【艦これ】外地鎮守府管理番号88 特別番外編 香港騒乱

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46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 18:54:45.95 ID:UdZIN3p00
乙です
これが鼠輸送ってやつですか(違う
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/17(木) 16:46:46.24 ID:FntaeXg4O
乙です
白露型に限らず駆逐艦娘が戦場以外で酷い目にあっているとしたら嫌な気分になりますね
悪いことした人たちには報いを受けさせてください
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 00:52:40.03 ID:jo7lW8fX0
寒いですね、ほんとつらみ
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/24(木) 00:54:52.11 ID:jo7lW8fX0
長門「これは予想以上に酷いな。」

雪風「吐き気を催しますね…。」

川内「なんて酷い。」


一同が扉の向うの惨状に絶句する。

そこには多くの艦娘だった者達が並べられていた。



時雨「………。」



近くのベッドの上に眠らされているのは

白露型の制服を着た艦娘。

ただ、その様は異様の一言に尽きた。

逃亡防止目的かはたまた別の理由か

四肢は切断され体の至るところから管が伸びている。



摩耶「時雨……。」



時雨が黙ったままその制服を捲る。

そこには穴があった。

内蔵はひとつ残らず摘出され、

その心肺機能は全て周囲の機械が役割を果たしている状況。

正しく表現をするなら、それは生きる屍だった。



時雨「あんまりだよ……。」

摩耶「その脇にある機械を止めれば……。」



服を元に戻し合掌。



時雨「ごめんよ。僕にしてあげられるのはこれくらいで。」



そして、機械は止められた。



時雨「………。安らかに。」



合わせた手を離し、再び目を見開いた時雨は明らかな怒りを周囲へ発していた。



時雨「ここは跡形も無く消す。」



怒気をこめて改めて決意表明。



長門「あぁ、残しておくわけにはいかない。」


一同が決意を新たにしたところでグラーフが合流を果たす。

50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/24(木) 00:56:15.56 ID:jo7lW8fX0
ガチャリ



グラ「なかなか開錠に手間取ったがどうにかだ。」ジュウヲオロシテ

時雨「伯爵。その二人は?」ゴメンヨ、テキカトオモッタ



突きつけた銃を降ろし、

時雨が背中に担がれた艦娘視線を移す。

捉えられていたの?とは言外の言葉。



グラ「あぁ。山風と海風だ。形式上は時雨の妹に当るのかな?」

時雨「うん。」



生気無く、極限にまで痩せている二人。



グラ「言葉は悪いが逃走を防ぐ為に体力を奪うのは良くある事。」

グラ「その中で解放して連れて帰る事が出来る状態だったのはこの二人だけだ。」

長門「……、そうか。」

グラ「時雨、二人は摩耶と川内に面倒を見させるがいいな?」



自力で歩く事は出来ないで有ろう事は見れば分かる、

そしてグラーフの判断は。



グラ「放火する方に回りたいだろ?」

時雨「ありがとう。」

時雨「そうだね。いい雨を降らせようか。」

グラ「うむ。血の雨だな。」

川内「放火大好き。」

雪風「雪風も派手にやるのは大好きです。」



長門達が潜入した翌日の早朝。

香港中に轟音が響き渡った。
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/24(木) 01:00:08.70 ID:jo7lW8fX0


人民解放軍駐香港部隊

中将「何事だ!」

兵1「デ○ズニーランドが爆発と報告が来ています!」

中将(まさか?いや、間違いないだろう。)

中将(くそ!監視を付けていたのも気付いて偽の情報を流していたのか!)

兵1「反政府テロではないかと思われます!」

中将(こいつらはあそこに何が有るかを知らない。)

中将(見られれば私の首が飛ぶ。)

中将(だから外資の入ったあそこが爆発ともなれば

テロ活動と考えるのが自明。)

中将(派手に爆発すると香港内にいる外国人記者どもが間違いなく騒ぐ。)

中将「香港政府に戒厳令を出させろ!我々への出動要請は!?」

兵1「早朝の為、まだ政府関係者が動いていないようです。」

中将(一国二制度の弱点を突かれたな。

形式上出動要請を受けて出動する形になる。)

中将(裏を返せば中央の判断を待たないといけないから時間差がどうしてもでる。)

兵2「本土側の部隊の召集、急いでいます!」

中将「香港への部隊展開が許されるかどうかの確認を急いでくれ!」

中将(民主化運動が激しいなか本土にある本隊が展開する事は難しいだろうな。)

中将(賊が逃げるとしたら陸路は我々が橋を封鎖すれば難しい。)

中将(となれば、海か空か。)

中将(逃げおおせた後を考えれば海の方が周辺諸国へと逃げやすい。)

中将(タイ、フィリピン、マレーシア。第三国へは海からが早いからな。)

中将(手際の良さ、図ったように早朝に行動を起こした辺りを考えれば

何処かの国の工作機関の支援を受けているのは間違いない。)

中将(となれば飛行機をハイジャックするより船で外洋を目指した方が生存率は高くなる。)

中将(我が国の連中じゃあるまいに、

流石に工作機関の人間が第三国の人間を人質にとる訳にはいかんだろう。)

中将(ばれたときの国際的世論のごまかしが効かないからな。)

中将(だが、即応戦力の艦艇大隊では船舶全ての臨検は難しいか?)

中将「艦艇大隊の方に連絡を!敵は海から逃げる可能性が高い!海上封鎖を急がせろ!」

中将「南海艦隊の司令部にも連絡を急げ!」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/24(木) 01:02:17.92 ID:jo7lW8fX0

兵2「了!」



香港欣澳(サニーベイ)停車場



長門「さてと、この車はここで放棄だ。」

摩耶「この車は連中にあげていいのかい?」

長門「逃走用に車が必要だろう?」

雪風「雪風達には必要ないですしね。」

川内「逃走して貰って対処しなければいけない事案を増やすって事か。」

川内「長門はえぐいねぇ。」

長門「もともとその為に脱出させたのだからな。

   市内に出れば後はいかようにでもするだろう。」

摩耶「一応、米国の総領事館のルートはナビに入れてあるからな。」

摩耶「何があそこで行われていたかの生き証人だ。」

グラ「政治的亡命というのが成り立つ。」

グラ「後々の事を考えれば駆け引きのいい手札になるといえるだろう。」


海を臨むパーキングエリアから

一緒に脱出してきたウイグル等の活動家を見送る一同。



時雨「高速道路の途中にこんな風に海に隣接したパーキングエリアがあるんだね。」

グラ「あぁ。海の見える夜景スポットという奴だ。」

グラ「恋人達が…、という奴だな。」

川内「早朝だからいないけどね。ウォースパイト?担いでもらってもいい?」

スパ「了解です。海風さん?背中に紐かけますよー。」



ガチャガチャ

逃走用車両から先に降ろしておいた機械一式を調整する摩耶とグラーフ。



摩耶「持ち込めたのが艦娘候補生の

   水上走行練習用艤装だからな。」

摩耶「武装がないんだ。」

長門「仕方ないだろう。

   皆、目的地についたら間違いなく回収してくれ。」

長門「残さない様に頼む。」

時雨「勿論だよ。」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/24(木) 01:04:08.23 ID:jo7lW8fX0


香港 ビクトリアパーク 展望台



「やぁ、此処からだと香港が一望できるねぇ。」

「えぇ、夜はとても綺麗ですよ。」

「貴方みたいな可愛い娘ちゃんと是非みたいもんだ。」

「向うのテーマパークから上がる花火も綺麗に見えますよ。」

「成程、確かに綺麗だ。」



島向うに上がる煙を眺める二人。



『 煙草はお好きですか? 』

『 ウルグアイ産の紙巻が好きでしてね。 』

『 アークロイヤルですか。確かにいい物ですね。 』

「柳(りゅう)といいます。サーカスの方向から?」

「えぇ、女王陛下がお望みでしたので。」

「この後食事でもいかがですか?」

柳「いやいや。止めておきますよ。」

柳「確かに女性は情報の宝庫とは言います。」

柳「貴国の有名な諜報員の様に女性と宜しくやるのは重要といえますが。

  ご遠慮しておきましょう。」

柳「貴女は艦娘でしょう?」

「その質問に答える権限を持ちません。」

柳「私の昔の知り合いに可愛らしい、そうですね。

  私に家族が居れば娘くらいの容姿の艦娘がいるんですがね?」

柳「歩く火薬庫の通り名で、まぁ、見た目以上に危険でして。」ハハハ

柳「なので艦娘さんは見た名以上の恐ろしさが有ると知っているので

  仕事以上の付き合いは控える事にしているんですよ。」

柳「例え麗人からの食事のお誘いであったとしても。です。」

「成程、リスク管理の出来る優秀な商売人の様ですね。」

柳「どーも。」ニコ

54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/24(木) 01:05:16.04 ID:jo7lW8fX0


「タンカーの入港は今日で間違いないのですね?」

柳「えぇ、彼女達から今日で聞いていますので。」

柳「流石に中国政府の手は長い。各所に耳がある。」

柳「事前の取り決めで入港させると

  その前の寄港地で足止めを喰らうところでしたよ。」

柳「それから、この公園は事前に掃除済みですのでそこはご安心を。」

「こちらもパワーボートの方を用意しておきました。」

「そちらの方の手筈は間違いないですか?」

柳「えぇ、間もなくデモが始まります。」

柳「それに合わせて花火の打ち上げ時間も調整してくれたようですしね。」

柳「彼女らは優秀ですよ。」


55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/24(木) 01:06:51.01 ID:jo7lW8fX0


人民解放軍駐香港部隊



中将「香港市内で反政府デモ?!」

兵1「はい!そちらの鎮圧に武警が出動していて

   周囲には既に外国人記者が居る為、

   我々軍隊の部隊展開は不味い事になると!」

中将「くそ!天安門か……。」



現代国家が民主化運動を武力で鎮圧し、

世界中に映像が配信されたあれ。

あの時以上にメディアやネットが発達した今、

第二の天安門は起こすわけにはいかない。

只でさえ普段の活動に人民解放軍の制服着用は避け、

そうととられ無い様注意を払っているので

『 天安門 』事件の再来に見られるのは避けなければならない。



中将(ディズ○―の爆発は地下でしていた事を考えれば

   ガス爆発と発表するしかないのを知った上での手か!)

中将「ちくしょうめ!」

兵2「中将。広州の各地で反政府デモが起きているそうです!」



そして、香港に隣接する広州、本土でのデモ活動の連絡も入る。



中将「はぁ?なんだって?!」



だが、国内のデモであれば鎮圧は容易いはずだが?



兵2「それが地方党政府へのデモでして。」

中将(あっ!くそやられた!)


56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/24(木) 01:09:38.94 ID:jo7lW8fX0


ビクトリアパークで双眼鏡から海上を眺める柳。



柳「反政府デモってのは須らく排除されるものだが……。」

柳「この反政府デモは中央ではなく

  地方政府を対象としたものなんですよ。」

「なかなか考えられていますね。」

柳「えぇ。中央政府ではなく地方政府というのがミソですね。」

柳「党中央は反腐敗を掲げていますし、

  その腐敗の温床に地方党組織がある事を認識している。」

「いつぞの薄熙来(ハクキライ)を彷彿とさせますね。」

柳「そうです。将来の国家主席とまで目されていた人物が

  権力闘争の末に消えた例の事件ですよ。」

柳「現主席は皇帝とも言われますからねぇ。」

柳「自分の椅子を脅かす相手を消す材料があれば容赦しないでしょうね。」ニコニコ

「君主の椅子は適度に座り心地が悪い方がいいと言われますが?」

柳「ダモクレスの剣ですか?はは。

  権力者たる者、常に自分の座が危ういという

  意識を持っているという点だけは同じですね。」

柳「ただし、民衆へ心を向けるか、心を閉ざすか、まったく逆のようですが。」

「王様の耳はろばの耳でなければならない。」

柳「童話では王の耳がロバの耳である事により

  部下達からの話をより聞きやすくなり

  多くの諫言に耳を傾ける賢王になったと話が纏められるそうですよ。」

「ですが、話の元になった王の様に石を金へ変える能力はこの王は持っていない。」

柳「相手を借金で縛りその対価に領土や港を租借する。」

柳「金が幾らあっても足りませんやね。その金は何処から出ているのかというと。」

「自国民の底辺からの搾取ですか。」

柳「底辺層の生活はいつまで経っても改善されませんからねぇ。」

柳「底辺層の生活向上の為に使う金が

  回っていないと耳元で囁いてあげれば。後はどうなるか?ですよ。」

57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/24(木) 01:11:13.57 ID:jo7lW8fX0


「デモ隊は簡単に排除されませんか?」

柳「そこは更に一工夫ですよ。

  デモ隊には子供を連れて平和的な行進でシュプレヒコールは挙げさせない。」

柳「更に、現国家主席の肖像画を掲げさせ、

  党中央の政治手腕については賛美させるおまけつき。」

「成程。それでは武警等の治安部隊には手を出せない。」

柳「そうです。まるで神の信徒が天におわす主神に

  あぁ!神よ!と懇願するあれですな。」

柳「我が神、我が神、我らをお見捨てになられたのですか!ですよ。」

「まるで新約聖書の一節ですね。」

柳「敵を知り、己を知れば百戦自ずと危うからず。

  敵の嫌がる事を徹底的に行えないと世界を相手に商売を出来ませんから。

  宗教等を抑えるのは基本ですよ。」

柳「デモ隊の通過ルートは外資系企業や観光地を通るようにして

  外国人の目のつきやすいところを通るように設定しています。」

「そうなると外出禁止令で対応する事になりそうですね。」

柳「地方政府がそれをやると強烈な汚点になります。」

柳「中央を狙う人間がそれを出来るかどうか。」

「ではどうするんですか?」

柳「情報が出ないようにした後で見なかった事にするのが一番です。」

柳「下手に治安部隊を出して対処したのが外国へ知れると不味いですからね。」

柳「烏を白いと言わせてそれを正しいとするやり方と同じですよ。」

柳「全員でその様な事はありませんでした!と言うしかない。」ニコニコ

柳「国内から海外へ接続するネット網はある程度抑えれますから。」ニコニコ

「はははは。」

58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/24(木) 01:13:23.34 ID:jo7lW8fX0

柳「指を咥えてデモ隊が解散するまでを見るしかないわけですよ。」

柳「打ち壊し等の暴動をしない限りは手が間違いなく出せない。」

柳「それにある程度のガス抜き、

  諸外国の報道に対しては我が国はデモも行える民主的国家だと。

  いえなくも無いですしね。」

「壮大な皮肉ですね。」

柳「まま、そういう訳でして。

  後の中央の動きとしては原因を調べないわけには行かないでしょう。」

柳「そして、何故デモが起きたのかを調べれば

  誰を怒らせたのかが透けて見えてくる。」

柳「そうすれば手打ちにする為に誰に詰め腹を切らせるかと言う話になる。」

「ははぁ。責任者の首を渡すから今回はすみませんでしたと言わせるわけですね。」

柳「面子に拘る文化ですからね。」

「謝らせた後の手打ちについても決められていらっしゃるんですか?」

柳「えぇ、相手に実利を与えないと流石に問題になりますからね。」

柳「大国ゆえに面子が潰されたと思えば後が容赦ないですから。」

柳「しかし、実利があると理解できれば謝れる。

  幾つもの顔を使い分けられるしたたかな国ですよ。」

柳「火を付ける時は消化の仕方をしっかり考えて火を付けないと

  思わぬ大火になります。」

「成程。」

柳「この国の厄介な点は50年100年先に有利になれれば良いという考え方が出来る事ですかね。」

柳「時間の捉え方が違うというのは厄介ですよ。」

「肝に銘じておきましょう。

 我が国はそれでしてやられ香港を返還しなければならなくなりましたからね。」

柳「普通、100年の租借なんてなれば返して貰えるなんて思いませんからなぁ」

「まったくです。」

柳「一時的には経済的負担等を切り捨てられたのでしょうが。」

「外交的影響力は予想以上に悪くなったと言えますね。」

柳「何事も目先だけでは分からないというのは商売に携わる物として肝に銘じたいですね。」

(日本という国のソウゴウショーシャと言う所の勤め人は

  CIAの連中にも勝るとも劣らない手管を見せる……。)

(『 火付けの 』と異名と取るだけある。本国への報告が増えるなぁ。)

柳「どうされました?」

「あぁ、いえ。少し考え事をしていただけですよ。」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/24(木) 01:14:42.18 ID:jo7lW8fX0

香港国際空港(チェクラップコク国際空港)上空



「よーし、よーし、チャイナドレスの姉―ちゃん達が俺を待ってるぅぜ ――― い。」

「機長、管制に繋がりましたよ!」

「お—し、お―し!香港管制!尻と胸のでかい姉ちゃんが居る店教えてくれ!」

「機長!なにいってんですか」

「ばっかお前、重要な事だろうが!」

「下りる滑走路聞かないと後がまずいですぜ大将。」

「あ―――、わ ―――った。」

「香港管制。何番に下りればいい?」

「3番ね。了解。」

「たく、野郎の管制は勃つもん勃たんぜよ。」

「機長はそればっかすね。」

「ロクスケ、ディンキー、今回の積荷はやばいもんだそうだ。」

「気を引き締めて掛かってくれ。」

「うっす。」

「了解。」



一機の貨物機、B-747が香港国際空港に着陸した。

60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/24(木) 01:26:45.06 ID:jo7lW8fX0
本日はここまでです

>>45
悪の組織の拠点にぴったりなお城までついてくるというオマケつき
割と拠点としては使いやすいですよねー、後は刑務所、警察署といった公的機関でしょうか?
地下鉄の廃線、カタコンベなんかは欧州なんかで使いやすい拠点ですね(マフィアが実際に使っています)
文中に出ているデモなんかは最近の中国の実際でしょうか?
地方政府を責めていくというやり方はなるほどなぁと
最近脱税に関連して女優が一人消えて、最高裁判所の長官が捕まりそうですけどこれも権力闘争の関係だそうです
報道を読んでもいまいち関連性が?なんですけど、なんかあるんでしょう
尚、女優の方は144億円の追徴課税とか
一時期消息不明だったんで人体模型の仲間入りしたとか噂も流れていましたねぇ
中国は知れば知るほど不気味な国

本日もお読み頂きありがとうございました
あまり艦娘のグロ描写はやれなくはないがやらないほうがいいと判断しておりますので
さらりと流させていただきました、次回も書き溜めが出来ましたら更新させていただきたいと思っています
乙レス、感想レス、いつもありがとうございます、お気軽に残していただけるといちが喜びます
また前スレでちょこちょこボツねた、おもいついたおまけ話などを
あげていたりしますのでそちらもお読みいただけると幸いです
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 18:52:32.96 ID:wLwMSWlxo
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 00:02:36.85 ID:YPkL4Umh0
少しずつ思い出しながら再度の執筆…
とんだ分をまとめなおして投稿です
お時間宜しければお付き合いいただけると感謝です
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/07(木) 00:04:32.40 ID:YPkL4Umh0

88鎮守府



「やはり俺を殺しに来るのはお前だったか……。」

「司令。申訳ありません。」

「皆の為に死んではいただけないでしょうか?」

「いいさ。それで、相手からの保障は確認できてるのか?」

「俺という邪魔者を殺したら止める者がいなくなるからお前達こそ真っ先に殺されるぞ?」

「それは手配しています。」

「どうせ国外に逃げるとかだろ?ちゃんとその先を考えているのか?」

「………。」

「まったく。……、これをやろう。

 こういう時のために作っておいた海外銀行の貸金庫だ。」

「バーで100本ある。全員逃げる為の金に当てろ。暗証番号はお前の進水日だ。」

「俺を殺した後は、そうだな。たまに墓に線香の一本でも頼む。」



ゴトゴト

チャキッ



「司令!」

「じゃぁな。」



パン!



「司令 ―――――― !」





64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/07(木) 00:05:46.97 ID:YPkL4Umh0

「まさかの裏切りきたぴょん!」

提督「最近の朝ドラは結構重たいんだな。」

「あっ、司令官どうしたぴょん?」

提督「ちょっと衛星放送が見たくなってな。

テレビがある所で一番手近だったのがここなんだよ。」

「食堂のテレビのリモコンはそこにあるよ。」

提督「すまんな。ちょっと変えるぞ。」



テレビのリモコンを操作しチャンネルを変える提督。

香港国際空港内を撮影して回っているテレビクルー達がテレビに映る。

彼女達は特別な許可を得て滑走路が見える駐機場周辺を撮影中である。



「ども!日本のお茶の間の皆さん!レポーターの青葉です!」

青葉「本日は魅力溢れる香港をずずいと余すとこなく紹介いたしますよ!」

つ カンペ

青葉「はい!まずは此方!ここは何処だと思います!?」

青葉「こちら香港の空の玄関口、香港国際空港です!」

青葉「海の上に作られているので24時間飛行機が離着陸し放題なんですよぉ!?」

ゴーッ! ←飛行機が着陸してきました。

青葉「しかも!ご覧下さい!あちらの貨物専用ターミナル!」

青葉「あの巨大な専用ターミナルが或るおかげで

貨物取扱量は世界一位を誇っています!」

つ カンペ

青葉「あっ、あちらに移動するんですね!了解しました!」

青葉「テレビをご覧になられている日本の皆さん!移動しますので暫しお待ち下さい!」


65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/07(木) 00:06:35.16 ID:YPkL4Umh0

移動中



青葉「空港が海の上ですので当たり前ですがあちらには海が見えます!」

青葉「はい!カメラさん海を写して下さい!」

青葉「おお!?なにやら派手な爆発が見えますねー!(棒読み)」

青葉「あれ?なんでしょうねー(棒読み)」

青葉「あれ?あれ?なにやら怪しい人達がこっちに向かってきていますよ?!(棒読み)」

「動くな!お前達には一緒についてきてもらう!」

青葉「大変です!テロリストです!青葉達人質になっちゃったー!(棒読み)」

「黙って早く動け!」

青葉「暴力反対です!(棒読み)」


66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/07(木) 00:07:18.57 ID:YPkL4Umh0

88鎮守府食堂



「あれ、なんか突撃スクープになってない?」

提督「予定通りだ。

ちょいと時間が遅い気がしなくもないがまぁ、いいだろう。」

「あれ?狙ってなの?」

提督「あぁ、此処の運営資金を作るのに重要なんでな。この目で確認しておきたかったのさ。」

「ふーん、じゃぁ、暫くはここで見ていくんだねー。」

「ちょっとつまみ作ってくるね!」

提督「すまんな。」


67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/07(木) 00:07:59.46 ID:YPkL4Umh0

貨物機専用ターミナル



青葉「暴力反対!(棒読み)」

「あの飛行機だな。」

「タラップもいい感じに準備してあるね。」

「全員急いでくれ!」

青葉「あーれー(棒読み)」



貨物機機内



青葉(カメラさん!全部の機材の電源を切ってください!)

青葉「と、皆さん御疲れ様です!」

長門「変装しているから分からないが海軍の関係者か?」

青葉「変装しているのはお互い様ですが。」

青葉「はい。海軍特務機関付きの青葉です。」

長門「海軍特務機関か。」

青葉「えぇ。情報収集、広報任務は大事ですので。」

「と、挨拶は後回しにしてくれ。直ぐに飛ぶ。」

「追っ手と借金取りはこねぇ方がいいと昔から言うからな。」

ロク「今回は座席も幾つかセッティングしていますからそちらに掛けてくださいね。」

時雨「了解したよ。」



68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/07(木) 00:10:21.33 ID:YPkL4Umh0

操縦室



「ロクスケ。勃起してきた。」

ロク「何言ってんですか機長!」

「ハクイ姉ちゃんに可愛い嬢ちゃん。おめーインポだな?」

ロク「今回の積荷でしょ!?」

「お前、あれが荷物に見えるのか。いい眼科紹介しようか?」

ロク「そういう話じゃないでしょう!?」

ディン「大将、さっさと飛ばさねーと

上空から下りてくる連中が重なるから飛べなくなりますぜ。」

「香港管制にはエマージャンシーコールだしたか?」

ディン「緊急事態宣言は出しました。さっさと飛ばさないと怖い連中がきますぜ。」

「うっし!ささっと機体を上にあげんぞ!」

「ロクスケ!読み上げ開始してくれ!」

ロク「了解!」

ロク「V1!」



キィィィィィン!



ディン「大将!管制がなんか言ってきてます!」

「るっせー!こっちはハイジャックされてんだ!」

「適当にいっとけ!ニイーハォ!シェイシェイとかでいいだろが!」

ロク「VR!」



グイッ



「うし!」

ロク「V2!」



キュッ



「足が地面を離れりゃこっちのもんだ!一気に駆け上がるぞ!」

「はっはっは!バカ管制め!

中華訛の英語なんざ聞き取れるか、ばぁ――――かぁ!」



キィィィィィィィイン!


69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/07(木) 00:12:15.11 ID:YPkL4Umh0


高度1万メートル



「と、ロクスケ、オート入れてくれ。」

「ハイジャック犯のお嬢さん達に挨拶しねーとな。」

ロク「了解っす!」



そして



「自己紹介が遅れたな。俺がこの飛行機の機長、モーガンだ。」

モ「嬢ちゃん達の素性に付いては何も言わないでくれ。」

モ「俺たちは何も知らない。

  あくまでハイジャック犯の目的地に向け飛行しているだけにすぎない。」

モ「積荷についてはあんたらが使うものとしか聞いていない。」

モ「カーゴ室には自由に出入りできるようロックは解除してある。」

青葉「ありがとうございます。」

モ「行き先はパリでいいんだな?」

青葉「えぇ、フランスは花の都。シャルルドゴールへお願いします。」

時雨「オーストラリアとかではなくパリなのかい?」

青葉「おっしゃる事は分かるんですが…。声からして時雨さんですか?」

青葉「オーストラリアには確かに米軍基地があるんですが

   あそこは島国ですからね。」

青葉「現状オーストラリアから日本までの海路が確保されてないんですよ。」

長門「確かにな。」

青葉「それで欧州救援作戦なんてものが

   欧州からの支援要請に基づいて発案されましたので。」

摩耶「成程、それにかこつけて大手を振って帰ってくるってことか。」

青葉「さようでございます。」

青葉「……、と、とりあえず自己紹介をさせていただきましょうか。」



そして、青葉がつれているクルーを含めてお互いの自己紹介が行われる。


70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/07(木) 00:13:52.07 ID:YPkL4Umh0

長門「随分と濃い連中だな。」

青葉「いえいえ。そちらほどでは。」

青葉「外事、陸幕、海軍特務機関、

   諜報関連の集合ですが表向きの肩書きはジャーナリストですので。」ニカ

川内「間違ってないってのがまた性質が悪い。」

長門「それでだ。無事にいくとは考えていないんだろ?」

青葉「するどいですねぇ。」

グラ「面子を潰された相手というのはなりふり構わなくなる。」

グラ「そうなった相手というのは引き際を弁えないから実に厄介になる。」

雪風「この貨物機を落としに来るという事ですか?」

青葉「そこで衛星通信設備のこれの出番ですよ。」



つ ホレ



スパ「なんですか?その手?」

青葉「いや、証拠映像くらいとってきてるんでしょ!?」

グラ「あぁ、これだ。」

つ SDカード

青葉「さっすが。これで仕事がやりやすくなります。」

青葉「スタッフの皆さん!準備はいいですか!?」

長門「何をする気だ?」

青葉「まぁ、黙ってみていてくださいよ。」

71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/07(木) 00:16:24.53 ID:YPkL4Umh0


ビクトリアパーク 展望台



柳「と、そろそろですかね」

「そうですね。そろそろかと思います。」

柳「東京の開場30分前、いい時間です。そちらの仕込みは?」

「事前に完了しています。

 政権が変わって自由に使える予算に制限が入っていますのでお誘いただき助かりました。」

柳「いえいえ、こちらとしても仕掛け人は多ければ多いほどいいので、ついでですよ。」

「恐ろしい事をさらりと言われますね。」

柳「では、そろそろ始まりますかね。」



そう言い近くにおいていたブリーフケースの中から

ノートPCを取り出し電源を入れる。



柳「日本のテレビ番組もちょっと規制をすり抜ければ

  この国でも見れますからね。」

柳「決行時間の打ち合わせ、そして飛行機での脱出時間。

  ぎりぎりで間に合いましたよ。」

「取引時間中でもよかったのではと思いますが?」

柳「東京はそれでもいいですがね、上海、香港が開く前にってのが肝なんですよ。」

「政府が市場介入、もしくは取引中止をしそうなものです。」

柳「そこが事前に説明をさせていただいている点なんですよ。」



柳が開いたPCからはちょうど日本のテレビ番組で人体解体工場の映像が流れていた。

機内で簡単に加工はしたのだろうがその内容は衝撃的なものなのは間違いない。



柳「中国という国は実に面子を重んじます。」

柳「そして、それは恥をかく、かかされるのが嫌いという事につながります。」

柳「以前から中国は様々な方面で人権問題が持ち上がっています。」

「えぇ、それは仰るとおりです。」

柳「しかし、ここまで決定的な証拠は表に出ることはなかった。」

柳「とくに今回の、加工工場の映像が流れるのは決定打です。」

柳「安保理での人権問題における緊急決議の動議発動には充分です。」

「我が国もロシアに働きかけていますからね。」

柳「拒否権の発動で回避はするでしょうが個別の制裁を行う大義は此方にある。」

「最短で1週間。最長で1ヶ月。」

柳「えぇ、稼ぎ場ですよ。活動資金を大いに稼ぐチャンスです。」

72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/07(木) 00:18:28.47 ID:YPkL4Umh0


「市場を閉鎖しない場合は買い支えをしなければいけないでしょうね。」

柳「閉鎖すれば市場操作、閉鎖せずに買い支えても市場操作。」

柳「どちらにしてもまた、別の制裁の口実を与える。詰みですな。」

「恐ろしい事を考えられる。」

柳「外貨準備を吐き出させるのにも都合がいい。」

柳「ロシアにしても大手を振って金を稼げるチャンスですからね。」

柳「取り締まる側が市場操縦を行うんですからこれ以上無い儲け話ですよ。」

「こちらが始めて此方で止め時を決めれらるというのはいいですね。」

「そちらの言葉で濡れ手で粟の一掴みですね。」

柳「経済戦争は目に見えないので実感が湧きにくいですがその実、

  軍事力での殴り合いよりえげつないですからね。」

柳「通常の武力による戦争は勝った方にも経済的損失、人的損失。

  様々な損失が長く影響してきます。」

「若年層の人口構造を壊してしまいますからね。」

柳「ですが、経済での殴り合いは違う。一方的な蹂躪ですよ。」

柳「大国相手ですから倒れた後の影響も計り知れませんがね?そこまではやらない。」

柳「細く長く、生かさず殺さず。これが肝心です。」

「東京から世界を一周してNYで終了ですね。今日一日は金融関連の社員は忙しいでしょう。」

柳「えぇ、こっち側の人間は儲かり、あっち側は大損。」

柳「ついでで水道管の穴の位置のチェックもできますからね。」

柳「私としては一石三鳥くらいのありがたさですよ。」

「資本主義バンザイ、ですね。」

柳「えぇ、まったくです。」

柳「ただ、問題がありましたな。」

「?」

柳「これから朝食の時間なんで今日の朝食は遠慮したくなりましたよ。」

柳「流石に食欲が…。」

「確かにそうですね。」クフフフ



そこには資本主義の素晴らしさを語り合う二人が静かに笑いあうのだった。
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 00:22:41.68 ID:YPkL4Umh0
88鎮守府の裏金をどうやってつくっているのさー
という部分のお話を全面に
簡単なお話、世界の物流情報でお金を稼いでいるという部分ですね
今回は市場相場も行っています、書いておいてなんですがあくど過ぎますね
後、1回か2回程度で終われるかと思います、PC安いのを買いなおす予定
それまで持ってくれ年代物の予備!!!
ほそぼそと続けている元スレの方ですが何かこんなの読みたい等
希望いただければコネタみたいな形でやりたいなと思っています
ここまでお読み頂きありがとうございました!
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 06:03:48.82 ID:mtH8U3M5O
乙!
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 11:20:07.36 ID:B1Zy0l7kO

お金は大事
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 15:44:38.87 ID:sVXDkHUq0
乙乙
これもうどっちが悪者かわかんねえな
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/27(水) 01:34:57.02 ID:UbOjuYuD0
戦争初期に遭難しジャングル住まいを続けてウン年、やっと帰ってこれたはいいがおばさん艦娘が表舞台をうろつくのは色々アレなので88鎮守府にしまわれた生存術の達人ターザン長良
という怪電波を受信したが散らかりすぎだw
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/27(水) 23:33:31.17 ID:6Uf3rEjn0
乙!
ALICE12とかまた懐かしいモンもってきたな・・・
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/08(水) 00:04:51.37 ID:nFQLBL4F0
久しぶりに来ました
生きていました!次回のイベハワイかぁ……
お時間よろしければお読みいただけると幸いです
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/08(水) 00:07:53.41 ID:nFQLBL4F0

食堂

「映像が切り替わったね。」

提督「まぁ、そうなるなぁ。」

「ルパンでさ、銭形刑事が偽札持ってどうしようってやっているの思い出した。」

提督「マッチポンプってやつだな。」

「で、全員逃げきれるの?」

提督「手筈はつけてる。なら、後は全員を信用するだけだろ。」

「ふうん。」

提督「まぁ、索敵係が大変だろうな。」

「摩耶嬢、いけんの?」

提督「そうさな。お前さんが料理長として仕事しだした後に着任したんだったな。」

提督「ならばだ。今日までその成長を見続けてきたお前さんなら分かるだろ。」

提督「狂人の集団において真面目を貫ける奴の重要性くらいは。」

「分かるよ。分かるから聞いたのよ。」

「真面目すぎるから周りの捻じ切れた連中と自分を比べ、

 自分が凡人に近いことを悩んでいるって知ってる。」

「そして、その不安の裏返しがあのぶっきらぼうな性格って事もね。」

「うちじゃない他所でなら余裕のエース、看板背負ってると思うよ。」

提督「お前さんが料理人なのは海軍の損失だな。」

提督「どっかの指揮官におさまんねぇか?推薦状なら束で書いてやるぞ?」

「やだよ。責任のある立場ってのは。私は気楽に生きたいんだ。」

「鍋に、フライパンの火加減を見ているくらいの生活が丁度良いのさ……。」

「それに、ここの食事がまた時間制に逆戻りだよ?」

提督「それは困るな…。まぁ、摩耶に関しちゃもう少し自信もってもらわなきゃな。」

提督「だから俺があいつに今回、ちょいと自信を持たせてやる為に一肌脱ぐんだ。」

提督「上の信頼ってのはここぞという時にはプレッシャーであり強烈な壁になる。」

「だけど乗り越えればそれは強烈な自信になるってね。」

提督「そういう事だ。あいつも一皮剥けてくれねぇと今後困るのさ。」

「やだ、一皮剥けるだなんてぇ。」

提督「?」

「女の子相手に卑猥だわ。」

提督「あぁ、そうか………、そうだな。すまん。」

「それにそういう言葉は直接言ってやりなよ。童貞(チェリーボーイ)じゃないんだからさ。」


フンと鼻を鳴らし一言。


提督「俺に期待してんじゃねぇよ。俺はいまだに死んだ女の尻を追ってるマザコンさ……。」

「よく言うよ。」

81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/08(水) 00:09:12.50 ID:nFQLBL4F0

再び機内



長門達は貨物機の貨物室内。

それも飛行機の最後尾に近い貨物室内に居た。



長門「それで、我々の艤装はこの貨物室内に?」

青葉「えぇ、普段お使いのという訳にはいきませんが

   同じ艦名の方が使われているのを用意しています。」

摩耶「にしても使うことなんてあるのかね?」

長門「あるさ。追い詰められた相手というのは何をするか分からんからな。」

青葉「そして、摩耶さんにはこちらを。」

摩耶「何これ?」

青葉「レイセオン製と言えばお分かりいただけるでしょうか?」

長門(老舗レーダーメーカーだな。)

摩耶「あー、成程。『 まや 』つながりかぁ。」

摩耶「でも、これはあたしに使いこなせれるのかね?」



摩耶の質問に青葉の纏う空気が変わった。



青葉「使えるかな?じゃぁ困るんだ。」

青葉「いいか?あんたの提督からあんたならこれを使いこなせると聞いたんだ。」

青葉「あんたの上はあんたを信用して出来ると太鼓判を押したんだ。」

青葉「それなら上の期待に応えるのが部下の義務ってやつじゃぁないのかい?」



摩耶の上着の襟首を掴み顔を自分の近くに寄せて笑顔で語りかける青葉。



摩耶「あぁ、わぁったよ…。」



ぶっきらぼうに返答する摩耶。

82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/08(水) 00:10:51.59 ID:nFQLBL4F0


青葉「さて皆さん、艤装が入ったコンテナを開けて頂いたらお分かりかと思いますが、

   酸素吸入マスクありますね?」

時雨「おあつらえ向きに防寒用具も完備か。」

雪風「つまりは貨物室の後ろを開けると言う事ですね?」

青葉「正解です。もう直ぐ圧を少しずつ抜いていきますので手早くお願いしますね。」



武装のない貨物機に戦闘機が襲い掛かってくるわけであれば

それに対抗するにはとるべき手段は一つしかない。



川内「にしても、後ろの扉を開けたら速度落ちるんじゃないの?」



貨物機の後ろ扉が少しずつ開いていくのを眺めながら単純に疑問を訊ねる川内。



グラ「ふむ、まぁ、それは仕方あるまいよ。」

グラ「それより摩耶の探知がどうなっているかが重要だな。」

摩耶「お客さんは今の所まだだね。」

摩耶「巡航速度の落ちたこの飛行機に向って来るのなら

   そこまで時間は掛からないとおもうんだけど。」



無理やりでの使用のためか眉間に皺を寄せて処理を続ける摩耶。



長門「にしても随分と準備がいいようだが?」

青葉「海軍の軍令部で昔ちょいと面白い提案をした人が居たんですよ。」

雪風「面白い?」

青葉「えぇ、艦娘の空挺部隊を組織して敵泊地へ高高度降下低高度開傘をやろうとしたんですよ。」

長門「空挺部隊による拠点強襲か。」

青葉「発想は悪くないんですよ。成層圏には敵の機体はまず確認されていませんしね。」

青葉「ただ、実行に当っての問題が多すぎて立案者みずから没にされたんですよね。」

グラ「だろうな。結局、強襲が成功しても帰り道の問題があるからな。」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/08(水) 00:13:24.36 ID:nFQLBL4F0

青葉「仰るとおり敵を叩いても帰れないと意味がないですし、

   後ろを叩くにしても正面側の道を整備する部隊は当然必要になるわけです。」

青葉「挟み撃ちする為の精強な部隊が数居ないと実現できない作戦なんですよね。」

青葉「流石にオーバーロード作戦みたいな物量で殴るなんて事

   やる余裕があるなんて世界のどこの国にも……。」



ないといいかけ慌てて訂正。



青葉「いぇ、日本にはありませんからねぇ。」

青葉「それに物量投げるにしても損失が大きすぎますので無謀極まりないという訳です。」ニカァ

時雨「確かに片道切符を渡されて行って来い、は後ろ弾案件だね。」

青葉「まぁ、この案が一つの可能性として提案された時には

   それを可能としうる精強な部隊を有する鎮守府がなかったという訳です。」

青葉「ただ、装備に関しては人間の装備の流用で問題がなさそうという事でしたので

   装備はそのまま有るという訳ですね。」

川内「なら、この飛行機からジャンプするの?」

青葉「いえいえ、装備などの準備良かった理由をお話したまでですよ。」

青葉「私達は逃げるにしても堂々と逃げないといけませんからね。」

長門「やはり敵を迎え撃つ形になるのか。」

青葉「後ろを開けると寒さも気圧の低下も一気に来ますからね。

   その対策用に流用したというだけです。」

青葉「迎撃の荒事はお任せしますね。」

84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/08(水) 00:14:26.21 ID:nFQLBL4F0

長門「さてとだ、レーダーだけだろうから

  原始的やり方かつ最も効果的な迎撃方法になるわけだが……。」



そういい、グラーフのほうを見る長門。



グラ「摩耶が探知できるかどうかだな。」

摩耶「あたしが責任重大ってかい?」

長門「レーダー探知できないと難しい、頼めるな?」



長門のいつになく真剣な顔に。



摩耶「腹をくくりますか…。」

長門「あぁ、頼りにしてる。」



そして、艤装での処理を丹念に行う摩耶。

85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/08(水) 00:16:15.16 ID:nFQLBL4F0


操縦室



ロク「機長、ベトナム方面に抜けられないんですかね?」

モーガン「さすがにベトナムも中国さんと事は構えたくねえのさ。」

モーガン「そして他の国境を接している国にしても

     中国と正面きって事を構える国力なんざまったくねぇ。」

ディン「表向きはいがみ合っていても本気でやりあえば一方的蹂躪でしょうしな。」

モーガン「そういうこった。だから全力で逃げにぁならんのよ。」

モーガン「中国と正面きってやれるのはインドくらいなもんだろうが双方核をもってるからな。」

ロク「アポカリプスエンドはまずいっすね。」

モーガン「最後の最後での理性って奴が働けばな。」

モーガン「だから定期航路をガン無視して最短距離で飛んでんだ。」

モーガン「燃料の減りを無視してエンジンぶん回しちゃいるが

     香港から連絡がいきゃぁそろそろ迎撃機が上がってきてもおかしかねぇ。」

モーガン「今、どの辺りとんでる?」

ロク「そろそろチベットですね。」

ディン「大将、中央アジアへ抜けるにしても

    5時間切る速さで飛んでると減り方が厳しいですぜ?」

モーガン「まぁ、一応追撃を頑張って交してアフガンまで抜ければ

     米軍のエスコート付きちゃ聞いている。」

モーガン「香港で給油してないがアフガンまでは余裕で飛べる距離だからな。」

モーガン「燃料減らして軽くしている分速度も稼げる。」

モーガン「着けば一旦降りて本来の目的地パリまで

     米軍さんが空中給油まで出して護衛してれくれるって話だ。」

ディン「抜けれればって訳ですな。」

モーガン「おう。俺に任せとけ。抜くのは得意だ。」

モーガン「あんだけ美人の姉ちゃんがそろってんだ。抜ける。」

ロク「あー…、はいはい。とりあえず、何します?」

モーガン「何ってナニだろ?」

ディン ハァッ(溜息)



86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/08(水) 00:17:52.02 ID:nFQLBL4F0


貨物室



長門「さてと、追っ手が何機くるかだな。」

長門「グラーフ、意見を聞きたい。」

グラ「私か?」

長門「あぁ、技術士官という事で来ているが早い話し諜報も兼ねていたんだろ?」

グラ「まぁ、今更だな。」

長門「情報分析能力が無いとそういった仕事はできないからな。」

長門「冷静な意見を聞きたい。」

長門「中国空軍の使用する戦闘機の兵装と

   空対空での一般的な攻撃手段について教えて貰えないか?」

グラ「そうだな、主力戦闘機で言えばJ-10 殲10と呼ばれる物だな。」

スパ「殲20じゃないんですか?」

グラ「さすがに配備数がな。なのでマルチロール機としての此方が出てくると思う。」

グラ「後は空対空ミサイルだがイスラエルやら中国オリジナルやらまぁ色々だ。」

グラ「とはいえ対処法方は古典的で変わらんさ。」

グラ「フレアとチャフで対処可能だ。」

長門「なるほど。」

グラ「青葉、君の所属は海軍内の諜報機関なんだろ?」

グラ「で、あれば中国空軍の迎撃機が上がってくるまでの時間と

   その所属については事前に把握できているのじゃないかな?」



87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/08(水) 00:19:36.00 ID:nFQLBL4F0

青葉「隠し事は出来ませんね。私としてもその見解です。」

青葉「香港内外での反政府デモ、

   それと海上へ逃走したように見せかけた欺瞞工作。」

青葉「敵への妨害工作を入れても凡そ稼げて2時間ですかね。」

長門「随分稼げるもんだな。」

青葉「中国軍内にも色々協力者を作っているのは勿論ですが

   諜報活動には派閥争いの火種に薪をくべるお仕事もありますから。」

青葉「私達を追って来るのは多くて一小隊ってとこでしょう。」

長門「根拠は?」

青葉「香港駐留部隊で使用できる航空兵力はありますが

   回転翼ですから飛行機の追撃能力は無い。」

青葉「となると、よくある話です。駐留軍の指揮官は陸軍だが固定翼は空軍。」

青葉「気付いて指揮官が要請しても管轄の違いで即では飛べない。飛ばせない。」

青葉「スクランブルに常に供えていないのであれば給油して、ミサイル積んで。」

青葉「そういった細々したところでゆっくり、ゆっくり時間を掛ける。」

青葉「ただし、遅すぎるとこちらの協力者も危なくなりますからね。」

川内「怪しまれずに稼げる限界が2時間ってわけね。」

青葉「左様でございます。」

青葉「2時間かけて稼いだ時間分こちらも移動できますからね。

   それをつめるために限界まで速度を出して飛んで来たとしても

   追いつくまでにはまた時間がかかりますからね。」

時雨「中国国土は広いんだ。

   僕らの飛行している経路の先に有る基地から出撃なんてことはないのかい?」

青葉「するどいですねぇ。

   可能性としてはありえますが俎上に上がった時点で無視出来るだろうという事で。」

時雨「どうしてだい?」

88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/08(水) 00:21:39.27 ID:nFQLBL4F0

青葉「事前に逃走経路上の指揮官級を全て洗ったんですがね

   香港駐留軍の指揮官の地縁、血縁は居ないと判明しているんです。」

雪風「それは何の関係があるんですか?」

青葉「中国人が面子ともに一族のつながりを重んじる事はご存知だと思います。」

長門「儒教文化圏ではよくある話だな。」

青葉「つまり、香港駐留軍の指揮官の困難を助けてあげる仲間が居ないという事なんですよ。」

青葉「更に言えばこの貨物機は登録上はブリティッシュエアウェイズ。」

スパ「あら、私の祖国のフラッグキャリアじゃない。」

青葉「さいです。英国航空ですから撃墜をするには冒険が過ぎるという事です。」

青葉「寧ろ政治犯の脱走を見過ごして

   それの手引きをした第三国を仮想敵国として

   自国内に敵が居るとアピールしたほうが国内の団結を図れる。」

青葉「昔から国民の団結を図るには敵を作るのがポピュラーですから。」ニタリ

長門「実に酷い計算だが実に有効だな。」

青葉「それでも撃墜しないとは言い切れません。可能性は半々ですよ。」

川内「その備えがこれらということかぁ。」



89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/08(水) 00:22:47.87 ID:nFQLBL4F0

青葉「この貨物機の車輪が香港から離れた時点で

   駐留軍の指揮官の首は切り取り線から切れていますからね。」

青葉「よっぽどの縁がない限りは泥舟を助けるお人よしは居ないって訳ですよ。」

時雨「なるほどね。だから手ごまのやりくりの範囲内でしか動けないって事ね。」

青葉「左様で御座います。」ニカ

青葉「なので最新鋭機が来るにしても今しばらく時間がかかるという事です。」

青葉「さすがに香港近郊からは航続距離の関係で飛んでこないにしても

   処罰が決まってる相手におべっか使う相手なんて居ませんしね。」

青葉「やる気を出すにしても最低限のポーズでしょう。」

青葉「レーダーは最新鋭の機体でも写る高性能のを用意していますが、どんな按配です?」



ここで青葉が摩耶の方を振り返る。



摩耶「普段使用のレーダーとの違いに眼が回りそう。」

摩耶「後、レーダーの処理に全部持っていかれるからあたしは戦力にならないぜ?」

川内「そのレーダー普段使いできないの?」

摩耶「無理だな。艤装接続に色々、間かまして……。」

摩耶「よくわかんねぇなこれ、これ以上負荷が掛かると頭がやけるんじゃねぇかな?」

グラ「良く分からないが動いているからヨシッ!は技術者として頭の痛い話だな。」

摩耶「とはいってもねぇ。頭の中に洪水の如く周囲の状況が流れ込んできやがる。」

青葉「技研も危ないものつくってますねぇ。」クスクス

90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/08(水) 00:23:36.11 ID:nFQLBL4F0

長門(実機テストも兼ねてのか…、味方も怖いという奴か。)



そして、一同が機内貨物室の他の積荷について確認を終え、

迎え撃つ準備を終えたくらいに敵は丁度やってきたのだった。



摩耶「きたぜ!後方5時の方角!距離60000!機影4!編隊組んでやがるぜ!」

グラ「敵が此方を撃墜するにはミサイルでロックする必要性がある!」

グラ「敵は此方がただの貨物機としか知らされていないはず!」

グラ「であれば赤外線ホーミングミサイルの使用だ!」

グラ「摩耶!ミサイルが発射されれば光点が増える!」

グラ「ミサイルとの距離が10000になったら、直ぐ知らせてくれ!」

グラ「後方から燃料投下の準備はいいか!?」



グラーフが敵の使用ミサイルを読む。

この判断が間違えれば貨物機は撃墜される事となる。

だが、誰一人としてグラーフの判断を疑うものは居ない。

それはお互いに幾つもの死線を潜り抜けてきた仲間であり。

背中を任せる、命を預け、

万一命を落とす事になったとしても悔いが残らない相手であるからだ。


91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/08(水) 00:29:18.06 ID:nFQLBL4F0
政治と軍事は切っても切れないお話
軍人が優秀で政治家があれだと戦争はやめ時がつけれなくなることがあります
軍人があれで政治家が優秀だと軍人の暴走をとめれなくなることがあります
とっちもあれだとブレーキの壊れた暴走特急で国がなくなります
どっちも優秀だといけいけどんどんになり国の体力を無視して全力疾走
結局全部国がなくなります、どうすればいいんでしょうね(適当)
ここまでお読み頂きありがとうございました!
秋津洲4人目欲しいけどでねぇといいながら周回しております!
次イベはハワイ!ハワイです!大艇今から掘らせるってそういうことだろ運営さんよぉ!
楽しんでいきたいですね(白目)
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/08(水) 01:12:55.05 ID:sesx8d1s0
航空隊で3艦隊で1要求とかありそうでひとつ掘ったけどあまりのステの低さに5-2噴進砲レベリングが捗らないというw
流石パラメータが可愛さ全振りの秋津洲

戦争は開戦した時点で失策、孫子にもそう書いてある
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/09(木) 17:08:15.66 ID:gG7YicYdo
おつおつ
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/09(木) 19:27:32.04 ID:ieUG5im60
乙です
摩耶様すきすき
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