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【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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◆eltIyP8eDQ
[saga]:2019/06/23(日) 00:31:47.87 ID:+nuVNca90
まほ「お母様は……お母さんはいつだって、私たちに勝利を望んでたでしょ?今回だってそうするよ。それでいいんでしょ?」
しほ「……まほ、勝利の為に犠牲を厭わない。それは確かに西住流に必要なものです。ですがそれは他者を……自分をみだりに傷つけて良いという理由にはなりません」
まほ「理由ならあるよ。あいつはエリカを騙った。私に、唯一残ったものを奪った」
まほは、わなわなと震える手を胸にあて、握りつぶすように掴んでその震えを止める。
怒りに染まった瞳はしほを見ているようで見ていない。
きっと、『あの子』を見ているのだと、しほは察した。
まほ「全部あいつが悪いのに、誰もあいつを裁かない。なら、私がやる」
しほ「……エリカさんを理由にしたって、あなたが苦しんでいい理由にはなりません。エリカさんだってそれを望むような子じゃ……」
まほ「何も知らないくせにエリカの事を語らないでッ!!」
まほの叫びに押し込まれそうになるも、唇を噛みしめぐっとこらえる。
その姿に何を思ったのか。
まほは戸に手をかけると、しほを見ずに伝える。
まほ「家元、決勝見に来てください。あいつが『終わる』瞬間を見届けてください。それが……あなたの義務です」
しほ「……ええ。元よりそのつもりです」
まほ「ならよかった」
しほ「まほ」
僅かに震える声がまほを引き留める。
信じて欲しいと、向き合って欲しいと、懇願する。
しほ「…………私に、チャンスをくれませんか」
まほ「……もう、元通りになんてならないんだよ」
まほは吐き捨てるように呟くと、振り向くことなく出て行き、冷たく閉ざれた戸を開いてその背中を追う事が、しほには出来なかった。
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