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ほむら「エヴァンゲリオンVS魔法少女 最後の戦い」
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58 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/18(月) 20:43:01.52 ID:urkHNFqn0
得体の知れないものに尾行されているのなら撒けばいい。
だがそれがこの街全体を管理する相手となると話は別だ。
ほむらがここで尾行を撒けば、余計にマークされるだけである。
『面倒ね』
《これじゃあNERVへの侵入なんて夢のまた夢だね》
『じっくりやるだけよ。でも、この分だとこの街に忍び込んでいる杏子との接触は極力控えるべきでしょうね』
《それがいいね。さすがに危険が多すぎる。せめて監視が外れないことには……》
同じ魔法少女である佐倉杏子の姿を思い浮かべ、ほむらは肩をすくめた。
今優先すべきはこの状況をどう打破するか、だ。
手っ取り早いのは自宅に戻ってしまうことだろう。
しかし考えながら歩いていたたせいで、すでに自宅とは距離が空いてしまっている。
この状況で帰宅すれば、引っ越し早々にふらふらと街を出歩く怪しい少女に思われることだろう。
『さっさとコンビニに入っていればよかったわ』
《考えながら動くのはキミの悪い癖だよね》
うるさい、と唇だけを動かしてほむらはため息を吐いた。
そこでほむらは、
「いよっ、素敵なお嬢さん。こんなところでどうしたんだい?」
耳を打つ声に目を見開いた。
後ろを振り向くと、そこには先程までいなかったはずの人影が立っている。
年齢は三十前後、無精髭に愛嬌のある顔が印象的な男性だ。
ほむらは軽く深呼吸した後で、目を細めて彼と向かい合った。
(……気配がまったく無かったのは、私の気のせいではないはず)
かすかな警戒心を胸に抱きながら、声を出す。
59 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/18(月) 20:46:36.08 ID:urkHNFqn0
ほむら「あの、誰ですか? なんですか?」
??「ん、ああ俺かい? 俺は加持リョウジ。この辺りは俺の仕事場の近くでね」
――加持リョウジ。
わざわざ新たに覚える必要の無い名前だ。
ほむらは内心の動揺を隠しながら、
それでもごく普通の字女子中学生としての動揺や困惑の意志を表情として浮かべた。
ほむら「……はあ、それで?」
加持「夕方、都市の外周部をきれいな女の子が一人で徘徊しているのを目撃してしまうとね」
加持「男ってのは、どうしても目が離せなくなってしまう生き物なんだよ」
ほむら「警察呼びますよ」
そう言うと、目の前の男性はおどけるように肩を揺らして笑った。
60 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/18(月) 20:48:13.59 ID:urkHNFqn0
加持「振られちゃったか。でもこの辺りはなにかと物騒だ、早めに帰った方がいいぞ? チンピラとかホームレスとかも多いしな」
ほむら「そうなんですか? まだ越してきたばかりで慣れていなくて」
加持「ああ、つまり迷子ってやつかな?」
ほむら「……帰り道くらいは分かります」
キュゥべえ《迷子だってさ》
ほむら『蹴るわよ。――蹴ったわ』
キュゥべえ《いたっ! 即行動しないでほしいなぁ……》
加持「おおっと! 急に倒れそうになったけど大丈夫か? まるで見えないボールを蹴るような勢いだったが……」
ほむら「ええ、ちょっと疲れているだけです」
ほむら「物騒という話が本当なら怖いですし、それではもう帰りますね」
加持「そうするといい。俺もまだこれから仕事があるしな……」
ほむら「お世話になりました。それでは失礼します」
加持「うん」
61 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/18(月) 20:49:04.24 ID:urkHNFqn0
そう言って、ほむらは一度頭を下げた後で彼に背を向ける。
ごくごく自然に、普通に、平常心で。
そのまま元きた道を戻ればすべて終わる。
「――なあ、お嬢さん。名前を聞いてもいいかな?」
しまった、とほむらは唇を噛んだ。
周囲で監視している人間に気付かれぬよう、細心の注意を払って後ろにいる加持へと振り返る。
その上で尋ねた。
「なぜですか?」
「俺はこのあたりの警備員をやっていてね。もしもなにかあったら困るから、その保険みたいなもんだ」
「……なるほど、分かりました」
数回の呼吸の後に、ほむらは正直に自分の名を打ち明けた。
「……暁美ほむらです」
「暁美ほむらちゃんね。ありがとう、じゃあ早く帰るんだぞ?」
「はい」
もう一度頭を下げ、今度こそほむらは帰路に就く。
背中に貼り付けるように突き刺さる視線は、ほむらが角を曲がるまで剥がされることはなかった。
62 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/18(月) 20:50:52.59 ID:urkHNFqn0
高層マンションの一室にて。
ろくに家具も揃えられていない部屋に入ると、ほむらは大きく息を吐いた。
魔法を用いて簡単に部屋の様子を探ってみたが、監視カメラの類は確認できない。
集音マイクの存在もだ。
ほむら「盗聴や盗撮をカモフラージュするための家具がないのだから、そこまで強引な真似はできないということかしら」
キュゥべえ「何もない部屋にカメラを置くわけにもいかないしね。ダンボールの中は分からないけれど」
ほむら「それには不可視型の破れやすい結界を張ってあるわ。結界が健在ということは、触られてはいないということでしょう」
念のために雨戸を閉めて鍵を閉め、魔法を部屋全体に伝わらせることでで部屋の防音性を高める。
それから、リビングに置かれたダンボールの中からクッションとシーツを取り出した。
シーツを敷いてクッションの一つを頭に置き、もう一つを抱えたまま寝転ぶ。
照明用のリモコンを頭の横に置き、人心地つく。
すると隣で毛づくろいをしていたキュゥべえがそばに擦り寄ってきた。
キュゥべえ「それにしても驚いたよ」
ほむら「ええ。まさかこんなことになるなんて」
キュゥべえ「加持リョウジ。彼は間違いなくNERV、もしくはそれに関係する組織の人間だろうね」
ほむら「私とキュゥべえに気付かれない腕前は確かね。でもそれ以上に……」
63 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/18(月) 20:51:23.07 ID:urkHNFqn0
加持リョウジ。
その名前にほむらは心当たりがあった。
ほむら「……こうして会うのは、もう十三、四年ぶりかしら」
キュゥべえ「懐かしいね。まだ小さかった彼が死にかけていたところを、君たちが助けてあげたのだろう?」
ほむら「ええ。やさぐれて、廃人になりかけていたところをね」
記憶に残る光景を思い出して、ほむらは苦笑を浮かべた。
遠い昔の話で、同時によくある話でもあった。
助けた人間が生きていたことへの驚きはある。生きていたことは素直に喜んでいいかもしれない。
しかしそれだけだ。
キュゥべえ「でも彼は覚えていなかったようだね」
ほむら「私は治療して、それから生きる術を教えただけよ。杏子はなにかと絡んでいたけれど」
キュゥべえ「そういえばそうか。でも……」
ほむら「なに?」
キュゥべえ「いや、考えてみると、意外とあっという間だったね」
ほむら「……本当ね。あの地獄のような日々をよく生き残れたものだわ」
64 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/18(月) 20:53:36.02 ID:urkHNFqn0
十五年前。
セカンドインパクトが起きた世界は、まさに地獄と呼ぶに相応しい状況へと様変わりした。
家を失くした人、親を失くした子、故郷が海に沈んだ者、倒壊する建物に圧し潰された者。
その後の暴動や食糧難、テロや紛争で傷付いた人々などを含めればきりがない。
それは日本とて例外ではない。
七十億もいた人類の半数が息絶えるのには、そう時間はかからなかった。
世界が危機に陥れば不安は増大し、不安が募れば魔獣が生まれる。
魔獣は呪いを撒き散らし、世界は滅亡に近付いていく。
この世界が。
『彼女』が守り、導き出した世界が、滅びの道を辿ろうとしているのだ。
ならばどうするか。
暁美ほむらは、どうしたか。
人を助け、魔獣を狩り、呪いを浄化し、そしてまた人を助けたのだ。
明日死ぬかもしれない病人を火の中から運び出し。
足を失って歩けない少女を瓦礫の中から救い出し。
絶望に苦しむ避難所の人々を狙う魔獣を狩り尽くし。
余命幾ばくかの重傷者を煤けた病院へと連れて行く。
日本を離れて海外の紛争地域へ身を投じ。
必要とあれば他の未熟な魔法少女を助け、指導し、協力して魔獣を狩り――仲間の死を見届けてから、また次の戦地へ赴く。
一人を助ける間に十人が死ぬ。
十人が死ぬ間に一人を助ける。
今日を生かし明日に死なせる。
そんな終わることのない戦いの日々を、ほむらは生き抜いてきた。
65 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/18(月) 20:54:59.00 ID:urkHNFqn0
焼け石に水だ、と誰かが言った。
確かにそうかもしれない。
けれど、千度繰り返せば焼け石だってただの石になる。
生憎と、繰り返すことは慣れていた。
十五年――長い日々の回想から意識を現在に移したほむらは、すぐそばでこちらの顔を眺めるキュゥべえを見た。
それに気付いたキュゥべえが、でも、と声を上げる。
「今度は生き残ることができない」
「……」
「少なくとも、美国織莉子の予知によれば、このままだと世界は滅亡する」
半ば確定された未来なんだ、と彼は言った。
「……気に入らないわ」
「なにがだい?」
「そんな未来が」
それ以上は触れず、ほむらは目を閉じた。
照明を消し、真っ暗になった部屋の中で、静かに息を吐く。
キュゥべえもなにかを察したのか、ほむらの隣に身を伏せてそれ以上何かを告げようとはしなかった。
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 20:55:01.13 ID:CO+XoY7HO
よう人様の著作物を拝借してまどマギとエヴァを穢すの楽しいか豚?
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 20:55:10.39 ID:8QnUFGjzO
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 20:55:17.83 ID:07t8IH+3O
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 20:55:25.87 ID:N4JLI/ZKO
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 20:55:33.53 ID:G4NrnroAO
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 20:55:41.39 ID:HJ4uOWX8O
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 20:55:52.84 ID:PgRrtZGtO
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 20:56:00.85 ID:Kz5SIbOTO
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 20:56:39.76 ID:Evlt7MowO
>>64
くっさいくっさい厨二病マシマシの文に胸やけを覚える
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 20:56:52.48 ID:vQMT7cGVO
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76 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/18(月) 20:57:47.32 ID:urkHNFqn0
このままだと、世界は滅びる。
でも――ええ、いいでしょう。
世界が必ず滅ぶというのなら、私がそれを防いでみせる。
悲しみと憎しみばかりを繰り返す、救いようのない世界だけれど。
それでも、この世界は。
まどか。
かつてあなたが守ろうとした場所なのだから。
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 20:58:25.73 ID:yqUTWvOwO
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78 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/18(月) 20:59:06.95 ID:urkHNFqn0
(変わらないね、キミは)
(ボクがキミを見つけてから十五年)
(人間からすれば決して短くない時間が経過したにも関わらず、キミは変わっていない)
(表面上の変化はあるかもしれない。性格の変化もあるだろう。それに相応しい出会いと別れを経験してきたのだから)
(だけどそれは、時間経過による適応でしかない)
(永い時の螺旋の中で、キミの心は既に完成されていたのだろうね)
(キミの心は、今も昔と変わらずに『彼女』や『かつての世界』に向けられている)
(暁美ほむら)
(キミはやはり――興味深い存在だ)
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 20:59:17.37 ID:+7I8lszEO
>>76
余所の作品と無理矢理世界と作品を壊してるのは
>>1
だろ、ああん?
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 20:59:26.19 ID:38NwLUWsO
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81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 20:59:34.77 ID:v4/XdNltO
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◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/18(月) 20:59:48.66 ID:urkHNFqn0
何もない空間。
暗闇だけが広がる世界。
虚無のみが存在する場所に、何の前触れもなく光が生まれた。
宙に浮かぶように現れた銀の宝石――ダイヤモンドと、その背後に浮かぶ『M-01』の文字とともに、声が響き渡る。
M-01『十三番目の少女が動き始めたわ』
それに呼応するように、淡く輝くアメシストの宝石が現れ、『M-02』の文字が浮かび上がる。
M-02『長い間、ただひたすらに沈黙を保ち続けていた彼女がようやく仕事をする気になったか。まったく、不良娘にも困ったものだ』
M-01『とはいえ、それも契約の範疇よ。M-04とともに、八番目の使徒の撃破に合わせて行動する契約なのだから』
M-02『君は甘いね。そこが良いところでもある。……さて、それじゃあいよいよ、だね?』
M-01『ええ。《未来文書》は始まりの書へと行を移したわ。約束の日は近い』
M-01ダイヤとM-02アメシストの横に、大きな円を形作るようにして無数の宝石と文字が浮かび上がった。
83 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/18(月) 21:00:27.20 ID:urkHNFqn0
『M-01ダイヤ』
『M-02アメシスト』
『M-03トパーズ』
『M-04ルビー』
『M-05オパール』
『M-06サファイア』
『M-07ガーネット』
『M-08ターコイズ』
『M-09ペリドット』
『M-10ムーンストーン』
『M-11エメラルド』
『M-12コーラル』
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:00:33.44 ID:v4/XdNltO
\ ど〜してど〜してぼ〜く〜た〜ち〜は〜 生まれてしま〜った〜の〜だ〜ろう〜 /
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85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:00:56.69 ID:eLRoBBlVO
\ ど〜してど〜してぼ〜く〜た〜ち〜は〜 生まれてしま〜った〜の〜だ〜ろう〜 /
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86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:01:05.84 ID:ZvZ3FedUO
\ ど〜してど〜してぼ〜く〜た〜ち〜は〜 生まれてしま〜った〜の〜だ〜ろう〜 /
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87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:01:24.49 ID:pB7Mz9bhO
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88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/03/18(月) 21:02:03.47 ID:rWy3o5OXO
無視決め込んでんじゃねえぞ
二次創作イナゴの
>>1
オラ!
マジでぶっ殺すぞ
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:02:12.72 ID:FSbws7/RO
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90 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/18(月) 21:02:34.20 ID:urkHNFqn0
『総ては』
M-01の高らかな宣言に応じるように、円環を構成するすべての宝石から声が放たれる。
『『『総ては、マギカ・レコードと円環の理の導くままに』』』
『さあ……《人類保安計画》を始めましょう』
「……なんかこれ、恥ずかしいね」 ボソッ
「おい、かず……M-05、声に出すなよ」 ボソッ
「私はけっこう気に入ってるけど……」 ボソッ
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:02:35.90 ID:JaS/eybYO
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92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:02:44.95 ID:yqWiHsAJO
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93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:02:53.70 ID:TKzpD3LiO
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:03:01.65 ID:taJQdKzSO
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:03:09.62 ID:1DROKSgNO
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96 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/18(月) 21:03:14.86 ID:urkHNFqn0
第二話 魔法少女、到着。後編 完
第三話 ほむら、買い出し に続く
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:03:19.54 ID:Ri8Q6PYkO
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98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:03:29.43 ID:kw32ZCY6O
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99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:03:39.20 ID:CZBp4kNVO
\ ど〜してど〜してぼ〜く〜た〜ち〜は〜 生まれてしま〜った〜の〜だ〜ろう〜 /
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100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:05:49.42 ID:CZBp4kNVO
文章も投下量も少ねえな
完結させる気あんのかよ全然内容がないんですけどおおおお!?
やる気あるのか!?才能ないってレベルじゃないぞ
ファンに失礼だと思わないの?はずかしくないの
>>1
は?
101 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/18(月) 21:06:08.59 ID:urkHNFqn0
マギカ・レコード:広報公開情報
該当無し。
マギカ・レコード:一般情報
マギカ・レコードとは、とある魔法少女によって設立された共同体(コミュニティ)である。
緊急時のグリーフキューブの提供や生活支援、実戦教導から教育まで幅広く行っており、
セカンドインパクト以降短命化が顕著だった魔法少女の平均寿命が著しく伸びた最大の理由でもある。
マギカ・レコードを知る者は、マギカ・レコードに所属している魔法少女、あるいはその情報を知りえた魔法少女。
もしくはそれらを支える極一部の支援者のみである。
マギカ・レコードの全容は厳格に秘匿されているため、所属して恩恵を受けている魔法少女ですらその全容は把握できない。
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:06:37.24 ID:bFwWKsJrO
クロスオーバーという名のキャラ崩壊創作・既存の世界観ぶち壊し創作
そしてクロスオーバー先をすべて知らない受け手に誤った認識を植えつけ、先入観に変えてしまう
さらに作り手の贔屓や差別で作品・キャラクターの格差ができ、二次創作の最悪な部分を濃縮したヘイト創作と化してしまう事もある
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:07:23.15 ID:E+IKdnoJO
二次創作を非難される事は聞きたくない話だろうが、こちらも二次創作厨の欲望で「公式の設定やイメージ」をぶち壊すという無自覚の非難を放置するほどファンは寛容ではない
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:07:51.60 ID:yEArVohrO
我々の国は表現の自由という権利のみがすべてを統括しているわけではない。
例えばエロい絵をネットに流すまでは自由だが、流した後は「わいせつ物頒布等の罪」「公共の福祉」「エロい絵を見たくない人の表現の自由や人権」と続くもの。これらを否定するなら貴方達こそ「法や権利の侵害者」です。
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:09:38.37 ID:/fWHuqfBO
二次創作による改変や捏造は「作品やキャラクターの誤解を招く事」である
誤解されるという事は「作品やキャラクターの情報が正しく伝わらない」「作品やキャラクターの質を下げる」のだ。本当に「ファン」ならそんな事態は避けるなり工夫をすると思うがこの妄想垂れ流しの現状を見てるとお察しだな
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:10:07.57 ID:sUOPY4swO
二次創作を公式が規制すると公式の売り上げに影響するとか言ってますが、二次創作関係で裁判沙汰になった作品は今でも様々な形で継続している方が多いよ。むしろ二次創作物が公式の売り上げを妨害しています。
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:10:27.82 ID:pT0leZE9O
二次創作は著作者の許可なしの改変等をすると著作権の「翻案権」や「同一性保持権」に該当します
裁判になればほぼ敗訴となり、あくまでも「法律上」では違法。法律違反なんかしなくてもファン活動は出来るよね?
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:10:49.10 ID:Ow7/WEw1O
二次創作厨が作品やキャラクターを叩き出すのは「自分の同人誌や妄想の内容に影響が出た」から
奴らにとって作品やキャラクターは自分に都合のいい「素材」としか思っていない
109 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/18(月) 21:11:23.70 ID:urkHNFqn0
以上。
どれが本文かわからねえ!となったら名前欄をトリップでレス抽出すると良いかもしれません。
全部のレスにちゃんと目を通しているので(二度目)気軽に感想や質問などあったらどうぞ。
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:11:35.65 ID:b9Q3V5YtO
あなた方のやっている事は「ファン活動」「宣伝活動」と称して原作・公式・キャラクターに「有名税」を支払わせているだけ。
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:14:04.84 ID:yQyampbTO
>>109
内容がペラペラなのは何で?
アニメで言うなら1話分もないほど密度がない
せめてシンジがでるまでやれよ
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:14:49.80 ID:kPmBL8B9O
クロスオーバーという名のキャラ崩壊創作・既存の世界観ぶち壊し創作
そしてクロスオーバー先をすべて知らない受け手に誤った認識を植えつけ、先入観に変えてしまう
さらに作り手の贔屓や差別で作品・キャラクターの格差ができ、二次創作の最悪な部分を濃縮したヘイト創作と化してしまう事もある
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:15:11.26 ID:TbeA1eA2O
不特定多数の前に作品や妄想を晒すのはその不特定多数に評価や意見を求めるという事。肯定意見も否定意見も両方受け入れる覚悟がないなら最初から晒すな
肯定意見しか欲しくないとか何様のつもりだ
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:15:42.02 ID:eTGq1+qsO
二次創作が本当に自由で認められている権利ならわざわざ公式がガイドラインを出したり黙認する必要性はないはず。本来なら法に反する行いを見逃してもらっているだけで、二次創作は堂々と権利として振舞えるものではない。
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:16:13.15 ID:VzTNe/ruO
わざわざ関わる必要のない二次創作を糾弾するのは、他者の楽しみを潰したくないと遠慮していれば、二次創作厨によって普通に作品を楽しむ場を妄想話で埋め尽くす乗っ取り行為を受けたり、公式にまで影響をもたらす事があるからである
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:16:46.61 ID:w30Mh/w4O
公式の設定や世界観にハマった筈なのに設定も世界観も無視するような二次創作や妄想を好んでいたら「こいつは本当にその作品のファンなのか?」と公式通りを好むファンに疑問に思われるのは当然の事
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:17:24.96 ID:uG9iUGDDO
我々の国は表現の自由という権利のみがすべてを統括しているわけではない。例えばエロい絵をネットに流すまでは自由だが、流した後は「わいせつ物頒布等の罪」「公共の福祉」「エロい絵を見たくない人の表現の自由や人権」と続くもの。これらを否定するなら貴方達こそ「法や権利の侵害者」です。
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:17:50.88 ID:ZcmwomJMO
二次創作って嫌いな人の前にも晒さないと出来ないものなのかい?
人を選ぶものならブログに鍵かけて内輪だけ募って誰の目にも届かない所でやれ
お前らがやってるのは恥部を公共の場で見せつける犯罪者と何も変わらない
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:18:20.37 ID:ZcmwomJMO
二次創作による改変や捏造は「作品やキャラクターの誤解を招く事」である
誤解されるという事は「作品やキャラクターの情報が正しく伝わらない」「作品やキャラクターの質を下げる」のだ。本当に「ファン」ならそんな事態は避けるなり工夫をすると思うがこの妄想垂れ流しの現状を見てるとお察しだな
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:18:39.99 ID:O6cOfzNQO
お前らが公式厨・原作厨と呼んでいる奴がなぜ二次創作を嫌がるか分かるか?二次創作によって作品やキャラクターの誤ったイメージを広げられる可能性を嫌うのが原因の一つだ。どんな対処をしていようが今はネットによって面白いほどよく広がるからな
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:19:05.68 ID:7doQMwMM0
ネットストーカー規制法制定されてから絶滅したと思ってたけど未だに粘着っているんだな
春休みでかまってほしいだけなんだろうけど節度守れ
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:19:25.16 ID:K47JKJlSO
他人の作品を無断で使用した創作物を「自由だ」「人の勝手だ」なんて正当化できるとでも思っているのか?許可を出している作品でもなければ、勝手に看板背負って商売したり本物の名を語ってデマを流しているのと変わらない
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:19:52.76 ID:/K1dCG8yO
二次創作厨は自分に都合が悪くなると「お前が出て行けばいい。見なければいい」と言う
散々純粋なファンの作品をレイプし、世界観やキャラを破壊しているのにこの横暴さである。まず自分達はイレギュラーな存在で、出て行くべきは自分達であると自覚するべきだ。
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/03/18(月) 21:23:50.51 ID:/K1dCG8yO
>>121
初対面アピールのクッセェ芝居いらねえから死ね
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 21:40:49.16 ID:gOG4aq/cO
>>1
は
>>111
のレスにいつ答えんのかな?
126 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/18(月) 22:23:56.45 ID:urkHNFqn0
>>111
早ければ次回
密度に関しては当分この調子
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/18(月) 22:27:53.91 ID:had4rbO6O
乙
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/19(火) 10:04:28.35 ID:1T6XXUQT0
まどマギのスレ民度低すぎ・・・w
春休みNG祭りやな
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/19(火) 10:05:15.13 ID:ffAxTAq1O
一人聖戦士様が暴れてるからな
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/19(火) 10:09:25.00 ID:1T6XXUQT0
人狼ジャッ○メントもそうだけど。春休みとか夏休みは俺は嫌い。ガイジキッズ多過ぎて嫌になる。
本当に酷い世界だよここは。
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/19(火) 11:51:11.19 ID:5F326KUwO
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! メ  ̄`. ´  ̄` .ノ
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ノ # メ ヽ、
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'、 >.ト. ' |. ' イノ .ノ
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132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/19(火) 13:39:19.51 ID:ucD092JjO
面白そう
魔法少女ってエヴァに勝てるの?
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/19(火) 13:43:55.74 ID:z67B4voyO
勝てる勝てないの最強議論云々を違う作品同士でやる事自体が馬鹿馬鹿しいのに
そこら辺の作品の断絶を破壊していくクロスオーバーが嫌われるのがよくわかる
134 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/19(火) 18:09:17.30 ID:KR1eE+hJO
アルティメットまどかなら勝てる
135 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:23:39.51 ID:UNrJknVn0
勝てるかなぁ、勝てないかなぁ、わからないからクロスは楽しいですね
投下します
136 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:24:29.72 ID:UNrJknVn0
ネルフ本部 司令室
司令室というにはあまりにも広大な空間に、三人の人影が浮かんでいる。
一人は椅子に座って机に肘を置き、口元を覆うように手を組む男。
もう一人はその男のすぐそばに立って腰の後ろに手を回した初老の男だ。
どちらも厳格な雰囲気を漂わせてはいるが、今すぐに何かをするような素振りは見せず、淡々と構えている。
そしてそんな威厳のある二人を前に完全にリラックスした調子で佇む男がいた。
加持リョウジである。
加持「碇司令に頼まれていた例の件、探っておきましたよ」
彼の言葉を聞いた男――碇ゲンドウは、表情をまったく変えることなく沈黙を維持した。
ゲンドウの隣に立つ冬月はそんな彼の態度に呆れるように溜め息をこぼすと、仕方なく、といった風に口を開いた。
冬月「例の件というと、コード707のイレギュラーかね」
加持「ええ。コード707……第壱中学の件です。ご存知のとおり、シンジ君たちの通う学校は諜報部が監視の目を光らせているテリトリーです」
冬月「そこに、本来であれば予定にない転入生。他の組織の介入やスパイの危険性を考慮するのは当然だな」
加持「それでさっそく調べてみましたが……やはりヒューマンエラーによる偶発的な事故の線が濃厚かと」
冬月「ふむ」
137 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:25:58.90 ID:UNrJknVn0
加持「対象の第壱中学への転入自体は保護者の意向だそうです」
加持「本来ならここで跳ね除けられるべき案件なんですが、どうも書類の不備と管理ミスで通してしまったとか」
加持「シンジ君たちのクラスへの編入は職員のミスであることが判明しています。他のクラスの生徒の数とあのクラスの生徒数を考慮した結果かと」
冬月「組織ぐるみではなく、手続きミスが重なり合った結果か。君個人の見解はどうかね」
加持「昨日、軽く接触してみました。が、印象としてはただの子供です。可愛いもんですよ。素性もリッ……赤木博士に頼み込んでMAGIに調べてもらいました」
冬月「それで?」
加持「セカンドインパクト後に産まれたのは確かです。ただし両親は不明。一人で廃墟をさまよっていたところを五歳のときに民間の施設に保護され、まっとうに成長」
加持「転居の理由は『社会勉強』だそうです。第3新東京市が日本の最先端なんで色々と学ばせたいんだとか。……ただ、『美國コンツェルン』の経営する施設の出身という点は気になります」
加持「なんせ保護者の名義は美國織莉子、本人ですからね」
冬月「美國コンツェルン。NERVの利権にあぶれたものの、国内でもトップクラスのあの企業か。碇、どう思う?」
冬月が尋ねると、ゲンドウは首を縦に振った。
ゲンドウ「……これまで通り、パイロットの監視と保護さえ怠らなければ問題無い。子供に出来ることなどたかが知れている」
冬月「ふむ。なら監視は解除してもいいな。ただでさえ人手不足なのだから」
加持「そう仰って頂けると助かります。まっ、俺の方でも暇があったら何度か接触してみますよ」
冬月「ああ、頼んだよ」
138 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:26:50.22 ID:UNrJknVn0
加持は肩をすくめると軽い足取りで部屋の外に出て行った。
それを確認した後、冬月は組んでいた手を顎に添え、首を傾げる。
冬月「……学校だけならまだしも、あのクラスとはな。データ上はただのミスでも、本来ならばありえない事態だ」
ゲンドウ「ヒューマンエラーはよくあることだ。それにマルドゥックの件を知る者が少ない以上、下手に手を回すのも勘繰られる。特に彼にはな」
冬月「確かに、それもそうだな」
ゲンドウ「万が一にも工作員だった場合は排除すればいいだけの話だ」
冬月「……子供を排除するというのは好かんがね」
しかし、と冬月は視線をそらす。
窓に映る超広大な空間、地下に設けられた巨大な地下空洞であるジオフロントを見ながら、彼は眉をひそめた。
冬月(暁美ほむら、か。聞き覚えの無い名前ではあるが、しかしあの顔……どこかで見たような気もするな)
データにあった、黒い髪の少女。
その顔を思い出し、彼は目を閉じた。
冬月(……いや、俺の考え過ぎか。やれやれ、碇のせいで余計なことまで悩むようになってしまったな)
139 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:28:11.73 ID:UNrJknVn0
◆
高層マンション
ほむらはカーテンすら取り付けられていない窓のそばに立つと、朝日を浴びるように軽く伸びをした。
何気なく首を振って、軽く視界を確認。
ほむら「……どうやら監視は付いていないようね」
キュゥべえ「高層マンションだからね。外から監視するのは難しいんじゃないかな」
ほむら「狙撃ポイントならざっと数十箇所あるわ。無駄に高いマンションやビルが多いから」
キュゥべえ「それでも十分に距離が離れているじゃないか。仮に撃たれても君の結界を貫けないよ」
ほむら「それでも、一度撃たれてしまえばそれで終わりよ。私の正体が露見すれば全ては御破産。面倒くさいわね」
キュゥべえ「今のところ監視が付いていないのなら、ひとまずは安心していいんじゃないかな」
ほむら「言われなくても。……それにしても、美国織莉子の杜撰な工作のせいでせっかくの優雅な朝が台無しね」
ほむら「朝日がこんなにも眩く輝いているというのに――私に会えることが嬉しくすぎて太陽も思わずハッスルね」
キュゥべえ「無視するけど、今回の件は杏子も関わってるよ」
ほむら「佐倉杏子は良いのよ。美国織莉子はほら、私が嫌いだから」
今回の第3新東京市潜入は、まず美國コンツェルンの裏工作によって『十年前から用意していた』戸籍を第3新東京市に移動させることから始まった。
そこから業者を介して仕掛けた魔法によって認識を誤魔化し、
書類のミスを誘発させて第壱中学に転入するためのチケットを手に入れる。
さらに事前に潜入した佐倉杏子の幻惑魔法によって職員に暗示をかけ、
無理やりパイロットの教室にねじこませることに成功したのだ。
140 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:30:19.43 ID:UNrJknVn0
キュゥべえ「相変わらず彼女には手厳しいね」
ほむら「手を緩める可能性はゼロよ」
キュゥべえ「初対面のときなんか危うく殺しかけてたよね」
ほむら「あれはドッキリよ。初対面の相手にナイフをお尻の割れ目にねじ込まれて寸止めされた人間はどんな顔をするのか、というドッキリ」
ほむら「あの美国織莉子も梅干しを口に詰め込まれたみたいな顔して観客は大ウケ。主に私が」
キュゥべえ「そばにいた呉キリカはキミを本気で殺す気だったけどね」
キュゥべえ「……でも不思議だなぁ。ボクの知る限りでは、キミは彼女に何かをされたわけじゃないはずなんだけど」
ほむら「語れば長くなるわ。――漫画本で二冊程度の話になるから」
キュゥべえ「嫌に具体的だね。話を戻すけど……事前にキミがこの街に潜入していれば、色々ともっと簡単だったんじゃないかな」
ほむら「去年は旧東京の調査、七ヶ月前はワルプルギスクラスの大魔獣との戦闘、三ヶ月前はセクトの鎮圧と忙しかったのだから仕方がないでしょう」
ほむら「特にセクト。あのテロ屋共、何度潰しても湧いて出てくる……」
セクトとは、セカンド・インパクト後に現れたとある宗教の過激派グループの名称である。
事実上のテロリストであり、その活動範囲は世界規模だ。
日本ですら何度かその攻撃の対象になっている。
141 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:31:33.81 ID:UNrJknVn0
キュゥべえ「まだ生き残りがいるらしいよ、彼ら」
ほむら「ゴキブリ並みの生命力ね」
キュゥべえ「ゴキブリは被害が少ないからまだいいよ」
ほむら「ともあれ、美国織莉子の『第八の使徒撃破後』という注文には応えたのだから問題はないはずよ。まして先月なんて……なんと言ったかしら、あの男」
キュゥべえ「時田シロウのことかな」
ほむら「そう、警察に護送される予定だった時田氏を襲撃、護送車を爆破する段取りまでやったあげたのだから」
キュゥべえ「あの織莉子が十三回も君にお願いをして、ようやく折れた君が彼女に一切連絡を取らずにやってのけたあの襲撃事件だね」
キュゥべえ「顔面蒼白になって急いでキリカを向かわせたときの織莉子のコメント、聞きたいかい?」
ほむら「私の鮮やかな手口と慈悲深さに感涙するところまで容易に想像できたから遠慮しておくわ。文句を言われる筋合いがないのは確かね」
キュゥべえ「小言を言われる筋合いはあると思うけどなぁ」
ほむら「大事になってから言いなさい」
キュゥべぇ「ああ言えばこう言う……」
ほむら「それが大人というものよ」
キュゥべえ「魔法少女の少女とはいったい……」
142 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:33:48.07 ID:UNrJknVn0
キュゥべえ「それより、これからの予定は?」
ほむら「……学校に通うのは明日からだから、余裕があるわね」
キュゥべえ「それじゃあ当面の生活のために買い出しにでも行く?」
ほむら「そうね……せっかく広い部屋なのだから新しい調度品が欲しいところね。添え付けのクローゼットはともかくテーブルすら無いのはどうかと思わなくもないし」
キュゥべえ「まずはベッドだよ。いつまでもフローリングに転がって寝るのはどうかと思う」
ほむら「高層マンションだし、業者に苦労かけさせるのも心苦しいでしょう。それにベッドはあなたが勝手に入ってくるから嫌なのよ」
キュゥべえ「いつも蹴っ飛ばすくせに……じゃあ布団で寝る?」
ほむら「……素直にベッドにしましょう。ついでにあなた用の犬小屋でも買って帰ろうかしら」
キュゥべえ「犬扱いはこの際無視するけど、庭付き2階建てならそれもいいかな」
ほむら「鍵は外側だけで良いのよね? 内装は花が多めで良いかしら。
三年前に杏子に撮ってもらった、釣り針に引っかかって海にダイブするあなたと、
それを見て釣り竿片手に爆笑してる私のツーショット写真も入れておくわね。あとあなたが生前愛用していたルービックキューブも収めてあげる」
キュゥべえ「今気付いたんだけど君が想定しているのは犬小屋じゃなくて棺桶じゃないかな」
ほむら「あらやだうっかり」
キュゥべえ「この子は……」
ほむら「冗談はさておき、買い出しはいいわね。善は急げ、さっそく準備しましょう」
キュゥべえ「やれやれ」
143 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:35:16.84 ID:UNrJknVn0
クローゼットに押し込まれた服を見比べながら、ほむらはふと顔を上げた。
隣でどうでもよさそうにルービックキューブをいじっているキュゥべえに目を向ける。
ほむら「佐倉杏子と連絡を取る件なのだけれど」
キュゥべえ「ああ、盗聴されてないんだし良いんじゃないかな」
ほむら「電波を辿られる危険性は?」
キュゥべえ「……いや、今のところその手の干渉はなさそうだ。君たちの持っている携帯電話は美國コンツェルンの特別なカスタマイズが施された物だからね」
ほむら「ふむ……」
キュゥべえ「なにか思うところでも?」
ほむら「この街にあなたの別個体は何体いるの?」
キュゥべえ「今は杏子のところくらいだよ? この街にはなぜだか魔獣が出現しないからね。ボクらがたむろしても意味が無いよ」
――魔獣。
人の妬み嫉む心や憎しむ悪く念、いわゆる呪いと呼ばれる負の感情によって生み出されるこの世ならざるもの。
人類の負の感情を餌に顕現し、人類から精気を奪ってさらに力を蓄え、世界に干渉して『歪み』を正そうとするものだ。
歪み。およそ人には感知できず、インキュベーターにとっても理解されない世界の間違い。
それを正そうとする魔獣は世界からすれば救世主であり、聖職者に等しい在り方かもしれない。
だが人類からしてみればその行為は『搾取』であり『攻撃』にほかならない。
魔獣を倒すことで魔法少女はグリーフキューブという結晶を手に入れることが出来る。
それを利用することで魔法少女の持つ魔力機関、魂そのものであるソウルジェムの穢れを浄化できるのだ。
そして穢れを宿したキューブをインキュベーターが収集し、そのエネルギーを宇宙に還元するという名目であれこれ多角的に利用している。
しかし、この第3新東京市には魔獣が出現しない。
これは事前の調査で判明していることだ。
魔獣が産まれないということは魔法少女が生きていくのに適していない環境であるということに等しい。
ほむら「その原因の調査もいずれ行わないといけない、か……」
キュゥべえ「NERVが関与しているのは確かだろうけどね」
ほむら「彼らが私達のような存在に気付いていないとしたら、偶発的に引き起こされていることになる。その原因になりそうなものといえば……」
キュゥべえ「エヴァンゲリオンだね」
144 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:36:08.81 ID:UNrJknVn0
頷き、ほむらは服を取り出した。
黒のワンピース。鏡の前で身体に重ねて見てみる。
ほむら「黒……気分的にはもう少し明るい色なのだけれど、これも悪くないわね。
なんとなくだけれど、この街で黒い女は周りの個性に埋もれなくてキャラが立ちそうな気がするわ。逆に白はダメ。相手が強すぎる……」
キュゥべえ「戯言は無視するけど、ホットパンツは? 動きやすくて気に入ってるって言ってたじゃないか」
ほむら「あれは佐倉杏子と被るでしょう。死にたいの?」
キュゥべえ「無茶苦茶な……」
ほむら「まぁこれでいいでしょう。ほら、外に出なさい」
キュゥべえ「もうちょっとでルービックキューブが完成するから待ってぎょっ!?」
キュゥべえの体をすくい上げるような角度と勢いでほむらの右足が振り上げられた。
きれいな放物線を描いてキュゥべえが部屋の外に飛んでいく。
ほむら「蹴り飛ばしたわ」
キュゥべえ「とうとうただの事後申告になったね……」
しっかりと扉を閉めてから、いま着ている衣服を脱いでいく。
スカートから足を抜いたところで、そういえば、とほむらは思い出したように口を開いた。
ほむら「そうじゃなくて、佐倉杏子のところにあなたはいるのでしょう?」
キュゥべえ「いるよ。それがどうかしたのかい?」
ほむら「それならあなたが私達のメッセージを中継すればいいじゃない」
キュゥべえ「えぇー……」
ほむら「テレパシーは無駄に魔力を食うでしょう。距離も遠すぎると使えないし、電波も今は念のために使いたくない。その点あなたたちなら利用し放題パケ放題」
キュゥべえ「残念だけど、それは無理だね。ちゃんと理由が」
ほむら「無能」
145 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:37:02.92 ID:UNrJknVn0
キュゥべえ「最後まで聞こうよ。ちゃんと理由があるんだ」
ほむら「というと?」
脱いだ衣服をちゃんと畳み終えると、ほむらはワンピースに袖を通した。
鏡の前で一回転。
イケる。
ほむら「鏡を見たらとんでもない超絶スーパーウルトラ美少女がいて焦るわ」
キュゥべえ「世迷い言を無視するけど、杏子の居場所が悪いんだ。彼女はいまゲームセンターで遊んでいるからね」
キュゥべえ「しかもクレーンゲームで三十回連続成功達成中で周りにギャラリーが大勢いる。さすがにこの状況でボクに話しかけたら怪しまれるよ」
ほむら「ゲーセン通い……飽きないのかしら」
キュゥべえ「それに杏子のところにいるボクはしばらくしたらこの街を離れる予定だからね」
ほむら「なぜ?」
キュゥべえ「佐倉杏子と暁美ほむら、この両名がこの街に集中しているということが何を意味するかは分かるだろう?」
ほむら「人手不足ね。魔法少女本来の使命である魔獣狩り方面での」
キュゥべえ「本来であれば君たちが集めるはずだったグリーフキューブが手に入らなくなってるわけだからね。代わりを埋めるために大忙しだよ」
ほむら「……主張は分かったわ。まぁ、いいでしょう。監視がなければ佐倉杏子とは表でも接触できるし」
キュゥべえ「分かってくれたみたいだね」
ほむら「ええ、分かったわ無能」
キュゥべえ「分かってくれぬみたいだね」
146 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:37:31.19 ID:UNrJknVn0
◆
第3新東京市 ショッピングモール外
ほむら「買い出しはこの程度でいいかしら」
キュゥべえ「十分だと思うよ。家具類の配送は夕方だっけ?」
ほむら「ええ。即日配送なんて気が利いてるわね」
キュゥべえ「じゃあそれまで暇になるね。これからどうするつもりだい?」
ほむら「そうね……食事にでも行きましょうか」
キュゥべえ「ボクはイタリアンでいいよ」
ほむら「ペレットでも食べてなさい」
キュゥべえ「……まあペレットでもいいけど」
ほむら「不貞腐れないの。それよりあなたの扱いにも困るところね……」
自分の肩に寄りかかっているキュゥべえを見て、ほむらは舌打ちした。
キュゥべえ「やおら酷いけど、どうして困るんだい?」
ほむら「盗聴機を仕掛けられたら面倒でしょう。それに独り言をつぶやいているようで抵抗もあるわ」
キュゥべえ「テレパシーでいいじゃないか。魔力的な問題はあるけれど微々たるものだし」
ほむら「他人事だと思って……やはり『あの手』を使ったほうが良いかもしれないわね。どうせ『彼ら』には見えているんでしょう、あなた」
キュゥべえ「それはそうだけど……あれかー……うーん……」
147 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:38:16.58 ID:UNrJknVn0
と、そこでほむらは足を止めた。
すぐそばにある店の看板に目を留め、興味があるかのように軽く腰を落とす。
そのまま身体を看板へ向けたまま、視線だけを左にそらした。
「どうしたんだい、ほむら?」
肩に乗ったキュゥべえの問いかけを無視して、ほむらは視線の先を注視する。
道路の先、いくつかの信号を跨いだそのさらに奥に見える人影を捉えた。
「見付けた」
「なにを……ああ、いや。なるほどね」
キュゥべえはほむらと同じ方向を向いて、納得したように頷いた。
視線の先には三人の子どもたちが並んで歩いている光景がある。
一人は少年で、他の二人は少女だ。
勝ち気そうな少女が先を行き、そのあとを少年ともう一人の少女が後を追うように続いている。
「報告にあった外見通りだね」
「ええ。正直、ここで出くわすのは危険ね」
「ここでコネクションを作るのもありじゃないかな?」
「引っ越した翌日にいきなり接触はマズイでしょう。接触するなら学校の、より自然なタイミングで、ね」
三人の行先が自分とかぶっていないことを確認すると、ほむらは一息ついた。
彼らの顔をほむらは知っている。その外見的特徴を、性格を、その実態を、ほむらは理解している。
彼らこそは、この街における重要な鍵となる存在。
ほむらが接触すべき対象であり、保護、ないし排除すべき対象でもある存在。
汎用人型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン――そのパイロット。
チルドレンと呼ばれる、運命を仕組まれた子供たちだ。
148 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:38:42.87 ID:UNrJknVn0
「ちょっと待ってよアスカ、本部に行くんじゃないの?」
「ちょっとゲーセン寄ってくだけよ、べつにいいでしょそのくらい」
「そんなまた勝手に……どうしよっか、綾波」
「先に行くわ」
「ああ、うん……じゃあまたね、綾波」
魔法によって強化された聴覚が捉えたのは、どこにでもいる普通の子供の会話だった。
ともすれば無関係の子供たちだと思いかねないほどに、普通の会話だ。
だが『本部』というワードが出てきたのは看過できない。
本部とはおそらくNERV本部のことを指しているに違いない。
「やはり彼らで間違いないないようね……」
「追いかけるかい?」
「やめておくわ。さすがにリスクが高すぎる。……ねえ、聞いてもいいかしら」
「質問の内容によるね」
「彼らの素質は、どう?」
ほむらが尋ねると、キュゥべえは丸く紅い瞳を閉じて考え込むような仕草をした。
それから数秒の間を開けて彼は言う。
「世界を救う英雄。あるいは世界を滅ぼす悪魔。そのどちらかと言われれば、信じてしまいかねないほどの因果を背負っているね」
149 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:39:16.29 ID:UNrJknVn0
魔法少女の素質とは、契約以前の状態でどれだけの人々に影響を与えるか、またその魂の在り方によって大きく左右される。
文字通り世界を救っているエヴァのパイロットがそれほどの素質を背負っていたとしても不思議ではない。
「想定通りね。魔法少女になった場合は?」
「キミでは到底太刀打ち出来ないだろう。元の素質が桁違いだ」
「念の為に聞いておくけれど、契約するつもりはないでしょうね」
「今のところはね」
「それを聞いて安心したわ。……ん?」
ほむらの視線が動く。
青い髪の少女がはなれ、二人となった彼らの先に一人の少女が立っていた。
どこかで見た顔、どころではなく、つい昨日見た顔。
一緒に車に乗った顔で、十五年来の付き合いになる人物の顔を見て、ほむらはため息を吐いた。
「タイミングが悪すぎるわね」
「確かに。これはちょっと出来すぎてるね」
二人がトーンを落とした声でささやきあうのを尻目に、その『知り合い』は――
『佐倉杏子』は、チルドレンである二人に向かって軽く手を振った。
150 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:39:42.40 ID:UNrJknVn0
杏子「やっほー。遅かったじゃん? 今日は来ないのかと思っちまったよ、アスカ」
アスカ「色々あるのよ、事情ってやつが」
杏子「ふーん? で、シンジはなにしてんの?」
シンジ「買い物だよ。佐倉さんは……またゲーセン?」
杏子「ご明察。メダルゲームでバカ勝ちしたからあんたらにも分けてやるよ、三時間は潰せる量だからさ」
シンジ「いや、僕はいいよ。あとで本部に向かわなくちゃいけないし」
アスカ「そうそう、分かったらさっさとゲーセン行くわよ。今日こそ杏子をぶっ潰すんだから!」
杏子「今日こそ、ねぇ……杏子だけに?」
シンジ「自然とダジャレを……あ、気付いていないんだ」
アスカ「はぁ? なに言ってんの?」
杏子「まあなんでもいいや、じゃあ一戦だけプレイしてこうぜ」
151 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:40:08.34 ID:UNrJknVn0
ほむら「……佐倉杏子の仕事は調査と保護が目的じゃなかったのかしら」
キュゥべえ「接触して調査し、間近で保護しているのは確かだね」
ほむら「そんな報告、受けていないのだけれど」
キュゥべえ「杏子ならちゃんとマギカ・レコードには報告していたよ」
ほむら「あの死ぬほど恥ずかしい会議で?」
キュゥべえ「もちろん」
ほむら「まったく……それにしたって、保護対象と友達になってどうするつもりよ」
ほむらは何度目かになる深い溜め息を吐いた。
152 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:41:34.95 ID:UNrJknVn0
第三話 ほむら、買い出し 完
第四話 笑う、転校生 に続く
153 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:45:28.33 ID:UNrJknVn0
美國コンツェルン:一般情報
日本ではトップクラスの美國コンツェルンだが、同時に欠点も抱えていた。
それはまだ起業してから十五年程度の急成長の企業故の信頼の無さである。
これが足を引っ張り、美國コンツェルンは第三新東京市の建設やNERVの関連事業にはほぼ携われていない。
持ち株会社のいくつかが五次下請けでわずかに関わっているのに留める。
そのため、日本重化学工業共同体と同じく、NERV利権にあぶれたあぶれ組として影で揶揄されている。
なお、会長である美國織莉子氏は本来『美国織莉子』という名前であり、父親は元国会議員でもある。
汚職事件をきっかけに自殺しており、そういった経歴や名前を変えている点をマスコミや対立企業に非難されることも少なくない。
美國という性を名乗っているのは、セカンドインパクト以降のごたごたで戸籍情報が入り乱れ、旧字体になってしまったためである、と本人は説明している。
154 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/21(木) 02:52:28.70 ID:UNrJknVn0
今回の投下は以上
次回からようやくまともにクロスし始めます
お膳立て終了といった感じで
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/21(木) 19:27:56.42 ID:UL8zPaDYO
乙
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/22(金) 05:50:49.51 ID:t5wFIqX0O
乙
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/23(土) 20:51:21.37 ID:tYgt/KEE0
>>153
元国会議員?
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