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【P5x俺ガイル】八幡「やはり俺の友達は9股するなんてまちがっている」
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44 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:40:35.31 ID:8sXGoiCpo
八幡(らしくねえな…俺。やめたはずだ。そう、やめたはずなんだ。期待するのは…)
八幡(もう傷付きたくない)
八幡(でも、あいつは違うかもしれない)
八幡(…あいつだけは信じてもいいかもしれない…)
八幡(いやいや…どこまで傲慢で我儘なんだ俺は…。一方的に信用や信頼や期待を押し付けようなんて)
八幡(俺は一人、ずっと一人でいいんだ。小町と戸塚だけは別だが)
45 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:41:12.58 ID:8sXGoiCpo
八幡(それにあれだ、あいつにとってはああいう感じで接するのが当たり前なだけで)
八幡(そうだ…正解はそれだ。誰に対しても優しい由比ヶ浜のように。何も特別じゃない、俺にだけという事はない。あれがあいつの当たり前…)
八幡(はあ。そうとわかればリセットしよう。うん、今日の事は寝てリセットだ)
八幡「何もなかった!今日も普通の一日であった!おやすみ世界!」
小町「お兄ちゃんうっさい」
八幡「………」
46 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:41:55.60 ID:8sXGoiCpo
〜時は遡って11月20日〜
ールブラン店内ー
坂本竜司「はあ!?転校した!?引っ越しも!?つかその前にアイツ無事なのかよ!?」
喜多川祐介「ずいぶん急だが本人に害はないと思っていいんだな?」
新島真「ええ。お姉ちゃんのコネというかツテを使って、しばらく身を隠す意味でも彼にそうしてもらう事にしたの」
佐倉惣次郎「ま、この辺にいるよりは安心だからな」
佐倉双葉「そーそー」
奥村春「そうかもしれませんけど…せめて一目ぐらいは…」
高巻杏「どうにか彼に会えないんですか?てか、転校先ってどこなの?」
新島冴「悪いんだけど、転校先どころか居場所自体あなたたちにも今はまだ言えないのよ。というより知らない方がいいわね」
47 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:42:38.97 ID:8sXGoiCpo
竜司「あぁ!?そりゃどういう事だよ!?」
真「彼がああなった事で動きは止まっているとはいえ、まだ検察の目がどこにあるかわからないし警察がいつ誰の前に来るかもわからない。そんな状況だからよ」
双葉「だーからさっきそうじろうにも真のねーちゃんにも、皆でやった事の説明したんだろー?今この場は相互理解が終わった上での報告会みたいなもんだ」
双葉「てか無理やり動いてあいつらにバレて捕まったらリュージは蓮みたいに拷問に耐える自信あるか?私はないぞ!」
竜司「拷問って…あれか?蓮に薬使ってたっつう」
祐介「拷問か…退廃的な響きだ。耐えた先に何らかの着想が湧くかもしれん…興味深い」
双葉「変態ドMおイナリは黙ってろな」
祐介「誰が変態だ!」
48 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:43:32.12 ID:8sXGoiCpo
真「別に皆が信用できないとかそういう事じゃないの。条件は私も同じ。この中の誰かが例の強引な尋問で無理やり彼の居所を喋らされる可能性があるうちは仕方ないの」
冴「それを回避するためには知らないでおくのが一番なのよ。何しろ彼は怪盗団のリーダーだから。わかってちょうだい」
冴「それに例えあなた達の誰かが捕らえられたとしても、彼の事だから必ず何らかの手段で仲間を取り戻すはずよ」
惣次郎「こう言ってくれてんだ。あんまうだうだ言ってやるなよ。大体お前らも気をつけとかなきゃならねえんだからな。だったら今はあいつの事より自分の事を心配しとけ」
真「マスターの言う通りよ。大丈夫、ほんの一ヶ月程度と思うから。その間に私達に出来ることは進めておきましょう。黒幕らしき存在について手がかりを得ているわけだし」
双葉「ちなみにチャットはいつでも出来るからヤバい話はそっちでやれな」
杏「あそっか!双葉がセキュリティカッチカチにしてくれてるやつだし、話すならそっちだね!」
春「早速あとで彼に状況を聞いてみましょうか。新島さん、彼をよろしくおねがいします」
冴「ええ、任せて。私の信頼出来る人間に任せてあるわ。時が来れば私が迎えに行く手はずになっているから、その時が来たら真を通してでも良いから教えてちょうだいね」
49 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:44:11.33 ID:8sXGoiCpo
杏「こう言ってくれてるし、後はお願いしていいんじゃない?」
祐介「そうだな。今やこちらの側に立つ者のする事だ。ありがたく好意に甘えよう」
竜司「わーったよ!…つかモルガナは?あいつもか?」
双葉「そりゃうちのリーダーとモナはセットだからな!」
春「セットって…ハンバーガーじゃないんだから…」
杏「モルガナはポテトの位置かな?」
竜司「いーやアイツはナゲットに付いてくるマスタードだ。辛口だし!…俺、今のうまくね?」
双葉「リュージの頭はハッピーセットだけどな!」
竜司「んだとぉ?!」
祐介「くくくっ…微笑ましい…」
惣次郎「あー…まあ、なんだ。あんたとは色々あったが…あいつの事、よろしく頼む」
冴「はい。後は任せて下さい」
50 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:45:17.06 ID:8sXGoiCpo
〜時は一昨日に巻き戻って11月19日〜
ー夜 新島冴の車内ー
冴(連絡するのいつぶりかしらね……あんまり連絡したくないんだけど)
冴(愚痴が始まる前に切上げたいものだわ)
トゥルルルルルル…トルルルルルル…トゥルルルルルルル…
??「もしもし?久しぶりだね」
冴「久しぶり。今いい?」
??「大丈夫だよ。ちょうど誰かと話したかった所だし聞いてよ」
冴「私もね、大事な話があるの」
??「だ、大事な話!?それって…まさか結婚?!結婚じゃないよね!?私との誓いを忘れたわけじゃないよね!?」
51 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:46:35.76 ID:8sXGoiCpo
冴「違うから…。というかあなた婚活してるんでしょ?私が知らないとでも思ってるの?それは誓い破った事にならないの?」
??「うぐっ」
冴「全く。時間あるなら今からそっちに行きたいんだけど平気かな?直接話したい事なの。あの橋の所で待ってるから」
??「ああいいよ!聞かせてもらおうじゃないの!実はやっぱり結婚すりゅの〜☆なんて言い出したらラーメンおごり続けてもらうからね!!」
冴「あんた変わらないわね…とにかく後で。それじゃ」
??「うぉい待て冴!私は」
…プツッ…
冴(思いつく限りの箇所に急いで根回しはしたし…1つでもミスがないか真と何度も確認したし…。うん、大丈夫)
冴(問題は彼の事をどこまで隠し通せるか、ね…。あれであの子するどいから…あの子なんていう年じゃないけど)
冴(よし、行こう)
ブロロロロ……
52 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:47:20.87 ID:8sXGoiCpo
〜時は現在に戻って11月21日〜
ー夜 平塚静宅ー
コンコン
平塚「雨宮。入るぞ」
連「はい」
平塚「何度も言うがすまないな。こんな狭い部屋で」
連「大丈夫です。こないだまでいた所よりも人が暮らすための部屋って感じしますから」
平塚「君は一体どんなとこに住んでたんだ…?」
蓮「屋根裏ですけど?」
平塚「それが何か?みたいな顔で答えないでくれないか。返答に困る」
蓮「??」
平塚「それよりうちはペット禁止なんだがなぁ…」
蓮「すいません。迷惑はかけません。ちゃんとトイレ出来ますし、うるさくさせませんから」
モルガナ「にゃー」
53 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:47:49.22 ID:8sXGoiCpo
平塚「君たちは仲が良いのだな。まあ…そういう事なら許そう。ただし、誰にもバレないようにな?」
蓮「悪い教師だ」
平塚「ふふっ。いざとなれば君に襲われたと喚くさ。そうすればある意味で既成事実に…」
蓮「??」
平塚「おほん…なんでもない。あと取り決めたルールだが…忘れてはいないね?」
蓮「はい。学校ではあくまで教師と生徒。俺は先生の親戚の子」
平塚「よろしい。他には?」
54 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:48:20.81 ID:8sXGoiCpo
蓮「先生の出勤時間よりも先に出る事、遅くまでフラフラしない事。学校で面倒起こさないこと」
平塚「上出来だよ雨宮。しかし何というか…君がねぇ…」
蓮「何か?」
平塚「いやいやこっちの話だよ。あの冴の大層なお気に入りというからどんな男かと思えば…まさか学生だったとは」
蓮「意外ですか?」
平塚「まあな。それと雨宮。君には謝っておかなければならないな…」
蓮「??」
55 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:48:57.56 ID:8sXGoiCpo
平塚「噂の件だよ。冴が用意したシナリオは君が家庭内暴力から一時的にうちに避難してきた…となっていたはずなんだが…」
蓮「………」
平塚「その事を職員に伝えた直後にはもう悪い方の噂が知れ渡っていたようだ…本当にすまない。私の不徳だ。早急に対処するよう務めるから、噂が消えたら許してくれないか?」
蓮「大丈夫ですよ先生。いや、静さん」
平塚「しっしししずっ?!……あ、そうだなそうだったな。学校では先生、それ以外ではそうだ。静だ。私のことはそう呼べ。ははは!なははは!///」
蓮「どうしました?」
平塚「こほん…何でもないよ。ところで君と冴の話を聞いても構わないかね?」
蓮「まあ…ある程度なら」
平塚「何だか含みのある言い方をするじゃないか。君はああいうのが好みなのか?ん?年上だぞ?私とタメだぞ?ん?好きなのか?年上がいいのか?ん?ん?どうなんだ?ん?私は冴と違ってあんなにお堅くはないぞ!狙い目だ。私は狙い目だぞ雨宮。年上が好きなんだろ?な?ま、とりあえず夕食にしよう。何か食べたいものはあるかね?」
蓮「カレー」
56 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:49:59.87 ID:8sXGoiCpo
ー夕飯準備中ー
モルガナ「いい女だよなヒラツカって。お前ああいうの好みなんだろ?年上ばっかと付き合いあるじゃないか」
蓮「ああ。いい人だな」
モルガナ「医者に占い師に向こうの教師にあとは記者だったか?お前の周りの年上は。すげーなこりゃババアハーレムだぜ」
蓮「ババアじゃない。素敵なお姉さんたちの会だ」
モルガナ「で、誰がお前の中でナンババアワンなんだ?」
ピロリン…
モルガナ「お?携帯呼んでるぞ?」
蓮「チャットだな」
57 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:50:41.74 ID:8sXGoiCpo
竜司【おい!どっか行くなら一言いえ!】
双葉【そうだぞ。リュージの頭がハッピーになっちゃうぞ】
祐介【そっちはどうなんだ?】
杏【平気なのかな?みんなあのニュース見て気が気じゃないよ…】
真【まだ移動して2日目でしょ?さほど変わりないと思うけど…】
春【怪我とか平気なのかしら?】
モルガナ「みんな心配してるぞ?なんか返してやれよ」
蓮(どう返そうか…)
58 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:51:09.68 ID:8sXGoiCpo
コンコン
平塚「雨宮、いいか?」
蓮「はい。どうしました?」
平塚「そろそろ米が炊きあがるぞ。あとカレーどうしたらいい?作ってくれるという事だし、私はいじらない方がいいかもと思ってそのままだが…」
蓮「煮込んでるだけですし後は俺がやりますよ。静さんはくつろいでてください」
平塚「おっそうか?じゃあ…頼むよ………///」
蓮「どうしました?」
平塚「いや!何でもない!何でもないぞ!」
平塚(いい………年下いいぞぉーーーーーっ!!!!!)
モルガナ(こりゃ時間の問題だな…)
59 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:51:47.64 ID:8sXGoiCpo
ー夕食後ー
平塚「ふう…ごちそうさま。いやぁすごいな君は。プロが作ったかのようなカレーだったぞ」
蓮「お粗末さまでした。屋根裏に住まわせてくれた人に教えてもらったんです」
平塚「屋根裏か。どんなところなんだね?」
蓮「屋根裏喫茶店です。コーヒー飲みませんか?サイフォンはないからあまり美味しく淹れられないかもしれませんけど」
平塚「喫茶店の屋根裏という事だね?なるほど。というか君サイフォンの扱いまで出来るのか?」
蓮「屋根裏に住まわせてくれた人が極上カレーの作り方と極上コーヒーの淹れ方教えてくれたんです。もちろんそれなりに修行しましたけど」
平塚「そうか屋根裏の喫茶店の主がか。そんな年で色々出来るんだな君は。さぞモテるだろうと思うが…どうなんだ?」
蓮「どうでしょう?はい、コーヒーどうぞ」
60 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:52:13.19 ID:8sXGoiCpo
平塚「話してる間に……手慣れているな。まるで私のキッチンではありえないような良い香りが漂ってる。いただきます」
蓮「………」
平塚「うまいな!やるじゃないか雨宮!まさかカレーの後のコーヒーがこんなにうまいとは…」
蓮「良かったです」ニコッ
平塚「く〜〜〜〜〜〜〜っ//////」
蓮「??」
平塚(いい………やはり年下っていいぞぉーーーーー!!!!!)
モルガナ(うわぁ)
61 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:52:42.64 ID:8sXGoiCpo
モルガナ「おい、携帯の返事しなくていいのか?」
蓮「そうだった」
蓮【こっちは大丈夫だ】
竜司【返事おせぇ!つか返事おせえ!】
祐介【とことんマイページなやつだな】
双葉【おまゆうおイナリ】
真【体は平気なの?尋問どころかまるで拷問だったじゃない】
杏【大丈夫リーダー?】
春【あんなニュースの後でみんな心配してたんだから】
62 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:53:25.51 ID:8sXGoiCpo
蓮【平気だ】
真【相変わらず淡白な返事ね…】
春【まあいいじゃない。変わりないって事だから】
杏【冴さんから聞いてはいるけど…何かあったらすぐに言ってね?力になるから!】
竜司【そっちの学校どんなだ?可愛い子いるか!?】
双葉【やはりリュージ、頭ハッピーセット】
竜司【いやいや!祐介も気になるだろ?】
祐介【そうだな。どんな景色なのか気になるな。写真をくれ】
竜司【なんの景色だよ…】
63 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:54:27.93 ID:8sXGoiCpo
モルガナ「やれやれ。こいつらはかわんねーな。特にリュージ」
蓮「ははっ。そうだな」
ピロリン…
モルガナ「お?また携帯呼んでるぞ?」
ピロリン…
ピロリンピロリン…
ピロリンピロリンピロリン…
ピロリン…
ピロリンピロリン…
モルガナ「携帯すっごい呼んでるぞ?」
64 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:55:12.32 ID:8sXGoiCpo
妙【無事なのよね?】
蓮【無事なのよ】
千早【無事ですよね!?】
蓮【無事ですよ】
貞代【無事だよね?】
蓮【無事だよ】
一二三【無事…なんですよね?】
蓮【無事なんですよ】
一子【ちょっと無事!?】
蓮【かなり無事】
65 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:56:23.54 ID:8sXGoiCpo
岩井【無事か?】
蓮【無事だ】
信也【無事なんだよね!?】
蓮【無事なんだよ】
寅之助【無事かね?】
蓮【無事だね】
三島【無事なんだよな!?】
モルガナ「今日は疲れただろ?もう寝ようぜ」
蓮「そうだな」
66 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:58:12.63 ID:8sXGoiCpo
〜11月22日〜
ー朝 八幡宅ー
小町「お兄ちゃん朝だよ〜起きないとそのまま死んじゃうよ〜?そこに居続けると溶解して妖怪になっちゃうよ〜」
八幡「ううーん…なんかようかい…?」
小町「うわっ」
八幡「…なんだよ」
小町「別に〜。なんかいつもより目が沼っぽいから」
八幡「目が沼ってなんだよ…仮にそうだとしても、底はあるはずだぞ…」
小町「はいはいうっさい早く起きてちゃちゃっとご飯!」
八幡「うぬぬぬ」
67 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:58:54.33 ID:8sXGoiCpo
八幡「………」モグモグ
小町「………」パクパク
八幡「………」
小町「ねーお兄ちゃん。何かあった?」
八幡「…何も」
小町「しょーがないなぁ優しい小町が聞いてやろうじゃーありませんかぁ」
68 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 20:59:44.24 ID:8sXGoiCpo
八幡「…何もねえって。むしろ何もなさすぎて俺の人生に今後何かあるかどうかを賭けるまである。もちろん俺はない方な」
小町「はぁ。あのね、お兄ちゃんはいっつもわけわかんない事言うけど。調子悪い時はもーっとわけわかんない事言うんだよ。それが今。まさに今」
八幡「………」
小町「どしたの?」
八幡「………」
小町「雪乃さんとか結衣さんと何かあった?」
八幡「………」
69 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:00:12.32 ID:8sXGoiCpo
八幡「あ、そろそろ出なきゃなやばい遅刻しちゃうわそれじゃ小町気をつけて行けな!」
小町「はあ?!ちょっと!お兄ちゃん!?」
八幡「今日は雨かもしれないから早く帰るんだぞ!」ダダダッ
小町「ちょ!おい!お兄ちゃん!はちまん!おいコラァー!!!」
小町「…うーん……。………雪乃さんの番号は、っと……」
70 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:01:11.10 ID:8sXGoiCpo
ー通学路ー
八幡(はぁ…さすがは小町、我が妹。俺の異常をあっさりと)
八幡(…異常、か。そうだあれは異常だったんだ。あの異常は昨日までの、昨日だけのものだ。今日はもう)
蓮「おはよう八幡。早いんだな」
八幡「おう、おはよう蓮。お前もな」
蓮「今日は風が冷たいな」
八幡「そうね………ん?」
蓮「どうした?」
八幡「いや。…ん?あれ?」
蓮「どうした?」
八幡(…なんか、やけにナチュラルじゃないか?昨日のままか?俺まだ寝てるのか?)
71 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:02:04.51 ID:8sXGoiCpo
八幡「なあ蓮」
蓮「どうした?」
八幡「俺たちが初めて会ったのはいつだ?」
蓮「昨日だな」
八幡「俺たちが初めて会話したのはいつだ?」
蓮「昨日の放課後だな。いや、教室に入って自己紹介して、席に着く時の挨拶が初めてだな」
八幡「そうか。そうだよな」
蓮「どうした?」
八幡(…どうやら現実のようだ。やっぱり現実のようだ。ならばこそ、確かめなければならない…それは!)
八幡「なあ蓮」
蓮「どうした?」
72 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:02:35.22 ID:8sXGoiCpo
八幡「その、よ…俺たちってその…何つーか…」
蓮「どうした?」
八幡「…とっととととっとととっととっ友達!?」
蓮「落ち着け」
八幡「いや!だから!俺とお前って……友達なのか?」
73 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:03:11.43 ID:8sXGoiCpo
蓮「さあ?」
八幡「えっ」
蓮「わからないな」
八幡「そっか」
八幡(そうだよな。やっぱりこいつにとっては下の名前で呼び合うぐらい当たり前の事で…)
蓮「じゃあ八幡。今この瞬間から友達にならないか?」
八幡「…えっ…?」
74 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:03:52.55 ID:8sXGoiCpo
蓮「どうした?嫌か?」
八幡「嫌ってわけじゃなくって…えっ?」
蓮「どうした?本当にどうした?何かおかしいぞ。昨日の方がまともだった」
八幡「あっ、いや…でもほら、俺ってその、ぼっちだし!」
蓮「そうか。俺もだ」
75 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:05:22.48 ID:8sXGoiCpo
八幡「いやでもほら、お前はコミュ力あって話したり出来るタイプじゃん?!」
蓮「八幡こそ。今こうして話が出来るタイプだ」
八幡「いやそういうんじゃなくってほら!あれだ!」
蓮「どれだ?俺と仲良くするの嫌だったか?」
八幡「いやいやいや!嫌じゃねーって!むしろ嬉し……」
蓮「俺も嬉しいよ」
八幡(何だこれ何だこれ何かおかしくないか俺という存在が昨日というたった一日で崩壊させられてないか籠絡かこれがコミュ力オバケの籠絡法というものなのか?!)
76 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:06:06.51 ID:8sXGoiCpo
蓮「八幡」
八幡「しぇいっ!?」
蓮「出会ってたった一日だろうと、友達とも仲間とも呼べる存在っていうのは自然に出来るものじゃないか?」
八幡「お、おぉ……?」
蓮「何を怖がってるんだ?そんなに俺が怖いか?噂のせいか?あ、顔か?でもこれは薬漬けの上に一方的にやられたもので反撃は一度も」
八幡「違う!そんなんじゃねえよ!ってか薬漬けってなんだそれこえぇよ!それはこえぇよ!」
77 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:06:52.33 ID:8sXGoiCpo
蓮「じゃあ何が問題なんだ?」
八幡「それは…だから!俺はぼっちでずっとやってきて!今までもこれからもそのつもりでっ!」
蓮「つもりって程度の事なら今この場でおしまいにしたらどうだ?」
八幡「…ええぇ…?」
蓮「納得しないか?わかった。じゃあ八幡、取引しよう」
八幡「取引…?」
78 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:07:46.31 ID:8sXGoiCpo
蓮「そう。取引。友達になるという取引」
八幡「取引だと…?意味わかんねえぞお前何言ってやがんだよ…」
蓮「俺と友達になってくれれば、俺は八幡の友達になる。そういう取引」
八幡(取引が終われば元に戻る…か。どうせ一ヶ月そこらでいなくなっちまうやつだしな…適当に煙に巻いてさいならってか?まあそうだよな…今の俺を相手してんのって相当めんどくさいだろうし…)
八幡「あーやめだやめ。恥ずかしい事言っちゃってきんもー!」
79 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:08:49.16 ID:8sXGoiCpo
八幡「友達だ!?笑わせんなっての!こちとらぼっちのプロなんだよ。そう簡単にハイお友達になりましょうなんて言わねえよ!」
八幡「大体お前は一ヶ月そこらでいなくなるんだろ?!だったら」
蓮「意味がないって?そう思うか?」
八幡「思うね!エリートぼっち様をなめんな!俺が欲しいのはニセモノじゃなくって………っ…!!」
蓮「別に無理に友達になろうなんて言わない。ただな、そういう否定的なセリフはそれに相応しい表情で言うべきだ」
八幡「……ぇ…?」
蓮「そんな辛そうな顔で言われてもな。その程度の強がりじゃ俺には響かない」
八幡「………」
80 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:09:35.26 ID:8sXGoiCpo
八幡(何なのこいつ)
八幡(とてもタメと思えない)
八幡(何なのこいつ。何なのこの人間力)
八幡(何でこんなに真っ直ぐ見てきやがるんだよ気色悪い)
八幡(視線が外せない)
八幡(睨んでるつもりだけど、実際にはどんな目つきになってんのかな?俺って)
八幡(…あれ?こいつのメガネってダテメガネか?…ってそんなことはどうでもいい)
八幡(やばい動けない。ちょっとでも動いたら崩壊しちまう気がする)
蓮「………」
81 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:10:22.93 ID:8sXGoiCpo
八幡(思い出せ今までを。忘れるな今までを。仮に。仮にだ。仮に蓮の言葉を素直に受け取ったとしてだ)
八幡(どうせ一ヶ月もすればいなくなっちまうやつだ。そんなやつと友達になった所で…)
八幡(でも…)
八幡(それでももし…)
八幡(こいつが…蓮が。目の前にいるこのよくわからんダテメガネ野郎が本物なのだとしたら…)
蓮「ぷふっ……八幡。いくらなんでも悩みすぎだろ」
八幡「へっ?」
82 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:11:25.22 ID:8sXGoiCpo
蓮「友達になりたいかそうじゃないか、2つに1つしかない。俺は八幡と友達になりたいとすでに言ってる。八幡はどうなんだ?」
八幡「俺…?俺は……俺、は……」
八幡(思い出し続けろ忘れるな。俺はニセモノなんかほしくないんだ)
八幡「…俺は……俺……は…」
八幡(こいつだけじゃない、誰もがもれなく去って行くもんなんだ。戸塚だっていつかは……でも…)
八幡「…俺はっ…」
83 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:12:11.58 ID:8sXGoiCpo
蓮「お前はどうしたい?」
八幡(どうしたい?)
八幡(どうしたいかは決まってる答えも決まってる)
八幡(自分から突っぱねて、強がって他人と距離を置いてたくせに心の底ではずっとずっと憧れてたもの)
八幡(でも口に出来ない。口にしてもそれは叶わないと思うから)
八幡(だけど)
八幡「蓮……俺と………友達に、なっ……てくれ……なっい………か…?」
蓮「ああもちろん。八幡、俺と友達になってくれないか?」
八幡「…おう………ううぅ……///」
蓮「取引、成立だな」ニコッ
84 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:13:22.40 ID:8sXGoiCpo
ドゥンドゥン…ドゥラララララドゥンドゥン…ドゥラララララベーッベーベーッベーベーッベーベー
我は汝…汝は我…汝ここに新たな契を得たり
契りは即ち、囚われを破らんとする反逆の翼なり
我、献身のペルソナの生誕に祝福の風を得たり
自由へと至る、更なる力とならん…
ドゥンドゥン…ドゥラララララドゥンドゥン…ドゥンドゥン…ドゥラララララドゥンドゥン…
八幡「……取引、か…。なあ、取引が終わったら…俺たちどうなるんだ……?」
蓮「取引が終われば、俺たちは晴れて親友だな」ニコッ
八幡「ぐぅお……///うぅ……くそ…何なんだ……お前のせいで目から小町が……」グスッ
蓮「すごいな目から妹を垂れ流してるのか。鼻水は妹じゃないんだろ?誰なんだ?」
八幡「うるっせぇええぇーーーーっ!!!」
ー比企谷八幡コープ 《献身・ハングドマン》 解禁ー
※なおこのssにバトルはないので使い道はない
85 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:14:15.60 ID:8sXGoiCpo
ー教室ー
ざわわ・・・ざわ・・・
八幡(最悪だ。死にたい。今すぐ窓から飛び立って小町の膝枕で永遠に眠りたい)
ざわわわ・・・ざわ・・・
海老名「はろはろ〜比企谷く〜ん!うへへへぇええへへへへぇげへへぇぐふふふふぅえへへ…」
八幡「ぐっ…な、なんだよ……」
海老名「なーんでもないよぉ〜!うぇっへへへへいひひひひひうぇへへへへ…あまxはち…はちxあま?どっちも…ぐへへへぇ…」
八幡「ぬぬうぬぬぬぬぬぐぅ…」ギリギリ
蓮「何か悔しい事でもあったのか?」
八幡「ねえよっ!つか今は話しかけんな!」
蓮「どうした?」
86 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:15:16.57 ID:8sXGoiCpo
戸塚「いやぁびっくりしたよぉ…お昼前には2人の噂を色んなとこで耳にしてたんだもの」
八幡「戸塚…頼むから言わないでくれ…後生だから!」
葉山「いいじゃないか。2人ともあっという間に有名人だよ。姫菜と同じタイプの人が特に喜んでるとか。ちなみにはちxあまがメインストリームらしい。雨宮の扇動でなし崩し的に比企谷が」
八幡「ああああああー!!!それ以上言うな!俺の心に新たなトラウマが!」
蓮「何も恥じることはない。俺たちは学生なんだからとことん青春するべきなんだ」
葉山「耳までまっかっか。こんな比企谷を見れるとは思わなかったよ。そういえば雨宮?」
蓮「どうした?」
87 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:15:48.59 ID:8sXGoiCpo
葉山「修学旅行の班だけど、決まってないなら俺と組まないか?もちろん比企谷も一緒にさ」
八幡「なんでそうなる?!」
戸塚「ねえ八幡…ボクもそこに入ってるんだけど…いや、かなぁ…?」
八幡「嫌なわけがないぞ戸塚むしろウェルカムだウェルカムすぎてこっちがそっち行っちゃってるまである」
葉山「よくわからないけど…この4人で決まりってことでいいかな?」
蓮「ああ。よろしく」
88 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:16:18.06 ID:8sXGoiCpo
戸部「ちょっとちょっとぉ隼人くーんそりゃないでしょーぉ」
葉山「え?でも俺は誰からも誘われてなかったしさ。まあいいじゃないかたまには」
戸部「そりゃないでしょーぉ。だってほらぁ、ね?噂の人物もいるわけだしさーぁ?やばいでしょーぉ?」
葉山「戸部。お前までただの噂を信じるのか?というかどの噂の事を言ってるんだ?」
戸部「いやぁでもよぉ隼人くーん」
葉山「悪い方の噂の事を言ってるならさ、その悪いとされてる張本人が朝っぱらからそんな青春すると思うか?しかも人前で」
八幡「やめろ葉山!その件に触れるワードはしばらく禁止だ!」
89 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:16:59.43 ID:8sXGoiCpo
蓮「さすがに俺もちょっとやな感じするから控えてくれ葉山」
葉山「ははっ。わかったよ2人がそういうなら仕方ない」
戸部「あのよぉアメミヤくん?」
蓮「アメミヤじゃなくてアマミヤだ。で、何?」
戸部「雨宮くんね!?でさぁ俺さぁ、わけあってこのまま引き下がるわけに行かねーんだわーぁ。だからよーぉ?悪いんだけど別の人と組んでくんね?」
蓮「どうして?」
90 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:17:39.86 ID:8sXGoiCpo
戸部「だからあ引けねえわけがあるっつってんでしょーよーぉ?」
蓮「引かないと言ったらどうする?」
戸部「んじゃあ…やっちまうっきゃねーべ!」
葉山「戸部!いい加減にしろ!」
八幡「…葉山、原因はお前なんだからお前がどうにかするべきじゃないか?」
葉山「わかってる。なあ戸部、どうしたんだ?お前らしくないぞ?」
91 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:18:27.16 ID:8sXGoiCpo
戸部「隼人くんさぁ…板挟みの俺の事もちょっとは考えてくれてもいいんじゃねーかなぁ…?」
蓮「……」
戸塚「えっと…ケンカはだめ!と思うよ…」
八幡「なあ葉山。多分…というかこれは絶対あれだろ。お姫様だろ」
葉山「……」チラッ
優美子「………」イライラ
葉山「はあ…わかった…。すまない雨宮、俺のせいで…」
蓮「気にしなくていい」
92 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:19:04.14 ID:8sXGoiCpo
八幡(ここは葉山を向こうに加えて戸部の監視役をさせた方がいいかもしれないな)
八幡「葉山。お前戸部たちと組めよ」
葉山「えっ?!比企谷それは…」
八幡「戸部を監視するのにも良い立ち位置だろ?」ヒソヒソ
葉山「そうかもしれないが…」ヒソヒソ
蓮「戸部くん。提案がある」
戸部「あぁん?提案?」
八幡・葉山「??」
93 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:19:37.89 ID:8sXGoiCpo
戸部「なに?どんなのよ?」
蓮「戸部くんもこっちに入ればいい」
八幡「えぇ…」
蓮「班の人数指定は最低2人組って事だし。なら別に5人組でもいいんじゃないか?」
戸部「それいいわーぁ!乗るっきゃないでしょーよぉ!」
戸塚「なんだかにぎやかになりそうだね?楽しみだなぁ」
葉山「すまん…」
94 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:20:09.53 ID:8sXGoiCpo
優美子「ちょ、戸部ー?!」
戸部「なになに今度は何なのよぉ…?」
優美子「いいからこっち来いっての!」
戸部「じゃわりーけどその提案に乗っからよ。雨宮くん、よろしくな!」
蓮「あぁ。よろしく」
八幡「蓮…お前すげーな」
葉山「すまん…」
蓮「葉山も大変だな」
海老名「………ぐふふ…♪」
95 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:20:54.05 ID:8sXGoiCpo
ー放課後 奉仕部部室ー
ガララッ
八幡「うーす」
雪乃「あら、来たのねホモ谷くん」
八幡「…何でそんなチョイスになったのか見当はつくが頼むからやめろくださいお願いします」
雪乃「良かったわね」
八幡「はあ?何がだよ?今日は丸一日赤っ恥で目まで真っ赤になりそうなんだが」
雪乃「腐った目を隠すにはちょうどいい色合いじゃないかしら?良かったというのは…お友達が出来て良かったわね、という意味よ」
96 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:21:41.39 ID:8sXGoiCpo
八幡「…まあな…」
雪乃「でもああいうやりとりって…ともすれば告白のようよね」
八幡「うぐっ…それ以上はやめろ。言うな。頼むから…」
雪乃「うふふっ」
八幡「なんでそんなに良い笑顔なんですかね…つかなんで詳細知れ渡ってんだよクソ…」
雪乃「お祝いにとっておきの紅茶淹れてあげるわ」
八幡「どーも」
ガララッ
結衣「やっはろー!!」
97 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:22:18.91 ID:8sXGoiCpo
雪乃「由比ヶ浜さんこんにちは」
八幡「おう」
結衣「ねぇヒッキー!」
八幡「ん?なんだ?」
結衣「ヒッキーはその…やっぱり男の子が好きなの?!」
八幡「ボフォッ!!??」
雪乃「由比ヶ浜さん…」
結衣「だって!だってヒッキーが彩ちゃんじゃなくってれんれんに告白したって噂がすごくって!」
八幡「な、なんだと…事態はそこまで…」
98 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:22:54.16 ID:8sXGoiCpo
結衣「うん、そう!でもね、れんれんは女の子が好きらしいから!ヒッキーがそれでもいいって告白したとかって!」
八幡「あ…ああああ……」ガタガタ
雪乃「さすがに同情するわね…」
結衣「ゆきのんも!?だよねだよね!だってヒッキーの恋の告白がれんれん相手じゃ実らないから…」
八幡「うわ…あぁ……うわあぁぁぁぁあ………」ガクガク
雪乃「いえ、そういう意味で言ったわけではないのだけれど…まあ由比ヶ浜さん。とりあえず座ったらどうかしら?」
結衣「うん!」
八幡「あぁぁ……」ブルブル
99 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:23:25.23 ID:8sXGoiCpo
雪乃「さて…まずは由比ヶ浜さん。どうしてこの彼があの彼に告白したかのような話になってるのか教えてもらえるかしら?私もおおよそは知ってはいるのだけれど」
結衣「あのね、さがみんがたまたま見ちゃってたらしくって、それでね」
雪乃「さがみん…?」ピクッ
八幡「相模か…」ピクッ
結衣「どしたの?2人とも。あ、文化祭のこと…かな…?」
100 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:24:42.85 ID:8sXGoiCpo
雪乃「いえ。まあそれもあるのだけれど…比企谷くんもといフラれ谷くん。事の始まりは彼女じゃないかしら?」
八幡「誰が誰にフラれたんだ?仮にフラレ谷が俺としても告白なんぞしてない!…はぁ…。うん、何でやつの存在忘れてたんだろうな?」
雪乃「雨宮くんとの青春は今朝の事なのよね?」
八幡「ねえその表現やめない?なんか嫌なんですけど」
結衣「せっ…青春っ…///」
八幡「ビチヶ浜お前何考えてんの?下品よあなたやらしい子ね」
結衣「うっうるさいし!ヒッキーきもい!あとほもい!」
101 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:25:36.11 ID:8sXGoiCpo
ガラララッ
葉山「ごめん、ちょっといいかな?」
蓮「お邪魔します」
海老名「はろはろ〜」
雪乃「噂をすれば」
八幡「よう蓮に海老名さん。ついでに葉山」
蓮「よう」
海老名「比企谷くんはろはろ〜」
葉山「やあ」
結衣「姫菜やっはろー!隼人くんやっはろー!れんれんもやっはろー!」
蓮「ゆいゆいやっはろー」
102 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:26:10.85 ID:8sXGoiCpo
ーはやま説明中ー
八幡「相模が蓮の噂を流した…?」
葉山「そうなんだ。十中八九、彼女とその取り巻きによる仕業だね」
八幡「そいつはついさっきここで出た名前だ。正直、疑う理由もないんだが一応聞かせてくれ。その流れと根拠は?」
葉山「ああ、それなんだけど…」
ガララッ
平塚「雨宮、いるか?」
雪乃「先生ノックを」
平塚「コンココーンっと。雨宮、ちょっと来てくれるか?急ぎだ」
103 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:27:08.13 ID:8sXGoiCpo
蓮「はい。わかりました。じゃあ皆また。葉山、後はよろしく」
葉山「ああ、任せてくれ」
八幡「またな」
結衣「ばいばーい!」
海老名「またね〜」
雪乃「さようなら」
八幡「…で?」
葉山「これはここだけの話にして欲しいんだが…」
104 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:27:42.24 ID:8sXGoiCpo
ー生徒指導室ー
平塚「すまないな雨宮。あの場で話すわけにもいかなくてな」
蓮「いえ」
平塚「で、本題なんだが…何というか…」
蓮「??」
平塚「お前はその、彼女とかいるのか?」
蓮「いいえ」キリッ
105 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:28:14.55 ID:8sXGoiCpo
平塚「そうか…。じゃあ…好みのタイプはどんなだ?」
蓮「年上タメ歳年下です」キリリッ
平塚「?!そ、そうなのか…。そうか…どれぐらい上までOKなんだ?」
蓮「どこまでも」キリリリッ
平塚「どこまでも?!どこまでも!?じゃあお前はその、年上はアリなのか?!」
蓮「アリ」アリリリリッ
平塚「そっそうか!そうなのか!」
蓮「………」
106 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:28:51.08 ID:8sXGoiCpo
平塚「そうか年上はありなのか…そうかむふふふ…」
蓮「先生?」
平塚「あ、いや!すまん!本題はそうでなくてだな…その、なんだ。お前はあれか?」
蓮「あれです」
平塚「そうか…あれなのか……いや待て!あれって何かわかって言ってるのかね!?」
蓮「勢いで言っただけです。どれの事ですか?」
107 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:29:31.82 ID:8sXGoiCpo
平塚「男もイけてしまうのか!?」
蓮「はあ?」
平塚「んっ!?」
蓮「…もしかして朝の噂の事ですか?」
平塚「そうだそれだよ!お前はそうなのか?その……そうなのか!?」
蓮「違います」
平塚「そっか!そうかぁあはは!まあでも、私なら気にしないぞ!?例えお前と比企谷がデキていようと最後に私の元に戻ってくるのなら!」
蓮「何言い出してんだこの人」
108 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:34:30.02 ID:8sXGoiCpo
ー奉仕部部室 はやま説明中ー
葉山「……というわけなんだ」
雪乃「不愉快ね」
葉山「まあそうだよね。でもその子から聞いた状況からしてもそうとしか思えないんだ」
結衣「さがみん…」
八幡「………」
葉山「なあ比企谷…」
八幡「なんだよ?」
葉山「出来ればやんわりと収める形にならないか?」
雪乃・八幡「………」
109 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:35:09.44 ID:8sXGoiCpo
結衣「そうだね。ちゃんと言えば反省するかもだし…」
雪乃「それはないわね」
八幡「それはないな」
海老名「ないだろうねぇ」
葉山「やっぱりそう思うか…。ならせめて、痛すぎない程度には…」
雪乃「無理よ。あなたもわかっている事でしょう?あの文化祭以降お互い敵以外の何者でもないのよ。よって手加減する必要もないのだけれど」
八幡「そうだな」
結衣「2人とも…なんか怖いよ…」
110 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:35:51.30 ID:8sXGoiCpo
八幡「怖いか?そう見えるか。じゃあやっぱ俺は怒ってるんだな」
雪乃「……」
八幡「俺の友達を貶める噂流してよ。その犯人がわかってよ。なのに優しくしてやってくれなんて言われてもな。今の俺には無理だ」
結衣「ヒッキー……」
八幡「俺はずっとぼっちだった。これからもぼっちのつもりだった。でもあいつは違った」
八幡「俺なんかと正面きって友達って言い合えるホンモノなんだ。友達のためにキレるなんてドラマとかでしか存在しないと思ってたけど…」
結衣「…ほんとに怒ってるんだね?ヒッキー…」
八幡「ああ。すげぇムカついてる」
111 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:36:33.38 ID:8sXGoiCpo
雪乃「…羨ましい事だわ」
海老名「うん。本当にね」
葉山「すまない。もう何も言わないよ」
八幡「言っとくが葉山。お前は友達じゃねーからな。俺はお前が嫌いだ」
葉山「ははっ。俺も嫌いだよ」
雪乃「さて、どうしましょうか?今のままでは…」
八幡「そうだな…とにかく証拠だな。もしくは自白。というか何が何でも大衆の面前で自白させる」
雪乃「………」
112 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:38:12.19 ID:8sXGoiCpo
ー生徒指導室ー
平塚「すまんちょっと落ち着こう。コーヒーでもどうだね?」
蓮「いただきます」
平塚「ああ、あああ、あああれあれ?あれれれ?手がふるえ」
蓮「先生」ギュッ
平塚「はひゃ!?ななななんだ?!結婚指輪なら逆の手だよ!逆の手を握ってはめてよ!」
蓮「俺が淹れますから楽にしててください」ニコッ
平塚「入れる!?待って待って!私たちは教師と生徒なんだよ!?いくら一緒に住んでるとはいえまだそんないきなり入れるなんて!というかどこに!?どこに入れる気なの!?そもそもどっち派?!君は普通じゃない感じがするからアブノーマルな方面を私に期待しても限界があるよぉ!?」
蓮「素が出てますよ。あと黙ってくれますか」
113 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:38:55.75 ID:8sXGoiCpo
蓮「どうぞ」
平塚「ん……うまい。やはり君はコーヒーの淹れ方を熟知してるな」
蓮「屋根裏に住まわせてもらう代わりにお店の手伝いにこき使われましたから」
平塚「昨日のカレーも絶品だったしなあ。やはり君は只者ではないな」
蓮「褒めてるつもりですか?」
平塚「もちろん褒めているさ。君のような年齢で実に大したものだよ。比企谷にも見習わせたいものだ」
蓮「………」
平塚「まあ…君から言いにくいかもしれないから先に聞かせてもらうとするよ。ストレートに聴くが、今いじめられているのかね?」
蓮「いいえ全く」
平塚「そうか。ではあの朝の話は何なんだ?なぜこんな事になった?」
蓮「朝っぱらから学生2人が青春しただけですよ」ニコッ
114 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:39:25.75 ID:8sXGoiCpo
平塚「青春ねえ…。ふふっ…」
蓮「そもそも先生が言った事じゃないですか。比企谷ってやつがいるんだよろしく頼む、と」
平塚「む。まあ確かにきっかけは私の一言かもしれん。それでも君は本気であいつと関わり合ってくれているんだろう?」
蓮「はい」
平塚「雨宮。あいつはな、優しいやつなんだよ。優しすぎて周りを傷付けるぐらいなら自分が傷付くように仕向けてしまう。人によってはそれを強さと呼ぶのかもしれんが…」
平塚「私に言わせればただの逃げなんだ。だが比企谷に非があるとは言わないしとても言えない。私には何も出来ない事の方が多いからな。私を含め、あいつの自己犠牲を容認してしまう周りこそが現実から逃げていると言える。それはわかっているんだよ」
平塚「冴から聞いているよ。君も、君の仲間も居場所がなかったと。居場所のない君たちが自然と集まり、深く親しく強固な仲間になれたのだと」
115 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:40:10.69 ID:8sXGoiCpo
平塚「悪い言い方に聞こえるかもしれないが、それでも言わせてくれ。雨宮、居場所のない人間の気持ちを持つ君に…君にこそ比企谷を救ってほしい」
平塚「こちらに来て間もない君に酷なことを押し付けていると自覚している。だが、彼と関わる事で君だって比企谷に救われる何かがあると思うんだ」
平塚「今や本当の友人となれた君となら、きっと比企谷も変わっていけると思う。私はあいつを変えてやれない。変わるかもしれない”きっかけ”を与える事しか出来ない」
平塚「君も何かと大変なのは重々承知しているが…どうか頼む」
蓮「任せてください。八幡は俺の友達ですから」
平塚「そうかやってくれるか!はっはっは!ではラーメンでもおごってやろう!さあいくぞ!」
蓮「先生、ルール忘れてません?俺たち別々に帰らないと…って聞いてないよもう部屋出てったよあの人」
116 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:40:41.96 ID:8sXGoiCpo
ー夜 八幡宅ー
小町「……」モグモグ
八幡「……」モグモグ
小町「……」モグモグ
八幡「……にへぇ…」モグモグ
小町「ゴミぃちゃん」
八幡「なんだ?」
小町「ご飯食べながらニヤけないで気持ち悪いから」
八幡「にやけてねえよ」
小町「ほれ。鏡見てみ」
八幡「うーわ俺きっも」
117 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:41:16.44 ID:8sXGoiCpo
八幡(気付かなかった…俺ってこんなに口角がいや〜な具合に上がるのか…確かにきもいな!俺きもいな!)
小町「はあ…お兄ちゃんさぁ。朝から様子変だなぁって思ってたけどさぁ、今なんか輪をかけて変だよ?本当にどしたの?やな事あった?やな事がやな事すぎて臨界点超えた結果、良い事だって脳に錯覚させちゃった?」
八幡「小町。俺な…」
小町「うん…」
八幡「友達が出来たんだ」
小町「?!?!?!!?!?」
118 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:42:04.27 ID:8sXGoiCpo
ー平塚静宅ー
蓮「もしもし?はい、大丈夫です。…まあそれは…はい。今?お風呂いってます。……そんな事しませんよ」
蓮「冴さんが言うとシャレにならないです。隙あらば何かしらの罪かぶせようとしないでください。というか冴さんのジョークは重たいだけなのでやめてください」
蓮「ちょっとまってくださいね今変わりますから……静さん?静さん?」トントン
平塚「……」
蓮「あれ?静さん?」トントン
平塚「……」
蓮「あ、もしもし?中から返事がないので…ちょっと待っててください」
蓮「静さん?ちょっと開けますよいいですか?」
カチャッ
119 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:42:53.37 ID:8sXGoiCpo
平塚「……」
蓮「……」
蓮「すいません冴さん、また掛け直します。……はい。静さん浴槽で倒れてるというか…これ寝てると言った方がいいぐらいにグデった感じなので介抱しないと」
蓮「はい。じゃあまた。はい、おやすみなさい」
…プツッ…
蓮「モルガナ。静さんにタオルかけてくれ」
モルガナ「なんでワガハイが…んん?おほーっ!?…アン殿も捨てがたいがこの教師もなかなか………ごくり」
蓮「恩人を変な目で見るな」
平塚「えへぇ…年の差いいねぇ……」
モルガナ「寝てるのか倒れてるのかわからんが幸せそうだぞー?」
120 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:43:25.52 ID:8sXGoiCpo
モルガナ「ベッドに寝かせたはいいけどよ。なあ…ずっとついてる気か?」
蓮「ほっとけないだろ」
平塚「……」
モルガナ「お前もお人好しだよなぁ。確かに恩人ではあるけどな?こっちでのゴシュジンだし。それより…今頃あいつらどうしてるかな?」
蓮「寝てるさ」
モルガナ「確かに今は夜だけどよ!そういう事じゃねえよ!」
蓮「冴さんも気をつけてくれてるし、至って普通じゃないか?」
121 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:44:01.37 ID:8sXGoiCpo
モルガナ「そうだな。でもまさかこんな流れになっちまうとはなぁ…お前やっぱ”持ってる”よな〜!」
蓮「何が?」
モルガナ「とにかくお前は”持ってる”。そうでなきゃ、あの場所であいつに本当に殺られたかもしれないんだぞ?全てうまく行って今こうしてる時点でお前は”持ってる”んだよ!」
蓮「…どうかな。あの作戦は一か八かって要素が強かったし。本当に”持ってる”やつなら一か八かなんて賭けに頼る必要なかったと思う」
モルガナ「謙虚なつもりか?それとも慎重なのか?どっちにしてもお前は”持ってる”!ワガハイが保証する!」
蓮「ありがとう」
122 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:45:14.14 ID:8sXGoiCpo
モルガナ「それはそうと、あいつの話だ」
蓮「八幡か?」
モルガナ「そう。これはワガハイの勘なんだけどな。…ハチマンにはシャドウがいると思うぜ。もしくは…」
蓮「八幡にか…?」
モルガナ「ああ。今のところ確証はない。だがあの異世界を知ってるって確信はある!」
蓮「それは?」
モルガナ「いいか、よぉーく聞いとけよ?あの学校に行った初日に……」
123 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:46:02.98 ID:8sXGoiCpo
ー八幡宅ー
小町「嘘」
八幡「嘘じゃない」
小町「嘘だね」
八幡「嘘じゃないって」
小町「嘘だッ!!!!!!!!」
八幡「…小町ちゃん?そんな猟奇的な否定の仕方はお兄ちゃんの心をより一層えぐるのよわかる?」
小町「そんな…そんなバカな!携帯!携帯!雪乃さんに…携帯!」
八幡「お前にとって信頼出来る事実確認先はお兄ちゃんより雪ノ下なのか。お兄ちゃん泣いていいかな?」
124 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:46:48.02 ID:8sXGoiCpo
小町「……もしもし雪乃さんですか?!はい小町です!何で朝は出てくれなかったんですか!?お兄ちゃんがおかしいんです!友達が出来たなんて妄言雑言ついでに寝言を!寝てもないのに寝言を……えっ?」
小町「ガチ?リアル?…ええぇ!?……そうなんですか…はい。…はい…はいはい…ええぇ…。そんな?!お兄ちゃんはホモじゃないです妹萌えなはずです!でも…あ、なるほど戸塚さんは別……だったら…」
小町「…でも雪乃さん…小町は…。…はい…はい…え?でも…はい、わかりました…はい、おやすみなさいです」
八幡「………」
小町「うぉっほん」
八幡「………」
小町「お兄ちゃん!お友達出来てよかったね!!」ニコッ
八幡「うっぜ…」
125 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:47:44.01 ID:8sXGoiCpo
小町「小町どんな人か知りたいなー!明日連れてきてよ!」
八幡「まあいい…わかった。来るかどうかはわからんが誘ってみる」
小町「えー?友達なんでしょ?友達なら友達んちに遊びに来るって普通でしょ!だから来るでしょ!」
八幡「でもほら、急に言ってもあいつ用事あって無理かもしれないし」
小町「あーもーいいよお兄ちゃんは。いっそ小町が誘っちゃうから」
八幡「おいおい誘うってどうやってだよ?」
小町「そりゃお兄ちゃんの携帯使って小町が電話するんだよ!」
126 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:48:21.27 ID:8sXGoiCpo
八幡「番号交換してないぞ」
小町「はい?」
八幡「交換してないんだぞ」
小町「は?」
八幡「交換はしていないぞ」
小町「………」
八幡「………」
小町「お兄ちゃん……つらかったね…でも大丈夫だよ…小町がいるからね……」グスッ
八幡「ちょっと待つんだ小町。その重苦しい感じやめろ焦るから!あれはやっぱ夢だったんじゃないかと焦っちゃうから!」
127 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:49:18.74 ID:8sXGoiCpo
小町「じゃなんで交換ぐらいしてないの?おかしくない?」
八幡「そう言うなよ…俺だってテンパってたんだよ友達が出来たのが本当に嬉しくって…」
小町「うーん…じゃあとにかく一回会ってみたいからお友達呼んで!」
八幡「わかったよ。とりあえず明日聞いてみる」
小町「うん!ねーねーそのお友達ってどんな人?お名前は?趣味は?」
八幡「メガネイケメンで雨宮蓮くん趣味は知らない」
小町「よく遊びに行く場所は?通学は歩き電車自転車バスどれ?部活してるの?」
八幡「知らん歩いてた知らん」
小町「彼女いる?女友達と男友達どっちが多い?身長どれぐらい?」
八幡「知らん知らん俺より高い」
128 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:50:13.24 ID:8sXGoiCpo
小町「あのさお兄ちゃん」
八幡「なんだ妹よ」
小町「その人と普段どんな話してるの?」
八幡「………」
小町「………」
八幡「………」
小町「………」
八幡「そろそろ寝る時間だぞ小町。おやすみ」
小町「はあ…。会話は大事だよ?苦手かもしれないけどさ、せっかくお友達ってはっきり言える人と仲良くなれたんだから。だから誰にでもするみたいにそっけなくしちゃ駄目だからね!?」
八幡「おおおう…わかってるよ…」
129 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:51:00.39 ID:8sXGoiCpo
〜11月23日〜
ー朝 教室ー
蓮「おはよう八幡」
八幡「おう。おはよう蓮」
戸塚「む〜〜〜〜っ…」
八幡「ど、どした戸塚?」
戸塚「ボクは?」
八幡「え?E?」
戸塚「はちまん!ボクは!?」
蓮「彩加って呼んでほしいんじゃないか?」
八幡「あ…ああ。そっか彩加。うん彩加。おう彩加」
戸塚「えへへ…おはようはちまん!」
八幡「おう。おはよう彩加」
130 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:51:39.08 ID:8sXGoiCpo
戸塚「それにしても蓮と八幡いつの間に仲良くなったの?やっぱり青春した時から?」
蓮「ああそうだな。そこからだな」
八幡「よーし彩加ちょっと黙ろうか。蓮もちょーっと黙れな。つか彩加も普通に蓮って呼んでんのな」
戸塚「照れなくってもいいのに〜」
蓮「照れなくってもいいのにな」
八幡「うっせ…あ、蓮ちょっと耳かせ」
蓮「??」
八幡「例の依頼の件でお前に一つ指示がある」ヒソヒソ
蓮「なんだ?」ヒソヒソ
戸塚「なになに?」ヒソヒソ
八幡「それはな………近い。彩加、お前特に近い。あのな………」
131 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:52:45.14 ID:8sXGoiCpo
スタスタスタ……
蓮「おはよう葉山」
葉山「ん?やあ、おはよう雨宮」
戸部「雨宮くんちぃーっす」
蓮「ちーっす」
結衣「れんれんやっはろー!」
蓮「ゆいゆいやっはろー」
海老名「れんれんはろはろ〜」
蓮「ひめひめはろはろ〜」
優美子「………」イライラ
蓮「………」
八幡『お前への指示、それはな。今日から数日は葉山の周りにいろ。グループに入り浸れ』
132 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:53:38.23 ID:8sXGoiCpo
葉山「雨宮、紹介しとくよ。まず三浦優美子だ。そっちがアレであっちがソレだ」
蓮「よろしく三浦さん。あとアレソレも」
アレソレ「うぃー」
優美子「………」
葉山「ほら、優美子」
優美子「…つかあーし喉乾いたしー。新入りはジュースぐらい買ってくるもんしょ?」
葉山「おい優美子」
蓮「闇鍋缶なら持ってるよ。あげる」
戸部「なんつーアングラ感…いやアングラ缶!雨宮くんパネぇっしょーぉ!」
結衣「いいな〜あたしも飲んでみたーい」
蓮「たまたま一本しかないんだ。結衣には今度何かあげるよ」
優美子「………」
八幡『お前が葉山たちに混じってる間に俺が周囲の様子を見続ける。特殊能力、ステルスヒッキーを使い誰にも悟らせずにな。まずは周囲の反応からあらゆる可能性を搾り取るぞ』
133 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:54:28.93 ID:8sXGoiCpo
優美子「つかあーし飲みたいのレモンティだし」
蓮「ごめんな。レモンティは持ってないんだ。その闇鍋缶をあげるよ」
優美子「はぁ?ないなら買ってくればいいし」
蓮「ごめんな。お金持ってないんだ。その闇鍋缶をあげるよ」
優美子「はぁ?ないなら恐喝でもすればいいし。あんたそういう人間なんっしょ?」
葉山「ちょっ…おい!」
結衣「ありえない!優美子ありえない!」
優美子「はっ…はあ?!いきなり何だし!?」
134 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:55:08.12 ID:8sXGoiCpo
結衣「れんれんそんな人じゃない!優美子れんれんに謝るべきだし!謝れし!」
優美子「な、何よぉ…」
海老名「うーん。確かに今のは優美子が悪いと思うなぁ」
戸部「マジねーわぁ。優美子それマジないわぁ。いくらなんでもないわーぁ」
葉山「優美子。雨宮に謝れ」
優美子「…何だし!あんたらこいつに弱みでも握られてんじゃないの!?」
蓮「ごめん。みんな」
135 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:55:49.87 ID:8sXGoiCpo
結衣「れんれんが謝る事じゃないし!」
戸部「うんうん今のは優美子がワリーでしょーよぉ」
蓮「いや、いいんだ。いきなり悪い噂の張本人が目の前に来たら誰でも怯えると思うから。いきなり来て悪かった」
優美子「…何なのよぉ…」
葉山「それは違うぞ雨宮。君は何も悪くない。悪いのはくだらない噂を流したやつ。そうだろ?」
結衣「そうだよ!大体あの噂だってほんとは真逆の事なんでしょ!?だったら…」
136 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:56:45.33 ID:8sXGoiCpo
戸部「真逆って何よ?何の真逆?」
結衣「あっ…」
海老名「もしかして〜…結衣なんか知ってる感じかな?」
葉山(……そろそろか?)チラッ
八幡(うむ。今だ!やれ!!)カッ!!
戸塚「でね、その時ピュピュ〜って出ちゃったんだ!ボクびっくりしちゃったよぉ…ねぇ、はちまん聞いてる?」
八幡『展開次第では事の真相をその場で葉山たちに暴露させるが許せ。実は平塚先生からすでに聞いてる。その後、周りから変に同情されて居心地悪くなるかもしれないが…お前の希望である噂の消滅が最優先だからな』
八幡『もし同情的な目に耐えられなくなっても心配するな、俺たちがいる。だから我慢してくれ』
137 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:57:30.24 ID:8sXGoiCpo
〜時は巻き戻って11月22日〜
ー放課後 奉仕部部室ー
葉山「というわけで、雨宮の急な転入の真相は家庭内暴力が原因って事らしいんだ」
結衣「だからあんなに顔…傷だらけだったんだね…」
海老名「………」
雪乃「………」
八幡(家庭内暴力か…どうりで陰を感じたわけだ。俺とは違う別の陰。だから俺はあいつとならってすんなり感じられたんだろう。そうだったのか…)
138 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:58:20.37 ID:8sXGoiCpo
葉山「問題はその話になる”直前のみ”の話を相模さんが職員室の前で聞いてたって事」
海老名「直前のみ?」
葉山「ああ。その直前でされた話の中身こそが前歴の件。その件の後に出た話がさっきの雨宮は平塚先生の親戚の子とか、DV回避のため急な転入や手続きを全て引き受けたのが平塚先生らしいとかって話なんだ」
八幡(平塚先生が…?聞いてみるか。えっとアドレスはっと…)
八幡「で、葉山。何の直前なんだ?」
葉山「家庭内暴力の話になる前に例の前歴の話題が出ていたらしい。って話したよねたった今。俺の話聞いてなかった?」
八幡「すまん。葉山という物に興味がわかなくてつい」
139 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:59:02.81 ID:8sXGoiCpo
八幡「とにかくその前歴の話題が盛り上がる部屋の外にいたのが」
葉山「相模さんとその取り巻き2人。そしてあともう一人」
八幡「それをどうやって知ったんだ?」
葉山「そのもう一人の方がうちのサッカー部のマネージャーでね。彼女から聞いたからだよ」
雪乃「そのマネージャーという人は信用出来るのかしら?」
葉山「ああ。少なくとも相模さんらよりはね」
八幡「いやいや…だめだろ。そのマネージャーも相模たちと聞いちゃってるんなら噂の加害者なんじゃないのか?」
葉山「それはないよ。断言出来る」
140 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 21:59:59.47 ID:8sXGoiCpo
雪乃「なぜ?あなたのお気に入りの女だからとかかしら?」
八幡「雪ノ下。今はそういうのいらないから大人しくしててくれ」
葉山「ははは…」
海老名「隼人くん、続き聞きたいな」
葉山「ああ。なぜそのマネージャーは噂流しに加担してないか。それはね、とある事を言ったからだよ」
八幡「もったいぶんなよ」
結衣「その子なんて言ったの?」
葉山「”ああいう人間マジ嫌い軽蔑するわ”って心底鬱陶しそうにね」
141 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 22:00:45.56 ID:8sXGoiCpo
結衣「…え?それだけ?」
葉山「そうだよ」
雪乃「それだけで加害者でないと断言するのはあまりに早計だと思うのだけれど?」
葉山「そうでもない。そのマネージャーはね、誰に対しても可愛い自分を見せたがる子なんだ。それはもう完璧なまでにね。どんな時もどんな状態であっても、他人から見て最も可愛い自分であろうとする」
八幡「なるほどな」
結衣「えっと…つまり猫かぶっちゃってるってこと?」
海老名「そだよ〜よく出来ました結衣えらいえら〜い」ナデナデ
結衣「えっへへ〜」
142 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 22:01:28.93 ID:8sXGoiCpo
葉山「…まあ。うん、そういう子なんだ。なのに俺にその話をした時は隠すべき本性を少し見せて焦ってたからね。必死に取り繕ってたけど」
雪乃「そういう事ならまあ納得は出来るわね」
八幡「確かにな。猫かぶらない誰かさんみたいなのもいるけどな」
雪乃「それは誰の事を言っているのかしらね」
八幡「お前の場合は猫かぶるじゃなく、猫可愛がるだしな」
雪乃「ええそうよ。猫は愛でるものだわ」
143 :
◆OkhT76nerU
[saga]:2019/03/16(土) 22:02:25.90 ID:8sXGoiCpo
葉山「話戻していいかな?整理すると、うちのマネージャーが職員室へ行った。中では前歴持ちについての話題でヒートアップしていた。そこには相模さんらもいて盗み聞き」
葉山「一旦、中の様子が落ち着いた所でもうおしまいかと相模さんらはそそくさと消え、用事のあったマネージャーはその場に残った」
葉山「そこから聞こえて来たのは平塚先生の大声。前歴は事実ではない、家庭内暴力が事実だ…ってね」
葉山「こんな感じだね。ちなみに相模さんらはニヤニヤしながらその場を去っていったらしいよ」
八幡「決まりだな」
結衣「えっ?何が!?」
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