【艦これ】外地鎮守府管理番号88 特別番外編 香港騒乱

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/02(水) 20:32:36.27 ID:KvU9wsmkO
携帯からのスレ建て、書き込みはPCから予定

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1546428756
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/02(水) 20:34:56.26 ID:QTZ+C22Z0
一応携帯からのスレ建ては可能の様ですね、よかった
以前からぼちぼち話しをさせていただいていました番外編をあげるのに使います
今日はスレ建てのみ、ごめんなさい
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/02(水) 20:54:43.66 ID:w3fDYicpo
たておつ
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/02(水) 22:10:01.74 ID:v7wJyvEco
おつおつ
期待!
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/03(木) 22:26:56.83 ID:y5+dMWnW0
おつ
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/04(金) 00:16:17.34 ID:EV4s6M4h0
※潜入的な事をやっていますが物語進行の都合上名前を変えずそのままで表記させていただいております。
その辺り御了承いただけると幸いです。
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/04(金) 00:17:16.33 ID:EV4s6M4h0

香港 金融街 高層ビル内オフィス



長門「CEO 本日の予定ですが。」

CEO「あぁ、長門君か。予定の確認だね。頼む。」

長門「本日の午前の予定ですが………。」



長門が朗々と歌を謳うが如く

その澄んだ声音で予定を読み上げる。



長門「それから党地区委員長の周様から面会の要請がありましたので……。」



急な予定の変更にも時間の調整をして組み込んでくるのはまさしく優秀。



CEO(実に優秀な秘書だな。)

長門「いつも使用されるナイトクラブの貴賓室の方へ予約を入れておきました。」

長門「CEO?」

CEO「あぁ、すまない。少し考え事をしていた。うん。ありがとう。」

長門「車は表に回しております。」

CEO「あぁ、分かった。

君はこのまま社内に残って明日以降の予定の調整を頼むよ。」

長門「了解いたしました。」

8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/04(金) 00:18:18.89 ID:EV4s6M4h0

CEO移動中車内



タブレットを取り出し電源を入れ社内の隠しカメラの様子を確認するCEO



秘書課 室内 



長門「明日のCEOの御予定にある人民代代表の劉様との会談ですが

劉様の奥様がお誕生日なので……。」



秘書課の者達と細かい打ち合わせ。

実際半年程前から入社し秘書業務を行う長門は実に優秀だった。

いや、優秀と言う言葉で片付けるには言葉が足りないほどに優秀だった。

今、映像で確認したように商談相手の家族構成や誕生日、

あるいは子供が嵌っている趣味。

そういったものを調べ、相手との会談時にちょっとしたプレゼントや

時として中国的会話の役に立てる事がこの会社の事業に大いに役立っていた。



CEO(だけに何処かの情報機関がうちの会社に探りを入れてきたかと思ったが。)

CEO(考えすぎか?)

9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/04(金) 00:19:49.08 ID:EV4s6M4h0

同香港 荃湾区(チュンワン区) 某所

業者向け荷物搬入口 通用門 警備員詰所



グラ「お疲れ様です。」

摩耶「新設アトラクションに使用する機材の搬入です。」

摩耶「サインとゲートの通行許可をお願いしまーす。」ニヤ

グラ「了解です。確認しますね。」



業者が差し出す確認用書類にサインをし

ゲート開放のスイッチを入れるグラーフ。



摩耶「どうもー。」



摩耶が受け取った書類の一番上には一枚のメモ紙。

周囲にそれとなく目を配り、そのメモ紙をポケットに入れる摩耶。

そして、乗ってきたトラックを運転し施設の内部へと消えていった。

10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/04(金) 00:21:12.43 ID:EV4s6M4h0

香港 男人街内屋台街 深夜



雪風「ラーメン出来たアルヨー!!」

時雨「はーい。」

川内「注文だよ!」

川内「水餃子一杯!」

雪風「了解アル!」



香港の夜の街に美人娘々で繁盛している屋台があった。



客「脂マシマシニンニクマシマシチョモランマ。」

時雨「!」

川内「!」

時雨「今日はこのお客様でラストオーダーだよ!」

川内「さぁ、帰った帰った!」



時雨と川内がラストになる客が

屋台の席に着いたのを確認して食事を終えた客を追い出す。

そして。



スパ「無事に接触出来ました。」

雪風「ラーメン出来たアルヨー!」



つ 二郎系どか盛ラーメン



スパ「姉さん。ちょっと冗談が…?」

雪風「注文した以上は食えヨロシ。」

スパ「いや、注文は符丁で……。」

雪風「私の奢りだ。遠慮はいらん。腹一杯食え。」

ニッコリ

スパ「おっおいひいれふ……。」(涙目)



一同はとある目的の為、香港に潜入、潜伏していた。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/04(金) 00:23:58.57 ID:EV4s6M4h0

それは半年程前の事、

とある大規模作戦が終わり日々の個別任務に追われていたときの事。

執務室



提督「皆集合してくれてありがとう。」

時雨「僕達に何か用かな?」

提督「あぁ。

   だが、今回お前達に依頼する作戦なんだが

   本来は海軍がやる仕事ではないんだ。」



提督が話す話は艦娘がタンカー等商船警護を終えた後に

行方不明になる事が最近起きているという話。

あわせて日本の防衛関連企業の某国現地法人社員が

不当な拘束を受けたりすることが最近増えているという話。



長門「まっ黒じゃないか。」

提督「なんだがな。相手と場所が不味いんだよ。」

提督「相手が相手だけに大きく出れないんだ。」

提督「後、消えた寄港地が国際港湾でも

   上海とかのあからさまなところではなく香港なんだよ。」

雪風「香港だと違うのですか?」

提督「微妙に違う。」

提督「上海だと管理がもろだから外交ルートは元より

   艦娘運用国の常任理事国様みんなで

   文句を言ってど突きまわせるんだが香港は違う。」

時雨「香港もあの国の一部なんじゃないの?」

提督「香港は一国二制度って言ってな英国から返還されたとき

   50年は急激な体制の変更は行わないって宣言を内外に向けてやっている。」

提督「だからあそこは資本主義で共産党政治のエアポケットでな。

   あの国が自国の直接関与を暈す為に使われる地域になってしまっている。」

摩耶「そういえばそんな事いってたけどよ。

   中身はまっ赤じゃねぇか。」

提督「そこなんだよ。中身は赤なんだけど外見は限りなく赤に近い青。

   そんな訳だからちょくちょく自由を求める民主化デモが起きている訳だ。」

12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/04(金) 00:25:46.15 ID:EV4s6M4h0

長門「成る程読めた。

   完全民主化の後に独立を求める反体制派が

   日本や他常任理事国への取引材料にする為に

   艦娘を拉致したという事にしているという事か。」

長門「自分達への民主化運動への後押しをさせる為のという理由づけだな。」

提督「そういう事。

   かなり突拍子もない上に無理筋だが一応有り得なくはないんだ。」

提督「さらにあちらの国の武装警察様から

  『 容疑者 』が『 自白 』しました。

   と言われちゃぁな。」

提督「表向きには手打ちにするしかなかろうよ。」

提督「それにな…、まぁ、なんだ、

   足りないけど足りている数の引渡しがあればな。」

長門「深く追求は出来ないという事か。」

川内「うわぁ…。」

グラ「証拠が無い状態で自白しましたと言い切るあたりはあの国らしいな。」

提督「嘘も百万回言えば本当になる、はグラーフ。

   お前さんの祖国の宣伝相閣下のお言葉だろ?」

グラ「はは。耳が痛いな。」

グラ「確かに我が国の元宣伝相殿のお言葉だな。」

提督「対外的にはそれで終了でこちらも深くは突っ込めないが。」

時雨「それを良しとしない訳なんだね。」

提督「そういう事。言った様に数が足りていないんだ。」

摩耶「けどよぉ。なんであたしらなんだい?」

提督「ここが非正規扱いだからさ。」

摩耶「?」

長門「正規の軍隊を動かしていらぬ緊張を作りたくないという事か。」

提督「察してくれて助かるよ。」

長門「まったく難儀だな。」

提督「あぁ。」

川内「非正規なら失敗しても隠蔽しやすいって事ね。」

雪風「碌でもないですねぇ。」

雪風「ところでしれぇ、ウォースパイトさんはどうして居るんですか?」

提督「まぁ、ちょいとな……。」

13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/04(金) 00:27:32.97 ID:EV4s6M4h0

香港 旧市街区 貧民街 高層ビル内の一室



雪風「明日の仕込みに麺を作るのでそこの小麦の袋いいですか?」

時雨「了解。」



ドサッ

ドコドコドコドコ

ペッタンペッタン

子気味良い音と共に麺打ちを始める雪風。

もちろん窓は開けて換気は良くしてある。



川内「にしてもまぁ、イギリス統治の時代が長かったもんねぇ。」

スパ「何ですか皆して、私が参加しちゃまずいんですか。」プクー



そう、出身がやんごとなき御身分のウォースパイトは

香港が嘗てイギリス領であった関係から香港内の色々な顔役に伝手があるだ。

そして、今回の作戦においてイギリス他、

日本以外の艦娘運用国の中で参加させる艦娘として最適だったのだ。

もともとが非正規、さらに言えば秘密裏に捜索、

必要あれば救出までやらなければいけない作戦。

日本以外の国からしてみれば艦娘に関する技術が

某国へ漏れるのは何としても避けたい、当たり前といえば当たり前。

現在運用している国同士では紳士協定という暗黙の了解で

対深海以外にその技術は転用しないとなっている。

しかし、某国へ技術が渡り、

そんな事は知ったことじゃないとばかりに陸上歩兵へ転用されれば?

最強の歩兵部隊が出来上がるという悪夢を見る事になる。

だからこそ今回の作戦に協力し、

かの国の野望を挫きたいというのが本音なのだが

如何せん表立って動き刺激するのは避けたいという本音もある。

実際に部隊を出す日本からしてみてもいざ動かして万一の時に梯子を外されてはたまらない。

だからこその保険という意味合いも含んで……。

14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/04(金) 00:29:26.99 ID:EV4s6M4h0

スパ「自分が参加しているという訳ですね。」

川内「だねー、外交的取引材料って奴?」

スパ「そうそう、明日の天気なんですが。」



露骨な話題変えをしつつ

手元の紙で筆談を始めるウォースパイト。



スパ(社員を人質に取られている日本企業の代理人には話が付きました。)

川内「明日は雨って聞いたよ。」

川内(軍事施設の撮影って嫌疑を掛けられていた人達だよね?)

スパ「雨だと観光して回るのによくないのではないでしょうか?」

スパ(日本側が相手政府の要求する物品の引渡しを飲むことで明日解放となるそうです。)

筆談で細かく打ち合わせ。



人質となっている社員が解放されたのを確認後

第三国の中国でも日本でもない国の運送屋を利用して

日本から中国に艦娘建造に関わる装置が香港に運び込まれる。



時雨「雨が降っていても関係ないよ。」

時雨「雨が降っていてもね。」

時雨(ビル下に車が3台来た。お客さんの歓迎会に入るよ。)



筆談で会話をしていたのは数日前から監視の目が付いていたので盗聴対策。

雪風がわざとらしく騒音を立てながら麺を打っていたのもその為である。



雪風「麺をもっと作りますね!」



時雨の合図を元に小麦の粉をざっと部屋にばら撒き始める雪風。



雪風「ウォースパイトさん。そこのバスクリンの缶いいですか?」

スパ「これ、何が入っているんですか?」

雪風「それの中身は……。」

雪風「秘密です。」ウフフ

川内「電気を消して電球割ってと……。」カシャ



バスクリンの缶を受け取った雪風が蓋を開けばら撒き始めるのは黒い粉。

室内に粉塵が程よく舞い上がったのを見計らい3人は隣室へこっそり移動する。

15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/04(金) 00:30:55.86 ID:EV4s6M4h0

ドタドタドタ



「不要动!如果抵抗的话,杀!」(動くな!抵抗すれば殺す!)



ドアを蹴破り武装した一団が室内へ雪崩れ込む。

室内は襲撃を察知していた為、当然明かりは消されており暗い。

そして、彼らはうかつにも室内照明のスイッチを入れてしまった。

カチッ

ドゴン!



「哎呀――――!」(アイヤ――――!)



中国人が驚いた時によく言うお定まりの台詞。

それを盛大に雄叫びながら侵入者達は吹き飛んだ。

雪風達が何を仕掛けたかは言うまでも無いことであろう。

密閉された室内空間に燃えやすい粉末、

この場合、小麦粉とバスクリン缶の中身。

木炭を細かく砕いた木炭粉を混ぜ合わせ、

白熱電球のガラスを割っていたのだ。

そんな素敵状態の中で灯りをつければ白熱電球のフィラメントが着火装置となり。

映画に小説、ラノベに漫画に引っ張りだこでおなじみの

『 粉塵爆発 』が起こるのである。

16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/04(金) 00:32:07.72 ID:EV4s6M4h0


雪風「まだ軽く燃えてますね。」

川内「私は階下の後詰の部隊を始末してくるね。」



ヒラリとベランダから下へ向けて文字通りに落ちていく川内。



スパ「姉さん、ここ15階……。」

「由于紧急帮助是求!」(至急応援を求む!)

雪風「あら、生きてましたか。」



首に特殊鋼線を引っ掛け一気に輪を縮める。

スパッ



スパ「あっ。」

椿の花が落ちるかのごとく首がボトリと落ちる。

階段に潜んでいたのであろう敵の第二陣が攻めて来るが。

ダン!

敵の懐に一気に踏み込みその勢いのままに掌底を食らわす雪風。

鳩尾に食らった所為か

防弾チョッキらしき物をつけていたにも関わらず吐瀉物を漏らす敵。

幸いにもガスマスクを付けていたおかげ(?)か

雪風にそれが掛かる事は無い。

そしてその後ろから来ていた相手に暗器の針を投げる。

艦娘の力で投げられたそれは容易に眉間を貫通した。

17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/04(金) 00:33:36.13 ID:EV4s6M4h0

雪風「突入前の食事は避けるべきでしょうに。」

時雨「そうだね、毒ガス等の対策を考えるなら

   マスクをしていても避けるべきだよね。」



駆逐艦娘の小柄な体格を生かし一気に敵の懐に潜り込む時雨。

そして、体を落し一気に突き上げる要領で敵の顎を上方へ撃ち抜く。

首がおかしな方向へ曲がって見えたのは決して目の錯覚ではない。



スパ(ヒェッ。)



室内に侵入してきた敵の排除が完了すると

雪風が敵の死体からインカムを拾う。



雪風「喂喂?」(もしもし?)

「是谁?」(誰だ?)



聞いたことの無い声音に誰何を返す敵。



雪風「是毁掉你们的泰山府君也」(お前達を殺す閻魔だ。)

「什么?」(は?)

川内「已經死了」(お前はもう死んでいる。)

「グッ オアッ パッ ペギャッ」



インカムの向こうからは川内が仕事をしている音が聞こえる。



川内「情報を引き出すのに一人生きてれば十分でしょ?」

雪風「えぇ、流石です。」

時雨「じゃぁ、移動するとしようか。」

雪風「そうですね。ここはもう使えませんし。」



襲撃に遭い、爆発により室内が散らかった状態を片付けることなく移動をする一同。

18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/04(金) 00:35:19.21 ID:EV4s6M4h0

スパ「このままでいいんですかね?」

雪風「場所が場所ですから。」

時雨「貧民街区だと犯罪組織の抗争なんかは日常茶飯だからね。」

時雨「観光地区の煌びやかさからは思いもよらないとは思うけど。」

時雨「隣で銃声が聞こえようと爆発音が聞こえようと

   巻き添えを食らいたくないから決して部屋から出て覗いたり、

   警察に電話するような事はしない。」

時雨「慣れているからこその人生訓だね。」

スパ(やべぇ、話についていけない。潜ってる修羅場の数が三桁くらい違う気がする。)

雪風「あそこで1年生き延びれば分かるようになりますよ。」

スパ「あの…、分からなかったら?」

時雨「んふふふ。」ニコ

雪風「んふふふ。」ニゴォ



つまりはそういう事である。



スパ(姉さん達の無言の笑顔が怖い!)


ウォースパイトは引き攣った笑顔のまま時雨達の後を付いて行くのだった。
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/04(金) 00:42:18.95 ID:EV4s6M4h0
本日分更新ここまで
元ネタご紹介&配役御案内

元ネタ

砂の薔薇 第5巻 九龍特急 

配役

真理子=長門

ヘルガ=時雨

アイリーン=ウォースパイト

デライラ=川内

鈴=雪風

コリーン=摩耶

ジェシカ=グラーフ

大雑把な役割分担としてはこのような形でございます
後はいつもの脇を彩るおっさん達が出演予定デース
香港の地理を調べるのにグーグルマップをグリグリやってました……
それではここまでお読み頂きありがとうございました、乙レス、感想レス
お気軽にいただけるといちが喜びます
また、前作品の末尾で頂いた感想レス、ありがたく拝読いたしました
次のプロットは見直し見直しでやってる段階です…、夕立にするか響にするかで色々悩んでいるキャラが
暫くはこの話の作成になるかと思いますので気長にお待ちいただけると幸いです
ここまでお読み頂きありがとうございました
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/04(金) 02:18:14.26 ID:EEVgU+am0
イギリスは何度も二枚舌外交で以降数百年引きずる禍根を平然と他国に投げつけてきた実績があるからこういう微妙な情勢ではハブっときたいが新谷作品ならまぁ大丈夫かなw
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/04(金) 08:34:30.98 ID:/9vrqsxH0
乙!
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 00:24:02.40 ID:S4P9bhGd0

日が明けて翌日

香港仔魚類卸売市場 近辺 冷凍倉庫 

※敵との会話は中国語で話していると脳内補完していただけると感謝。

一人の男が全裸で木製の簡素な椅子に縛り付けられていた。



バシャバシャ



雪風「おはようございます。目覚めはいかがですか?」

時雨「まだ眠たいのならお代わりもあるよ。」



バシャバシャ



川内「冷凍庫内だから下手につつくとくっついちゃうね。」



椅子にくくりつけた男を叩こうとして

床に張り付いた棒状の何かを剥がしながら川内が言う。



スパ「めっちゃ寒いです。」ガタガタガタ

雪風「さて、貴方の素性、

何故襲撃をかけてきたのか語ってもらいましょうか。」



時雨が上着のポケットからICレコーダーを取り出す。



時雨「厚着してても結構寒いから手短に頼むよ。」

「………。」

川内「追加がやっぱりいるかな?」



バシャバシャ

相手の目が覚める前からかけ続けているそれは。
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 00:25:35.36 ID:S4P9bhGd0

スパ「油臭いですけどガソリンですか?」

雪風「その通りです。ガソリンの引火点は-45℃。

非常に揮発性が高い液体です。」

雪風「液体は蒸発するさいに周囲の温度を吸収して蒸発していきます。」

雪風「後の説明は不要ですね。」

スパ「えーっと極寒の冷凍庫の中でガソリンをぶっ掛ける事で

対象の体温を奪い更に寒くしてあげていると。」

時雨「ガソリン価格もそれなりの時代でかなりのサービスだよ。」

川内「水だと冷凍庫内では液体が維持できないのよね。

ガソリンは凝固点が-90℃だから。」

スパ「液体でぶっかけられると。」

川内「そういう事。ほらさっさと喋らないと更に寒くなるぞー。」

雪風「ほどほどで止めないと凍死するでしょうか?」

時雨「喋る気になったかな?」

時雨「もう一度聞くよ?君の所属と階級。

僕達を襲撃した理由を話して貰おうか。」

「………。」

時雨「君の足元、うん、そう、君が座っている椅子の下に盥があるのに気付いたかな?」

時雨「僕の提督は煙草をこよなく愛していてね。

敵と分かり合うには煙草を交換してみるのもいいぞって言われた事があってね。」

時雨「僕とした事が実にうっかりしていたよ。君は煙草好きかな?」

「!!?!?!?!?」



慌てるのも無理はない。

なにせガソリンが盥にたっぷりと溜まってなおも蒸気が上がり続けている所に

I like Somokingとばかりに火の付いた煙草を投げ入れる行為は正気の沙汰ではない。

24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 00:26:50.22 ID:S4P9bhGd0

「待ってくれ喋る。」

雪風「どうぞどうぞ。」



そして、暫くの間、一問一答形式で雪風が尋問を行いそれに男は応えていった。



雪風「国家安全部所属ですか……。存外大物でしたね。」

スパ「何かまずいんですか?」

雪風「私達が居るこの国の諜報機関はいくつかありますが

此方にいる方の所属は行政機関である国務院の所属なんですよ。」

雪風「軍とは別の諜報部門で完全に国が主体的に関わっているって事です。」

雪風「貴方の国の秘密情報部に相当する機関です。」

スパ「あー、あの。ジェームズ・ボンドの。」

川内「軍部の暴走って言い訳による切捨てが出来ないくらいに真っ黒って事かぁ。」

川内「で、後聞きだしたいことはあったっけ?」

時雨「川内、肝心要の事があるよ。」

時雨「さてと、僕が聞きたい事は1つ。」

時雨「この冷凍倉庫には部品がいくつもあったけど人数が足りないんだ。」

時雨「足りない人数を何処に保管しているか教えて貰ってもいいかな?」

「………。」

時雨「僕らが尋問のためにこの場所を選んだのは決して偶然じゃぁない。」

時雨「君達が何処かで僕らの仲間を解体し、部品、そう。

部位ごとに保管する為の冷凍庫として此処を選んだまでは調べは付いているんだ。」

時雨「ここなら冷凍トラックが入り込んでも解体に伴う血肉の処理もしやすいしね。」

時雨「更に言うなら魚の生臭さで万一、

保管している部品が腐ったりしてもばれる事はない。」

25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 00:28:37.16 ID:S4P9bhGd0

「………。」

時雨「だけど、今まで消えた艦娘の人数と

ここに保管されているパーツの数から推測される人数が合わないんだよ。」

時雨「ここの人数だけでは足りないんだ。どこに監禁されているのか。」

時雨「ある程度の目星は付いているんだ。でも、確証が欲しい。」

時雨「君は知らないかな?」



にっこりと笑いかけるがその顔が笑っている様に見える

と、言うのはこの場に居るものでは一人としていないだろう。



「…………。」

時雨「話した後の君の立場の事を考えているなら安心してくれていいよ。」

時雨「情報を貰うんだ。お金だって用意している。」

川内「あぁ。これか。」



ゴトリと音を立て地面に置いたのはゼロハリのアタッシェケース。



川内「まぁ、分かると思うけど中身は定番だよね。」

時雨「僕らが君の逃走用資金として用意したものだ。」

時雨「君が喋ってくれるなら好きに使ってくれて構わない。」

時雨「これだけしても喋らないと言うなら君にはもう、用はない。」



離れた位置に居る川内が洒脱なライターを取り出し、火をつけようとする。



「待ってくれ。知っている事は話す。」



そして、必要な事は全て聞き出し後々の為に録音も終えた。

26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 00:29:50.02 ID:S4P9bhGd0

雪風「では、長門さんと合流しましょう!」

スパ「あれ?解放しないんですか?」

時雨「僕が一言でも解放するといったかな?」



先程のやりとりを一言一句思い出し。



スパ「言ってないですね。」

川内「お金はお金でも冥銭だしね。」

川内「この国の追跡がどんなに凄くても

   流石にあの世へ高飛びすれば追いかけられないでしょ。」

川内「まっ、あの世で使うお金がいっぱいでお金持ちだよ。」

川内「ほら、よく言うじゃない。」



続く言葉は低くくぐもり冷え冷えとした底意地の悪い笑顔と共に。


川内「地獄の沙汰も金次第、ってね。」



懐紙を取り出し火をつけ、

川内が盥に投げ込んだのは冷凍倉庫の出入り口まで歩いての事だった。



時雨「さぁ、ここからは僕らのターンだ。」

川内「この炎は宣戦布告の狼煙火って奴だぁね。」



燃え盛る炎と煙、戦場で嗅ぐ硝煙や油とはまた別の香り。

救えなかった艦娘への送り火を背に彼女達はまた、

香港の闇へと消えていった。

27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 00:31:36.06 ID:S4P9bhGd0

香港のタブロイド紙三面を魚市場での倉庫火事が紙面を賑わした翌日。


スパ「風がかなり巻いてますね。」



ヒュルルルー



長門「ビル風の凄さは香港名物でもあるからな。」

長門「高層ビルが立ち並ぶ都市ならではと言えなくもないがな。」



観測用の双眼鏡を片手に長門が言葉を返す。



長門「一発こっきりだ。やり直しは効かない。しっかり決めてくれ。」

スパ「姉さん達の肝の据わり方は異常ですよ。まったく。」



ぶつくさと言いながら構え、スコープを覗く。

ビルの屋上に腹ばいになり構える銃は

イギリス製の対物ライフルAW50。

しかし、それは見た目が少し違った。



長門「檄鉄と薬室部分の部品ぐらいしか持ち込めなくてな。」

長門「流石に分解してでも全てを持ち込むには難しかった。」

スパ「金次第でなんとでもなりそうですがね。」

長門「こっちの製造業で使う

   業務用3Dプリンターで作ったものだから強度が無い。」

長門「拳銃弾なら3Dプリンター製でも連発に耐えるようだが。」

スパ「流石に12.7mmは持ちませんか。」

長門「後始末の問題もあるしな。」

スパ「だとしても、対象の頭はダイヤモンドか何かですか?」

長門「例に漏れず防弾車での移動なんでな。クラスがEN-B7」

スパ「あぁ、ですと普通の狙撃銃じゃ無理ですね。」

スパ「悪い事している自覚があるから命を守る為の金は惜しまないという事ですね。」



ちらりと長門が左手につけた腕時計を確認する。

秘書として働いていた間に把握した出社時間と通勤ルート。

その通勤ルート内で車内の目標を狙撃するつもりなのである。

後の逃走までを考えると住んでいる住居や車の乗り降りの時に狙うより

移動中に狙う方がいいとの結論からの狙撃ポイントなのである。

28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 00:32:54.73 ID:S4P9bhGd0

長門「そろそろだ。」



長門がそう呟き、ウォースパイトは再度、銃を構えなおす。



長門「風向き 東南 風速 3m……。」

長門「目標まで5km」

スパ「えーっと…、何ヤードですか?」

長門「……、3.15?」

スパ「了解。」



そして、ウォースパイトが覗くスコープに1台の高級車が移りこむ。

マイバッハS600の後部座席に狙撃対象は寛いだ様子で座っている。



CEO「長門君は休暇か……。」



運転席とはスモークの防弾ガラスで仕切られている為、

誰に話すでなく独り言を呟く。

車外との窓ガラスがスモークではなく

普通の透明な防弾ガラスなのは見栄を張り面子を重んじる中国人らしく

自分が臆病者と他人に侮られたくない為か。

車に乗る人物の人となりを良く表しているとも言える。

そして、優秀な秘書が先日から休暇をとっている事により生じている不便に愚痴が漏れる。

長門は休暇に入る前、入っていた予定には全て微に入り細に入り必要な手配、

指示を済ませていた。

だけに、突発的な事項には対応できず昨晩から事態収拾に追われていた。

29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 00:34:28.60 ID:S4P9bhGd0

CEO「まったく誰が……。」



北京閥との顔を繋いで中南海の奥の院に

ようやく名前が売れて来たと思った矢先に。



CEO「軍に貸していた冷凍倉庫が吹き飛ぶとは……。」

CEO「貴重な商品が……。」



そう、軍に貸し出した冷凍倉庫内に

保管されていた物についてCEOは知っていた。

そして、更にはそれを軍以外にも他の国へ横流ししていたのだ。



CEO「金のなる木が……。」



何者かの爆破により吹き飛んだその被害額を考えれば

ぼやきたくもなるというものである。

ボッ!

車内に真っ赤な華が咲き石榴が割れるかの如くCEOの頭部は無くなった。



スパ「目標排除確認。」ヨッコイセ

長門「同じく確認。にしても、なんというか。」

スパ「対物ライフルで吹き飛ばすと文字通りに吹き飛びますからね。」



銃口から煙がたなびく状態のAW50をぼきぼきと力任せに折るウォースパイト。



スパ「結構軽く壊れますね。」

長門「だから1発分の耐久力しかないのさ。さぁ、急ぎ撤収するぞ。」

長門「流石に音までは消せないからな。」



狙撃時の音で警察が来る前に急ぎ二人は撤収したのだった。

30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/07(月) 00:39:20.07 ID:S4P9bhGd0
以上短いながらも更新終了で御座います
勘のいい方はここまでのヒントで研究施設等が何処にあるか分かるんだろうなぁと
それはそうと、みなさまイベ楽しまれてます?
私は秋月型の2セット運用を目指し涼月の二人目をゲットすべくお目目ぐるぐるになりながら輸送丁堀しています
ガチャンは心に来ますね、終了日が告知されたのでいい加減見切りをつけないといけないところ
ZECO津風ことアメリ艦天津風はちゃっかり確保してるんでギリギリまで掘りたいところ
秋月型はほんと何人居ても腐らない娘なので掘れる時は掘っておきたいですね
感想、乙レス、ありがとうございます、お気軽に残していただけるとイチが喜びます
では、次回もお時間よろしければお読みいただけると幸いです、ここまでお読み頂きありがとうございました
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/07(月) 08:57:44.11 ID:T2YiU9iLO

自分はまだe3のギミック解除の段階なので
クリア済みの方々が羨ましいですわ
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/07(月) 20:07:11.84 ID:5pJ1sCJv0
おつ
相手しっかりした組織だし雪風が音消しに打ってた麺生地から指紋取られると将来丹陽になることがあった場合面倒になりそう

E3甲ラスダン三日目、潜水幼女二回はもううんざりだから今日から機動部隊に変更
メシマズ駆逐艦のカットインがボスに行かないがHP100以下に追い込めてるんでそのうちいけそう
言ってるそばから初手幼女に二隻中破させられた 東海仕事してw
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 00:01:09.78 ID:EVLvy9ST0
229出撃 191 S勝利 2 A敗北 36道中撤退
涼月2人目を掘ろうと軽く考えていてえらいことになりました
なんとかお迎えできたのでよかったようなものの、E3まで通しての攻略より資源、バケツが飛びました
お高い女、涼月
イベ自体はリセ堀なども活用していたので、今回は無事全甲達成できました
海域数が少ない時くらいは頑張らないといけないですね、早波?知らんですよ?
では、お時間宜しければ本日の更新もお付き合いをいただけると幸いです
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/15(火) 00:05:35.56 ID:EVLvy9ST0

香港 九龍 尖沙咀 重慶大廈内ショッピングセンター



グラ「やぁ。Guten Tag 今、来たところかな?」

川内「伯爵達も?」



グラーフと摩耶が二人一緒に並んでいる。



摩耶「おう。今来たところだぜ。皆、時間通りだな。」

時雨「早くても遅くてもいけない。」

「確かに、時間を守るというのは信用商売には大事だね。」



一同の待ち合わせ場所に現れるアロハシャツの中年男性。



雪風「お久しぶりです。」

「やぁ、君はまったく容姿が変わらないね。」

「だが、昔と比べて随分雰囲気が明るくなった感じがするよ。」

スパ「姉さん、こちらの方は?」

雪風「こちらの方はや「柳(リュウ)と言います。」



雪風と日本語でやりとりをしウォースパイトに流暢な英語で話しかける。



柳「先日御連絡をさせていただいた代理人は私の部下でしてね。」



素性を知る雪風の紹介を遮り自分から自己紹介。

雪風には素性を話すなというメッセージを送ると同時に

他のメンバーへは自分の素性を詮索するなという事。



柳「そちらがされた仕事についてその後の動きを含めて打ち合わせ宜しいですか?」



眼鏡をかけアジア系の人懐っこい笑顔、

しかし、自分達の提督程では無いものの

何処となく胡乱な雰囲気を纏った中年の後ろを一同は付いていく。

そして、一向は一軒の高級中華料理屋の中へと消えてった。

35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/15(火) 00:07:55.19 ID:EVLvy9ST0

中華料理店内



柳「好きなものを頼んで貰って大丈夫だから。」



そう柳が言うとめいめい

思い思いの物を注文し始める。

燕の巣だの鱶鰭だの干鮑だのと

高級食材に遠慮が無いのは人の財布だからか。



柳「おじさんちょっと後悔してるかも。」ニコニコ

雪風「ほれ…モグモグ こふご……モグモグ」

長門「すまない。

   今後の此方の予定とそちらの予定のすり合わせを行いたいのだが。」



口いっぱいにハムスターの様に食事を詰め込み

話そうとした雪風を遮り長門が話し始める。



長門「こちらも予定通りの進行で

   後は監禁されている娘達の解放、国外への脱出だけだ。」

長門「もっとも最後が一番困難なのだがな。」

柳「監禁場所の目星はついたから行動に移ったのじゃないのかな?」

柳「社員の解放に要求していた艦娘の艤装や

  建造設備の貸与を承諾したのも準備完了したからだとおじさんは睨んでいる。」

柳「良ければおじさんも協力したんだから場所は何処だったか教えて貰いたいね。」

グラ「お察しの通りだ。監禁場所とされる施設には我々が既に入りこんでいる。」

グラ「先日の倉庫火災の件については検体を残さないようにする為のものだ。」

グラ「それと、その後の敵の動きを見て監禁場所の特定を確実にする為のものでもあった。」

摩耶「まっ、あたしらの提督が条件に当てはまる施設は

   ここくらいしかないだろって言ってたからな。」

摩耶「大量に電気を消費してもおかしくなく、万一子供がうろついても問題なし。」

グラ「つねに人の出入りが激しく、巨大な研究施設などを作っても目立たない。」

摩耶「施設の増設を行ってもまったく不審に思われないってもの重要だな。」

グラ「加えて様々な機械の搬入を行っても不審に思われることがない。」

グラ「海外資本も入っているからまさか、という点で盲点になりやすい。」

摩耶「さらに大量の警備員や顔を隠した不審人物が居ても怪しまれない場所。」

摩耶「後、案の定で倉庫火災の後に警備も増えたしな。」

柳「……、よほど大きな商業施設か軍施設か……。」



香港の地図を頭に浮かべ、そんな条件が当てはまる場所と言えば?

36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/15(火) 00:09:48.43 ID:EVLvy9ST0

柳「成程、香港ディズ○ーランドか。」

グラ「御名答。」

摩耶「いくらパーク利用者向けの

   フェリー埠頭があるといっても貨物船はちょっとね。」

摩耶「流石にテーマパークに貨物船を横付けしてってなると

   おかしさ極まりないからな。」

摩耶「それで香港ディ○ニーに資本参加している

   例の会社が持っている倉庫に保管していたって寸法さ。」

グラ「あのテーマパークのモットーは現実を感じさせない。だからな。」

摩耶「ゴミ搬出車両の為の車両用地下通路、従業員の移動用地下通路等。

   まぁ、広大な地下世界が広がっているんだぜ?」

摩耶「ありゃ、悪の結社のアジトがあるって言われてもあたしは信じるね。」

長門「実際に悪の組織の拠点があった訳だがな。」

柳「なかなか目の付け所が素晴らしいねぇ。」

柳「そちらの提督さんは商売人になってもきっと成功できるだろう。」



あくどい笑顔を見せて提督への賛辞を述べる柳。



雪風「火種にするのは勘弁して欲しいです。」

雪風「というより死にたくなければ弁えるのも優れたビジネスマンです。」

柳「はは。雪風ちゃんに睨まれるような事はおじさんもやりたくないさ。」

柳「じゃぁ、最後になんだけど脱出用手段は事前の打ち合わせ通りの用意。」

柳「第三国の所属を装っているから取りあえずは無関係っぽいかな?」

長門「分かりやすい特徴は有るのか?」

柳「スカルマークのペイントアートが入っている。」

柳「運び屋も修羅場をいくつも潜ったスペシャリストを雇っている。」

柳「運べないものは地球ぐらいと嘯く連中だ。

  越えた鉄火場は両手足の指で足りない程だ。」

長門「成程。それは頼もしいな。」

長門「その連中が中国との取引材料になっている物を運んでくるわけか。」

柳「そういう事。上手く事を運んで欲しい。これは私の上も望んでいる。」

柳「まっ、そういう訳で彼らはいつ香港に来ればいいのかな?」

長門「………、そうだな。」

長門「……、3日後で。」

柳「3日後ね。」

柳「指定を受けていたトラックはこちらでディ○ニーの駐車場に回しておこう。」

柳「鍵の受け渡しは現場で。」

柳「解放パーティーの準備もしておくよ。」

長門「あぁ、よろしく頼む。」



そして、会話を終えた後に伝票が運ばれてくる。
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/15(火) 00:11:04.52 ID:EVLvy9ST0

長門「随分と金額がはるようだが?」



伝票に何かを書き込みそれを柳へと渡しながら話をする長門。



柳「あぁー、成程。確かにこれは…。」

柳「でもまぁ、おじさんが奢るっていっちゃったからね。」

柳「おじさんが払うよ。」

雪風「ご馳走様でした!」

一同「ご馳走さまでした。」

柳「いやー、可愛い娘ちゃん達から御礼言われると

  おじさん嬉しいよ?」ニコニコ



長門から渡された伝票をぐしゃりとポケットに突っ込むのを確認して

食事を終えた一同は席を離れたのだった。



(全員聞いてくれ)



店を出たタイミングで長門が小声で注意喚起。

そしてハンドサインで何某かを伝える。

その後、一同から了解の確認を取ると

それぞれがまたチームに別れ香港の雑踏へと消えていった。

38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/15(火) 00:12:31.30 ID:EVLvy9ST0

作戦決行日 香港ディズ○ーランド入り口



時雨「雪風、ワンデーパスだよ。」

雪風「こういう仕事でなければ楽しめたのでしょうけど。」

長門「さてと、妹よ。いこうか。」

スパ「雪ちゃーん行きましょうかー。」



変装して園内に入る二組の姉妹。

テーマパークだけあって

家族連れに見せかけて入れば違和感はどこへやら。



長門「雪風の変装はなんというか。」ブフォォ

時雨「うん。ありだとは思うよ。」フフフ

雪風「解せぬ。」



フリルがたっぷり付いたゴシックロリータと

形容するのが正しいいかにもなお嬢様な格好の雪風。



スパ「いやぁ、頭のヘッドドレスもすごく似合っています。」ホクホク



雪風の服装はウォースパイトプロデュースである。

その役割は姉長門、妹時雨。

そして母ウォースパイトに娘雪風。



雪風「解せぬ。」



約一名が不機嫌なのはこの際見なかった事にするのが妥当だろう。

川内は先日の食事会の後、

既に園内にスーツアクターのバイトとして潜入している。

川内曰くダンサーとして正社員を打診されたが断ったとか。

そして、園内で時間を過ごし時刻は夜間パレードの時間となる。

一般客がパレードの行われる大通りへと集まる中、一同は移動を開始した。

一行が向うのは飲食店が集まっているエリアへ。

39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/15(火) 00:13:35.45 ID:EVLvy9ST0

「お客様、メッセージとこちらをお預かりしています。」



店内に入ればスタッフが近付いてきて一枚のメモ紙を渡してくる。

メモ紙を開けば園内スタッフが出入りする地下通路のある

バックステージへの入り口が記されていた。

そして、車のナンバーが書かれたキーホルダーが付いた鍵が一本。



長門「移動するぞ。」



パレードへ向けて移動する人ごみに紛れながら移動する一行。



時雨「鼠の王国だけに地下世界が好きだなんて。」

長門「なかなか皮肉というか洒落が効いているじゃないか。」

スパ「アメリカンジョークは品がないからいやですねぇ。」

雪風「周囲には私達以外に人気はないです。」



そして中へ入れば。

40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/15(火) 00:14:33.25 ID:EVLvy9ST0

「ヤァ!魔法の世界へようこそ!」



見覚えのあるあのキャラクター。



長門「川内。潜入お疲れ。詳細はつかめているか?」

「なんだ声で直ぐわかったの?」



首からを上を外し見えてはいけない中の人が顔を覘かせる。



川内「長門と時雨は変装しないと関係者っぽくないけど…。」



言いよどんだ先に視線を居るのは雪風とウォースパイト。



川内「二人はいっか。」

雪風「解せぬ。」



バックステージ自体は広大な敷地内に様々なアクターやパークスタッフ。

所謂裏方達が様々な仕事を行うところである。

それは園内営繕の為の道具の管理やショーの為の練習、

あるいは遊戯施設の運営状況。

使われていないシーズン事のアクター達のスーツ。

例えるなら美人女優の腹の中。

まず滅多にお目にかかれる場所ではないのだ。

それだけに見えない、

スタッフ達ですら把握していない場所があってもおかしくなかったりする。

41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/15(火) 00:15:54.05 ID:EVLvy9ST0

川内「目的地への移動用地下通路はこっちね。」



園内の特定場所にスーツアクターが

急に登場したりすることが出来るのも地下通路のおかげ。

バックステージから案内されたそれは

途中まではスタッフ用通路として利用されているようだが……。



川内「こっから先は研究施設。」



地下通路を通る中で先頭をあるいていた川内が注意喚起。



長門「監視カメラは?」

川内「先行している伯爵が黙らせて偽の映像ながしてる。」

川内「仕事が終わるまで何も異常はないよ。」



川内を先頭に廊下を進む一行。



「不……。」

ゴトリ



雪風「死人に口無しアル。」

時雨「アル。」クックック

川内「アル。」フッフッフ



雪風のワイヤーソーが曲がり角で出会った敵の首を落す。



長門「なかなか重武装の警備員だな。」

スパ「当たり前の様にコピー品が多いですね。」



装備を剥ぎ取りながらその模造品を観察し

ハンドガンのスライドを引き給弾。

通路にいる警備兵を幾人か始末し

死体は空いてる部屋へと片付けながら進行する一行。

42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/15(火) 00:17:22.64 ID:EVLvy9ST0

時雨「雪風はいいの?」



先ほどから音を立てずに暗器と

ワイヤーソーのみで敵を切り刻む雪風に声をかける時雨。



雪風「これの方が慣れていますし

   こういった狭いところで大立ち回りするには厳しいですから。」

時雨「そっか。」



ギュイン!

ピーン!

必殺仕事人の三味線屋 勇次の様に

距離の離れた相手の首にワイヤーを飛ばし巻き付ける。

ギュンギュンとワイヤーにテンションが掛かる音が当たりに響き。



スパ「グロ注意。」



ピーン! (ワイヤーを指で弾いた)



雪風「今更です。」



ガクッ

敵の首が胴と泣き別れした。



長門「問題なし。」



背を低くし一陣の風となり廊下を駆け抜けていく一同。



摩耶「こっちこっち」



幾つかの角を曲がり施設の奥深くへと進んでいった所で

摩耶が通路奥から手招きをしてくる。



摩耶「いらっしゃい。」

長門「ここか?」

摩耶「ここは工場だよ。」



入り口扉付近で会話を交わす。

中に入れば正しく工場、人体加工場そのものだった。

43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/15(火) 00:19:03.99 ID:EVLvy9ST0

摩耶「潜入工作、救出ってことであれば隠密行動が旨なんだけどね。」

摩耶「伯爵と二人でここの職員は黙らせて一箇所にまとめてあるよ。」

雪風「ここはプラステネーションの加工場ですか……。」

川内「各地の職業紹介所に連れてこられた反政府活動家や少数民族。」

川内「あるいは宗教活動家。それらの成れ果てがこれかぁ。」

時雨「人体模型かぁ……。随分と酷い扱いだね。」

川内「こういうのがあるって言うのは

   なんというか統治に苦労しているのが伺えると思うけどね。」

川内「統治する上での綻びっていうのかね。

   見せしめを出さないといけないほどに政治への抵抗活動が見えてきているってのは。」

長門「まっ、それを我々が今する話しではないさ。」

長門「摩耶、何某かの意図があってこっちへ誘導したんだろ?」

摩耶「さっすが長門の姉御。

   ここに捕らわれている連中を解放して目くらましにと思ってね。」

長門「成程。中国当局の動きを分散させる目的か。」

摩耶「そそ、連中にとってどっちがより蓋をしたいものかって事。」

雪風「ハウスマヌカンの仕事を紹介で職業紹介所ですか…。」

長門「こっちの職業は一生がそこで終わる訳だが何とも皮肉が効いているな。」

時雨「それで、僕達の本来の目的である救出対象はどこかな?」

摩耶「それも突き止めてある。」

摩耶「付いて来て。」

摩耶「と、後、時雨はちょっと覚悟しておいて。

   捕らわれていた娘は形式上は時雨の姉妹艦になるからさ…。」



歯切れ悪く言う摩耶。

その後、一行は摩耶に連れられて施設奥へと更に進んだ。

先を進む摩耶が手早くカード鍵をいれ扉を開けた。

44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 00:24:26.39 ID:EVLvy9ST0
今日は此処までです、お読み頂きありがとうございました
中国の人間工場は昔人体の不思議展というのがあったましたがあれですね…
妊娠1週目から出産間近の女性の人体模型(本物)
はい、中国国内で非合法組織とされている法輪巧の信者と噂されていた奴
また、イギリスBBCが去年天津での臓器売買を囮捜査的な形で取材していたのも記憶に新しいかと思います
命が紙切れより安い国、恐ろしい国ですよね、本当に
乙レス、感想レス、いつもありがとうございます、お気軽にレスいただけるといちが喜びます
次回もお時間宜しければお読みいただけると幸いです
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 00:58:54.59 ID:9vv2otZX0
おつ
あれも運営組織が変わるまでは割とまともな資料だったんだがねえ…
仕事柄良く見に行ってたが運営変わってからあからさまに遺体で遊ぶようになったんで切った

そしてテーブルトークのシナリオで全く同じ理由で同じ場所にロクでもない組織の拠点を設置したことがあるんでニヤッとしてしまった
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