「ラブライブ×イナイレ〜11人の女神の奇跡〜」後半

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732 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 15:39:12.10 ID:O8cvm9tB0















【クリエイション……!】










ズズズズズズ……!


海未「……!?分かれ道……」


MF3「さあ、どっちが安全な道っすかね〜?」


海未「……」


海未(何か罠が……いや、ない方が不自然ですね)


MF3「正解は………」















ズザザッ!!! ズザザッ!!!


海未「!?」


ことり「海未ちゃん!!」

733 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 15:40:38.03 ID:O8cvm9tB0














MF3「どっちも大外れっすよ!!」


ドガァッ……!!


DF1、MF2【ハーヴェスト!!】


海未「うぐぁぁぁ!!!」ドサッ


ことり「ーーー……」


角間「園田からボールを奪ったぁぁ!!」


MF1「………あーあ」
















MF1「私は知りませんからね」


MF2「よっし!!」トッ


DF1「先輩!ツバサさん達に……」









ゾクッ……

734 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 15:41:21.86 ID:O8cvm9tB0














MF2、DF1「……っ」ビクッ…!


ことり「……海未ちゃんを傷つけないでって……」














ことり「言ったよね?」


MF2「……言われてねぇよ!!」ザッ


DF1「初耳だよ!」ザッ


ことり「……」













ことり【アングリーバード】

735 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 15:44:28.47 ID:O8cvm9tB0














MF2「……?何を……」


あんじゅ「上よ!」


DF1「上…?」バッ


キラン…!


MF2「こ、これは……!?」バッ!













ズガン!!


DF1「うわぁぁ!!」ドサッ


MF2「大丈夫か……!」トトッ


ことり「……外した」


MF2(……今一瞬だけ見えた……あれは…)

736 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 15:45:45.27 ID:O8cvm9tB0













ことりママ「猛禽類、例えば鷲なんかははるか上空から獲物を捕捉し、襲いかかる」


MF2「鳥型ミサイル……ってことか…!」ジャリッ……!


ことり「あと3発!」バッ……!


MF2(……まぁ)バッ















……ズガン!!


海未「ことり……」グググッ…!


にこ「あんな攻撃的なことり……初めてみたわね」ググッ…!ヨイショ


凛「恐いにゃ〜……」


ことり「……あと2発!!」バッ!


MF2 バッバッ!


ズガンズガン!!


ことり「……!」


海未「そんな……!」

737 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 15:47:33.87 ID:O8cvm9tB0














MF2「……」ニィッ


角間「MF2 避け切ったぁぁ!!」


DF1「うっわすっごく悪い顔してる」


海未(連続であの攻撃を避けきるとは……何という体捌き……)


ことり「ちょこまかと……!」


MF2「残念だったな」ニシシ


ことり「海未ちゃんにひどいことする人は、私が許さない!」


海未「ことり……」













ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『うぅー……っ』グスッ


『あはは!こいつすぐないておもしろいな!』


『ほのかぁ…ことりぃ……』グスグス


タッタッタッ


ザザッ!


『こらー!うみちゃんをいじめるなー!』


『ほのかがあいてだよ!!』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


海未(……昔はよく……こんな風にことりたちが助けに来てくれましたね)

738 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 15:48:46.87 ID:O8cvm9tB0













MF2「許さないとどうなるんだ?」


ことり「……やる」ボソッ


MF2「あ?なんだって?」


ことり「…-……ことりの……」


















「おやつにしてやる」


ゾッ……


MF2「……へ」













バクッ……!











テンテンテン ……


トッ


ことり【ハングリーバード】

739 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 15:49:41.38 ID:O8cvm9tB0













ワァァァァァァァァァァ!!!!!


角間「み、南止めましたぁ!!一度は破られたかの様に見えたが見事敵の進行を防ぎましたぁ!!」


ことりママ(まるで餌を待つ雛鳥の様に下から……)


ことりママ「……いつの間にそんな好戦的な子になったのかしらね」フフ














ことり ダッ!


海未「……すごい」


ことり「………」タッタッタッ

740 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 15:50:24.45 ID:O8cvm9tB0














海未ちゃんが傷つけられたのを見てついカッとなっちゃった……


今までどれだけ頑張ってもあんな風にできなかったのに


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ザッ ザザザッ


海未「ことり、もう少し強引でも構いません」


海未「絶対に取るんだという勢いで来てください」


ことり「で、でもぉ……」


海未「まったく……ことりは優しすぎるんですよ」ヤレヤレ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


優しいんじゃない、ただ弱いだけ

741 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 15:51:11.93 ID:O8cvm9tB0














MF2「くっそ……!」ムクッ…!


MF2(上に注意を引いて、本命は下か……やられた)


ことり タッタッタッ


角間「そのままドリブルで敵陣へ切り込んでいきます!!」


海未(敵にすら気を遣っていたあのことりが……)















海未ちゃんを傷つけられたのは激おこちゅんちゅん丸だけど


そのおかげで気づけた


ことり、強くなりたいよ


まだほんの一歩だけど、もっともっと


そのためなら……

742 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 15:53:11.44 ID:O8cvm9tB0













アフロディ「行かせないよ」ザッ


ことり「どいて!!」ダッ!


ガッ!ガッ!ググググッ…!!


角間「これは激しいぶつかり合い!どちらも譲りません!」
















こんな弱さ(優しさ)、いらないよね?

743 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 15:54:00.03 ID:O8cvm9tB0














ことり「っ……はぁぁぁ!!!」ガッ!


アフロディ「くっ……!」ドサッ


角間「南競り勝ちましたぁ!!」


ワァァァァァァァァァァ!!!


凛「ことりちゃんすごいにゃー!」


穂乃果「いっけーことりちゃん!」


海未「ことり!!」

744 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 15:55:20.16 ID:O8cvm9tB0














ーーーーーーーーーーーーーーーーーー??


ことり「私は……何もないから」 ??


穂乃果「何もない?」


??ことり「穂乃果ちゃんや海未ちゃんたちと違って……何も…」 ?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そしたら












グッ…!


ことり「……ふっ!」ダンッ!


バサバサバサ!

















私もみんなみたいに、《何か》を見つけられるかな

745 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 15:57:29.06 ID:O8cvm9tB0














ドキュッ!!!


ことり【シャイニングバード!!】


ゴォォォォォォォォ!!!!!!












ゴォォォォォォオォォオ!!!!


角間「み、南の必殺シュートです!!なんと鮮やかなシュートでしょうかぁ!!」


ツバサ「……悪いけど、気合ではどうしようもないこともある」


GK「……」グッ


ことり「……自分の実力ぐらい……わかってる…!!」


ツバサ「……!」


ことり「お願い!!」

746 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 15:59:25.71 ID:O8cvm9tB0














真姫「………任された」


グッ……


ダンッ!


ツバサ「………っち……!」












ディフェンス、ドリブル、シュート


西木野真姫はディフェンス、ドリブル、どちらも得意とは言えなかった


幼少期から一人で特訓していたため、対人センスがまるで磨かれていなかったからである


代わりに……












グルグルグル!


ボフォォォォォォオオ!!!!!


角間「西木野のシュートチェイン……いや、これは……!?」

















シュートセンスだけは、チームの誰よりも磨きこまれていた

747 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:02:26.19 ID:O8cvm9tB0















真姫「はぁぁぁぁぁ!!!!!」バッ!!










ドキュッ!!!!


真姫【爆熱ストーム!!】


ゴォォォォォォオォォオオオオ!!!!!














ゴォォォォォォオォォオオオオ!!!


角間「西木野と南のオーバーライドだぁ!!!」


西木野ママ「!」


穂乃果「いっけー真姫ちゃん!!」


にこ「決まれ!!」


MF2「意地でも止めろ!!」


GK「……!!」グッ

748 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:03:51.59 ID:O8cvm9tB0














ダラン………












バッ……!








ガブゥッ…!!


GK【ハイビーストファング!!!】


ギュルルルルル!!!!!!!


GK「っぐぐぐぐ……!!!」ズズッ……!


ことり真姫「決まれ!!」


DF2「止めてまえ!!!」


ギュルルルルルルル!!!!


GK「……!」ズズッ……!


GK(この人たちは……なんで、こんなに……!!)

749 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:05:23.31 ID:O8cvm9tB0












GK(試合の中でっ……強くなれるの……!?)グググッ……!


ことり真姫「いけ!!!」


GK(……っ!……もう……限界……!!)ググッ…!


ギュルルルルル!!!!


GK「…………」











GK「………」グッ…!


ことり真姫「!」


GK(……使えるものはなんでも使う)


バチィッ……!


角間「キーパー弾かれたぁ!!」


GK「……腕がダメなら」バッ


ツバサ「!」













GK「顔で!!」


バキィッ……!!!


GK「ブッ……!!」


ブワァ……!!


ゴロゴロゴロ! ドサッ…!


ポーン……!テンテンテン……

750 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:07:11.93 ID:O8cvm9tB0














シーン……


角間「……………し」


角間「凌いだぁぁ!!!!」


ワァァァァァァァァァァ!!!!!


イイゾーー!!ナイスガッツ!!


角間「UTXGK、体を張ったセーブで見事逆転を凌ぎました!!」


DF2MF2「よっし!!」


ことり真姫「なーー!?」ゴーン…!


角間「音の木坂のコーナーキックで………おや?」


あんじゅ「……!」ダッ!

751 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:08:26.12 ID:O8cvm9tB0














ポタポタ……


GK「ゴフッ……!」ポタポタ…!


あんじゅ「大丈夫!?」バッ


ピーーーーーーーー!!


角間「おおっと?UTX高校GKがゲガをしてしまったようです」


ナンダ?ハナジダッテ、ダイジョウブカナ


ザワザワ……ザワザワ……


GK「うぅ……」ダラダラ……


あんじゅ「上むいちゃダメ、鼻血は下を向かないと」


お姉さん「交代の前に軽く止血しちゃうよ」ザッ!


MF1「落ち着いて、ゆっくり呼吸してください」


DF1「痛いの痛いの〜……飛んでけー!」


MF2「そんなので治りゃ苦労しないっての」


お姉さん「…」ガサゴソ


お姉さん(この血の出方……結構深く傷ついてる可能性もある)


お姉さん(試合時間はあと15分ぐらい………もうグラウンドには帰ってこれないかも)


ガシッ……!


みんな「!」

752 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:09:28.22 ID:O8cvm9tB0













GK「………っ」グググッ……


お姉さん「………」


みんな「……」


GK「……」グググッ














フッ……


GK「………」


GK「代わりのキーパーは……誰ですか?」


お姉さん「………」


みんな「………」














「私が変わろう」


お姉さんみんな「!」


GK「……エレナさん?」


エレナ「私がキーパーに入る」

753 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:10:49.42 ID:O8cvm9tB0













ことり「だ、大丈夫かなぁ……」


真姫「あれを顔で止めるなんて……考えたくもないわね」ゾッ…


タッタッタッ


穂乃果「すっごかったよ!!ことりちゃん!真姫ちゃん!」


花陽「うん!バサバサって!」


海未「ことり……一体いつの間に」


ことり「分かんない!」


海未「……ことりらしいですね」フフ


絵里「真姫もよ!!あんなの隠し持ってたなんて!」わしゃわしゃ!


凛「そうやって真姫ちゃんは最後にいいとこ持ってこうとするんだにゃー!」わしゃわしゃ!


真姫「?ぇぇぇぇぇ………!!!!」ボサァ…!


にこ「出し惜しみなんてするんじゃないわよ」


真姫「……ふんっ」


にこ グリグリグリ……!!


真姫「?ぇぇぇぇぇ!!!!」














真姫(……【クロスファイア】はキック力を補うために助走を入れた)


真姫(だから【爆熱ストーム】も、何かがあればできると思った)


真姫(ここまでうまくいくとは思わなかったけど……)


真姫「……ことりに感謝しなきゃね」フフ

754 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:18:07.12 ID:O8cvm9tB0














希「ことりちゃん……真姫ちゃん……」


監督「成長できるのは、かっこ悪くもがき続けたやつだけだ」


希「……言いたいことがあるなら言ったほうがいいですよ」


監督「言う必要があるか?」


希「……!」


監督「お前は全て分かってるはずだ」


希「……」


監督「それに」


監督「俺は二度同じことを言うのは嫌いだ」


希「……そ、ですか」














ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


監督「凛!!」


凛「は、はい!?」ビクッ


監督「今グラウンドの中で全力で戦っていないのはお前だけだ!!」


監督「やる気がないならグラウンドから出ろ!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


希(……分かってるよ、そんなの)


希「って……んん!?」バッ


監督「……面白いことになったな」

755 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:19:09.68 ID:O8cvm9tB0














角間「負傷したGKはベンチへと運ばれていきます!」


パチパチパチ!


ヨクヤッタ!!カッコヨカッタゾー!!


角間「………おや…!?」


角間「な、な、何と言うことでしょう!!怪我で抜けたキーパーのポジションに統堂が入りましたぁ!!」


ナンダ?トウドウガキーパー?


マジカヨ!デキンノカ?


角間「残り時間も迫る中、この采配が吉と出るか凶と出るかぁ!?」


オモシロクナッテキタナ!!ガンバレ!!


監督「………」チラッ


穂乃果「はぇ〜……びっくりだねぇ」


にこ「うそ……」


花陽「あり得ないです……」


角間「音の木坂のコーナーキックで試合再開です!」


海未「絶対とりますよ!!」


みんな「おおお!!!」


エレナ「………」コキコキ


音の木坂1-1UTX


ピーーーーーーーー!


ドッ

756 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:20:22.23 ID:O8cvm9tB0














絵里あんじゅ「はぁぁ!!」バッ!


角間「絢瀬と優木が飛びついたぁ!」


あんじゅ「ふっ!」ガッ!


角間「優木競り勝ったぁ!こぼれ球は音の木坂が押さえます!」


真姫「凛!花陽!」


凛花陽「了解!!」バッ!














グッ……ダンッ!


グルグルグル グルグルグル


ギュフッ……!


バッ!















ドキュッ!!!!


真姫凛花陽【ファイアトルネードTC!!!】


ゴォォォォォォオォォ!!!!!

757 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:21:13.82 ID:O8cvm9tB0













角間「音の木坂がゴールを捉えたぁ!!交代直後の隙を突かれたかUTX高校!!」


エレナ「……」


GK「エレナさん……」


エレナ(……まさかまた、ここに戻ってくるとはな)














スッ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


幼少期(小学生)


「みんなー!サッカーしよー!」


「いいよー!」


えれな「……私もいい?」


「えー……統堂さんサッカー下手じゃん」


えれな「でも……やりたい」


「キーパーならいいんじゃない?」


「うん!それなら!」


えれな「……ありがと」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

758 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:22:00.82 ID:O8cvm9tB0














グッ……!


バリバリバリ!!!


コォォォォォォォオォオオ……!!!














エレナ【王家の盾!!】












ギュルルルルル!!!!


角間「統堂の必殺ワザです!!」


トメローー!!


ガンバレーー!!


エレナ「っぐ……!!」ズズッ……


GK「エレナさん!!」


エレナ「……!」ググッ……

759 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:23:03.21 ID:O8cvm9tB0















エレナ「はぁぁぁ!!」グッ


バチィ!!


ポーン……!


真姫凛花陽「なっ……!」


エレナ「うぐっ……!」ゴロゴロ……ズザザ!


角間「は、弾いたぁぁぁぁ!!!」


海未「そんな……!」


絵里「3人とも!まだまだこれからよ、すぐに……」


ワァァァァァァアァァァァアア!!!!!


音の木坂「……!」ビクッ…!














ヨクトメターー!!!イイゾートードー!!!


ガンバレUTXーー!!!


ソウダ!!マケンナヨ!!


ユーティーエックス!!ユーティーエックス!!

760 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:33:32.86 ID:O8cvm9tB0















穂乃果「な……なにこれ……」


UTX!!UTX!!UTX!!UTX!!


海未「会場が……」


UTX!!UTX!!UTX!!UTX!!


にこ「……っち……」


にこ(GK捨て身のブロック……からの統堂エレナのキーパー交代、セーブ)


UTX!!UTX!!UTX!!UTX!!


にこ(観客全部持っていかれた……!!)


花陽「っ……!」ぜぇ……ぜぇ……


花陽(しん………どい……!!)ゴホッゴホッ














エレナ「……っ」フラッ…………グッ!


エレナ(……次は……まずいかもな)


ポーン……!


真姫「凛!花陽!!」タッタッタッ


凛「うん!」


花陽「りょ、了解……!!」ハァ……ハァ……


エレナ「!?」


花陽(……弱音は試合が終わってから好きなだけ吐けばいい)ハァ……ハァ……

761 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:34:19.42 ID:O8cvm9tB0














グッ


ダンッ!! ダンッ!!


グルグルグル グルグルグル


ギュフッ


バッ……!















花陽(今…!!目の前のボールに全力を尽くす……!!)


ドキュッ!!!


真姫凛花陽【ファイアトルネードTC!!】


ゴォォォォォォォオォォオオオオ!!!!

762 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:35:30.07 ID:O8cvm9tB0













角間「攻撃意思はどこにも負けない音の木坂!!残り時間も迫る中、失点は避けたいUTX高校!!凌げるかぁ!?」


DF2「……っのアホーーーーー!!!!」ゴーン…!!


エレナ「……はは……馬鹿だろ」タラッ……


トメロートードー!!キメラレンナヨ!!


エレナ「……っ…簡単にいってくれる」グッ


GK「エレナさん!!」















ツバサ「あら、あなたが弱音を吐くなんて珍しいわね」ザッ


あんじゅ「熱でもあるんじゃないの?」ザッ


エレナ「……!二人とも……」


ツバサ「……私ね、意外と負けず嫌いみたい」


海未「!!」

763 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:36:52.25 ID:O8cvm9tB0














ピューーーーーーイ!!!


ドシュドシュドシュドシュ


角間「これは【こうていペンギン】かぁ!?」


あんじゅ「ツバサにばかりいい格好はさせないわよ?」


ピューーーーーーイ!!!!


ドシュドシュドシュドシュ















ツバサあんじゅ【こうていペンギン……】


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


?あんじゅ「約束を破ると……怖いわよ〜?」


??フードの子「で、でも!ツバサさんたちも禁止してるワザもってますよね?」 ??


エレナ「もってはいるがそれも同じだ」 ??


ツバサ「一発が限度………わかったかしら?」 ??


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

764 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:39:26.18 ID:O8cvm9tB0

















ツバサあんじゅ【1号!!】


ドギュルルルルルルルルル!!!!!!


角間「綺羅と優木によるシュートブロックです!!」


海未「1号……!?」


穂乃果「こうていペンギンは2号と3号だけじゃ……」


亜里沙「これが……ツバサさん達が禁止していた必殺技……!」

765 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:39:53.98 ID:O8cvm9tB0













ギュルルルルル!!!!!


ツバサ「……っ……あの日の悔しさは……!」


あんじゅ「1日だって……忘れたことはない…!」


ビキビキ……!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー??


あんじゅツバサ「はぁぁぁぁ!!!」バッ


??ドキュルルルルルル!!! ??


あんじゅ「絶対に……!」ググググ ??


ツバサ「止める!」ググググ ??


角間「綺羅と優木がフォローに走っていたぁ!! ????????」










ギュルルルルル!!!


??ツバサ「…….っぐ…!」ググッ ??


あんじゅ「……なんて……威力なの!」グッ


?あんじゅツバサ「きゃぁぁぁ!!!」ドサッ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

766 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:40:46.41 ID:O8cvm9tB0

















ツバサあんじゅ「はぁぁぁぁ!!!!」ドキュゥッ!!!!


ゴォォォォォォォオォォオオオオ!!!!!












角間「はじき返したぁぁ!!!」


ワァァァァァァァァァァ!!!!!


真姫「うっそ……」


海未「ディ、ディフェンス!!」


ゴォォォォオォォオオオオ!!!!


海未「……!」


角間「全員攻撃を仕掛けていた音の木坂!!誰もブロックには入れません!!」


穂乃果「……!」グッ

767 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:41:39.34 ID:O8cvm9tB0














雪穂「私がいる!!」ザッ


穂乃果「雪穂!」


雪穂【ハンターズネッ……!!】


ゴォォォォオォォオオオオ!!!!


ドガァッ……!!


雪穂「うわぁぁぁ!!!」ブワァッ……!


角間「高坂吹き飛ばされてしまったぁ!!」


穂乃果「雪穂!!」


穂乃果「……!!」ハッ…!
















穂乃果(雪穂、飛ばされ………ポスト、ぶつかっ…危)


穂乃果(ゴール、入っちゃう……でも雪穂、が)


ゴォォォォオォォオオオオ!!!


雪穂(やっばい、体制が……!)ブワァッ……!


穂乃果「ーーーー……!!」

768 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:43:14.95 ID:O8cvm9tB0














穂乃果「雪穂!!」バッ!!


雪穂「っ…!」パシッ


海未「!」


希「あ」


ドシュルルルルル……!!!


角間「………は……」












角間「入ったぁぁぁ!!!!」


ワァァァァァァァァァァ!!!!


角間「残り時間10分!!UTX勝ち越し!!!」


角間「連続攻撃のツケが今!回ってきてしまいました!!」


角間「音の木坂にとっては手痛い追加点だぁ!!!!」













穂乃果「……雪穂!大丈夫!?」バッ


雪穂「……………なに、やってんのさ!!」ガッ!


穂乃果「…っ…」


雪穂「亜里沙の時とは違う……入っちゃったんだよ!!ゴールが!!」バッ!


雪穂「お姉ちゃんはキーパーなんだから……!!今の失点がどれだけ重いか……」


穂乃果「………」

769 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:45:16.92 ID:O8cvm9tB0














海未「よく受け止めましたね穂乃果」ザッ


雪穂「……海未さん……皆さんも……」


穂乃果「……ごめん、ゴール決められちゃった……」ニヒヒ…


海未「あなたはなにも間違ったことはしていませんよ」


海未「仲間を見捨てて得た勝利で喜ぶ人なんてこのチームにはいませんからね」


にこ「今のでもし、穂乃果が雪穂を見捨ててたらあんたのこと軽蔑してたわよ」ハンッ!


凛「あ、これは照れ隠しのにこちゃ痛い痛い痛い」ギリギリギリ……!


雪穂「でも……!」


雪穂(そもそも私がでしゃばらなかったら……)


亜里沙「コウカイアトサキニタタズ!だよ雪穂!」


雪穂「亜里沙……」


亜里沙「終わってないよ!試合!」フンスッ!


雪穂「……………………だめだ私、いつもすぐ弱気になって」ブルブル……!!












パンパン!


雪穂「切り替えます!!!」キッ


亜里沙「ハラショー!」


海未「ふふ、その調子です」


ことり「うん!頑張ろう!」


亜里沙「ドウジョウスルナラカネヲクレ!だね!」


絵里「違う、誰亜里沙に変な言葉教えたの」

770 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:46:12.18 ID:O8cvm9tB0














希「……」スッ


監督「いくのか」


希「……ウチ……」


監督「まだ迷いが見えるが、行きたいと言うのなら止めはしない」


希「……後悔、したくないから」


監督「……そうか」















希「フミコちゃん」


フミコ「はい!」


希「このぬいぐるみ、捨ててきてくれんかな」


フミコ「へ……大事なものじゃないんですか?」


希「……お願い」


フミコ「………わかりました」


希「ふふ、ありがとう」ニコッ


タッタッタッ

771 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:47:31.65 ID:O8cvm9tB0














ツバサ「……不本意だけど、あの時の借りは返したわよ」


あんじゅ「カラダ、バキバキ、マッサージ」


エレナ「わかったわかった、終わったらしてやるから」


MF3「やったっすねツバサさん!!あんじゅさん!!」


MF2「シビれました!!」フンスッ!


DF1「エレナさんもすごかったです!」フンスッ!


DF2「FWもGKもできるとかほんまに同じ人間かって話やんなぁ……」


MF1「ですが本当に恐ろしいのはここからです」


ツバサ「音の木坂は追い詰めれば追い詰めるほど強くなる」


ツバサ「………げ」


あんじゅ「……ん?………うぇ」
















角間「ここで東條がMFに復帰だぁあ!!」


角間「残り時間10分弱!!試合にどのような影響を及ぼすのでしょうか!!」


希「やほ〜!」フリフリ


絵里「希……!」パァァァァ!


希「残り時間も少なくなってきちゃったけど、最後まで頑張るやん!」グッ


海未「ふふ、頼もしいですね」


凛「うん!ね、かよちん!」クルッ

772 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:48:26.78 ID:O8cvm9tB0














花陽「ゴホッゴホッ……!!………え?」ゼェ……ゼェ……


凛「か、かよちんどうしたの!?」


花陽「はは……ちょっと……頑張り……過ぎ、ちゃったみたい」ゼェ……ゼェ……


凛「……試合始まるまでまだあるから、少し休んでおくにゃ!」


花陽「あり……がと……!」ゼェ……ゼェ……














希「……迷惑かけたね」スッ


ヒデコ「……やっぱり私は、この11人が好きです!」スッ


パチッ!


角間「追加点を許した音の木坂!!残り時間も気になる中、どのような攻めを見せてくれるのでしょうか!!」


音の木坂1-2UTX


ピーーーーーーーー!!!


ドッ!


ワァァァァァァァァァァ!!!

773 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:49:10.68 ID:O8cvm9tB0














希「………」チラッ


希「!」バチッ










Aちゃん「……!」ビクッ










希(……Aちゃん……)

774 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:50:17.38 ID:O8cvm9tB0


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


Aちゃん「のぞみちゃんおさいほーできるのー!?すっごーい!」


のぞみ「う、うん、なんとなくだけど」


東條希は、幼い頃から器用な少女だった















Aちゃん「のぞみちゃん絵すっごく上手だね!」


のぞみ「そ、そんなことないよ〜…!」テレテレ


東條希はあらゆる方面で器用だった













先生「よーし、今日はバスケットの授業をするぞー!二列に並べ!」


のぞみ「バスケット……?」


Aちゃん「のぞみちゃんしたことないの?」


のぞみ「うん、初めて!」


Aちゃん「じゃあ私が教えてあげる!実は私、バスケットクラブに通ってるんだ!」


のぞみ「すごい……!」キラキラ


先生「じゃあ誰か試しに……そこのおしゃべりしてる2人!出ておいで!」


Aちゃん「はい!」スッ!


のぞみ「え、えぇ〜……」スッ……

775 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:51:17.89 ID:O8cvm9tB0














パスッ……!


ワァァァァァ!!


スッゴーイ!アンナノムリダヨォ……


先生「Aは5本中3本か!すごいな!」


Aちゃん「えっへへ!」


先生「次、東條!」


のぞみ「えぇっと……」アワアワ














先生「東條は持ち方からだな、こうやって……」スッ


のぞみ「……こう?」スッ


先生「そうそう!上手いぞ!」


東條希は器用だった

776 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:51:58.83 ID:O8cvm9tB0














先生「で、こう!」ヒュッ


……パスッ!


のぞみ「わぁ……!」パァァァァ!


先生「さ、やってごらん!」


のぞみ「はい!」


東條希は器用だった

777 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:52:45.95 ID:O8cvm9tB0














のぞみ(たしか、こうやって………)ググッ


先生「おっ!いいぞ!」


Aちゃん「がんばれー!」


のぞみ「……こう!」ヒュッ!


東條希は………

















パスッ……!


器用すぎた

778 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:54:13.26 ID:O8cvm9tB0















放課後


希「ど、どうして怒ってるの……?」ビクッ


Aちゃん「……バスケット、嘘ついてたの?」


のぞみ「嘘なんかじゃ……」


Aちゃん「初めてじゃないならそう言えばいいのに……!」


のぞみ「ほんとに初めてで……」


Aちゃん「じゃあ………!」














Aちゃん「5本全部なんて入るわけない!!」


のぞみ「それは……」


Aちゃん「心の中で私のことバカにしてたんでしょ!」


のぞみ「し、してない!!」


Aちゃん「……もういい」


Aちゃん「のぞみちゃんとはぜっこうする!!」


のぞみ「……!」


Aちゃん「もう話しかけてこないで!!」ダッ!


のぞみ「まっ……!」


Aちゃん「のぞみちゃんなんかだいっきらい!!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

779 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:55:24.30 ID:O8cvm9tB0













希(それからすぐに親の転勤が決まって、本当に離れ離れになっちゃったっけ)


希(あの日からうちは……)















「希!!」


希「……!」ハッ……!


パシッ!


角間「交代直後の東條にボールが回りました!」


DF2「勝負やエセ女ァ!!」ザッ


希「っ……!」














DF2【スーパーしこふみ!!】


ヒュッ……!


希(……ここで奪われるわけには……)ダッ!

780 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:56:24.59 ID:O8cvm9tB0














ガッ……!!


DF2「うぐっ…!」ドサッ


角間「東條強引にディフェンスを抜い……」


ピッ!


希「あ…」ピタッ


角間「おしい!これはファウルになりました!!少し強引すぎたかぁ!?」














DF2「いってて……」


希「ご、ごめんなさい…!」スッ


DF2「んぉ…?ああ、悪いな」スッ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ご、ごめんなさい………」オズオズ…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


DF2(………あれ?この感じどっかで……)


希「……?なにか?」


DF2「あ、いや、なんもない」ガシッ


グイッ スタッ


DF2「……負けへんからな!」タッタッタッ


希「……」

781 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:57:22.70 ID:O8cvm9tB0














パシッ!


希「いっ…!」


絵里「ほら!シャキッとする!」


希「……わかってるよ!」


にこ「休みすぎて体なまってんじゃないの?」ハッ!


希「……にこっち」


にこ「なに?またおばあちゃんって……」


希「勝とうね」


にこ「……?あんた大丈夫?」


希「もーひどいなぁ……」プクー


希「うちにも真面目な時ぐらいあるんよ?」ポヒュー


にこ「……初耳ね」


希「ワシワシ?」


にこ「悪意がすごい」

782 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:58:28.46 ID:O8cvm9tB0














ピッ!


ドッ!


角間「UTXボールとなりました!一刻も早く点を取り返したい音の木坂!!どうする!?」


ツバサ「上がりなさい!!」トッ


ザザザッ!


海未「くっ……!」


角間「あくまで追加点を狙いに行くUTX!!」


凛(かよちんを少しでも休ませてあげないと……!)ザッ


角間「綺羅の前に星空が立ちふさがります!」


ツバサ「……」タッタッタッ


凛「行かせないにゃー!」バッ!














ヒュッ…クルッ


トッ


海未「……は?」


凛「……え」


ツバサ「ごめんなさいね」


角間「星空をものともしない綺羅!!圧巻のドリブル突破です!」


凛「そんな……!」

783 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 16:59:36.58 ID:O8cvm9tB0














花陽「私……が!!」ザッ


ツバサ「……ふふ」トトッ


ザッザッ!クルッ!


花陽(フェイントからのターン…!)グッ














カクッ


花陽「……っ……!?」ドサッ


ツバサ「体力のご利用は計画的に……ってね?」


角間「小泉足がもつれたぁ!!疲労がたまってきているのかぁ!?」


花陽(考えろ……私で終わりじゃない、私が抜かれた後、誰が……誰を……えーっと……)ゼェ……ゼェ……


花陽(ーーーーーーー…)ハァ……ハァ……


にこ(慣れないシュート3本、プラス、花陽はこの試合中ずっとフルで頭を働かせてた………)


海未(そのツケが今……)


花陽「……っ」ゼェ……ゼェ……


ツバサ「……!」ブルッ


ツバサ(体も頭も限界のはずなのに……)


花陽 キッ…!


ツバサ「……」フフ


角間「ディフェンスラインを突破したぁ!!」

784 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:00:31.46 ID:O8cvm9tB0














ツバサ「あんじゅ!!」バッ!


あんじゅ「ええ!」


にこ「来るわよ穂乃果!!」


穂乃果「…!」グッ















バッ!


ツバサあんじゅ【ユニコーンブースト!!】


ドゴォォォォォォォォオオオオ!!!















角間「シュートを放ったのはUTX高校!!音の木坂凌げるかぁ!?」


にこ「ここに来て新必殺技……!?」


花陽「……でもこれ……」ハァ……ハァ……

785 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:02:20.70 ID:O8cvm9tB0














穂乃果【マジン・ザ・ハンド!!】


ギュルルルルル!!!!!


角間「高坂正面から立ち向かいます!!」


海未「穂乃果!!」


雪穂「お姉ちゃん!」


穂乃果「……はぁぁぁ!!!」グッ















シュルルルルルル………!!


穂乃果「……よし!」


角間「とぉめたぁ!!」


ツバサあんじゅ「……くっ…!」


穂乃果「みんなー!!まだまだ行くよー!!」


みんな「おー!!」


角間「音の木坂の守護神高坂、頼もしいプレーでチームを引っ張ります!」


海未(よし、統堂さんが抜けたおかげで攻撃翌力が下がってますね。これなら……)

786 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:03:14.57 ID:O8cvm9tB0














アー!オッシイー!


海未「…!」クルッ


ドンマイドンマーイ!ツギイケルゾー!!


にこ(そこは「ナイスセーブ!」でしょうが……!!)イラァ…!


穂乃果「……っ……希ちゃん!!」ドッ!















希「……!」トッ


角間「東條へパスが通りました!!」


花陽「の、希ちゃん!……きて…ます!」ハァ……ハァ……


希「くっ…!」ピタッ


DF2「行かせへんぞエセ女ぁ…!」ザッ


希「……通してくれんかなぁ」


DF2「エセには刺激が強すぎるもん見せたるわ」


希「?」

787 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:04:06.00 ID:O8cvm9tB0













ダンッ!


DF2「はぁぁぁぁ!!」ググッ


ゴゴゴゴゴゴ……!!!


希「…こ、これは…!!」












ドドーーン!!


DF2【道頓堀・ウォール!!】


希「…!!」グラッ


角間「なななぁんとぉ!!グラウンドに道頓堀が出現いたしましたぁ!!」


にこ「エセVS本家……見ものね」


凛「希ちゃーん!負けちゃダメにゃー!」

788 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:05:14.35 ID:O8cvm9tB0













希(もうやるしか……!)グッ











ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「のぞみちゃんなんかだいっきらい!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー











希「ーーーッ……!」ビクッ


バチィッ!


希「うわぁ!!」ドサッ


角間「東條止められたぁ!!」


DF2「うちの勝ちやエセ女!」トッ


希「……くっそ……」


角間「東條プレーに精彩さがありません!」













希「大丈夫、大丈夫やから……!」ブツブツ

789 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:06:13.37 ID:O8cvm9tB0


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


中学校


あの一件以来、東條希は周りの目を気にするようになった


周りより飛び抜けていないか、出しゃばっていないか


ただ………東條希は器用だった













ドガァ……!!


希「いっ…!」ドサッ


モブヤン1「……あんたのその済ました態度、なんか腹立つんだよね」


希「……気のせいじゃない…?」ゴホッ


モブヤン2「気のせいじゃないから言ってん……の!」ドゴォッ!


希「?ぇ…!」













周りに合わせた態度が逆に反感を買ってしまうこともあった


希(……私に……どうしろって……)ゴホッゴホッ

790 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:07:20.63 ID:O8cvm9tB0














「うっわ、2対1とかえっぐ」


希「!」


モブヤン1「あ?………ぷっ!小学生かよお前」


モブヤン2「用がないなら帰りなチビちゃん」シッシッ


「……」イラァ…!


「……今うちに言った暴言は100歩譲って許したる」


「でもな……」スッ


モブヤン「!?」













ドゴォッ…!!


モブヤン1「ガハッ……!」ドサッ


「目の前のイジメスルーできるほどできてないんじゃボケェ!!」


モブヤン2「こいつ…!!」ドゴッ!


「いっ……」グラッ…!


「………オラァ……!!」バキィッ……!!


モブヤン2「ブッ……!」ドサッ


「……さっさとどっかいけや」


モブヤン1「……行くぞ…!」タッタッタッ


モブヤン2「っち……!」タッタッタッ

791 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:08:35.16 ID:O8cvm9tB0














「………っはー、痛った……」サスサス


希「あ、あの……!」


「んあ?」


希「ご、ごめんなさい……私のせいで…」


「おー気にすんな、1発だけやしなもらったの」ニシシ!


希(関西弁……)


希「……どうして……助けてくれたの?」


「……多分帰ってから、「あの時行っとけばよかったなぁ」ってなると思ったから」


希「?」


「やらずに後悔するより、やって後悔した方が気持ちええやろ?」


希「……!」


「ウチ好きやねんこの言葉」


希「……やらずに後悔するより……やって後悔……?」


「そ!ただし、全部自己責任でな!」


希「……私は……」

792 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:09:25.33 ID:O8cvm9tB0
















『だいっきらい!!』











希「……そんな勇気、ないかなぁ……」


「………」


希「でもありがとう!少しスッキリ……」











モニュッ……!


希「………」


「んー、発展途上といったところやなぁ」モミモミ


希「………」ペシッ!


「いけず!」

793 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:10:35.91 ID:O8cvm9tB0














「……それじゃあウチは帰るけど、あんま考えすぎんよーにな」


希「うん、今日はありがとう」フリフリ


「……さっきよりマシな顔んなったな」


希「……ちょっとだけ勇気もらえたからかなぁ」


「そっか、じゃあな発展途上」


希「発展途上……!?」ゴーン


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー













希(結局また転勤でその人とはそれから一度も話してない)


希(あの人みたいに強くなれたらって……ずっと思ってた)


希(あの人みたいに……周りの目を気にせず、自由に……)
















あの日から関西弁は、[わたし]にとって勇気の象徴となっていた

794 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:11:26.80 ID:O8cvm9tB0














「勇気、出しきれてないよね?」


希「……!」ビクッ


「ふふ、びくってしたね」


希「君は……?」


「わたしはあなたの悩み、のぞみだよ」


希「悩みなのか望みなのかはっきりしてほしいなぁ」


のぞみ「望みじゃなくてのぞみ!」


希「ふふ、はいはい」クスクス


のぞみ「大事な事なのに!」


希「……のぞみちゃん、話の続き」


のぞみ「あ、そうだね!」コホン


のぞみ「……あなた、サッカーは全力でやってるよね」


希「……うん」


のぞみ「でも」

795 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:12:28.09 ID:O8cvm9tB0














のぞみ「隠してることがあるよね?」


希「………」


のぞみ「どうするの?試合終わるよ?」


希「……無理やん」


のぞみ「……?」


希「このチームに嫌われたらウチ、ホントに立ち直られへん」


のぞみ「だからこの悩みは閉じ込めておくって?」


希「……うん」ニコッ


のぞみ「………」














のぞみ「今までわたしは何回もあなたに話しかけた」


希「へ?」


のぞみ「何回呼びかけても見向きもされなかった…………」


希「……!」


のぞみ「どうして今聞こえたんだと思う?」


希「……さぁ」


のぞみ「どうしてあなたはぬいぐるみを捨ててって頼んだの?」


希「……さぁ」


のぞみ「どうして今更になってあの日のことを思い出してるの?」


希「………」

796 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:13:20.15 ID:O8cvm9tB0













のぞみ「あなたが特別なんじゃない」


希「?」


のぞみ「みんな、大なり小なり心に抱えてるものがある」


希「………」


のぞみ「穂乃果ちゃんや花陽ちゃんやことりちゃん、他のメンバーだって悩んでる」


のぞみ「それを乗り越えたから、また前を向けてるんじゃないかな」


希「でも……」

797 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:14:17.47 ID:O8cvm9tB0














のぞみ「しっかりしなさい!」


希「……!」ビクッ


のぞみ「このチームはそんなに簡単に離れていくような人たちばかりなの?」


希「……違うよ」


のぞみ「なら……!」














希「そんな子達だからこそ、離れてしまうのが怖いんよ」


のぞみ「………」


鍵穴がある、鍵もある、あとは回す勇気だけ


『だいっきらい!!!』


幼い頃のたった一言


その一言が今でもこの子を縛り付けている


あぁ、確かにこれは………

















呪いだ

798 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:16:12.18 ID:O8cvm9tB0














ワァァァァァァァァァァ!!!!


希「……!」ビクッ


角間「綺羅にパスが回りましたぁ!!ロスタイムまでの時間も残り少ない中、完全にUTXペースだぁ!!」


UTX!!UTX!!UTX!!UTX!!


穂乃果「時間ないよ!!ぶつかって!!」


みんな「おぉぉ!!!」


ツバサ タッタッタッ


雪穂「亜里沙!私たちで!」ザッ


亜里沙「うん!」ザッ


雪穂亜里沙「はぁぁ!!」バッ!














ヒュッ……クルン……ダッ!


亜里沙雪穂「ぐっ……!」


角間「綺羅再び抜いたぁ!!」


にこ「くっそ……!」


海未(攻撃の糸口が全く掴めない……このままでは……!)


希「っ……」

799 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:20:03.83 ID:O8cvm9tB0














「頑張れー!!音の木坂ー!!!」


みんな「……!」クルッ


希「……………Aちゃん………?」


アノコダレ?サァ……


Aちゃん「ほら!!音の木坂の子達も!」


音の木坂観客「………!」ハッ……!














角間「さぁ、試合の流れはUTXが握っております!このままUTXが……」


音の木坂!!音の木坂!!音の木坂!!


角間「こ、これは……」

800 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:21:36.79 ID:O8cvm9tB0















音の木坂!!音の木坂!!音の木坂!!


Aちゃん「音の木坂!!」


音の木坂観客「音の木坂!!!」


おばちゃんおっちゃん「音の木坂!!!」


角間「音の木坂の応援が会場に響き渡っております!」


ザワザワ……


ソウダ、オトノキモガンバッテルジャン


オトノキザカガンバレー!!


音の木坂!!音の木坂!!音の木坂!!















ナニイッテンダ!コレカテバサンレンパダゾ!!


ガンバレー!!UTXーー!!!


音の木坂!!UTX!!音の木坂!!UTX!!


音の木坂!!音の木坂!!音の木坂!!


UTX!!UTX!!UTX!!UTX!!

801 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:22:57.81 ID:O8cvm9tB0














にこ「…遅いのよ、まったく」


真姫「すご……」


凛「うー!!テンション上がるにゃー!」


DF2「こんなに盛り上がったん、初めて見た……」


MF1「いつもワンサイドゲームでしたからね」


MF3「はぁ〜……!」ゾクゾクッ













花陽「…はぁ……はぁ……」ゼェ……ゼェ……


ツバサ「……?」トッ












耳を塞いでいても聞こえるほどの声援


だが、小泉花陽の耳には何一つ届いていなかった


考えていたのは


花陽(疲れた……ご飯食べてお風呂に入ってあったかいお布団でぐっすり眠りたい……)


試合とはまったく関係のないことだった


ツバサ「……行くわよ!」ダッ!

802 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:23:54.73 ID:O8cvm9tB0













花陽(………来た…綺羅さんのクセ……えっと……)


花陽(なんだっけ?タイミング?……じゃなくてクセ…えーっと……)


花陽(だめ、思考がまとまらない……)


ツバサ タッタッタッ


花陽(あーもう………)



















花陽「………めんどくさいなぁ」ボソッ


ツバサ「ーーっ……」

803 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:25:11.66 ID:O8cvm9tB0
















トッ……!


ツバサ「…………………………は」


あんじゅ「…え?」


ことり「うそ……」


花陽「………」タッタッタッ


角間「こ、小泉綺羅からボールを奪い取ったぁぁ!?」


ワァァァァァァァァァァ!!!


凛「カヨちーーーーん!!」


海未「【ディフェンス方程式】とは比べ物にならない速度、正確性………」


エレナ(ここに来て……まだ成長するか、小泉花陽……!)ゾクッ


両チームが戦慄する中、当人だけが冷静だった














タッタッタッ


花陽(……?私、取ったの?誰から?綺羅さん?)ゼェ……ゼェ……


角間「〜〜!!〜〜……!」


花陽(解説の人……何言ってるんだろ……)ゼェ……ゼェ……


ハァ……ハァ……

804 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:26:14.65 ID:O8cvm9tB0

MF2「いかせねぇよ!」ザッ!

海未(まずいです……今の花陽では……!)

海未「花陽!こちらに!」

花陽「…ぜぇ……ぜぇ……!」

海未(聞こえていない……!)

花陽「………はぁ……はぁ……!」ザッ

MF2「おらぁ!!」バッ!

花陽「……っ…!」















何度も繰り返し見た憧れのチーム、対戦経験あり、試合終盤


データは完璧に揃っていた


花陽「はぁ……はぁ……!!」


極度の疲労状態の中、思考をやめた小泉が行ったこと


それは………

805 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:27:04.15 ID:O8cvm9tB0












MF1「はぁ!」バッ!


花陽(………多分……右…)バッ!













勘だった


MF2「っ……!」


ただの勘ではない


これまで蓄えたデータを無意識下で分析、選択


それが小泉を最善のルートへと導いていた


花陽「……あああああ!!!」バッ!
















【オフェンスコマンド】

806 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:27:59.48 ID:O8cvm9tB0














シュバッ……!!!


MF2「くっ……そ…!」


MF2(動きが速いわけじゃないのに……追いつけねぇ…!!)


角間「小泉抜いたぁ!!」


ワァァァァァァァァァァ!!!


花陽「ぜぇ……!!ぜぇ……!!」タッ……タッ……!


イイゾーー!!コイズミーー!!ハナヨチャーン!!


花陽(観客の声、聞こえる)


花陽「ぁっ……」フラッ


ギリギリまで張り詰めていた糸が切れた瞬間だった

807 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 17:29:10.58 ID:O8cvm9tB0














ポスッ……!


花陽「……希……ちゃん?」ハァ……ハァ……


希「……なんで……そんなになってまで……」


希(穂乃果ちゃんだってそう、なんでそんなに……)


花陽「……後悔……したくないから…」


希「……」


あぁ……嫌だ


花陽「このメンバーで、勝ちたいから……!」ギュッ!


またあの言葉を思い出す















『やらずに後悔するより、やって後悔した方が気持ちええやろ?』


Aちゃん「希ちゃん!!」


希「ーーーっ……」
















カチリ………!

808 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 18:41:36.42 ID:O8cvm9tB0














ワァァァァァァァァァァ!!!


角間「残り時間もごくわずか!!」


角間「小泉により勢いを取り戻した音の木坂!!追いつけるかぁ!?」


希「………少し休んどき、花陽ちゃん」


花陽「へ?」ハァ……ハァ……


希「うちに任せて」トッ


花陽「希ちゃん?」ハァ……ハァ……
















角間「東條にボールが渡りました!」


MF3「逃げ切らせてもらうっす!」ザッ!


角間「UTXの素早いマーク!プレッシャーをかけてきます!」


希「………」ジャリッ……

809 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/21(日) 18:44:58.38 ID:O8cvm9tB0















希「……フーッ……」トントン


ドクン……ドクン……


希(………お願い)


ドクン……ドクン……


希(どうか[私]を………)


ドクッ……!















希「……嫌いにならないで」

810 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 02:54:53.36 ID:BtQLJMld0












MF3「はぁぁ!」バッ!


海未「希!来てますよ!」


凛「希ちゃん!!」


希「………」











「尾刈戸高校、幽谷」











希【呪い】


ズズズズズ……!


MF3「こ、これは……!」


ことり「あれは……尾刈戸高校の……!」


海未「なぜ希が……」


希「……」












昔から、一度見たことはなんでもできた


意識しなくても、努力しなくても


なんでもできた


できてしまった

811 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 02:56:19.39 ID:BtQLJMld0












幽谷「姐さん……」











ズズズズズ……!!


希「……人を呪わば穴2つ」


花陽「希……ちゃん!」ハァ……ハァ……


希「……ずっと苦しかった……辛かった……」


ズズズズズ……!













希「これ以上呪えるなら呪ってみろ…!」バッ…!


MF3「うわぁぁぁああ!!」ドサッ


角間「東條抜いたぁ!!しかし今のは尾刈戸高校の……?」


希(……みんなの顔を見るのが怖い)


希(でも……もう戻れない)ダッ!


ツバサ(さっきまでの東條さんじゃない…)


あんじゅ(嫌な予感がする……!)


あんじゅ「ディフェンス!」


DF1「行かせない!」ザッ


希「御影専修農業高校、山岸」

812 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 02:57:21.94 ID:BtQLJMld0














希【スーパースキャン】










ザッザッ……ダッ!


DF1「そんな……!」ガクッ…!


角間「今度は御影専農の必殺技だぁ!!東條止まらない!!」


ワァァァァァァァァァァ!!!


希「はぁ……はぁ……!」タッタッタッ













花陽「ど、どういうこと?」ハァ……ハァ……


海未「わかりません……が、今は希が頼りです」

813 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 02:58:45.52 ID:BtQLJMld0














DF2「エセ女ぁぁ!!」ザザッ……!


希「……!」


DF2「なんや変なことしてるみたいやけど、うちは絶対通させへんぞ……!」


……ダンッ!


ゴゴゴゴゴ……!!!












ドドーン!


DF2【道頓堀・ウォール!!】


角間「再びDF2のディフェンスが立ちふさがります!!」


希「……ウチ、決めたん」


DF2「……?」


希「もう……」ジャリッ……

814 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 02:59:42.68 ID:BtQLJMld0














希「[私]に嘘はつかないって…!!」ダッ!!


DF2「ーーっ…」













『……みんなと全力で……サッカーがしたいなぁ……』













パリンッ……!!!


ブワァッ!!!


DF2「……っ!」ブワッ……!


DF2「………強なったなぁ」


希「……え?」


ドサッ……!


角間「〜〜〜……!!!」

815 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 03:00:44.83 ID:BtQLJMld0














角間「抜いたぁぁぁ!!」


ワァァァァァァァァァァ!!!!


角間「東條止まらない止まらない!!怒涛の3人抜きだぁ!!」


あんじゅ「……っはぁ……!はぁ……!」ザザッ…!!


希「…っ…!」ピタッ


角間「今の隙に戻ってきていましたUTX優木!」


希(どうする……ここで止まるわけには……)

816 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 03:01:48.05 ID:BtQLJMld0













「「希!!」」


希「…!」バッ


ドッ!


ドッ!


パシッ


角間「東條と矢澤のワンツーだぁ!!優木も抜いたぁ!!」


あんじゅ「なっ…!」


こころ「お姉様!」


希「にこっち……」タッタッタッ


にこ「……ふん」タッタッタッ


絵里「ちょっと、私も呼んだんだけど」


希「エリチ……」


角間「残すは統堂のみ!ロスタイムに入る前に同点に追いつきたいところ!!」


希「……えりち、にこっち、力貸してくれん?」


にこ「……はぁ?あんたふざけてんの?」


希「……っ」ビクッ

817 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 03:03:19.64 ID:BtQLJMld0













にこ「いちいち遠慮してんじゃないわよ」


希「…!」


にこ「っとに……あんたがこんなことできるならもっと作戦だって立てれたのに……」ブツクサブツクサ


絵里「ふふ、私は嬉しいわよ?また一つ希のことを知れたしね?」


希「ごめん二人とも、訳は後で話すから…….」













希「うちに力を貸して!」ザッ!


にこ「ぶっつけ……」ハァ…… ザッ


絵里「私は楽しいわよ?強引な希なんて初めてだもの」ザッ


にこ「あんたのそれなんなのよ!!」


希「……ふふ」ニコッ


エレナ「……!」


絵里(……本当に初めてだもの)













希「行くよ!」


にこ「ええ!」


絵里「任せて!」


こころ「……!」


絵里(希が自分から無茶を言うなんて)

818 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 03:04:24.78 ID:BtQLJMld0














ガキンガキンガキン!!


アオーーーーーン!


希「ふっ…!!」ドッ!


希(……不思議やなぁ)












にこ絵里「はぁぁ!!」ドキュッ!」


にこ(打ち合わせなんて何もしてないのに……)


絵里(二人の考えてることがわかる……)


ゴォォォ!!!












角間「こ、これは………」


エレナ「本当に……なんなんだ彼女達は……!」ブルッ……!


希「はぁぁぁぁ!!!」バッ!















ドキュッ!!!!


希にこ絵里【グランフェンリル!!】

819 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 03:05:30.04 ID:BtQLJMld0














ゴォォォォォォオォォオオオオ!!!!!


角間「ここまで温存していたのかぁ!?音の木坂の新必殺技だぁぁ!!」


凛「え…!?え…!?すご…!!見てかよちん!あれ!」


花陽「……希ちゃん」ハァ……ハァ……


ことり「あ、頭が追いつかない……」プシュー……


穂乃果「いっけー!希ちゃん!にこちゃん!絵里ちゃん!!」


ツバサ(ここまで温存……?)


ツバサ「……違う」


あんじゅ「……とっさの思いつきで……こんな……」


GK「エレナさん!!」


エレナ「……あぁ……!!」スッ

820 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 03:06:23.95 ID:BtQLJMld0














グッ……!


バリバリバリバリバリ!!!


コォォォォォォオォォ………!!!!!













エレナ【王家の盾!!!】


ギュルルルルルルルルル!!!!!


エレナ「……っぐぅぅ!!」ズザザザッ……!!


角間「激しい技のぶつかり合い!!この一球を制すのはどちらのチームだぁ!?」


ツバサあんじゅ「エレナ!!!」


「「「エレナさん!!」」」


希にこ絵里「はぁぁぁぁ!!!!」


穂乃果「いっけー!!」


ギュルルルルル!!!!!


エレナ「くっ……そ……!!」ズズズッ……!!

821 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 03:07:22.42 ID:BtQLJMld0














ポタポタッ……!


お姉さん「ちょ…!あなた鼻血……」


GK「………っ……エレナさん!!!」














ギュルルルルル!!!!


エレナ「……っ……!!」ズ…ズ…!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


GK【ハイビーストファング!!】


ガブゥッ……!!!












GK(顔で……!!)


GK「ブッ…!!」


ゴロゴロ……ドサッ…!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

822 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 03:08:23.88 ID:BtQLJMld0














エレナ(あと少し……あと少しなんだ……!!)


ツバサ「……!」


希にこ絵里「いけぇぇぇ!!!」


エレナ(止めて………!)


グググッ……!














エレナ「勝つんだ……!!」















バチィッ……!!!


ブワァッ!!














エレナ「ーーーーーークソ……」ドサッ

823 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 03:10:21.55 ID:BtQLJMld0














ドシュルルルルルル…………!!!


テンテンテン………












角間「…………は………」


角間「入ったぁぁぁ!!!」


ワァァァァァァァァァァ!!!!!!


音の木坂「らあああああああああ!!!!!」


角間「最後の最後に追いつきました音の木坂!!残すはロスタイムのみとなりました!!」


角間「ロスタイムは………7分です!!」

824 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 03:12:00.20 ID:BtQLJMld0













こころ「ここあ!こたろう!見て!お姉ちゃんが!すごいすごい!!」ピョンピョン!


ここあ「わぁぁ…!」キラキラ


こたろう「…ねーちゃん…!」ピコッ


こころ「おねーさまー!」ピョンピョン!


にこママ(……仕事で遅くなってもいつも礼儀正しく待っていたこころ)


にこママ(こんなにはしゃいでるのを見たのはいつぶりかしら……)ウルッ…!


にこママ(……ありがとう、にこ)グッ…















エレナ「……」


スッ


エレナ「……?」パッ


ツバサ「……大丈夫?」


エレナ「責めてくれ、惨めになる」


みんな「……」


エレナ「……これでは何のために代わったのかわからないな」ハハ…


ツバサ「………あんじゅ」


あんじゅ「了解!」バッ!


エレナ「?」

825 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 03:12:56.99 ID:BtQLJMld0














あんじゅ「希直伝…!!ワシワシワシワシーー!!!!!」


エレナ「なっ…ちょ……やめ!!うわぁぁぁぁぁ!!!!!」


DF2「ええ筋してるな……」フム…


MF2「フム……じゃねーんすよ」















エレナ「……!!…っ……!!」ビクンビクン


あんじゅ「……案外小さいのねエレナ」


エレナ「……!!」ゴーン


ツバサ「まあお遊びは置いといて……」


ツバサ「みんな!」

826 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 03:14:32.89 ID:BtQLJMld0














MF1「気落ちなどしていませんよ」


ツバサ「!」


DF2「あったりまえや!あのエセ女絶対倒す!!」


MF3「やるっす!!」


DF1「あと7分で終わりかー!」


MF2「体は疲れてんのに、まだまだできそうだな〜」


DF1「……体力馬鹿なだけじゃないですか」ボソッ


ゴチンッ!!


DF1「いっ……!?」














ツバサ「貴方達……」


MF1「私たちは……信じてますから」


ツバサ「……任せなさい」


あんじゅ ナデナデ


エレナ ベシッ

827 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 03:15:53.73 ID:BtQLJMld0














にこ「はぁ……はぁ……」


にこ(……こころ、やったわよ……!!)グッ…!


こころ「…!」グッ!


凛「3人ともすごいにゃー!!」


海未「ええ、首の皮一つ繋がりました」


穂乃果「希ちゃんもすごかったよー!ごぼう抜きってああいうことなんだね!」


希「うん、そのことで……」


ことり「それはマラソンとかで使う言葉だよ穂乃果ちゃん……」


穂乃果「えー?」


希「えっと……少しいいかな…」


真姫「ちょっと、まだ試合終わってないんだけど?」


希「あの………」


穂乃果「わかってるよーだ!」


真姫「なっ…!何よその言い方は!」


穂乃果「ふんだ!今日大活躍してるくせに!」


真姫「だったら何なのよ!してるならいいじゃない!」


穂乃果「あーほら!またそうやって……」

828 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 03:18:51.60 ID:BtQLJMld0














希「……ねぇ……!!!」


ビクッ…!


………シーン


絵里「希……」


希「なんで……誰も詮索してこーへんの?」


海未「………」


希「ウチ……隠してた…!……他の子の技、見ただけで真似できるの……黙ってたのに……!」

829 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 03:20:01.83 ID:BtQLJMld0














凛「だって希ちゃん辛そうだにゃ〜」


希「……へ?」


ことり「何か訳があるんだろうなってわかってるから誰も怒ってないよ」


穂乃果「後悔、しなくて済んだね!」


花陽「ナイスプレイです!」


希「………」


『みんな、大なり小なり心に抱えてるものがある』


『それを乗り越えたから、また前を向けてるんじゃないかな』


希「……はは、敵わんなぁほんと」ヘナヘナッ…


トサッ


絵里「ちょ、希!?」


にこ「腰抜かしてんじゃないわよ、まったく……」


希「にこっち〜、おんぶして〜!」


にこ「じゃぁかしい!!あとちょっとなんだから最後まで頑張りなさい!!」


希「ぶぅ……」プクー……


穂乃果「……さ、みんな!準備はいい?」


みんな「……!」バッ

830 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 03:21:22.60 ID:BtQLJMld0














穂乃果「いくぞ!!!!」バッ!


「「「おおおおお!!!!」」」バッ!















穂乃果(……ただ……)


ことり(希ちゃんが私たちに合わせていたことに、誰も気づかなかった……)


海未(あの花陽ですら)


希「……」

831 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/22(月) 03:23:02.44 ID:BtQLJMld0













角間「敗色濃厚の中、なんとか踏みとどまった音の木坂!!このまま逆転勝利となるか……」


角間「はたまた!!前回の雪辱を果たし、王者としての貫禄を見せつけるかUTX!!」


角間「泣いても笑ってもこれで最後!いよいよ運命のキックオフです!!」


UTX2-2音の木坂


ピーーーーーーーー!


ツバサ穂乃果「勝つ「わ」よ!!!」


「「「おおおおおおお!!!!」」」


ドッ!

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