【安価】NEX-USの世界でアイドルたちが戦うようです

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 20:24:43.38 ID:owtumyXAo
ヴァルキュリアの人?
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 20:26:50.56 ID:9kf/zxSC0
――翌日、ナシヤマ、市街区、Pの家(Pの部屋)

ピピピピッ! ピピピピッ! ピピピピッ!

P「……ん」

ピピピピッ! ピピピピッ! ピピピピッ!

P「……はい、もしもし」ピッ!

『おはようP君。あっ、もしかして寝てた?』

P「昨日……結構、仕事……遅かったから……」

『ゴメンね。今日の昼、予定通り来れるかしら?』

P「ひる……昼、昼……ああっ!?」

『あら、元気いっぱいね。もしかして忘れちゃってた?』

『仕事を忘れるなんて社会人失格ウサ! 悔い改めるウサ!』

P「いやもう、うっかり……でも大丈夫、行きます、行きます」

『いっつも忙しそうにしているものね。時間取れるときに来てくれるとこっちも助かるけど』

P「昼頃にはカレッジに行きます。 トレースデータですよね? 前に作った奴があるので」

『お願いねー。あと、制作してる子たちの作品も見てもらえると嬉しいけど』

P「俺もモービルに絡む仕事終わったばかりですし、ちょうど触りたいなって思ってたところだし大丈夫ですよ。それじゃあ昼に」

ピッ!

P「いまは……9時か。シャワー浴びてから出るか」

……
…………
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 20:27:47.94 ID:9kf/zxSC0
>>11
どのヴァルキュリアかはわかりませんが、ヴァルキュリアのSSは書いたことはあります。
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 20:30:23.87 ID:zqJ9QlbFo
奈緒がエロゲをプレイする人か
もしくは大魔王ちひろの人
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 20:31:27.47 ID:9kf/zxSC0
――午前、ナシヤマ、オオイシ工業カレッジ(講義室C-1)

亜里沙「――管理衛星から採掘していたエネルギー資源を巡り、国際連合は分裂しました」

亜里沙「表B群のコロニー建造に携わる国家、及び管理下コロニーが国際連合から離脱しコロニー連合として再編成し独立」

亜里沙「国際連合自体も再編成されて地球連邦となりました。MBG共和国の成立時期の連邦のお話は次の機会として……」

みく「……」カタカタカタッ!

亜里沙「後に地球連邦はエネルギー資源の確保の為に、木星圏宙域に存在していた資源衛星及びそれを管理している一部の第一次産業コロニーの所有を巡りコロニー連合との小規模戦争に――」

亜里沙「……あ、チャイム鳴っちゃったわね。それじゃあ講義はおしまいです。次の講義の教室に移動しておいてください」

ウサコ『遅刻すると次の講義の先生に迷惑ウサ! お昼休みまで頑張るウサ!』

「っはー、終わった終わった」

「レポート書いた? 今週末まででしょ?」

みく「ふわぁ……早く午後にならないかなぁ……」

……
…………
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 20:32:50.54 ID:9kf/zxSC0
>>14
奈緒にエロゲさせようとする人は滅多にいないと思うのでそれなら私です
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 20:38:20.76 ID:9kf/zxSC0
――ナシヤマ、市街区

『それで、今回地球で発生している規模の大きい紛争について、どうお考えですか? 川島アナウンサーは地球に行ったことは?』

『私は地球に行ったことはないんですけど……そうですね、規模の大小はあれど地球連邦、コロニー連合でそれぞれ紛争が起きている報告は上がっていますし』

『MBG共和国としては、NEX-USを始め両国に提供している技術、資源もあります。コロニー建造の影響で起きているエネルギーや技術問題の争いに巻き込まれないかは不安ですが……』


P「紛争か…俺の担当しているアイドルのI@LPに支障がなければいいが……」

P「こういうときは、NEX-USの秘匿制度がネックだな……まあ、言っても仕方がないか」

P「それにしても、カレッジに行くにしても少し早く出過ぎたな」

P「……どうしたもんか、早めに行ってもいいけど手持ち無沙汰になりそうだし、慌ててもな」

※安価選択
1.工業カレッジに向かう
2.少し町で時間を潰す
↓1
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 20:39:24.17 ID:XS8Lz0W/O
1
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 20:44:49.82 ID:9kf/zxSC0
>>18
a.1 1.工業カレッジに向かう

※シナリオルートが分岐しました。
※特定アイドルのシナリオフラグが更新されました。


P「少し早いが、カレッジに向かうか。亜里沙先生は講義中だろうけど、休憩所かエントランスで待っていればいいし」

P「それにしても……」

ピッ!

P「モービルの挙動のトレースデータくらい、学生に作らせておけばいいと思うんだが……今時期やっている課題ってそれこそモービルの制作なんだし」

P「俺も技術屋に就職してれば今でもモービル弄ってたんだろうけど……ま、今はネットアイドルのプロデューサーが仕事だし……先生の頼みなら仕方ないか」

P「タクシー、タクシー……いた。すみません、H8ブロックのオオイシ工業カレッジまでお願いします」

……
…………
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 20:48:22.62 ID:9kf/zxSC0
――1時間後、午前、ナシヤマ、オオイシ工業カレッジ(廊下)

亜里沙「ゴメンねP君、ありさ先生もファクトリーでやってる仕事は詳しいこと知らないんだけど……」

P「いや、大丈夫ですよ。俺がいた頃からここは隣のファクトリーから無駄な手伝い押し付けられてるし、亜里沙先生も大変でしょう?」

亜里沙「あっちで開発している新しいモービル、フライトモジュールの移行シークエンス部分の制御が難しいんだって」

P「ふうん……どこの企業の下請けでやってるんだろうか」

ウサコ『そこまでは聞いてないウサ!』

亜里沙「うさうさーって、うちの生徒たちは授業終わったら課題もあるしファクトリーによく行ってるけどそんな話も聞かないし……」

亜里沙「ナシヤマって地球連邦非加盟国でMBG共和国所属だから、オート・クレールとかの下請けなのかなぁ……ウサコちゃんはどう思う?」

ウサコ『知らないウサ! ウサコは研究員でもないしそんな情報なんてお昼休みでも聞かないウサ!』

亜里沙「あらー、やっぱりそうなのね」

P「オート・クレールなら自分たちで開発部持ってますし、どうだろう。あそこの外注先の話はあんまり聞かないが……」

亜里沙「やっぱりP君、そういうの詳しいんだ?」

P「まあ、この学校に通っていましたし」

亜里沙「ありさ先生は学部が違ったから、こういう話全然分からないのよね。先生になって、機械工学科の話も少しは聞くようになったけど」

P「まあ一般科はこっちの授業もそんなに無かったはずだし……とりあえず今日は早いところデータ渡して帰りますよ。せっかくの休みなんだし」

……
…………
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 20:55:59.38 ID:9kf/zxSC0
――オオイシ工業カレッジ(実習室)

教授「すまんねP君、わざわざ持ってきてもらって」

P「いえそんな。たまにモービル用のデータの作成依頼来ますけど、そんなに手が回っていないんですか?」

教授「ファクトリーも色々と間に合ってないみたいでね。向こうの仕事をこっちにまで寄こしてこないでほしいものだが……」

P「まあ、俺は小遣い貰えるからいいですけど」

教授「本業のほうが忙しいだろう?」

P「……まあ、そうですね。忙しいですが、楽しくやってます」

教授「そうか。君なら技術職や、モービルやOMDAのパイロットもいいかと思ったんだがね」

P「こんな時代ですから。技術職やって、OMDAみたいな戦闘機を作る仕事とか回って来ても嫌だし、それのパイロットになってまかり間違って戦闘することになるのも嫌ですよ」

P「NEX-USも普及していますし、今の仕事に就くことが出来て良かったと思ってます」

教授「とはいえ、まだモービルには興味あるんだろう? この前の大会、君のところのアイドルが仕事したんだろう?」

P「はははっ、実績と上手い具合のコネでちょっと機会があっただけです」

教授「それなら、後でファクトリーに寄っていくといい。ガレージに学生の作品があるし、まだ作業してる子たちもいるだろう」

P「亜里沙先生にもそのお話はしてもらいました。それじゃお言葉に甘えて……IDはここの使ってもいいですよね」

教授「権限ならついているはずだから構わんよ」

……
…………
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 21:00:50.54 ID:9kf/zxSC0
ちょっと怪しいですが、本編を進める前に少しキャラクターシートを作ります。
デレステをプレイしている方であれば既にメンバーは分かっていると思いますので、名前は伏せません。
以降使用したいので、どなたかいらっしゃいましたら、出来ればご協力をお願いします。連続で踏んでもらっても全然OKです。
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 21:01:57.56 ID:MRQV7Q5Bo
いるよ
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 21:03:35.15 ID:owtumyXAo
はい
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 21:03:47.76 ID:ERlCasUD0
期待
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 21:04:40.98 ID:XS8Lz0W/O
はい
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 21:05:15.96 ID:9kf/zxSC0
ありがとうございます。では

キャラクターシート作成

キャラ名:前川みく
操縦技術:↓1のレスのコンマ2桁
親愛度 :↓2のレスのコンマ2桁/2の値

キャラ名:アナスタシア
操縦技術:↓3のレスのコンマ2桁
親愛度 :↓4のレスのコンマ2桁/2の値

キャラ名:中野有香
操縦技術:↓5のレスのコンマ2桁
親愛度 :↓6のレスのコンマ2桁/2の値

キャラ名:星輝子
操縦技術:↓7のレスのコンマ2桁
親愛度 :↓8のレスのコンマ2桁/2の値
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 21:06:05.90 ID:ERlCasUD0
ふみ
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 21:06:16.96 ID:owtumyXAo
はい
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 21:06:28.47 ID:3ShToBSEo
みくつよい
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 21:06:42.89 ID:ylp6P0b1o
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 21:06:54.61 ID:09yPy+P3o
はい
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 21:07:05.16 ID:YcP7eKp4o
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 21:07:09.62 ID:XS8Lz0W/O
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 21:07:31.39 ID:fu+Sjnw7o
どうかな
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 21:07:39.11 ID:owtumyXAo
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 21:12:12.54 ID:9kf/zxSC0
集計結果です

キャラ名:前川みく
操縦技術:90
親愛度 :48

キャラ名:アナスタシア
操縦技術:47
親愛度 :45

キャラ名:中野有香
操縦技術:61
親愛度 :8

キャラ名:星輝子
操縦技術:62
親愛度 :20
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 21:16:17.32 ID:9kf/zxSC0
みくいきなりこんな数値か
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 21:17:08.93 ID:9kf/zxSC0
――オオイシ工業カレッジ(廊下)

P「さーて、用事も終わったことだし、どうしようか」

P「腹も減ったし学食で飯食ってから行くか、さっさとファクトリーに行ってモービルでも見に行くか……」


※安価選択
1.学食に行く
2.ファクトリーに行く
↓1
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 21:17:23.34 ID:fu+Sjnw7o
2
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 21:25:42.33 ID:9kf/zxSC0
>>40
a.2 2.ファクトリーに行く


――オオイシ工業カレッジ(通路)

P「まあ、ファクトリーに行くか。IDも借りているのは一日だけだし」

P(とはいえ……今の機械工学科で知ってる子なんていないんだよな……)

P(亜里沙先生にでも話して、学科の子紹介してもらうか……)

P「ん?」



みく「……」


P(今通路の脇から出てきた生徒……)


みく「もー……いつの間にここのインジケータ弄ったんだろ……稼働のタイミング変わってるじゃん……」ブツブツ

みく「明後日に現行評価なんだからいきなり変なところ変えなくていいのに……」ブツブツ


P(歩きながら端末弄って文句言ってるのは間違いなく機械工学科の生徒だな。モービルの製作のことだろうが)

P「……キミ、ちょっといい?」


みく「……はい?」

P「キミ、機械工学科の生徒だよね?」

みく「……はい」

P「学科でグループ組んで、モービルの制作とかやってる?」

みく「……今は課題制作の時期だから、やってますけど」

P「やっぱりそうか。僕、ここのOBなんだけど、今日は教授から頼まれたことがあってカレッジに来ていたんだ」

P「そしたら帰る前にファクトリーのガレージにある学生の作品を見て帰ってもいいって話をもらって、よかったらキミのグループで制作しているモービル、見させてくれないか?」

みく「……教授から言われてるなら、いいですけど」

P「そうか、ありがとう。これ、一応僕のID。Pっていうんだ、よろしく」

みく「……前川みくです」

P「みくちゃんか。突然で悪いけど、よろしく頼むよ」

……
…………
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 21:33:57.45 ID:9kf/zxSC0
※シナリオルートが分岐しました。
※特定アイドルのシナリオフラグが更新されました。


――午後、オオイシファクトリー(正門)

みく「機械工学科です。モービルのガレージの使用に来ました。IDです」

ピピッ!

守衛「IDチェックOKです」

P「随伴の外来です。許可コードも発行されているはずなので、こちらのIDの確認もお願いします」

ピピッ!

守衛「P様……発行元とコード期限の確認が出来ました。16時まで有効になっています」

P(そんなに長い時間いる予定はないんだけどな……)

P「ありがとうございます」


『搬入車両が入場します。搬入車両が入場します』


守衛「おっと、すみません、少し脇のほうに……」

P「おっと……」

みく「わっ……ずいぶんたくさん入ってくるし」


「すみません、搬入車両のリストになります。事後になりますが承認願います」

守衛「リストデータは回しておきますから移動願います。入庫作業は少し待って頂ければ」

「ありがとうございます。今日は依頼されている分が多くて大変ですよ」

守衛「お疲れ様です。車両チェックのスタッフもすぐ来ますので、よろしくお願いします」


P「……」

みく「こっち」

P「おっと、待ってくれよ」

P(今日は外来が多いのか……)

……
…………
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 21:40:21.35 ID:9kf/zxSC0
――オオイシファクトリー(ガレージ)

P「おー、結構凄いなぁ」

みく「うん。今年の学年ならうちのグループが一番良い出来のモービル作ってるから」カタカタカタッ!

みく「んー……? 泉チャン、これいつの間に調整入れたんだろ。後で動かしておかないと……」カタカタカタッ

P「馬力重視だけど、設計も面白いじゃないか。流線形のフォルムでこのフレームの分割の仕方は俺がやっていた頃は無かった発想だなぁ」

みく「お兄さん、結構詳しいんだ」

P「まあ、卒業生だしね」

みく「モービル関係のお仕事してるの?」

P「いや、そっちの仕事には行かなかったよ。声掛けてくれたところもあったけど、いまは芸能関係の仕事をしてるよ」

みく「……へー」ピクッ

P「これ、テスト走行の記録も結構良い結果出てるじゃないか。パイロットはグループの子がやってるのか?」

みく「私」

P「え、キミがパイロットなのか、それは凄いな!」

みく「みくはあんまり開発得意じゃないから、パイロットメインなの」

P「へえー、これなら学部内のバーチャルモービルのオンラインスコアもいいんじゃないか?」

みく「お兄さんがいた頃もあったの?」

P「あったあった。みんなよくやってたなぁ。現物は中々飛ばす機会がないから、作ったモービルのデータ打ち込んでシミュレーターやってたよ」

みく「フーン……まぁーみくは結構操縦上手いから、カレッジの中でも結構上位だもんね」

P「おー……最近はみんな覚えるの早いんだなぁ……やっぱモービル弄るの楽しいな」カタカタカタッ!

……
…………

44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 21:46:24.47 ID:9kf/zxSC0
――ナシヤマ、H6ブロック(車道)

「H6ブロックに入った。先頭2台の車両はそのままファクトリーに向かえ。こちらの準備は済ませておくから、現地に付いたら合図を送れ」

ピピピッ!

『りょーかい! ウチらがさっさと終わらせてくるからな!』

輝子『さ、3部隊もいれば……何とか、なる、かな……』

「よし、頼むぞ。後続の全車両、これより停車してラプターに搭乗する。後々のこともある、なるべく市街地側に銃は向けるなよ。脱出ルートを確保しつつ、暴れるのは森林区画寄りだ。気を付けろよ」

『了解!』

『了解、ラプターで出ます!』

ピッ!

「さて、共和国側の情報は正しいのか……連邦を出し抜けるか、ここが勝負だな」

……
…………

45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 21:47:54.57 ID:9kf/zxSC0
――オオイシファクトリー(通路)

有香「はい、陽動部隊はH6ブロックに到着、他メンバーも間もなくこちらに来るということですね」

有香「わかりました。こちらの配置も完了しています。時間になり次第行動に移ります」

ピッ!

有香(H6ブロックの戦闘が開始されて、コロニーの防衛部隊が出てきたとして……ファクトリー職員たちの避難指示までの猶予時間……恐らくはそれほど掛からないはず)


有香「……各班、別動隊の合流を待っては少し遅くなるかもしれません。こちらの仕込みを早めに済ませて、別動隊の到着後も臨機応変に動けるようにしておきましょう」ピッ!

……
…………

46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 21:49:02.04 ID:9kf/zxSC0
――オオイシファクトリー(メンテナンスルーム)

艦長『アナスタシア、メンバーの潜入はどうなっている?』

アーニャ「全員、ダイジョウブです」

艦長『ではこれより作戦開始だ。ファクトリー内の地図はそれぞれの端末に転送してはいるが、目的のポイントはミーティングで説明した場所のどちらかだ。急げよ』

アーニャ「はい。それでは、行きます」ピッ!

「では作戦を開始する。A班は靴の確保、B班は新型機の奪取もしくは破壊だ。作戦時間は長くない。コロニーの防衛部隊が来るまでの時間を考慮して動けよ」

アーニャ「了解、です」

……
…………

47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 21:50:35.00 ID:9kf/zxSC0
――土星圏宙域、コロニー連合管理コロニー『ホクドウ』、軍管区、統合軍本部(通路)

「千川少佐」

ちひろ「はい? 何かありましたか?」

「βの件で――」

ちひろ「おっと……その件なら場所を移しましょうか」

……
…………

48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 21:51:49.69 ID:9kf/zxSC0
――統合軍本部(会議室)

「ローカル端末です。外部通信は一時的にすべて切断済みです」

ちひろ「……オペレーションβ、間もなく作戦開始ですか。ナシヤマに向かった部隊も、そろそろでしたね」ピッ、ピッ

「別ルートからネットワークへの侵入も試みましたが、やはりH8の一部施設のみ切り離されています」

ちひろ「自分たちの物ですし、共和国ならNEX-USを介してのデータ転送も出来るでしょうけど……こちらが網を張っているのも気付かれているようですね」

ちひろ「恐らく連邦側も同じことを考えているはず。靴自体はなくても、データ解析ならと思いましたが……」

ピピピッ!

ちひろ「はい、千川です」

『千川少佐、オペレーションFの会議が間もなく始まりますが……』

ちひろ「別件がありました。すみません、すぐに向かいますので」

ピッ!

ちひろ「すみません、オペレーションFのほうもありますのでこれで。βの件は随時報告お願いします。F開始のタイミングでのプランの移行を見極めたいので」

「了解です」

ちひろ(さて……どこにあるのやら、靴……どこに――)

ちひろ「……」

……
…………

49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 21:57:12.09 ID:9kf/zxSC0
――オオイシファクトリー(休憩所)

みく「うぐぐぐ……お兄さん結構やるし……」

P「まあ、たまにモービルのシミュレーター弄るくらいはやってるから。まだまだ現役学生に負けるわけにもな」

みく「くぅ〜!! ジュース飲んだらもう1回! もう1回やろ!」

P「ははっ、わかったわかった。それじゃ後は――」

ジリリリリリリリリッ!! ジリリリリリリリリッ!!

みく「え?」ビクッ!

P「施設内警報? 何かあったのか?」

みく「放送流れてこない……? テレビテレビ……」ピッ、ピッ、ピッ


『緊急速報です。ただいまH6ブロックでコロニー連合の戦闘機の存在が確認されました』

『なお、識別コードについては管制塔側で事前申請の無いものとして、コロニー連合の攻撃か、テロリストの活動かと思われます』

『H6ブロック周辺にお住まいの住民については、お近くのシェルターへの避難をお願いします。繰り返します……』


50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 22:01:17.40 ID:9kf/zxSC0
みく「え、戦闘?」

P「おいおい嘘だろ……ナシヤマは地球連邦の非加盟コロニーだぞ。なんでコロニー連合がここで戦闘するんだよ」

みく「ど、どうしよ、お兄さん……」

P「冗談には出来ん話だろうし、とりあえず避難しよう。ファクトリーの近くならH6ブロックとは反対方面のコロニーホールがあるからそこまで行こうか」

みく「う、うん――」


ドガアアアアアアアンッ!!!!


P「うわっ!?」

みく「にゃぁっ!?」ビクッ!

P「い、今の音……ファクトリーのどこかで爆発か!?」

ドガアアアアンッ!! ドガアアアアンッ!! ドガアアアアンッ!!

みく「うわっ、うわっ!? めっちゃ揺れてるし!?」

P「いや、戦闘機の攻撃とは違う……建物も揺れてるってことは……みくちゃん、逃げるぞ!」

みく「ええっ!? で、でも、避難の放送がまだ……」

P「さっきテレビで見た戦闘とは別で、こっちはこっちで変な奴らが戦闘を始めてるかもしれん。避難警報も出ないし、ファクトリーから出るぞ!」

みく「うっそー……」

……
…………

51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 22:07:07.68 ID:9kf/zxSC0
――オオイシファクトリー(正門)

「ショーコ! こっちは他の部隊に派手に暴れてもらうから、予定しているルートからファクトリーに入るぞ!」

輝子「ヒャッハアアアアアッ!! やってやるぜえええええええ!!」

輝子「マッシュルームボム! シイタケグレネードォォ!!」

「あんまり作戦中にヒャッハーするなよ! うるさくて気付かれるだろ!」

輝子「ご、ごめん……」

「地図は確認したし、A棟が爆発したってことは、先行部隊が何かしてくれたんだろうけど……今がチャンスだ!」

輝子「せ、先行してる……部隊との、合流ポイント……早く、いこう……」

「よーし、いっくぞー!!」

……
…………

52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 22:10:28.56 ID:9kf/zxSC0
――オオイシファクトリー(通路)

ドガアアアアアアンッ!!

アーニャ「この音……もしかして、コロニー連合側の……!?」

「あっちも同じタイミングで戦闘!? チッ、コロニー連合の奴ら、騒ぎやがって……」

アーニャ「ンー、多分、聞いていた他の派閥が……こちらも、急ぎましょう。コロニー側からすれば、連合はどの道敵です。艦長、どうしますか」ピピピッ!

『コロニーの防衛部隊との戦闘は想定していたが、こうなるか。どこかで情報が漏れたか……とはいえ、こちらも動かなければどうにもならん』

『プランの変更は無しだ。靴のデータについては奪い合いになる可能性もある。情報のあった新型機についてはアナスタシア、お前が向かえ』

アーニャ「はい。ファクトリー内の工場まで、向かいます」

『コロニー連合の奴等なら撃っても構わんが、民間人はなるべく犠牲にするなよ。他の者は靴のデータを探せ』

アーニャ「いきます!」

……
…………

53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 22:16:14.47 ID:9kf/zxSC0
――オオイシファクトリー(裏門前)

P「くそっ! なんで裏門のロックが掛かってるんだよ!」ピッ、ピッ、ピッ!

みく「そりゃ裏門だからじゃ……」

P「ここは普段はセキュリティがザルで、敷地内の工場職員が頻繁に出入りする場所だから開けっ放しにしてるはずなんだよ……」ピクッ!

P「……」

みく「お兄さん?」

P(コロニー連合の奴らがここで戦闘を始めたとして、正門から攻めてきている奴らがいて、職員が外に出る為の裏門はロックが掛かって、施設内放送が流れなかったのと……)

P(ここの敷地内で戦闘をしている奴らは、この出入り口封鎖したってことか? もしくは、この出入り口以外の……となれば)

P「ここはダメだ。急いで移動しよう」

みく「ええっ!? ど、どこいくの?」

P「多分、事前にファクトリーに潜入して色々工作している奴らがいると思う。避難誘導の放送が流れなかったり、裏門にロックを掛けているのは俺たち一般人が騒いで内部を混乱させるのが目的のはずだ」

P「戦闘をしている奴らの目的は分からないけど、外のH6ブロックの奴らとここを攻めてきた奴らは恐らく同じ……」

P「ファクトリーの外の状況は詳しく分からないけど、戦闘機が持ち込まれているならここももっと派手に壊されているだろうし、それが無いってことは」

みく「そっか、逃げる手段がどこかにあるんだ!」

P「工場には下請けで開発しているモービルがあるはずだ。それを奪って逃走手段にする可能性もある。俺たちもそこに行こう」

みく「でも、危ないんじゃ……テロリストだってそこに来る可能性あるんでしょ?」

P「ここにいて戦闘に巻き込まれて爆死するよりはまだマシかもしれないし、とりあえず移動しよう」

みく「う、うん……」

タタタタタッ!

……
…………

54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 22:23:29.87 ID:9kf/zxSC0
――オオイシファクトリー(研究室)

バッ!!

職員「誰だ!?」

ドガガガガガガガッ!

職員「ギャアアアアアッ!?」


「……よし、突入」

輝子「お、おう……」

「さっさと靴を探すぞー!」

「金庫は破壊ではなく解錠で済ませろ。残りはデータの確認だ」

輝子「で、データ、データ……ぼっちー、ぼっちー……」カタカタカタッ!

「うー……靴、靴のデータ……解析データ見つからないぞ」カタカタカタッ!

「ダメです。金庫も解錠しましたが靴はありません!」

「クソッ、一体どこに……情報ではここで解析しているはずだが……」

輝子「……あ」

「どうしたショーコ?」

輝子「データの転送ログがあった……場所、第二工場……解析データかな……これ……」カタカタカタッ

55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 22:25:51.57 ID:9kf/zxSC0
「場所が移されていたか。よし、これから第二工場へ向かう。機体もあるなら靴と一緒に奪って脱出するぞ」

輝子「り、了解……」


バンッ!

有香「動くなっ!」


「誰だ!」

有香「別動隊……! もうここまで来ていましたか」

「先行していた部隊の者か。遅いぞ!」

有香「連邦の部隊と接触してしまい遅れました。どうやら向こうは工場に向かったみたいです」

「奴らも嗅ぎつけていたか……こちらも急ぐぞ」

有香「はいっ!」

輝子「フヒッ……ま、間に合うかな……」

……
…………

56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 22:29:06.54 ID:9kf/zxSC0
――オオイシファクトリー(第一工場前)

みく「こっちまで来たことないにゃ……」

P「学生が入れる場所じゃないからな。よかった、ここはまだ戦闘が起きてないか」

P「第一と第二、どっちにモービル置いてるんだ……いや、ここで迷っても仕方がない……!」ピッピッピッピッ!

『IDが認証されました』

P「よし、とりあえず入ろう」

みく「う、うんっ」

タタタタタッ!!




タッタッタッタッ!

アーニャ「……工場前」スッ

アーニャ(情報通りであれば、新型機は……)

タタタタタッ!

アーニャ「……」ピッピッピッピッ!

『IDが認証されました』

アーニャ「ここからは、ファクトリーの職員も……応戦してくるでしょうか……」

……
…………

57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 22:34:34.92 ID:9kf/zxSC0
――オオイシファクトリー(第一工場内通路)

職員「誰だ!」

P「すみません、今日外来で来た者です! カレッジの学生と一緒にいるんです!」

みく「助けて!」

職員「学生……IDはあるか?」

みく「こ、これ……」

職員「工学部の生徒か……分かった。奥に行きなさい。そこの階段を上がって、事務室のほうにいなさい」

P「ありがとうございます。さあ、行こう」

みく「怖かったぁ……」

P「……あの、なんで銃を」

職員「頭のおかしなコロニー連合の奴らが攻めてきたからに決まってるだろう」

P「……ここに、何かあるんですか?」

職員「さっさと行け! ここにいられても邪魔なだけだ!」

職員「クソッ! こっちにまで問題を寄越しやがって!!」

P「……」

P(あの様子……このまま素直に移動していいんだろうか……)

※安価選択
1.事務所に避難する
2.別の場所に移動する
↓1

58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/30(火) 22:35:16.33 ID:ERlCasUD0
1
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 22:44:59.01 ID:9kf/zxSC0
>>58
1.事務所に避難する


――オオイシファクトリー、第一工場2階(事務室)

みく「はぁ……助かったぁ」

P「とりあえず避難できたが……」

みく「事務室の中めっちゃくちゃ……機材置きっぱなしだし」

P「……」

みく「あ、これうちで使ってるとこのフレーム素材だ。こんなの置きっぱなしとか……もってっちゃおうかな」

P「こらこら、そんなことしている場合じゃ――」

P(……これは)

みく「ん、どしたのお兄さん?」

P(開きっぱなしの端末……このデータは……モービルの設計図……?)カタッ

カタカタカタカタッ!

P(いや、違う……? もしかして、これは――)

ドガアアアアアアンッ!!!

みく「うひゃああっ!?」

P「うおっ!? この爆発、ち、近いぞ……っていうかこの工場じゃないか」

みく「や、やっぱりモービルで逃げる!?」

P「そうするか……くそっ、時間を無駄にしたか……早いところモービル探してればよかった……」

みく「もおおおおお……!」

……
…………
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 22:46:09.07 ID:9kf/zxSC0
※アイドルのステータスが更新されました

キャラ名:前川みく
操縦技術:90
親愛度 :48→53
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 22:49:34.41 ID:9kf/zxSC0
――オオイシファクトリー、第二工場1階(製造工場前)

「職員や警備の応戦が激しい……ショーコ、やっぱりこっちはアタリみたいだぞ!」パァン! パァンッ!

輝子「フヒッ、そ、そうだな……でも、これじゃ奥にいけない……」

有香「伏せてください、グレネードを……!」ブンッ!

ドガアアアアアアアンッ!!

「よしっ! いいぞ、このままウチがまとめて――」バッ!


パァンッ!!


「え――」


ドサッ!


「……」


輝子「あ……あ、あ……」

有香「くっ、こちらの数の差が……!」パァンッ! パァンッ!

輝子「う……う、うううおおおおお前らああああああ!!!!」バッ!

有香「なっ!? 待ってください!」

輝子「よくもおおおおおお!! ゴートゥーヘェェェェェルゥゥゥゥ!!」ドガガガガガガガガッ!!

職員「がっ!?」

警備員「ぎゃあああっ!?」

有香「なんて無茶苦茶な……ですが、これで奥に……行きましょう!」

輝子「くそっ、くそっ……クソッ!!」

タタタタタッ!


「……ご、め……こう……さ……の……の……」


……
…………

62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 22:52:03.36 ID:9kf/zxSC0
――オオイシファクトリー、第一工場1階(通路)

ドガガガガガガガッ!!

職員「撃て! これ以上奥に行かせるなよ!」


P「くそっ、もうここまで戦闘になってるのか……」

みく「ひぃぃ……」

P(遠目でハッキリとは分からないが、攻めてきているのは地球連邦の兵士か? コロニー連合の戦闘機が外を攻めているはずじゃあ……)

P(連邦非加盟国のMBG共和国のコロニーなのに、両方から狙われるってことは……)

P「みくちゃん、向こうで職員たちが応戦している間に急ごう。やっぱりここは何かおかしい」


……
…………

63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 22:56:21.33 ID:9kf/zxSC0
――オオイシファクトリー、第二工場1階(製造工場)

タタタタタッ!

有香「これは……!」

輝子「せ、戦闘機……」

有香「2機……ラプター……いえ、新型?」

輝子「く、靴は……」キョロキョロ

有香「データの転送先になった端末は……これでしょうか」カタカタカタッ!

ピーッ!

有香「認証コード……システム遮断……!? くっ、認証が無ければ端末データが破棄される仕掛けに……!」

輝子「く、靴が無理なら……これ、持って帰ろう……動かせるか、分からないけど……」

有香「そうですね。新型の情報もありましたから、手ぶらでは帰れません。あなたはそちらの機体に!」バッ!

輝子「もう乗ってる……これ、なんだ……?」カタカタカタカタッ!

ピッ、ピッ、ピッ!

有香「これは……機体本体のベースは……いえ、共和国のOMDですが、搭載されているシステムは……?」

……
…………

64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 23:01:52.75 ID:9kf/zxSC0
――オオイシファクトリー、第一工場1階(製造工場)

P「これは……戦闘機!?」

みく「うぇっ、モービルじゃないの!? ていうか、ここに戦闘機があるって絶対おかしいよ!」

P「しかも置いているのは連合のラプターって……OMDですらないのかよ」キョロキョロ

P「奥にも機体が……あれは見たことが無い……もしかして、あっちは新型か?」

みく「お、お兄さん、どうしよう……?」

P「とりあえずこれに乗って外に出るしかないだろう。メンテ用の梯子がある。コックピットハッチまで登ろう」

みく「み、みくはさすがに戦闘機は乗ったことないんだけど……」


パァンッ! パァンッ!

職員「ぐっ……」ドサッ!



P「銃声……!? マズイ、みくちゃん急いで!」

みく「お兄さんは!?」

P「ちゃんと後ろにいる! 早く機体に登るんだ!」


アーニャ(声……!? まだ他にも……)タタタタタタッ!

パァンッ! パァンッ! パァンッ!

ガキィン!

みく「ヒッ!?」

P「銃がこっちに……奥から来てるのか!?」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 23:05:56.26 ID:9kf/zxSC0
みく「の、登ったにゃ! お兄さんも早く!」

P「待ってろ、もう――危ない!」バッ!

みく「わわっ!?」

パァンッ!

P「うぐっ……!?」ドサッ!

みく「お、お兄さん……みくを庇って……お兄さん、お兄さん!!」

P「う、ぐ……」ハァ、ハァ……

アーニャ(ラプターの上……だけど足を止めた今なら……!)タタタタタッ!

アーニャ「動くな!」バッ!

みく「にゃっ!?」

アーニャ「っ!?」


みく「……」

アーニャ「……」


アーニャ(職員の制服じゃない……立地確認に一度立ち寄った、隣の工業カレッジの……民間、人……アーニャの、敵じゃ、ない……)

みく「……」ハッ、ハッ、ハッ……

P「ぐ、う……う……」

アーニャ「……靴は、ない」キョロキョロ

P「……靴?」ピクッ

66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 23:06:45.96 ID:9kf/zxSC0
ドガアアアアアアンッ!!

みく「わっ!?」

アーニャ「爆撃……!? もうここまで……」バッ!

アーニャ(靴は見当たらない……向こうの機体が新型なら、せめてこれだけでも……)タタタタッ!

アーニャ「貴方たち!」

みく「!?」ビクッ!

アーニャ「民間人なら、撃ちません! ここが、崩れる前に、逃げてください!」ピッ!

パシュンッ!

みく「う、え……?」

P「くそっ、あの連邦の兵士……こっちを撃っておいて……ハッチに……ロックは、掛かってない、か……」ピッ、ピッ

パシュンッ!

P「みくちゃん……乗るんだ」

みく「う、うん……」

……
…………

67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 23:07:38.17 ID:9kf/zxSC0
――ラプター機体内

P「機体は使えるか……」ハァ、ハァ……

みく「あれ、戦闘機のコンソール周りって、モービルに結構似てる……?」

P「機体起動……システム……なんだ、これは……?」カタカタカタッ!

みく「……なに、このシステム……これ――」


……
…………
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 23:08:38.22 ID:9kf/zxSC0

アーニャ「新型……このシステムは……」


有香「これは、いえ、私の知っているものでは……」


輝子「ぐ、偶然か……うん……偶然……うん?」


みく「機体のシステム……これって……」


『Network.』
『Enhance.』
『X.』
『Unite.』
『System.』


ピピッ!!

アーニャ「コックピットの中が!?」


輝子「あ、青くなって……目に悪いぞ……あ、色が消えた」


有香「アクティベーション……一体、何に対して……? システム初回稼働……いえ、でもドコに……」カタカタカタカタッ!


みく「ふわあああ……いまコックピットの中で光ってたの、なんだったんだろ……」

P「NEX-US……いや、違う、か……」ピッ!

みく(……えっ?)

パシュウンッ!

……
…………

69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 23:10:27.65 ID:9kf/zxSC0
――ナシヤマ、港

泉「データの消去は?」

「確認できました。どうやら認証コードは解析されなかったようです」

泉「自動削除が起動したならよかったわ。データの吸出しが昨晩中に間に合ってよかった……私たちも急いでここを出ましょう」

「ですが宙域に出ても、恐らく地球連邦かコロニー連合の艦が待機しているかと……」

泉「中の騒ぎも派手にやってくれているし、宙域に滞在している艦を確認できるならコロニーの防衛部隊がOMDAを出して警告を出すはずよ。その隙に私たちも出るわ」

「わかりました。準備を進めます。機体のほうはどうしますか?」

泉「運び出す時間は無かったもの……諦めるしかないわね。そっちのほうが私たちの領分だったけれど」

泉「データの直接搬送も長旅になるわ。中継予定のコロニーへの根回しが出来ているか、後で確認を取りましょう。移動先の選別もしておかないと……」


泉「……本当、嫌な仕事を受けていたのね。こんなことを、したかったわけじゃないのに」


……
…………

70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/30(火) 23:12:21.74 ID:9kf/zxSC0
結構長く続けたので今日はこれで終了します(令和前だし)
いまやっている部分は次回後半部分投下して終わりになります。

長時間お付き合い頂きありがとうございました。
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/02(木) 21:28:57.19 ID:fTmx2Z77o
乙!
楽しみに待ってるわ!
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 02:20:18.59 ID:3dxGhGyF0
5/3(金)の15時頃か、同日の21時頃から再開します
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 15:07:45.84 ID:3dxGhGyF0
シャニマスやってるので21時からにします
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 21:02:50.04 ID:3dxGhGyF0
――オオイシファクトリー

ドガアアアアアンッ!!


P「コロニー連合の汎用人型戦闘機、ラプター……動けるか?」ガションッ!

P「うぐっ! う、腕が……」

みく「お、お兄さん大丈夫……?」

P「大丈夫だ……近場で乗り捨ててシェルターに――」


ドシュウウウウンッ!


P「あの機体……さっきの地球連邦の兵士が乗ったのか?」

みく「飛んで行っちゃった……あれ、他にも2機……さっきのとは別の場所に飛んで行って――」

ドガアアアアアアンッ!!

P「ぐっ!? なんだ、別のラプターがこっちに……連合か……?」

みく「にゃにゃっ!?」

ピピピッ!

P「通信回線?」ピッ!


『おい、お前どこの所属だ? ラプターで一番乗りしたのは俺のはずだぞ?』

P「違う、俺たちは民間人だ。工場の騒ぎで避難する為にやむを得ずこの機体に乗って外に出たんだ」

『……さてはお前、連邦か? 識別コードも無い。こっちで用意したラプターではないな』

ピッ!

P「待て……!」

ドガガガガガガッ!

みく「う、撃ってきたにゃあの糸目!」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 21:09:29.42 ID:3dxGhGyF0
P「あれはラプターだ。コロニー連合で採用されている主力機……んなこと話している場合じゃない!」ギュンッ!

みく「お兄さん動かせるの!?」

P「初めてだ!」

みく「なんで動かせるの!?」

P「操作周りが意外とモービルと似てるからだ! 武装は……!」カタカタカタッ!

ピピッ!

P「アームライフル……これだ!」ガションッ!

ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

みく「当たってないけど!」

P「くっ……う、腕に力が……照準が定まらん……」ハァ、ハァ、ハァ……

みく「そ、そうだ……お兄さん撃たれてケガして……」

ドガガガガガガァンッ!!

みく「にゃあああああっ!?」

P「ぐうぅっ!?」

P「マシンガンの、連射を受けても装甲へのダメージが少ない……おかしい、ラプターはこんなに硬かったのか……?」ハァ、ハァ……

みく「お兄さん操縦桿貸して!!」

P「なっ、だ、ダメだ! 適当に動かせるものじゃないぞ!」

みく「みくだってモービル動かしてるんだから何となくわかるモン! この!!」ギュンッ!
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 21:14:59.15 ID:3dxGhGyF0
みく「操作周り……確かに、モービルと似てる……」ハァ、ハァ……

みく「普通の操縦桿の他に、スクリーンパネルも……こんなの使い方わかんないから……」

P「複数のコンソールで操作制御が出来るのか……今の、戦闘機はこんななのか……?」

ピピッ!

みく「あ、相手の糸目からミサイルが……!」

P「よ、避けろ!」

みく「ええいっ!」ガションッ!

ギュンッ!

ドガガガガガガァンッ!!

みく「よ、避けれる……!」ハァ、ハァッ!

みく「こ、これなら……!!」


※戦闘コンマ判定。前川みくの操縦技術により安価判定が決定されます。
コンマ2桁が5以上で勝利
コンマ2桁が4以下で被弾
↓1
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/03(金) 21:15:55.05 ID:kGTvndHco
はい
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/03(金) 21:16:25.27 ID:kGTvndHco
くそう
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 21:18:18.85 ID:3dxGhGyF0
>>77
判定:5

※シナリオルートが分岐します。


みく「ミサイルと……」ピッ!

ボシュシュシュッ!

P「接近できる……ビームブレイドを使え!」

みく「回り込んで、背中から腕を斬っちゃえば!」カカッ!

シュパアアアアアンッ!

ドガアアアアアアアアアンッ!!

みく「やった!」

P「た、大したもんだな……」ハァ、ハァ……


ドガアアアアアアンッ!!!!


みく「また爆発!? 今度は何!?」

P「あ、あれは……コロニーに穴が……!」

ギシッ、ギシギシッ!!

みく「ま、マズイにゃ……空気が……外に、押し出されちゃう……!」

ビュンッ!!

みく「にゃああああああっ!?」

P「くっ……!」

……
…………
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 21:23:32.34 ID:3dxGhGyF0
――木星圏宙域

みく「うえええ……宇宙に出た後の機体操作なんて分かんないんだけど……」

P「サブのコンソールを貸してくれ……スラスターの制御モジュールを、宙域稼働用に設定すれば大丈夫だ」

ピッ、ピピッ!

みく「おわっと!? い、いきなり姿勢制御がキレイになったし」ガクンッ!

P「回線を開いて救難信号を出さないと……いや、でもコロニーに穴が開いてる状況でそんなもん通るか……?」ピッ、ピッ!

みく「あ、コロニーの外壁に外装保護膜が貼られて……みくたちが通れるくらいの大きさの穴しかなかったから、緊急対応もすぐ出来てるみたい」

P「推進剤も、稼働確認の為の少量しか残っていないか……くっ、腕が……・みくちゃん、そっちの座席周りに非常用キットとかないか?」

みく「んん? ちょっと待って、えっと――」

ピピピピピッ!

ピピピピピッ!

みく「にゃっ!?」ビクッ!

P「センサーに反応? モニター……アンノウン……所属不明機、索敵範囲での該当機体数4……?  だが、機体照合結果が無い……どういうことだ?」

81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 21:28:46.35 ID:3dxGhGyF0

有香『あれは、通常機のラプター? いえ、ですが識別コードがこちらと同じ所属不明機扱いということは……』

ピピッ!

輝子『ファクトリーから……一緒に、出てきたヤツじゃないか……?』

有香『そちらの部隊でラプターが1機やられた報告もある……それなら恐らくはあの機体が……!』

輝子『……お、墜とす、か』


P「照準を付けられて……みくちゃん!」

みく「う、うん!」ガションッ!

ギュンッ!

有香『チッ、動くな!』ガションッ!

ドシュゥンッ! ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

みく「撃ってきた!?」

P「速い……あの機体、新型なのか? 追いつかれる……!」


有香『相手の動きが鈍い? それならこのまま――』

ピピピピピッ!

有香『!?』ビクッ!

ズドォォォンッ!!

輝子『な、なんだ、砲撃……どこから……?』


アーニャ(あのラプターは……さっきの民間人……連合側じゃない、アーニャの、敵じゃない……)



みく『……』

アーニャ『……』

P『ぐ、う……』


ピピピッ!

アーニャ『そこの新型、あなたたちが相手をするのは、この私です……!!』ギュオオオオオッ!!

輝子『通常チャンネルで通信? な、なんだ……あの機体も、新型……?』

有香『いけません! そちらの機体のほうが……!』
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 21:33:43.77 ID:3dxGhGyF0
輝子『そ、それなら……ヒャッハアアアアアアアッ!! キノコミサイルの雨あられだぜえええええええ!!』

ボボボボボボボボボッ!!

アーニャ『この弾幕……くっ!』ギュンッ!!


みく「な、なんかあいつら、みくたち放っておいて戦い始めたし……」

P「今来たあの機体は……もしかして、さっき俺たちがファクトリーで見た――」

ピピピピピッ! ピピピピピッ!

P「っ!? みくちゃん!」

みく「わわっ!? また撃ってきた!」

ドシュゥンッ!

輝子『あ、あっちの新型も……何とかしておきたいけど、こっちのラプターも……逝っちまいなあああああ!!!!』

みく「あっ、あわわわわ……武器、武器……!」

ドガァンッ!!

みく「にゃあああああっ!?」

P「ぐあっ……!」

輝子『お、お仲間さん……こっちのラプターは愚図かも……こっち先にやったほうが、よさそう……』

有香『貴方、結構情緒不安定ですね……ですが、こちらの機体が……!』

アーニャ『やあああああっ!』ギュンッ!!

輝子『だ、弾幕張っておくから、交代してあっちのラプター……墜としといてくれ……』ボシュシュシュシュッ!!

有香『ではお任せしました!』

アーニャ『くぅっ……!? あちらの新型は、弾薬庫か何かでしょうか……近づけない!』
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 21:43:05.85 ID:3dxGhGyF0
P「識別コードも無い新型……どうする、どうする……!」カタカタカタッ!

ピピッ!

P「これは……あの機体情報か!? OMDX-12AS、アラドヴァル……武装は……」カタカタカタッ!

みく「ど、どうしようお兄さん!?」ギュンッ!

P「武装……ロングブレイド、アームライフル……相手はラプターストームやグラースCから空戦用の装備を抜いたような機体か……!」

P「みくちゃん、接近はダメだ、距離を取れ!」

みく「わわっ!? み、ミサイル……!」ガションッ!

ボシュシュシュッ!

有香『弾幕……チッ! 逃がさない!』ギュオオオオオッ!

みく「弾幕も抜けられる……!!」


※戦闘コンマ判定。前川みくのと中野有香の操縦技術により安価判定が決定されます。
コンマ2桁が39以上でシナリオ継続
コンマ2桁が38以下でシナリオ分岐
↓1
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/03(金) 21:43:38.69 ID:Ec9JcaGf0
せいや
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/03(金) 21:44:22.08 ID:efGzsW+l0
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 21:44:32.92 ID:3dxGhGyF0
>>83訂正
※安価は取りません


みく「別のが来たにゃ!?」

P「識別コードも無い新型……どうする、どうする……!」カタカタカタッ!

ピピッ!

P「これは……あの機体情報か!? OMDX-12AS、アラドヴァル……武装は……」カタカタカタッ!

みく「ど、どうしようお兄さん!?」ギュンッ!

P「武装……ロングブレイド、アームライフル……相手はラプターストームやグラースCから空戦用の装備を抜いたような機体か……!」

P「みくちゃん、接近はダメだ、距離を取れ!」

みく「わわっ!? み、ミサイル……!」ガションッ!

ボシュシュシュッ!

有香『弾幕……チッ! 逃がさない!』ギュオオオオオッ!

みく「弾幕も抜けられる……!!」


※戦闘コンマ判定。前川みくのと中野有香の操縦技術により安価判定が決定されます。
コンマ2桁が39以上でシナリオ継続
コンマ2桁が38以下でシナリオ分岐
↓1

87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 21:50:59.21 ID:3dxGhGyF0
>>84
判定:69

※中野有香のステータス更新の内容が変更されます。


みく「ええええいっ!!」ガションッ!

ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

有香『ライフル!? くっ、このっ……!』ドガァンッ!

みく「当たった!?」

ピピッ!

有香『ブレイドが1本……!? あのラプターのパイロット、腕が立つ……!!』

みく「もおおおおおこっち来ないで!!」

P「落ち着けみくちゃん! 何とかナシヤマに逃げたいが……!」

有香『ラプターといえども、あのファクトリーの機体でなら逃がすわけには……!』

ギュオオオオオオッ!!

みく「ま、また来た……!!」
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 21:54:25.99 ID:3dxGhGyF0
>>87訂正

>>84
判定:69

※中野有香のステータス更新の内容が変更されます。


みく「ええええいっ!!」ガションッ!

ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

有香『ライフル!? くっ、このっ……!』ドガァンッ!

みく「当たった!?」

ピピッ!

有香『ブレイドが1本……!? あのラプターのパイロット、腕が立つ……!!』

みく「もおおおおおこっち来ないで!!」

P「落ち着けみくちゃん! 何とかナシヤマに逃げたいが……!」

有香『ラプターといえども、あのファクトリーの機体なら逃がすわけには……!』

ギュオオオオオオッ!!

みく「ま、また来た……!!」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 21:56:31.80 ID:3dxGhGyF0
P「くそっ、こっちだけじゃどうにもならないってのに……!」

有香『ビームブレイドで……墜ちろおおおおおお!!』ギュンッ!!

みく「このままだと、や、やられちゃう……何か、何か――」カタカタカタッ!

ピッ!

『Network.』
『Enhance.』
『X.』
『Unite.』
『System.』

『Connect』

みく「――」ドクンッ!


???『はじめてのアクセス確認。接続元のこの機体は……OMDX-151CX? あれ、データが保存されたのは最近のような……それにデータにある設計と全然違うし。ま、いっか』

???『OMDX-151CXのメインカメラ、機体稼働状況を受信、最適解は……採取完了。転送……フィードバック完了。それじゃ、あとは頑張ってね』


みく「――」ドクンッ!!


『北アイドルランド内戦の地球連邦の戦闘記録。先行した第一カーフス小隊による戦闘データ、少数の部隊運用――』

『オペレーションB、環状型コロニー建造中における元連合兵で構成されたテロ部隊対処における――』


みく「……っ!!」ドクンッ!!

ギュンッ!!

有香『なにっ!?』

ガキィィィィンッ!!

みく「……う、う……!!」

有香『ビームブレイド……この速度での接近で、受け止められた……!?』

P「みくちゃん!?」
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 21:59:00.32 ID:3dxGhGyF0
みく「や……やああああああっ!!」ガションッ!

ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

有香『この機動は!? 明らかに先ほどとは違う、パイロットが変わった……? いえ、明らかに機体ポテンシャル自体が……!』

P「な、なんだ……機体の挙動が……どうなっているんだ?」カタカタカタッ!

P「これは……『FrameStream』……? 内臓されたシステムが、何かをトリガーにして起動しているのか?」ピッ!


??『機体反応……あの機体か』

??『やはり……アイドルなのか、あの機体に乗っているのは……』


アーニャ『あの機体は!? 確か民間人は2人いたはず……どちらかの動き……!?』

輝子『や、やばいな、あれ……思ってたのと違って、結構……キツそうだ……ミサイル入れとくか。てか、この機体実弾ばっかり積んでるな……』ボシュシュシュッ!

有香『このっ、墜ちろ!!』

P「ミサイル……しまった、この位置だと避けたらナシヤマに……!」

みく「……!!」ドシュシュシュンッ!

ドガガガガガガァンッ!!

輝子『は……?』

アーニャ『アームライフルでミサイルを打ち抜いた……操縦技術が、どうしてこんなに上がって……』

有香『だけど、このタイミングで――』

ズドォォンッ!!

有香『何っ!?』ギュンッ!


??『……』


有香『今のは砲撃!? 熱源……この宙域にもう1機機体がどこかに……どこから……!?』ピピッ!

P「みくちゃん、みくちゃん……! 通信……? なんだ!」ピピピッ!

ピッ!

91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 22:01:29.23 ID:3dxGhGyF0
泉『そこのラプター、ファクトリーに置いてあった機体で間違いないかしら?』

P「事情を知っている奴……? ああそうだ、コロニー内の爆発で空いた穴から外に投げ出された」

泉『回収するわ。射線データは渡すから、悪いけど当たらないように気を付けてね』

P「は?」

みく「……」

ピピッ!

みく「……あれ?」ピクッ!

みく「みく……? あ、お兄さん、何か出てるにゃ……え、有効射程範囲?」

P「やべ……みくちゃん、離脱だ!」

みく「う、うん!」

……
…………

92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 22:05:36.01 ID:3dxGhGyF0
――輸送艦『ニューウェーブ』(ブリッジ)

泉「主砲発射……うん、射線上のラプターは退避出来たみたいだし……」

「システム搭載機の3機には回避されました。OMDAも警告を出していますし、向こうは宙域から離脱する動きを見せています」

泉「どうせ回収も出来ないし、私たちの状況じゃ堕とすこともできないわ。ラプターで当たりだったのは本当みたいだし、回収しましょう」カタカタカタッ

泉「地球連邦もコロニー連合も、母艦がどこかにはいるだろうし……OMDAに捕まると厄介だし、私たちも急いでここから離れないといけないわね」

ピピッ!

泉「ラプター、大丈夫かしら?」

P『……ああ、大丈夫だ』

みく『ちょっと! 何するにゃ!! こっちは一人ケガしてるんだからあんな危ないモノ撃たないでほしいんだけど!!』

泉「あら、どこかのカップルが偶然乗ったのかな……映像回線に切り替えるわね」

ピピッ!

みく『みくに顔見せるなんて良い度胸……って泉チャン!?』

泉「……え、みく?」

P『……知り合いか?』

みく『うん、カレッジの同級生』

泉「まさか偶然とはいえ……とりあえず仕方が無いわ。みく、いまラプターを回収するから」

みく『なーにが何やら……』


……
…………

93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 22:07:58.10 ID:3dxGhGyF0
――戦闘宙域跡

『アナスタシア。限界だ、OMDA部隊から再度の警告が来ている。引き上げるぞ』

アーニャ「……ダー、了解、です」ピッ!

ドシュウウウウンッ!


有香「あの機体は別ルートから離脱を……やはり、あちらは連邦が奪取した機体……」

輝子『こ、こっちも帰ろう……次警告貰ったら、蜂の巣にされるぞ……』

有香「……そうですね。では帰艦します。そちらの機体の方、合流艦は私が乗ってきたケーレスになりますので移動をお願いします」

輝子『荷物は後で運んでもらえばいっか……わ、わかった』

有香「……機体を入手できた……だけど、失敗、してしまった」

ピッ!

……
…………

94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 22:11:29.75 ID:3dxGhGyF0
――戦闘宙域跡

ピピピッ!

??「どうした?」

晶葉『戦闘は終了したようだな。ファクトリーの機体は形になっていた物が奪取されたようだが、仕方がない。機体状況はどうだ?』

??「ジーオーの稼働状況は問題ない。持ってきたロングライフルだけど、コックピットに取り付けたスコープはいらなかったな」

晶葉『普通狙撃するならスコープいると思うんだがな……いや、アレにも搭載されてなかったし、どうなんだろうか』

??「加蓮が4機に接続するらしい。皮は違ったが、残りの1機もフレームの組み上げは間に合っていたみたいだ。多分、その機体がこっちに残ったはずだ」

晶葉『おおそうか! 成果物的には最後のヤツの出来が一番良くなるはずだからな。よかったよかった』

晶葉『NEX-USへの接続結果については、後でこっちから加蓮に聞いておくとして……お前はどうする?』

??「地球への降下までは、靴のデータの運搬を見守っておく。降下出来た後は、あっちの用事も片付けておかないと」

晶葉『ま、向こうは問題ないだろ。好き勝手暴れるヤツが行ってるんだし。まあ、中継するコロニーには連絡を入れておくよ。整備諸々はしっかりやっておいてくれ。あ、GEOの稼働データの転送も忘れるなよ』

??「わかってるって。落ち着いたらまた連絡する」

晶葉『もう少しで次の機体が出来上がるが、まだ稼働データが不足しているからな。頼んだぞ、セカンドドライバー』


……
…………
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 22:17:16.28 ID:3dxGhGyF0
――ニューウェーブ(格納庫)

P「……」ハァ、ハァ……

みく「お兄さん、ケガ大丈夫……?」

P「あ、ああ……みくちゃんも、何ともないか?」

みく「う、うん……」

みく「……」

みく(外で……整備班の人たちが集まってきてる……なんで、こんなことになっちゃったんだろ……)

みく「それに、さっきの――」

ピピッ!

みく「え、システムコール?」

P「みくちゃん? どう……した?」ハァ、ハァ……

みく「いや、今モニターに――」ピッ!

みく「っ!?」

――
――――

96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 22:19:47.29 ID:3dxGhGyF0
――コロニー連合軍戦艦『ケーレス』(格納庫)


有香「これは……なぜ、NEX-USが戦闘機に――」


輝子「ウッソだろ――」


――
――――


――オグマ(格納庫)


アーニャ「どうして、こんなところに……アーニャの、アイド――」


――
――――

97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 22:21:41.88 ID:3dxGhGyF0
――NEX−US(秘匿領域)

『認証が完了しました。指定管理エリアへの接続になります』

キャット「……にゃ?」

キャット「……あれ、NEX-US?」キョロキョロ

キャット「えー、あれ、さっきまで確か戦闘機に……って、ドコにいるんだろ、何もない白い空間って……マイルームにログインしてないし、事務所でもないにゃ……」

キャット「いや戦闘機乗ってる間にNEX-USに接続するとか意味わかんないし……とりあえずログアウトにゃ」ピッ!

キャット「ってあれ? ログアウトアイコンが非活性になってるし……どうなってるの?」


???『よしよし、こっちも接続されてるね。他もオッケーだったし』


キャット「え?」クルッ


???『……どうしたの?』

キャット「……誰? システム管理者?」

???『まー、そんな感じ? えっと、あなたは……IDはっと……チャーミングキャット、だね』

キャット「えっ!? な、なんでキャットのこと知ってるにゃ!? って管理者なら当然にゃ……」

???『そういうこと、あ、そうそう忘れてた。別に管理者って呼ばなくていいよ。私は……』


???『NEX-US内部を管理する制御補助AI、Keep.Assist.Recovery.Efficiency.Nurturerシステム。よろしくね』


キャット「は?」


【to be continued......】


……
…………
………………
……………………
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 22:27:38.26 ID:3dxGhGyF0
※キャラクターシートが更新されます
キャラ名:前川みく
操縦技術:90
親愛度 :53

キャラ名:アナスタシア
操縦技術:47→52
親愛度 :45

キャラ名:中野有香
操縦技術:61→71
親愛度 :8

キャラ名:星輝子
操縦技術:62→67
親愛度 :20

※キャラクター追加
キャラ名:セカンドドライバー(謎のパイロット)
操縦技術:-
親愛度 :-
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/03(金) 22:32:42.82 ID:3dxGhGyF0
ストーリー的にここで一旦区切りになるので、本日はこれで終了します。
今回までの量で第一部という形になります。全体としては五部で終了を予定しています、多分。
全体として1シナリオ分はそんなに長くならないと思うので1スレ内で終わると思いますので
よろしければ今後も安価にお付き合い頂けたら嬉しいです。

本日もご参加頂きありがとうございました。
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/03(金) 23:00:58.61 ID:4r1mAkN2o
おつおつ!
こういうのほんと好き
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/05(日) 20:09:30.97 ID:YodUO94d0
5/6(月)の17時頃か、同日の21時頃から再開します
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 21:05:36.59 ID:+OXOokn+0
【導入】

共和国のコロニー内でラプターが出現し、地球連邦、コロニー連合双方の部隊がオオイシ工業ファクトリーを襲撃した事件は瞬く間に共用ネットワークのNEX-USを通じて世界中に発信された。

地球連邦非加盟国の集合であるMBG共和国は連邦、連合双方に事件の詳細について事実確認を急がせている。

襲撃事件に巻き込まれたPは望まない形で宇宙に出ることとなり、そこで知らずのうちにNEX-USのアイドルである前川みく、アナスタシア、中野有香、星輝子と出会っていたのだった。


――
――――
――――――
――――――――
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 21:09:23.09 ID:+OXOokn+0
――木星圏宙域、ニューウェーブ(ブリッジ)

泉「……このルートだとダメね」カタカタカタッ!

ピピピッ!

泉「通信……はい」ピッ!

晶葉『元気か?』

泉「元気か、じゃないでしょう……プライベートチャンネルとはいえ、直接通信してくるなんて……」

晶葉『ナシヤマのニュースがこっちにも流れて来てな。分かってはいたことだが、さすがに心配になったんだが、どうだ?』

泉「もう……靴のデータは持ち出し出来たわ。ここから物理搬送なんて頭が痛くなるわ……」

晶葉『面倒事を押し付けてしまってすまない。今は何をやっていたんだ?』

泉「……ちょっと考えていたのよ。ムーン・サードを経由してMBGの低軌道ステーションから地球に降下する前に、コロニー拠点を跨いで補給したいの」

泉「ニューウェーブも、一応は長距離航行想定の艦ではあるけど、無補給で木星圏から月軌道まで直接行けるわけもないし、2、3はコロニーで補給もしたいんだけど……」

ピピッ!

泉「ナシヤマで確認した連邦と連合の艦、恐らくは追跡をしてくるはず。網も張られているだろうから移動も、立ち寄るコロニーも精査しないとダメだし、どうしたものかしら」

晶葉『一番近くのコロニーといえば、ガーワカナだが……まあ真っ先に網を張られる場所だろうな』

泉「ええ……こっちは自衛用の戦力もほとんどないから、慎重に行動しないと」

晶葉『そうだ、ところで機体はどうした? NEX-USの起動はされたと聞いているが』

泉「え? ええ、機体なら今……」

……
…………

104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 21:14:01.04 ID:+OXOokn+0
――ニューウェーブ(格納庫)

みく「このっ! このっ、このっ!」ガンガンッ!!

整備長「おーい嬢ちゃん! 機体叩くなっての! 工学科の生徒なんだろ!」

みく「だってNEX-USの接続全然上手くいかないんだもん! この前あんなタイミングでいきなり勝手に繋がってたのに!」

整備長「接続要求が片側からしか通ってないんじゃねえのか。盗まれた他の3機から好き放題繋げられたら困るだろうし」

みく「ねーおじさーん。これ何でNEX-USに接続できるの? 戦闘機でしょ?」

整備長「んなもん俺に言われてもな……一応、組んだフレームを使う為だって話までは聞いてるけどよ……」

みく「もー……しかも何でみくも整備しなきゃならないの……」カタカタカタッ

……
…………

105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 21:17:13.50 ID:+OXOokn+0
――ケーレス(格納庫)

「やはり駄目ですね。基幹システムについてはブラックボックス化されています。ここでの解析は難しいかと……」

有香「NEX-USについては?」

「そちらもどうにも……流体フレームが仕込まれているので、コレの制御も行われているとは思うのですが」

輝子「ど、どうする……?」

有香「……システムについては丸ごと吸い出して、本部の解析に回しましょう。宙域で見たあの艦に対する追跡部隊としては、千川少佐の指示を待ったほうがいいですね」

輝子「それまでは……た、待機……?」

有香「いえ、恐らくは追跡任務の続行になるでしょう。こちらから本部に引き上げるメンバーも出るでしょうし、今のうちに再編成予定を立てて準備をしておきましょう」

有香「ガーワカナに張った網に引っ掛かってくれれば……」

……
…………

106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 21:20:55.98 ID:+OXOokn+0
――オグマ(ブリッジ)

艦長「新型機は奪取できたが、システム解析は困難、靴のデータについても確保ならず、か。収穫としては十分だが、本命を逃したのは痛い」

アーニャ「この後は、どうなりますか?」

艦長「靴のデータを追う……と言いたいところだが、司令通知が来ている」ピッ!

艦長「私たちは今後、靴のデータ奪取の任務については地球降下までの追跡任務で打ち切りとする。地球に降りた後は、ロシア領で発生している紛争に対して増援部隊として向かうことになる」

艦長「他所の任務もあったが、こちらに回されたとなると……状況は思ったより芳しくないのだろうな」

アーニャ「ロシア……」

艦長「……そうだったな。まあ、無駄に気を張っては任務に支障が出る。落ち着くことだ」

アーニャ「……はい」

……
…………

107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 21:24:53.55 ID:+OXOokn+0
――木星圏宙域

晶葉『ニューウェーブが動くみたいだ。頼んだぞ、セカンドドライバー』

??「ああ、上手くやるさ」

晶葉『一応、NEX-USにダミーの情報はばら撒いておいたし、ある程度は相手に誤魔化しが効いてくれればいいが……』

??「もし連邦か連合の追跡部隊との戦闘になったら加勢する。前回は直接出なくてもよかったけど」

晶葉『あまり無理はするなよ。GEOは大したものじゃないんだからな』

??「まあ……確かに、もう少しまともな物にしてほしかったけど、自分で言うなよ」

晶葉『仕方ないだろ。認めたくは無いが、やはり私は天才ということだ。未だに模倣するしかないのは悔しいが』

晶葉『だが、次の機体はもう少しまともになっているはずだ。再現度も比較的上がっている。地球に降下するときに立ち寄る拠点を決めておいてくれれば、運ばせておくぞ』

??「それじゃあお言葉に甘えて、用意してもらうかな。まあ、ニューウェーブの動き次第だけど……」

……
…………

108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 21:29:28.81 ID:+OXOokn+0
――ニューウェーブ(ブリーフィングルーム)

泉「ナシヤマを襲撃した部隊は連邦、連合それぞれから。みくが乗ったラプターを救出するのにニューウェーブも晒したことだし、こちらから艦が出ていることも把握されていると思うわ」

泉「となれば、こちらを追跡する可能性が十分にあるということ……連邦と連合が管理しているコロニーに立ち寄るのは避けたほうがいいわ」

泉「艦としては補給をしたいところだけど……チューブ区画のコロニーから離れた先にある連邦管理のガーワカナ区画のコロニーにも立ち寄れないとなると、物資もギリギリね」

P「ちょ、ちょっと待ってくれ、俺とみくちゃんはナシヤマに戻りたいんだ。せめて早めの定期便があるガーワカナで降ろしてくれないと帰るのも一苦労になるんだが」

みく「てかみくたちは何の事態に巻き込まれてるの……」

泉「ごめんなさい。ガーワカナでは降ろせないわ。さっき話した通りのこともあるし、この艦、ニューウェーブはMBG共和国防衛軍の民間協力船のライセンスを持っているのよ」

泉「レコーダーで艦の行動記録も取られているし、特に軍事機材のラプターに搭乗した貴方たち2人の行動も筒抜けになっているから、法的にも降ろすのは無理ね」

P「くっそ……外に投げ出されないうちにナシヤマの中で乗り捨て出来ればよかったのに……」

みく「理不尽! 泉チャン、何とかならないの!?」

泉「こればっかりは……何ともならないわね」

整備長「それより、こっちに今回のネタが入ってきたのはつい最近だぞ。靴のデータの持ち出しは出来たけど、機体も無事だったラプターと、予備機で置いてたラプター1機の2機だけじゃあどうにも……」

P(また、靴……)

泉「そうね。何はともあれ、靴のデータの搬送が終われば、オート・クレールから軍に繋いでもらえると2人も降ろせる手続きが出来るだろうし――」

P「なあ、靴って何の話だ?」

泉「……」

整備長「……」

みく「お兄さん?」

P「ファクトリーで俺を撃った連邦の兵士も、靴と呟いていた。俺たちは一体、何に巻き込まれているんだ?」
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 21:33:28.25 ID:+OXOokn+0
泉「……その傷、腕を綺麗に撃ち抜かれて、貴方を撃った兵士の腕が良かったみたいね。再生治療にもそれほど時間は掛からないだろうし」

泉「それほど、熟練した兵士をファクトリーに送ってきた程の話」

みく「い、泉チャン! 教えてよ、みくだって何も知らないままここにいるのなんてイヤだよ!」

泉「……整備長、ローカルの艦内記録、ここのブロックだけメンテナンス扱いで切っておいて」

整備長「いいんですかい?」

泉「仕方がないわ。OMDXだってアクティベートしてしまったみたいだし、2人には協力をお願いしたほうがよさそうだし」

整備長「へい、それじゃ切っておくんで話の続きは頼みますよ」

パシュンッ!

みく「あのおじさん、どっか行っちゃった」

泉「艦内記録を切ってもらいにいったわ。すぐ済むし……この話は軍の秘匿事項で、軍内、開発を請け負ったオート・クレールでも一部しか知られていないし、私もうちのファクトリーが製造のメインだったから話を聞かせてもらったけれど」

泉「2人とも、杖は知っているわね?」

みく「杖ってアレでしょ? 140年前くらいに土星圏で見つかったヤツ?」

P「宇宙進出の足掛かりになった超高密度のエネルギー体、だろ」

泉「そう。当時、土星圏を観測していた国際連合が、ある日土星圏内で莫大なエネルギーが測定されたことを切っ掛けに調査団を派遣して、見つかった杖の形状をした物体」

泉「構成要素も未知の物質であるそれは、地球以上の高度な文明による産物か、解析された結果から得たエネルギー変換技術は、宇宙進出に大きな影響を及ぼした程のもの」

P「今はそれ、連邦が持っているんだろう? 解析なんて140年前から今も地道にされているし、何で今さらそんな話になるんだ」

泉「もう1つ、杖と対になる物質があるのよ」

みく「え、そんなのあったっけ?」

泉「MBG共和国が、見つけたのよ。その杖と同じ構成要素を持つ、靴を」

みく「へー」
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 21:39:56.90 ID:+OXOokn+0
P「……そういうことか」

みく「え、どういうこと?」

P「連邦と共和国が杖と靴をそれぞれ所持して、かつコロニー連合が状況的に劣っているのが相当面白くないってことか」

泉「そうね。連邦からすれば、靴を連合に奪われたら規模的に優位だった自分たちのアドバンテージが無くなるし、連合からすればただでさえ連邦に劣っているところで、よりにもよって共和国に差を付けられるなんて」

泉「最後の小規模戦争からしばらく続いている冷戦期間、他国交流も恙無く行われているけど、内心としては、ね」

みく「くっだらな……そんなのでファクトリーに攻撃してきたとか」

泉「元々コロニー連合が独立した経緯を考えると、連邦にはこれ以上差を付けられたくないでしょう。そもそも今でさえ、先を見据えるなら杖の所有の差があるんだし」

P「靴を巡っての争い、か。杖を見つけた当時は地球連合で世界が1つにまとまっていた時代だったし、この時代だからこそ起きる争いってことか」

泉「……まあ、その靴のデータの解析も、うちのファクトリーで一部任されていたの。抽出されたデータも当時は丸ごと直接搬送されて、今度はこっちが解析した結果を直接搬送することになってはいたんだけど」

P「通信でのやり取りなら、データの傍受、流出の恐れがあるからか」

泉「時期を見てってところだったけど、今回ファクトリーを襲撃されたし、現時点で地球に向かってオート・クレールにデータを渡す必要があるわ。それと合わせて、私たちの安全も保障してもらわないと」

泉「さっきも話したけど、靴のデータについては秘匿事項、宙域の防衛軍にだって直接協力を頼めないわ。艦自体は民間協力のライセンスを発行してもらっているから、補給自体は出来るけれど……」

みく「それで、連邦の管理コロニーのガーワカナには降ろせないって話なの……はぁ」

P「……だったら、俺たちも協力して地球まで行ってから解放してもらうしかないってことか」

泉「つまり、そうね。こっちとしてはお願いすることになるんだけど……どのみちあのラプターのアクティベートをみくが済ませてしまったみたいだから、どうしてもそうなるというか……」

みく「あ、あれもしかしてみくで生体認証されたってこと?」

泉「機能的にね、そういうシステムで組んでいたの。本当に、申し訳ないんだけど……」

みく「う、うええええええ……」

……
…………
400.94 KB Speed:0.2   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)