【こち亀】両津「なに!?ノックが2回はマナー違反だと!?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 20:53:11.02 ID:cfcvjpRu0

〜派出所〜



両津「それは一体どういう事なんだ?中川」

中川「ええ、どうやら最近そういう話が出ているようですね」

麗子「そうよ。何でもトイレのノックが2回だから失礼に当たるって」

両津「聞くのは初めてだぞそんなの…」


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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 20:56:36.22 ID:cfcvjpRu0

両津「大体、わしはそんなの気になった事なんて今まで一度もないぞ」

中川「ええ、僕も今までそんな事は全く…」

両津「それに大体な、トイレのノックは2回と決まっているもんなのか?」

中川「言われて見ればそうですね」

麗子「ええ、特にそう決まってるってわけじゃないものね」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 20:57:39.72 ID:cfcvjpRu0

両津「よく、映画なんかでトイレをドンドンドンと何回もノックしてる場面があるだろ!」

中川「ええ、それにそもそもノックは注意を呼びかけるためのものですから、多くやるのは逆に失礼とも考えられますし…」

麗子「じゃ、ノックは控えめにやるのが一番マナーに合ってるって事になるかしら?」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 20:58:35.93 ID:cfcvjpRu0

両津「なら、わしらは今度からトイレをノックする時は3回やる事にしよう」

中川「え?トイレのノックを3回ですか?」

麗子「どうして両ちゃん?」

両津「そうすれば、2回はトイレのノックじゃなくなってマナー違反とか言われなくなる!」

麗子「子供の言い訳みたいね…」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:00:02.12 ID:cfcvjpRu0

両津「まったく、バカバカしい。わしは今まで通りノックは2回で通すからな」

中川「ええ、僕もそれでいいと思います」

麗子「けど、着替えてる時にノックなしにいきなり扉を開けるのはやめてね」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:00:51.45 ID:cfcvjpRu0

両津「だいたい、そんな事誰が言い出したんだ?」

麗子「近ごろ、マナー講師がそういうのを広めるらしいわね」

中川「そうみたいだね」

両津「マナー講師?何だそれは?」

麗子「ええ、テレビなんかに出て、これがマナーですと誰も知らないような新しいマナーを…」

両津「勝手に作るのか?新しいマナーを?」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:03:47.98 ID:cfcvjpRu0

中川「そうですね。例えば相手にお酒を注ぐときは、徳利の注ぎ口から注いではいけないとか…」

両津「何だそれは?」

中川「何でも、円の切れてる部分なので縁の切れ目を意味するからだそうです」

両津「それじゃあマナーじゃなくて単なるダジャレだろ!」

麗子「あと、戦国時代徳利の注ぎ口には毒が塗られる場合があってそれを避けるためとも言ってたわね」

両津「わしは聞いた事がないぞそんな話…」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:04:41.64 ID:cfcvjpRu0

両津「それじゃ戦国時代の武将はバカだろ。注ぎ口以外にも毒が塗ってあったらどうするんだ」

中川「さぁ…」

両津「それで、安心して飲んだら逆に毒入りだったりしてな!」

麗子「確かに、注ぎ口以外から注いだからって安全とは言えないものね」

両津「わしなら、逆にその思い込みを利用して部長に毒を…」

麗子「両ちゃんならやりかねないわね!」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:05:43.77 ID:cfcvjpRu0

両津「だいたい、注ぎ口以外から注いだら酒がこぼれてしまうかも知れんだろ」

両津「まったく…。マナー講師とやらは本気でそんな事言ってるのか?」

中川「さぁ…どうでしょう。何か考えあっての事かも知れませんけど」


両津「とにかくだ!意味ない事をマナーだといって広められたら面倒でかなわんな!」

中川「ええ、その通りです」

麗子「今まで何でもなかった事も、マナー違反と言われたらつい意識しちゃうものね」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:07:12.53 ID:cfcvjpRu0

中川「マナーを広める側も、そういう所を考えるべきですね」

麗子「そうね。根拠のないマナーを広める事こそが最大のマナー違反かも知れないわね」

両津「確かにな。今まで何でもなかった事が、ある日急にマナー違反と言われたら…」

両津(・・・ん?)
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:08:37.01 ID:cfcvjpRu0

両津(考えてみれば、今まで誰も気にしなかった事をマナーと言い張ればマナーになるんだな)

両津(これはいわば、先に言ったもん勝ちという事か?)

両津(そうなると、ハッタリにかけてはわしは誰にも負けない自信がある…)

両津(これは、ひょっとすると大もうけのチャンスかも知れんな!)
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:09:42.72 ID:cfcvjpRu0

両津「ちょっと、急用を思い出した。わしは帰るぞ」

中川「あっ、先輩?…行ってしまった」

麗子「どうしたのかしら急に?」










13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:10:33.34 ID:cfcvjpRu0

〜数日後〜



麗子「ここ何日か、両ちゃんの姿を見ないわね」

中川「うん、しばらく休むと署の方には連絡があったみたいだけど…」



部長「みんな、ちょっとテレビを点けてみろ」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:11:58.11 ID:cfcvjpRu0

麗子「あ、部長」

中川「どうかしたんですか?」

部長「今日、両津から昼のテレビ番組に出ると連絡があってな」

麗子「え?両ちゃんが?」

中川「テレビにですか?」

部長「ああそうだ。あのバカ、仕事をサボッて一体何を…とにかく、テレビを見てみよう」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:13:37.81 ID:cfcvjpRu0

司会「…さて、これで納得!マナー教室のお時間がやって参りました」

司会「お話しして頂くのは、マナー講師の間名厚志(まな こうし)先生と、両津・パトリック・勘吉先生です」

マナー講師「宜しくお願いします」

両津「うおっほん!宜しく」


司会「特に、両津先生は小さい頃からイギリスで育ち、マナーには大変お詳しいそうです」

両津「その通り!わしは、マナーの神様と呼ばれておる」

司会「これは、大変楽しみですね。それでは早速、お二人にマナーについて語ってもらいましょう」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:15:21.89 ID:cfcvjpRu0

中川「先輩、いつの間にかマナー講師になって…」

麗子「イギリス育ちだなんて、よくあんな嘘を…」

部長「両津がマナー講師だと?あいつは、存在そのものがマナー違反みたいなもんだろうに」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:17:42.09 ID:cfcvjpRu0

司会「えーそれでは、最近話題になっているノックをする時のマナーですが…」

マナー講師「ええ、2回するのはトイレのノックですから、会社などでは3回に…」

両津「異議あり!」


司会「え?両津先生、違うんですか?」

両津「そうだ。ノック2回はマナー違反でも何でもない」

司会「そうなんですか、それは一体どうして…」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:18:58.97 ID:cfcvjpRu0

両津「そもそも、ノックとは人の注意を呼ぶためのものだ」

両津「そう何回もやればいいってもんでもない。多くやるのはかえって失礼」

両津「ノックは、少ない方がマナーにかなっている!」

司会「うーん、確かに…」

 オー
   オー


部長「あいつにしては、まともな事を言ってるじゃないか」

麗子「この前の、圭ちゃんの受け売りですけれどね」

中川「しかし、先輩の勢いで人を納得させる才能はすごい…」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:20:10.60 ID:cfcvjpRu0

司会「という事は、今まで通りノックは2回がマナーという事でよろしいでしょうか」

両津「誰がそんな事を言った」

司会「え?違うんですか?」

両津「そうだ。ノックは1回だけやるのがマナーだ」

司会「え?1回だけ?」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:21:08.03 ID:cfcvjpRu0

両津「ああ、ノックは少ない方がマナーにかなうと言ったろ?それでお前達も納得しただろ」

司会「た、確かにそうですが…」

マナー講師「う、うーむ…」


部長「言質を取って、無理やり無茶な言い分を押しつける…あいつは、サギ師の素質があるな!」

中川「もしかして、マナー講師は先輩の天職かも知れませんね…」

麗子「本当に、変なところで才能を発揮するわね!」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:23:40.46 ID:cfcvjpRu0

司会「しかしそれでは、ノックに気付いてもらえない時もありませんか?」

マナー講師「そうですよ、それじゃノックの意味が全く」

両津「だから、思いっきり力を入れてやるんだ。1回で気付いてもらえるようにな!」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:24:15.81 ID:cfcvjpRu0

両津「力を入れて、思いっきりドアをバンと一回ぶん殴る!」

両津「これが、ノックの正しいマナーだ。わしの育ったイギリスではそうだった」

「はあ…」

オー
 オー


部長「それのどこがマナーなんだ、あのバカは!」

中川「けれど、勢いとハッタリに押されて皆さん納得してしまってますね…」

麗子「イギリスにそんなマナーなんてないわよ!」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:26:08.42 ID:cfcvjpRu0

司会「えー、それでは次に、徳利からお酒を注ぐ時のマナーについてですが」

マナー講師「ああそれは、戦国時代では注ぎ口に毒が塗られる事もあって…」

マナー講師「あと注ぎ口は円の切れ目ですから、そこから注ぐのは縁の切れ目という意味になり」

両津「それにも、異議あり!」

司会「え?両津先生、これも違うんですか?」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:30:17.62 ID:cfcvjpRu0

両津「ああそうだ。よく考えてみろ」

司会「え?というと」

両津「注ぎ口だけじゃなく徳利の口に毒がまんべんなく塗ってあったら意味ないじゃないか」

司会「あ、ええ、それもそうですが…」

両津「そうやって毒殺された戦国武将の話なぞ、わしは聞いた事もないしな!それに…」

両津「注ぎ口は円の切れ目だから、縁の切れ目になると言っているが」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:31:20.04 ID:cfcvjpRu0

両津「酒を注ぎ口じゃない所から注いだって、結局円を切る事に変わりはないだろ?」

司会「うーん、言われてみれば確かに…」

マナー講師「ぐ、ぐーむ…」

 オー
  オー


部長「ああ言えば、こう返ってくる…まったく、口先だけは達者な男だな!」

中川「怒られそうになった時、必死に言いわけしてきた今までの経験が生きているんでしょうね…」

麗子「さすがのマナー講師も、相手が両ちゃんなら歯が立たないようね!」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:32:53.04 ID:cfcvjpRu0

司会「それでは両津先生、お酒を注ぐ時はどうすればマナー違反にならずに…」

両津「それはだな。ストローを使えばいい」

司会「え?ストローを?」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:33:32.72 ID:cfcvjpRu0

両津「そうだ。徳利にストローを差して出す。そうすれば」

両津「例え縁に毒が塗ってあっても大丈夫だし、円を切らずに酒が飲める!」

司会「はあ…」

 オー
  オー


部長「徳利にストローだなんて、バカかあいつは?」

中川「ヤクルトじゃないんですから…」

麗子「風情も何もあったものじゃないわね!」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:34:45.11 ID:cfcvjpRu0

マナー講師「ま、待て!それだと、相手に酒を注げないじゃないか!いい加減な事を言って…」

司会「あ、そうですね。両津先生、相手にお酒を注ぎたい時はどうしたらいいんでしょうか」

両津「なんだ、そんな事か。そういう時は…」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/04(月) 21:35:46.48 ID:cfcvjpRu0

両津「ストローを、2本使えばいい。それで相手に飲んでもらう」

両津「自分も一緒に飲めるし、織田信長もそうやって家来と酒を飲んでいたと言われてるしな!」

司会「は、はあ…」

オー
 オー


部長「男同士が、一つの徳利にストローを差しあって酒を飲み合う…」

部長「あいつは、とうとう頭がおかしくなったようだな!」

中川「その光景を、想像したくありませんね…」

麗子「一体、何を考えてるのよ両ちゃんは!」
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