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【わたモテ×ジョジョ】モテないし漆黒の意志
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68 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:12:23.75 ID:lkeYsCRo0
黒木「メタリカだってぇ?!」
吉田「知ってんのか? っつ・・・」ズキン
黒木「(あの最凶最悪の暗殺スタンド・・・!)」ゴクリ
キ モ ォ ー イ キ モ ォ ー イ ・・・
スタンド
黒木(これ、ウジ虫の鳴き声かよ? 気持ち悪っ!)
内「 キ モ い でしょ? ふふふふふ」ニヤリ
吉田「てめえ、やっぱりスタンド使いか・・・」
加藤「内さん、なぜ?!」
内「おしかった、なあ・・・」
黒木「は?」
内「もう少しで、一番強そうなやつを始末できたのに」
吉田「なんだと・・・?!」
内「ま、いっか。 三人まとめてでも・・・」・・・ギロリ
「 ず た ず た に 切 り 刻 ん で や る 」
────── ぎ ろ っ 。
吉田「・・・・・・・!」ゾクッ
黒木「ひっ・・・・」…チョロッ
加藤「!・・・・・・・・・・」
69 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:12:55.90 ID:lkeYsCRo0
黒木(で、出ちゃった… こわいよこいつ!)
吉田「・・・なんて『眼』、してやがる」ゴクリ
黒木(こ、これ、あのときの感じだ・・・ 今日、教室で感じたあれ!)
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
黒木(こいつだったのか・・・ これが、「殺気」ってやつ?)
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・・・
黒木(いや・・・ あの縦線みたいな眼が、異様に光ってる)
黒木(不気味な色に濁って。 そのまんなかで・・・)
内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ギ ロ 。
黒木(まっ黒い瞳が黒く燃えている! そうか、これが・・・)
しっこく い し
漆 黒 の 意 志 ッ ──── !
キ モ ォ ー イ キ モ ォ ー ー ー ー イ ・・・
70 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:15:27.37 ID:lkeYsCRo0
マジ
吉田「お前ら、逃げろ。 こいつは本気だ」
マジ
吉田「本気で殺しにきてやがる」
・・・・・・ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
加藤「殺しに・・・?!」
黒木「や、やっぱり」ゴクリ
加藤「内さん、なぜ!」
内「黙れ」シャッ!
吉田「危ねえ!」
キ イ ン ッ
加藤「きゃあ!」
黒木「加藤さんっ!」
吉田「この野郎・・・!」
内「・・・ああ、キモい」
黒木「は?」
内「キモい。 キモい。 キモイキモイキモイキモイ・・・」ブツブツブツ…
吉田「こいつ・・・・・・」
内「女どうしでベタベタして。 キモいキモいキモい・・・」ブツブツブツブツ…
「 ─────── 気 持 ち 悪 い 。 」
71 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:16:22.50 ID:lkeYsCRo0
黒木「え」
内「気持ち悪い ヘドが出る」
内「わたしの前から───────」シャキッ
「 ──────── 消 え て な く な れ ッ 」
ジ ャ キ ン ッ
加藤「・・・・・・!」
黒木「あ、あわわ・・・」カタカタカタ
吉田「早く逃げろ。 こいつに話は通じねえ」
黒木「こ、腰が・・・」ガクガクガク
吉田「・・・バカ、しっかりしろ! 急げ!」
内「人の心配してる場合?」ニ ヤ リ
パ キ ィ ン !
「うっ」
ド バ ッ !
吉田「くっ あああああああっ」
72 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:18:31.28 ID:lkeYsCRo0
加藤「きゃ?!」
黒木「あっ!!」
プ シ ュ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ・・・
加藤「傷から出血が!」
吉田「う・・・ くっ・・・」プシュー…
内「スタンドに刺さってた刃が消えたんだよ」
吉田「くっ・・・ そ・・・!」ダラダラダラ…
内「早く治さないと死んじゃうよ? 治してても死んじゃうけどね」シャキンッ!
黒木「うおおおおおおお!!」ダッ!
ガ バ ッ !!
つ
吉田「っ痛?!」
黒木「ごめん! がまんして!!」グイ ガバッ
加藤「黒木さん?!」
黒木「加藤さんも逃げよう! こんなの勝てっこない!!」ヨタヨタ
吉田「お、お前」
黒木「ごめん、ちょっとだけがまんして! 逃げたらすぐ手当てするから・・・」フラフラ
加藤「・・・・・・・・・・・・・・・」
キ ラ ッ 。
73 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:19:47.35 ID:lkeYsCRo0
黒木「ぜっは、くっ、は・・・」ヨロヨロ
吉田「黒木・・・」
黒木「・・・重いなちくしょー! ダイエットしろ!」
吉田「ンだとこらあっ! ・・・ってえ?!」ズキッ!
シ ュ タ ッ !
黒木「ひっ!」
内「余裕だね」ニ ヤ ッ
吉田「・・・・・・てめえ」
内「ちょうどいいや、まとめて串刺しにしてあげる」ジャキッ!
黒木「ひ、ひい・・・」ガタガタガタ
吉田(・・・・・・・・・・・・・・・やるしかねえ)ギュッ
や
殺 る し か ────!!
内「 く く く く 」ジャリッ
マジ や
吉田(本気で殺らなきゃ、黒木が殺られる!)ゴッ!
内「 じ ゃ あ ね 」 バ ッ ─
バ チ ッ !
74 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:20:45.46 ID:lkeYsCRo0
黒木「え?」
吉田「なっ」
「 っ は あ ?!」 ビ ク ン ッ
ド シ ャ ッ !
内「な、なっ・・・」ビクッ ビクッ
黒木「な、なにが・・・」
加藤「あいつだ」
黒木「え」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
加藤「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴゴゴゴゴ
内「・・・か、とう・・・?」ガクガクガク
黒木「加藤さん・・・」
加藤「ふたりとも、逃げて」 ゴ ッ !
「内さんはわたしが止める」
75 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:22:36.31 ID:lkeYsCRo0
黒木「え、そんな」
内「き、さ、まっ・・・!」… ヨ ロ
加藤「はやく!」
吉田「いくぞ、黒木」ヒ ョ コ
黒木「え あっ・・・」
吉田「肩貸せ、急げ!」
黒木「は、はいっ!」グッ
ヒ ョ コ ヒ ョ コ ヒ ョ コ ・・・
内「ま、待てっ!」
加藤「この先には行かせない」
内「何を!」ジャキッ
ビ リ ッ
内「くは!?」ビクッ!
加藤「行かせないと言ったはず」
内「きさまっ・・・!」ギ ロ ッ !
加藤「内さん、あなたはとても強い。 けれど止めてみせる」 ス ッ
内「止める・・・ わたしを?」
加藤「・・・・・・・・・・・・・・・」 ジ リ ッ
76 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:24:27.13 ID:lkeYsCRo0
内「なめるなッ」ギリッ!
加藤「なめてなんかいない。 でも、やる」… ス ッ
内「前からあんたのことは気に入らなかったんだ・・・!」 シャキンッ!
────── ジ ャ ラ ッ
これ? 黒木さんにもらったの。
内「いつもいつもいつも・・・・・・・・・!」ギリギリギリ
加藤「・・・・・・・・・・・・・・・・」ギュッ
キラ キラ キラッ …
加藤(あなたの刃のかけら。 ・・・もう、間違いない)
内「ばらまいてやるッ!」ギ ロ ッ !
加藤(・・・その『眼』。 とても、とても危険) ス ッ
・・・ ひ ゅ う う う う う う
内「?」
加藤「 し ゅ う う う う う う う 」 ス …
内「・・・ふん。 こけおどしだよ」ジャキ!
加藤(だからこそ───────) バ ッ !
(いまここで、あなたを止めなくちゃ!)
77 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:25:14.46 ID:lkeYsCRo0
黒木「はっ、はっ、はっ・・・」ヨタ ヨタ
吉田「・・・・・・・・・黒木、もういい」ヒョコ ヒョコ
黒木「は、はあっ」 ヘ タ ッ
吉田「・・・・・・・・・・・・・・・っつ」ヒ ョ コ ッ
ビ シ ッ バ シ ュ シ ュ パ
吉田(頼むぜ、加藤)
黒木「はあっ、吉田さん・・・ はっ、歩けるの?」ヒー ハー
吉田「見ろよ」
シ ュ ル シ ュ ル シ ュ ル シ ュ ル シ ュ ル ・・・・・・
ラブ・デラックス
黒木「・・・ 髪 の 毛 ?! (傷口を縫ってる!? 痛い痛い痛い!)」
吉田「とりあえず血は止めてくれたぜ」
黒木「(痛い痛い痛い・・・)よ、よかった」
吉田「これで一息つける。 油断しちまったが今度こそ・・・!」
[ ・・・・・・ダメ ]
吉田「なんだって?」
加藤[ わたしにまかせて。・・・吉田さん、黒木さん ]
78 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:27:41.95 ID:lkeYsCRo0
黒木「まかせるって、そんな!」
吉田「加藤。 あいつはヤバすぎるぜ」
[ わかってる。 でも止めなくちゃ ]
[ だってあの『眼』、危険すぎるもの ]
黒木「・・・やっぱり。 でもそれなら・・・」
黒木「ケガしてても、やっぱり吉田さんの方が・・・」モゴモゴ
[ ・・・吉田さん。 あなた、内さんを止められる? ]
黒木「え?」
吉田「・・・・・・・・・・・・」
黒木「止めるって・・・」
吉田「無理だ」
黒木「えっ?!」
吉田「あいつはヤバい。 本気でやらないとわたしがやられる」
・ ・ ・ ・ ・ ・
[ 「 や る 」って、そういうことでしょ? ]
吉田「・・・・・・・・・・・・」
黒木「・・・・・・・・そ、そうなの・・・?」… ゴ ク ッ
79 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:28:25.17 ID:lkeYsCRo0
[ だから、わたしがやる。 わたしならきっと、内さんを止められる ]
[ ・・・いえ、絶対止める。 止めてみせる。 だからやらせて ]
黒木「加藤さん・・・」
吉田「・・・・・・・・・・・・」
バシュッ ピシュ シュパッ
吉田「・・・任せるぜ。 だけどな」
加藤[ わかってる。 危なくなったら助けてね ]
黒木「・・・ごめん、加藤さん。 何もできなくて」
加藤[ そんなことないよ、黒木さん ]
黒木「でも・・・」
吉田「(そういう意味じゃねえ、バカ)」 ポ コ ッ !
黒木「あでっ?! な、何すんだっ・・・」
吉田「(でかい声出すな、来るぞ)」
黒木「え」
教師「・・・・・・・・・・・・・・・」スタ スタ スタ
黒木「く 、来るってまさか」
吉田「(だからお前の出番だろうが! さっさとしやがれ!)」
黒木「(わ、わかったっ!)」 ゴ ッ !
80 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:30:39.50 ID:lkeYsCRo0
教師「・・・・・・・・・・・・・・・」スタ スタ スタ
バ シ ュ ッ ピ シ ュ シ ュ ボ ッ
教師「・・・・・・・・・んっ?」
ビ シ ッ バ シ ュ シ ュ パ
教師「何の音だろう。 ・・・向こうか」 タ ッ
タ ッ タ ッ タ ッ タ …
教師(この角のむこうだ)タタタ
「きゃっ」
教師「おっ、と? ・・・あ、荻野先生」
「あら、荘先生」
教師「こちらはもうお探しでしたか」
「はい。 ・・・誰もいませんでしたが」
教師「あの物音は?」
… シ ュ パ パ パ パ パ パ
「塀の外で中学生が遊んでるようです」
81 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:32:05.14 ID:lkeYsCRo0
教師「・・・そうですか。 しかし、これだけ探していないとなると」
「・・・・・・やはり、警察に」
教師「・・・校長に相談しないと、いけませんね」
「わたしはこっちをもう一度探してみます」
教師「わかりました。 くれぐれも気をつけて」
「はい。 ・・・・・・・・・・・・・・・」
タ タ タ タ タ タ タ ・・
黒木「・・・・・・・・・・・・行ったかな」ヒ ョ コ
荻野´「ええ」
黒木「ごくろうさん」
荻野´「・・・こんなことは本来許さないんですからね」
黒木「わかってるよ」
荻野´「なんですかその態度は。 黒木、あなたはほんとうに」
黒木「戻れ」
パ シ ュ ッ
吉田「・・・コピーしてもうぜえやつなんだな」
黒木「でもまあ役に立ってよかった・・・・・・」
ギ イ ン !
82 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:32:51.99 ID:lkeYsCRo0
吉田「!」
黒木「加藤さんっ!」
「 ぐ あ あ あ っ ! 」
ズ シ ャ ッ !
黒木「おおっ!」
吉田「・・・・・・!」
・・・ し ゅ う う う ひ ゅ う う う う う ・・・
内「こ、このっ・・・!」
加藤「・・・ し ゅ う ぅ ぅ ぅ ぅ 」 … ユ ラ リ
内「ぐ、うっ・・・」
加藤「 ひ ゅ う う う う う ・・・ 」 ユ ラ ッ …
内「このおおっ!」 ボ ッ !
加藤「 ひ ゅ う っ 」
シ ュ ル ン 。
83 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:33:51.75 ID:lkeYsCRo0
内(またかわされた?!)
バ チ ッ
内「ぎゃあっ!」ビクン!
加藤「ふうううう・・・・」ユラ ユラ …
吉田「・・・すげえ」
ジークンドー
黒木「截 拳 道 だ」
(うん、ちょっとだけやってる。 ダイエットがわりにね)
黒木(なにがちょっとだよ、加藤さんの嘘つき)
吉田「あれで、あの刃物をかわせるもんなのか」
黒木「たぶん、スタンドもいっしょに使ってる」
シ ュ ル ル ル ル ル ル
はや
加藤(内さん、あなたはものすごく 疾 い。・・・それでも)
シ ュ ル シ ュ ル シ ュ ル …
ラブデラックス
加藤(わたしの髪は、すでにあなたをとらえている)
84 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:35:11.14 ID:lkeYsCRo0
シュル シュル シュル シュル ・・・
加藤(四方に張り巡らせ 地面にはわせ あなたの身体に巻きつけた髪が)
加藤(あなたの動きをすべて教えてくれる 攻撃の向きもタイミングもすべて )
ヒ ュ ボ ッ ! ───── ヒ ュ ル ン
加藤(あなたがどれだけ疾くても 動きを読めれば一瞬わたしのほうが疾い)
加藤( そ し て ── )
・・・ ゾ ワ リ
加藤(あなたの刃はあなたの体の中から出てくる)
加藤(あなたの皮膚を切り裂いて)
ゾ ワ ゾ ワ ゾ ワ ッ !
すきま
加藤(────── その 間 隙 を狙う!)
ザ ク ッ
内「ぎゃあっ!!」ビクンッ!
加藤「・・・・・・・・」ユラ ユラ …
85 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:36:01.80 ID:lkeYsCRo0
黒木「また決まった! ・・・って、どうやって攻撃してるの??」
吉田「髪の毛を、刃が出てくる穴の隙間にさしこんでやがるんだ」
黒木「えっ・・・ あれ、めちゃくちゃ痛いんだよ」
吉田「そいつで刃がつくった傷口をえぐってる」
黒木(うわあ、痛い痛い痛い!)ゾゾゾゾッ
内「く、っそ・・・!」ゴ ゴ ゴ
加藤「しゅうううぅぅー・・・」ユ ラ ッ
内「これならどう?!」… キ モ ォ ー イ
ス ウ ・・・
黒木(また消えた!?)
吉田「・・・野郎ッ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
加藤(・・・)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
加藤(これが、あなたの「姿を消す」能力・・・)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
86 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:36:57.83 ID:lkeYsCRo0
加藤(音も気配も、いっさい感じさせない)
クレイジープリンセス
加藤( 吉 田 さ ん でさえ、とらえることができない)
加藤( で も ────────)
サ ワ サ ワ チ ョ ン チ ョ ン
加藤(わたしには無意味だよ、内さん)シュル…
内( く ら え ッ ッ )ヒ ャ ッ !
加藤( い ま っ ! )
─────── ヒ ュ ル ン
内(?!)
吉田(やった!)
加藤「ひゅうっ」シュルッ!
バ チ ィ ッ
内「がっ」
加藤「・・・ひゅううううぅ」ユ ラ ッ
内「く、くそっ、くそうっ・・・!!」
87 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:38:29.11 ID:lkeYsCRo0
吉田「・・・すげえな、加藤のやつ」
黒木「・・・・・・・・・・」
N o O r d i n a r y
吉田「あいつ、やっぱり 普 通 じ ゃ ね え 。 」
「ぜ、はっ、はっ・・・」 「・・・・・・・・・・しゅううううう」
吉田「このまま勝負ついちまいそうだな」
黒木「まだ、わかんない」
吉田「・・・そうなのか」
ラブ・デラックス
黒木(もしあいつが、加 藤 さ んの正体に気づいたら・・・)
・・・ ヨ ロ ヨ ロ ッ
内「ち、く・・・ しょうっ」ヨ ロ リ
加藤「・・・内さん、お願い。 もう止めにして」
内「う・・・る・・・さいッ」グ ラ リ
加藤「わたし、わかってる。 あなたの能力はたぶん・・・」
内「だ・・・ま、れっ・・・!(くそ、加藤ッ・・・!)」
(・・・間違いない、こいつ、わたしの動きを読んでる!)
(姿を消しても見つけられる、そしてこの痛み・・・!)
ビリ ビリ ビリッ
88 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:39:57.15 ID:lkeYsCRo0
内(まだしびれてる、ちくしょうっ!)
・ ・
内(こいつの能力、まさか、あ れなのか?)ギ リ ッ !
・ ・
内(わたしの弱点のあ れ・・・・・・・・・・!)
加藤「・・・・・・・内さん。 ごめん」シュルルル…
内「なめるなあっ!」ゴッ!
ガ シ ャ ン ッ
加藤「!」
吉田「・・・な?!」
ガシャ ゴシャ ガキンッッ
加藤(内さんの身体が、膨らんでいく?!)
ピ ッ プ チ ィ ン !
加藤(・・・・ッ、切られた・・・!)
吉田「なんだありゃ・・・?!」
黒木(まずい!)
ガ シ ィ ン ッ
89 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:41:03.69 ID:lkeYsCRo0
吉田「鎧か、あのやろう・・・」
黒木「加藤さん!」
ガシャ ガシャ ガシャッ
内( 「 あ れ 」 を防ぐには、これしかない)─ ガシャッ
加藤「・・・・・・・・・・・・・・」
・ ・ ・ ・ ・ ・
内(これなら、表 面 を 流 れ るはず)ガシャッ …
加藤「・・・・・・・・・・・・・・」 ジ リ ッ
内(試したことはないけど・・・ やってやるッ)ゴシャッ!
加藤(・・・・・・・・・・・・・・いけない)シ ュ ル シ ュ ル
シ ュ ル ・・・ チ ョ ン サ ワ ッ
ラブデラックス
加藤(髪 の 毛 が通る隙間ひとつない・・・)
内「うおおっ!」バッ!
はや
加藤( 疾 い!)シュタッ!
ド ガ ッ
加藤(なんて疾さ・・・!)ズザッ
内(この装甲は体の一部、重さなんて感じないよ!)
90 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:42:43.27 ID:lkeYsCRo0
ビ ュ ッ ヒ ュ ゴ !
内「あはは! さっきまでの余裕はどうしたの?」
加藤「くっ、くう!」シュルッ!
パ ツ ン プ ツ ッ !
加藤(全身が刃物になってる、髪を巻きつけられない!)
加藤(動く瞬間をとらえなくちゃ・・・)タタッ!
ビ ュ オ ッ
加藤(ダメ、動きが速すぎてとらえられない!)ズザッ!
加藤(これならどう?!)シ ュ ル ッ !
── ピ ィ ン ッ !
内「わあっ!?」ドシャッ!
91 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:43:25.36 ID:lkeYsCRo0
黒木(足を引っかけた!)
加藤(いまっ!)ザワッ!
シュル シュル シュル シュル ・・・
加藤(どこかに空気孔がかならずある!)シュルッ!
内「こんなものっ!」バッ!
ヒ ュ ゴ ッ
───── シ ャ ッ !
加藤「・・・・・・・・・・・・・・ッ」
内「・・・ちっ」
・・・ パ ラ ッ パ ラ ハ ゚ラ
内(かすっただけか)
吉田(ヤバい!)
黒木(・・・いけない!)
内(髪の毛を切っただけ・・・)
───── バ ッ
92 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:44:17.43 ID:lkeYsCRo0
内「?!」
加藤「・・・・・・・・・・・・・・く 、うっ!」ブシュッ!
内「・・・・・・・・・・・・・・」
加藤「く・・・」… ダ ラ ッ
内「・・・・・・・・・・・・・・ く く っ 」ニ タ リ
「 く ぅ っ 、く っ 、 く っ 、 く 」
加藤(・・・・・・・・・・・・・・まずい)
内「そういうことだったんだ」
加藤「・・・・・・・・・・・・・・」ギュッ
内「髪の毛だったんだね」
黒木(・・・・・・・バレた・・・・・・・!)
内(さんざん驚かせてくれて・・・!)ガシャッ
あ れ
( 電 気 だったらどうしようかと思ってたのに・・・!)
内「とんだこけおどしだったね」ズ イ ッ
加藤「・・・・・・・・・・・・・・」 ズ ザ ・・・
内「丸刈りにしてやったらどうなるのかな?」ガシャッ
シ ャ キ ン ッ !
93 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:45:22.10 ID:lkeYsCRo0
吉田「加藤! ・・・うっ!」ズキッ!
黒木「──────── ッ !」ゴソゴソ バッ!
「うりゃあーーーーーっ!!」 ビ ュ ッ !
ヒ ュ ル ル ル ル ・・・
加藤「黒木さん!」
内「黒木?!(なにあれ・・・)」
・・・ ヒ ュ ル ル ル ル
内「(・・・・・・・人形?)」
黒木「加藤さん! 木に隠れて!! スタンド引っこめてーーーーーーーー!!!」
内「なにっ?!」
加藤「・・・!」ザザッ
黒木「内さんッッッ!!!」
内「な、なに?」
ド ギ ャ ン ! !
内´「黒木っ!!」
94 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:46:56.71 ID:lkeYsCRo0
内「なっ! ・・・わたし?!」
黒木「いけーーーっ!」
内´「えいっ!」シュタ!
ダダダダダッ!
加藤(・・・・黒木さん、「感覚の共鳴」を狙う気?!)
内´「はあああああっ!」ダダダダ!
加藤(ダメ、危険すぎる! 一撃でやられてしまったら・・・)
内「こ、このおっ!」ビュッ!
ガ キ イ ン
内「なっ・・・・」
ガ キ イ イ イ イ イ イ ン
加藤「え?!」
内「がああっ?!」ギイイン
内´「ぐうっ!」ガアアン
黒木「うあ・・・・・・・!」ギイン・・・
内(こ、これは・・・?!)ギィィィン…!
グ ワ ア ア ア ア ア ン
95 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:48:29.27 ID:lkeYsCRo0
加藤(黒木さんのスタンドが、刃をはじいた!?)
吉田「『感覚の共鳴』かッ!」
内(わたしの与えた衝撃が、跳ね返ってきてる!?)…グワアアアン
内´「効いたでしょ?」ニヤッ
黒木「へ、へへっ」ニヤリ
内「こんなの・・・・ッ」グワン グワン
内´「まだまだ!」 バ ッ
シ ュ ボ ッ !
内「なっ」
黒木「吉田さんも隠れろっ! ・・・・・」
「 ひ ひ っ 。 」 ニ タ ッ
吉田「?!」
黒木「早くしろーっ!!」ズザッ
吉田「お、おうっ」ザッ!
黒木「ひひひひっ、戻れえッ!」
内´「くらってくたばれ!!」シュパッ!
───── パ ッ
ボ オ ン ッ
96 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:49:05.79 ID:lkeYsCRo0
吉田「な」
加藤「えっ」
バ オ ッ ボ ワ ア ッ
内「きゃあおああああああっ?!」
ゴ オ ワ ア ア ア ア ア ッ
吉田「ば、爆弾!?」
内「うあ、ああ、あああっ」バタバタバタ
吉田「おい黒木! てめえ・・・・」
黒木「ひっ・・・・・・・・・・・・・・」ブルッ
吉田「・・・ちっ。 たく、てめえは」
黒木「ひ・・・・ひ・・・・ひっ・・・・!」ブルブルブル…
吉田「あん?」
「 ひ ィ ー っ ひ っ ひ っ ひ ー ー ー ー ー ッ !! 」
吉田「?!」
黒木「効いた! 効いたぞッ!! ひィヒひゃひゃひゃひゃッ!!」
内(な、なにこれ?! ・・・火?!)バタバタバタッ
(き、消えない! 消えない・・・・ッ!!)
97 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:50:39.01 ID:lkeYsCRo0
黒木「うひょひょひょひょ、そいつはそんなもんじゃ消えねえぞッ・・・!」 ニ タ リ 。
内(この! このっ、消えろ!)ゴロゴロゴロ
黒木「あひゃひゃひゃひゃっ! 無駄無駄無駄ァ! もっと転がれッ!」
内(消えて! 消えてぇっ!)ゴロゴロゴロゴロ
黒木「うひょひょひょ! 消えるもんか! そいつはわたしの切り札!」
かいえんのう
黒木「特製ナパーム爆弾人形 怪 焔 王 1号だッ!」
ボ ボ ボ ボ ボ ボ ボ ッ
加藤(あたり一面火の海に!? ・・・あ、熱い!)チリッ!
黒木「燃焼温度は1000度を越えるッ! どんなスタンド使いだって耐えられねえぞ!!」
加藤(髪が焼ける! 木に隠れてるのに・・・)チリ チリチリッ
・・・シュウウウ パチッ パキ パキ
加藤(!! 立ち木に火がついてる、生木なのに!)
内(あ・・・ 熱いっ 熱っ?!)ゴロッ ザザッ
加藤「黒木さん、なんてことを!」
黒木「ひゃァーーーッ!! あひャはァーーーーーッ!!!」ケタケタケタ
加藤「──────── え」
黒木「きれーな火がともってやがる! バースデーケーキのキャンドルみたいになァ!」ゲラゲラ
内(胸が焼ける! 息ができない!!)ジタバタ
スタンド
黒木「ほらほら、はやく 装 甲 解かないとグツグツのシチューになっちまうぞ!」ゲラゲラゲラ
98 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:52:36.98 ID:lkeYsCRo0
加藤「黒木、さん・・・?」 … ゾ ッ 。
黒木「・・・あひゃひゃひゃひゃ! ひゃひゃひゃ・・・・・・・・・・・・・・」
ゴ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ッ
「うあ ああ あああっ」ジタバタ ジタバタ
ヒ ャ ァ ァ ア ア ー ー ー ー ー ー ッ !
「 H E E E E E E Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y ! 」
吉田「なっ・・・」
黒木「 さ ァ ァ ァ い こ う だ ァ ァ ア ァ ー !! 」ゲラゲラゲラゲラ
バ ア ア ア ア ア ア ッ
(熱い! 痛い! ─── 苦しいッ)・・・ガクン
あ ひ ゃ ア ! あ ひ イ ィ ! あ ヒ ッ !
「 A H Y Y Y ! A H Y Y Y ! A H Y ! 」
ゴ オ オ オ オ オ オ オ ッ
(く 、苦しっ・・・ 助け・・・っ)…ビクッ ビクン…
う ひ ょ オ ー ー ー ー ー ー ッ !!
「 W H O O O O O H H H H H H!! 」
99 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:55:30.88 ID:lkeYsCRo0
加藤「黒木さん・・・・・・・・・・・・・・」 ゾ ク ッ
黒木「わああたしィィィのォォォナパァァァムがァァァ〜〜〜〜!!」ケタケタケタケタ
吉田「・・・てめえッ・・・・・・」
あヒィイ!
黒木「AHYYYY! 最ィィ高ォォだぁァァー! そらそら踊れ踊れ踊れェーッ!」ウシャシャシャシャシャ
内(く・・・ そっ・・・・・!) ピ シ ッ
バ キ ャ ッ
スタンド
加藤「 装 甲 を解いた!」
黒木「ざまーみろ! ・・・・・・・・・・・・・・ん?」
ゼ ハ ー ゼ ハ ー ・・・
加藤「・・・!」
吉田「あいつ・・・?」
内「 」 ヒ イ ー ヒ イ ー ・・・
加藤「内さん!!」タッ!
黒木「加藤さん!? 危ないっ!」
タ タ タ タ タ タ ッ !
内「ぜは・・・・・・ ぜは、ひぃ・・・・・・・・ ひぃっ」 ヒクッ ヒクッ …
100 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:56:23.28 ID:lkeYsCRo0
加藤「内さん、しっかり!」タ タ タ タ ・・・
内「よ・・・・・・・・る・・・・・・・・な・・・・・・・・・・・・・・!」ギ ロ ッ !
加藤「その『眼』! とても、とても危険な状態!」 タ ッ !
「このままだとほんとうに、あなたは死んでしまう!!」
黒木「え」
吉田「なんだって?」
加藤「その眼! その黄色く濁った眼・・・」キ ッ !
おうだん
「 黄 疸 の 症 状 ! 」
内「・・・・・・・!」
加藤「それに・・・」シュルシュル サワッ
内「うッ」ビクン
ひしゅ
加藤「やっぱり、脾 腫 が出てる」
内「こ、このっ」バッ!
黒木「危ない!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
黒木「あ、あれ?」
内「で、出ろ! ・・・出ろッ!」バッ バッ
101 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:57:02.40 ID:lkeYsCRo0
吉田「・・・・・なにやってんだ、あいつ」
内「く、くそ、くそっ」バ ババッ
加藤「・・・・・もうあなたは刃も装甲も出せない」
加藤「あなたの刃のかけらを見て、わたしにはわかった」
加藤「あなたの能力は・・・・・・・・・・」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「 自 身 の 血 中 の 鉄 分 を 使 っ て い る ッ ! 」
黒木「・・・え」
吉田「なんだって・・・」
内「・・・・・・・・・・ッ」ギリッ
スタンド
加藤「あなたの幽波紋はたぶん、わたしと同じ。 自分の肉体と同化して発動する能力」
内「・・・はっ、はっ、はっ」
加藤「だから生身でも触れる。 ナパーム燃料も付着する」
内「う、るっ・・・ さい・・・」
加藤「けれどあなたはたぶん、いえ間違いなく」キッ!
「能力を使用するたびに血中の鉄分を消耗している!」
吉田「・・・そういうことだったのか。 止められるってのは」
黒木(粘って時間さえ稼げれば、よかったんだ・・・)
102 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:57:42.91 ID:lkeYsCRo0
内「くっ・・・ はあ、ふう、この・・・」
加藤「今のあなたの症状、重度の貧血そのもの」
内「ひ、ひっ、はあ・・・」
加藤「もう、いくら呼吸しても酸素を取り入れられない状態のはず」
内「くっ、そうっ・・・・・・・・・・」ギリギリギリ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃
┃ \カカカカッ/ \カカカカッ/
┃
┃スタンド名:メタリカ・セルフディストラクト(Metallica ・self-destruct・)
┃本体名:内 笑美莉
┃破壊力 - B スピード - A 射程距離 - C 持続力 - C 精密動作性 - B 成長性 - C
┃
┃本体の血中に存在する無数のウジ虫状のスタンド。
┃全身から鋼鉄の刃を出して相手を切ったり針を放ったりすることができる。
┃さらに本体の肉体を強化し、近距離パワー型スタンドとも格闘できるだけの能力を持たせる。
┃棘を大きく突き出しアンテナがわりにして人の気配やスタンドパワーを感知することも可能で
┃逆に全身に鉄粉をまとい自身の物音・気配・スタンドパワーを遮断するなど多彩な能力を持つ。
┃
┃\カカカカッ/
┃
┃ただしこれらの能力を使用するには自身の体内の鉄分を消費しなくてはいけない。
┃しかも血中のスタンドは出している間ずっと本体内の鉄分を喰い続ける。
┃なので無理に使用しているとあっという間に重度の鉄分欠乏症を引き起こす。
┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
103 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:58:42.86 ID:lkeYsCRo0
加藤「吉田さん、黒木さん。 もう大丈夫、手を貸して」
吉田「おう。よくやったぜ」
黒木「そう? へへへへ」
吉田「加藤のことだバカ、てめえはやりすぎだ!」ボコッ!
黒木「あでっ?!」
タ タ タ タ タ ・・・
加藤「内さん、今あなたはとても危険な状態。 一刻も早く病院へ」
内「ムダ・・・・・ だよ」
加藤「そんなことない、早く」
内「わたしの血液型・・・ 都内にしか、ない・・・」
加藤「なんですって?!」
内「県内には・・・ ない、もう・・・・・・・・・・ てお、くれ・・・・・・・・・・」ゼヒ ヒィ …
黒木「どうしたの?」
加藤「内さんに輸血できる血液が、近くにはないって・・・」
吉田「なんだって?!」
加藤「内さん! あきらめちゃだめ!」
内「ほうっといて・・・ わたし、もう、死ぬ・・・・・・・」ヒィ ハア ヒィ ・・・
吉田「なに言ってやがる!」
内「最初から・・・ そのつもり・・・」ヒ イ ・・・
「あんたら・・・ 殺して、わたしも・・・ 死のうって・・・・・・・」
104 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 19:59:35.96 ID:lkeYsCRo0
黒木「・・・・・・・」
吉田「なんだと・・・」
加藤「内さんなんで、なんでそんな・・・」
内「教える、もんか・・・ ぜ、はっ」ヒク ヒクッ・・・
黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「リサーフィス、出て」
「ハイ」 ギ ャ ン !
吉田「お」
リサーフィス
加藤「黒木さん?」
黒木「おいリサーフィス、やれるか?」
リサーフィス「デキマス。 シカシ・・・・・・・」
黒木「・・・やっぱ、やらなきゃダメ?」
「はっ・・・・・ ・・・・・・・ はっ・・・・・」 ヒ ク ・・・
チェーンストークス
加藤(交代性無呼吸!)
リサーフィス「一刻ノ 猶予モ アリマセン」
黒木「はいはい」… ス ッ
ソ ッ ・・・
105 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 20:02:50.80 ID:lkeYsCRo0
吉田「うん?」
加藤「え?」
黒木「・・・くっそ」ソ…
──── ギ ュ ッ 。
吉田「お、おい。 何してやがる」
黒木「まだダメ?」
リサーフィス「ハイ」
黒木「これでも?」ギュウ〜〜〜
リサーフィス「ダメデス」
内「は・・・・・・・・・・ ・・・ は・・・・・・・・・・」
黒木「ちっくしょー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
内「は は は」
加藤「黒木さん・・・・?」
黒木「・・・勘違い、しないでね」
加藤「えっ?」
黒木「わたし変態じゃないから」
吉田「はあ?」
黒木「人助けだから、これ」 ス ッ ・・・・・・・
チ ュ ッ ♡
106 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 20:03:59.98 ID:lkeYsCRo0
吉田「な」
加藤「 」
チ ュ ウ ウ 〜 〜 〜 〜 〜 ♡
吉田「な、な、なに・・・」
加藤「 」ピキ・・・
内「 」ビ ク ッ ブ バ ッ !!
黒木「うおお?!」
内「 」ブププププ
黒木(黄色い鼻血?!)
内「 」ガクンガクンガクン
加藤「くくくくくく、黒木さんっ!! 内さんが死んじゃうっ!!!!!」
吉田「な、なにしてやがんだおめえはっ!!!!」
黒木「くっそー、リサーフィス! これでどうだっ!!」ゴソゴソ バッ!
ズ ギ ュ ウ ゥ ゥ ゥ ン
加藤「!」
リサーフィス「 perfect synchronization .」
黒木「ああもうっ、内さん!!」
シ ュ パ ッ !
107 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 20:04:39.89 ID:lkeYsCRo0
吉田「おっ」
内´「お待たせ」
黒木「加藤さん、リサーフィスの血を使って」
加藤「できるの?!」
シンクロ
内´「大丈夫。完全に 同 調 したから」
加藤「・・・わかった」シ ュ ル ッ !
シュルシュルシュル プ ツ ッ !
内「・・・・・・・は・・・・・・・」
吉田「そんな使い方も出来るのか」
加藤「うん」シュルルル プツッ
吉田(注射針みたいだな)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
吉田「大丈夫か」
内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
加藤「わからない、でもやるだけやってみる」
黒木「大丈夫だよ、きっと」
内´「でも黒木、わかってると思うけど」
黒木「わかってるよ」
108 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 20:05:05.60 ID:lkeYsCRo0
加藤「なに?」
リサーフィス
内´「わ た し の血を使うってことは、黒木の血を使ってるってこと」
吉田「なんだって」
黒木「当然だろ」
加藤「黒木さん・・・」
黒木「平気だよ、入れられるだけ入れて」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
加藤「黒木さん、大丈夫?」
黒木「大丈夫」… フ ラ ッ
吉田「・・・無理すんなよ」
「・・・・・・・・・・・・・・ん・・・」
吉田「おっ」
加藤「・・・・・・・内さん」
内「あん、たら・・・?」 パ チ リ
黒木「(うまくいった)」 … ホ ッ
内「黒、木・・・・・・・・・・・・・・?」
シュル シュル シュル ・・・
109 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 20:05:41.21 ID:lkeYsCRo0
加藤「大丈夫、内さん?」
内「黒木・・・ そいつ、あんたの・・・?」
内´「うん」
内「輸血・・・・・・・してるの・・・・・・・?」
黒木「そうだよ」
内「・・・・・・・・・・・・・・なぜ」ギ ロ リ
「死なせて・・・・ くれな・・・・ かったの・・・・」
加藤「・・・内さん」
内「わたしなんか・・・・・・・ わたしなんか」ヒュー ヒュー …
黒木「死ぬことはない 私の血でよみがえるがいい」ドヤッ
吉田「・・・ったく。 てめえこそなんで、わたしたちを」
内「・・・・・・・・・キモかった、から」
吉田「またそれかよ」
内「だって、そうでしょ・・・ 女の子、どうして・・・」
内「あんなに、あんなに、ベタベタして・・・・・・・」
────── わたしたち、女の子だよ?
内「しかも、よりによって、そいつなんかと・・・・・・・」
黒木「は?」
内「そんな、キモいやつと・・・・・・!」
110 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 20:06:44.39 ID:lkeYsCRo0
黒木「キモくて悪かったな」ブスッ
内「いっつも・・・ わたしのこと、ヘンな眼で・・・ 見て・・・」
────── わたしのこと、そんな眼で見てたの?
吉田「ヘンな眼だあ?」
黒木「じ、自意識過剰だよ」タ ラ ッ
吉田「心当たりあるんだろ」ポコッ!
黒木「あてっ」
内「おかしいよ・・・ あんたら、おかしいよ・・・・!」ギ ロ …
────── おかしいよ、あなたおかしいよ!
───────── こんなの、普通じゃない!
──────────── うっちー、あなた・・・
気 持 ち 悪 い 。
内「 気 持 ち 、 悪 い ・・・・ 」 フ ラ ッ
… カ ク ン
111 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 20:07:21.99 ID:lkeYsCRo0
黒木「あっ」
吉田「お、おい」
内「・・・・・・・・・・・・・・」 ス ウ …
加藤「大丈夫、眠っただけ。 黒木さんも、もう大丈夫だよ」
黒木「・・・よかった。 戻れ」
内´「うん」パシュッ
黒木「はあ、これで一安心・・・ ん」
パープー パープー パープー
黒木「救急車だ。 タイミングいいね」
吉田「なにのんきなこと言ってやがる」
加藤「・・・あっ」
ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ …
黒木「あ」… タ ラ ッ
加藤「消防車だね」
黒木「な、なんで」タラタラタラ
吉田「てめえのせいにきまってんだろ」ポ コ ン !
黒木「あたたっ」
シ ュ ウ ウ ウ ウ ゥ プス プス プス …
112 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 20:07:51.04 ID:lkeYsCRo0
吉田「どうやって言い訳すんだよこれ」
黒木「ご、ごめん」
加藤「まあ救急車も来てくれたんだし」クスクス
黒木「・・・とほほ」
・・・ ジ ャ リ ッ
黒木「・・・あっ」
吉田「・・・・・・・!」
ジ ャ リ ジ ャ リ ジ ャ リ
吉田(しまった、気を抜いちまった!)
加藤「・・・・・・・・・・・・・・宮崎、さん」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
黒木(内さんの友達か)…ゴクン
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・うっちー」
内「・・・・・・・・・・・・・・」…スウ
113 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 20:08:23.36 ID:lkeYsCRo0
黒木「あ、あの、その」モゴモゴ
加藤「・・・内さんは無事。 ひどい貧血だけれど」
宮崎「何があったの」
黒木「え、えっと、それが・・・」アタフタ
加藤「・・・・・・・よくわからない。 だけど」
宮崎「いったい、なんなの・・・・・・・」ジャリッ
「どうして、うっちーが、ふたりいたの?」
黒木「!」
宮崎「どうして、人形が、荻野先生になったの?」
吉田「・・・・・」
宮崎「どうして、黒木さんがうっちーにあんなこと・・・・・・・!?」
加藤「・・・・・・・・・・・・・・宮崎さん」
宮崎「わかんない、わかんないよ!!」 ヘ タ リ 。
「おかしい、こんなの、おかしいよ・・・」
「こんなの、普通じゃないっ・・・・・・・・・・・・・・」
加藤「・・・・・・・・・・・・・・」
吉田「・・・・・・・・・・・・・・」
黒木(こ、これ、どうしよう・・・・・・・)
・・・ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ パープー パープー ・・・
114 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga ]:2019/01/28(月) 20:09:34.99 ID:lkeYsCRo0
※第2話 おわり※
次回は明後日予定。
115 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:27:15.06 ID:AMdTxS5a0
※第3話※
116 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:28:50.16 ID:AMdTxS5a0
────── あれから一週間。
内さんは県内の病院に入院。 経過は良好みたい。
あの出来事・・・ 内さんのことは、貧血による一時的な錯乱ってことにした。
みんなのケガは、内さんを取り押さえようとしてついたものだって。
それでその・・・ わたしがやらかしたあれ。
あれは、外にいただれかが、火炎瓶を投げこんだんだってことにしちゃった。
ムチャクチャな言い訳だとはわたしも思う。
加藤さんがいなかったら、絶対信用されてなかったろうな。
そして、今日。 わたしたちは内さんのお見舞いに来ている。
わたしと吉田さん、加藤さん。 それに ─────────
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
117 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:29:33.84 ID:AMdTxS5a0
… カリ カリ カリ
宮崎「・・・・・・・」カリカリカリ…
加藤「・・・・・・・・・・・・・・」
宮崎「これで、いいですか」 ス ッ 。
看護師「はい、それで結構です。 1002号室へどうぞ」
宮崎「はい」
吉田「・・・・・・・」
コツ コツ コツ …
加藤「・・・・・・・」コツ コツ
吉田「・・・・・・・・・・・・・・」コツ コツ
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」コツ コツ …
黒木(・・・・・・・空気が重い)テク テク
宮崎「看護師さん、うっちーの・・・ 内さんの具合は」
内「元気ですよ。 今日はお友達が来るんだって嬉しそうに言ってました」
黒木(友達、か)テク テク テク
宮崎「・・・・・・・そうですか」
コツ コツ コツ
コツ コツ コツ …
118 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:30:34.73 ID:AMdTxS5a0
【 1002号室 】
黒木(・・・うう、いよいよか)ゴ ク リ
黒木(このカーテンのむこうにあいつがいる・・・)ドキドキ
宮崎「・・・・大丈夫だよ、黒木さん」
黒木「え」
宮崎「うっちーは、あなたたちに悪いことしたって言ってたから」
吉田「そうなのか」
宮崎「だから、謝りたいからあなたたちを呼んでほしいって」
加藤「そうだったんだ・・・」
黒木(素直に信じていいもんかどうか)ドキドキ
看護師「内さん、入りますよ」
「はい」
看護師「さあみなさん、どうぞ」
宮崎「・・・・・・・はい」
吉田「入るぜ」… シ ャ ッ
黒木「お、おじゃまします」
「みやちゃん。 ・・・・・・・・・・・・・・みんな」
119 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:31:36.67 ID:AMdTxS5a0
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・うっちー」
内「ありがとう、みやちゃん」
看護師「それでは、わたしはこれで。 帰るときには声をかけてくださいね」
コツ コツ コツ ・・・
内「・・・・・・・・・・・・・・」
加藤「内、さん。 具合はいいの?」
内「・・・うん。 来週には退院できるって」
加藤「よかった」
内「加藤と黒木のおかげだよ」
黒木「あ、うん・・・」
内「ふたりが助けてくれなかったら、今ごろ。 ・・・・・・・・・・・・・・」 ギ ュ ッ
「ほんとうに、ごめんなさい」
黒木「・・・・・・・え」
内「加藤、吉田、ケガさせてごめん」
吉田「・・・参ったぜ。 お前、強すぎるんだよ」
加藤「わたしはかすり傷だったから」
黒木(・・・なんか、思ったより素直だな)… ホ ッ
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」
内「黒木、あんたにも怖い思いさせたね。 ・・・ごめん」
黒木「・・・おあいこだよ、わたしもあれだけやったんだから」
120 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:32:55.31 ID:AMdTxS5a0
内「あれはひどいよ、ほんとうに死ぬかと思った」
黒木「しょうがないだろ、加藤さんがやられるって思ったんだ」
内「・・・・・・・そうだね、そう。 ごめんね」
加藤「・・・黒木さん」
吉田「言い訳になるかバカ」
内「加藤、髪の毛も切っちゃってごめん」
加藤「大丈夫だよ。 ほら」 サ ラ ッ
内「・・・元通りになるんだ」
加藤「スタンドのおかげなの」
内「学校や警察にも、いろいろ聞かれたでしょ。 ・・・わたしのことで」
加藤「それは・・・ ごめんなさい」
内「なんで謝るの」
加藤「全部、内さんのせいにしちゃったみたいで」
内「『一時的に錯乱して暴れた』。 ・・・ほんとのことでしょ」… ギ ュ ッ
「わたし、おかしくなってた。 わけがわからなくなってた・・・」
黒木「え」ドキッ
吉田「なんだって?」
ごめんなさい・・・ わたし、ちょっと、おかしくなってた・・・
なんだか、わけがわからなくなってた・・・
加藤「・・・・・・・・・・・・・・」
121 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:33:43.27 ID:AMdTxS5a0
内「別に、わたしさ。 黒木のこととか、どうとも思ってなかったんだけど」
宮崎「 」 ピ ク リ
内「なんだか、かーっときちゃって。 ・・・ごめんね」
黒木「い、いや。 いいよ、ほんとに」
吉田(・・・・・・・・・・・・・・・・・・「おかしくなってた」?)
加藤(「わけがわからなくなってた」。 ・・・まさか)
内「でも、消防車呼ばれたのはわたしのせいじゃないからね」
黒木「そ、それは」ギクッ!
吉田「ほんとにこいつはムチャしやがる」グリグリ
加藤「ふふふ。 ・・・でも、助けてくれてありがとう」
黒木「へ 、へへっ」 内「・・・ふふっ」 吉田「ははっ」
ア ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ・・・
「 ふ ざ け な い で 」
黒木「え」 吉田「なにっ」 加藤「・・・・」
宮崎「ふざけないでよ・・・・・・・・・」
内「・・・・・・・・・・・・・・」
宮崎「みんなでわかったふうなことばかり言って」… ギ ュ ッ
「いったい何よ・・・ なんなのよ・・・!」
122 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:35:41.21 ID:AMdTxS5a0
黒木「な、何って、その」… タ ラ ッ
宮崎「うっちーが怪物みたいになっちゃったり・・・ 火だるまになっちゃったり・・・」
内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
宮崎「人形が荻野先生になったり・・・ うっちーになったり・・・」
黒木「そ、それは」モゴモゴ
宮崎「もう、わけわからない。 普通じゃない、普通じゃないよ・・・!」
内「・・・みやちゃん、それは」
宮崎「気のせいなんかじゃないっ!」 サ ッ !
[ 荻野! ・・・先生を呼び捨てにしない! ]
加藤「!」
黒木「な!」
[ ガシャ ガシャ ガシャッ ]
[ ビ ュ ッ ヒ ュ ゴ ビ ュ オ ッ ]
吉田「・・・おい」
黒木(しまった・・・!)
[ 内さんッッッ!!! ─ 黒木っ!! ]
[ 戻れッ! ・・・ひィーはっはっはーーーッ! ]
黒木(こんなとこまで・・・)ドクン ドクン
123 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:36:37.94 ID:AMdTxS5a0
内「全部、撮ってたんだ」
宮崎「・・・渡り廊下の上から」
[ ああもうっ、内さん!! ─ お待たせ ]
あいつ
黒木(わたしのスタンドもは物質同化型。 内 のも・・・)
黒木(一般人の眼にも見えるし、映像にも撮れる!)
吉田「・・・・・・・・・・・・・・」
加藤「・・・・・・・・・・・・・・」
黒木(もしバラされちゃったら・・・!)… ド ク ン 。
宮崎「まだとぼけるつもり?」
内「・・・どうしたいの」
宮崎「全部話して」
内「・・・正直、わたしにもよくわからないんだ」
内「へんな矢を拾おうとしたら指を傷つけちゃって───」
宮崎「そういうことじゃない」 キ ッ !
黒木「へっ?!」
… ギ ロ ッ
黒木(な、なになになんなの? 宮崎さん)
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ギ ロ …
黒木(そんなこわい眼で、にらみつけてきたりして・・・)
124 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:37:30.79 ID:AMdTxS5a0
宮崎「うっちー。 あなたさっき、嘘をついたよね」
内「なんのこと」
宮崎「とぼけないで。 黒木さんのこと」
黒木「えっ」
───── 黒木のこととか、どうとも思ってなかったんだけど。
内「・・・・・・・・・・・・・・」
宮崎「わたしたちがなにもわかってないと思ってた?」
宮崎「いつもいつも黒木さんの話ばっかりして」
─── あいつキモいよね。 すぐビクビクおどおどして、上目づかいで見てきて。
─── 言葉遣いも文章もキモいくらい丁寧で。字も無駄にうまくて。
黒木「へっ?」
内「・・・・・・・・・・・・・・」
─── なんか意外と義理堅くて、なにかしたらかならずお返ししてくれて。
─── そうやってまわりの女の子たらしこんでるんだよ、ぼっちのくせに。
黒木(だれが女たらしだ、くそ)ムスッ
宮崎「ちょっといなくなったと思ったら、いつのまにか黒木さんのそばにいて」
黒木「は?」
125 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:38:02.07 ID:AMdTxS5a0
内「・・・・・・・・・・・・・・」
宮崎「授業が終わるたび、休み時間になるたび。 ・・・遠足のときだって」
─── うっちーーーーー!! どこーーーーーーーーーー?!
─── きれいだね。 あー ・・・うん
─── ・・・・・・・・・・・・・・
黒木「そ、そうだったの」
内「・・・・・・・・・・・・・・」
宮崎「・・・・・・・それだけなら、まだよかった。 でも」
─── もう近寄らないでよ、うざい。 イラつく。
─── みんなだってそうでしょ。 わたし、キモいんだから。
─── 黒木? ・・・嫌いだよあんなやつ。 あいつだってそうでしょ。
─── いつもいつも女同士でベタベタベタベタして・・・・・・・・
─── だからいいでしょ?! ほっといてよ!
─── わたしのことなんて 気 持 ち 悪 い んでしょ?!
─── いいよ、もう。 ・・・わたし、もう死ぬんだから。
─── 死 ん で や る ん だ か ら !!
126 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:39:32.33 ID:AMdTxS5a0
内「・・・・・・・・・・・・・・」
宮崎「つらかった。 すごく、悲しかった」
加藤「・・・そうだったんだ」
宮崎「うっちー、ずっと体が弱かった。 血液の病気で、ずっとずっと入院してた」
吉田「・・・・・・・・・・・・・・」
宮崎「うっちー、まるで、そのときみたいになっていっちゃって・・・」
吉田「・・・そのとき、か」
宮崎「いちばん病気が大変だったころ。 いつも死ぬんだ、死んでやるんだって」
黒木(まるっきりメンヘラだなこいつ)
宮崎「いまは具合が落ち着いて、元気なうっちーに戻ってくれたと思ってたのに・・・」
宮崎「なぜ病院に行かなかったの。 せめて、なんで一言でも相談してくれなかったの・・・?」
内「だからそれは、正直わたしにもよくわからないんだってば」
宮崎「嘘」
内「だからこれはほんとなの」
・ ・ ・ ・ ・
宮崎「だから、何 が 嘘 な の?」
内「・・・・・・・・・・・・・・」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
宮崎「『 こ れ は 本 当 』 な ら 、 嘘 は 何 な の? 」
内「・・・・・・・・・・・・・・だから、別に」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わたしのせい?」
内「なんのこと?」
宮崎「わたしの、せいなの?」
内「・・・・・・・なに言ってるか、わかんない」
127 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:41:35.76 ID:AMdTxS5a0
宮崎「・・・じゃあ、黒木さんのせいなの?」
内「別に」
宮崎「あんなに黒木さんのこと話してたのに?」
内「ヘンな奴だって思っただけ。 別になんとも思ってないよ」
宮崎「・・・・・・・だったら」 ギ ロ リ
・・・ こ の 動 画 。
拡 散 し ち ゃ っ て い い よ ね ?
黒木「は?!」
加藤「!」
吉田「・・・おい」
宮崎「大丈夫だよ。 吉田さんと加藤さんのはしない」
吉田「なんだと・・・・・・・」
宮崎「もちろんうっちーのもね。 ・・・黒木さんのだけ」
黒木「なっ!!!!」
内「みやちゃん」
宮崎「なんとも思ってないんでしょ」
黒木(や、ヤバい・・・!!)… タ ラ ッ
宮崎「・・・ううん。 迷惑だって言ってたよね」
宮崎「ヘンな眼で見てきたり、ヘンな事したりしてくるヤバい人だって」
黒木(・・・・・・・どうしよどうしよどうしよ・・・!)ダラダラ
128 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:42:55.99 ID:AMdTxS5a0
加藤「・・・宮崎さん」
宮崎「これで安心だよ、もう。 黒木さんは二度とあなたに近づけない ───」
黒木(冗談じゃない!! んなことされたら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!)ダラダラダラダラ
内「・・・みやちゃん」ギュッ
「─────── お願い、やめて」
黒木「・・・・・・・え」
吉田「・・・おまえ」
内「みやちゃん、やめて。 それだけは」
加藤「内さん・・・」
内「気が済まないんなら、わたしのにして。 黒木は ───」
黒木「・・・・・・・・・・・・・・内、さん」
宮崎「・・・・・・・なら、全部話して」
内「そんな、話すことなんて」
宮崎「じゃあ答えて。 黒木さんのこと、どう思ってるの?」
内「・・・ちょっと面白いやつだな、って思っただけ」
宮崎「じゃあなんでコソコソしてたの?」
内「・・・みんな、こんなキモいやつなんて嫌がるかなって思ったから」
内「別にそんな、特別なことなんてなにも・・・・・・・・」
宮崎「うっちー、もう・・・・・・・・!」
黒木「・・・・・・・・」ゴ ソ ッ
… ゴソ ゴソ ゴソ
129 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:45:11.31 ID:AMdTxS5a0
宮崎「!(・・・黒木さんの人形!)」
吉田「おい」ジロリ
黒木「もう、ごまかせない。 加藤さんごめん、カーテン閉めて」
加藤「黒木さん・・・」シャッ
黒木「言い逃れは無理」 ス ッ …
「内さん」
「・・・いいの?」
宮崎「!!!!!」
内「・・・!」
内´「ほんとうによかったの?」
黒木「よくないよ。でもどうしようもない」
内(これが黒木の力。 ・・・改めて見ても、ほんとうにわたしそのもの)
宮崎(鏡を見てるみたい・・・)ゾクッ
リサーフィス
黒木「宮崎さん、 こ っ ち に聞いて」
宮崎「えっ」
こいつ そいつ
黒木「 内´ は 内 より、ちょっとは素直だから」
内「・・・・・・・・え、ちょっと」
内´「わたし、話すなんて言ってない」
黒木「頼むよ、このままだと本当に拡散されちゃう」
内´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やだ」
130 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:48:39.44 ID:AMdTxS5a0
内(・・・ふーん、わたしってこんなふうなんだ)
宮崎(すごい、ほんとにうっちーだ・・・)
黒木「強情だな」
そっち
内´「笑美莉に言ってよ」プイッ
宮崎(身振りも口ぶりも。 ちょっとしたしぐさもなにもかも)… ゾ ク ッ
黒木「どうしても、どうしてもダメか」
内´「・・・・・・・・・・・・・・」 ギ ュ ッ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・みやちゃんに、だけなら」
宮崎「・・・うっちー」
内「ちょっと待ってよ。 ・・・・・・・・・・・・・・」
吉田「当然だな」
加藤「わたしたち、部屋から出てるね」
黒木「じゃ、行こう」
内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いいよ、もう」
宮崎「えっ」
内「話す。 みんなに話す。 それでいいんでしょ」
吉田「・・・おまえ」
スタンド
内「話すから黒木。 そ れ 引っこめて」
黒木「あ、うん。 ・・・戻れ」
わたし
内´「またね、笑美莉」
・・・ パ シ ュ ッ
131 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:50:33.01 ID:AMdTxS5a0
宮崎(人形に戻った・・・)
内「便利なやつだね」
スタンドバトル
黒木「 戦 闘 には使えないけど」
内「戦えればいいってもんじゃないと思う」… ギ シ ッ
加藤「内さん、いいの?」
内「あんたたちだって聞きたがってたでしょ」
内「なんでわたしがあんたたちを殺そうとするのかって」
吉田「まあな」
内「だから教えてあげる」 ギ シ …
「わたしなんか、死んじゃったほうがいいやつなんだってこと」
加藤「内さん・・・・・・・」
宮崎「・・・・・・・うっちー」
内「ごめんね、みやちゃん」
宮崎「そんなこと言わないで、お願い」
内「ごめん。 ・・・でもね、黒木」
黒木「な、なに」ドキッ!
内「あんたも悪いんだよ」
黒木「へっ??」
内「あんたが悪いんだ。 あんたが ─────」
あんな『眼』で、わたしを見たりするから ────
132 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:51:32.61 ID:AMdTxS5a0
加藤「『あんな眼』?」
吉田「・・・おい、黒木」
黒木「な、なんのことだか」タラタラ
内「あんたいっつも、わたしのことヘンな眼でみてたでしょ」
内「修学旅行のときとか、シャワーしてるとこ覗いてきて」
吉田「はあ?」
黒木「そ、それは」ギクッ!
内「チアの練習してる時に、スカートの中覗いたりもしたよね」
黒木「そ、それは、その・・・・・・・」ダラダラダラ
吉田「よしわかった」グッ!
グ イ ッ
黒木「うぐえ?!」
宮崎「吉田さん!?」
吉田「内、こいつはがっつりシメとく。それで勘弁してくれ」ギリギリギリ
内「・・・・・・・勘弁って」
吉田「いっつもそうなんだこいつは、わたしもひどい目にあってる」ギリギリギリ
黒木「 」ヒクヒク…
加藤「ひどい目って?」
吉田「・・・・・・・聞くな」ブスッ
内「・・・・・・・・・・」ギ シ …
「放してやってよ、吉田」
133 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:53:20.22 ID:AMdTxS5a0
吉田「ん?」
内「吉田。 黒木、放してやって」
吉田「あ、ああ」… パ ッ
黒木「ぜ、ぜひ、ひは・・・」ゼー ゼー
内「・・・吉田。 ほんとにこいつって、ヘンなやつなの?」
吉田「ああ、これでもかってくらいヘンな野郎だ」
黒木(余計なお世話だこんちくしょう)ゼハ ゼハ ゼハ …
内「 ふ ー ん 」 ク ス ッ 。
宮崎「うっちー、あなた・・・」
内「うん。 ・・・」ギ シ ッ
「思い出しちゃったの」
加藤「思い出した?」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」
内「あんたがあんまり、ヘンな眼で見るもんだから、さ」
黒木「・・・わたし、が」
内「うん。 昔のこと。 ・・・・・・・みやちゃん、言っちゃっていい?」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん」
内「ごめんね。 ・・・わたし、バカなことしちゃったんだ」
黒木「バカなこと?」
内「うん、バカなこと」 … ク ス ッ
思い出したくも 、ないこと ────────
134 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:54:03.01 ID:AMdTxS5a0
…… … ────────────── … ……
うっちー! おかえりーっ!
みーやちゃんっ! たーだいまー!
病院、出てこれたんだね?
うん! 来週までいいって。
よかったー。 ・・・じゃ、いっぱい遊ぼ?
もーちろん! 遊んで遊んで、遊びまくるんだから!
はあ、はあ。 あー疲れた!
へへへ 、楽しかったね。 じゃ、そろそろ帰ろっか?
・・・まって。 ほら。
わあ、きれいな夕焼け・・・
ね、観覧車乗って帰ろ?
・・・うん!
カア カア カア …
135 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:57:08.25 ID:AMdTxS5a0
・・・すごーい。 街が、あんなに小さい。
全部、夕焼けの色に染まってる。 きれいだね・・・
うん。 すごくきれい、天国みたい・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・あ。 ご、ごめんなさい。 そういう意味じゃ。
ううん、いいの。 本当に天国みたいだもん。
うっちー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ね、みやちゃん。
なあに?
わたし、大人になれるのかなあ。
えっ?
・・・・・・・一緒に入院してた子、亡くなっちゃったんだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・わたし、大人になりたい。 まだ死にたくないよ。
うっちー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
136 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:58:07.87 ID:AMdTxS5a0
だって、不公平だよ! なんでこうなの?! ひどいよ!
わたしだって大人になりたい! 恋もしたい、結婚だってしたいのに!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
死にたくない。 死にたくないよ! こわいよ・・・
死なないよ、大丈夫。 うっちー、元気になってきたでしょ。
大丈夫? ほんとに、大丈夫?
うん、ほんと。 絶対大丈夫だから、ね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・みやちゃん。
うっちー?
わたし、恋、したい。
え?
みやちゃん。 ・・・・・・・・・・・・・・
えっ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
…… … ────────────── … ……
137 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:58:56.72 ID:AMdTxS5a0
黒木「 は? 」アングリ
加藤「・・・・・・え・・・・・・・」ドキドキドキ
吉田「え、えっ。 おい・・・おい」ドギマギ
内「うん。 ・・・・・・・しちゃった」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」
黒木(こいつガチだった。やっぱりガチだった)ゾクゾクゾクッ
吉田(え、おいおいおい、ウソだろ? そんな、そんなそんなそんな)カーッ///
内「なんだか、さ。 舞い上がってたんだ、わたし」
内「みやちゃんが優しくしてくれてたからって、さ」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
内「だから。 ・・・あんな、キモいことしちゃって」ギ シ ッ
内「みやちゃんに、嫌な思いをさせて─────」
────── うっちー・・・・・・・・・・・・・・
────── ダメだよ、こんなこと・・・・
────── え? えっ? うっちー、あなた・・・
────── わたしのこと、そんな眼で見てたの?
────── ・・・ううん、好きだよ。 大好き。
────── でもわたしたち、女の子同士だよ・・・・?
138 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 22:59:42.69 ID:AMdTxS5a0
────── わかるよ、わかってるよ・・・でも。
────── こんなの、ヘンだよ、ダメだよ! え・・・・・
────── なに言ってるのあなた!? おかしいよ!
────── あなたおかしいよ! こんなの普通じゃない!
────── うっちー、あなた・・・
────── 気 持 ち 悪 い 。
黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
加藤「・・・・・・・そう、だったの」
内「うん。 みやちゃんに、嫌な思いをさせた」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
吉田(ま、マジか。 こんなことってほんとにあんのか)ドギマギ
黒木(・・・気持ち悪い、か)…ギュッ
内「それでも、さ。 みやちゃん、そのあともずっとわたしと友達でいてくれた」
内「中学も高校もおんなじでさ。 退院してたときはずーっと一緒にいたなあ」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
139 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:00:40.91 ID:AMdTxS5a0
内「おかげでわたし、元気になれた。 友達もいっぱいできた」
内「全部みやちゃんのおかげ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それなのに、さ」
内「黒木が、あんな眼でわたしを見るもんだから」
内「わたしも、なんだか・・・・・・・・・・・・・・」
(なにアイツ?! キモい! マジキモイ!)
(なんで裸とかスカートの中とか覗きにくるの?!)
(パンツ盗んだりわたしの身体おかずにしたりするの?!)
(キモいキモいキモいキモい! 気持ち悪い!!)
────── 気 持 ち 悪 い 。
(・・・わ、わたしは違うし。 ちゃんと反省したし)
(わたしはもうノーマル。 ふつう。 あんなキモいやつとは・・・)
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?)
(・・・おい、黒木。 あんたどこ行っちゃってるの?)
(加藤とか根元とかガン見して・・・ わたしのことガン無視して・・・)
────── みやちゃん? みやちゃん・・・
140 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:04:39.99 ID:AMdTxS5a0
(・・・え、ちょ。 ちょっと待って)
────── みやちゃん? ねえ、みやちゃん。
────── なんでそんな子と仲良くしてるの?
────── わたしは? ねえ、わたしは?
(なんで今、またこんなこと思い出して。 ・・・ちょ、ちょっと)
────── みやちゃん・・・・・・・
────── み や ち ゃ ん !!!
────── ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
────── ・・・・・・・死んでやる 。わたしなんか・・・・・・
────── 死 ん じ ゃ え ば い い ん だ !!
(・・・・・・・なんで、こんなこと思い出させるのさ)
(黒木のやつ・・・・・・・)
(あんたのその眼がいけないんだよ!)
141 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:05:40.64 ID:AMdTxS5a0
カッチ コッチ カッチ コッチ …
内「・・・・・・・・・・・・・・こーんな、感じかな」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」
内「ごめんね、みやちゃん。 ずーっと嘘ついてて」
宮崎「・・・嘘、って」
内「うん。 わたし、みやちゃんのおかげで、変われたと思ってた」
内「普通になれたんだって。 ・・・・・・・でも、そんなことなかった」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」
内「やっぱりわたし、ヘンなやつだった、普通じゃなかった」
内「─────── 気 持 ち 悪 い や つ だった」
宮崎「 」ピクッ
黒木(キモい! マジキモい! こいつもしかしてわたしのこと・・・)ガクガクブルブル
内「勘違いしないで、黒木」
黒木「へっ」
・ ・ ・ ・ ・ ・
内「別にわたし、あんたをそういうふうに見てるわけじゃない」
黒木「そ、そうなの」ホッ
内「あんたみたいなちんちくりん好みじゃないし」 クスクス
黒木(なんだとこらあ!?)ムカッ!
内「でもさ、少しだけ期待しちゃったんだ」ギ シ ッ
わたしのこと、わかってくれるかもしれないって ─────
142 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:07:40.82 ID:AMdTxS5a0
黒木「え」
加藤「・・・」ピクッ
内「だってヘンじゃん、黒木って」
黒木「な、なにが」
吉田「ああ」
加藤「うん・・・」
黒木(加藤さんまで?!)ガビーン
内「こんなにヘンなやつならさ、わかってくれるかもって思ったんだ」
内「・・・わたしみたいな、変態のこと」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・」
内「・・・みやちゃん。 全部わたしが悪かったんだ」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・あなたが?」
内「わたしが勝手に思いこんで、勝手に暴れただけ」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・」
内「だから黒木のこと、勘弁してやって・・・」
嫌 よ 。
内「・・・え」
黒木「えっ?!」
宮崎「嫌よ、嫌。 絶対に駄目」
内「みやちゃん、悪いのは」
宮崎「うっちーが悪いんじゃない。 悪いのは黒木さん」 キ ッ !
143 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:09:09.64 ID:AMdTxS5a0
黒木(そ、そんなにらまれても)アセアセ
・ ・ ・
宮崎「うっちーをおかしくしたのはやっぱり こ の 人」
・ ・ ・
────── ほら、例の あ の 人 。
黒木「(・・・やばい、こいつマジで怒ってる)」… タ ラ ッ 。
宮崎「あなたさえいなければ、うっちーはこんなにならなくて済んだ!」
加藤「宮崎さん、それは」
宮崎「二度とうっちーに近づかないで。 近づいたら、動画を公開する」
黒木「近づくなってったってどうやって・・・」モゴモゴ
宮崎「転校でもしたら?」
黒木「はあ?!」
おまえ
吉田「・・・・・・・・・おい、宮 崎 。」ギ ロ リ 。
宮崎「あなたたちのは公開しないって言ったはず。 ・・・口出ししないで」
黒木「(じょ、冗談じゃねえぞ!! なんとか、なんとかしないと・・・)」ダラダラダラ
内「みやちゃん、お願い。 黒木のこと・・・」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・大丈夫だよ、うっちー」
内「えっ?」
宮崎「わたしだって・・・ わたしたちだって、きっとあなたのことわかってあげられる」
内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
宮崎「大丈夫、全部秘密にすればいい。 その、女の子とのことも、不思議な力も・・・」
内「無理なんだ」 …ゴッ…
シ ャ キ ン ッ
144 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:10:14.88 ID:AMdTxS5a0
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・!」
吉田「・・・おい」
内「平気だよ、これくらいなら」ゴ ゴ ゴ
宮崎「でもうっちー、血が・・・」
内「大丈夫。すぐ止めるから」
黒木(あの刃、ほんとうに傷口からでてくるのか・・・ 痛い痛い痛い)ゾクゾク
加藤「・・・痛くはないの」
内「平気」
加藤「痛いんだね」
宮崎「うっちー・・・」
内「ダメなんだ、これ」 … チ ャ キ
「勝手に出てきちゃうんだもん」
宮崎「えっ」
内「今のはそうじゃないけど。 でも、あのときみたいに・・・」
─── ダメだよ、うっちー! ・・・うあ?!
─── バ ッ !!
内「気持ちが高ぶっちゃうと出てくる。 ・・・どうしても止められない」
宮崎「・・・そんな」
145 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:11:03.41 ID:AMdTxS5a0
内「みやちゃん。 わたし、あなたのこと大好き」
宮崎「わたしもだよ、うっちー」
内「・・・でも、もうわたしのそばにこないで。 お願い」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
内「わたしきっとまた、あなたを傷つける。 今度はほんとうに殺しちゃうかもしれない」 ギ ュ ッ
内「わたしは、ヘンなやつ。普通じゃない。 だから───」
ば か っ 。
内「えっ」
宮崎「ばか」… バ ッ
ヒ シ ッ 。
黒木「?!」
加藤「!・・・・・・・」
吉田「お、おい」
内「え、え・・・ みやちゃん、だめ」
宮崎「・・・ばか」… ギ ュ
・・・ ギ ュ ウ ウ ウ ウ ッ
146 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:12:52.08 ID:AMdTxS5a0
黒木「宮崎、さん。 その、あぶない・・・」ヒヤヒヤ
宮崎「ばか、ばか、ばかっ。 うっちーのばか」ギ ュ ウ
内「・・・みやちゃん、ほんとに離れて」
宮崎「ずっといっしょにいたのに。 ほんとの友達だと思ってたのに・・・」
内「・・・・・・・・・・」
宮崎「うっちー、あなた・・・」ギュ…
そんなに・・・・・・・・・
そんなに、黒木さんがいいの?
黒木「は?」
加藤「え」
吉田「なっ」
宮崎「わたしが普通だから? 不思議な力がないから?」…ジ ワ ッ
内「み、みやちゃん?」
宮崎「だからわたしよりも、黒木さんがいいの?」
内「だから、そういうんじゃないってば」
宮崎「ひどいよ! わたしたちずっと、一緒だったのに・・・」ギュウウウ
黒木「(もしかして、宮崎さんも? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)」ピ ク ッ
宮崎「ねえ、黒木さんとわたしと、どっちがいいの・・・?」 グ ズ …
内「ど、どっちって・・・(こんなみやちゃん、はじめて・・・)」
黒木「・・・・・・・」ピク ピクピクッ
ピ ー ン ☆
147 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:14:17.80 ID:AMdTxS5a0
宮崎「ねえ、答えてよ。 答えてよ、うっちー!」
黒木「・・・・・・・・・・・・・・」ゴソゴソ ゴソッ
「宮崎さん」
「・・・なに」
宮崎「きゃ!?」
宮崎´「何の用?」
黒木「なんとか、うまくいったかな」
宮崎´「だから、どういう用事?」 キ ッ !
黒木(・・・やっぱり宮崎さん、わたしのこと嫌なんだな)
宮崎(こ、怖い・・・ まるでわたしそのもの)ゴクッ
吉田「何してやがるんだ、おい」
黒木「宮崎´さん。」ジ ー ッ
「あなたも、内さんに言わなくちゃいけないこと。 ・・・・・・あるんじゃない?」
内「え?」
宮崎「!」
吉田「黒木、てめえいったい・・・」
黒木「宮崎´さん、あなたも内さんに嘘ついてない?」
宮崎´「・・・そんなこと」
宮崎(そ、そんなこと・・・)
148 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:14:53.00 ID:AMdTxS5a0
黒木「ないんならいいけど。 ・・・でも内さんはあなたに何もかも話したんだと思うよ」
宮崎´「・・・・・・・・・それは・・・」
宮崎(・・・・・・! それは・・・)
黒木「あなたも、何もかも言っちゃったほうがいいんじゃない?」
宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・でも」
宮崎(でも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
黒木「・・・・・・・」 ク ル ッ
「内さん、どう?」
内「えっ」
黒木「内さんはどう?」
内「ど、どうって」
黒木「宮崎さんの本音、聞きたくないかって」
内「ほ、本音って。 それは・・・」
黒木「・・・おい、てめえ」ギ ロ ッ
内「てめえ?!」
黒木「どうなんだ、え? こら」ギロリ
加藤「く、黒木さん?」アセアセ
黒木「てめえ今の宮崎さん見てどう思うんだよ」
内「ど、どうって・・・」
黒木「まさかとは思うけど」 ギ ロ ッ
「てめえを気持ち悪がってる『だけ』だって、本気で思ってるんじゃねーだろーな」
149 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:15:52.78 ID:AMdTxS5a0
内「そ、それは・・・・・・・・・・・・・・」モゴッ
宮崎(・・・うっちー)
吉田「・・・・・・おい黒木、もうそのへんにしろ」ジロリ
そ い つ
黒木「わかった。 でも、内さん。 もし聞きたきゃ 宮崎´さん に聞いてみて」
内「・・・あんたのスタンドに?」
コントロール
黒木「そいつは宮崎さんのコピー。だからいまはわたしにも 制 御 しきれない」
宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
黒木「少しくらいは言うこと聞いてくれるけど、それでもどうしてもいやだってことはさせられない」
黒木「だからそいつが喋るのは本音。 正真正銘、宮崎さんの本音」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
内「みやちゃんの、本音・・・・・・・」
黒木「無理に聞けとは言わないけど。 でも、仲直りしたいんだろ」
宮崎「・・・仲直り」…ギュッ
黒木「いま聞いとかなかったら、一生後悔するかもしれないよ」
内「一生、後悔? ・・・・・・・・・・・・・・・・・」
黒木「邪魔だったら、わたしは出てる。 ・・・じゃ」
内「ちょ、ちょっと、黒木」
吉田「じゃあな」
加藤「・・・じゃ、ね」
内「ちょ、ちょっ・・・」
宮崎「・・・・・・・」
スタ スタ スタ スタ …
150 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:16:50.05 ID:AMdTxS5a0
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」
宮崎´「・・・・・・・・・・・・・」
内「聞いてみろ、って。 もう・・・」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・あなた」
内「な、なあに」ドキッ
宮崎「あ、ごめんね。 ・・・あなたのほう」
宮崎´「わたし?」
宮崎「あなた、なんなの?」
スタンド
宮崎´「・・・黒木智子の幽波紋で、あなたのコピー」
宮崎「スタンド?」
宮崎´「超能力とか、守護霊みたいなもの」
宮崎「その超能力でつくった、わたしのコピー?」
宮崎´「うん」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・わたしの名前は」
あつこ
宮崎´「宮崎 敦 子」
宮崎「好きな食べ物は」
宮崎´「サイゼのイカ墨リゾット」
宮崎「うっちーはなぜ、わたしのことをみやちゃんと呼ぶの?」
宮崎´「わたしがそうお願いしたから」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
宮崎´「うっちーと同じ理由で」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん」
151 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:17:47.81 ID:AMdTxS5a0
…… … ────────────── … ……
あっこ
───── あっちゃーん! 敦 子ちゃーん!
───── ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
───── あっこちゃん?
───── ごめんエミリ。 わたし「敦子」って呼ばれるの嫌なんだ。
───── どうして?
───── だって「敦子」って名前、古臭くない? 「エミリ」のほうが素敵だよ。
───── ・・・わたしは、この名前イヤ。 読みづらいとかヘンだとかって言われるから。
───── そうだったんだ。 ・・・・・・・いっしょだね。
───── うーん・・・ それじゃ「宮崎」だから「みやちゃん」なんてどう?
───── あ、いいねそれ。 じゃあわたしは「うっちー」って呼んでいい?
───── うっちーか、えへへ。 よろしくね、みやちゃん。
───── よろしくね、うっちー・・・ ふふふっ。
…… … ────────────── … ……
152 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:18:58.83 ID:AMdTxS5a0
内(・・・・・・・・・・・・・・みやちゃん)
宮崎「全部当たり。 ・・・信じられない」
宮崎「じゃあ黒木さんもわたしのこと、もう全部わかっちゃってるの?」
わたし わたし マスター
宮崎´「宮 崎 ´は 宮 崎 。 黒木さんも、わたしのことはわたしに聞かないとわからない」
宮崎´「それに黒木さんの言った通り、聞かれたら嫌なことは黒木さんでも答えない」
宮崎「それ、ほんとうなの?」
宮崎´「なんでもわかるんなら、動画のことなんとかしようとしてたと思うよ」
宮崎「それもそうか。 ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
内(みやちゃん?)
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」
宮崎´「・・・・・・・・・・・・・」
内(ふたりとも、黙っちゃった・・・)
宮崎(・・・・・・・・・・・・・・黒木さん)…ギュッ
─── 仲直りしたいんだろ?
─── 一生後悔するかもしれないよ。
あなたなんかに言われなくったって ───!
153 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:19:46.00 ID:AMdTxS5a0
カア カア カア
カア カア …
吉田「・・・・・・・・・・・・・・・・」
加藤「・・・もう、こんな時間」
黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・」ジーッ
カア カア カア …
加藤「・・・内さん、宮崎さんと仲直りできるかな」
吉田「どうだろうな・・・ わたしは、ああいうのはちょっとわからねえ」
加藤「そうなの?」
吉田「ああ、その・・・ ちょっと苦手だ」カーッ///
加藤「・・・気持ち悪いって思っちゃう?」
吉田「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わかんねえ」
加藤「・・・・・・・・・・・・・・そっか。 黒木さんは?」
黒木「・・・・・・・・・・・・・・」ジーッ
吉田「おい、黒木」スポッ!
黒木「わあっ!!」ビクッ!
吉田「でけえ声だすな、病院だぞ」グリグリ
黒木「(い、いきなりイヤホンひっこぬくから!!)」
吉田「三人でいるのに動画ばっかり見てんじゃねーよ」
154 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:21:39.62 ID:AMdTxS5a0
黒木「・・・・・・・・・・・・・・ごめん、でもヒマだったから」
吉田「ま、いいけどよ。 で、どうする」
黒木「どうって」
吉田「いざってときだよ」
加藤「・・・動画を公開されたら、ってこと?」
黒木「・・・・・・・」
加藤「そこまでしないとは、思いたいけど」
黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴソッ
加藤「・・・・・・・・・・最悪のときは」
吉田「わたしがやる」
黒木「えっ」
吉田「わたしがあいつらに話をつけてやる」
黒木「・・・吉田さん、でも」
スタンド
吉田「おまえ幽波紋使いだってバラされたら、わたしらだって無事じゃいられねえ」
吉田「なんとかしてやる。 心配すんな」
加藤「・・・吉田さん。 ほんとうに、ほんとうにいざというときになったら」
・・・ シ ュ ル ッ
黒木「・・・!」
吉田「おい」
加藤「わたしが、なんとかする。 ・・・してみせる」シュル シュル シュル…
155 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:23:07.78 ID:AMdTxS5a0
黒木「加藤さん、そんな」
加藤「あなたのためじゃない。 わたし自身を守るため。 だから・・・」 シ ュ ル 。
吉田「・・・・・・・そうはさせねえ」
加藤「ごめんなさい。 でも」
黒木「・・・」ギ ュ ッ
「・・・ありがとう」
吉田「・・・ん」
黒木「ありがとう、ふたりとも・・・・・・・・・・・・・・」ギュッ
加藤「いいんだよ、黒木さん」
黒木「でも、大丈夫だよ」
吉田「・・・・・・・黒木」
黒木「きっと、きっと大丈夫」
加藤「・・・そうだね。 きっと、大丈夫」ニコッ
黒木(・・・・・・・・・・・・・・そう、大丈夫)… ス ッ
[ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ]
[ ─────・・・ ] [ ・・・・・・・・・・・・・・。 ]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ひ ひ っ 。
156 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:24:06.20 ID:AMdTxS5a0
カア カア カア …
内(・・・もうこんな時間)
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」
内(そろそろ、面会時間終わっちゃう・・・)
宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・」
内「・・・・・・・・・・・・・・ね、ねえ」
わたし
宮崎「ねえ、宮 崎´」
宮崎´「なに?」
宮崎「わたしが、うっちーに『気持ち悪い』って言っちゃった理由は?」
内「え」
宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
内「み、みやちゃ・・・」
宮崎´「怖かったから」
内「・・・えっ」
宮崎´「・・・怖かった。 普通じゃなくなるのが、怖かった」
内「・・・・・・・・・・・・・・」
宮崎´「誰にも言えないことをするのが怖かった」
宮崎「・・・うん」
宮崎´「みんなに知られたらどうしようって・・・」
宮崎「うん・・・」
内「みやちゃん。 ごめんね、みやちゃん・・・」クスン
157 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:24:56.72 ID:AMdTxS5a0
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」
宮崎´「・・・・・・・うっちー、あやまらないで」
内「えっ」
宮崎´「あやまってほしくない。 ほしくないの・・・」
内「・・・・・・・な、なんで」
宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・なぜなら」ギュッ
「悪いのはわたしだから」
内「みやちゃんが???」
宮崎´「うん。 ・・・・・・・・・・・・・・わたし、嘘をついてた」
内「嘘?」
宮崎´「気持ち悪いなんて、冗談のつもりだったんだよ」
内「・・・・うん」
宮崎´「ほんとはね。 わたし、ほんとは・・・」
内「ほんとは?」
宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・」
内「みやちゃん・・・?」
宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ギ ュ ・・・
すごく、うれしかった・・・・・・・・・・・・・・・・
158 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:26:25.20 ID:AMdTxS5a0
内「えっ」
宮崎´「・・・え」
宮崎「うれしかったの。 うれしかったんだよ・・・・・・・・・・・・・・」
内「・・・え・・・」
宮崎「・・・怖かった。 けれどすごく、すごく嬉しかった。 ううん、今でも嬉しい・・・・・」
わたし
宮崎´「・・・・・ 宮 崎 」
宮崎「だから嫌だよ、うっちー。 黒木さんのところになんか行っちゃやだ」
内「そ、それって」
宮崎「黒木さんともう、あんなことしちゃやだ・・・」
内「あんなことってなに?」
宮崎「・・・うっちー」 ス …
ヒ シ ッ 。
内「・・・・・・・・・・・・・・」ギ ュ ッ
宮崎「うっちー。 ねえ、うっちー・・・」ギュウ
内「いいの? わたし、キモいよ?」
宮崎「そんなことない」
内「わたし普通じゃないよ」
宮崎「それでもいい」
宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
159 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:28:08.07 ID:AMdTxS5a0
内「みやちゃん・・・」
宮崎「・・・あっ」
内「え? ・・・わあ・・・
… カア カア カア
宮崎「きれいな夕焼け・・・」
内「すごい・・・ あのときみたい」
わたし
宮崎「うん。 ・・・・・・・ねえ、宮 崎´」
宮崎´「うん」ク ル リ 。
内「えっ」
宮崎「・・・・・・・・・・・・・・誰も、見てない、よ」… ギ ュ ッ
内「みやちゃん・・・・・・・・・・・・・・」ギ ュ ウ
カア カア カア …
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
すごい。 街が全部、夕焼けの色に染まってる。
きれいだね・・・ まるで、天国みたい。
・・・うっちー。
160 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:29:42.31 ID:AMdTxS5a0
・・・みやちゃん。 わたし、大人になれたよ。 みやちゃんのおかげ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ほんとに、ほんとに。 ・・・ありがと、ね。
・・・・・・・・・・・・・・まだ、だよ。
ギ シ ッ 。
みやちゃん?
うっちー。 恋、しよう。 ・・・大人になっちゃおう。
・・・・うん。
もう一度・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・ふたりで。
・・・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・・・・
宮崎´「 」カチリ
シ ャ ッ !!
161 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:30:46.80 ID:AMdTxS5a0
宮崎「きゃ?!」
内「なっ?!」
黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
内「く、黒木?!」
宮崎「い、いやっ!!」
宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・ごめんなさい」
宮崎「えっ」
加藤「黒木さん?」タタタ
吉田「黒木! てめえ、いったい・・・」ダダダッ
黒木「戻れ」
シ ュ パ ッ
内「え」
宮崎「あっ」
黒木「・・・・・・・こいつはわたしの切り札」ヒョイ
「ムーディ・ブルース1号さ」
162 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:31:51.22 ID:AMdTxS5a0
内「なんだって・・・」
黒木「目には目を、歯には歯をだ」ゴソゴソゴソ
カ チ ャ ッ
内「!」
宮崎「それは・・・!!」
内(隠しカメラ?!)
黒木「いまの、全部撮らせてもらったから」カチャ…
[ もう一度・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ふたりで ]
[ ・・・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・・・・]
内「なっ・・・・」
宮崎「い、いやああ!!」
黒木「もしわたしの動画を拡散したなら、わたしもこいつを全世界にバラまいてやる」
吉田「てめえっ!!」バッ!!
ガ シ ッ
黒木「うぐぇ」
吉田「このドグサレがっ・・・!!!!!」ギリギリギリ
黒木「だから・・・ だい、じょうぶだ、って・・・ いった、ろ」ニ タ ッ
163 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:33:05.31 ID:AMdTxS5a0
吉田「その携帯よこしやがれ!!」ギリギリギリギリ
黒木「いや、だね」ニタニタ
吉田「腕ずくでやられてえか!!」
黒木「けけけ。 もう、おそ、い」… ス ッ
吉田(携帯?!)
うち
黒木「家の・・・ PCに、てんそう、ずみ」
吉田「なんだと・・・」
黒木「わたしが・・・ このゆび、はなしたら、 そのしゅんかん、ぜんせかいに・・・」ニヘラニヘラ
吉田「 こ の ク ソ ガ キ !!! 」
加藤「吉田さん、落ち着いて!」
宮崎「いや、いや! いやあああ!」ウワアアアン
内「 黒 木 ! き さ ま ! ! 」シャキンッ!
黒木「みんな・・・ おち、つけ、よ・・・ そら」
カツ カツ カツ カツッ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」
シ ャ ッ !
「みなさん、お静かに願います!」
シ ー ー ー ン 。
164 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:35:38.26 ID:AMdTxS5a0
内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ピ キ ッ
宮崎「・・・すみません」 ピ ク …
看護師「そろそろ面会時間も終わりですから」
加藤「はい・・・」
吉田「・・・・・・・」ビキビキビキ
看護師「まわりの患者さんにご迷惑にならないようにしてください」
黒木「はい。 申し訳ありません」ウルウル
看護師「お願いしますね」…コツッ
コツ コツ コツ コツ
黒木「やれやれだぜ」
宮崎「(ひどいよ、黒木さん!!)」
黒木「目には目を歯には歯を、って言ったろ。 お互いさんだ」ニヤニヤ
内「・・・黒木」 ゴ ゴ ゴ
黒木「だから落ち着けって。 これで立場はイーブンなんだから」
内「なにを言ってる」ゴゴゴゴゴゴ
黒木「取り引きしようって言ってるんだ」
内「取り引き?」
黒木「ああ。 おまえら、要するに」 ニ タ リ 。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「誰にもバレなきゃ、それでいいんだろ?」
165 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:37:26.54 ID:AMdTxS5a0
宮崎「え。 えっ・・・・・・・・・」
内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
黒木「わたしなら、それができるんだぜ?」ニタニタ
吉田「おい、てめえ・・・!」 ゴ ッ !
内「吉田、待って」
加藤「内さん?」
内「話を聞かせて」
黒木「単純な取り引きさ」 フ ッ 。
ス タ ン ド
お 互 い の 血 と 幽 波 紋 を や り 取 り し て
互 い の 秘 密 を 守 り あ う 。
内「・・・・・・・・・・・・血と、スタンド」
メタリカ
黒木「お前の幽波紋をわたしによこせ」
黒木「いつでもどこでもわたしを守れ、お前の血を使ってな」
リサーフィス
黒木「そのかわりにわたしの幽波紋を、お前たちに貸してやる」
内「・・・・・・・・・・・・黒木の人形を?」
黒木「使った血はこいつからもらえばいい、それにだ」
黒木「こいつはアリバイ作りには最高の能力だぞ」ニ ヤ ッ
内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
黒木「そしてお互いがお互いの秘密を守る。 どうだ?」
166 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:38:44.74 ID:AMdTxS5a0
宮崎「そ、そんな・・・」
内「・・・・・・・・・・・・考えさせて」
宮崎「うっちー?!」
黒木「いい返事を期待してるよ、じゃあな」 シ ャ ッ !
吉田「お、おい! お前!」タッ!
加藤「じゃ、じゃあ」タタタ
カツ カツ カツ …
宮崎「うっちー・・・・・・・・・・・・」
内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
… カツ カツ カツ カツ
黒木「・・・なんとかなったかな」
吉田「なにがなんとかなっただ、てめえ」
加藤「黒木さん、あなた、なんてことを・・・・・」
黒木「・・・ふたりがやろうとしてたことだって、いいことじゃないだろ」
加藤「え」吉田「・・・・」
黒木「どうしようもなくなったらお願いする。 ・・・だから」ギュッ
吉田「このクソ野郎が」
黒木「・・・ふん」
カツ カツ カツ カツ …
167 :
◆HWAyM/47A/f9
[saga]:2019/01/30(水) 23:42:10.74 ID:AMdTxS5a0
こうして、黒木智子は敵スタンドの攻撃から友達を守り切った。
そして頼もしい味方を得た。
内さんが退院したあと、わたしは改めて内さん宮崎さんと契約を交わした。
吉田さん、加藤さんに立会人になってもらって。
お互いのスタンドをいつでも貸し与えること。
内さんがいつでもわたしを守るかわりに、わたしはいつでも血を内さんに与えること。
そして互いの秘密を守りあうこと。
チーム
そうして内さんは、わたしたちの仲間に加わった。
いまはスタンド能力の特訓にも参加してる、もちろんわたしの血を使って。
メタリカ
吉田さんと互角以上に戦える戦闘力を持ち、それ以外にも多彩な能力を秘めた幽波紋。
それがいつでもどこでもわたしを守ってくれる。
リサーフィス
こっちも契約通り、あいつが宮崎さんとデートするときには幽波紋を貸してやってる。
結構いい仲になってるみたいだ。 ・・・・・・・けっ。
こうしてわたしの優れた発想力と交渉力で、すべてが丸くおさまったのだった。
チャンチャン♪
・・・・・・・・・・・・・・・なんてうまい話があるはずもなく・・・・・・・・・・・・・・・
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