他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報VIP
更新
検索
全部
最新50
善子「きみここの法則」
Check
Tweet
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 21:57:36.94 ID:27ag2P9ZO
果南「スクールアイドル、浦の星で?」
善子「はい、といっても最近参加したばっかりでまだ練習とかはあんまりしてないんですけど……」
果南「ふーん……そうなんだ」
善子「はい、そんな感じです……」
果南「…………」
善子「…………」
果南「…………」
善子「…………」
善子「(なんか急に空気が重くなった……)」
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 21:58:16.04 ID:27ag2P9ZO
果南「ちょっと、やってみてよ」
善子「え……?」
果南「だからちょっと踊ってみてよ、なんでもいいから」
善子「え……いや、まだオリジナルの曲とかなくて…他のアイドルの真似して練習とかしかしてないです……」
果南「じゃあそれでいいから、見せてよ」
善子「えっと……あっ……“はい”」
善子「(ヤバイ……ヤバイ!ヤバイ!!なんか地雷踏んだ!?)」
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 21:58:56.76 ID:27ag2P9ZO
善子「(……変な汗出てきた)」ダラダラ
善子「はい、じゃあいきます」
果南「うん、どうぞ」
善子「I say~!ヘイ!ヘイ!ヘイ!スタートダッシュ!」キュッキュッ
果南「………」ジーッ
善子「(ヤバイ!ヤバイ!なんか無言でじっとこっち見てるし……))
善子「(背中、冷や汗だらけでべちょべちょ…)」
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 21:59:59.79 ID:27ag2P9ZO
善子「産毛の小鳥たちも〜♪」
果南「…………」
善子「(帰りたい……)」
果南「…………ストップ、歌はいいけどダンスの纏まりが無いかな」
善子「明日がさく………へ?」
果南「ちょっとそこに真っ直ぐ立ってみて」
善子「あ…“はい”」
果南「足を肩幅に開いて、手は胸の前」
善子「はい」スクッ
果南「まず初心者にありがちなんだけど……歌う時に手が下がってる。だから初めのうちは意識して手を落とさないように、見栄えが悪いから」
善子「は、はい!」
果南「それと……歌とダンスを同時にしなきゃいけない時、視線が前を見てないからそれも直すように」
果南「それからサビ前、ステップでリズム取るところが……」
───────────
───────
─────
───
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:14:50.77 ID:27ag2P9ZO
善子「フッ!……ホッ!」キュッ
果南「うん、及第点かな」
善子「はぁ…はぁ…その、ありがとうございます」
善子「あ、あの…聞いていいか分からないんですけど……」
果南「……昔やってたよ、スクールアイドル」
善子「へっ…?」
果南「ほらほら帰りな、家遠いんでしょ?早くフェリー乗らないとバス無くなっちゃうよ?」
善子「え…あ!ホント…し、失礼します!」
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:16:40.66 ID:27ag2P9ZO
バタバタ……
果南「…………アイドルのダンスなんて久しぶりに踊ったかな」
果南「……そういやダイヤが帰って来たって言ってたっけ…電話位してやるか」
Prrrrrrrrrrr……
果南「あ、もしもし鞠莉?」
果南「いや、ダイヤが帰って来たって言ってたからさ」
果南「は?何怒ってるの!?電話が遅いって…めんどくさい彼女か!!」
果南「へ?河原に来い!?河原ってどこだよ!一面海だよ!!」
果南「決闘するなら河原って相場が決まってる…?何バカな事言って……あ、ちょっと!待って!切らないで!結局河原ってどこなの!?」
───────────
───────
─────
───
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:18:13.16 ID:27ag2P9ZO
【次の日 屋上】
善子「よっつ!ほっ!……ハッ!」ピタッ
曜「すごい!善子ちゃんダンス滅茶苦茶上手くなってる」
梨子「歌ってても軸がぶれてない……そこすごく難しい所なのに…」
千歌「善子ちゃんがこんなにスクールアイドル活動に真剣になってくれるなんて…チカ感激だよ!!」ギュッ
善子「うぐっ……ぐえっ」
曜「千歌ちゃん、千歌ちゃん…善子ちゃん締まってる」
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:18:45.73 ID:27ag2P9ZO
善子「げほっ…げほっ…死ぬかと思った」
曜「こりゃアイ活が嫌になる前に千歌ちゃんのセクハラで辞めるのが先かな〜」
梨子「辞めるのは確定なのね……」
千歌「そんなー!……辞めないでね?善子ちゃん」
善子「あはは……“はい”」
善子「………ん、あれ? 」
ルビィ「…………」ジーッ
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:19:48.20 ID:27ag2P9ZO
善子「あっち…誰かいない?」
曜「へ……ああ、あれはルビィちゃんだね」
梨子「こないだ…見学に来てくれた子よね?」
千歌「うんうんあの子が有望株で………だけど、どうしたんだろ…こっちに来ないでずっと見てる」
善子「……ちょっと私行って来ます、クラスでもたまに話すので」
千歌「へ…?善子ちゃん知り合いだったの!?」
曜「千歌ちゃん、一年生は12人しかいないんだよ」
千歌「あぁ…そりゃ知ってるか……」
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:21:13.45 ID:27ag2P9ZO
善子「ちょっと」
ルビィ「ヒッ…!」
善子「私って……そんなに怖い?」
ルビィ「あ……津島さん……」
善子「……名前でいいわ」
ルビィ「へ……?」
善子「ええと……苗字で呼ばれるの慣れてないから、なんて」
ルビィ「あ、うん…分かったよ」
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:21:39.94 ID:27ag2P9ZO
善子「こんな所で見てないで…練習に入れて貰ったら? あんたの顔ならあの人達喜んで入れると思うけど?」
ルビィ「ええと…入りたいって言ったことは、あるんだけど…」
善子「あ、そうなの……で?」
ルビィ「すごい歓迎してくれて、ルビィもやりたいって思ってるんだけど……」
ルビィ「その……お姉ちゃんが…」
善子「……? なんで姉が出てくるのよ」
ルビィ「ええと…話すと長くなるんだけど…」
───────────
───────
─────
───
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:22:15.70 ID:27ag2P9ZO
善子「……とどのつまり、あんたの姉がアイドル関係で揉めて、アンタの活動にいい顔しない…ってことね」
ルビィ「う、うん…簡単に言うとそういう事かな…」
ルビィ「説得したいけどルビィ自信なくて……代わりに言葉だけ誰かに伝えて貰おうかとも思ったけど頼める人もいないし…」
善子「ふーん…そうなのね」
ルビィ「ねえ、その……善子ちゃんから言ってくれないかな…?」
善子「……」ピクッ
ルビィ「……なんてね、ごめん善子ちゃん…いくら何でもここまで頼むのは迷惑だよね…」
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:22:44.90 ID:27ag2P9ZO
善子「……わよ」
ルビィ「へ…?」
善子「“いいわよ!”私があんたの姉に言ってあげるわ!!」
ルビィ「えええ!?…でも…」
善子「いいから!今アンタの姉貴はどこにいるの? アンタの家?」
ルビィ「ええと、この時間ならお姉ちゃんは生徒会室に居ると思う…」
善子「え、生徒会室に居るの!?なんで!?」
ルビィ「なんでって…生徒会長だから……」
善子「生徒会長なの!?」
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:23:17.58 ID:27ag2P9ZO
【生徒会室】
善子「(そんなこんなで、私は生徒会長と対面している)」
ダイヤ「ええと…あなたの名前は?」
善子「津島ヨハ……善子です」
ダイヤ「津島善子さん、一年生ですね」
善子「は、はい……」
ダイヤ「それで? 今日はどういった要件で?」
善子「ええと…その……」
善子「(怖ッ!あの子の姉だからゆるふわ系かと思ったらガチガチにお固いじゃない!)」
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:24:24.29 ID:27ag2P9ZO
善子「ええと…黒澤先輩に話があってここに来ました」
ダイヤ「私に……? まあいいでしょう……で、どのような話ですか?」
善子「えっと……その……」
ダイヤ「……話を纏めて来ていないのですか」
善子「いやっ!そんなことは無いです!ちゃんと考えてあります!
ダイヤ「……なら早く言いなさい、私それほど暇ではないのです」
善子「……話は、あなたの妹ルビィについてです」
ダイヤ「……聞きましょう」
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:24:50.19 ID:27ag2P9ZO
ダイヤ「…………つまり、ルビィがスクールアイドルを認めてほしくて貴方を送り込んだと」
善子「そんな使い走りにしたみたいな…私は自分で…」
ダイヤ「どちらにせよやってる事は同じでしょう、自分で話しに来ないのですから」
善子「うっ……」
ダイヤ「まどろっこしい事は嫌なので完結に返すと答えはノーです」
善子「そんな……あなたはただの姉でしょう?」
ダイヤ「そもそも、家族の話にあなたが口出しする方が間違っています」
善子「……正しい正しく無いの話に、家族かどうかは関係ないと思います」
ダイヤ「おだまらっしゃい!!」
善子「……」ビクッ
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:26:29.68 ID:27ag2P9ZO
ダイヤ「これ以上私に食い下がってどうするつもりですの?土下座でもしてくれるんですか?跪いて足でも舐めてくれるんですか?」
善子「それは……」
ダイヤ「出来ないでしょう…?…そもそも、貴方があの子と私の何を知ってるんですの?私がノーと言っている以上、そこで終わり。それだけの話です」
善子「でも……そんな!」
ダイヤ「でも、じゃありません……それとも本当に舐めて下さるんですか?」
善子「ぐっ……」
ダイヤ「ほらほら、足を舐めて下さいな」ヒラヒラ
善子「……」ピクッ
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:30:14.03 ID:27ag2P9ZO
善子「……“分かりました”」
ダイヤ「は……?」
善子「上履き、失礼します」ゴソゴソ
ダイヤ「は?え…?じ、冗談ですよね?」
善子「………」チュッ
ダイヤ「ひっ……そんな、き、汚いですわ!」
善子「動かないでください……顔蹴られそうで怖いです……ん…ちゅ……」
ダイヤ「ひゃ、ひゃい…」
善子「くちゅ…ぷはっ……れろ……」
ダイヤ「……い……や、やぁ」
───────────
───────
─────
───
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:30:43.77 ID:27ag2P9ZO
【次の日 部室】
千歌「この度ルビィちゃんが新しくメンバーになってくれることになりました!」
ルビィ「みなさんよろしくお願いします!」
曜「よっ!ルビィちゃん待ってたよ!」
梨子「これで五人…確か、これで部活申請できる人数よね」
善子「あー……それが、五人じゃないみたい」
曜「へ?どういうこと…?」
ダイヤ「…………」
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:31:26.42 ID:27ag2P9ZO
千歌「生徒会長も参加してくれるんだって!なんでもスクールアイドル経験者なんだって!」
曜「へー!それは心強いね!」
梨子「いままで私達殆ど独学だったから、ありがたいわね……よろしくお願いします」
ダイヤ「よ、よろしくお願いしますわ」
善子「……よろしく」
ダイヤ「ひ、ひゃい…」
ルビィ「お姉ちゃん…?」
ダイヤ「何でもないわ…何でも無いのよ、ルビィ」
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:32:14.41 ID:27ag2P9ZO
千歌「あとそれと、もう一つ嬉しいニュースです!」
曜「お、なになにー?」
千歌「今日はいないんだけど……ずっとスクールアイドルに勧誘していた果南ちゃんですが、この前遂に参加してくれると言ってくれました!」
千歌「いや、なんかね…もう一人連れて来るからその子と一緒ならいいよって」
梨子「え…あの先輩、千歌ちゃんが勧誘の話する度眉間に皺寄せてたけど……」
ダイヤ「果南さんが!?」
善子「生徒会長、知り合いなの…?」
ダイヤ「ええ…ええと、その……」
ルビィ「……お姉ちゃんと果南さんは…昔同じスクールアイドルグループだったんです」
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:32:47.33 ID:27ag2P9ZO
千歌「なんでももう一人の子は金髪で、最近まで喧嘩してたんだけどちょっと前に河原で殴り合って仲直りしたんだって」
善子「嘘よね…?そんな昭和の不良みたいな」
曜「……たぶん果南ちゃんの嘘だよ、時々私達をこうやってからかうんだよ」
千歌「だよね!やっぱり私達をおどかす為の冗談だよね!」
千歌「(果南ちゃん顔めちゃ傷だらけだったけど)」
ダイヤ「……」
ルビィ「おねえちゃん…?」
ダイヤ「ルビィ…大丈夫、何でもありません…私としても喜ばしい事ですわ」
ルビィ「……そっか」
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:33:16.12 ID:27ag2P9ZO
千歌「しかし、八人とは…大所帯になったね!」
曜「そうだね…!いままで以上に練習に気合入れていかないと!
梨子「運動音痴にもペースを合わせて貰えると嬉しいかな……」
曜「いやいや…そこは頑張っていかないと!ね?ルビィちゃん!」
ルビィ「え、ええと…はい、頑張ります!」
ダイヤ「ちょっと、個々人のペースに合わせた練習も必要ですわよ!」
曜「はーい……じゃあ今日は練習どうする?」
善子「ダンスで良いんじゃないの?まだ合わせられて無い所多いし」
梨子「確かにそうね…新しいメンバーも多いんだし」
曜「じゃあ、まずグラウンド数周して体を温めた後屋上でダンス練習だね!決定!」
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:33:49.61 ID:27ag2P9ZO
曜「千歌ちゃん置いてくよ〜!」
千歌「あ、チカまだかかりそうだから先行ってて!」
曜「りょうかーい!」
千歌「よっと……急がないと」ドン
バサバサバサ…
千歌「あ…善子ちゃんの鞄の中身出ちゃった……」
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:34:49.63 ID:27ag2P9ZO
千歌「ごめんね善子ちゃん……よいしょ、よいしょ…」
千歌「ん?なにこれ…本?」
『君のこころは輝いてるかい?』
千歌「なんだろこの本……」ペラッ
千歌「ええと、なになに……『きみここの法則』……?」
───────────
───────
─────
───
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:36:24.49 ID:27ag2P9ZO
千歌「………」
善子「ちょっと千歌、いつまで経っても来ないから皆不思議がってるわよ」
千歌「善子ちゃん……」
善子「いつまでもなにやって……それ、私の鞄にあった本よね……?」
千歌「勝手に読んじゃったのはごめん、善子ちゃんの鞄肘に当たって中身出ちゃって」
善子「ああ……うん、そうなのね」
千歌「ねえ、善子ちゃん……この『きみここの法則』ってやってるの?」
善子「え…?」
千歌「……答えて」
善子「……」ピクッ
善子「ええ、やっているわ」
千歌「…………」
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:36:52.27 ID:27ag2P9ZO
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
千歌『それで善子ちゃん…入ってくれるかな?』
善子『ええと…それは……』
千歌『…………』
善子『“分かりました”やります』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
曜『こりゃアイ活が嫌になる前に千歌ちゃんのセクハラで辞めるのが先かな〜』
梨子『辞めるのは確定なのね……』
千歌『そんなー!……辞めないでね?善子ちゃん』
善子「あはは、“はい”……」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:37:53.24 ID:27ag2P9ZO
千歌「この法則でYesって言わないといけないから…私の勧誘を受けてくれたの?」
善子「なっ…ち、違ッ…!」
千歌「でもこの法則、やってるんだよね…?」
善子「そ、それは……」
千歌「……チカが聞いたから無理して入ったんだったら……私……」
善子「……そ、そんなこと!」
千歌「……今日は帰るね、みんなには体長悪くなったって伝えといて」
───────────
───────
─────
───
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:39:25.97 ID:27ag2P9ZO
【次の日の朝 一年生教室】
善子「はぁ……」
花丸「おはよ、善子ちゃん……浮かない顔だね?」
善子「ああ……おはよう」
花丸「元気出して、明るく振る舞うことが人生ハッピーの近道ずら」
善子「元はと言えば……やっぱり、アンタのせいよね……」
花丸「その調子だとまた、あの法則の話ずら?」
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:39:53.40 ID:27ag2P9ZO
善子「そうよ……どうして?私今回疑ってないし、ノーなんて言おうともしなかった…なのに…なんで?」
花丸「そりゃそうずら、そもそも『きみここの法則』でバチが当たるなんてマルが口から出まかせ言っただけずら」
善子「え」
花丸「もっと言うと、絶対に『はい』って言わなきゃいけないっていうのもマルが勝手に言い出した事ずら」
善子「…は?」
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:40:32.45 ID:27ag2P9ZO
花丸「……やっぱり善子ちゃん、ちゃんとあの本読んでなかったんだね…」
善子「え……だって!あの時確かに私は怪我する前に疑って…!」
花丸「そもそも、あんな胡散臭い法則を最初から100パーセント信じる方が普通の人間じゃないずら。聞いたら最初、大体の人は信じないずら」
善子「でも、アレをするようになって……私の学校生活は変わって…」
花丸「だから、それこそが『きみここの法則』ずら」
善子「……へ?」
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:40:58.37 ID:27ag2P9ZO
花丸「……やっぱり善子ちゃん、ちゃんとあの本読んでなかったんだね…」
善子「え……だって!あの時確かに私は怪我する前に疑って…!」
花丸「そもそも、あんな胡散臭い法則を最初から100パーセント信じる方が普通の人間じゃないずら。聞いたら最初、大体の人は信じないずら」
善子「でも、アレをするようになって……私の学校生活は変わって…」
花丸「だから、それこそが『きみここの法則』ずら」
善子「……へ?」
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:43:02.93 ID:27ag2P9ZO
花丸「人生の全てにイエスと答えるなんて馬鹿げたことずら、そんなことで人生回る訳ないずら」
善子「でもあの時アンタは私の言うことを何でも聞いて……その、胸まで……」
花丸「あれは善子ちゃんが信じてなかったから、ちょっとからかっただけずら」
善子「えっ」
花丸「あの法則の本質はそこでは無いずら、心の底から全部にイエスって言えるのは外界に興味が無いか、よっぽどのお調子者ずら」
花丸「イエスと言うことで人生の歯車を少しだけ回す。あの法則に出来ることはそれだけずら、そこからの運命を変える力なんて存在しない」
善子「……でも、私は確かに変わったの!いっぱい話しかけてくれる友達や先輩も出来たのよ!それで運命変わってないって言うならなんなのよ!」
花丸「それで変わったのは、善子ちゃんの未来ずら」
───────────
───────
─────
───
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:44:03.23 ID:27ag2P9ZO
【授業後 教室】
花丸『善子ちゃんがまだ隠してる心を出して“イエス”と言える様になること、それが肝心ずら』
善子「(結局、最後にあいつは私に答えを伝えず自分の席へと戻っていった)」
善子「なんなのよ、心からイエスだなんて……」
善子「スクールアイドル活動も、みんなと一緒にいること私にとって、とっくに……」
善子「(とっくに…とっくに何だ? 私は何を言い淀んだ?何を恥ずかしがった?)」
善子「(……これがずら丸の言っていた、隠してる心なのかもしれない…のだろうか)」
善子「(でも、みんなの前で心を晒す勇気なんて…)」
ダイヤ「善子さん…? あ、やはり教室にいたんですね」
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:45:09.57 ID:27ag2P9ZO
善子「あ、生徒会長…」
ダイヤ「もうすぐ練習が始まりますわよ? 着替えの時間も考えたら早くしないと間に合いませんわ」
ダイヤ「他の皆さんはもうグラウンド出てますから、部室には私一人しかいませんでしたわ……」
善子「(一人…? そうか、一対一なら…もしかしたら)」
善子「あの…生徒会長一つお願いがあるんだけど……」
ダイヤ「は、はひ!? わ、私にお願いですか!?」
ダイヤ「それは…善子さんのお願いなら内容によりますが基本的にOKというか…代わりと言っては何ですがお願いがあるというか…」
善子「生徒会長…悪いけど千歌さんを呼んできてくれない?」
ダイヤ「千歌さんですね!わかりました!」ピュン
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:45:49.05 ID:27ag2P9ZO
千歌「善子ちゃん…」
善子「……どうも」
千歌「ダイヤさんが言ってたよ……『よく考えたらなんで私がパシらされてますの…』って」
善子「それは……後で、謝っておきます」
千歌「そうしなよ……で、何の用?」
善子「この前の、本の話です」
千歌「……」
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:46:51.14 ID:27ag2P9ZO
善子「私は、確かに……」
千歌「聞きたく……ないよ…!」
善子「へ…?」
千歌「もし、善子ちゃんがあの法則のせいで私達の活動に参加することになって、イヤイヤ参加してて」
千歌「あの時はついカッとなって、イヤイヤずっと居たんだって思ったら怖くなって……善子ちゃんを攻める様なことしちゃったけど、それで一緒にいられなくなるんだったら…」
千歌「私は……グスッ……聞きたくないよ」
善子「千歌さん……」
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:47:34.81 ID:27ag2P9ZO
善子「……」ギュッ
千歌「……へ?」
善子「千歌さんが、まだ会ったばかりの私にしてくれたことよ」
千歌「善子ちゃん……」
善子「私は確かに『きみここの法則』であなたの誘いを受けた、でもそれは……自分の意思に反しての事じゃなかった」
善子「私の内側にある心を……恥ずかしがって外に出さない私の心を外に解き放ってくれたのよ」
善子「だから私は、イヤイヤ参加したりしてないし…後悔なんて、したこともないわ
千歌「…………」
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:48:12.68 ID:27ag2P9ZO
千歌「一つだけ、答えて」
善子「ええ、なんでも答えるわ」
千歌「……善子ちゃんは私達と居て、楽しい?」
善子「もちろん、今までで一番楽しいわ」
千歌「……そっか!」
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:48:38.26 ID:27ag2P9ZO
千歌「でもなー……このまま許すってのもなあ…チカがちょっと傷ついたのは事実だし……」
善子「えっ……」
千歌「うーんと……そうだなあ……」
善子「お、お手柔らかににお願いします……」
千歌「よし!決めた!」
善子「……な、何?」
千歌「もうちょっと…こうしていてくれたら、許してあげる!」ギュ
善子「ふふっ……なによそれ」
───────────
───────
─────
───
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:49:08.24 ID:27ag2P9ZO
善子「(結局私は、傍から見ると特に変化のないまま元の鞘に収まった)」
善子「(千歌以外にとっては何も変わって無いのだから、当たり前だ)」
善子「(ただ、ちょっとだけ変わった事があった……それは)」
千歌「それにしても、本当に大所帯になったね!」
梨子「最初は部活申請出来るかどうかって話だったのに…今や八人だもんね」
曜「今日の練習どうする、善子ちゃん? また校庭百周耐久リレーやる?」
善子「イヤよ!あれ、最後の方はほんと意識が朦朧とするんだから!」
果南「私は良いと思うけどなあ、ちょうどいい練習量だと思うし!何よりアイドルはスタミナが必要でしょ!」
ダイヤ「貴方はまずアイドルとして顔の傷を治しなさいな……」
鞠莉「いやーちょっとマリーの拳が眉間にクリーンヒットしちゃって、パックリいっちゃったのよねえ……ま、私も鼻折れたけど」
ルビィ「ホントに殴り合いしてたんだね……」
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:49:37.82 ID:27ag2P9ZO
千歌「しっかし、惜しいなあ……」
梨子「惜しい…どうして?」
千歌「伝説のアイドルμ’sは九人グループなんだよ!あと一人居ればなあ」
曜「いまから一人加入かぁ……難しくない?」
善子「……それなら、一人心当たりがあるわ」
千歌「ホント!?善子ちゃん!」
鞠莉「その子って…キュートガールなの?」
善子「えっと癪だけど……美少女の範疇だと、思うわ」
ルビィ「ぅ…ルビィ人見知りだから…今から仲良くなれるかな…?」
善子「大丈夫、あなたもよーく知ってる人よ」
千歌「絶対入ってくれる!?」
善子「ええ、それはもちろん」
善子「ノーと言わない優秀な人材よ!」
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:50:56.04 ID:27ag2P9ZO
【図書館】
善子「……ずら丸」
花丸「あ……善子ちゃん、部活じゃないの?」
善子「ちょっとアンタと、話をしに来たわ」
花丸「………」
善子「何よその意外そうな目」
花丸「いやぁ……明日は槍でも降るかなあと思っただけずら」
善子「どういうことよその言い草! 私が話しかけるのそんなに珍しい!?」
花丸「あはは、善子ちゃん面白いずら」
善子「…………」
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:51:47.25 ID:27ag2P9ZO
善子「それでね、その青髪と金髪の先輩が河原で殴り合って……」
花丸「ええ……今時そんな昭和の不良みたいな……」
善子「それでそれで、最終的にその生徒会長まで一緒に入ることになって……」
花丸「すごい大所帯ずら…!こんだけ居れば、他のアイドルにも引けを取らないずら!」
善子「……ずら丸…聞いてるだけで楽しい…?」
花丸「うん!……善子ちゃんが楽しそうで、マルは嬉しいずら」
善子「……」
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:52:25.56 ID:27ag2P9ZO
善子「ねえずら丸……」
花丸「何ずら? 善子ちゃん」
善子「私達と一緒に…スクールアイドルやらない?」
花丸「マルも…?」
善子「悔しいけど、アンタのお陰で色んな事を知れた、いろんな経験が出来た」
善子「だからその楽しい事を…アンタにも……」
花丸「おっと、そこから先はストップずら」
善子「ずら丸…!でも、アンタだって!」
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:54:02.92 ID:27ag2P9ZO
花丸「ふふっ……ちょっと待つずら善子ちゃん」
善子「……何がおかしいのよ」
花丸「そもそも、マルは断るなんて一言も言ってないずら」
花丸「……そろそろこの図書室の小説も何割か読み終えるずら、後は他の活動の片手間でもきっと卒業までに読み終えることが出来る算段ずら」
善子「じ、じゃあ!」
花丸「そもそも、善子ちゃんのお願いされた時点で、答えは決まっていたずら……そもそも、新しい世界を広げる為の“あの法則”ずら」
花丸「時々話を聞いてて……楽しそうだなって思ってたんだよ? 善子ちゃんと何か一緒の事するの」
善子「ずら丸……」
花丸「善子ちゃん、マルの答えはね」
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:54:32.64 ID:27ag2P9ZO
花丸「イエス、ずら」
おわり
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:55:47.92 ID:27ag2P9ZO
読んでくださった方はありがとうございます
""の付いた言葉が何なのか、見ると分かることがあるかもしれません
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/12/03(月) 22:56:25.33 ID:27ag2P9ZO
>>73
体長→体調
>>77
ミス
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/12/05(水) 03:00:41.12 ID:6/lPotLEo
"でわかることはなにもなかった
54.69 KB
Speed:0
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
新着レスを表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)