【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」

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321 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/06/23(日) 00:31:47.87 ID:+nuVNca90



まほ「お母様は……お母さんはいつだって、私たちに勝利を望んでたでしょ?今回だってそうするよ。それでいいんでしょ?」

しほ「……まほ、勝利の為に犠牲を厭わない。それは確かに西住流に必要なものです。ですがそれは他者を……自分をみだりに傷つけて良いという理由にはなりません」

まほ「理由ならあるよ。あいつはエリカを騙った。私に、唯一残ったものを奪った」


まほは、わなわなと震える手を胸にあて、握りつぶすように掴んでその震えを止める。

怒りに染まった瞳はしほを見ているようで見ていない。

きっと、『あの子』を見ているのだと、しほは察した。


まほ「全部あいつが悪いのに、誰もあいつを裁かない。なら、私がやる」

しほ「……エリカさんを理由にしたって、あなたが苦しんでいい理由にはなりません。エリカさんだってそれを望むような子じゃ……」

まほ「何も知らないくせにエリカの事を語らないでッ!!」


まほの叫びに押し込まれそうになるも、唇を噛みしめぐっとこらえる。

その姿に何を思ったのか。

まほは戸に手をかけると、しほを見ずに伝える。


まほ「家元、決勝見に来てください。あいつが『終わる』瞬間を見届けてください。それが……あなたの義務です」

しほ「……ええ。元よりそのつもりです」

まほ「ならよかった」

しほ「まほ」


僅かに震える声がまほを引き留める。

信じて欲しいと、向き合って欲しいと、懇願する。


しほ「…………私に、チャンスをくれませんか」

まほ「……もう、元通りになんてならないんだよ」


まほは吐き捨てるように呟くと、振り向くことなく出て行き、冷たく閉ざれた戸を開いてその背中を追う事が、しほには出来なかった。


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