善子「きみここの法則」

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74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:39:25.97 ID:27ag2P9ZO
【次の日の朝 一年生教室】

善子「はぁ……」

花丸「おはよ、善子ちゃん……浮かない顔だね?」

善子「ああ……おはよう」

花丸「元気出して、明るく振る舞うことが人生ハッピーの近道ずら」

善子「元はと言えば……やっぱり、アンタのせいよね……」

花丸「その調子だとまた、あの法則の話ずら?」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:39:53.40 ID:27ag2P9ZO
善子「そうよ……どうして?私今回疑ってないし、ノーなんて言おうともしなかった…なのに…なんで?」

花丸「そりゃそうずら、そもそも『きみここの法則』でバチが当たるなんてマルが口から出まかせ言っただけずら」

善子「え」

花丸「もっと言うと、絶対に『はい』って言わなきゃいけないっていうのもマルが勝手に言い出した事ずら」

善子「…は?」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:40:32.45 ID:27ag2P9ZO
花丸「……やっぱり善子ちゃん、ちゃんとあの本読んでなかったんだね…」

善子「え……だって!あの時確かに私は怪我する前に疑って…!」

花丸「そもそも、あんな胡散臭い法則を最初から100パーセント信じる方が普通の人間じゃないずら。聞いたら最初、大体の人は信じないずら」

善子「でも、アレをするようになって……私の学校生活は変わって…」

花丸「だから、それこそが『きみここの法則』ずら」

善子「……へ?」
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:40:58.37 ID:27ag2P9ZO
花丸「……やっぱり善子ちゃん、ちゃんとあの本読んでなかったんだね…」

善子「え……だって!あの時確かに私は怪我する前に疑って…!」

花丸「そもそも、あんな胡散臭い法則を最初から100パーセント信じる方が普通の人間じゃないずら。聞いたら最初、大体の人は信じないずら」

善子「でも、アレをするようになって……私の学校生活は変わって…」

花丸「だから、それこそが『きみここの法則』ずら」

善子「……へ?」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:43:02.93 ID:27ag2P9ZO
花丸「人生の全てにイエスと答えるなんて馬鹿げたことずら、そんなことで人生回る訳ないずら」

善子「でもあの時アンタは私の言うことを何でも聞いて……その、胸まで……」

花丸「あれは善子ちゃんが信じてなかったから、ちょっとからかっただけずら」

善子「えっ」

花丸「あの法則の本質はそこでは無いずら、心の底から全部にイエスって言えるのは外界に興味が無いか、よっぽどのお調子者ずら」

花丸「イエスと言うことで人生の歯車を少しだけ回す。あの法則に出来ることはそれだけずら、そこからの運命を変える力なんて存在しない」

善子「……でも、私は確かに変わったの!いっぱい話しかけてくれる友達や先輩も出来たのよ!それで運命変わってないって言うならなんなのよ!」



花丸「それで変わったのは、善子ちゃんの未来ずら」





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79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:44:03.23 ID:27ag2P9ZO
【授業後 教室】

花丸『善子ちゃんがまだ隠してる心を出して“イエス”と言える様になること、それが肝心ずら』





善子「(結局、最後にあいつは私に答えを伝えず自分の席へと戻っていった)」

善子「なんなのよ、心からイエスだなんて……」

善子「スクールアイドル活動も、みんなと一緒にいること私にとって、とっくに……」



善子「(とっくに…とっくに何だ? 私は何を言い淀んだ?何を恥ずかしがった?)」

善子「(……これがずら丸の言っていた、隠してる心なのかもしれない…のだろうか)」



善子「(でも、みんなの前で心を晒す勇気なんて…)」






ダイヤ「善子さん…? あ、やはり教室にいたんですね」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:45:09.57 ID:27ag2P9ZO
善子「あ、生徒会長…」

ダイヤ「もうすぐ練習が始まりますわよ? 着替えの時間も考えたら早くしないと間に合いませんわ」

ダイヤ「他の皆さんはもうグラウンド出てますから、部室には私一人しかいませんでしたわ……」

善子「(一人…? そうか、一対一なら…もしかしたら)」







善子「あの…生徒会長一つお願いがあるんだけど……」

ダイヤ「は、はひ!? わ、私にお願いですか!?」

ダイヤ「それは…善子さんのお願いなら内容によりますが基本的にOKというか…代わりと言っては何ですがお願いがあるというか…」

善子「生徒会長…悪いけど千歌さんを呼んできてくれない?」

ダイヤ「千歌さんですね!わかりました!」ピュン
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:45:49.05 ID:27ag2P9ZO
千歌「善子ちゃん…」

善子「……どうも」

千歌「ダイヤさんが言ってたよ……『よく考えたらなんで私がパシらされてますの…』って」

善子「それは……後で、謝っておきます」

千歌「そうしなよ……で、何の用?」

善子「この前の、本の話です」

千歌「……」
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:46:51.14 ID:27ag2P9ZO
善子「私は、確かに……」

千歌「聞きたく……ないよ…!」

善子「へ…?」

千歌「もし、善子ちゃんがあの法則のせいで私達の活動に参加することになって、イヤイヤ参加してて」

千歌「あの時はついカッとなって、イヤイヤずっと居たんだって思ったら怖くなって……善子ちゃんを攻める様なことしちゃったけど、それで一緒にいられなくなるんだったら…」

千歌「私は……グスッ……聞きたくないよ」

善子「千歌さん……」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:47:34.81 ID:27ag2P9ZO
善子「……」ギュッ

千歌「……へ?」

善子「千歌さんが、まだ会ったばかりの私にしてくれたことよ」

千歌「善子ちゃん……」

善子「私は確かに『きみここの法則』であなたの誘いを受けた、でもそれは……自分の意思に反しての事じゃなかった」

善子「私の内側にある心を……恥ずかしがって外に出さない私の心を外に解き放ってくれたのよ」

善子「だから私は、イヤイヤ参加したりしてないし…後悔なんて、したこともないわ

千歌「…………」
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:48:12.68 ID:27ag2P9ZO
千歌「一つだけ、答えて」

善子「ええ、なんでも答えるわ」

千歌「……善子ちゃんは私達と居て、楽しい?」

善子「もちろん、今までで一番楽しいわ」

千歌「……そっか!」
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:48:38.26 ID:27ag2P9ZO
千歌「でもなー……このまま許すってのもなあ…チカがちょっと傷ついたのは事実だし……」

善子「えっ……」

千歌「うーんと……そうだなあ……」

善子「お、お手柔らかににお願いします……」

千歌「よし!決めた!」

善子「……な、何?」





千歌「もうちょっと…こうしていてくれたら、許してあげる!」ギュ

善子「ふふっ……なによそれ」


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86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:49:08.24 ID:27ag2P9ZO
善子「(結局私は、傍から見ると特に変化のないまま元の鞘に収まった)」

善子「(千歌以外にとっては何も変わって無いのだから、当たり前だ)」

善子「(ただ、ちょっとだけ変わった事があった……それは)」






千歌「それにしても、本当に大所帯になったね!」

梨子「最初は部活申請出来るかどうかって話だったのに…今や八人だもんね」

曜「今日の練習どうする、善子ちゃん? また校庭百周耐久リレーやる?」

善子「イヤよ!あれ、最後の方はほんと意識が朦朧とするんだから!」

果南「私は良いと思うけどなあ、ちょうどいい練習量だと思うし!何よりアイドルはスタミナが必要でしょ!」

ダイヤ「貴方はまずアイドルとして顔の傷を治しなさいな……」

鞠莉「いやーちょっとマリーの拳が眉間にクリーンヒットしちゃって、パックリいっちゃったのよねえ……ま、私も鼻折れたけど」

ルビィ「ホントに殴り合いしてたんだね……」
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:49:37.82 ID:27ag2P9ZO
千歌「しっかし、惜しいなあ……」

梨子「惜しい…どうして?」

千歌「伝説のアイドルμ’sは九人グループなんだよ!あと一人居ればなあ」

曜「いまから一人加入かぁ……難しくない?」

善子「……それなら、一人心当たりがあるわ」

千歌「ホント!?善子ちゃん!」

鞠莉「その子って…キュートガールなの?」

善子「えっと癪だけど……美少女の範疇だと、思うわ」

ルビィ「ぅ…ルビィ人見知りだから…今から仲良くなれるかな…?」

善子「大丈夫、あなたもよーく知ってる人よ」

千歌「絶対入ってくれる!?」

善子「ええ、それはもちろん」





善子「ノーと言わない優秀な人材よ!」
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:50:56.04 ID:27ag2P9ZO
【図書館】

善子「……ずら丸」

花丸「あ……善子ちゃん、部活じゃないの?」

善子「ちょっとアンタと、話をしに来たわ」

花丸「………」

善子「何よその意外そうな目」

花丸「いやぁ……明日は槍でも降るかなあと思っただけずら」

善子「どういうことよその言い草! 私が話しかけるのそんなに珍しい!?」

花丸「あはは、善子ちゃん面白いずら」

善子「…………」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:51:47.25 ID:27ag2P9ZO
善子「それでね、その青髪と金髪の先輩が河原で殴り合って……」

花丸「ええ……今時そんな昭和の不良みたいな……」

善子「それでそれで、最終的にその生徒会長まで一緒に入ることになって……」

花丸「すごい大所帯ずら…!こんだけ居れば、他のアイドルにも引けを取らないずら!」

善子「……ずら丸…聞いてるだけで楽しい…?」

花丸「うん!……善子ちゃんが楽しそうで、マルは嬉しいずら」

善子「……」
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:52:25.56 ID:27ag2P9ZO
善子「ねえずら丸……」

花丸「何ずら? 善子ちゃん」

善子「私達と一緒に…スクールアイドルやらない?」



花丸「マルも…?」

善子「悔しいけど、アンタのお陰で色んな事を知れた、いろんな経験が出来た」

善子「だからその楽しい事を…アンタにも……」

花丸「おっと、そこから先はストップずら」

善子「ずら丸…!でも、アンタだって!」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:54:02.92 ID:27ag2P9ZO
花丸「ふふっ……ちょっと待つずら善子ちゃん」

善子「……何がおかしいのよ」

花丸「そもそも、マルは断るなんて一言も言ってないずら」

花丸「……そろそろこの図書室の小説も何割か読み終えるずら、後は他の活動の片手間でもきっと卒業までに読み終えることが出来る算段ずら」

善子「じ、じゃあ!」

花丸「そもそも、善子ちゃんのお願いされた時点で、答えは決まっていたずら……そもそも、新しい世界を広げる為の“あの法則”ずら」

花丸「時々話を聞いてて……楽しそうだなって思ってたんだよ? 善子ちゃんと何か一緒の事するの」

善子「ずら丸……」

花丸「善子ちゃん、マルの答えはね」
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:54:32.64 ID:27ag2P9ZO


花丸「イエス、ずら」

おわり
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:55:47.92 ID:27ag2P9ZO
読んでくださった方はありがとうございます

""の付いた言葉が何なのか、見ると分かることがあるかもしれません
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/03(月) 22:56:25.33 ID:27ag2P9ZO
>>73
体長→体調

>>77
ミス
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/05(水) 03:00:41.12 ID:6/lPotLEo
"でわかることはなにもなかった
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