高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「爽やかなカフェテラスで」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 17:50:37.69 ID:W2iKZMMp0
――おしゃれなカフェ――

高森藍子「加蓮ちゃん、加蓮ちゃん」

北条加蓮「なにー?」

藍子「髪の、ほら、ここのところ。桜の花びらが、ついちゃってますよ?」

加蓮「花びら? どこ?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1555231837
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 17:51:25.65 ID:W2iKZMMp0
レンアイカフェテラスシリーズ第69話です。

<過去作一覧>
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「カフェテラスで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「カフェテラスで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「膝の上で」
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「最初にカフェで会った時のこと」

〜中略〜

・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「暖房の効いたカフェで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「3月下旬のカフェで」
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「隣り合う日のカフェで」
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「膝の上で ごかいめ」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 17:52:20.98 ID:W2iKZMMp0
藍子「こっち側の……。ううん、私が取ってあげますね」タチアガル

藍子「……はいっ、取れました♪ ほら、これ」スッ

加蓮「ありがと、藍子」

藍子「どういたしましてっ。それにしても……どこでついたんでしょう。この花びら」

加蓮「どこだろ。最近もうほとんど散っちゃったもんね、桜」

藍子「はい。この前の、お花見LIVEが終わった頃――……お花見LIVE……」

藍子「……、」ジー

藍子「えへっ」

加蓮「…………」ベチ

藍子「いたっ。も〜、はたかないでくださいよ」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 17:52:53.55 ID:W2iKZMMp0
加蓮「はいはい分かった分かった。その話はもう何十回も聞いたって」

藍子「だって、何十回でも思い出したら嬉しくなっちゃいますもん」

藍子「加蓮ちゃんと、響子ちゃんとのステージ……。楽しかったなぁ……♪ えへへっ」

加蓮「……、まあ、そう言ってもらえて悪い気はしないけどさ」

藍子「帰ったら、また写真を見返さなきゃ。加蓮ちゃんも一緒にどうですか?」

加蓮「私も? ……おっ、これは藍子ちゃんなりのお誘いの言葉なのかな?」

藍子「え?」

加蓮「ほら、誘う建前って言うかさ。とりあえず理由を作っとこーみたいな」

藍子「う〜ん。あんまりそういうつもりはなかったんですけれど……。確かに、そうなるのかな?」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 17:53:46.06 ID:W2iKZMMp0
加蓮「受け売りだけど可愛いペットがいるっていうのが常套で、次が新しい家具を買ったから。趣味が合うなら録画したドラマを見るとか、その辺?」

加蓮「誘い文句ってヤツ? ふわっとしてる藍子ちゃんはすぐ騙されそうだねー。気をつけなさいよ?」

藍子「は〜いっ。でも、今回は私が誘う番ですね。ペットはいませんけれど……」アハハ

加蓮「おっ、これは藍子ちゃんなりの"私に似合う動物の耳をつけてください"ってお誘いの言葉なのかな?」

藍子「……はい?」

加蓮「いやほら、ペットを飼ってみたいけど自分の家にはいないから藍子が代わりに的な」

藍子「それはさすがに……。つけるなら、加蓮ちゃんがつけてください。きっと似合いますよ」

加蓮「似合わないって」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 17:54:15.91 ID:W2iKZMMp0
藍子「似合いますっ。狐とか好きでしたよね?」

加蓮「好きだけどそれは私のキャラじゃないよ。藍子がつけてよ」

藍子「私のキャラでもありませんっ。それに、私の家のお話なのですから、私がペットになったらおかしいじゃないですか」

加蓮「む、そう来る……。なら私は無理にでも猫耳をつけさせて藍子の部屋を乗っ取ってみせる!」

藍子「やめて〜っ」

加蓮「まずはポテトとハンバーガーの匂いを染み込ませるところから」

藍子「サンドイッチとハーブティーの匂いの方が好きですっ」

加蓮「あははっ。確かにそうだね。藍子の部屋に行ってジャンクフードの匂いがしたらびっくりするよ」

藍子「もうっ」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 17:54:45.72 ID:W2iKZMMp0
藍子「せっかくですから、この花びら、何かに使いたいですね。このまま捨ててしまうの、なんだかもったいなくて」

加蓮「使うって何に?」

藍子「例えば、これで髪飾りを作ってみるとか。あと、ブレスレットやミサンガみたいなのもいいかも?」

加蓮「うーん……。それ、1枚で足りるかな。元々あるヤツにくっつけるのはアリだけど、1枚だけじゃ寂しくない?」

藍子「他のパーツも用意した方がいいかもしれませんね。ううん、それよりは、桜の花びらを増やした方が……?」

加蓮「どうせ作るなら桜の花びらの方がいいかも。その方が限定品って感じがするじゃん」

藍子「春、って感じもしますよね。もう、今年の春は終わっちゃいますから……ちょっぴり、季節はずれってことになっちゃうのかも?」アハハ

加蓮「じゃあ、来年にも使っちゃう?」

藍子「使っちゃいましょうっ。どうせなら、その時にアレンジもしてみたり。今から楽しみですっ」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 17:55:16.38 ID:W2iKZMMp0
加蓮「あ、でも花びらは枯れちゃうか……」

藍子「それもそうですね……。花びらを長持ちさせる方法、夕美さんなら知っているかな?」

加蓮「さすがに難しくない? 花じゃなくて花びらだし」

藍子「う〜ん……。本物の桜が難しいなら、造り物で代用してみましょうか」

加蓮「できるの?」

藍子「はい。そういうのが作れる道具や素材も、雑貨屋や百円均一にありますから。そうそう、物作りができるカフェっていうのもあるんですよ」

加蓮「あー、この前藍子がテレビで紹介してたヤツ」

藍子「見ていたんですね。……ちょっぴり恥ずかしいっ。私、変な顔になっていませんでしたか?」

加蓮「まーたそういう心配をする。きっちりアイドルの顔してたよ。大丈夫大丈夫」

藍子「よかった」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 17:55:46.02 ID:W2iKZMMp0
加蓮「造り物で作ってみるのもいいけどさ。まだギリギリ桜は咲いてるんだし、今年分くらいは本物の花びらで作ってみたいよね」

加蓮「数日しか使えないかもしれないけど、それも桜って感じがして良くない?」

藍子「そうですねっ。せっかくのぽかぽか日和ですから、探しに行ってみますか?」

加蓮「んー……。どうしよ」

藍子「……、ふふ。もう少し、ここでのんびりしちゃいましょう」

加蓮「……まだ何も言ってないんだけど?」

藍子「加蓮ちゃんの顔が、そう言っていましたから」

加蓮「むー。また見抜かれた……。それなら私も藍子のこと暴くからね。ちょっとそこ動かないで」ジー

藍子「は〜い」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 17:56:16.07 ID:W2iKZMMp0
加蓮「んー……」ジー

藍子「……♪」ニコニコ

加蓮「んんー……」ジー

藍子「……」

加蓮「んんんー……。分からない……。いや、諦めてたまるかっ。んー……」ジー

藍子「……か、加蓮ちゃん? あんまり、じっくり見ないで……」

加蓮「ん?」

藍子「あぅ」サッ

藍子「ちゅ、注文しましょ? 私ちょっと喉が乾いてたところなんです。加蓮ちゃんは何にしますか?」

加蓮「え、じゃあ……さっき話に出たしお茶系にしとく」

藍子「すみませ〜ん。えっと、レモンティー2つと、さくさくクッキーお願いしますっ」

加蓮「お願いねー。……さて」ジー
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 17:56:45.75 ID:W2iKZMMp0
藍子「ま、待ってっ。ええと……秘密、秘密を教えてほしいんですよねっ。何か教えますからっ」

加蓮「それは聞いてみたいけど……。そんなに見られたくないの?」

藍子「見られたくない、というより……。嫌という訳ではないんです。ただ、じ〜っと見られていると……その……」

加蓮「ふうん。変なのー。にらめっこなんて何回も、」スカッ

加蓮「……あ」

藍子「ふふ♪ 加蓮ちゃん。レモンティー、まだ来ていませんよ〜」

加蓮「つ、つい癖っていうか……。こらー! 早く持ってきなさいよー! それでもカフェの店員なの!?」

藍子「注文して、何分も経っていませんっ。ゆっくり待ちましょ?」

加蓮「ジャンクフードのシェイクならもう来てる頃でしょ!」

藍子「ここはカフェですっ」

<お待たせしました……いえ、お待たせしてしまいました

加蓮「……あっ」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 17:57:15.68 ID:W2iKZMMp0
藍子「はい。加蓮ちゃんが待ち遠しそうにしていました♪」

加蓮「こら、余計なこと言うっ……。あ、藍子こそ早くクッキー食べたいなーって顔してたでしょ!」

藍子「えっ。顔に出ちゃっていましたか?」

加蓮「……ごめん今のはテキトーに言った。待ってたんだね」

藍子「あはは……。ありがとうございます、店員さん。あ、加蓮ちゃんはきっと怒っている訳ではないと思うので、大丈夫ですよ」

加蓮「だから余計なこと言わないのっ。店員さん、ありがとねー」

藍子「レモンティーの、いい匂い……。あっ、見てください加蓮ちゃん。クッキーに、桜の模様が♪」

加蓮「ホントだ。ってかなんか最近似たことなかったっけ」

藍子「ええと……。あ、前にステージで歌わせてもらった、百貨店のカフェですね。呼び出しボタンに、桜の模様が入っていました」

加蓮「そうそうそれそれ。みんな桜が好きだよねー」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 17:57:45.44 ID:W2iKZMMp0
藍子「綺麗ですけれど、食べるのがちょっぴりもったいないような……」

加蓮「じゃあ私がぜんぶ食べるけど?」

藍子「それはだめっ」サッ

加蓮「あははっ。……ん、レモンティーも……気のせいかな。桜の味がする」

藍子「ずず……。そうですね。外の桜は、もうほとんど緑色になってしまいましたけれど……。これを飲んでいる時は、満開のお花見の光景が頭の中に――」

藍子「……、」

藍子「……えへ〜」

加蓮「また? 途中まではすごく大人っぽかったのに」

藍子「だって〜……」

加蓮「分かった分かった。また今度一緒に歌ってあげるしモバP(以下「P」)さんにも交渉してみるから」

加蓮「とりあえずここ外なんだし、そのゆるみきった顔をどうにかしなさい」

藍子「……、約束ですからね?」

加蓮「ん、約束」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 17:58:15.82 ID:W2iKZMMp0
加蓮「もうお花見のシーズンも終わるけど、まだまだ色んなところで桜を見るよね。桜柄のクッキーだって、その1つ」ツカミ

藍子「桜の、別の楽しみ方ですね」アムッ

加蓮「来週頃にはさすがに見なくなっちゃうかな? 次は何になるんだろ」

藍子「う〜ん……。こいのぼり、とか?」

加蓮「あんまりピンと来ないなぁ」

藍子「男の子の行事ですからね。でも、事務所の小さい子のみんな、こいのぼりを飾ろうってはしゃいでいるみたいですよ」

加蓮「やっぱりそうなんだ。その辺はもう男子も女子も関係ないよねー」

藍子「前の時は、新聞紙で作ったかぶとが休憩室に置いてありましたっけ」

加蓮「あれさ、一番上手く作れた子のを玄関に飾ってたんじゃなかった? で、審査員役がPさんでさ。死ぬほど悩んでたの覚えてるなぁ」

藍子「そんなこともありましたっ。取材に来た方が、ほっこりされていましたよね」

加蓮「そなの? それは初めて聞いたー。私も何か飾ってみよっかな。でも手作りとかって慣れてないんだよね……」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 17:59:15.55 ID:W2iKZMMp0
藍子「写真はどうでしょうか。自分を撮った……写真は、ちょっぴり恥ずかしいので、風景の――」

加蓮「にやにや」

藍子「ふ、風景のって言ってますよね! いいこと思いついたって顔はやめて〜っ」

加蓮「ほら、藍子と言えばカメラアイドル。だからこそ、藍子が撮られてる写真を置くことでギャップになるでしょ?」

藍子「なんで冷静に分析を始めてるんですか……」

加蓮「あ、そうだ。どうせなら加工して文字も入れよう。私たち……うーん、もうちょっと威厳のある言葉の方がいいのかな?」

加蓮「我がプロダクション自慢のアイドルです。うん、それくらいの方が――」

藍子「だったら加蓮ちゃんの写真でいいじゃないですか!」

加蓮「いいよ。じゃあ藍子とのツーショット写真ってことで」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 17:59:45.73 ID:W2iKZMMp0
藍子「……か、加蓮ちゃんの単独の写真でいいと思いますよ?」

加蓮「自分を撮った写真は恥ずかしいんでしょー? うんうん、私もそう思うよ。でも2人が映ってる写真なら恥ずかしさも半分だよね。それなら大丈夫だよねー?」

藍子「ううぅう……。最初から、これを狙っていたんですね」

加蓮「ふふふー。まだまだ甘いよ、藍子」ズズ

藍子「む〜……」ズズ
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:00:15.66 ID:W2iKZMMp0
加蓮「新聞紙のかぶとかぁ。そういえば、病院にもあったなぁ。そういうの」

藍子「……そうなんですか?」

加蓮「うん。あ、これはちいさな加蓮ちゃんの片手で数えられるほっこりエピソード。超レアでしょ?」

藍子「とってもレアですねっ」

加蓮「ま、って言っても季節の行事をやってた気がするってくらいの話だけど。当時絶賛ひねくれ中の加蓮ちゃんはそういうの大嫌いだったし?」

藍子「当時……」

加蓮「……今もひねくれてるだろって?」

藍子「はい」

加蓮「ほう」グニグニ

藍子「ひゃうっ。ほっへひっぱらないふぇ〜」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/14(日) 18:00:46.14 ID:W2iKZMMp0
藍子「事務所のみんなで作っている工作、加蓮ちゃんも手伝ってあげたらどうですか?」

加蓮「えー。ちびっこに混ざるのはさすがにちょっと……」

藍子「加蓮ちゃん、ちょっと前からみんなに懐かれているじゃないですか。由愛ちゃんとか、雪美ちゃんとか。きっと、みんな喜びますよ?」

加蓮「いやいや。あれはほら、ちょっぴり大人に憧れてるってだけで、別に私だからってことじゃないよ」

藍子「え〜。加蓮ちゃん、なんだかすごく嬉しそうっ」

加蓮「藍子」

藍子「ふふっ。気付いても言っちゃダメ、ですか?」

加蓮「……合言葉じゃないんだから」
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