【ポケモン】ハプウ「ポニデレラなのじゃ」

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2 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/23(水) 19:32:06.86 ID:BngRNgS50
長女のマオ

マオ「あーあ、来週は王宮で舞踏会かー」

次女のスイレン

スイレン「上流階級の貴族だけが出れる舞踏会…緊張する」ドキドキ

三女のリーリエ

リーリエ「マオお姉様!スイレンお姉様!来週の舞踏会の為にドレスを選びにいきましょう!」ウキウキ

マオ「リーリエはいいね。気楽で」ハァ

スイレン「さすがリーリエ。姉妹で一番濃い。お母様の血」

リーリエ「え?」

そして

ハプウ「(王宮で舞踏会か…)」

ハプウ「(わらわには関係ない事じゃ)」

四女のハプウ
3 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/23(水) 19:48:56.11 ID:BngRNgS50
スイレン「でもドレス選びはいいかも」ボソッ

マオ「あれ?珍しいねスイレン?いつもならそういう堅苦しいのは憂鬱〜とか言う癖に?」

スイレン「べ、別に…気分」プイッ

マオ「あ〜、もしかしてスイレン?」ニヤニヤ

スイレン「な、なに?」ビクッ

マオ「気になる人とかできちゃった?」

スイレン「!」

リーリエ「えぇ!?誰ですかスイレンお姉様?」ワクワク

スイレン「ち、違う!そ、そんなんじゃ…////」アタフタ

マオ「私の予想だとー……ほらっ、この間会食した時のあのピカチュウつれた男の子!」

スイレン「!」ビクッ

リーリエ「あー、あのククイ博士の息子さんの……確か…サトシさんでしたっけ?」ポンッ

スイレン「ち、ちが…////」

マオ「やっぱり当たりだよー!スイレンってわかりやすいよね!」クスクス

リーリエ「論理的結論から言いますと、スイレンお姉様はあの方と随分仲良くしていましたもんね」ニコッ

スイレン「うっ…」ドキッ

リーリエ「確か舞踏会にはサトシさんも来られる筈…こうなったらゼンリョクで可愛いドレスを選びましょう!スイレンお姉様!」

マオ「あーあ、可愛い妹の為だもんね?仕方ない、私も付き合ってあげますか」

スイレン「ちょ、ちょっとリーリエ!からかわないで!マオ姉も!////」

キャッキャッ

ハプウ「……………」
4 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/23(水) 20:49:18.22 ID:BngRNgS50
マオ「よぉし!そうと決まったらさ、お母様が帰ってきたらドレス選びにつれていってもらおうよ!」

リーリエ「はい!そうですね!」

ワイワイ

ハプウ「………………」

スイレン「ハプウ」ポンッ

ハプウ「」ビクッ

スイレン「ハプウもドレス選びいこっ、一緒に」ニコッ

ハプウ「スイレン姉様…」

リーリエ「そうですよハプウ!ハプウも行きましょう!」

ハプウ「リーリエ姉様…」

ハプウ「わ、わらわはいいのじゃ!どうせ今度の舞踏会だってお母様はわらわをつれて行くつもりはないのじゃ」

リーリエ「そんなことはありませんよハプウ!」

スイレン「ハプウも舞踏会に行けるよう、私たちからもお母様に頼んであげる!」

ハプウ「わらわも舞踏会に…」

マオ「ハプウ、ハプウも一緒にドレス選びに行こうよ!」ニコッ

ハプウ「マオ姉様……」ウルッ

ハプウ「わ、わらわもドレス選びに…」

ガタンゴトン

マオ・スイレン・リーリエ・ハプウ「」ビクッ

リーリエ「こ、この音は…」

スイレン「帰って来た!お母様が!」

ハプウ「うぅ…」タラッ

マオ「み、みんな!早く整列して!」
5 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/23(水) 21:07:12.58 ID:BngRNgS50
ガチャッ

ルザミーネ「………………」ツカツカ

マオ・スイレン・リーリエ・ハプウ「お帰りなさいませ。お母様」ペコリ

ルザミーネ「………………」

ルザミーネ「ただいま。私の可愛いベイビーちゃん達♪」ニコッ

マオ・スイレン・リーリエ・ハプウ「……………」

ルザミーネ「マオ?今日も妹達の面倒ご苦労様。貴女を長女に産めて誇らしいわ」ニコッ

マオ「ありがとうございますお母様」ペコ

ルザミーネ「スイレン?いつも元気いっぱいの笑顔をありがとう。今日も貴女のその元気と笑顔で家族を明るく照らしてあげてね?」ニコッ

スイレン「はい。お母様」ペコ

ルザミーネ「リーリエ」ニコッ

リーリエ「はい」

ルザミーネ「いつ見ても貴女は美しいわ…まるで私の若い頃を見ているみたい…」ウットリ

リーリエ「……………」

ルザミーネ「リーリエ…貴女こそ私の自慢の娘よ!」

リーリエ「……ありがとうございますお母様」ペコ

ルザミーネ「……そして」チラッ

ハプウ「」ビクッ
6 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/23(水) 21:26:23.26 ID:BngRNgS50
ルザミーネ「…………ハプウ…その土で汚れた格好はどうしたのかしら?」ギロ

ハプウ「そ、その……外でドロバンコと一緒に畑で…」ガタガタガタ

ルザミーネ「………ハァ〜……ま〜た大根弄り?やめてちょうだい」

ハプウ「そ、その……」ガタガタガタ

ルザミーネ「………貴女は一応私の娘なのよ?畑弄りなんて貧乏人がやるような惨めなこと…やめなさい」

ハプウ「……………」

ルザミーネ「……マオにはアマージョ」

マオ「……………」

ルザミーネ「スイレンにはイーブイのナギサ」

スイレン「…………」

ルザミーネ「そして…リーリエにはアローラロコンのシロン」

リーリエ「…………」

ルザミーネ「みんな美しく可愛い私の娘にピッタリのポケモンを持っているわ?それに比べてハプウ、貴女はドロバンコ?」

ハプウ「……………」

ルザミーネ「………まぁ……ドロバンコも大根弄りも…薄汚い貴女にはピッタリかもしれないけれど…」ウーン

ハプウ「お、お母様…!わらわはどう言われてもいいのじゃ!でも…ドロバンコの悪口は…」

ルザミーネ「………ハァ…まったく、品性の欠片もないわね」

ハプウ「え?」

ルザミーネ「………なんで貴女みたいな美しくないヒンバスが私の子なのかしら?恥ずかしいわ…」ハァ

ハプウ「………な!?」

マオ・スイレン・リーリエ「……………」

ルザミーネ「………ハプウ…貴女なんか…生まれてこなければ良かったのに」

ルザミーネ「この失敗作」

ハプウ「し、失敗作……?」ガタガタガタ
7 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/23(水) 21:49:43.65 ID:BngRNgS50
マオ「お、お母様!言いすぎです!」

ルザミーネ「!」

スイレン「ハプウは私の可愛い妹!失敗作なんかじゃない!」

リーリエ「そうです!お母様…酷いです!酷すぎです!」

ルザミーネ「………………」

ハプウ「マオ姉様…スイレン姉様…リーリエ姉様…」グスン

マオ「………お母様…私達、さっきまで来週の舞踏会で着るドレスを選びに行こうって相談をしてたんだ」

ルザミーネ「ドレス?あら素敵じゃない!なら早速最高級のお店に…」

スイレン「もちろん、ハプウも一緒に」

ルザミーネ「………は?」

ハプウ「姉様……」ウルウル

ルザミーネ「何言ってるのよ。こんな失敗作を舞踏会につれて行く訳ないじゃない?恥をかくだけだわ?」

ハプウ「…………」

リーリエ「お母様…来週の舞踏会、ハプウが行かないならば私達も行きません」

ルザミーネ「な、何を言ってるのよリーリエ!」

スイレン「お母様、私達本気!」

マオ「私達は四人揃って姉妹なんだよお母様!」

ハプウ「姉様方…」

ルザミーネ「ワガママはやめなさい!今度の舞踏会にはアローラ王国の王族も来るのよ!」

スイレン「そんなの、知らない!」

ルザミーネ「………どれだけ重大な舞踏会かわかってるの?もし今度の舞踏会で貴女達の中の誰かがグラジオ王子に見初められれば、私達は晴れて王族の一員になれるのよ?」

ルザミーネ「それを…こんな薄汚い失敗作の為に棒にふるなんて…」ギロ

ハプウ「」ビクッ

リーリエ「王族なんて知りません!」

マオ「私達には…王族何かよりも、血を分けた妹の方が大事だよ!」

ハプウ「うぅぅ……」グスッ

ルザミーネ「………………そう…貴女達の思いはわかったわ」フッ

ルザミーネ「なら仕方ないわね?」ニコッ

リーリエ「お母様……」

スイレン「良かった…お母様がわかってくれて…」ホッ

マオ「良かったねハプウ!一緒に今度の舞踏会に行けるよ!」

ハプウ「う、うん!」パァァ
8 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/23(水) 22:17:37.03 ID:BngRNgS50
ルザミーネ「………………」パチン

ガチャッ

マオ「………え?」

アマージョ「ッジョ!ッジョ!」ガタガタ

スイレン「マオ姉のアマージョが拘束されてる……?」

リーリエ「い、いったいこれはどういう…」

マオ「アマージョ!」ダッ

アマージョ「ジョ…」ガタガタ

マオ「………お母様!これはどういうこと!?アマージョを解放してよ!」キッ

ルザミーネ「………マオ、スイレン、リーリエ…私は今まで可愛い娘の貴女達には全てを与えてきたわ…」

マオ「……え?」

ルザミーネ「欲しいものがあれば何でも買ってあげたし…食べたいものも…可愛い服も…高価なアクセサリーも全部…ね?」

リーリエ「お母……様?」

ルザミーネ「それなのに…大事な時に反抗するなんて…お母様悲しい」ウルッ

スイレン「お母様、何する気!?」

ルザミーネ「………私が甘やかしすぎたのかしら?反省するまで少しお仕置きが必要ね?」

ハプウ「お仕置き……?」

ルザミーネ「お仕置きは……マオ、お姉さんとして貴女がうけなさい」ニコッ

マオ「え?」

ルザミーネ「とは言っても……これから舞踏会に出る可愛い可愛い娘である貴女を傷つけるだなんて、母親としてわたくしにはできない…」シュン

ルザミーネ「と、言うわけで」ニコッ

ウツロイド「…………」ウネウネ

リーリエ「あ、あれは!?」

スイレン「な、なにあのポケモン!?」

ハプウ「うっ…」ゾクッ

ルザミーネ「ウツロイド!」パチン

ウツロイド「……………」ヌッ

アマージョ「ジョァ!ジョァ!」ガタガタ

マオ「やめてお母様!アマージョに手を出さないで!」

ルザミーネ「ウフフ」ニコニコ

ウツロイド「……………」グググ

アマージョ「ジョ…」ゾクッ

マオ「やめてェェェ!!」ダッ

ルザミーネ「やりなさい。ウツロイド」


ジョォォォォ!!!!!
9 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/23(水) 22:29:51.97 ID:BngRNgS50
アマージョ「」ピクピク

ルザミーネ「あらあら、もう終わり?もっとポケモンを鍛えなさいマオ」

マオ「イヤァァァァ!アマージョー!!」

アマージョ「」ピクピク

ハプウ「(わらわのせいで…マオ姉様のアマージョが…)」ガタガタ

ルザミーネ「さて、お次は」チラッ

スイレン・リーリエ「」ビクッ

ルザミーネ「…順番的に…スイレンのナギサちゃんかしらね?」ウーン

ウツロイド「……………」ウネウネ

スイレン「い、イヤ……」ガタガタ

リーリエ「スイレンお姉様…」

ハプウ「(スイレン姉様…リーリエ姉様…)」

ハプウ「………………」グッ

ルザミーネ「勘違いしないでね?私だって可愛い貴女達のポケモンにこんな事はしたくないのよ?これは躾なの。私だって心が痛……」

ハプウ「お、お母様!!」クワッ

ルザミーネ「!」

ルザミーネ「………何かしら?ハプウ?」ニコッ
10 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/23(水) 23:04:01.78 ID:BngRNgS50
ハプウ「わ、わらわ…舞踏会には行かぬのじゃ!」

ルザミーネ「!」

スイレン「ハプウ…?」

マオ「…アマージョ…」ギュッ

アマージョ「」ピクピク

ハプウ「わらわ…元々、舞踏会なんて行きたくなかったのじゃ!」

リーリエ「な、何を…」

ハプウ「…舞踏会なんて行っても何も楽しくないのじゃ!ドレスは窮屈だし…堅苦しいマナーも疲れるし…」

ルザミーネ「………」

ハプウ「わらわは…舞踏会何か行くよりも畑でポニ大根を育てている方が楽しいのじゃ!!だから…」

ハプウ「………舞踏会は…お母様と姉様方だけで楽しんでくるといいのじゃ」ニカッ

マオ・スイレン・リーリエ「………………」

ルザミーネ「ウフフ。マオ、スイレン、リーリエ。ハプウもそう言ってくれていることだし…お言葉に甘えるとしましょう?」ニコッ

ハプウ「そうじゃそうじゃ!姉様方!わらわのことは気にしないで、存分に楽しんでくるといいのじゃ!」ニコニコ

マオ・スイレン・リーリエ「………………」

ルザミーネ「よし、決まりね!じゃあ早速……ドレス選びに行こうかしら?最高級のお店を用意するわ!」

ルザミーネ「………っと、その前に……アマージョをポケモンセンターにつれていった方がいいかしら?」

アマージョ「」ピクピク

マオ「………」

リーリエ「ハプウ…本当にそれでいいんですか!?」

スイレン「お姉ちゃん聞きたい、ハプウの本音!」

ハプウ「……スイレン姉様もリーリエ姉様もしつこいのじゃ!さっき話したのがわらわの本音じゃ!」

リーリエ「ですが…」

ルザミーネ「はいはい、この話は終わりよ!早く出掛けないと日が暮れちゃうわよ?」

スイレン「でも…」

マオ「………アマージョ…」

アマージョ「」ピクピク

ルザミーネ「ハプウ!今から私達は出かけるからお留守番お願いね!まぁ、執事達も居ることだし、それくらい失敗作の貴女でも出来るわよね?」

ハプウ「もちろんなのじゃお母様!」ニコニコ

ルザミーネ「………マオ、スイレン、リーリエ!行くわよ♪」クルッ

マオ・スイレン・リーリエ「………………」クルッ

ガチャッ

バタン

ハプウ「いってらっしゃーい!なのじゃ」ニコニコ
11 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/23(水) 23:38:30.34 ID:BngRNgS50
舞踏会当日

マオ「うぅ…早いもんだねー!もう舞踏会当日だよー」

スイレン「き、緊張してきた…」ドキドキ

リーリエ「スイレンお姉様、それは舞踏会に対してですか?それともサトシさんと会えるからですか?」ウフフ

スイレン「か、からかわないでよリーリエ!////」

マオ「あっ!図星だったね!」ニヤニヤ

スイレン「うぅ////」

ワイワイ

ハプウ「………………」

ハプウ「(姉様方……とっても綺麗なのじゃ…)」

マオ「あーあ…私も運命の人に巡り会えないかなー」

ハプウ「(マオ姉様のドレスは…緑をメインに使い、薔薇の装飾を施したドレス……)」

ハプウ「(マオ姉様…いつもよりもずっと大人っぽくて綺麗なのじゃ。あれなら舞踏会の男達はマオ姉様を放っておくまい…)」

スイレン「(サトシ…私のこと綺麗って言ってくれるかな…)」ドキドキ

ハプウ「(スイレン姉様のドレスは海のように淡い青のドレス…)」

ハプウ「(まるで彼のソリストポケモン、アシレーヌのように可憐で幻想的じゃ)」

ハプウ「(きっとスイレン姉様の意中の男性のハートもゲットできるのじゃ)」

リーリエ「お母様が言っていたグラジオ王様…いったいどんな方なのでしょうか…」

ハプウ「(リーリエ姉様のドレスは……リーリエ姉様の人柄を現したかのような無垢で無邪気な純白のドレスと透き通るようなガラスの靴…)」

ハプウ「(リーリエ姉様…まるで天使なのじゃ…リーリエ姉様ならきっと一国の王子であろうともメロメロなのじゃ)」

ハプウ「(………わらわも姉様方のように………)」

ハプウ「………………」
12 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/24(木) 00:07:00.56 ID:BQ0J3LkI0
アマージョ「ジョッ」

ナギサ「イッブイ」

シロン「コン」

ハプウ「(姉様方のポケモン達も舞踏会用に綺麗に着飾っておる…)」

ドロバンコ「ドロー」

マオ「ハプウ」

ハプウ「」ビクッ

ハプウ「な、なんじゃ!マオ姉様!」ニコッ

マオ「………ごめんねハプウ…力になれなくって…」

ハプウ「え?」

スイレン「ハプウ…私、ハプウの考えてることわかる…」

リーリエ「本当は……ハプウもドレスを着て…舞踏会に出たかったんですよね?」

ハプウ「……わ、わらわはそんな……」

マオ「隠さなくてもわかるよハプウ…だって…姉妹だもん…」

ハプウ「マオ姉様…」

マオ「………ごめんねハプウ…私……四人揃ってなんてカッコいいこと言ったわりには…」

マオ「………何もできなかった…アマージョを苛められて…泣くことしかできなくって…」グスッ

アマージョ「ジョ…」

ハプウ「………………」

スイレン「マオ姉だけのせいじゃない……私も……次はナギサの番だと思ったら…怖くて震えてることしかできなかった…」

ハプウ「スイレン姉様…」

リーリエ「私は……本当はハプウがいかないって言ってホッとしていました……シロンが助かったんだって…」

リーリエ「私は……卑怯で弱い人間なんです!ごめんなさいハプウ!」グスッ

シロン「コーン」

ハプウ「リーリエ姉様……」

ハプウ「………………だぁーっ!!何をメソメソ泣いておるのじゃ姉様方!!」

マオ・スイレン・リーリエ「」ビクッ

ハプウ「これから舞踏会だと言うのに……そんな辛気臭い泣き顔でどうするのじゃ!」

マオ「ハプウ…」

ハプウ「わらわのことを思うのなら……わらわの分まで笑顔で楽しんで来て欲しいのじゃ!!」

ハプウ「それが…わらわからの姉様方へのお願いじゃ!姉様方が楽しんで来てくれたならわらわも嬉しい!なっ?ドロバンコ!」

ドロバンコ「ドロー!」

スイレン「う、うん!わかった!でも……」チラッ

リーリエ「……ハプウ…実はですね?一か八かですが…私達から……」

ハプウ「え?」

「なんの話をしてるのかしら?」

マオ・スイレン・リーリエ「」ビクッ
13 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/24(木) 00:58:10.59 ID:BQ0J3LkI0
ルザミーネ「ウフフ…楽しそうな話をしてるみたいね?私もまぜてもらっていいかしら?」ニコニコ

リーリエ「そ、その……王子様ってどんな方でしょうって話をしていたんです!」

スイレン「そうそう!」

マオ「い、イケメンだといいなー」ハハハ

ルザミーネ「あらあら」クスクス

ハプウ「………………」

ルザミーネ「んー……それにしても…」ジロー

マオ・スイレン・リーリエ「」ビクッ

ルザミーネ「………うん!やっぱり私の娘ね!美しいわ!これで舞踏会もバッチリーリエよ!」グッ

マオ「や、やったー!」

スイレン「お、お母様のお墨付き!」ハハハ

リーリエ「お、王子様もいちげきひっさつ!ですね!」

ルザミーネ「ウフフ」ニコッ

ルザミーネ「マオ!スイレン!リーリエ!ドレスアップは準備オッケー?」

マオ・スイレン・リーリエ「おーっ!」

ルザミーネ「ハプウ、貴女は私達が帰ってくるまで屋敷から出ないこと。いいわね?」ギロ

ハプウ「わ、わかったのじゃ」

ルザミーネ「……じゃあ王宮までの車の手配を……」ピポパ

リーリエ「ハプウ…」ヒソッ

ハプウ「!」

リーリエ「……お母様に気づかれぬよう…そのまま聞いていてください」ヒソヒソ

ハプウ「………………」コクリ

リーリエ「………いいですか?○○時までにひがんの遺跡に……」ヒソヒソ

ハプウ「………………」
14 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/24(木) 19:22:30.40 ID:MwICXoGoO
アローラ王宮

ワイワイガヤガヤ

マオ「す、すごい…ここがアローラ王宮…」タラッ

スイレン「遠目では見たことあったけど、近くで見ると…」

リーリエ「すごく…大きいです…」ゴクリ

ルザミーネ「フフフ…アローラ王宮…いつ見ても素敵ね…」ウットリ

マオ「お母様…」

ルザミーネ「今日の貴女達の頑張り次第では、ここが私達の物になるのよ?楽しみね」ニコッ

マオ・スイレン・リーリエ「………………」

ルザミーネ「さぁ、早く受付をすませてきましょう?パラダイスへの入り口はもうすぐよ?」スタスタ

マオ・スイレン・リーリエ「………はい。お母様」
15 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/24(木) 21:05:13.67 ID:BQ0J3LkI0
王宮入り口

ワイワイガヤガヤ

ルザミーネ「アローラ。久しぶりねビッケ」ニコッ

ビッケ「アローラ。ご無沙汰しておりますルザミーネ様」ペコリ

ルザミーネ「それと…娘達と…そのポケモンよ」クイッ

マオ・スイレン・リーリエ「アローラ。ビッケさん」ペコリ

アマージョ・ナギサ・シロン「」ペコリ

ビッケ「アローラ」ニコッ

ビッケ「ふふふ、ルザミーネ様のご令嬢様方とポケモン達ですか。どおりで気品のある美しい方々だと」

ルザミーネ「ええ。私自慢の三人娘なのよ」ニコッ

マオ・スイレン・リーリエ「…………………」

ルザミーネ「それはそうと……これ、私と娘達の分の招待状よ」スッ

ビッケ「……確かに」ピラッ

ビッケ「エーテル財団代表ルザミーネ様……そしてそのご令嬢…マオ様、スイレン様、リーリエ様」コホン

ビッケ「改めまして…アローラ。ようこそアローラ王国王宮へ」ニコッ

ルザミーネ・マオ・スイレン・リーリエ「…………………」

ビッケ「……今宵は現の柵を全て忘れ……」

ルザミーネ「…………」

ビッケ「存分に飲んで食べて……」

マオ「…………」

ビッケ「歌って踊って……」

スイレン「…………………」

ビッケ「ポケモンバトルをして……」

リーリエ「…………………」

ビッケ「楽しんでいってください」ニコッ

ルザミーネ「フフッ」

ビッケ「さぁ…パラダイスへの入り口はすぐそこです…お通りくださいませ」スッ

兵士「ルザミーネ様とそのご令嬢様方がお通りなさる!開門!!」

ガラララ

パアアアア

ルザミーネ「フフフ…パラダイスへの入り口が開いたわ」

ルザミーネ「行くわよ」スッ

マオ・スイレン・リーリエ「…………………」ゴクリ
16 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/24(木) 21:14:58.33 ID:BQ0J3LkI0
王宮内

ワイワイガヤガヤ

リーリエ「うぅ…す、すごい人とポケモンの数です!」

シロン「コン」

マオ「うわぁ…料理もいっぱい!だし、中もすっごく広いよ!」

アマージョ「ジョ」

スイレン「この世のパラダイス…伊達じゃない…」

ナギサ「ブイ」

ルザミーネ「フフフ、オドオドしてちゃ駄目よ?今の時代、女の子も強くなくっちゃね?」ニコッ

リーリエ「で、ですがお母様…その…論理的結論から言いますと、私達、場違いのようで…」

スイレン「う、うん…いつもの会食とは全然違う…」

ルザミーネ「何いってるのよ!私達は正真正銘、招待状を貰ってここに来たのよ?」

ルザミーネ「それに…貴女達は可愛んだから、もっと胸を張りなさい!」ニコッ

マオ「お母様……」

リーリエ「で、ですが…スイレンお姉様は張るほど胸が…」

スイレン「おい」

ギャーギャー

ルザミーネ「…………………」

ルザミーネ「(グラジオ王子はまだ舞踏会には来ていない…か…)」チラッ
17 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/24(木) 21:33:39.00 ID:BQ0J3LkI0
ルザミーネ「………貴女達、ついて来なさい。まずは王宮に招待されている方々に挨拶周りを……」

ハラ「アローラ。エーテル財団のルザミーネ代表殿ですな?」

ルザミーネ「……あなたは確か!?」

ハラ「私…メレメレの島で長を務めさせて頂いております。ハラでございます、お見知りおきを」

ルザミーネ「これはこれは……本来ならば私から出向かなければいけない所を…」

ルザミーネ「こちらこそよろしくお願いします。改めて……私はエーテル財団の代表を務めさせて頂いているルザミーネ、そして……」

ルザミーネ「娘達です」ニコッ

マオ「長女のマオです」ペコリ

スイレン「次女のスイレンです」ペコリ

リーリエ「三女のリーリエと申します」ペコリ

ハラ「これはこれはご丁寧に……うむ、なるほど。娘さん方もルザミーネ殿に似てお美しい」

ルザミーネ「フフフ、お上手ですわ」ニコッ

マーレイン「ルザミーネ代表ですね?僕は……」

ルザミーネ「!」

ガヤガヤ

マオ「うわっ…お母様すごい人気だよ…」

スイレン「初っぱなから疲れそう」ハァ

マオ「ねぇ、私達はどうす……」チラッ

マーマネ「あ、あの!僕、マーマネって言うんだ!良かったら僕とお友達に…」

トゲデマル「マキュ」

リーリエ「え、えーと…」

イリマ「イリマです。リーリエさん、僕とダンスとまイリマせんか?」キラン

イーブイ「ブイー」

リーリエ「その…」

マーマネ「ちょ、ちょっと!僕が先に話かけたんだよ!」

イリマ「勝負の世界は無情。早い勝ちです」

マーマネ「な!?」カチン

リーリエ「あ、あの…ケンカは…」オドオド

シロン「コン…」

ハウ「俺、ハウって言うんだ!リーリエ!俺と踊ってよ!」ニコッ

フクスロー「スロー」

マーマネ・イリマ「ちょっと待て!!」

リーリエ「あわわわわわ…」

ギャーギャー

マオ「うわっ…リーリエまでモテモテだ…さすがはお母様から濃い血を受け継いだだけあるよ…」ハァ

マオ「ねー、スイレン。私達はどうす…」チラッ

ガラン

マオ「あ、あれ?スイレン??」キョロキョロ

アマージョ「ジョ」
18 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/24(木) 21:45:05.51 ID:BQ0J3LkI0
スイレン「(サトシ…来てるかな?)」キョロキョロ

ナギサ「ブイ」

サッキサー

スイレン「(! この声……!)」


サトシ「あっちでバトルステージみたいなのを見かけたんだよ!行ってみようぜ、ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカー」

スイレン「サトシー!」タッタッタ

サトシ「!」

スイレン「アローラ!サトシ……くん!」ドキドキ

サトシ「君は……」

スイレン「えっと、その……私のこと……覚えてる……?」ドキドキ

サトシ「うん!覚えてるよ!確か前の会食の時の……」

スイレン「(やった!サトシ、覚えててくれたんだ!私のこと!)」ドキドキ

サトシ「えっと確か……ス……ス………ナギサ!」

スイレン「それはこっちのイーブイ。私はスイレン」ニコッ

ナギサ「イッブイ」

サトシ「え!?も、もちろんわかってるよスイレン!ちょっとした冗談だよ!」ハハハ

スイレン「そうなんだ」ニコニコ

ピカチュウ「ピカピー」
19 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/24(木) 22:05:17.36 ID:BQ0J3LkI0
サトシ「にしても久しぶりだなー!」

スイレン「うん!」

サトシ「俺…パパ(ククイ博士)達と来たんだけどさ、色んな人達と挨拶すんの疲れたからコッソリ抜け出してきたんだよ」

スイレン「実は私も!」

サトシ「マジ?」

スイレン「うっそでーす♪」

サトシ「嘘か…」ハハハ

スイレン「(やっぱり…サトシと話してると楽しい)」ドキドキ

サトシ「スイレンもママ達と来てんの?」

スイレン「うん」

サトシ「へぇー、じゃあ何で一人でいんの?」

スイレン「えっと…その、はぐれた!」

サトシ「はぐれたって……迷子かよスイレン。意外とおっちょこちょいなんだな」ハハハ

スイレン「う、うん……でも、サトシと会えて良かった!」ニコッ

スイレン「(本当はサトシを探してはぐれたんだけど……)」

スイレン「それにしてもサトシ…」ジーッ

サトシ「なに?」

スイレン「サトシがタキシード?って意外」

サトシ「ははは…しっかりとした場だからちゃんとしたもん着てけってパパに言われたからさ」

サトシ「あんま似合ってないだろ?」

スイレン「そ、そんなことない!似合ってる!すっごく!」ドキドキ

サトシ「そっか?サンキュー!」ヘヘヘ

スイレン「/////」モジモジ

サトシ「! スイレンのドレスも…」

スイレン「!」ドキン

サトシ「すっげー似合ってるよ!」ニッ

スイレン「/////」ボフン

サトシ「スイレン!?」

ピカチュウ「ピカー」ヤレヤレ

ナギサ「ブイ」

スイレン「うぅぅ////」プシュー
20 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/24(木) 22:15:29.90 ID:BQ0J3LkI0
「こらサトシー!」

サトシ「」ビクッ

ククイ「たくっ!挨拶の途中で抜け出して何やってんだお前は」ハァ

サトシ「あー、えっと…」

スイレン「うぅぅ////」プシュー

バーネット「あら?その子は……」

ククイ「確か……ルザミーネさんとこの…」

スイレン「あ、アローラ!えっと……スイレンです!この間は…」

ククイ「これはこれはご丁寧に」ペコリ

バーネット「ウフフ、そんな畏まらなくてもいいのよ?」ニコッ

スイレン「え、えっと…」

バーネット「にしてもサトシィ」チラッ

サトシ「なに?」

バーネット「挨拶脱け出してこんな可愛い子をゲットするなんてやるじゃない?」ニヤニヤ

サトシ「え?」

スイレン「げ、ゲット!?////」カァァ

ピカチュウ「ピカー」

「これはこれはククイ博士にバーネット博士」ツカツカ

ククイ・バーネット「!」

スイレン「」ビクッ

サトシ「?」
21 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/24(木) 22:43:50.61 ID:BQ0J3LkI0
ルザミーネ「アローラ。ご無沙汰しております」ニコッ

ククイ「ルザミーネさん…」

バーネット「こちらこそ。この間の会食はとっても楽しかったわ」ニコッ

サトシ「スイレンのママだ…スイレンを探しに来たのかな?」チラッ

スイレン「」ガタガタガタ

ナギサ「ブイ…」ガタガタガタ

サトシ「……?スイレン?」

ルザミーネ「ごめんなさい。どうやら少し目を離した隙に……ウチのスイレンが迷惑をお掛けしたみたいで…」

ククイ「い、いや…迷惑だなんてそんな…」

ルザミーネ「スイレン?謝りなさい」

スイレン「」ビクッ

スイレン「………ご、ごめんなさい……お母さ…」

ルザミーネ「……謝る相手が違うわ。私ではなく、ククイ博士にバーネット博士。それに…サトシくんにでしょ?」ニコッ

スイレン「………ご、ごめんなさ…」

サトシ「ごめんなスイレン?俺がスイレンを勝手に連れだしたせいで…」

スイレン「……え?」

ルザミーネ「……連れだした?」

バーネット「……ククイくん」チラッ

ククイ「ああ…」コクッ

ククイ「ルザミーネさん。すみません、ウチのサトシ、挨拶周りが嫌でコッソリ脱け出しちまったみたいで…」

バーネット「それで……たまたま知り合いだったスイレンちゃんを見かけて連れだしたみたいなの。謝るのはこっちの方よ、ごめんなさい。ルザミーネ、スイレンちゃん」ペコリ

サトシ「スイレン、ルザミーネさん。ごめんなさい」ペコリ

ピカチュウ「ピカ」ペコリ

ルザミーネ「い、いえ……」

スイレン「サトシ……」ウルッ

ナギサ「ブイ…」

ルザミーネ「………………」

ルザミーネ「(ククイ博士とバーネット博士はアローラにおけるポケモン研究の権威、親しくしていれば何かと都合がいいわ。ここは合わせておくとしましょう)」

ルザミーネ「フフッ、サトシくん…男の子らしく、とっても元気でいい子なんですね?」ニコッ

ククイ「ま、ウチのサトシはげんきのかたまりみたいな子ですからね」ハハハ

バーネット「元気過ぎて困っちゃうくらいにね?」ウフフ

サトシ「へへっ」ニッ

ルザミーネ「フフフ」ニコッ

ルザミーネ「(まぁ、とは言え…)」チラッ

サトシ「?」

ルザミーネ「(このサトシくんはバトルバトルで博士達の跡を継げるような子には見えない…コネでキープしておくのもいいけど……)」

スイレン「サトシ…」

ルザミーネ「(…スイレンは随分とこのサトシくんを気に入ってるみたいだけど…スイレン、貴女にサトシくんは相応しくないわ。貴女にはもっと上流階級の子を狙ってもらわなくちゃね)」

ルザミーネ「(それに…噂によれば、王国警務部隊隊長のクチナシ氏の愛娘、アセロラ嬢がサトシくんを気に入っていると言う話も聞いたことがあるわ)」

ルザミーネ「(くだらないことで王室関連と揉めるのはごめんね…そうと決まれば長居は無用。一刻も早く、この場から立ち去りましょう)」
22 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/24(木) 22:57:13.98 ID:BQ0J3LkI0
ルザミーネ「スイレン、そろそろ行きましょ?マオやリーリエが待って…」

サトシ「なぁスイレン!あっちにバトルステージがあったんだよ!行ってみようぜ!」

スイレン「え?」

ルザミーネ「! さ、サトシくん…悪いんだけれどスイレンは…」

ククイ「まあまあ、子供は子供らしく、遊んでるのは一番!」

バーネット「ここはスイレンの意見を聞いてみましょ?」ニコッ

ルザミーネ「な!?」

サトシ「スイレン!」ワクワク

スイレン「私……」

スイレン「行きたい!連れてって!サトシ!」ニコッ

サトシ「へへっ!」ニッ

バーネット「だ、そうよ?」ポンッ

ルザミーネ「…………」

ククイ「大丈夫です。ウチのサトシはああ見えて強いですからね?何かあったらスイレンちゃんをゼンリョクで守りますよ!な?サトシ!」

サトシ「へへっ!任せてよ!」グッ

ルザミーネ「……そ、そう…なら…スイレンをお願いしていいかしらサトシくん?」ニコッ

サトシ「うん!行こうぜ!スイレン!」

スイレン「うん!お母様!行ってくる!」

ルザミーネ「ええ、気を付けてね?」ニコッ

ピカチュウ「ピカ」

ナギサ「ブイ」

タッタッタ

ルザミーネ「……………」ギリ…

ククイ・バーネット「………………」
23 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/24(木) 23:10:36.15 ID:BQ0J3LkI0
マオ「もぅ!お母様もスイレンもどこ行っちゃったのよー!」プクー

アマージョ「ジョ」

マオ「まったくぅ!リーリエも身動きとれないし……こういう時にしっかりしなきゃいけないのがお姉ちゃんの私……」

アマージョ「ジョ!ジョ!」クイクイ

マオ「ん?どうしたのアマー………あーっ!」

ポニ大根マラサダ「」

マオ「あ、あれはー!!ポニ大根を贅沢使ったポニ大根マラサダだよー!!」キラキラ

アマージョ「ジョ!」コクコク

マオ「私あれ食べたかったんだよねー!さすがは王宮料理!」ヒョイッ

マオ「いただきまーす!」パクッ

マオ「うん!おいし〜〜!」キラキラ

アマージョ「ジョァ」キラキラ

「あ……」

マオ・アマージョ「?」

ホシ「…ポニ大根マラサダ…最後の一つだったのに…」

マオ「ぁ……」

ホシ「ホシ…ずっと食べたかったのに…」ウルッ

マオ「え、えっとその……ごめ……」

ホシ「うわぁぁぁぁぁん!!」ビエーン

マオ・アマージョ「」ビクッ

ホシ「うわぁぁぁぁぁ!!ポニ大根マラサダ〜!!」ビエーン

マオ「あわわわわ!ど、どうしたら……」アタフタ

「こらーー!!」

マオ・アマージョ「」ビクッ
24 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/24(木) 23:25:08.15 ID:BQ0J3LkI0
カキ「誰だァ!ホシを泣かせた奴はーー!!」ズンズン

ホシ「お兄ちゃん…」グスッ

マオ「お兄ちゃん!?」

カキ「ホシィ?大丈夫か〜?お兄ちゃんが来たからもう平気だぞ〜?」デレーン

ホシ「……うん」グスッ

マオ「えぇぇぇ……?な、なんなのよこいつ…」

カキ「……お前か…ホシを泣かせた奴は?」ギロ

マオ「え?」

マオ「い、いや……これは何と言うか…」

カキ「言い訳するな!」

マオ「言い訳っていうか……確かに泣かせたのは私だけど、これは不慮の事故って言うか……」

カキ「やっぱりお前じゃないか!!」

マオ「だ、たから……あーもう!話になんないよ!」

カキ「ホシの仇は俺が討つ!俺とポケモンバトルしろ!!」クワッ

マオ「ハァ!?」

ホシ「お兄ちゃん…」グスッ

カキ「待ってろよー?ホシィ?お兄ちゃんがホシをイジメた奴をバトルで倒してやるからなー?」デレーン

マオ「(な、なんなのよコイツ…」)」

マオ「(……お母様とスイレンは勝手にいなくなるし…リーリエはモテモテだし……)」

マオ「(そ、それに比べて私は……運命の出会いどころか変な奴に絡まれて…)」ウルッ

カキ「さぁ!俺とバトルを…!」

マオ「………ぅ…」グスッ

カキ「…………へ?」

マオ「うわぁぁぁぁぁん!!」ビエーン

カキ「えぇぇぇ!?」ビクッ

カキ「あ、あの……ちょっと……」オロオロ

マオ「もうなんなのよー!!最悪だよー!!」ビエーン

カキ「ぁ……いや……」オロオロ

ホシ「……お兄ちゃん女の子泣かせたー」ジトー

カキ「い、いや……これは……」

「こらー!カキー!」

カキ「」ビクッ

マオ「………へ?」
25 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/24(木) 23:37:30.24 ID:BQ0J3LkI0
ライチ「なぁに女の子を泣かせてるのよ!」ズンズン

カキ「い、いや……これは……」

マオ「ライチさん!!」

ライチ「……って、え?マオ?」

マオ「ライチさん!アローラ!ライチさんも来てたんですね!」キラキラ

ライチ「ええ、お呼ばれしちゃってね?」

マオ「ですよねー!ライチさんはアーカラの長で私の憧れ!当然ですよ!」

ライチ「いやぁ、憧れだなんて////」テレッ

マオ「ライチさんは強くって綺麗で……それでいて意外とドジで可愛い一面も…」ウットリ

ライチ「あはは……」

ライチ「それよりマオ……ごめんなさいね?ウチの子供達が迷惑かけたみたいで」

マオ「ぜーんぜん気にしてないですよ!ライチさんのお子さんなら特別……」

マオ「………………」ピタッ

マオ「…………子供?」チラッ

ホシ「おかあさーん!」ダッ

ライチ「おーヨシヨシ」ナデナデ

カキ「お袋………」

マオ「……………」

マオ「は?」
26 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/24(木) 23:56:52.53 ID:BQ0J3LkI0
マオ「うぇぇぇ…?こ、子供……?ライチさんの?」

ライチ「ええ、そうよ?カキとホシは私の可愛い子供よ?」ニコッ

ホシ「お母さんたーいすき!」

ライチ「私もホシが大好きだぞー」チュッチュ

マオ「ら、ライチさんに子供がいたとは聞いてたけど…まさかこいつが…」チラッ

カキ「おい、どういう意味だ」

マオ「だ、だって……強くて綺麗なライチさんの息子がこんな……」

(何で私からこんな醜いヒンバスが……あんたなんて生まなければ良かったわ)

(この失敗作)

マオ「…………!」ハッ

カキ「………?どうした?」

マオ「………ごめんなさい。酷いこと言っちゃって」ペコリ

カキ「え?あ……いや、俺の方こそ言いすぎた。すまない」ペコリ

ホシ「お母さーん!このお姉ちゃん知り合いー?」

ライチ「えぇ、そうよ?このお姉ちゃんはね?いっつもお母さんのアクセサリーショップに買い物に来てくれるのよ?」

ライチ「お姉ちゃんのお母さんと妹二人と一緒にね?」ニコッ

マオ「!」

カキ「なんだ?お前も妹がいるのか?」

マオ「う、うん…まぁ…」

ライチ「ルザミーネとスイレンとリーリエはどうしたの?家族みんなで来てるんでしょ?」

マオ「………………」

ライチ「………マオ?」

マオ「………ねぇ」

カキ「なんだ?」

マオ「………さっき…ホシちゃんが泣いてた時すごい顔して駆けつけたよね?なんで?」

カキ「なんでって……そりゃあ、可愛い妹を守る為だ!当然だろ?」

カキ「俺は……ホシの為なら命もかけられる!」キリッ

ホシ「は、恥ずかしいこと言わないでよお兄ちゃん!!」プクー

カキ「怒った顔のホシも可愛いなぁ」デレーン

マオ「……………」

ライチ「……マオ、何かあったの?」

マオ「ライチさん……私にもいるんです…可愛い妹達が」

ライチ「えぇ、知ってるわ?スイレンとリーリエでしょ?マオが小さい頃からしっかりお姉ちゃんしながら二人を……」

マオ「いるんですよ、三人」

ライチ「………え?三人……?」

カキ・ホシ「?」

マオ「はい!私にもいるんです!命をかけても守りたい可愛い妹が」

マオ「三人!」ニコッ
27 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/25(金) 00:16:02.43 ID:EkarEwlM0
ルザミーネ「マオ!やっと見つけたわ!」

マオ「お母様……」

ルザミーネ「あら?ライチのところにいたのね?」ニコッ

ライチ「ルザミーネ……」

カキ「この人がマオのお母さんか?」

ホシ「綺麗な人ー」

ルザミーネ「あら?あなた達がライチの子供のカキくんとホシちゃんね?アローラ」ニコッ

カキ「ど、どうも…アローラです」ペコリ

ホシ「アローラ」ペコリ

ルザミーネ「(ライチはアーカラの長にして、アローラ一のジュエリーショップを営む資産家……それに、牧場も経営している)」チラッ

カキ「?」

ルザミーネ「(恐らくこのカキくんはライチの跡を継ぐでしょう…サトシくんとは違い、曰く付きでもない優良物件ね。いずれは三人の内の誰かと縁談を組む予定だったし、手間が省けたわ)」ニヤッ

ルザミーネ「ウフフ、マオったら…もうカキくんと仲良くなっちゃったのね?」

マオ「……………」

ライチ「ねぇ、ルザミーネ?妹達はどうしたの?」

ルザミーネ「ああ……一緒に来たんだけど…スイレンは目を離した隙にどっか行っちゃたわ」ハァ

ルザミーネ「リーリエは会場の男性達から声をかけられっぱなしで身動きとれない状態で……まったく誰に似たんだか…」ウフフ

ライチ「………もう一人は…?」

ルザミーネ「………もう一人……?」ピクッ

ルザミーネ「な、何を言っているのライチ?私の娘はマオとスイレンとリーリエの三人だけよ?ライチだって知ってるわよね?」

ライチ「………そうなの?マオ」チラッ

マオ「………違うよ」

ルザミーネ「!? な、何を言ってるのよマオ!貴女の妹はスイレンとリーリエの二人だけ……」

マオ「私には……もう一人妹がいるんだよ!」

マオ「ハプウって言う可愛い妹が!!」

ルザミーネ「……な!?」
28 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/25(金) 00:31:02.01 ID:EkarEwlM0
ルザミーネ「ちょ、ちょっと!何を言っているのかしらマオ?も、もしかして体調でも悪い……」

マオ「…………お母様、私は……もう逃げないよ!」

ルザミーネ「………な…」

マオ「私達は四人揃って姉妹なんだ…!もう、ハプウを仲間外れにもしないし…失敗作だなんて絶対に言わせない!」

マオ「………だって…私はお姉ちゃんだから!!妹は命をかけてでも守る!!」

アマージョ「ジョ!!」

ルザミーネ「………ぐ…」

ザワザワ

ルザミーネ「も、もぅー!何言ってるのよマオ?貴女の妹は二人だけでしょ?」ニコッ

ルザミーネ「そ、そういえばマオはもう一人妹が欲しいって言ってたわね?きっとそれで見えない架空の妹ハプウちゃんを想像しちゃってるのね?」ニコニコ

マオ「想像……?な、何を言って…」

ルザミーネ「……マオは疲れてるのよ。来なさい。あっちでお母さんと一緒に休みましょう」グイッ

マオ「い、痛いよお母様!はなして!!」

ライチ「……ま…」

カキ「待ってください!!」

ルザミーネ「!」

マオ「カキ……」

カキ「……マオをはなしてやってください!俺にはマオが嘘を言っているようには思えません!!」

ルザミーネ「……あなたに私やマオの何がわかるって言うのよ!くだらないことは…」

カキ「わかりますよ!マオが妹をゼンリョクで守ろうとしている目は本物だ!」キッ

マオ「うぅぅ…」グスッ

ルザミーネ「……ハッ、目?くだらない。何を根拠に」

ルザミーネ「……もうウンザリよ。ライチ、貴女からもカキくんにくだらないことを言うのはやめるよう言って……」

ライチ「……ルザミーネ、詳しく話を聞かせて貰える?」

ルザミーネ「な!?」
29 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/25(金) 01:06:23.30 ID:EkarEwlM0
ルザミーネ「(なによ……なんなのよ…今日は私達が王族に入れるかどうかの大事な日なのよ?それを……)」

ライチ「さぁ!ルザミーネ!」キッ

カキ「大丈夫か?マオ」

マオ「う、うん…ありがとうカキ」

ルザミーネ「(マオもスイレンも……貴女達は私がこれまで手塩にかけて大事に育ててきたのよ?その恩を返す時は今じゃない!!それを……!)」ギリ

ライチ「ルザミーネ!何とか言いなさい!」

ルザミーネ「……これも全部…あの失敗作のせいよ…」ボソッ

ライチ「……失敗作……?」

パッ

ルザミーネ「!」

マオ「な、なに!?急に暗く……」

ホシ「怖いよー!」

カキ「お兄ちゃんが側にいるから大丈夫だぞーホシィ」デレーン

ザオボー「えー……皆様……長らくお待たせいたしました……グラジオ王子の準備が整いましたので……」

マオ「王子!?」

ルザミーネ「!」

ザオボー「只今より……グラジオ王子にお越し頂き、皆様とグラジオ王子との交流会を始めたいと思います!!」

ワーワー

マオ「王子様との交流会……」

ホシ「王子さまー!?ホシもお話してみたーい!!」

カキ「ホシー!王子様なんかよりお兄ちゃんの方がカッコいいぞぉー?」

ライチ「………………」

ライチ「!」ハッ

ライチ「……ルザミーネ!」バッ

ガラーン

ライチ「…………いない?」
30 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/25(金) 01:22:45.28 ID:EkarEwlM0
リーリエ「急に暗く……照明が落ちたのでしょうか?」

シロン「コーン」

エーミナサマオマタセシマシタ。タダイマヨリ……

マーマネ「ギャー!!」ダキッ

リーリエ「」ビクッ

リーリエ「……ちょ…い、いきなり何をするんですか!!抱きつかないでください!!」ググ

マーマネ「ぼ、僕…暗闇が怖くって…」ギュウウ

リーリエ「トゲデマルがいるじゃないですか!はなしてっ!」グググ

マーマネ「だ、だって……」ガタガタ

トゲデマル「マキュキュ」

シロン「コンッ!」グルル

「どきなさい!!」ドンッ

マーマネ「ぎゃっ」コテン

リーリエ「……あ、あの……ありがとうございます、お陰で助かり……」

ルザミーネ「……ようやく見つけたわリーリエ?」ニコッ

リーリエ「………お、お母様…?」ゾクッ

ルザミーネ「ハァハァ……私と一緒に来なさいリーリエ!!」グイッ

リーリエ「い、痛い!何をするんですかお母様!!」

ルザミーネ「今から王子に会うわ!!もうこれしかないのよ!」

リーリエ「………王子様に……?」

ルザミーネ「……大丈夫よリーリエ、安心して!貴女なら必ず王子をゲットできるは?何せ……」

ルザミーネ「貴女は私の最高傑作なんだから」ニコッ

リーリエ「お母様……」


バトルステージ

サトシ「へー、王子様かー」

ピカチュウ「ピカー」

サトシ「どんな人なんだろうな?スイレンは会いに行かなくていいの?」

スイレン「うん、いい!それより、バトルの続きしよ!サトシ!」ニコッ

ナギサ「イッブイ!」

サトシ「!」

スイレン「(王子様には会わなくていい……だって……)」

スイレン「(私の王子様は…サトシだから…)」

サトシ「王子様かー……バトルしてみたいな…会いに行ってみるか?ピカチュウ?」

ピカチュウ「ピカピー」
31 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/25(金) 20:25:28.05 ID:EkarEwlM0
>>22

訂正

ククイ「まあまあ、子供は子供らしく、遊んでるのは一番!」

ククイ「まあまあ、子供は子供らしく遊んでるのが一番!」
32 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/25(金) 22:25:44.01 ID:EkarEwlM0
一方その頃

〜〜〜〜〜〜

ひがんの遺跡

ジェイムズ「それではハプウお嬢様。お気をつけて」ペコリ

ブロロロロロ……

ハプウ「送ってくれてありがとうなのじゃジェイムズー!」フリフリ

ドロバンコ「ドロー」

ハプウ「お母様が執事達にわらわが屋敷から出ぬよう見張らせると言っておったが……」

ハプウ「ジェイムズ…わらわが屋敷から出る手引きだけではなく、遺跡まで送ってくれるとは……これもリーリエ姉様がジェイムズに協力を頼んでくれたお陰なのじゃな」

ドロバンコ「ドロー」

ハプウ「……さてと」チラッ

ドヨーン

ハプウ「ひがんの遺跡……来るのは久しぶりじゃ……」

ハプウ「確かここには……守り神、カプ・レヒレが訪れると言う言い伝えが……」ゴクリ

ハプウ「リーリエ姉様が言うには……指定した時間に大切な物を一つと…」ヒョイッ

大切な物→ポニ大根

ハプウ「ポケモンを一匹つれてここに来いとのことじゃったが…」

ドロバンコ「ドロー」

ハプウ「……いったいここで何が…賢いリーリエ姉様のことじゃ、お母様にバレた時のリスクも考えれば何か意味はあるのじゃろうが……」ウーン

「あー!きたきた」

ハプウ・ドロバンコ「」ビクッ
33 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/25(金) 22:47:10.64 ID:EkarEwlM0
マツリカ「アローラアローラ。キミがハプウだね?」ニコッ

ハプウ「ぬぅぅ……わ、わらわの名前を知っておるじゃと!?お主!何者じゃー!!」ビシッ

マツリカ「……………」ニコニコ

ハプウ「ま、まさか……守り神カプ・レヒレが人間の姿を借りて……」

マツリカ「……フッフッフ」ニヤッ

ハプウ・ドロバンコ「」ゴクリ

マツリカ「あー違う違う」フリフリ

ハプウ「なんじゃ、違うのか」

マツリカ「私がキミの名前を知ってたのは、キミが今日、この時間にここに来ることを知っていたから」

ハプウ「わらわが来ることを知っていた……?」

マツリカ「そう、頼まれてたから。キミのこと!キミのお姉さん達に」

ハプウ「姉様方に……?いったいお主は何者じゃ!」

マツリカ「……私はすっげーこの島の守り神、カプ・レヒレ様の使い、マツリカ!」

ハプウ「ま、守り神の使いじゃと!?」

マツリカ「そう!実は数日前、カプ・レヒレ様にお願い事に来たキミのお姉さん達と会ってね。キミのことを頼まれてたんだ」

ハプウ「姉様方が……守り神に頼み事……?」

マツリカ「うん、そう。妹を今日王宮で開かれる舞踏会につれていってほしい!っね?」

ハプウ「わららを……舞踏会に……?」

ハプウ「(姉様方……ワザワザわらわなんかの為に守り神に会いに…… )」ウルッ

マツリカ「……ま、カプ・レヒレ様はその頼み事は断ったけどね」

ハプウ「え?そうなのか!?」

マツリカ「まー…カプ・レヒレ様は島の守り神だからね。一個人の私的なお願いまで叶えてたらキリがないよ」

ハプウ「そ、そうかもしれぬが……」

マツリカ「……でもキミのお姉さん達があまりにも熱心に頼むもんだからねー…そこでカプ・レヒレ様は仰ったんだ」

ハプウ「え?」

マツリカ「……私はその願いを叶える事はしない。ただし……」

マツリカ「……守り神の使いである、あなたが協力するのは自由だ!ってね!」ニコッ

ハプウ「そ、それはいったいどういう…」

マツリカ「……私は所詮守り神の使い…カプ・レヒレ様のように死者の声をきくーとか、大それた事は出来ない……でも……」

マツリカ「……かけることはできる。一夜限りの魔法くらいなら」ニコッ

ハプウ「一夜限りの……魔法……?」ゴクリ
34 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/25(金) 23:03:37.05 ID:EkarEwlM0
マツリカ「まずは…こっから王宮までちょっと遠い。足が必要だ」

マツリカ「お姉さんに言われなかった?ポケモンと大事な物を一つ持って行けって」

ハプウ「こ、これでいいのか?」スッ

ドロバンコ「ドロー」

マツリカ「ポニ大根にドロバンコ……うん、おあつらえ向き!」

マツリカ「では早速…」スッ

ハプウ「な、何をする気じゃ…?」ドキドキ

マツリカ「テクマクダイコンテクマクダイコン馬車になぁ〜れ〜!」

ビビビ

ドロバンコ「ドロー!」

ポニ大根「」

ボフン

ハプウ「あ、あ〜〜!!わらわの大切なポニ大根とドロバンコに何をするのじゃー!!」

マツリカ「フフフ…」

ハプウ「な、何を笑って……」

バンバドロ「ドロー!!」

ハプウ「……って……なぁ!?ドロバンコがバンバドロに進化した!?」

バンバドロ「ドロー!!」

ハプウ「ぬあぁー!!カッコいいのじゃバンバドロー!」キラキラ

バンバドロ「ドロ////」テレッ

マツリカ「それだけじゃないよ?」スッ

ハプウ「!」

ポニ大根の馬車「」キラキラ

ハプウ「こ、これは!?ポニ大根が馬車に!?」

マツリカ「うん、そのポニ大根をバンバドロに引かせて城に向かうといい」ニコッ

ハプウ「あ、ありがとうなのじゃ!マツリカ!」

マツリカ「フフッ、お礼はキミのお姉さん達に」ニコッ

マツリカ「それに……まだ終わりじゃない」

ハプウ「え?」

マツリカ「キミ……もしかしてその格好で行くつもりしてる?舞踏会」

ハプウ「あ……いや…そう言われてみれば……」

ハプウ「…そうじゃな…よく考えれば、わらわ……舞踏会に相応しいドレスもアクセサリーも…何も持っていないのじゃ…」

マツリカ「…………」

ハプウ「それにわらわ……姉様方のように美しくも可愛くもない……」

ハプウ「やはりわらわには舞踏会は場違いなのじゃ…」

バンバドロ「ドロー」
35 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/25(金) 23:17:07.29 ID:EkarEwlM0
マツリカ「そうかな?」

ハプウ「……え?」

マツリカ「……お城で綺麗なドレスを着て、自分だけの王子様とダンスをする…誰だって一度は見る夢だ。女の子なら」

ハプウ「…………」

マツリカ「似合う似合わないじゃない。そんなの人の価値観。一夜限りの夢だ!好きに見たっていいと思う」

ハプウ「……夢……」

マツリカ「そう、そして私はその夢を描くんだ」スッ

マツリカ「ハプウ。キミの描きたい夢は?」

ハプウ「……わらわ……」

ハプウ「……純白のドレスと……ガラスの靴が欲しい////」モジモジ

マツリカ「心得た!」ニコッ

マツリカ「……私はまだまだ半人前……私の魔法は一夜……今日の午前0時までしかもたない…」

ハプウ「午前0時……」

マツリカ「……でも……キミやキミのお姉さん達の思いに心を射たれた…だから、一夜だけでもゼンリョクで描ききってみせる!キミの夢を!」

ハプウ「マツリカ……」

マツリカ「ハプウ……いや……魔法のかかっている今宵限りキミは……」

マツリカ「ポニデレラだ!」ニコッ

ハプウ「ポニ……デレラ……?」

マツリカ「…………テクマクダイコンテクマクダイコン…」スッ
36 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/25(金) 23:38:35.26 ID:EkarEwlM0
アローラ王宮前

アセロラ「右よーし!左よーし!現在付近に異常はありません!クチナシ隊長!」

ミミたん「キュー!」

クチナシ「おー、そうかいそうかい。ならもう帰っていいぜアセロラ隊員」

アセロラ「ちょ、ちょっと!お父さん!なによそのテキトーな返事は!」プンプン

ミミたん「キュー!」プンプン

クチナシ「うっせーなぁ。邪魔だから帰れっつってんだよ!」

アセロラ「………じゃ、邪魔って…せっかく娘がお父さんのお仕事のお手伝いしてあげてるのに!!」

クチナシ「………今回は王族や貴族サマ方のパーティーの警備っつー重大な仕事なの!」

クチナシ「…………城ん中にはこの国のお偉いさん方が集まってんだ。テロリスト達からしたらいい的だ。一歩間違えば国が転落、遊びじゃねぇんだよ」

アセロラ「で、でも……アセロラだって何かお父さんの役に立ちたいよ…」

クチナシ「………ならお前も城ん中の舞踏会に参加して王子様をゲットでもしてこいや。お前がお姫様にでもなったら最高の親孝行だろうよ」ケッ

アセロラ「な、なによそれ!娘を政略結婚の道具に使う気?お父さん最低ー」ジトー

ミミたん「キュー」ジトー

クチナシ「うっ!ふ、二人してそんな目で見んな!冗談にきまってんだろ!」

クチナシ「……大事な一人娘だ。例え王子だろーと、俺が認めた男にしかお前らやんねーよ」ボソッ

アセロラ「え?」ピクッ

アセロラ「なになにお父さん?デレた?デレたのかなー?」ニヤニヤ

ミミたん「キュー?」ニヤニヤ

クチナシ「うるせー!////」プイッ
37 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/26(土) 00:00:34.75 ID:X904hhkJ0
クチナシ「アセロラ!いいからガキはガキらしく城ん中に行ってろ!これは大人の仕事なんだよ!」

アセロラ「んー…まぁ、お父さんも珍しくやる気みたいだし仕方ないっか…」

アセロラ「確か舞踏会にはサトシも来てるしね!行こっか!ミミたん!」

ミミたん「キュー」

クチナシ「」ピクッ

アセロラ「まー…サトシのことだしきっと、舞踏会でもバトルバトル〜とか言ってるんだろうね?」

アセロラ「舞踏会でそれじゃ普通の女の子じゃサトシにはついていけないだろうしね……ここはやっぱりアセロラが付き合ってあげるしかないね」ウンウン

ミミたん「キュー」コクコク

クチナシ「ちょっと待て!」ガタッ

アセロラ「な、なによ!?」ビクッ

クチナシ「アセロラァ…言っておくが俺はあいつをまだ認めてねぇ」

アセロラ「ハァ?」

クチナシ「俺はあの兄ちゃんを認めてねぇっつってんだよ!!」

アセロラ「な、何言ってるの!お父さん、サトシにバトル負けたじゃん!」

クチナシ「あれは兄ちゃんのレベルに合わせたまでだ。ゼンリョクは出しちゃいねー」

アセロラ「ルガルガンZも渡してたよ!あれって認めたようなもんだよ!」

クチナシ「なんだアセロラ?お前あいつの嫁に行きてぇの?ま、俺は絶対に認めねーけど」

アセロラ「よ、嫁とか……まだそんな話はしてないよ!!」

クチナシ「"まだ"だぁ?」

アセロラ「ふんだっ」プイッ

ドドドド

アセロラ「……もぅ!だいたいお父さんは……」

ノジャー

アセロラ「……え?」

クチナシ「……なんの音だ?」
38 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/26(土) 00:59:15.34 ID:X904hhkJ0
ハプウ「バンバドロ!!10まんばりきじゃ!!」

バンバドロ「ドロー!!」

ダダダダ

ピュー

クチナシ「……な…」ポカーン

アセロラ「……なにあれ……?バンバドロが引くおっきな大根に乗ったドレスを着た女の子??」オクチアングリ

クチナシ「………って、ポカンとしてる場合じゃねぇ!」ダッ

アセロラ「お父さん!?」

クチナシ「あのヘンテコなもんがなんだか知らねぇが……真っ正面から城に突っ込むたぁまともじゃねぇ!」

クチナシ「何かあってからじゃ遅ぇ!あいつを追う!!」

アセロラ「待って!!アセロラとミミたんも行くよ!!」

ミミたん「キュー!」

クチナシ「!」

クチナシ「(……ここに置いていきてぇところだが……もしあいつにまだ仲間が居たとしたら、かえって危険か……)」

クチナシ「(ここの守りは部下に任せて、一緒につれていった方が安全かもなぁ…)」

クチナシ「アセロラ!!俺から離れんじゃねぇぞ!!」

アセロラ「うん!!」

ミミたん「キュー!!」


ハプウ「魔法がとけるまでの時間は後一時間……」

ハプウ「(せっかく姉様方がわらわの気持ちを汲んで、守り神に頼んでまで作ってくれた舞台なのじゃ…)」

ハプウ「ならばわらわは……例え一時間であろうと、この夢の一時をゼンリョクで楽しむのじゃ!!」

ハプウ「王宮までゼンリョクなのじゃー!!レッツゴー!バンバドロ!!」

バンバドロ「ドロー!!」ググッ



ドドドドドドドド………
39 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/26(土) 18:51:40.24 ID:3xE/BU790
>>36
訂正
クチナシ「……大事な一人娘だ。例え王子だろーと、俺が認めた男にしかお前らやんねーよ」ボソッ

クチナシ「……大事な一人娘だ。例え王子だろーと、俺が認めた男にしかお前はやんねーよ」ボソッ
40 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/27(日) 12:55:56.45 ID:yQ4wHYyR0
王宮内

ワイワイガヤガヤ

グラジオ「……………」

キャーグラジオオウジー

イケメーン

タマノコシ…

ザオボー「はいはーい!皆さん!押さないでくださーい!グラジオ王子との謁見は順番に…順番に並んでお願い致しまーす!」

グラジオ「…………」

ザオボー「いやはや…流石はグラジオ王子様でございます!物凄い人気ですねぇ」ニコニコ

グラジオ「フンッ」

ザオボー「それで?王子。王子のお目にかかる女性はいましたでしょうか?」ニコニコ

グラジオ「……オレは父様が舞踏会に出ろときかないから出たまでだ。興味ない」

ザオボー「王子ー!そう仰らないで!今日の舞踏会は、王子自ら気に入った女性を見定める機会を作って頂いた……謂わば、国王様からの親心なんです!」

グラジオ「頼んだ覚えはない」

ザオボー「王子!アローラはいずれ王子が国王となり、統治するのですよ?その為には、王子を支える妃様と跡継ぎの存在が必要不可欠!」

グラジオ「オレにはシルヴァディがいるから問題ない」ナデ

シルヴァディ「ヴァディ」

ザオボー「……ハァ…そんなワガママばかり言っていると、他国の姫君と無理やり縁談を組まされますよ?」ジトー

グラジオ「………………」ムスッ

ザオボー「王子!お妃様の問題は別として、これは我が国の王子がどのようなお方か、国民が知る機会でもあるのです!」

ザオボー「……せめて笑顔で応対してください!」

グラジオ「……笑うのは苦手だ」
41 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/27(日) 19:06:14.45 ID:yQ4wHYyR0
「王子さまー!」

グラジオ「!」

ザオボー「ほらほら、王子!笑顔笑顔!」

グラジオ「………………」

ホシ「うわぁ!近くで見たら王子さまカッコいいー!」キラキラ

グラジオ「……そんな事は……」

ザオボー「ありがとうございますお嬢ちゃん。王子様もとっても喜んでおりますよー!ね?王子?」

グラジオ「……あ、ああ……」ヒクヒク

ホシ「ほんとー!やったー!」

ザオボー「ほら王子!いつまでもむっつり顔してないで笑顔を作ってください!」ヒソヒソ

グラジオ「(微笑んだつもりだったんだが……)」

ホシ「王子さま!ホシをお嫁さんにして!」

グラジオ「な!?」

ザオボー「おやおやおや、これはこれは嬉しい申し出ですねぇ王子様?」ニコニコ

ザオボー「ですが……お嬢ちゃんはまだ小さい、もう少し大きくなってから……」ニコニコ

ホシ「えー?」

「おい!!」

グラジオ・ザオボー「!」

カキ「ふざけるな!!いくら一国の王子とは言え、ホシはやらんぞ!!」ズカズカ

マオ「ちょ、ちょっとやめなよカキ!相手は王子様だよ!?」

ホシ「お兄ちゃん!?」

ザオボー「な、なんですかあなたは!!王子に向かって無礼な!!」プンプン

グラジオ「…………」

マオ「あー…えっと、ごめんなさい!この人ちょっと酔ってるんですよ…」エヘヘ

カキ「俺は酔ってなんかいない!」

マオ「いいから!さっさと行くよ!王子様にそんな態度とって牢獄に入れられちゃっても知らないよ?」ヒソヒソ

カキ「おい!」ズイッ

グラジオ「!」

カキ「ホシが欲しがったら俺とバトルしろ!」

グラジオ「バトル……だと?」

マオ「ちょ、ちょっと!カキ!」
42 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/27(日) 19:22:08.58 ID:yQ4wHYyR0
マオ「アホー!」ベチン

カキ「いだっ!」

カキ「な、なにするんだマオ!」

マオ「カキ!ホシちゃんが大切なのもわかるけど、時と場合と相手を考えてよ!」

カキ「で、でもこのままじゃホシが…」

ホシ「………お兄ちゃん最低…ホシ、恥ずかしいよ…」ハァ

カキ「そんな!?」ガーン

マオ「ほらね?しっかり周りを見てよ!」

カキ「うぅぅ……王子と俺なら俺の方がイケメンだよなぁ?」

マオ「んー……100人居たら99人が王子の方がカッコいいって言うんじゃないかなー?」

カキ「え!?」ガーン

ギャーギャー

ザオボー「……まったく、度重なる王子への無礼な態度の数々、見過ごせません!ここは……」

グラジオ「待て」

ザオボー「!」

グラジオ「……面白い奴だ」フッ

ザオボー「(王子が笑った……?)」

「うっわー!すっげー!」

グラジオ・ザオボー「!」

サトシ「見ろよピカチュウ!スイレン!ナギサ!こんなポケモン見たことないぜー!強そう!カッコいいー!!」キラキラ

ピカチュウ「ピカー」

シルヴァディ「ヴァディ///」テレッ

スイレン「さ、サトシ!それ、王子様のポケモン!」ハラハラ

ナギサ「ブイ」
43 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/27(日) 19:43:38.85 ID:yQ4wHYyR0
サトシ「え!?王子様のポケモンなの!?」ワクワク

グラジオ「あ、ああ……そうだが…」

サトシ「なんてポケモン!?俺とバトルしてよ!」キラキラ

グラジオ「………シルヴァディだ。…バトル…」

スイレン「ちょ……!サトシ…!」ヒェー

カキ「おい待てサトシ!」

サトシ「あれ?カキじゃん!久しぶり!」

カキ「王子とのバトルは俺が先約だ!お前は俺の後にしろ」

ザオボー「王子はそんな約束をしておりません」

サトシ「だってさ!じゃあ俺が先な!」

ザオボー「そういう話ではありません!」

サトシ「えー?何だよそれ!ケチー!」ブーブー

ザオボー「ケチではありません!」

カキ「……ならこうしよう!俺とサトシ、バトルで勝った方が王子とバトルできる!どうだ?」

サトシ「おっ!それいいな!そうしようぜ!決まり!」ワクワク

ザオボー「ちょ……あなた方!何を勝手に!!」

ワイワイ

マオ「あー……もう!まったく!これだから男子は!」

スイレン「恐れを知らない……」ハァ

マオ・スイレン「ん?」

マオ「あれ?スイレン?」

スイレン「マオ姉……」

マオ・スイレン「………………」

マオ「……何となくスイレンの気持ちが察せるよ…」アハハ

スイレン「……こっちも。マオ姉、心中お察しする…」ウンウン

マオ「………カキったらシスコンでさ?妹の為なら周りが見えなくなるっていうか…」

スイレン「……サトシも。バトルバトルで……何でもかんでもたいあたり!」

マオ「(……まぁ…)」

スイレン「(……でも…)」

ホシ「"そんなところもいいと思ってる"だよね?お姉さん達」ヒョコッ

マオ・スイレン「/////」ビクッ

ギャーギャー

グラジオ「…………」

グラジオ「(面白い奴らだな)」フッ
44 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/27(日) 20:05:13.36 ID:yQ4wHYyR0
「ちょっとそこ、どいて頂いてよろしいかしら?」ドンッ

カキ「!」

サトシ「…あの人は!?」

スイレン「お母様…」ビクッ

マオ「……!スイレン!お母様がつれてるの!」

スイレン「!」

ルザミーネ「アローラ。王子様」ニコッ

グラジオ「!」

ルザミーネ「王子様…私、エーテル財団代表のルザミーネのと申します。どうぞお見知りおきを」ニコッ

グラジオ「………」

ザオボー「おぉ!エーテル財団と言えばあの大企業の……本日はよくお越しになられました!」

ルザミーネ「……本日は王子様に我が娘をご紹介したく、参りました。来なさい、リーリエ!」グイッ

リーリエ「い、痛いです!お母様!」

マオ「リーリエ!」

スイレン「やめてお母様!リーリエが痛がってる!」

ルザミーネ「あら、いたの?貴女達」

リーリエ「マオお姉様…スイレンお姉様…」ウルッ

ザオボー「おぉ!これはこれは……噂に聞くルザミーネ代表殿の御息女となれば…とてもお美しい…」

ルザミーネ「ありがとうございます」ニコッ

リーリエ「うぅ…」

グラジオ「……………」

ザオボー「王子!あのお嬢ちゃんなら家柄、容姿は問題ありません!それに…ルザミーネ代表殿の御息女なれば、王族の妃として申し分ない気品も兼ね備えている筈です!」ヒソヒソ

グラジオ「……………」

ルザミーネ「フフフ」ニコッ

リーリエ「……………」

ザオボー「どうですか王子様、あのお嬢ちゃん…リーリエ穣と少しお話しされては…?」ヒソヒソ

グラジオ「……………」

スッ
45 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/27(日) 21:05:37.19 ID:yQ4wHYyR0
リーリエ「(この方が王子様……)」

グラジオ「……………」ツカツカ

ルザミーネ「フフッ」ニヤッ

グラジオ「………大丈夫か?」

リーリエ「え?」

グラジオ「………おい」

ルザミーネ「はいはい。なんでしょうか王子様?」ニコニコ

グラジオ「………この娘、さっき泣いていたように見えた」

ルザミーネ「!?」

グラジオ「……まさか…嫌がる娘を無理やりこの場につれてきた訳ではないだろうな?」ギロッ

ルザミーネ「……な!?」

リーリエ「王子……様…」

ルザミーネ「な、何を仰います王子様!娘のリーリエは以前からずっと王子様に会いたい!と申しておりました」ニコニコ

ルザミーネ「娘も……こうして王子様に会え、光栄に思っております!ね?リーリエ」チラッ

リーリエ「は、はい…お会いできて光栄です…王子様…」ガタガタ

グラジオ「…………」

ルザミーネ「ご覧の通り。娘もこう言っております」ニコッ

ザオボー「そうですよ王子様。あのルザミーネ殿が嫌がる娘を無理やりなんて事は……」

グラジオ「そうか?」

ルザミーネ「へ?」

グラジオ「………理由はわからかいが…少なくともオレには、その子が何かに脅えているように見えるが……?」

ルザミーネ「な!?」

リーリエ「………王子様……」ウルッ

リーリエ「わ、私……!」

ルザミーネ「……………」パチン

バリバリバリ

グラジオ「!」

カキ「な、なんだ!?」

ホシ「空間が裂けてる!?」

マオ「ま、まさか……」ゾクッ

ヌッ

ウツロイド「……………」ズズズ

サトシ「裂けた空間から変なポケモン?が出てきた…」

ピカチュウ「ピカッ…」ゾクッ

スイレン「ぁ……あ……」ガタガタ

サトシ「! お、おい!どうしたんだよスイレン!!」

グラジオ「(あれはまさか……?)」
46 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/27(日) 21:07:29.52 ID:yQ4wHYyR0
>>45
訂正
グラジオ「………理由はわからかいが…少なくともオレには、その子が何かに脅えているように見えるが……?」


グラジオ「………理由はわからないが…少なくともオレには、その子が何かに脅えているように見えるが……?」
47 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/27(日) 21:23:26.99 ID:yQ4wHYyR0
ルザミーネ「…………」パチン

ウツロイド「………………」ヌッ

シュッ

マオ「キャア!」ガシッ

スイレン「アァ!」ガシッ

サトシ「スイレン!」

カキ「マオー!」

リーリエ「お母様!マオお姉様とスイレンお姉様に何をするんですか!!」

ルザミーネ「少し黙っていなさいリーリエ。貴女達には今から、今まで大切に育てた分の親孝行をしてもらうんだから」ニコッ

リーリエ「親孝行……?」

サトシ「くっそー!スイレンはなせー!」ダッ

カキ「マオ!今助けるからな!」ダッ

スイレン「サトシ…」ウルッ

マオ「カキ……」

ルザミーネ「フンッ!私の大切な娘にまとわりつく害虫が…」パチン

ウツロイド「………………」スッ

ブンッ

サトシ「……ぐあっ!!」ドサッ

カキ「…うっ!」ドサッ

ピカチュウ「ピカピー!!」

ホシ「お兄ちゃん!!」

スイレン「サトシ!」

マオ「カキ……!!」

ルザミーネ「ウフフ、これで邪魔者は消えたわね?さぁ…」

ウツロイド「……………」ポイッ

マオ・スイレン「キャア!!」ドサッ

リーリエ「マオお姉様!スイレンお姉様!」

マオ「うぅ……」

スイレン「……痛い…」

ザオボー「る、ルザミーネ殿!これはいったい何のつもり……」

ルザミーネ「フフッ、王子様……右から…マオ、スイレン、リーリエ……私の自慢の娘でございます」

グラジオ「…………」

ルザミーネ「さぁ、好きな娘をお選びください……なんなら……」

ルザミーネ「三人全員さしあげてもよろしくてよ?」ニコッ
48 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/27(日) 21:45:51.25 ID:yQ4wHYyR0
グラジオ「シルヴァディ」

シルヴァディ「ヴァディ!」

ザオボー「お、王子様!何を……」

グラジオ「あの女が呼び出したポケモン……恐らくあれは父様が言っていた"ウルトラビースト"だ」

ザオボー「う、ウルトラビースト!?まさか……そんな…」

ウツロイド「……………」ウネウネ

ザオボー「ですが……確かウルトラビーストは我々の住む世界とは別世界のポケモンだと聞いたことがあります…何故そのようなポケモンをルザミーネ殿が……」

グラジオ「さぁな……だが…」チラッ

ルザミーネ「ウフフ」ユラッ

グラジオ「…………あのウルトラビーストは別名"パラサイト"人間に寄生し、強力な神経毒で感情を操ると言われているポケモンだ」

ザオボー「で、では…ルザミーネ殿は既にあのポケモンに……」

グラジオ「恐らくな」

ルザミーネ「フフフ…アハハハハハ!!さぁ、王子様!娘達をどうぞ好きにしてください!」

リーリエ「そんな…お母様……」グスッ

スイレン「うあぁぁぁぁ……!!」

マオ「……ごめんねハプウ……あなたを助けてあげられなかったバチが当たったんだね…」

ウツロイド「………」ウネウネ

ザオボー「……くっ!至急クチナシ殿と警務部隊に連絡を!」

グラジオ「いらん。それよりも王宮にいる人間を避難させろ」

ザオボー「な!?王子……まさか……あのポケモンと戦うおつもりですか!?」

ウツロイド「………」ウネウネ

グラジオ「ああ、そのまさかだ」フッ

グラジオ「いくぞシルヴァディ!!」

シルヴァディ「ヴァディ!!」

ドドドド

グラジオ「………ん?」ピクッ

サトシ「……くそっ!俺達も……」

カキ「待てサトシ!」

サトシ「なんだよ!!早くあいつを倒さなきゃスイレン達が……」

カキ「…何の音だ…?」

サトシ「……え?」

ノジャー

リーリエ「…………マオお姉様…スイレンお姉様……」

スイレン「う、うん……この声……」

マオ「……まさか…」
49 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/27(日) 23:00:08.98 ID:yQ4wHYyR0
ドカーン!!

パラパラ

バンバドロ「ドロー!!」

ホシ「な、なに!?」

カキ「壁を破壊してデカい大根を引いたバンバドロが入ってきた!?」

ザオボー「ぬあぁぁぁー!!王宮の壁がー!!」

スイレン「あの大根馬車…まさか…」

マオ「うん!間違いないよ!」

リーリエ「ハプウ……」

ヨロッ

ホシ「あ!中から誰か出てきたよ!」

ハプウ「うぅ……しまった!勢いあまって壁を破壊してしまったのじゃ…」

ザオボー「あなた!歴史あるアローラ王宮の壁になんてことを……!」

ハプウ「」ビクッ

サトシ「ねぇねぇ!その大根の馬車なに?どうなってんの!」ズイッ

ザオボー「モガ」

ハプウ「えっと、これは……」チラッ

ハプウ「! ね、姉様方!そんなとこに倒れてどうしたのじゃ!?」

リーリエ「ハプウ……」

サトシ「! その子、知り合いなのか?」

スイレン「うん、妹…」

サトシ「妹!?」

リーリエ「ハプウ……そのドレスとガラスの靴は……」

ハプウ「……姉様方が守り神に頼み事をしてくれたお陰なのじゃ!」

ハプウ「……ありがとうなのじゃ!マオ姉様!スイレン姉様!リーリエ姉様!」ニカッ

スイレン「……私達はたいしたことしてない!」

マオ「うん、そうだよ!それは……今まで色んな事を我慢してきたハプウに対しての、神様からのご褒美だよ!」

ハプウ「マオ姉様…スイレン姉様……」ウルッ

リーリエ「ハプウ……そのドレスと靴……」

リーリエ「とっても似合ってて素敵です!」ニコッ

ハプウ「リーリエ姉様……」グスッ

サトシ「……姉妹…か……へへっ、何かいいな?こういうの!」ニッ

カキ「美しい姉妹愛!俺は今モーレツに感動しているっ!」ウルウル

ホシ「あはは……」

グラジオ「おい、取り込み中悪いが…」チラッ

ハプウ「!」

ルザミーネ「……何であの失敗作がここに……!」ギリッ

ハプウ「……お母様……?」
50 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/27(日) 23:27:39.85 ID:yQ4wHYyR0
ハプウ「なんじゃ!?何やらお母様の様子がおかしいのじゃ!」

グラジオ「恐らくあいつに操られているんだ」チラッ

ウツロイド「…………」ウネウネ

ハプウ「あやつは!!いつもお母様と一緒にいるポケモン…」

ルザミーネ「ハプウ……何で貴女がここに居るのよ!?屋敷から出るなと言いつけてあったでしょ!」

ハプウ「そ、それは……」タジ

ルザミーネ「……それにそのドレスやガラスの靴はどうしたの!?まさか…」チラッ

マオ・スイレン・リーリエ「」ビクッ

ハプウ「ち、違うのじゃ!これは姉様方には関係ない!!」

リーリエ「ハプウ……」

ハプウ「それに……わらわはハプウではない…」

ハプウ「ポニデレラなのじゃっ!!」ドーン

スイレン「ポニ……」

マオ「デレラ……?」

ルザミーネ「……ポニデレラだかなんだか知らないけど…薄汚いヒンバスの貴女にその美しい純白のドレスと靴は似合わないわ…」ブツブツ

ルザミーネ「これ以上私に恥をかかせないで!!」キッ

ウツロイド「………………」ビュッ

ハプウ「!」

カキ「クラゲの触手が!!」

サトシ「危ない!逃げろポニデレラ!!」

グラジオ「くそっ!シルヴァ……」

ハプウ「バンバドローー!!」

バンバドロ「ドロー!!」ダッ

ガシッ

ウツロイド「!?」ググッ

バンバドロ「ドロ?」ニヤッ

ルザミーネ「な!?」

グラジオ「なんだと……?あのウルトラビーストの攻撃を…」

サトシ「すっげー!!バンバドロがクラゲの触手を受け止めた!!」

ピカチュウ「ピカー!」

ハプウ「こらー!!化け物!!」

ウツロイド「!」

ハプウ「マオ姉様やスイレン姉様やリーリエ姉様を……」

ルザミーネ「な、なんであの失敗作ごときがウツロイドの攻撃を……」ブツブツ

ハプウ「お母様を苛めたお前を……絶対に許さないのじゃ!!」

マオ「ははは……まったく、私達の妹は…」

スイレン「……うん、強くて…優しくて…凛々しくて…」

ハプウ「わらわが成敗してくれるのじゃ!いくぞバンバドロ!!」

バンバドロ「ドロー!!」

リーリエ「………はい!最高の……自慢の妹です!」ニコッ

シロン「コーン!!」
51 : ◆V7Lv5KATKg [saga]:2019/01/28(月) 00:24:55.53 ID:NLvEYj4D0
オーイ

マオ・スイレン・リーリエ「!」

サトシ「大丈夫かー!」タッタッタ

ピカチュウ「ピカー!」タッタッタ

カキ「バトルが激しくなりそうだ!今の内にここを離れるぞ!」

カキ「立てるか?マオ」スッ

マオ「う、うん…なんとか…ありがとうカキ…」

アマージョ「ジョ」

サトシ「スイレン!歩けるか?」

スイレン「大丈夫!ありがとうサトシ」ニコッ

ナギサ「ブッイ」

リーリエ「………………」

「大丈夫?」

リーリエ「!」

マーマネ「手を貸そうか?」スッ

トゲデマル「マキュキュ」

リーリエ「あ、あなたは!!」

シロン「コーン」

マオ「え?リーリエ!誰その人?」ワクワク

スイレン「もしかして…リーリエのイイ人?」ウキウキ

リーリエ「えーと……」

マーマネ「フフフ」

リーリエ「論理的結論から言いますと、先程電気が消えた時に、暗闇で私に抱きついてきた方です」

マオ・スイレン「!?」

マオ「ちょっと!ウチの可愛い妹にナニしてるのよ!!」

スイレン「ぶっ飛ばす!!」ヨロッ

マーマネ「えぇ!?ちょ、ちょっと待ってよ!これには事情が…」アセアセ

マーマネ「リーリエからも何とか言ってよ!」

リーリエ「まぁ、事実ですし…」

シロン「ゴン!!」グルル

マーマネ「ちょ……」

ギャーギャー

カキ「………あいつら…俺達より元気じゃないか?」

サトシ「あー……みたいだな…」ハハハ

ピカチュウ「ピカー」

グラジオ「おいお前ら、遊んでないでさっさと避難しろ」
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