高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「爽やかなカフェテラスで」

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19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:01:16.98 ID:W2iKZMMp0
加蓮「じゃあアレならいいよ。千巻とか巻きずしとか作るんでしょ? それを食べて美味しいって言ってあげる係」

藍子「やっぱり、作る側にはならないんですね……。でも、それもいいと思いますっ。きっと、みんな喜んでくれますよ」

加蓮「藍子も参加しなよ。藍子こそいろんな子に懐かれてるでしょ。ありすとか、仁奈ちゃんとか」

藍子「じゃあ……スケジュール、空けておきますね」

加蓮「スケジュール……。ちびっこ作の巻きずしを食べてる藍子を動画にするのもアリ? で、それをどこかで配信してみるとか――」

藍子「まあまあ。カメラなら、私が持ってあげますから」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:02:45.93 ID:W2iKZMMp0
>>19 1行目の加蓮のセリフを修正させてください。
誤:加蓮「じゃあアレならいいよ。千巻とか巻きずしとか〜
正:加蓮「じゃあアレならいいよ。ちまきとか巻きずしとか〜


加蓮「いやいや。せっかくコラムで話を出したりユニット組んだりしたんだよ? 私と藍子の仲良しアピールって大事じゃん。藍子が好きなカメラを私が持つっていうシーンは必要だって」

藍子「私と加蓮ちゃんが仲良しっていうのはラジオでお話しておきますので、ここは私が」

加蓮「言葉と一緒に映像があった方がいいってPさんもよく言ってるでしょ。ならやっぱりここは私が」

藍子「いえいえ私が」

加蓮「いいや私がっ」

藍子「私が撮る!」

加蓮「私が撮るってば。ほら、別に撮られるのがどうこうってだけじゃないよ? 私が藍子を撮りたいだけだし」

藍子「わたしだって加蓮ちゃんを撮りたいもんっ!」

加蓮「……へ?」

藍子「……あ」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:03:15.54 ID:W2iKZMMp0
加蓮「……」

藍子「あ、あぅ」

加蓮「……そ、そっかー。じゃあ、うん、獲られてあげようかな?」

藍子「……」カオマッカ

加蓮「……それでも飲んで落ち着いたら?」

藍子「そうします……」ズズ
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:03:46.18 ID:W2iKZMMp0
□ ■ □ ■ □


加蓮「落ち着けた?」

藍子「……はい。騒いじゃってごめんなさい、加蓮ちゃん」

加蓮「私はいいけどね……。それに、ほら。ここテラス席だし、他に使ってる人もいないんだし。ちょっと騒ぐくらいなら大丈夫じゃない?」

藍子「そんな。やっぱり、ここの皆様にご迷惑ですよ」

加蓮「そんなことないってー。ほらほら、藍子ちゃん。日頃のストレスを発散するチャンスだよ?」

藍子「大丈夫ですっ」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:04:15.76 ID:W2iKZMMp0
加蓮「ストレスって溜め込むと怖いらしいよー? 例えば――」

藍子「た、例えば?」

加蓮「美味しいものを食べても全然美味しくなくなる」

藍子「!!!」

加蓮「お休みの日で、外は晴れ、ちょうどいい気温……なのにどこにも行きたくない」

藍子「!!!!」

加蓮「あとは……えー、ほら、加蓮ちゃんと一緒にいても楽しくなくなる……とか?」

藍子「大事件じゃないですか……!!」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:04:46.06 ID:W2iKZMMp0
加蓮「そ、そう? まあ最後のはちょっと冗談みたいなもんだけど……」

加蓮「とにかく、だからね? いいチャンスだと思って。思いっきり叫んで、ストレスを解消しちゃおう!」

藍子「でも、ストレスなんて――」

加蓮「いやいや。気づかないで溜まっちゃうのがストレスの怖いところなの」

加蓮「気づかないうちに指を怪我してたり、足首を捻ったり、そういうの気をつけなさいってトレーナーさんもよく言うでしょ?」

藍子「そうですね……。怪我することよりも、したことに気づかない方が危ない、って、よく教えてもらいます」

加蓮「そうそう。って言っても、指を怪我したら血が出ちゃうし、足がおかしかったら歩きにくいし。分かる時には分かるよね」

加蓮「でも、ストレスは溜まってるかどうかなんて分からない」

加蓮「ね。ストレスは怪我よりも、もっと分かりにくい傷なの」

藍子「あ……。もしかして、加蓮ちゃんがよく昔のお話をするのは、無意識に傷を抱え込まないための……?」

加蓮「えっ。……ごめん、それは別にそういう訳じゃなくて」

藍子「あれ?」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:05:15.54 ID:W2iKZMMp0
加蓮「お、オホン! じゃあ行ってみよっか!」

藍子「は、はいっ」

加蓮「って言ってもテーマがないと叫ぶのも難しいかー。じゃあ、私に言いたいこととかどう? 結構山のようにあるでしょ」

藍子「それなら、今叫ぶことも……、……あれ?」

加蓮「え、そんなにいっぱいあるの? なら言ってくれればよかったのに……」

藍子「加蓮ちゃん」

加蓮「あ、ううん。それを今言うの。じゃあ藍子、」

藍子「あの。加蓮ちゃん?」

加蓮「……あっちゃ。あはは、何かなー?」

藍子「…………」ジト-

加蓮「もー、気付くの早いよ。こういうのは、やらかした後に気付いて、ああっ! ってなるのが楽しいのに!」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:07:16.12 ID:W2iKZMMp0
>>25 再度失礼致します。4行目の藍子のセリフを修正させてください。
誤:藍子「それなら、今叫ぶことも……、……あれ?」
正:藍子「そうですね。今、加蓮ちゃんに言ってみたいことなら、あれと、それと、……、……あれ?」


藍子「よく考えてみたら、大きな声を出すならカラオケや防音室でもいいですよね? それか、誰もいない事務所とか……お母さんとお父さんのいない家でもいいかもしれません」

加蓮「そうだね」

藍子「やっぱり、分かってて言っていたんですね。人で遊ばないでくださいっ」

加蓮「はーい。ごめんね? クッキー残りあげるから許して?」

藍子「も〜」モグモグ

加蓮「ふふっ」ズズ

加蓮「っと……。ごちそうさまでした」

藍子「私も、ごちそうさまでした」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:07:45.83 ID:W2iKZMMp0
藍子「あっ、加蓮ちゃん」

加蓮「んー?」

藍子「口のところ、少し濡れていますよ。加蓮ちゃんから見て左側……。今飲んだレモンティーじゃないかな?」

加蓮「マジ? ハンカチハンカチ――」ガサゴソ

藍子「拭いてあげますね。ちょっと動かないで……」
(身を乗り出し、左手で加蓮の右頬に軽く触れ、ハンカチを持った右手を伸ばす)

加蓮「わ……」

藍子「……うんっ、取れました。ふふっ。加蓮ちゃん、珍しい。急いで飲んだら損ですよ〜?」

加蓮「…………」ポカン
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:08:15.54 ID:W2iKZMMp0
藍子「? どうかしましたか?」

加蓮「…………、」

加蓮「……い、いや、……びっくりした」

藍子「??」

加蓮「右の……あ、あはは。ほら、人に触る時には一言前置きしないと失礼じゃない?」

藍子「確かにそうですね。ええと……じゃあ、加蓮ちゃん」

加蓮「うん……」

藍子「手を握ってみたいので、右手を出してくださいっ」

加蓮「え、あ、はい」スッ

藍子「ぎゅ〜。……こんな感じでしょうか?」

加蓮「たぶん……?」

藍子「分かりました。次から、そうしますね」

加蓮「はあ」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:08:45.67 ID:W2iKZMMp0
藍子「……♪」

加蓮「……」

藍子「……♪」

加蓮「……手、握りたかったの?」

藍子「あ」スッ

加蓮「……??」

藍子「……あはは〜」

加蓮「……、」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:09:15.54 ID:W2iKZMMp0
加蓮「……いやでもほら、前に手を繋いで歩いたことあったでしょ。あの時、歩きにくくて歩きにくくて、これはやめようってならなかった?」

藍子「ゆ、夢のないことを言わないでください。私だって、たまには、手を繋いで歩いてみたいって思うことだってありますっ」

加蓮「はいはい。そーいうのはPさんとでもやっときなさいよ」

藍子「それとこれとは別ですよ〜」

加蓮「そうだけどさー。なんだか珍しいね。藍子がそういうこと言うのも」

藍子「きっと、外が暖かいから……。春になって、お散歩しやすくなったから……かも、しれませんっ」

加蓮「そういうもの?」

藍子「そういうものです。でも、冬景色も楽しかったんですけれどね」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:09:45.96 ID:W2iKZMMp0
藍子「雪が積もった日に、いっぱい暖かい準備をして、外に出て……」

藍子「冬だからこそ、暖かい場所もいっぱいあるんですよ。お店の中とか、人通りの中とか……。あと、日向になっている場所もっ」

藍子「そういうところを探すのも、楽しかったなぁ〜……」

加蓮「……アンタね。冬が終わって春が来て、いやそれどころか桜がもう散るって時期にそういう話するのやめなさいよ」

藍子「……行きたいな、って思わせること、できちゃいましたか?」

加蓮「狙ってたのねっ」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:10:16.07 ID:W2iKZMMp0
藍子「ふふ♪ お話していると、私まで懐かしくなってしまいました。季節の変わり目は、いつもわくわくするけれど……ちょっぴり寂しくもなっちゃいます」

加蓮「まーね。でも、ちょっと前に雪が降ったりしたじゃん」

藍子「すごく珍しかったですよね。桜に雪が積もっている映像をテレビで見て、思わず外に飛び出しちゃいましたっ。カメラを持って!」

加蓮「あははっ。藍子らしいなー」

藍子「私が行った時には、雪は溶けちゃってましたけれど……」

加蓮「残念」

藍子「雪……。さすがにもう降りませんよね?」

加蓮「分からないよ? まだストーブ片付けれてないし。チャンスあるかもよー?」

藍子「まだもうちょっと寒いですから……。う〜ん、でも、暖かい方がお散歩しやすいんですよね。悩んじゃいますっ」

加蓮「ぜいたくー」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:10:46.68 ID:W2iKZMMp0
加蓮「そういう藍子も。ずっと気になってたんだけど、その膝の薄ピンクのブランケット、どしたの?」

藍子「これですか? 寒くなくなるまで、しばらく持ち歩こうと買った物なんですよ」

藍子「座ってまったりする時に、あったら便利かなって……。前に、お母さんに勧めてもらって」

藍子「おしゃれで可愛くて、それにあんまり高くもなくて。つい!」

加蓮「おー」

藍子「ほら、加蓮ちゃん。これ、ちょっと触ってみてください」スッ

加蓮「うん。……お、すっごく軽いし結構薄いんだね。だけどふかふかー♪」

藍子「でしょ? だから、持って歩くのも困らないんです」

加蓮「それにこれ、藍子のぬくもりって感じがするー。ずっと藍子の膝にかかってたからかな?」

藍子「……そ、そういうこと言われると恥ずかしくなっちゃいますよ」モジモジ
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:11:16.02 ID:W2iKZMMp0
加蓮「あははっ。はい、返す」ハイ

藍子「加蓮ちゃんもどうですか?」ウケトル

加蓮「私はいいよー。寒がりって訳じゃないし。それに、シンプルすぎて私にはちょっと合わないかも」

藍子「残念っ。……あっ! それなら、桜の花びらでデコレーションしてみれば――」

藍子「って……ピンク色に、桜の花びらは合いにくいですよね」

加蓮「さすがにちょっと地味だよね……。ふふ、なんだかタイミングが合わないね」

藍子「ですね。なんだか変なのっ」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:11:45.59 ID:W2iKZMMp0
加蓮「ここはやっぱりこいのぼりを刺繍してみる?」

藍子「こいのぼり……。それだと、男の子のファッションみたいになってしまいませんか?」

加蓮「大丈夫でしょー。ピンク色なんだし」

藍子「あ、確かにっ」

加蓮「ん? って考えると、ピンク色にこいのぼりのイラスト……?」

藍子「ピンク色に、こいのぼり……」

加蓮「……」

藍子「……」

加蓮「……シュールすぎない?」

藍子「こいのぼりにも、ピンク色のものはありますから……?」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:12:16.15 ID:W2iKZMMp0
加蓮「もう5月ファッションってことならアレにしよう。葉っぱ。新緑の葉っぱ」

藍子「葉っぱの柄なら、ピンク色にも合うかな?」

加蓮「いけるかもしれないけど、それならもっと合う色があるかもね。例えば水色系とか」

藍子「森の奥の光景を、再現できるかもしれませんね。なんだか、クールなファッションになりそう」

加蓮「そこから服を合わせていくのも面白そうっ。あんまり派手なのは使えないから、シンプルな柄の……いやでもボーダーくらいは入れていいかな。ううん、それよりはワンポイントのイラストの……」

藍子「加蓮ちゃん、スイッチが入っちゃいましたね♪」

加蓮「まあねー。……あ、でもさ藍子」

藍子「はい」

加蓮「5月になったらさすがにブランケットはいらないかも……」

藍子「あ〜……」

加蓮「ストールにする……のもちょっと無理があるよね。んー……」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:12:45.67 ID:W2iKZMMp0
藍子「それなら、加蓮ちゃんのお昼寝用にする、っていうのはどうでしょうか」

加蓮「……それブランケットじゃなくてタオルケットじゃない? いや、そもそもなんで私が昼寝すること前提なのよっ」

藍子「それは……。暖かいから?」

加蓮「それだけで寝たりしないわよ……」

藍子「そんなことありませんよ〜。ほら、今だって、外はぽかぽかで、そよ風が心地よくて……」

藍子「……ふわぅ」アクビ

加蓮「…………」ジトー

藍子「な、なんですかその目〜」

加蓮「……藍子だってゆるふわ森ガールなんだから、森の光景っぽいタオルケットでも似合うよね」

藍子「あ、あはは……。一緒にお昼寝しましょ?」

加蓮「やだ」

藍子「冷たいっ」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:13:15.82 ID:W2iKZMMp0
加蓮「マジで眠いなら少し歩く? カラオケでもいいし。レッスンスタジオだって、空いてたら叫び放題だよ?」

藍子「それなら、春探しの方が……。この花びらを、何かに使いたいってお話でしたから」

加蓮「叫ぶ藍子ちゃんを見たかったのになー。しょうがない。今日は藍子ちゃんに1日付き合ってあげよう」

藍子「ありがとうございますっ、加蓮ちゃん♪」

藍子「じゃあ――あ……ちょっぴり、レモンティーが残っていました」ズズ

藍子「ごちそうさまでした。行きましょう、加蓮ちゃん」スッ

加蓮「……?」

藍子「♪」ニコニコ

加蓮「……オッケー、いこっかー」タチアガル

藍子「ああっ。手をつなぐってお話もあったじゃないですか。待って〜っ」


【おしまい】
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:21:02.13 ID:W2iKZMMp0

作者です。三度失礼致します。

>>1 冒頭一文を修正させてください。
誤:――おしゃれなカフェ――
正:――おしゃれなカフェテラス――

確認不足による誤りが続いてしまい、大変申し訳ございません。
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