ダンガンロンパ ホープロワイヤル

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:15:27.63 ID:35fn/E510
http://stardustorbt.web.fc2.com
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:16:01.81 ID:35fn/E510
偽りの守護星、連載中。
少し物語が動いてきたので変更しました。
唐崎麻人(男子二番)と郡山一海(男子四番)。
少しずつ増やしていきたいです。
2種類ランダム表示中。
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:17:52.54 ID:35fn/E510
undefined
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:20:01.29 ID:35fn/E510
当サイトは、ユウキナオが管理する、バトルロワイアルの2次創作サイトです。
メインは管理人の書いたオリバトです。
グロテスク・暴力的な文章が苦手な方はプラウザバックぷりーず。
大丈夫という方は下のサイト名からお入りください(^^)





N.enu.






僕と君が出会った日。

僕はあれを、

運命だと疑わない。






Last up → 2009/10/12
since 2004 /03/30
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:20:51.31 ID:35fn/E510
拍手ありがとうございます!

ケーキ屋長男:男子1番 東十季


「拍手さんきゅ! 髪型が違うのはここだけの特別だってさ!」
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:21:24.78 ID:35fn/E510
拍手ありがとうございます!

学年主席の自由人:男子3番粕谷ミチル

「ぱちぱちー^^嬉しいもんですなぁ!オレ、これからも頑張っちゃうよ!」
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:21:57.38 ID:35fn/E510
拍手ありがとうございます!

恋は盲目!:男子7番 鳴海遊

「拍手さーんきゅっ!まじで嬉しー!!!」
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:22:36.19 ID:35fn/E510

拍手ありがとうございます!


クラス1の不良娘:女子11番 元木早紀

「拍手ありがと。すっごい嬉しい!…もうね、キスしたいくらい。」
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:23:10.59 ID:35fn/E510
拍手ありがとうございます!

ツンデレ乙女:女子8番 辻沢江里依

「べ、別にありがとうとか思ってないんだから!…嬉しいけど。」
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:23:53.60 ID:35fn/E510
男子18番 吉見結渡


ルーズリーフに書いたのでまだ少し線が残ってしまってます;;
男子18番の結渡くん。さりげにメガネを書くのは初めてでした。
シャーペン書きをスキャナで取り込んでちょこっとだけ加工(と言っても明るさとコントラストを変えただけですが;)。
今度はもっと全身書いてあげたいな〜。
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:24:32.97 ID:35fn/E510
やってしまいました。紫堂カムジさんとのメガネコラボっ!!もう嬉しくてテンションMAXです。はい。
紫堂さんのオリバトの八嶋愁くんと、うちのオリバトの吉見結渡。各オリバトを代表するメガネっ子ですvv
…それにしてもカムジさんのイラスト!!!美しすぎて目がつぶれそうです。
こうしてみるとさらにあたしの絵のヘタさが…わーっ!カムジさんのイラストで目の保養をどうかっ!!!(笑)
カムジさんのイラストは、ずっとずっと憧れだったのでこうしてうちの伊達メガネさんを描いていただけて本当に嬉しいですww
しかも愁くんとコラボだなんて…!!あわわ、幸せすぎてもう死んでもいいです。冥土の土産にカムジさんの絵を持って逝きます!!

ちなみにあたしの絵(右)は、結渡がかわいい子を指差して愁くんに突っ込まれているという裏設定があったりします(笑)
カムジさんにも「やっぱり女の子がらみなんですね!」と言われましたがそうなのです(^^;

カムジさん、お付き合い本当にありがとうございましたvvやっぱりメガネは最高ですね!!

愁くんもでてるカムジさんの素敵サイトさんはコチラ。
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:26:31.60 ID:35fn/E510
男子1番  飯田一穂(いいだ・かずほ)
部活 サッカー部
支給武器 スミスアンドウエソンM59オート
加害者 木田美由(女子4番)
被害者 なし
死因 喉元を日本刀で刺され、腹部に被弾
登場話 18
外見特徴 ●髪質が柔らかい黒髪
●童顔で背が低い
●くりくりした瞳
備考 明るくお人好しな性格で人を信じやすい。
その性格から友達も多い。
サッカー部では補欠だががんばっている。
津多田信夫(男子11番)と小野真(男子4番)と仲がいい。
+++ ごめんなさい‥。1話しか登場していないうえ美由ちゃんのやられ役になって貰いました。
本当に運が悪い子です(>_<)本当は真とかともからませたかったんですが、連載当初のあたしはなにを思ってたんだか‥;;
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:27:16.69 ID:35fn/E510
女子1番 相田翔子(あいだ・しょうこ)
部活 手芸部
支給武器 グロック19
加害者 江藤千乃(女子3番)
被害者 なし
死因 腹部と肩に被弾・失血死
登場話 3・19・42・43・44・45
外見特徴 ●黒髪で肩までのストレートヘア
●くりくりした瞳・少々垂れ目
備考 誰にでも平等に接することができる素直な子。
少し天然ボケな所もあるが、女の子らしくふんわりした感じ。
黒髪の肩までのストレートヘアに大きめのたれ目。
紺野さつき(女子7番)・江藤千乃(女子3番)・栗原美恵(女子5番)と仲がいい。
不良グループの葉月千と付き合っている。
+++ かわいい女の子を目指して書きました。
翔子ちゃんは、千を想って生きて、千を想って死んだんです。
最後は千くんにどうしても会わせてあげたかったんで、ああいう風になりました。
よくよく考えると元Win○の相田翔子サンと同姓同名なことに気づきました;
雰囲気的にも似ているかもしれません(^^;)
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:28:09.11 ID:35fn/E510
男子2番  宇井哲太(うい・てつた)
部活 バレー部
支給武器 防弾チョッキ
加害者 中野光(男子12番)
被害者 なし
死因 こめかみに被弾
登場話 6・31
外見特徴 ●なにもいじっていないサラサラの髪
●眠そうに見えるが大きめの瞳
備考 思いついたら後先考えず行動してしまうのが長所でもあり短所。
ひそかにナルシストで女好きという噂が流れている。
かっとなったら周りが見えなくなるのがたまに傷。
+++ 設定を生かしきれなかった気がする子です。
上の性格上プログラムに選ばれてしまったことによりかっとなってしまい、柏木さんに歯向かったことによってあんなことに‥
なんだか謝りどころ満載な子です;;
ごめんね、哲太くん‥今度ちゃんとSSかくからね(汗
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:28:59.16 ID:35fn/E510
女子2番 青田郁(あおた・いく)
部活 バレー部
支給武器 手榴弾5個
加害者 神奈川勇介(男子6番)
被害者 なし
死因 後頭部をナタで強打された。撲殺。
登場話 35・36・37
外見特徴 ●ショートカットで後ろ髪が長い
●軟骨にピアスをあけている
備考 男勝りな性格で、負けず嫌いで熱くなりやすい。
バレー部キャプテンで、部活に燃えている。
ショートカットの髪に、軟骨にピアスを開けている。
鞠村織姫(女子16番)・瀬川茜(女子12番)・栗原萌(女子6番)と仲がいい。
深町純次(男子14番)とは1年で同じクラスになってからの親友。
+++ 郁ちゃんは、大好きな子です。
実は自分の経験をいっぱい入れた子なので想いいれが強い強い;;
うちのキャラで1番自分に近い気がする子です(^^)
純次くんとはきっと、天国でまた仲良く性別を超えたお付き合いをやってるかと。
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/04(月) 06:09:20.57 ID:vl3Ho5C90
大北高等学校三年二組、長門勇次。彼は何故かクラスメイト全員と共に狭い部屋の中で目を覚ました。
彼らの目を覚ました直後に、謎のモニターに映った女が言い出したこと。

「今から、きみたちには凶蟲と戦ってもらう」

凶蟲とは五十年前に地球にやってきた大災害であり、今もなお大地を跋扈している怪物の総称である。それゆえに人類は大地を追われ、その数を百分の一ほどに減らし、狭いコロニーの中で暮らしているのだ。
唐突にそんなことを言われても、できるはずがない――そんな彼らに対して、女は言った。

「安心したまえ。きみたちには英雄が宿っているのだからね」

死地に送り出された彼らは、借り物の英雄の力を使って戦う――
200 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:09:57.22 ID:kSn/AzEG0
投下ー。
201 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:14:35.67 ID:kSn/AzEG0

苗木(不二咲さんが○なら仲間であり、×なら敵であるという条件のもと行われたコイントス)

苗木(2分の1を確実に引ける僕の能力によって示された結果は)

苗木(×……不二咲さんが敵であると示していた)



苗木「そ、そんな……」

霧切「やっぱりね」



苗木「やっぱり……って、どこかのタイミングで不二咲さんを疑っていたってこと?」

霧切「ええ。最初から怪しいと思っていたのよ」

苗木「最初っていうと……?」



霧切「大和田君と石丸君が襲撃してきた時点よ」

苗木「そんなときから!? というか不二咲さんと二人が関係あるの!?」



霧切「私の推理では不二咲さんと大和田君、石丸君の三人はチームよ」



苗木「三人がチーム……!?」

苗木「えっ? でも不二咲さんは、二人の襲撃から僕たちを守ってくれたのに……」



霧切「そうね……順序立てて説明していきましょうか」
202 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:15:02.05 ID:kSn/AzEG0

霧切「一連の流れまず最初は住宅街にバイクが侵入してきたことね」

苗木「潜伏しようとした僕たちがいる住居の窓を破って大和田君と石丸君は襲撃してきたよね」

霧切「ええ。そこから違和感を持ってたのよ」

苗木「違和感?」



霧切「何故大和田君と石丸君は私たちが潜んでいた住居をあんなに早く突き止めることが出来たのかしら?」



苗木「あっ……」

苗木(そうだ、僕だってゲーム開始時に住宅街なら家がたくさんあるから、すぐに潜む家がバレることはないと考えていた)

苗木(その後霧切さんに見つかっちゃったけど、それは超高校級の探偵の能力のおかげだ)

苗木(だから……)
203 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:15:30.92 ID:kSn/AzEG0

霧切「二人の内大和田君の能力がバイクの召喚なのは分かっていた」

霧切「だからもしかしたら石丸君の能力が私たちの場所を突き止めるようなものなのかもしれないと思ったけど」

霧切「『見た相手の能力、希望が分かる』であることがすぐに分かった」

霧切「この時点で二人の他に私たちの場所を突き止めた能力の持ち主がいるんじゃないかと推測したのよ」



苗木「でも不二咲さんに僕たちの居場所を突き止めることが出来たの?」

霧切「ええ。超高校級のプログラマー、電子機器を操るその能力で住宅街の監視カメラの映像を入手すれば可能よ」

苗木「そっか……それなら僕たちが入った住居の場所を特定出来る……」

204 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:16:01.11 ID:kSn/AzEG0

霧切「その次が苗木君に銃を渡して、バイクの車輪を打ち抜くように言ったところね」

苗木「不二咲さんが助けてくれて……バイクの音を聞いて駆けつけたって言ってたね」



霧切「まず第一に正直そんな都合良く聞きつけて駆けつけられたのかが疑問よ」

霧切「このゲームフィールドはかなり広いのに、そんな偶然あるかしら?」



苗木「偶然じゃないとしたら……」

苗木「三人がチームなら他二人が僕たちを襲撃することを当然不二咲さんも知っている……ってことか」

苗木「でもだったらチームなのにどうして仲間の邪魔をするように僕たちを守ったのかって疑問が沸くんだけど……」



霧切「それは自作自演の救出劇で、私たちに恩を売るためにやったんじゃないかって推測しているわ」



苗木「自作自演?」

205 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:16:28.64 ID:kSn/AzEG0

霧切「そもそもだけど……不二咲さんが助けてくれなくても、私たちは大和田君たちから逃げ切れたはずだわ」

霧切「能力のアシストがあれば、苗木君はバイクの車輪を打ち抜くことが出来たはずだから」

霧切「そうなればすぐ近くの森林地帯に逃げ込めばバイクが攻撃手段の二人が私たちを倒すのは不可能」

霧切「そんな地の利が悪いのに二人が正面から襲撃してきたのは……襲撃が失敗することは折り込み済みだったから」



霧切「あの襲撃はその途中で不二咲さんが私たちを守り味方だと印象づけることが目的だったのよ」



苗木「確かに守ってくれたから、すっかり味方だと思っていたけど……」

206 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:16:56.41 ID:kSn/AzEG0

霧切「その次は希望の変更ね。私の提案で不二咲さんは自分の希望を『世界平和』に変えたけど」

霧切「もし私から提案しなくても、自分から言い出してたでしょうね」



苗木「あ、それだよ!」

苗木「だってこのホープロワイヤルって希望が一回しか変更できないんでしょ!」

苗木「不二咲さんは僕たちの希望『世界平和』に変更したのに、『くれいじーだいあもんど』の希望を掲げる大和田君たちとチームなわけないじゃん!」



霧切「ええ。普通ならそうね」

霧切「だからこれは例外のパターンよ」



苗木「例外……?」

207 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:18:35.51 ID:kSn/AzEG0



霧切「もし最後まであの三人が残ったとしたら、不二咲さんは自殺する」

霧切「そうすれば『暮威慈畏大亜紋土を世界で一番の族にする』の希望は叶うでしょ?」

苗木「……っ!?」



霧切「この戦いの最後までには必ず死ぬ」

霧切「そういう前提で不二咲さんは希望の変更をしたのよ」



霧切「不二咲さんの優しさではこの戦場を生き残れないと私はリタイアを進めたけど……今思えば失礼だったわね」

霧切「こんなに覚悟を決めているというのに」



208 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:21:39.51 ID:kSn/AzEG0

霧切「さて、これは希望チームシステムを逆手に取った策よ」

霧切「敵チームを信用させられるから、スパイするにはとても効果的だけれどデメリットもあるわ」

苗木「デメリット……?」



霧切「それ以外にも希望変更権を使用するからこの策は一回しか使えない」

霧切「その一回を私たち相手に、『世界平和』に使ったってことは」

霧切「よっぽど私たちを警戒しているってことでしょうね」



苗木「…………」

苗木(霧切さんのここまでの推理は全部つじつまが合っている)

苗木(でも……)



苗木「その証拠は無いよね?」

苗木「大和田君たちが僕らを見つけられたのも、不二咲さんが僕たちを助けられたのも運が良かっただけで……」

苗木「不二咲さんの希望変更は本当に僕たちの希望に心を打たれたから……って可能性もあるはずだよね?」



霧切「……まあ、そうね」

霧切「苗木君の言うとおり証拠は無い。証拠のない推理は絵空事よ」

霧切「だから私は能力を使った」

209 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:22:05.21 ID:kSn/AzEG0

苗木「霧切さんの能力……? えっと、どのタイミングのこと?」

霧切「不二咲さんが希望変更したすぐ後の『私に敵意を向けているものを示しなさい』のことよ」

霧切「この能力で五つ対象が見つかったのは、電子生徒手帳から見せたから分かってるわよね?」



苗木「うん。住宅地にあった二つが大和田君と石丸君で、少し離れた森の中にあったのは田中君とソニアさんだった」

苗木「最後の一つは枝の上にいたハムスターで………………あれ?」

苗木「でも能力がハムスターに反応したのなら……他の三匹にも反応しないとおかしいよね……?」



苗木(今さら気付く。田中君のハムスターは四匹いる。なのに示された光点は一つだけ)

苗木(これは……)



苗木「あの反応は……ハムスターじゃなかったってこと?」
210 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:22:36.07 ID:kSn/AzEG0

霧切「ええ、そうでしょうね」

霧切「そもそも敵意をもつものという条件にハムスターは当てはまらない。田中君に操られて私たちを襲っただけだから」



霧切「だったらあの光点は何を示していたのか」

霧切「私の能力は座標が分かっても高度は分からない。あのとき地上には私たちしか居なかったから枝の上って言ってみせたけど……そのまた逆で本当は地上に対象はいたのよ」



苗木「あの位置にいたのは……僕たち三人」

霧切「そして条件は『私』に敵意を向けるものだから、残る候補は二人」

霧切「そうね、苗木君も当てはまるのだけれど、私に敵意を向けているのかしら?」

苗木「そ、そんなことはないよ!」



霧切「ええ。だから残るのは一人。不二咲さんだけ」

霧切「仲間であるはずの私に敵意を向けている理由……それは」



苗木「不二咲さんは僕たちを倒すために仲間になった……スパイだから」
211 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:23:02.34 ID:kSn/AzEG0

霧切「ということで以上を証拠とし、不二咲さんを私たちの敵と認定するわ」



霧切「おそらくこの後の不二咲さんたちの動きは……そうね」

霧切「もう十分に私たちの信頼を得られたと考えて、不二咲さんは大和田君たちとあらかじめ決めておいたポイント――」

霧切「バイクの能力とプログラマーの能力を十分に発揮できる……この付近だとビルが建ち並び道路が舗装されている商業地区かしら」

霧切「そこに私たちを呼び出す」

霧切「森林地帯が近くに無いから前回みたいに逃げ込むことも出来ないし、仲間だと思われている不二咲さんが確実に先制出来るからかなり高い確率で私たちを倒せると……そういう想定でしょう」



苗木(霧切さんは不二咲さんを敵と想定して、その先を考えている)

苗木(でも僕は……)
212 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:23:28.37 ID:kSn/AzEG0

霧切「だから私たちとしてはスパイに気付いた利点で、このタイミングで不二咲さんを倒すことも出来るのだけど……」

霧切「ちょっと苗木君、聞いてるのかしら?」



苗木「……うん、ちゃんと聞いてるよ」

苗木「でも……僕は不二咲さんを信じてみたい」

苗木「僕たちの希望、世界平和に賛同してくれた不二咲さんを……信じてみたいんだ」



霧切「……そう」

霧切「あなたはそういう人だったわね」



苗木「ごめんね。霧切さんこうやって推理してくれたっていうのに」

霧切「構わないわ。ならばこのまま不二咲さんを仲間として扱う」



霧切「でも一つ約束して。敵である可能性も考慮して、もし正体を表したら動揺せずに対処すると」

霧切「不二咲さんを信じたい気持ちも分かるけど……私の推理も信じてほしいわ」

苗木「分かった」
213 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:23:55.76 ID:kSn/AzEG0

<翌朝>

苗木(その後僕たちは夜も遅かったため眠り……夜の間に誰かに襲われるということもなかった)

苗木(無事朝を迎えて朝食として廃墟に残っていた非常食を食べる)



霧切「朝になって能力使用回数も戻った」

霧切「存分に動いていけるわね」

苗木「じゃあまずはどこに向かおうか?」



不二咲「それならちょっと行ってみたいところがあるんだけど……」

霧切「どこかしら?」



不二咲「僕の超高校級のプログラマーって、電子機器がないと効果を発揮しなくて」

不二咲「昨日の森林地帯でハムスターに襲われたときみたいに周りに電子機器がない場所だと無力だから」

不二咲「何か身に付けて使用できるものがないか探しに行きたくて」



苗木「あ、いい考えかもね!」
214 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:24:23.76 ID:kSn/AzEG0



不二咲「うん、だから……この近くの商業地区に行ってみない?」



霧切「いいでしょう」

苗木「…………」



苗木(霧切さんはさすがのポーカーフェイスで頷く)

苗木(でも僕は何も言えなかった)



苗木(そこは霧切さんの推理だと……僕たちを襲撃する絶好のポイントで……)

苗木(……いや、不二咲さんを信じると決めたんだ)

苗木(これくらいで疑ったら不二咲さんにも霧切さんにも失礼だ)
215 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:24:53.67 ID:kSn/AzEG0

<商業地区>

苗木(しばらく歩いて目的地にたどり着く)

苗木(舗装された道路、高いビルに囲まれた都市然とした雰囲気の商業地区だ)

苗木(今まで自然溢れる島だと思ってたけど、こんな場所もあるんだな)



霧切「さて電子機器というと家電量販店を探すのがまず最初かしらね」

不二咲「見つかるといいんだけど」



苗木(僕ら三人は通りに並ぶ店を見ながら歩く)

苗木(店員はいないのに店の作りはしっかりしているのが少々不気味だった)

苗木(住宅街の時も同じようなことは思ったけど)



苗木(僕たち生徒が様々な状況で戦うことが出来るようにと希望ヶ峰学園がゲーム会場にいろんなエリアを設定したのだろう)

苗木(単一のエリアだと様々な希望が争うという状況にそぐわないし……)



苗木「あれあっちから誰かが近づいて来て……」

苗木(そんなことを考えながら歩いていると――向かいに二つの人影が見えた)
216 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:25:23.23 ID:kSn/AzEG0



不二咲「超高校級のプログラマー、発動!!」



苗木「っ……!?」

苗木(そして不二咲さんは唐突に能力を発動)



苗木(ちょうど通りすぎた建築途中のビル)

苗木(その資材運搬用の超高層クレーンを能力で操作して鉄骨の山を僕たちの背後に落とす)

苗木(ガラガラッ! と轟音が辺りに響いた)



苗木「不二咲さん、何を!?」

霧切「苗木君、約束よ!!」

苗木「っ……!!」

苗木(不二咲さんに近寄ろうとした僕を霧切さんが止める)
217 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:25:51.50 ID:kSn/AzEG0



不二咲「その様子だと……バレてたみたいだね」

霧切「ええ、そうよ」



苗木(背後でようやく轟音が収まる中、不二咲さんは少し悔しそうにしている)



不二咲「霧切さんの推理力を侮っていたみたい……」

不二咲「でも、ここまで付いてきてくれたのは……苗木君が僕を信じようとしてくれたからかな?」



苗木(そのまま不二咲さんは歩いていく)

苗木(そのとき近づいてきていた二つの人影の姿が分かってきた)



218 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:26:18.63 ID:kSn/AzEG0



大和田「よくやったな、不二咲」

石丸「うむ、いい働きだったぞ!」

不二咲「ありがとね、大和田君、石丸君」



苗木(大和田君と石丸君は近づいてくる不二咲さんを称える)

苗木(つまり……全部霧切さんの推理通りだったのだろう)



苗木「ごめん……霧切さん」

霧切「謝らなくて良いわ」

霧切「この状況逆にチャンスとも言えるもの、三人を一網打尽にする」

219 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:26:47.08 ID:kSn/AzEG0

大和田「強気だな」

石丸「まあ君たちに逃げ場は無いからな! 僕たちを打ち破るしか手段が無いとも言えるだろう!」



苗木(石丸君の言うとおりだ)

苗木(左右はビルに挟まれ、今歩いてきた背後は鉄骨の山が出来て通れず、正面には大和田君たちが立ち塞がる)

苗木(かなりのピンチだ)



苗木「…………」

苗木(霧切さんと約束した、不二咲さんが敵でも動揺しないと)

苗木(ここは不二咲さんが敵だと認めて、どのように戦うか考えるべきなのだろう)

苗木(それでも……戦う前に聞いておかないといけないことがあった)

220 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:27:15.34 ID:kSn/AzEG0

苗木「ねえ、不二咲さん」

不二咲「どうしたの苗木君?」

苗木(不二咲さんは大和田君たちに近寄る歩みを止めて振り返る)



苗木「君が希望変更するときに言ってくれた言葉……僕たちの世界平和の希望に賛同するという言葉は嘘だったの?」

不二咲「……そうだね」

不二咲「丸っきり嘘ってわけではないよ」

不二咲「でも僕の胸の内にはそれ以上に強い希望……大事な友達である大和田君の『暮威慈畏大亜紋土を世界で一番の族にする』って希望を叶えたい気持ちがあるから」



不二咲「だから、ごめん。ハムスターに襲われたときに助けてもらった恩を仇で返すことになるけど」

不二咲「苗木君たちにはここで退場してもらうよ」



苗木「……分かった。その言葉だけで十分だよ」

221 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:27:47.84 ID:kSn/AzEG0

苗木(不二咲さんは歩みを再開して大和田君と石丸君のところまでたどり着く)

苗木(そして今度こそ振り返って……僕たちと対峙する)



霧切「ここにはプログラマーの能力の対象がたくさんある」

霧切「さっきのクレーンもだし、街灯を私たちを助けてくれたときのように爆発させるかもしれない」

霧切「消火栓やビルの内部のものを操って何かをするかもしれないし、全方位に注意しなさい」



霧切「そしてバイクはやはりあなたが頼りよ」

苗木「分かった」

苗木(霧切さんから銃を受け取る)

222 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:28:14.30 ID:kSn/AzEG0



霧切「絶対に勝つわ!」

苗木「やってみせる!!」



石丸「覚悟したまえ!!」

不二咲「『暮威慈畏大亜紋土を世界で一番の族にする』を叶えるために!!」



苗木(そして圧倒的ピンチな状況による3対2の戦いが――――――)



大和田「『暮威慈畏大亜紋土を世界で一番の族にする』か」

223 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:28:42.19 ID:kSn/AzEG0





大和田「そんな希望はもうどこにも存在しないぞ」





不二咲「え……? くっ……!?」 グサッ!



苗木(――始まらなかった)



苗木「……………………は?」

霧切「なっ……!?」



苗木(何故なら……大和田君が隠し持っていたナイフで不二咲さんの無防備な背中を刺したからだ)



224 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:29:08.61 ID:kSn/AzEG0

苗木「…………」

苗木「ど、どういうこと……?」



苗木(どうして大和田君が不二咲さんを攻撃するのか?)

苗木(やっぱり不二咲さんは大和田君たちと敵対していた?)

苗木(いやでもそうしたら不二咲さんが仲間だと思って近づいた意味が分からない)

苗木(だったら大和田君が裏切った?)

苗木(でもそんなことするメリットもないし……)



苗木「一体、何が起きて…………」



霧切「っ……そうだわ」

霧切「もっと早めに気付くべきだった」

225 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:29:34.24 ID:kSn/AzEG0



霧切「大和田君、どうしてあなたはバイクに乗っていないのかしら?」



大和田「…………」



苗木「バイクに……」

苗木(そうだ、二つの人影は歩いて近づいてきていた)

苗木(バイクに乗る隙を見せないためにも、バイクに乗って近づいた方がいいはず)

苗木(音を聞かれて逃げられる心配も無いわけだし)



苗木(だったらどうしてバイクを出していなかったのか)

苗木(そして戦いが始まるというこの段階になってもバイクを出さないのか?)

226 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:30:04.95 ID:kSn/AzEG0



霧切「発動、超高校級の探偵!」

霧切「大和田紋土の位置を示しなさい!!」

霧切「………………」



霧切「石丸清多夏の位置を示しなさい!!」

霧切「………………」



霧切「……駄目なようね」



苗木「駄目っていうと……」



霧切「能力使用回数が減っていない」

霧切「つまり……このサバイバルゲームのフィールドに現在二人は存在しないのよ」

227 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:30:35.38 ID:kSn/AzEG0

苗木「存在しないって……でも、今目の前に二人はいるんだよ!?」



霧切「ええ。だからあの二人は偽物よ」



苗木「偽物……!?」



大和田(?)「ったくよう。霧切、おまえは気付くのがはえーんだよ」

石丸(?)「その通りだ! もう少し戸惑う姿を見たかったぞ!!」



霧切「二人のマネして不愉快だわ。さっさと姿を現して頂戴」



大和田(?)「ノリが悪ぃな……おいっ」

石丸(?)「分かっています」



苗木(大和田君の呼びかけに、石丸君が対応)

苗木(すると二人の姿が光に包まれて――)

228 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:31:02.78 ID:kSn/AzEG0



江ノ島「というわけで劇場『裏切りの味』主演はアタシ、江ノ島盾子と!」



白銀「メイクリスト兼助演の白銀つむぎでしたー!!」



苗木(大和田君の立っていたところに江ノ島さんが)

苗木(石丸君の立っていたところに白銀さんが姿を現した)





『能力:超高校級のコスプレイヤー』

『自分か他者を指定した他人の姿、声に変えることが出来る。ただし変身には時間がかかる。一日三回使用可能』

229 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:31:37.48 ID:kSn/AzEG0
続く。
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/06(水) 06:49:56.49 ID:E+GlLt8c0
奈良敬子
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/06(水) 20:34:25.86 ID:E+GlLt8c0
ぺこ@出番16ケ31b
@gggarnet
成人済腐。動物か食べ物か腐った妄想の話か。hrak敵、八斎會、炎ホ炎。(link: http://pixiv.net/member.php?id=) pixiv.net/member.php?id=…裏垢
@rkgkpeco
犬小屋(外)
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/08(金) 12:20:45.57 ID:EAYg2HKn0
みずかね@オリバト垢
@OrbtStardust
オリジナルバトルロワイアル(オリバト)サイト「Star☆Dust」の管理人によるオリバト垢です。更新情報などなどを発信します。発信用のため原則フォローはいたしませんのでご了承ください。現在9作目更新中。
stardust0302.fc2web.com
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/08(金) 12:23:22.71 ID:EAYg2HKn0
梟の天麩羅-ドラクエ垢
@Kamyukunukeoshi
略してふくてんです 成人済
DQB2-主シドリクアネ DQ11-主カミュグレホメ 固定厨リバ不可 他カプも×
背後注意絵クッションなく上げます。18歳以下は回れ右?ギャグとエロしか描かない
※アイコン詐欺※odaibako.net/u/Kamyukunukeo…
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/08(金) 12:24:28.77 ID:EAYg2HKn0
ハルト?2/24東け41a
@neko_mayuge_nya
二次創作壁打ち用 / 主カミュ、弓槍、シノヤマ / DO NOT USE any of my fan art./ 箱返信((link: https://privatter.net/p/3768346) privatter.net/p/3768346) /箱((link: https://odaibako.net/u/neko_mayuge_nya) odaibako.net/u/neko_mayuge_…)
ド11→PS4、3DS真ENDクリア済 DB2→クリア済pixiv.me/o--i-ocha誕生日: 11月29日2013年8月からTwitterを利用しています
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/08(金) 12:31:46.36 ID:EAYg2HKn0
小島祥太朗@エンデヴァーガチ勢
@mabatake
マンガとかイラストを描いてます。 お絵描きしたものはモーメントに置いてありますぜ。
pixiv.me/mabataki
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/11(月) 11:29:50.72 ID:ZOEviLhS0
小島祥太朗@エンデヴァーガチ勢
@mabatake
マンガとかイラストを描いてます。 お絵描きしたものはモーメントに置いてありますぜ。
pixiv.me/mabataki
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/11(月) 11:30:20.81 ID:ZOEviLhS0
松葉千帆
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/11(月) 11:31:32.37 ID:ZOEviLhS0
野々山紘美
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/11(月) 11:32:19.17 ID:ZOEviLhS0
浅見ルナ
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/11(月) 11:33:48.16 ID:ZOEviLhS0
梟の天麩羅-ドラクエ垢
@Kamyukunukeoshi
略してふくてんです 成人済
DQB2-主シドリクアネ DQ11-主カミュグレホメ 固定厨リバ不可 他カプも×
背後注意絵クッションなく上げます。18歳以下は回れ右?ギャグとエロしか描かない
※アイコン詐欺※odaibako.net/u/Kamyukunukeo…
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/11(月) 11:34:54.05 ID:ZOEviLhS0
立花みずき
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/11(月) 11:38:31.18 ID:ZOEviLhS0
16BIT POCKET HDMI #1 開封&プレイレビュー (Unboxing & Play
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/11(月) 11:39:25.14 ID:ZOEviLhS0
向亜利沙
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/11(月) 12:12:29.65 ID:Rt4VraeMO
ソニア=王女の能力はチェスのクイーンに準えて高機動力→テレポートって連想だったり
とか勝手に考えてみた
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/14(木) 09:35:27.41 ID:pO4QTNFh0
これって渋に投稿してる人と同一人物?
246 : ◆YySYGxxFkU [saga sage]:2019/02/14(木) 17:05:35.36 ID:3VBGgPL0o
同じです。こっちには書きましたが、あっちにはこっちで転載していること書いてなかったですね
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/15(金) 03:03:43.06 ID:wfLEKan/0
ありがとうございます
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/17(日) 13:50:16.91 ID:rnNxij4D0
意味不明過ぎる。
殺し合いに乗る動機があまりにも弱過ぎ。
オリキャラでやれ。
249 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:00:39.38 ID:iqB9vyWd0

苗木たちの前に表れた江ノ島たち。

現在何が起きているのか?

時をさかのぼる。





<一日前>

苗木たちが住宅街で大和田たちの襲撃を受ける直前のこと。



不二咲「監視カメラの映像から苗木君と霧切さんがこの住宅街にいるみたいだよ」

石丸「『超高校級の風紀委員』の能力は直接見ないと能力と希望が分からない」

大和田「だとしても一緒にいて戦っていない時点で、チームを組んでると見て良さそうだな」

250 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:02:17.77 ID:iqB9vyWd0

大和田「よしっ、場所が分かったし襲撃するか」

石丸「待ちたまえ、兄弟。相手は苗木君と霧切君だぞ。慎重に行った方がいいのではないか?」

大和田「怖じ気付いてんのか? 3対2だし負ける要素ねえだろ」



不二咲「うーん……でも場所が悪いかな。住宅街じゃ僕の能力もそんなに活かせないし」

石丸「それに苗木君たちが潜伏している住居は森林地帯に近い。逃げ込まれたら兄弟のバイクの利点が失われるぞ」

大和田「だったら逃がさねーようにすればいいだけじゃねえか」



石丸「敵だって能力を持っている。それを使って逃げ込む隙を作られるかもしれない」

大和田「だあっ、もう。まどろっこしいな」

251 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:02:45.08 ID:iqB9vyWd0

大和田「いっつもそうだ、おまえは慎重すぎるんだよ」

石丸「それを言うなら、兄弟は大ざっぱすぎるではないか!」



不二咲(二人が言い争う……がいつものことなので放っておく)

不二咲(二人とも本気ではない。お互いの長所として理解しているはずだから)



不二咲(問題なのは苗木君と霧切さんへの対応だ)

不二咲(僕たちの希望を叶えるためにも、いつ立ちはだかってもおかしくない壁)

不二咲(だとしたらこっちが先に居場所を捕捉したこの状況を生かしたい)

不二咲(でも積極的に行っても逃げられるかもしれないし、慎重になりすぎても苗木君たちが移動するかもしれない)

不二咲(だったら――)

252 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:03:20.14 ID:iqB9vyWd0



不二咲「二人を僕たちの得意な場所に誘き出そう」



大和田「ん?」

石丸「……それは出来るなら、そうしたいところだが」



不二咲「一つ作戦を思いついたんだ。聞いてくれる?」



253 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:03:47.55 ID:iqB9vyWd0

<大和田と石丸の襲撃後>

大和田「……行ったな」

石丸「ああ」

石丸(苗木君と霧切君、不二咲君の三人が去った方角の森を見やる)



大和田「大丈夫だと思うか?」

石丸「五分五分だな。同じ希望に変えるまですれば仲間だと思ってくれるだろうが……霧切君の推理力が違和感を捉えてバレるかもしれない」

大和田「…………」

石丸「だとしても僕たちに出来るのは信じることだけだ」

大和田「ああ、そうだな」



石丸「忘れないように作戦を記したメモもある」

石丸「襲撃のポイント、商業地区に先乗りしておこう。兄弟、バイクに乗せてもらえるか?」



大和田「ぶっ飛ばしてもいいか?」

石丸「いや、そこまで急ぐわけじゃないからゆっくりでいいぞ」

254 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:04:18.08 ID:iqB9vyWd0

大和田(バイクで商業地区への道を進む)

大和田(風を感じながら進んでいると……進路脇に一人の生徒の姿が見えた)



大和田「ん、あれは江ノ島か?」

大和田(まだ距離があるが互いの姿は分かる)



江ノ島「やばっ……」



大和田(江ノ島もこっちに気付いたようで逃げていった)

大和田(江ノ島……っつうとただのギャルだ)

大和田(双子らしく超高校級の軍人、戦刃むくろとつるんでる姿を見ることもあるがそれくらいだろう)

大和田(別にこのホープロワイヤルで特に障害になるような相手だとは思えない)



大和田(対して苗木……幸運なんてふざけた才能で希望ヶ峰学園に入ってきたっていうのに、いつの間にか俺たちの中心になっている)

大和田(霧切も超高校級の探偵というだけあってヤバいやつだ。簡単に他のやつにやられるとは思えない)

大和田(俺たちが希望を叶えるためにどこかで絶対に乗り越えないといけない壁となると思っていた)



大和田(だから今は二人に集中だ。江ノ島なんて放っておいて――)

255 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:04:49.20 ID:iqB9vyWd0



石丸「兄弟! 今の江ノ島君を追ってくれないか!!」



大和田「……何故だ?」

石丸「僕の能力に基づく判断だ!」

石丸「彼女の能力……それに希望は放っておけない!!」



大和田(『見た相手の能力と希望が分かる』能力……距離はあったが、江ノ島の希望と能力も分かったんだろう)

大和田(ただのギャルにそんな警戒するほどか……とは思うが)

大和田(その顔は緊張感に溢れている)

大和田(苗木と霧切を優先するべきと分かっていて、なお放っておけないということか)



大和田「いいぜ、ぶっ飛ばすから掴まってろよ!」

石丸「もちろんだ!」

256 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:05:23.75 ID:iqB9vyWd0

<商業地区>

石丸(江ノ島君を見つけた地点は商業地区の近くだった)

石丸(彼女は商業地区に逃げ込み、僕たちもそれを追う)

石丸(最初に距離があったこと、曲がり角などを生かして僕らを撒こうとするが)

石丸(こちらのバイクの移動スピードには成す術がないようだった)

石丸(商業地区の大通り、疲れてへたり込んだ江ノ島君の前に僕らは立つ)



江ノ島「ちょっ、と。酷く、ない? ただの、ギャル、相手に本気で、追いかけるとか」 ゼーハー



石丸(江ノ島君は肩で息をしている)



石丸「ただのギャルか……ならば君の希望はどういうことなのかね?」



江ノ島「は、何でアタシの希望を……?」

江ノ島「……あ、そっかー。それがあんたの能力なのね」



大和田「どういうことだ? 江ノ島の希望はそんなにヤバいのか?」

石丸「ああ。僕の能力は示している、口にするのもおぞましい希望を」



大和田「……なら良かったな。ここで江ノ島を倒せば終わりだろ? 能力は大丈夫だよな?」

石丸「ああ。江ノ島君の能力は奇怪なものだが、この状況をどうにかするものではない」

大和田「そっか。じゃあ、あばよ」



石丸(兄弟がバイクのアクセルをかける。このまま江ノ島君を轢いて、ゲームから退場させるのだろう)

石丸(江ノ島君はへたりこんだ姿勢のまま動けず――)

257 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:05:52.03 ID:iqB9vyWd0



江ノ島「ばんっ!」



石丸(せめてもの抵抗か、指を立てて模した銃を僕らに向けて、口で発射音を言った)



大和田「悪あがきにもなってねえな」

石丸「ああ」



石丸(今の行動が能力のトリガーになっているとかならともかく、そうでないことが僕には分かる)

石丸(どうしようもなくなって最後にふざけたのだと判断して)



258 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:06:26.05 ID:iqB9vyWd0



モノクマ『死体が発見されました!!』



石丸「くっ……!?」

石丸「うわぁぁぁっ!?」



石丸(そのアナウンスの後に、僕は道路に投げ出された)



石丸「一体何が……?」

石丸(アナウンスが鳴った後……気づいたら僕は地を這っていた)

石丸(状況を確認して……気づく)



石丸(バイクも兄弟の姿も見当たらないことに)



石丸「…………」

石丸(バイクは……兄弟が能力で呼び出したものだ)

石丸(兄弟の意志により任意で消すことも可能だが……今そんなことをする必要はない)



石丸(だったらどうしようもなくなって消えたのか?)

石丸(直前のモノクマのアナウンス、消えたバイクと兄弟の姿)

石丸(つまり――)

259 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:06:51.82 ID:iqB9vyWd0



江ノ島「全く、馬鹿ですね」

江ノ島「誘き出されたのはあなたたちの方ですよ」



石丸(江ノ島君は無いメガネをクイッと上げて、女教師風につぶやく)

石丸(それで僕は何が起きたのか気づき……どうしようもないことにも気づいた)



石丸「くっ……すまない、兄弟、不二咲君……!」



江ノ島「ばんっ!」



石丸(先ほどと同じように指を立てて模した銃を僕に向けて、口で発射音を言う)



260 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:07:18.71 ID:iqB9vyWd0



モノクマ『死体が発見されました!!』



直後、アナウンスが商業地区の大通りを駆け抜けていった。



261 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:07:46.66 ID:iqB9vyWd0

<現在>

苗木「大和田君と石丸君が……江ノ島さんと白銀さんに変わった……」

苗木「いや、最初から化けていたのが……元に戻った?」



苗木(そうか。江ノ島さんが化けていた大和田君だったから、能力も違っていてバイクを呼び出せなかったのだろう)



苗木(でもだったら……大和田君と石丸君は現在何をしているのか……)

苗木(どうして二人は探偵の能力でも居場所が分からないのか……このゲームのフィールドにいないというのは……)



霧切「状況的に考えて大和田君と石丸君の二人はあなたたちが倒したということよね?」

江ノ島「あぁ、そういうことだよ!」



苗木「っ……!」

262 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:08:14.30 ID:iqB9vyWd0

苗木「二人は相手の能力と希望が分かって、バイクで攻撃できる隙の無いコンビだった」

苗木「江ノ島さんの能力は分からないけど……そう簡単にやられるはずが無いって!」



霧切「ええ、私も同意見よ」

霧切「でもこうして商業地区で襲撃するという作戦が完全に乗っ取られている以上、江ノ島さんたちが二人を倒したと考えるしか無いでしょう」

霧切「昨日の夕方、二回の死体発見アナウンスが鳴ったあのときにね」



江ノ島「ええ、その通りです」

江ノ島「ご丁寧にも作戦を記したメモがあったので、それを読んで乗っ取らせてもらいました」

263 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:08:53.80 ID:iqB9vyWd0

霧切「大和田君と石丸君を倒し、不二咲さんにも不意打ち」

霧切「となると、次は私たちってことなのかしら?」



江ノ島「ったりめーだよ! わざわざ逃げられないようにお膳立てもしてくれたしな!」



苗木(そうだ、対峙する人間が別人になったが、状況は変わっていない)

苗木(左右をビルに囲まれ、後方を鉄骨の山に阻まれ、正面から江ノ島さんたちが迫っていることに変わりはない)



苗木「でも……さっきより状況は良くなったよね?」

苗木「白銀さんの能力は他人に化ける能力なのは分かっているから、江ノ島さんの能力だけを警戒すればいいもんね」



白銀「そう見せて私の能力が違ったり、二つ目の能力を持っていたりするかもしれないよ!」

霧切「あり得ないわね」

白銀「うぅ……ばっさり……まあ、そうですけど」

264 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:09:23.23 ID:iqB9vyWd0

苗木(江ノ島さんは超高校級のギャル)

苗木(ソニアさんの王女と同様にどういう能力なのか想像が付きにくい)

苗木(だが大和田君と石丸君の二人を倒したと言った)

苗木(警戒が必要だろう)



江ノ島「さてと、じゃあ二人まとめて倒させてもらおっかなー!」

江ノ島「発動、超高校級のギャル!」



苗木(江ノ島さんは能力の発動を宣言)

苗木(僕は何が起きても大丈夫なように江ノ島さんに注目して――)

265 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:09:54.67 ID:iqB9vyWd0



霧切「――その程度のペテンに引っかかると思ったかしら?」



苗木「え?」



霧切「発動、超高校級の探偵!」

霧切「戦刃むくろの位置は――あのタワーよ!!」



苗木(霧切さんは少し離れた場所にある、この商業地区でも一番高いタワーを指さす)



苗木「え、でも戦刃さんの位置って……?」



霧切「江ノ島さんは大和田君と石丸君を倒したけれど、普通に考えて二人の力の方が上よ」

霧切「能力による奇襲も、見た相手の能力が分かる石丸君には通じない」

霧切「だったら――見えない位置から第三者による奇襲が一番可能性が高い!」

266 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:10:24.12 ID:iqB9vyWd0

苗木「第三者……そうか、いつもの様子からして二人がチームを組んでいる可能性は高いから……!」

霧切「ええ! 状況は一緒よ! 江ノ島さん能力を使う素振りはブラフ」

霧切「自分に気を引かせて――本命は超高校級の軍人、戦刃さんによる狙撃!」

苗木「っ……!」



江ノ島「ちっ……! やれっ!」



苗木(江ノ島さんは電子生徒手帳に向かって叫ぶ)

苗木(おそらくずっと戦刃さんと通話状態だったのは想像が付いた)



苗木(つまりあの位置から銃弾が――)

267 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:10:51.74 ID:iqB9vyWd0



苗木「発動、超高校級の幸運!!」



苗木(僕は霧切さんの手を引き、身体を投げ出しながら能力を二回発動)



苗木(僕が銃弾に当たらない確率)

苗木(そして僕が銃弾に当たらないように霧切さんを誘導できる確率を上げる)



苗木(相手は超高校級の軍人……兵器の取り扱いは抜群だ)

苗木(普通ならかなり高い確率で撃たれるはずで、幸運の才能も効かなかっただろう)



苗木(でも狙撃が来ると分かっていたこと)

苗木(狙撃手がどこにいるか分かっていたこと)

苗木(タワーから少し離れていて距離があったことなどが幸いして……能力による不思議な感覚があり、銃弾は僕たちがさっきまでいた場所に二発着弾する)

268 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:11:23.07 ID:iqB9vyWd0

苗木「ふぅ……何とか」

霧切「ええ、助かったわ」



江ノ島「くっ……だがまだ終わりじゃねえぞ!」



苗木(一瞬安堵したが、江ノ島さんの言うとおりだ)

苗木(僕らはまだタワーからの射線を切ることが出来ていない)

苗木(今すぐ物陰にでも入ってやりすごすべきなのだが、今の銃弾を避けるので精一杯で身体を投げ出したため、すぐにでも立ち上がって逃げないといけない)

苗木(でも、それと戦刃さんが再度照準を合わせるのどっちが早いだろうか?)



霧切「あちらの方が早そうね」

苗木「それでも僕は諦めない……!」

霧切「ええ、そうよ……!」

苗木(僕と霧切さんは立ち上がり移動しようとして)



江ノ島「おせーよ、ばーか」



苗木(江ノ島さんの最後通牒が下り――)

269 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:11:51.32 ID:iqB9vyWd0



不二咲「発……動! 超高校級のプログラマー……!!」



苗木「不二咲さん……!!」

江ノ島「なにっ……!?」



苗木(倒れていた不二咲さんが能力を発動)

苗木(僕らの頭上にあった街灯が限界まで稼働して、光の爆発を起こした)



苗木(直後に銃弾が少し逸れた場所に着弾する。目くらましは成功したようだ)



苗木(僕らはその隙に倒れたままの不二咲さんを抱えながら、戦刃さんのいるタワーからは死角となるわずかな安全地帯、街灯の変圧器の陰に逃げ込んだ)

270 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:12:24.66 ID:iqB9vyWd0

苗木「ありがとう、助かったよ不二咲さん!」

不二咲「良かっ……た。これで……借りは返せたかな?」

霧切「傷が深いわね……ナイフは抜かない方が良いわ」



苗木(不二咲さんは大和田君に化けた江ノ島さんにより不意打ちを食らっている)

苗木(そんな状態なのに僕らを助けてくれた……感謝しかない)



江ノ島「だぁっもう、ちょこまかと! つうか、何回も外してんじゃねえ、残姉!!」

戦刃『ごめん、盾子ちゃん』

白銀「それでどうすればいいですか?」

戦刃『三人を私の射線上に出して。次こそ仕留める』

白銀「確率に位置探索に電子機器の操作……最後だけ気をつければ、私たちでもそれくらいは出来そうですね」

江ノ島「面倒くせえな……わーったよ」

271 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:13:00.28 ID:iqB9vyWd0

苗木(相手の短い作戦会議が終わったようだ)

苗木(戦刃さんは変わらず狙撃体勢。他の二人が僕らに迫る)

苗木(普通に戦えば護身術の心得がある霧切さんが負けるとは思えないけど、相手はこのわずかながらの安全地帯から僕らを引きずり出せばいいだけだ)

苗木(分が悪いだろう)



苗木「どうすればいいかな?」

霧切「そうね……この場で三人を倒すのは難しそうね」

霧切「高所を狙撃手に抑えられているのが痛いわ」

霧切「罠を張っていた相手が上手だったとして逃げるしかないけど……それも難しい」

霧切「あのタワーの高さと位置、そして戦刃さんの技術からして、この商業地区ほとんどをカバー出来る」

苗木「っ……だったらどうすれば……」

272 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:13:28.34 ID:iqB9vyWd0



不二咲「僕が時間を稼ぐから、二人はその間に逃げて」



霧切「それは……」

苗木「だ、駄目だよ! 不二咲さんも一緒に……!」

不二咲「誰かが時間を稼がないと逃げられないと思うよ。それにこの傷じゃ足手まといだしね」

苗木「でも……不二咲さんにも希望があるんでしょ!? それなのに……」



不二咲「ううん。もう僕の本当の希望はどこにもないんだ」



苗木「えっ……?」



霧切「スパイ行動のデメリットよ」

霧切「不二咲さんは一度しかない希望変更権を私たちを欺くために使った」

霧切「元の希望に戻ることは出来ない」

霧切「それでも最後に同じ希望を持つ仲間が残るように立ち回ればいい話だったけれど………」



苗木「そっか……石丸君も大和田君も退場した」

苗木「この戦刃に『暮威慈畏大亜紋土を世界で一番の族にする』を持つ人はもういない」

273 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:13:59.77 ID:iqB9vyWd0



不二咲「うん。でもね、さっきも言ったけど僕は『世界平和』って希望も結構気に入ってるんだよ」

不二咲「だから……苗木君たちをここで逃して生き延びさせることは、その身に宿る希望を叶える手助けになれるなら本望なんだ」

不二咲「先に裏切っておいて何だって言われるかもしれないけどね」




苗木「不二咲さん……分かった。僕は君の思いも背負うよ」



霧切「ここは引くけど……大和田君や石丸君の分も含めて、いつか必ず江ノ島さんたちに敵討ちするわ」



不二咲「……ありがとう」



274 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:14:35.66 ID:iqB9vyWd0



不二咲「じゃあ……行くよ」

不二咲「発動、超高校級のプログラマー!!」



苗木(不二咲さんは能力を発動)

苗木(先ほど鉄骨を落とした超高層クレーンを操作して僕と霧切さんを釣り上げた)



不二咲「道路を封鎖した際に落とした鉄骨の山の裏に運ぶよ」

不二咲「そうすれば戦刃さんの射線も通らないはずだから、そのまま逃げて!」



霧切「そうね、逃げる方法はそれが最善……でも」



江ノ島「はんっ、そんな空中に出て的だろ! 残姉っ!」

戦刃『分かってる』



苗木(空中で動けない僕らに戦刃さんが照準を合わせる)

苗木(タワーと僕らの間に障害物は何も存在しない。今度こそ絶体絶命だと覚悟して――)

275 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:15:46.31 ID:iqB9vyWd0



苗木(突如吹き出た水が銃弾を打ち、軌道を逸らした)



霧切「消火栓を操作したのね」

苗木「ありがとう、不二咲さん!!」

不二咲「頑張ってね、二人とも!」



苗木(そうして僕らは鉄骨の山の向こうにさしかかり、不二咲さんや江ノ島さんたちの姿は見えなくなった)



江ノ島「あーあーあーあー」

江ノ島「二度あることは三度あるかよ。つっかえねーな」

戦刃『……ごめん』

白銀「ま、まあ一人残っていますし」

江ノ島「でも虫の息だろ?」



不二咲「今日の能力の発動はこれで四回……残りはあと一回だけ」

不二咲「これを使って……少しでもあがいてみせる!!」



江ノ島「ふうん……三対一。圧倒的絶望な状況だってのに、生意気にも希望を宿して」

江ノ島「うぷぷっ、それでこそ絶望させがいがあるね!」

276 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:16:12.09 ID:iqB9vyWd0



苗木「不二咲さん……」

霧切「……急ぐわよ。狙撃が不可能とみた戦刃さんが回り込んで接近する可能性も否めないから」

苗木「分かった」



苗木(僕らは振り返らず走る)

苗木(逃がしてくれた不二咲さんの意志を無駄にしないためにも)





モノクマ『死体が発見されました!!』





苗木(途中流れたアナウンスにも足を止めず……走り続けた)

277 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:16:42.99 ID:iqB9vyWd0

不二咲を始末した江ノ島たち。

戦刃がタワーから降りて二人と合流する。



戦刃「でも良かったの、盾子ちゃん?」

江ノ島「ん、何が?」

戦刃「人類史上最大最悪の絶望的事件の実行前に本性現して」

江ノ島「長年準備してきたんだぞ!! 駄目に決まってんだろうが!!」

戦刃「え……? じゃあ……」



江ノ島「うぷぷっ、でもそうやって長い間頑張った計画をぶち壊す絶望感」

江ノ島「それに……この希望が叶った時のワクワク感には変えられないよ!」



戦刃「……盾子ちゃんが納得してるなら良いけど」

白銀「私も付いていくだけです!」

278 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:17:10.85 ID:iqB9vyWd0

白銀つむぎ。

『能力:超高校級のコスプレイヤー』

『自分か他者を指定した他人の姿、声に変えることが出来る。ただし変身には時間がかかる。一日三回使用可能』



戦刃むくろ。

『能力:超高校級の軍人』

『軍人としての力、技術を発揮できる』



江ノ島盾子。

『能力:???』

『詳細不明』



この三人の希望は一致している。

279 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:17:37.56 ID:iqB9vyWd0





『世界を絶望させる』――という希望で。





280 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:18:05.21 ID:iqB9vyWd0



江ノ島「あー楽しみだなあ」

江ノ島「希望の象徴、希望ヶ峰学園が自らの手によって世界を絶望させるって」

江ノ島「うぷぷっ……なんて絶望的なんだろうね!」


281 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/17(日) 18:18:32.80 ID:iqB9vyWd0
続く。
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/19(火) 20:19:16.36 ID:zOGIyEUM0
続くな
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/19(火) 22:45:29.24 ID:bSQgOVR5O
続けよ
182.11 KB Speed:0.1   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)