志熊理科「だって僕たち、友達だろ?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/01/17(木) 21:21:52.40 ID:cHRv/WFs0
「小鷹先輩、お茶が入りました」
「ああ、ありがとう」

はい、どうもどうも。皆さん、こんにちは。
隣人部の白衣の天使こと、志熊理科です。
えっ? キモいですか? はい、知っています。
理科の容姿が相対的に、他の女性と比べて劣っていることは、自分でもよくわかっています。
ですが、統計にも例外があるものでして。
目の前に座っている、目つきが悪いくすんだ金髪のヤンキーこと、小鷹先輩は、こう評します。

曰く、野山に咲く一輪の花のようだ、と。

「ケッ。いつの時代の口説き文句だっての」
「ん? なんか言ったか?」
「いえいえ、こちらのことです。それよりも、理科が淹れたお茶は、お口に合いましたか?」
「ああ、美味いよ。茶葉は何使ってるんだ?」
「それは、企業秘密です」

きゃぴっ! と、柄にもなく、可愛こぶります。
理科の年頃の女の子とは、こういうものです。
なにぶん理科は他とはかなりズレているので。
そのように振る舞えば、おかしくありません。

「ていうか、本当に腹減ってないのか?」
「小鷹先輩と過ごしているだけで、満腹です」
「せっかく、お前の分も作ってきたのに」
「そのお気持ちだけで、理科は嬉しいですよ」

只今の時刻は昼休みで、場所は理科室です。
この部屋は、勉強に使う教室ではありません。
理科だけの特別な部屋で2人っきりの空間です。
面倒見の良い小鷹先輩はお弁当を作ってきてくれましたが、理科はそれを食べませんでした。
理科も本当は、一緒に食べたかったのですが、今日に限っては我慢をする必要がありました。

理科の壮大な実験は既に始まっているのです。

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