなら、一時的にでも安全な場所に引っ越すとか、I@LPもしばらくは休止手続きをするとかしたほうがいいと思ったんだが」

ツインテ「……いえ、そういったことは、ないから大丈夫です」

ツインテ「まあ、その……あたしも、騒がしいところには、いるんですけど」

P「そうか……なら、いいんだが」

ツインテ「プロデューサーこそ、生のほうも忙しくてNEX-USに接続する機会が減っているなら、管理業務も大変になっているんじゃないですか?」

P「まーどっちもどっちって感じだな。生のほうも忙しくなるとは思わなかったけど」
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 13:50:49.52 ID:C24/VbVx0
P「まあでも、ツインテがそういう危ないところにいないなら、よかったよ」

P「生の話は出来ないけど、こういう時期だしみんなの安全を気にすることはあるから、ツインテにも無事でいて欲しいし」

P「こういう時期だから、エンタメ担当のアイドルや、裏方の俺たちみたいなのが頑張らないとって思うからなぁ」

ツインテ「……」

P「ん、どうした?」

ツインテ「……いえ、そうですよね。生で起きている戦争とか、確かに不安に覚える人たちや、危ない目に遭っている人たちもいると思います」

ツインテ「だから、だからせめて、NEX-USの中だけでも、あたしたちアイドルが明るく楽しくやらないとダメですよね」

P「うん、そうだな。そういうときこその俺たちって部分もある。時間が取りにくい時期なら難しいかもしれんが、仕事もしっかりやっていこうか」

ツインテ「はい! それじゃあ、接続切る前に募集表から多めに仕事のピン止めしておきましょうか!」


P(……そうだな、こういうときだからこそ、だな)

P(ツインテだけじゃなくて、俺自身に何かあったら、みんなが困ることになるんだ。だからこそ……)

……
…………
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 13:51:55.41 ID:C24/VbVx0
※アイドルのステータスが更新されました

キャラ名:中野有香
操縦技術:71
親愛度 :8→13
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 13:53:42.89 ID:C24/VbVx0
――地球圏宙域、低軌道上、オグマ(食堂)

アーニャ(もうそろそろで降下……結局、任務は中断……あの輸送艦も降下ポイントまで来ているのに、アーニャたちはロシア領に……)

ビーッ! ビーッ! ビーッ!

アーニャ「警報!?」

ピピピッ!

艦長『アナスタシア、いるか』

アーニャ「艦長、何が……」

艦長『連邦防衛圏内スレスレだが、降下ポイントの予定圏外で、こちらより先に降下準備をしていた輸送艦から爆発があった。宙域映像だ』

ピピッ!

アーニャ「これは……サーフス!? 連邦の旧世代機が……もしかして……!」

艦長『ああ、この灰色のカラーは中央アジアとロシア領で発生している内紛で確認された機体と一致する。宙域のテロ部隊であることは間違いない』

艦長『同時刻に降下予定の民間船も付近にいるらしく、攻撃を受けたとの報告も来ている。戦闘区域が共和国の防衛圏に差し掛かってきているのもあって詳細な状況が分からん』

艦長『共和国の低軌道ステーション側からも通告が来ている。テロ部隊の対処の為、オグマは先行して緊急対応を取る。出られるな?』

アーニャ「はい!」

……
…………

146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 13:55:13.96 ID:C24/VbVx0
――地球圏宙域、低軌道上、オグマ(食堂)

アーニャ(もうそろそろで降下……結局、任務は中断……あの輸送艦も降下ポイントまで来ているのに、アーニャたちはロシア領に……)

ビーッ! ビーッ! ビーッ!

アーニャ「警報!?」

ピピピッ!

艦長『アナスタシア、いるか』

アーニャ「艦長、何が……」

艦長『連邦防衛圏内スレスレだが、降下ポイントの予定圏外で、こちらより先に降下準備をしていた輸送艦から爆発があった。宙域映像だ』

ピピッ!

アーニャ「これは……サーフス!? 連邦の旧世代機が……もしかして……!」

艦長『ああ、この灰色のカラーは中央アジアとロシア領で発生している内紛で確認された機体と一致する。宙域のテロ部隊であることは間違いない』

艦長『同時刻に降下予定の民間船も付近にいるらしく、攻撃を受けたとの報告も来ている。戦闘区域が共和国の防衛圏に差し掛かってきているのもあって詳細な状況が分からん』

艦長『共和国の低軌道ステーション側からも通告が来ている。テロ部隊の対処の為、オグマは先行して緊急対応を取る。出られるな?』

アーニャ「はい!」

……
…………

147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 13:58:03.84 ID:C24/VbVx0
――低軌道上、ニューウェーブ(ブリッジ)

ビーッ! ビーッ!

泉「ちょっと……! もうっ、本当にタイミング悪いんだから……!」

P「低軌道ステーションから通信が入った。連邦側のステーションから出ていた民間船と輸送艦を襲っているサーフスの部隊が共和国の防衛圏内に入ったみたいだ!」

泉「テロリストなんて警告はお構いなしなんだから……ってちょっと、こっちも捕捉されてるわ」カタカタカタッ!

「降下オペレーション、解除します! 艦下部に展開していたシールドを解除します」

泉「シールドは左舷に展開させて。テロ部隊のサーフスがこちらに向かってくるわ。迎撃用の対空ミサイルを発射管に装填、艦速度2で距離を取りましょう」

P「このっ……泉、俺がラプターで出る!」

泉「え、ちょっと! 降下ポイントなのよ! 高度も下げている状態で危ないわ!」

P「防衛部隊のOMDAが来るまで好き放題されるわけにはいかないだろう! あと、みくちゃんには言うなよ!」

泉「そんなこと……」

P「無理やり降りる場合は教えてくれ! 置き去りになる気はないからな!」

パシュンッ!

……
…………

148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 14:08:43.43 ID:C24/VbVx0
――NEX-US(秘匿領域)

キャット「……」

加蓮「どしたの? マイルームに行かないでここでボケっとして」

キャット「……ねえ」

加蓮「なに?」

キャット「NEX-USって、戦争とか、戦う為のシステムなの?」

加蓮「宣伝知らないの? 『最新のニュース、イベント、世界の流行から今夜の晩ご飯まで、全世界にエンターテイメントを提供する全く新しい形の情報サービス!』ってやつ」

キャット「そんなの知ってるにゃ! そう、じゃなくて……」

キャット「……この間、加蓮チャンが教えてくれたでしょ? NEX-USは色んな情報を集めて、それを使うって」

加蓮「ま、大体そんなものだけど」

キャット「あれから、ちょっと考えたんだ。キャットね、NEX-USの中でアイドルやってて、Pチャンもいて、フェアリーや他のアイドルのみんなとお仕事する機会もあって、すごく楽しくて」

キャット「ああ、キャットはここにいるとアイドルなんだ。楽しい、夢のような場所なんだって思って」

キャット「だけど、ファクトリーであんなことがあって、戦闘機の中でNEX-USに接続して、戦闘の話とかも色々聞いて、NEX-USも生……現実と同じなんじゃないかって思った」

キャット「キャットも、よく分からないまま戦闘機を動かして、宇宙で戦って、だけど、キャットはアイドルなのに……」

キャット「アイドルがそんなことしちゃダメなのに、でも、お兄さんは、キャットを守る為にあの時……だから、思わずそうしちゃって……」

キャット「それ出来たのは、お兄さんの為だったのか、自分の為だったのか、どうしてなんだろう。戦争とか、現実の世界の話だから、キャットは関係ないって思ってたのに、楽しいはずのNEX-USが――」

加蓮「それってさ、何か悩むことなの?」

キャット「……よくわかんないにゃ。だから、悩んでるんだし」

加蓮「確かに、NEX-USのシステムは戦争の道具として使われているのは間違ってないよ。だけど、世界中のみんなが知ってるNEX-USだって本当」

加蓮「私のAIを造った人は、私にどうしてほしいのかは言わなかった。だけどね、奈緒が私に言ってくれたんだ」

キャット「誰の話にゃ……」
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 14:11:46.53 ID:C24/VbVx0

加蓮「『自分がここに来た理由は分からない。でも、自分が選んだ結果ここに来た。だから、自分がここで何かをしなきゃならないことだけは分かる』って」

加蓮「人間の感情次第なら何とも言えないし、今のキャットに当てはまるかは分からないけど……選択したのが自分自身なら、それを受け入れないと自分自身になれないんじゃない?」

キャット「……」

加蓮「NEX-USがどうかとか、ここにいるキャットや、現実のキャットがどうのって話じゃなくて、自分のやったことは、自分で選んだんでしょ? だったら、それを受け入れないと」

加蓮「自分を否定するから、何でも嘘に思えるんじゃないかな。他の色んな物が嘘だったとしても、自分自身は本当でいないと。だから、そのお兄さんって人がキャットを守ったのが自分で選んだことだから、キャットもそれに応えようとしたんじゃないかな?」

キャット「……キャット、が」

ピピッ!

加蓮「NEX-USで採取した最新情報? システムコール……へー、地球圏宙域の低軌道上で戦闘だって」

キャット「……え? 低軌道上?」

加蓮「うん、連邦と共和国の防衛圏の境界で起きてるんだって。これ、キャットがいる場所でしょ? 大変だね。外出たほうがいいんじゃない?」

キャット「大変だね、じゃないにゃ! なんでもっと早く教えてくれなかったにゃ!!」

加蓮「だって今NEX-USに来た情報だし」

キャット「……こうしちゃいられないにゃ!」

加蓮「接続切る? 気を付けてね」

キャット「なんでそんな他人事みたいに言うにゃ! あーもー!!」

……
…………

150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 14:14:10.63 ID:C24/VbVx0
――ニューウェーブ(みくの部屋)

みく「泉チャン!!」

ピピピッ!

泉『あ、みく? もしかして寝てた? いま降下ポイントに来てるいるけど、ムーン・ファーストのほうで騒ぎになっていたテロリストが近くに来ているみたいだから、大人しくしてて』

みく「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ! 糸目……じゃなかった、ラプターあるでしょ! みく行くから!」

泉『え? ちょっ、あなたも!?』

みく「みくもって……もしかして」

泉『……彼が出ているわよ。みくには知らせないようにって言われていたけど』

みく「お兄さん……」



P『銃声……!? マズイ、みくちゃん急いで!』

みく『お兄さんは!?』

P『ちゃんと後ろにいる! 早く機体に登るんだ!』


パァンッ!

P『うぐっ……!?』

みく『お、お兄さん……みくを庇って……お兄さん、お兄さん!!』



みく「……もう!!」

泉『ちょっとみく――』

ピッ!

パシュンッ!

……
…………

151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 14:17:40.55 ID:C24/VbVx0
――ニューウェーブ(カタパルト)

整備長『宙域戦闘だけど低軌道上だ、下には気つけろよ! 足の速いストームの装備にしてるが、換装した脚部にワイルドで使うミサイルポットも付けてるからな! 弾幕張って、防衛部隊が来るまで無理すんじゃねえぞ!』

P「ありがとうございます。兵装リストは確認済みだ……動かせます!」カタカタカタッ!

整備長『よーし! 甲板の射出ポイントに運んだ! 行ってこい!』

P「TMS-312S、ラプターストームで行きます!」


……
…………

152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 14:20:49.27 ID:C24/VbVx0
――戦闘宙域

P「索敵……連邦の輸送艦……被弾しているのか! 民間船の盾になって……!」ピピッ!

P「機体状況問題無し……ファクトリーで乗ったラプターと機体性能や具合が違う。シミュレーターで動かした通りだけど、やっぱり実戦じゃ違和感があるか……」カタカタカタッ!

ピピッ!

P「防衛部隊のOMDAが来たのか……だけど、サーフスが1機こっちに……! くっ……」ギュンッ!



みく『ふぁ〜……にゃっ、にゃにゃっ、にゃっ、にゃ〜』

みく『お兄さんのおっごり、おっごり♪』

みく『いっただきまーす!』

みく『ん、お兄さん何も注文しないの?』



P「……! 後ろには、ニューウェーブがあるんだ、みくちゃんが……誰かなんて……!」ギュッ!

P「うおおおおおおっ!!」ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

ドガアアアアアアンッ!!

P「1機墜とせた……!!」

ピピピッ!

『そこのラプター! 連合の機体か!』

P「違います! 後方で降下準備に入っていた軍の民間協力船に積んでいた機体です。コードも発行されています!」

『遅くなったが防衛部隊も到着した。お前は――』ピーッ!!

P「ちょっと! お、墜とされたのか!? くそっ、他のOMDA部隊も押されている……テロ部隊の数……15機!? あっちが多すぎるのかよ!」

……
…………

153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 14:27:53.52 ID:C24/VbVx0
――戦闘宙域

艦長『グラース部隊、A装備の機体はC装備の機体の援護に回れ。共和国のOMDA部隊も勘定に入れたとしても、テロ部隊のほうが数が多い。OMDA部隊には弾を当てるなよ』

ピピッ!

アーニャ「宙域で1機、OMDA部隊に混ざって戦闘しているラプター……奥にあの輸送艦があるということは……あの民間人のラプター?」

艦長『アナスタシア、対象の輸送艦が奥に見えるが、こちらとしてはテロ部隊の対処が最優先だ。共和国に土足で踏み入っているんだ、対処を誤るなよ』

アーニャ「サーフスの数が多い……了解デス。クラウソラスで先行します」

ピピッ!

アーニャ「あの輸送艦からもう1機……識別コードが所属不明機扱いで反応? それなら、あっちの機体が……!」ガションッ!

……
…………

154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 14:35:11.83 ID:C24/VbVx0
――戦闘宙域

サーフス『……』ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

P「くそっ! ライフルに当たるかよ! 離れろ!!」ドガガガッ!!

ピピピッ!

みく『お兄さん!!』ギュオオオオオオッ!!

ドシュゥンッ!

サーフス『……!』ドガアアアアアンッ!!

P「いまのライフル……みくちゃん!? なんでここに来た!」

みく『なんでもないし! みくのこと何だと思ってるの!!』

P「何って……・」

みく『お兄さんに守ってほしいなんて頼んでないし、みくだって死にたくないモン!! 泉チャンが教えてくれたことはよく分かんないけど、こんなところからさっさと離れて、ちゃんとアイドルやりたいから!!』

P「っ!?」

みく『だから……だから、あのときみたいに、みくだって戦うから! みくが助かりたいからお兄さんを助けるし、だから……だから、みくのこと……守って!』

P「……無茶苦茶ばっかり言いやがって!」ガションッ!

ピピピピピッ!!

P「ミサイルで弾幕を張る! OMDAの部隊も後退している、もう少し下がれ!」ボシュシュシュシュッ!!

みく『うん!』

サーフス『……!』ギュオオオオオッ!!

ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

みく『お兄さん、1機抜けて来てる! 牽制するよ!』ドシュゥンッ!!
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 14:39:31.72 ID:C24/VbVx0

P「そこだ、ビームブレイドで……!」ギュンッ!!

シュパアアアアアンッ!!

サーフス『……』ドガアアアアアンッ!!

P「……・まったく」

P(みく……やっぱり、キャットなのか……? だけど、それなら……)

ピピピッ!

P「周辺通信……?」ピッ!

みく『発信元……あ、あの機体! ファクトリーでお兄さんを撃った兵士が乗った機体!』

アーニャ『共和国防衛部隊のOMDAと、ラプターの2機、コチラは連邦のグラース部隊デス。こちらの不手際で申し訳ありませんが、今から加勢します』

P「ニューウェーブでデータは見た。OMDX-01AS、クラウソラスか……連邦のグラース部隊か、この数でもまだこっちが数で足りていないのか」

みく『あの兵士なら……多分、信用していいんだよね』

P「……ああ、大丈夫だと思うが」

……
…………

156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 14:44:09.88 ID:C24/VbVx0
――戦闘宙域外、ケーレス(カタパルト)

有香「まったく、連邦は何を対処に遅れているのか……!」カタカタカタッ!

輝子『い、いきなり作戦中止は……それはそれで、困る……』

有香「仕方がありません、テロ部隊にあのファクトリーから出た輸送艦が落とされたらこちらとしても問題です。ケーレスをこれ以上接近させるわけにはいきませんが、状況もよろしくありません。援護するしかないでしょう」

ピピピッ!

『ハッチ開放。アラドヴァル、フラガラッハ、発進どうぞ』

有香「了解です。ケーレスは索敵外まで後退してください。帰艦タイミングについては別途こちらから通信を送ります。索敵に引っ掛からないように」

輝子『あの戦闘の中に飛び込むのか……ま、まあ……死なないように、頑張るか』

有香「まずは靴のデータを守ることが最優先です。OMDX-12ASアラドヴァル、出撃します!」

輝子『多分、弾足りるだろ……OMDX-21AEフラガラッハ、で、出るぞ……』


……
…………

157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 14:47:35.16 ID:C24/VbVx0
――戦闘宙域、ニューウェーブ(ブリッジ)

「戦闘宙域に反応! クラウソラス、アラドヴァル、フラガラッハの3機を確認しました!」

泉「クラウソラスは周辺通信があったから連邦としては今回はこちらに手を出してこないでしょうが、残りの2機は……」

カタカタカタッ!

泉「P、みく、聞こえる? アラドヴァルとフラガラッハが戦闘宙域にいるわ」

P『あの宙域にいた残りの2機か!』

みく『なんでこんな時にノコノコやってくるの!!』

泉「相手の都合なんて知らないわよ。こちらとしては、隙を見て靴のデータを狙われると困るし、ニューウェーブは再度降下準備に入るわ」

P『このタイミングで降下だと、予定ポイントと大幅にズレるんじゃないか?』

泉「そうね……今も移動しているし、緊急時の受け入れポイント……この状態じゃEUの何処かに緊急通信を送るしかないかも。EUならこっちの加盟国もあるから、まだマシだけど……」カタカタカタッ!

P『捕捉されるよりはマシ、か……それじゃあ準備を進めてくれ』

泉「ええ、急がせるわ」

……
…………

158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 14:49:59.07 ID:C24/VbVx0
――戦闘宙域

P「よし、連邦の部隊も来ているし、こっちは無理はしないで降下準備を待とう」

ドシュゥンッ!

みく『わわっ!? って、のんびり待たせてくれそうにないし……このっ!』

ズドォンッ!!

みく『にゃっ!?』

P「なんだ!? 今の火線……あれは!」

ピピッ!


輝子『内臓ビームランチャー冷却……これ、燃費悪すぎだろ……』

有香『宙域の連邦、共和国双方の防衛部隊、こちらはコロニー連合部隊です。低軌道上でのテロリスト部隊への対応ですが、自衛の為コロニー連合も加勢します』


P「あいつら……盗んだ機体でよく平気で周辺通信してきたな」

泉『盗まれた機体は共和国でも極秘開発されていた物だし、共和国の防衛部隊も素性は分からないから新型機か何かとしか思わないでしょうね。悔しいけど……』

みく『図々しすぎない?』

アーニャ『そこのラプター』ギュンッ!

パシュンッ!

みく『ん?』

P『ケーブルの接触通信? なんだ』

ピピッ!

みく『片側から映像通信? あっ!』

アーニャ『……』

159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 14:54:26.09 ID:C24/VbVx0

アーニャ『……』

P『お前は……!』

アーニャ『やっぱり、あなたたち、なんですね』

P「お前は平気で顔を晒してくるのか……」カタカタカタッ!

ピピッ!

みく『えっ? お兄さん、何で映像通信開けたの?』

P「向こうが顔を晒してきたんだ。それに、この前は宙域でみくちゃんを助けてもらっただろう」

みく『お兄さんは撃たれたでしょ……もう』ピピッ!

アーニャ『よかった、そちらのラプターも、あなただったんですね』

みく『よくない! そっちがファクトリー襲ってきたせいで、善良な一般市民だったみくたちは巻き込まれてこんなことやってるんだから!!』

アーニャ『……すみません』

P「すみませんと思うなら追いかけてこないでほしいんだが……」

アーニャ『それは、任務なので……ですが、今回は連邦の不手際なので、ここでそちらに対して攻撃はしません。連携させてください』

P(連携って、そっちのほうが動けるだろうに……)

P「……後ろから撃つのは無しだぞ、お互いに」

アーニャ『はい』

ピピピピピッ!

みく『2人とも! 灰色の来てるから! 前見て前!!』

P「っと!!」ギュンッ!

アーニャ『っ!!』

……
…………

160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 14:56:28.53 ID:C24/VbVx0
――ニューウェーブ(ブリッジ)

泉「降下準備! 整備班、ラプター2機の緊急着艦準備は!」

整備長『もうすぐ終わる! 艦下部のシールドも再展開準備しておいてくれ!』

「EUの共和国拠点に緊急通信を送りました。降下先の大まかな範囲は指定しましたけど、この状況だとどうなるか……」

泉「仕方がないわ。後でオート・クレールから説明させましょう」

ピピピピピッ! ピピピピピッ!

サーフス『……!』

「サーフスが1機接近しています!」

泉「もうっ! 迎撃して!」

P『しまった、抜かれたか!?』

みく『泉チャン!』

有香『このっ、あの輸送艦を今墜とされるわけには……!』

ピピピピピッ! ピピピピピッ!

「レーダー上に、高速で接近する機影あります!」

泉「なに!? 映像は!!」

ピピピッ!

??『輸送艦、戦闘区域に近すぎる。もう少し下がって降下準備を進めてくれ』

シュパアアアアアンッ!!

サーフス『……』ドガアアアアアアンッ!!

P『高速で接近してビームブレイドでサーフスを墜とした……なんだ、あの機体……』

有香『あれは……』

……
…………

161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 14:58:57.01 ID:C24/VbVx0
――戦闘宙域

??「晶葉、ニューウェーブと接触した。降下タイミングで連邦のテロ部隊の戦闘に巻き込まれたらしい」

晶葉『こちらもNEX-USの最速情報で確認した。靴のデータを保護するのが最優先だ、頼むぞセカンドドライバー』

??「了解した」

ピピピッ!

加蓮『頑張ってねー』

??「大丈夫だ、問題ないさ」

加蓮『それ、戦闘中もそのお面付けてるの、モニター見難くない?』

??「お面じゃない! 仮面だ、仮面!」

加蓮『どっちでもいいけど……』

??「んまあいいや、ジーオーの稼働データも後で転送する。戦闘に入るから通信切るぞ」ピッ!

??「ジーオー、航空機形態に移行。こっちの稼働データもしっかり取っておかないとな……!」ガションッ!

??「まだまだアレに比べるとガラクタレベルだけど……やってやるさ!」

……
…………

162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 15:05:54.04 ID:C24/VbVx0
――戦闘宙域

ドガガガガガァンッ!!

みく『何あれ、めっちゃ速い!』

P『航空機に変わった……可変機体が実用化されたのか?』

有香「あの機体、一体どこの所属……」

輝子『ど、どうする……こっちの友軍か分からないけど……』

??『可変での速度はこんなもんか……機体制御が……!』

輝子『サーフスは墜としていってるけど、と、とりあえず友軍でもないし、弾幕でまとめて狙っておくか……?』ピピッ!

??『ロックオン? 連合に奪取されたアラドヴァルか……!』ガションッ!

ギュオオオオオオッ!!

輝子『は、速い……!?』

??『そっちを墜とすわけにはいかないが、こっちも墜ちるわけにはいかないんだよ!』ガションッ!

有香「あの速度で変形した!? 輝子さん!」

輝子『ひっ……!』

シュパアアアアンッ!!

輝子『わ、わわっ……う、腕持ってかれた……』ドガアアアアンッ!!

有香「あの機体……!! 輝子さん、損傷は!』

輝子『う、腕だけだ、大丈夫……』
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 15:09:35.06 ID:C24/VbVx0
有香「あの機体、敵性か……このぉっ!!」ギュオオオオオッ!!

??『接近戦には持ち込ませない……!』ドシュウンッ! ドシュウンッ! ドシュウンッ!

有香『くっ、射撃が正確すぎる!? あの速度で飛行して、どうして……!』


アーニャ『あの機体は……ラプターの2機、あの機体はサーフスを優先して墜としています。触れないように』

みく『う、うん……』

P『あの機体は一体……』


サーフス『……!』ギュンッ!

有香「邪魔だ!」ブォンッ!

サーフス『……!?』ドガアアアアアンッ!!

有香「接近さえできれば!」

??『くっ、しつこい!』ギュンッ!

ドガガガガガッ!!

有香「機関砲!? くっ、動きが……あの機体……!?」ピピッ!

有香「携行しているビームブレイドがラプターのものと同型……ラプターの改修機……?」

みく『あの鳥めっちゃ強い』

P『鳥じゃないだろ、変形はしてるけど』


……
…………

164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 15:25:58.32 ID:C24/VbVx0
みく「まだやれるんだから! ええいっ!!」

アーニャ『いけません! くっ……!』ガションッ!!

有香『逃がすか!!』


??『このっ、3機纏めてかよ……!』ギュオオオオオッ!!


有香『輝子さん!』

輝子『け、牽制くらいなら……』カタカタカタッ!!

ボシュシュシュシシュッ!!

アーニャ『あの機体からミサイルの援護……』

みく「3対1なら!」

??『こんな機体に乗ってるからって遅れを取るわけには……!!』



※戦闘コンマ判定。前川みくの操縦技術により安価判定が決定されます。
コンマ2桁が59以上でシナリオ継続
コンマ2桁が58以下でシナリオ分岐
↓1

※戦闘コンマ判定。アナスタシアの操縦技術により安価判定が決定されます。
コンマ2桁が96以上でシナリオ継続
コンマ2桁が95以下でシナリオ分岐
↓2

※戦闘コンマ判定。中野有香の操縦技術により安価判定が決定されます。
コンマ2桁が78以上でシナリオ継続
コンマ2桁が77以下でシナリオ分岐
↓3
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 15:26:35.01 ID:C24/VbVx0
連投OKスレなので>>1はガチャ回してきます
安価↓
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/11(土) 15:35:39.18 ID:FHXW6ecR0
ふみ
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/11(土) 16:26:29.55 ID:nHGLpBPE0
はあっ
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/11(土) 16:29:17.09 ID:51iwdwIT0
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 17:32:37.95 ID:C24/VbVx0
>>166-168
夕方のフェスに差し掛かったので19時頃から再開します
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 19:08:22.88 ID:C24/VbVx0
>>166
判定:18

>>167
判定:55

>>168
判定:9

※前川みく、アナスタシア、中野有香のステータス更新の内容が変更されます。


??『このっ!』ガションッ!

みく「ゲゲェッ!? ミサイルの弾幕の中に突っ込んで来た!」

??『それ以上は動くなよ……!!』ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

アーニャ『ライフルが……いけない……!』

??『そっちもか!』バシュッ!

アーニャ『アンカー!? ぐぅっ……!』ガキィンッ!

有香『だけどこれで両腕は――』ギュンッ!!

??『マイクロミサイルランチャーを……!』ピピッ!

ボシュシュシュシュッ!!

有香『ぐあああ……! た、対応が早すぎる……!』ドガァンッ!

輝子『や、やばいやつだな……アイツ……』

みく「みくみたいな素人じゃどうにもならないんだけど……ていうか! なんでこういうときにNEX-US繋がらないの! 繋げるって言ってたのに!」カタカタカタッ!
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 19:09:47.18 ID:C24/VbVx0

ピピピッ!

泉『2人とも、降下準備が完了したわ。高度も下げているし、3機から下手に不意打ちを貰わないうちに、戻って緊急着艦して頂戴』

みく「うー……悔しい! あの鳥!」

P『そんなことはいいから! 機体が無事なら、早く戻って降下だ!』

アーニャ『……これで、終わりですね』

P『っと、そうだ、クラウソラスのパイロット』

アーニャ『……なんですか?』

P『前に撃たれたことはさておき……まあ、今回は助かった』

みく「あ、一応お礼ね。ありがと」

アーニャ『……連邦はこの後、捕縛したテロ部隊の対応もしますが、こちらは任務で地球に降下します。次が……無ければいいですね』

ピッ!

みく「あ、切れた」

P『……戻ろうか』


……
…………

172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 19:12:11.18 ID:C24/VbVx0
――ニューウェーブ(格納庫)

整備長『お前ら、もうすぐ降下に入るから機体から出るなよ!』

P「わかりました。降下完了したら教えてください」

ピッ!

P「……なんとか、なったか」

ピピピッ!

P「ん、どうしたみくちゃん。何かあったか?」

みく『……』

P「具合でも悪いのか? もしかして、戦闘で負傷――」

みく『お兄さん!』

P「な、なんだよ……」

みく『あのね、お兄さんと会ったのは最近だけど……あんまりみくのこと甘く見ないで!』

みく『……もう、1人で行っちゃうのは、無し……だから』

P「みく……」

P(キャット……いや、たとえ、そうじゃなくても……)

P「……ああ、分かった。約束する」

みく『うん、約束』

ピピピッ!

泉『艦内通信、本艦は地球への降下シークエンスに入ります。乗員はマニュアル通り対応をお願いします』

……
…………

173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 19:14:14.23 ID:C24/VbVx0
――戦闘宙域

??「連邦部隊がテロ部隊の拘束を終わらせたか。共和国の防衛部隊も戦闘行動を停止しているし……終わり、だな。そろそろ引くか」ガションッ!

ギュオオオオオオッ!!

有香『くっ……あの速度だと、追いつけない……!』

輝子『こ、こっちも帰ろう……連邦も共和国も、引き上げる準備しているみたいだ……』

有香『……はい。そちらの被弾状況も、修理が必要ですね……戻りましょうか』

輝子『うっ……わ、悪かったな……』

有香『……次こそは!』ガションッ!



艦長『アナスタシア、テロ部隊の対応は他の隊に任せて、民間船の確認だ。盾になってくれた輸送艦の損傷は酷いが、民間人の保護が優先だ』

アーニャ『了解です』

アーニャ『これが終われば、次は……』

……
…………

174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 19:15:11.53 ID:C24/VbVx0
――戦闘宙域外

??「ニューウェーブが降下していく、か」

ピピピッ!

晶葉『私だ。どうした?』

??「ニューウェーブの降下を確認した。戦闘の影響で予定していた降下ポイントから大きく外れてしまったから、多分そっちに着くのはもうしばらく掛かる」

晶葉『そうか……まあ、仕方がない。降下後は一旦どこかで補給するだろうし、そこに合わせて151CXのパーツも送っておくか。いつまでも無理やり組んでいたラプターの装甲だと辛いだろうし』

??「開発、終わっていたのか?」

晶葉『他の3機分も終わってはいたんだがな。151CXは遅れていた分、次の分もまとめて形にはしていたが……フレームストリームで耐久性が上がっているとはいえ、皮改造したラプターの装甲でよく戦ったもんだ』

晶葉『で、お前やレイナが言ってたアタリはどうだったんだ?』

??「ニューウェーブから出撃したラプターは2機だった。麗奈が手を回した通りだ」

晶葉『まあ今さら疑うことも無いが……となると、靴のデータを確保した後、どうなるか……』

??「連合が動いているんだろう? 何事も無く済むなんてことはないけど……」

175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 19:16:27.87 ID:C24/VbVx0
ピピピッ!

加蓮『奈緒、晶葉。レイナから連絡来てたよ。そろそろ用事済むから帰るって』

晶葉『アイツは……隠密に頼むって話しておいたが、ちゃんとやっているんだろうか』

??(奈緒)「加蓮、ニューウェーブはどこに降りるか分かるか?」

加蓮『ちょっと待って……うーん、収集した情報だと、EU方面みたいだけど。予測ポイント出すね』

晶葉『ここら辺か。海に出るのは難しそうだが……』

奈緒「陸地の移動だとして、今時期はロシア領は入りにくいし、国境付近を通るしかなさそう、か……?」

加蓮『奈緒も追いかけるんだよね?』

奈緒「ああ、この後あたしも降下して、補給してからになるけど。加蓮は4機のパイロットたちの面倒、見てやってくれ」

加蓮『連邦の子は良い子みたいだしいいけど、連合の子たちはちょっと……まあ、別にそれはいいけど。ニューウェーブの子だけでもいいんじゃないの?』

奈緒「まあ……どうなるか分からないし、な」

加蓮『ふーん……まいいや。それじゃ私、適当に話のネタ集めてくるから』

晶葉『私も準備に取り掛かる。降下も気をつけてな』

ピッ!

奈緒「……」

奈緒(地球……やっぱりここから見ると綺麗だな。あの星だって……)

奈緒「……・大丈夫だ。今回だって、きっと」


【to be continued......】


……
…………
………………
……………………
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 19:18:03.91 ID:C24/VbVx0
※キャラクターシートが更新されます
キャラ名:前川みく
操縦技術:90→95
親愛度 :53

キャラ名:アナスタシア
操縦技術:52→57
親愛度 :50

キャラ名:中野有香
操縦技術:71→76
親愛度 :13

キャラ名:星輝子
操縦技術:67→72
親愛度 :20

キャラ名:セカンドドライバー(神谷奈緒)
操縦技術:-
親愛度 :-
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/11(土) 19:20:54.87 ID:C24/VbVx0
一旦区切りになるので、本日はこれで終了します。
よろしければ今後も安価にお付き合い頂けたら嬉しいです。
多分、何も無かったら5/12(日)の19時頃から再開するかもしれません。出来なかったら5/17(金)になります。


本日もご参加頂きありがとうございました。
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/17(金) 18:32:54.91 ID:qPZJ2o/80
0時頃から再開します。
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 00:06:52.79 ID:Dm7c8tFb0
【導入】

木星圏を出たみくと泉は、地球圏低軌道上で発生したテロリストの戦闘に巻き込まれるも、靴のデータを搬送する為に地球へと降下した。

だが、戦闘の影響で降下先が日本から大きく外れ、EU圏へと降下してしまう。

有香と輝子も靴のデータを追跡する為に地球へ降下するものの、戦闘の影響でフランスに向かい、補給を余儀なくされていた。

そして、偶然戦場でみくと共に戦うことになったアーニャは、自国の紛争の鎮圧任務の為にロシアへと向かったのだった。


――
――――
――――――
――――――――
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 00:11:25.72 ID:Dm7c8tFb0
――地球、トルコ、オート・クレール支社、ニューウェーブ(ブリッジ)

泉「わざわざ補給物資の提供ありがとう。どうせなら、直接靴のデータを取りに来てくれればよかったのに」カタカタカタッ!!

晶葉『こっちとしても、そう出来たら楽だったんだがな。ほれ』

ピピッ!

泉「このデータは?」

晶葉『ここ2か月の本社のアクセスログだ。NEX-USを通じてこちらのサーバに攻撃してくる輩が随分といる。連邦と連合の情報部隊だろうよ』

泉「補給も筒抜けってわけね……」

晶葉『いや、そっちに送った物資は全部アナログで手続きして搬送させた。通常よりは足が付きにくいだろうから、誤魔化しが効いてくれればいいが』

泉「よりにもよって、降下した先がトルコだもの。いえ、連邦の国に入るよりは全然いいけど。EUを抜けるのが大変よ」

晶葉『EUは面倒くさいからな。連邦、連合、共和国それぞれの国が複雑に入り乱れているし。今の時代だからインフラもある程度機能しているが、さすがに今はな』

泉「ここからだと海路を経由できないし、ロシア領を通過するしかない……かしらね」

晶葉『特に地球だし、他の地域を経由することを考えると一般のインフラの流れには乗れんからな……少々危険だが、頼んだぞ』

泉「ええ、上手くやってみるわ」

……
…………

181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 00:16:30.40 ID:Dm7c8tFb0
――フランス、エヴルー基地上空、ケーレス(ブリッジ)

有香「では、着艦後は整備作業をお願いします。機体については搬出しますので別途対応をお願いします」

『了解した。ホクドウから転送されていたデータもある。機体の改修も含めてこちらで対応する』

ピッ!

輝子「ほ、補給して、逃げられないかな……」

有香「あの艦の降下先はEU圏内でしょうし、一般ルートは監視させていますからもうしばらくは大丈夫かと」

有香「とはいえ、あまり変なルートを経由されると追いかけるのは難しくなりますが」

輝子「ま、まあ……相手さん次第、だな」

有香「早いところ任務を終わらせて、千川少佐に合流しなければ……」

……
…………

182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 00:21:56.06 ID:Dm7c8tFb0
――モスクワ上空、オグマ(格納庫)

アーニャ「……」


艦長「グラースはすべてC装備に換装でいい。現地部隊の編制リストだ」

「了解です。こっちは支援にはならないのか……」

艦長「オーレンバーグとはいえカザフスタンとの国境に近い。どの道市街地戦闘を考慮すればB装備は使えんだろう。私はブリッジに戻るから、作業は頼んだぞ」


アーニャ「……」

艦長「どうした、アーニャ」

アーニャ「艦長……いえ」

艦長「あまり気を張らなくてもいい。帰省にしては、物騒ではあるがな」

アーニャ「はい」

艦長「それとも、他のことでも考えていたのか?」

アーニャ「……」

艦長「上の戦闘の後に報告した民間人か? ラプターに乗っている」

アーニャ「アーニャは、どうして、あの人たちを……そう、思って」

艦長「気持ちは分かる。こんな仕事だ、こういうことこそ、知らないままでいることが良かったことではある。だが、私たちも任務がある」

艦長「そう考えることが出来るのは、優しさだろう。だが、連合の動きもある。アラスカが皮切りになるかもしれんし、そればかり考えているわけにもいかん」

アーニャ「……はい。その為にも、まずは……ここでの戦いを……!」

……
…………
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 00:29:10.70 ID:Dm7c8tFb0
――NEX-US(秘匿領域)

セカンド「悪意があるって?」

加蓮「うん、悪意っていうか、うーん……他の子とちょっと違う、のかな。どういう思考してるのかよくわかんないけど」

セカンド「接続したのは、全員アイドルなんだろ?」

加蓮「そうだよ、奈緒も含めて全員」

セカンド「悪意は……ない、と思う……けど」

加蓮「奈緒がそう言うなら、そうなのかな? どうなのかなー」

セカンド「なあ、接続したアイドルが誰かっていうのは……」

加蓮「システムロック掛けられてて開示出来ないから言えなーい。ザンネン」

セカンド「管理者扱いじゃなかったのかよ……」

加蓮「そんなこと言われても……じゃあ奈緒は、誰だと思うの?」

セカンド「そう、だな……例えば、橘ありす、とか、新田美波、とか……」

加蓮「ま、答えられないけど」

セカンド「あっ、このっ……! まあ、違うのかなぁ」

セカンド「せめて、接続した5人が集まってくれれば、こんな追いかけっこくらいは終わるんだけど……」

……
…………

184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 00:35:39.65 ID:Dm7c8tFb0
――ニューウェーブ(格納庫)

泉「はい、ポイント到達。シミュレーターおしまい」ピピッ!

パシュンッ!

みく「あ゛〜……疲れた」

P「スコア上がってるし、動き良くなってんのかなこれ。地球だと墜ちたら地面あるしどうだろ……」

泉「ま、緊急脱出はしっかりやってね、としか言えないわね」

整備長「いいんじゃねえか? スコア表も平均言ってるぜ」

みく「う〜……みくは新しいの動かすからまだ調子悪いのに」

P「いや、まあみくはな。搬入物資の中に新しいシミュレーター用のデータもあるとは……」

泉「そうだ、整備長、ラプターの改修は大丈夫かしら?」

整備長「ああ、後は腕と足のフレームの一部が丸ごと交換だから、それが終わって組み直したら一旦はな」

P「あ、残りは俺も手伝いますよ。武装の増設もあるんですよね」

整備長「んじゃ艦整備にメンバー送ってるし、ちょっと頼むか。動作チェックは嬢ちゃんにやらせるとしてよ」

みく「新しいラプターってどんなの?」

泉「正確には、みくが乗っていた機体は元々ラプターじゃないのよ。連合主力のTMS-113Fラプターじゃなくて、正式コードはOMDX-151CXなの。こっちで製造していたパーツと合わせて、ようやく完成ね」

みく「そういえばコンソールに出てた機体コードはOMDXだったような……あれ、でも共和国の戦闘用ならOMDAでしょ?」

P「元々、共和国は多目的作業用人型歩行機のOMDを開発してて、自国防衛用の戦力として一部フレームを換装して武装を持たせたのがOMDAなんだよ」

P「だからOMDXってのも、多分それの延長ではあると思ってたんだけど」

泉「そんなところね。フレームストリームも、交換可能なフレームには採用していないから拡張性はあるはずだし」

185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 00:45:26.41 ID:Dm7c8tFb0

整備長「ま、防衛部隊の戦力としてはOMDA自体が心許ねえってのはあったけどよ。OMDXが量産出来ればかなり安心なんだが」

泉「……まあ、フレームストリーム自体、量産目的の機体じゃないものね」

ガコンッ!

みく「あ、作業スペースからみくの機体戻って……何あれ」

泉「あれがOMDX-151CXよ」

みく「いやそうじゃなくて、あの頭」

P「頭? ああ……なんだあれ、頭部は丸ごと取り換えたのか? やけにデカいパーツが2つくっ付いてるけど……」

泉「晶葉、なんて言ってたかしら……確か、フレームストリームを効率よく稼働させる為のパーツとは言ってたけれど……」

みく「げー……なんだかネコチャンみたいな頭……」

P「猫……」

整備長「言われてみりゃあ……ま、いいんじゃねえか?」

P「……そういえば、機体コードは分かってたけどネームはないのか」

泉「特に指定されたものは無かったのよね。まだ完成はしていなかったし……猫みたい、ならキャットウォーカー、とか」

みく「えー……ネコチャンの名前にするの?」

泉「みくが猫って言ったら、なんだかそう見えてきたんだもの。それに、武装だってビームクローと背面に多関節稼働ビーム砲頭もあって、爪も尻尾もあるような感じで」

みく「なんだかなー……んまぁ、いいけど」

……
…………

186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 00:49:51.79 ID:Dm7c8tFb0
――数時間後、ニューウェーブ(みくの部屋)

みく「はー……シミュレーター疲れた……」ドサッ!

みく「んぁ、メールメール……んー、I@LPから何も通知来てない……」ピッ、ピッ


『通知リスト:I@LP 0件』

『通知リスト:Pチャン 0件』


みく「はぁーっ! まったく、お仕事の連絡全然来ないし……まあ、いま来ても多分できないけど」

みく「どうしよっかな……時間あるし、NEX-US繋いでおこうかな」


『認証が完了しました。NEX-USに接続します』


……
…………

187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 00:53:30.65 ID:Dm7c8tFb0
――NEX-US(秘匿領域)

加蓮「ふーん、暇なんだ」

キャット「暇っていうにゃ! 充電期間にゃ」

加蓮「ま、ニューウェーブに乗っててそんなこと出来ないでしょ?」

キャット「そうだけど……でも、キャットの本職はアイドルなの! Pチャンだって最近は接続したりしなかったりだし……」

加蓮(おんなじこと言ってる……)

キャット「I@LPの募集枠でも探そうかにゃー。でもPチャンがお仕事持ってきてくれたときにバッティングするのもー……Pチャンなら調整してくれるかにゃー」

加蓮「PチャンPチャンって、そんなにPチャンのこと好きなの?」

キャット「んにゃっ!? そ、そそそそそんなわけないにゃ!!」

加蓮「ふーん……」

キャット「Pチャンとキャットはあくまでビジネスライクな関係にゃ! お互いを信頼しているからこそ仕事も出来てこうしてランキングも伸びてアイドル評価も付いてきてまあキャットが頑張ってるのが一番多いんだけ――」

加蓮「アクティブウィンドウ出てるよ」

キャット「にゃっ!?」シュババババッ!!

キャット「あっ、Pチャン接続してるにゃ! ちょっと行ってこよー」ピッ、ピッ!

パシュンッ!

加蓮「いってらっしゃーい」

……
…………

188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:06:33.67 ID:Dm7c8tFb0
――NEX-US(秘匿領域)

加蓮「まー、そんなことしてたらI@LPの依頼なんてやれないんじゃない?」

雪妖精「はい……せっかく、お仕事もたくさん入るようになってきていたのに……」

加蓮(おんなじこと言ってる……)

雪妖精「キャットも、ツインテも、キノコも、セカンドも、たまに一緒にお仕事をします。一緒だから、楽しい時もあります。一人でも、プロデューサーがいるから、楽しいこともたくさんあって」

雪妖精「だから……ここに来ないままだと、それが、零れ落ちていくみたいで」

加蓮「それじゃあ軍辞めれば? 連邦にいないで共和国にでも来ればいいのに」

雪妖精「それは、できません」

加蓮「連邦のほうがいいの?」

雪妖精「フェアリー……守りたいもの、あります。祖国も、人も……だから、捨てられません」

加蓮「優しいじゃん」

雪妖精「そんなこと、ありません。そうなら、こんなことを、しているなんて……」

加蓮「ロシアや中東は、紛争終わらないもんね。いつまで経っても、大変そう」

雪妖精「……」

加蓮「ん……あ、行って来れば? 何か今、あなたのプロデューサー来てるみたいだよ」

雪妖精「プロデューサー……」

……
…………

189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:11:54.49 ID:Dm7c8tFb0
――NEX-US(事務所ルーム)

P「疲れた……頭回んないな……通知もまた溜まってるし」カタカタカタッ!

パシュンッ!

P「ん、接続?」

キャット「Pーチャーン!!」バッ!

ボフッ!

キャット「うにゃあああああ……」グリグリ

P「うわっと……なんだキャット、接続してくるなり突ぜ――」


みく『お兄さんに守ってほしいなんて頼んでないし、みくだって死にたくないモン!! 泉チャンが教えてくれたことはよく分かんないけど、こんなところからさっさと離れて、ちゃんとアイドルやりたいから!!』


P「……」

キャット「にゃ〜……ん? どしたの?」

P(キャット……みく、みく……なのか……?)

キャット「Pチャ――」ギュウウウッ


加蓮『PチャンPチャンって、そんなにPチャンのこと好きなの?』


キャット「……」

P「……」


190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:15:11.50 ID:Dm7c8tFb0
ピピッ!

パシュンッ!

雪妖精「プロデューサー」

P「っ!?」ガタッ!

キャット「!!!?!?!」ガタタタッ!!

雪妖精「おや、キャットも一緒でしたね! 久しぶり、デスね」

キャット「に゛ゃ……げふっ、ふぇ、フェアリーにゃ! ひっさしぶりだにゃ〜!」バッ!

雪妖精「久しぶりです。最後に、モービルレースのお仕事をやったとき以来です」

P「んっ、んんっ……雪妖精も接続したのか。久しぶりだな、事務所に何人かアイドルが集まるのは」

キャット「みんなしばらく休暇届け出してたし、ツインテやキノコチャンとも会ってないにゃ」

雪妖精「オー、それじゃあ、キャットはお休み、しなかったんですか?」

キャット「んー、キャットはちょっと生が忙しかったから……レッスンプログラムだけ消化してたにゃ」

雪妖精「そうだったんですか。でも、I@LPからじゃなくて、プロデューサーからのお仕事、全然きてません」

キャット「あっ、そうそう! Pチャンお仕事ないのお仕事!! 今日はそれを言いに来たんだにゃ!」

P「いやあお前ら、いきなり仕事って……いやあるにはあるぞ? ただちょっとしばらく付き添い出来ないかもしれないんだよな。オペレーションもそれぞれで任せることになるだろうし」

キャット「えー……職務怠慢にゃ」

雪妖精「そうなんですか、残念です……」

P「いや俺のせいじゃないからな? ちょっと生の環境が変わって忙しくなったんだ。もう少ししたら……こっちの仕事も普通に戻れると思う」

キャット「はぁー、まったくPチャンは仕方がないにゃあ……それじゃ、キャットはもうしばらく自主トレしてようかにゃ。いいPチャン、キャットもフェアリーもみんな、お仕事待ってるんだからね!」

雪妖精「プロデューサーが、お仕事を持ってきてくださると助かります」

P「へいへい……こっちの用事も、ある程度片付いてからな。せっかくこの間のランキングで結構順位上げたんだし、宣伝は切らさないようにしていくよ」

……
…………

191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:22:46.85 ID:Dm7c8tFb0
――オグマ(アーニャの部屋)


『接続を終了しました。端末を外し、体調が優れない場合はメンタルチェックオプションを実施してください』


アーニャ「……」

アーニャ(プロデューサーも、キャットも……変わらずに、みんな、あそこに……)

アーニャ「そう、いつか……いつか、は――」


『各員に通達。間もなくオーレンバーグに到着します。駐屯地への着艦後、整備班は搬入出作業を実施してください』


アーニャ「……!」

アーニャ「そう、だから……」

……
…………

192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:24:12.78 ID:Dm7c8tFb0
――NEX-US(秘匿領域)

セカンド「……・」ピッ、ピッ……

パシュンッ!

加蓮「よっと」

セカンド「……・」ピッ、ピッ……

加蓮「奈緒、NEX-USの接続者は全員地球に降りたよ。移動予定の場所に着いたみたいだし、動かなくていいの?」

セカンド「ああ、動くさ」

加蓮「それ、Geo-NEXTのマニュアル?」

セカンド「整備班に組み上げてもらってる最中だ。晶葉がバラして持ってきてくれたから、今度はこっちに乗り換えだけど……」

加蓮「どう? 使えるの?」

セカンド「どうだろうか。航空機形態への移行はジーオーよりはシームレスになっているみたいだけど……」

加蓮「どれどれカタログはっと……機体制御周りは改善してるんでしょ?」ピピピピピッ!

加蓮「奈緒が言ってた機体剛性だって、フレームの構造見直しで装甲の配置も変えてるし、強度問題もある程度解消してるんじゃないの?」ピピピピピッ!

セカンド「そうだなぁ、動かせるといえば、動かせるかな」

加蓮「そんなに凄かったの?」

セカンド「そうだなぁ、随分と凄いものだとは思っていたけど、麗奈と同じだよ、やっぱり」

加蓮「そのデータ、私に転送してくれればいいのに」

セカンド「それはダメだ」

加蓮「ほら、それもレイナとおんなじ」

セカンド「そうだな、麗奈は……分かっていたんだろうな。さて、と」ピピッ!

加蓮「行くの?」

セカンド「自分でも機体設定はやっておきたいしな。アップデートを終わらせたらニューウェーブを追うよ」

……
…………

193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:27:40.19 ID:Dm7c8tFb0
――エヴルー基地(指令室)

司令官「報告書には目を通させてもらった。艦を1隻任されての追跡任務ではあるが、少数の人員ではここまで来るのも一苦労だったろう」

有香「いえ、乗員の練度については問題なかったので、それほどは」

輝子「追加の戦闘も1回くらいだったし……」

有香「奪取した新型2機については本部にも抽出データを転送しています。後に展開されるかと」

司令官「そうか。本部からこちらに通達が来ていてな、艦や機体整備は実施させてもらう。機体については、本部から送られてきたデータを元に増設作業も進めておこう」

有香「私たちも任務は続けて従事していましたが、もう機体増設を行うまでに解析が……」

司令官「いや、フレーム技術のブラックボックス部分はまだ解析されていないようだが、その他の稼働フレームについては機体の増設プランが提示された」

司令官「損傷した機体の修理もある。整備が完了次第、再び任務にあたってくれ」

有香「了解しました。それでは、失礼します」

輝子「し、失礼しま……す……」


194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:35:53.12 ID:Dm7c8tFb0



司令官「さて、2人は格納庫にでも戻ったか」

司令官「こちらの作戦も、詰めておかねば……」ピッ、ピッ、ピピッ

『プロジェクトF 地球連邦アラスカ基地攻略対応について』

司令官「……なるほど、千川少佐もこの件、か」

ピッ!

司令官「それならば、せめてもの手向けといったところか……」

……
…………

195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:39:56.68 ID:Dm7c8tFb0
――エヴルー基地(格納庫)

輝子「お、おお……フラガラッハ、結構ゴテゴテしてるな……絵面が、うるさい感じだ」

有香「低軌道上戦闘の状態から、フラガラッハは装甲強度が無いと難しい場面も出てくるでしょうね。ミサイルポットもおまけに増設されましたし」

輝子「ま……次は、死なないようにやれれば、いいけど……中尉の機体も、改修入ったな」

有香「はい。今後開発される予定となるラプターの後継機に搭載予定の装備、装甲も一部交換ですし、機体性能の向上は見込まれるようです」

有香「アラドヴァル……いえ、イーリアスで、今度こそ靴のデータを……!」ギリッ!

ピッ、ピッ、ピピッ!!

有香「ん……」ピクッ

輝子「あ、ご、ゴメン……私だ……あ、そろそろ、時間か……」

有香「どうしましたか?」

輝子「ホラ、今日って……あの日、だから……」

有香「……そうでしたね、今日は……シマトクが墜ちた日でしたね」

輝子「誰が、黙祷とか……そんなこと、してるとか、分からないけど……わ、私は、やっておかないと……幸子ちゃんたちも、私が、どうしているかとか、知りたいだろうし……・」

有香「そうですか。輝子さんも、あの時の小規模戦争でご友人を……」

輝子「もう、随分小さい頃だったけど……中尉、は……?」

有香「そうですね、私も同じです。友人を失いました。だから、だからこそ……私たちは、今よりも多くの力が必要なんです」

有香「次のプロジェクトFも、作戦部隊が成功してくれることを、祈るばかりです。私たちは、私たちの任務を果たしましょう」

輝子「……」

有香「輝子さん?」

輝子「いや……うん、そうだな……上手くいったら……でも、上手くいったら……」

……
…………

196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:42:13.00 ID:Dm7c8tFb0
――ニューウェーブ(ブリッジ)

泉「日本に向かうルートが確定したわ。今私たちがいるトルコから一旦北上して、共和国に加盟しているカザフスタンを経由、連邦のロシア領との国境付近を通過するわ」

P「大丈夫か? 海側に出られないとはいえ、ロシア領で起きてる内紛で国境付近のオーレンバーグも被害を受けているんだぞ」

整備長「向こうの索敵範囲なら、カザフスタン周辺も張ってるだろうけどよ、見つかったらヤバいんじゃねえのか?」

泉「最低限ステルスは張るけど……何事も無いことに期待するしかないわね」

みく「それなら絶対他のルートにしたほうがいいと思うんだけど……」

泉「国内の目立つ場所は移動できないわ。I@LPで拡散でもされたら困るし」

みく「はぁー……」

P「紛争発生地域付近を通過するときは事前に確認してからのほうがいいかもな。戦闘中なら引き返したほうがいい」

泉「とはいえ、観測機なんて積んでないわ。補給物資でも貰ってないし」

整備長「今から申請しても通らないぜ? 内部にだって航行ルート、嘘教えてんだから」

みく「んー……あっ、そうだ!」

泉「え?」

……
…………

197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:42:58.57 ID:Dm7c8tFb0
――数日後、カザフスタン、ニューウェーブ(Pの部屋)

P「みんなに提示できる仕事はこんなもんか」パタンッ!


キャット『はぁー、まったくPチャンは仕方がないにゃあ……それじゃ、キャットはもうしばらく自主トレしてようかにゃ。いいPチャン、キャットもフェアリーもみんな、お仕事待ってるんだからね!』

雪妖精『プロデューサーが、お仕事を持ってきてくださると助かります』


P「まあ、ああ言われるとな」

P(出来れば、みんなの仕事にはそれぞれついてやりたい……けど、この状態なら、どうにもならんか)

P「……確かに、みくを守る為に、俺自身も帰る為に、こうしているけど」

P「ならなくて、正解だったんだな、やっぱり。こういう仕事を選ばないで、I@LPに入って……こんな時代だから、アイドルが必要なんだから」

……
…………

198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:51:16.58 ID:Dm7c8tFb0
――ニューウェーブ(通路)

P「……」

みく「あっ、お兄さん!」タタタッ!


P「……ん、どうしたみく?」

みく「いま整備長に話してモービルの整備しておこうかなって思ってたんだけど、お兄さんも一緒にやる?」

P「……」

みく「お兄さん?」

P(……宇宙では、ああは言ったけれど……このままで、いいわけは無いんだろうが)

P「いや、今日は朝飯食べそびれてて、ちょっと食堂行こうかと思っていたんだ。後で行くよ」

みく「……ふーん、それじゃ待ってるから」

タタタタタッ!


P「……」


……
…………

199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:52:24.11 ID:Dm7c8tFb0
――カザフスタン(国境付近)

泉「ここのルートなら通れるだろうけど、まさかここまで規制されていたとはね」カタカタカタッ!

整備長「嬢ちゃん、NEX-USでネタ調べてどうだった?」

みく「えっと、やっぱり国境付近は色んな所で通行規制掛けられちゃったみたい。内紛の影響だけど、元々そんな時期にロシア行きたい人なんていないからみんな気にしていないみたいだけど」

P「ステルス状態にしてこのまま移動か。待機できるポイントに着いたら、こっちから移動していいか?」

泉「ええ、お願い。バティラ周辺の地帯からだと抜けられるみたいだから、後は2人に任せることになるけど……みく、本当にモービルで大丈夫なの?」

整備長「っとに、つい最近国境付近で戦闘あったから余計厳しくなってるって、勘弁してほしいぜ……」

みく「まっかせて! みくの得意分野だから!」

P「遊びに行くわけじゃないからな。近場のオーレンバーグで連邦がどういった部隊の展開をしているか確認するだけだ」

P「モービルを出して、現地を一回りして現地データの保存したらすぐ帰るんだからな」

みく「もーっ! 分かってるから!」

泉「大丈夫かしら……まあ、それじゃあ整備長、悪いけどモービルの準備、お願いね」

整備長「へいっ、んじゃ2人とも、しっかりやれよ!」

みく「はーい」

泉「ニューウェーブは予定ポイントで着艦して待機しているわ。何かあったらすぐ連絡を頂戴」

……
…………

200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/18(土) 01:55:48.88 ID:Dm7c8tFb0
ちょっと開始が遅かったので予定していた分まで回していないのですが、めちゃくちゃ眠いので本日はこれで終了します。
今回は場面の都合上安価は後半に配置されています。
次回は19日か24日に実施します。
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 13:31:10.71 ID:WNg5z6tL0
24日の18時頃から再開します
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:05:56.93 ID:WNg5z6tL0
――数時間後、ロシア、オーレンバーグ(市街)

みく「わー……」

P「あまり騒ぐなよ。町の様子を見る限りだと、みんな普通に生活しているって感じだけど……」

みく「市街地戦闘にはなってないみたい……? でも、みんな何だか不安そう」


「……」

「……」


P「そりゃあ、軍の哨戒も回ってきているし、戦闘も近場で起きてるなら不安もあるだろうさ……さて、モービルも置いたし、少し歩こうか」

みく「うん」

……
…………

203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:12:57.53 ID:WNg5z6tL0
――ロシア、オーレンバーグ(市街)

みく「あっ、見てみてお兄さん! あっちのお店!」

P「なんだ?」

みく「ほら! あの細工! アレなんだろ?」

P「ああ……あの生地、民芸品……だったかな。地域のデータ調べたときに見かけたような気がする」

みく「わー、いいなぁ」タタタタタッ!

P「おいおい……」


「いらっしゃい」

みく「お邪魔しまーす♪」

P「ちょっと……あまり変な風に騒いで、外から来たと思われないようにしないと」

みく「まままそう言わずに……ちょっとだけだから」

P「まったく……」

みく「うーん、これ良い色してる」ゴソゴソ


P(……だけど、そうだよな)


みく「あっ、でもこっちの色のほうが……」


P(みくも、まだ学生で……それでいきなりこんなところまで来て、しかも戦闘機に乗って、なんて……)


みく「うーん……どっちが合うかなぁ」

P「……今はみくが着ているの、ピンク色だしそっちに色合わせるなら……こっちがいいんじゃないか?」

みく「え? んー……おおっ、なんかしっくりくるかも! お兄さん詳しい!」

P「え、あ、ああ……こういうのも覚えたことがあるんだ」

みく「えっへへー、ちょっと買っちゃおうかなぁ」

……
…………

204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:16:43.04 ID:WNg5z6tL0
――オーレンバーグ(市街)

P「しばらく歩いて、街の状況はデータに残しておいたけど……」

みく「NEX-USでみくが拾ってきたネタと大体合ってるかなぁ……巡回している連邦の兵士はいるけど、街の様子も市街地戦闘は起きてないみたいだし」

P「また変に近場で戦闘が起きる前に抜けてしまうか……・一旦ニューウェーブに戻ろうか」

みく「泉チャンにそのまま連絡しちゃえばいいんじゃない?」

P「この状況だし、通信拾われたら嫌だろう? 戻って直接話しておかないと」

みく「んー……面倒にゃ」


ガションッ!

みく「ん?」


P「アレは……連邦のグラース部隊か。数機降りてきたけど、防衛部隊か?」

みく「どうしよう、お兄さん」

P「機体が降りてきたってことは、何かあったのかもしれないが、どうしたもんか……」


※安価選択
1.もう少し町に残る
2.ニューウェーブに戻る
↓1
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/24(金) 18:31:11.17 ID:jBBbNMCKO
2
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:39:27.19 ID:WNg5z6tL0
>>205
2.ニューウェーブに戻る


P「警戒されているところに長居するのもよくないか、目を付けられたら困るし」

みく「うえー……早く泉チャンのとこ戻って抜けちゃお」


「……貴方たち、は」


みく「えっ?」



アーニャ「……」

P「お前……!」

みく「あ……あああああああああ〜っ!!」

アーニャ「貴方たちは……っ!」タタタタッ!

みく「やっ、こっ、来ないで!」

アーニャ「良かった! ちゃんと……降下できたんですね……」

みく「は?」

アーニャ「あれから、こちらはテロ部隊の拘束をしてからの降下でした……戦闘の影響で、2人が無事かどうか、確認までは出来なかったので……」

P(……どうする、俺たちがいるのがコイツに知られて、しかもコイツがいるってことはファクトリーを襲った部隊もいるってことか?)

P(とはいえ、この状況だと下手に逃げられん……どうする、どうする……)

みく「そっちがファクトリーに来なかったらみくたちはそもそもこんなとこに来なかったんだからね!」

アーニャ「貴方……」

スッ……

P「な、なんだ……」
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:41:22.43 ID:WNg5z6tL0
アーニャ「腕……以前、貴方の腕を撃ってしまいました。あの時は……ですが、治っているみたいで……よかった」スッ

P「……」

アーニャ「……」

みく「ちょ、ちょっとちょっと! なーに他人事みたいに言って、まず謝るのが先でしょ!」

アーニャ「そ、そうでした、ね……あのときは、ゴメンなさい」

P「ん……あ、ああ……」

みく「お兄さんも! なーにボケっとして!!」

P「いや、別にボケっとしていたわけじゃ……」

アーニャ「……!」


キャット『にゃふふっ♪ さっすがキャットたちにゃ! 猫パンチ猫パンチ♪』

P『叩くな』

キャット『うにゃぁ〜♪』

P『抱き着くな。話終わらなくて解散出来ないぞ〜』


アーニャ(そう……キャットも、プロデューサーも、こうしていて……)

アーニャ「……」スッ

ピピッ!

アーニャ「こちらアナスタシア」

艦長『どうしたアーニャ。巡回中だったはずだが、何かあったか?』

P「!?」

みく「!?」
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:44:13.47 ID:WNg5z6tL0
P(通信されたか……に、逃げられる……か……?)

アーニャ「一通りの確認、終わりました。別件があります、アー……少し早いですけど、戻ります」

艦長『む、何かこの後に対応することでもあったのか?』

アーニャ「……こちらのグラース部隊は、市街北部に展開しています。駐屯地に待機している元々の部隊は、一部はサマラからの増援を受け入れる為の準備をしています」

アーニャ「また、2小隊分は北西で目撃されたテロ部隊の追跡に向かっています。間違い、ないですね?」

艦長『……ああ』

アーニャ「ありがとう、ございます」ピッ!

みく「にゃ?」

P「お前……」

アーニャ「……・これでは、いけないのですね」スッ……

アーニャ「行くなら、早く行ってください。今のうち、です。アーニャが、戻っているうちに」

P「……」

アーニャ「今回……今回、だけは……!」

みく「あやしい……ていうか、さっきからお兄さんの体触りすぎだし……」

P「……行こう、みく」

みく「でも……」
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:49:40.98 ID:WNg5z6tL0
P「礼は……言わないほうがいいんだろうな」

アーニャ「はい。次は……逃がしません。だから――」

ビーッ!! ビーッ!! ビーッ!!

みく「何っ!?」ビクッ!

P「なんだ!?」

アーニャ「警報……! 駐屯地から配置されていたグラース部隊が……!」

ドシュウウウウウンッ!!

P「グラースが上昇して……上!?」

ギュオオオオオオオッ!!!!

みく「あれ! サーフス!!」

P「あの機体色、宙域で見た……!」

アーニャ「テロリスト……! サマラからの増援が来る前に……!」

サーフス『……』ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

P「お前たち伏せろ!」バッ!!

アーニャ「っ!?」

みく「わっ!?」

ドガアアアアアアアンッ!!!!


「わあああああああっ!?」

「な、なんだ、テロリストか!?」
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:50:25.23 ID:WNg5z6tL0

P「ぐっ……ち、近くにライフルが着弾したのか……危ねぇ……」

みく「お、お兄さん大丈夫……?」

アーニャ「あなた……」

P「怪我がないならいい。逃げるぞ!」

みく「う、うん……!」

アーニャ「……アーニャの、機体!」バッ!


サーフス『……』ドシュゥンッ!

ドガアアアアアアアンッ!!!!

アーニャ「くぅっ……! し、しまった……道が……!」

P「お前も来い!」

アーニャ「えっ……」

P「いいから来い!!」タタタタタッ!!

……
…………

211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:51:31.23 ID:WNg5z6tL0
――オーレンバーグ(戦闘区域)

ドガァンッ!! ドガアアアアンッ!!!!

みく「わっ、わわっ!!」タタタタタタッ!!

P「グラース部隊、こっちが逃げるまでは空でドンバチやっててくれよ……!!」

アーニャ「ドコに!!」

みく「ここ! お兄さん!」タタタタタッ!!

アーニャ「モービル……!」

P「俺のメット被れ! みくと2人で後ろに乗れ、早く!」

アーニャ「……!」バッ!

みく「お兄さん早く早く!!」

P「わかってる! 飛ばすから落ちるなよ!」ピッ、ピッ!

みく「みくは今のうちに泉チャンに……!」

P「お前、あの機体、クラウソラスはどこに置いてきたんだ!」

アーニャ「駐屯地デス!」

P「そっちまで行くのかよ……!」

……
…………

212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:52:42.99 ID:WNg5z6tL0
――ニューウェーブ(ブリッジ)

ピピピッ!

泉「あらみく? 通信送ってきたってことはもう戻ってきたの?」

みく『んなこと言ってる場合じゃなくなったの! 町にテロリスト出てきちゃった!!』

泉「ええっ!? ちょ、ちょっと待って!」カタカタカタッ!!

ピッ!

加蓮『……何』

泉「オーレンバーグの情報、何か届いていないの?」

加蓮『ううん、まだ何にも』

みく『どうでもいいけどキャットウォーカー頂戴! 何かで飛ばしてきて!!』

泉「そこに彼はいるの?」

P『話は聞こえている! 俺たちも急いで町の外に出るが、見たところテロ部隊の奇襲に遇って町の防衛部隊が浮足立っているみたいだ。少し危ない状況だ』

泉「わかったわ。座標ポイントはすぐ転送するから気を付けて」

加蓮『……ふーん』

ピッ!

……
…………

213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:53:13.00 ID:WNg5z6tL0
――オーレンバーグ(駐屯地前)

バッ!

アーニャ「2人は避難を! 早く町から逃げて!!」タタタタタッ!!

P「……お前も、気を付けろよ」

アーニャ「……はい」タタタタタッ!!

みく「……」

P「よし、俺たちも逃げるぞ」

みく「……ねえ、お兄さん」

P「どうした?」

みく「……ううん、何でもない」

……
…………

214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:53:55.59 ID:WNg5z6tL0
――オーレンバーグ、戦闘区域

アーニャ「クラウソラス、機体状況確認、セーフティ解除」カタカタカタッ!!

アーニャ「起動確認、艦長!」ピピッ!

艦長『状況は把握している。こちらのグラース部隊を戻して先行対応させるが、一部のサーフスと防衛部隊が市街地戦闘に切り替えている。アナスタシアはそちらの援護に向かえ』

アーニャ「了解です!」ピッ!

ドシュゥンッ!!

アーニャ「っ! こちらにも……!」

サーフス『……』ドシュゥンッ!

ドガアアアアアアンッ!!

「ぎゃあああっ!!」

「ああっ!!」

アーニャ「人が……! この!!」ガションッ!!

ギュオオオオオッ!!

アーニャ「地上にいるサーフスは……4機! 市民の避難が優先……こちらが地上でライフルを使うわけには……!!」

……
…………

215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/24(金) 18:55:26.96 ID:WNg5z6tL0
――オーレンバーグ(郊外)

P「ニューウェーブまで逃げるにしても距離があるか……」

みく「泉チャン! キャットウォーカーまだなの! ポイントどこ!」

ピピピッ!

泉「そろそろ来るわよ」

みく「は?」

ギュオオオオオオオッ!!!!

P「うおっ!? キャットウォーカー……オートパイロットで来たのか」

みく「助かったぁ〜! お兄さん早く乗ろ!!」

パシュンッ!

……
…………

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