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霊能力者「寺生まれの“D”です」
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84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/09(金) 15:30:49.21 ID:fLnD97in0
ピッ
霊能力者「なるほど、ねー」
助手「聞いている限りでは最初から既に不味い気がしたのですが」
マミア「えっと、一応は私だけの被害でしたので!一人暮しですし」
霊能力者「ふーん。で、相談したPでもどうにもならずにここか」
P「不甲斐ないです……」
霊能力者「じゃ、質問。つっても1つだけだけど」
マミア「は、はい」
霊能力者「ここ半年以内にどっかの神社に行ったりした?」
マミア「行きました!」
霊能力者「よろしい。助手、」
助手「はい」
霊能力者「首筋辺り」
助手「畏まりました」シュバッ
マミア「ひゃんっ!?」
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/09(金) 15:36:18.09 ID:fLnD97in0
P「ちょっ!?」
霊能力者「あった?」
助手「一瞬ではありましたが、“呪印”らしきモノが見えました」
霊能力者「ふーん。なら確定か」
マミア「何か聞き捨てならぬなワードが」
霊能力者「単刀直入に言います」
マミア「はい」
霊能力者「あなたは今なにかしらのツヨーイ怨念に呪われてます」
マミア「はい、は……、うぇっ!?」
助手「それもかなり高度でインチキにでも頼んだら最後、死ぬようなものですね」
マミア「」
P「先輩それは本当ですか!?」
霊能力者「嘘言うわけないだろ」
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/09(金) 15:41:40.94 ID:fLnD97in0
助手「まあ、何もしなければ現状維持で済みますが」
マミア「……」
霊能力者「さて、録音はもう要らねーか。助手ー」
助手「はい」ぽいっ
スパパパンッ
ゴトトッ...
マミア「!?」
霊能力者「これで録音データは削除っと。さて、」
マミア「あ、あの!今漫画みたいな光景がっ」
霊能力者「スルーしろ」
助手「聞かないことがいい事もありますよ?」
ぽんっ...
マミア「……はい」
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/09(金) 15:49:43.07 ID:fLnD97in0
霊能力者「さて、順を追って説明しよう。まず1つ目、Pがこの件で役立たずの理由だが」
P「……僕の“守護霊”さんでは反応できませんね。“呪(まじな)い”には」
霊能力者「さすがにそれは分かるか。お前が抱え込んでいるスタンドもどきは形の無いものには干渉出来ない仕様だからな。だから存在認知すら出来ない」
助手「それ以外が万能薬過ぎる故の弱点でしょうね」
マミア「守護霊、ですか?」
霊能力者「なんだお前、教えてないのか」
P「……現在見せられないものをどう説明しろと」
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/09(金) 15:59:34.26 ID:fLnD97in0
霊能力者「何度も済まんが助手ー」
助手「……」
霊能力者「……手くらいは繋いでやる」
助手「分かりました」
ビュッ!
マミア「なぁっ!?」
ブオン...
ガシィッ!
P「随分強引ですね……」
霊能力者「そうでもしないと出てこないだろ」
マミア「か、刀が急に出てきたのもビックリですけど!マネージャーさんの背中から光腕がはえてますよ!?」
P「今は腕しか出てきてくれないけどこれが僕の守護霊だ」
マミア「普通の人じゃないとは思ってましたけど、本当にそうじゃなかったんですね……」
霊能力者「実はキミも少し違うみたいだげど」
マミア「ふぇ?」
助手「今は随分と弱々しいですね。このまま腕を叩き切っても」
霊能力者「ダメだ」
助手「分かりました」スッ
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/09(金) 16:07:05.88 ID:fLnD97in0
霊能力者「一応コイツにもそれっぽい力があるのは把握して貰えたかな」
マミア「は、はい」
霊能力者「で、今お前さんが迷惑しているそれはさっきも言ったが“怨念”と呼ばれるもので、実態がないから物理的な対処は出来ない」
P「……改めてそっちの道に進まなくて良かったと思います」
霊能力者「しょぼくてもオールマイティじゃないとやってられんよ」
マミア「あの!」
霊能力者「なに?」
マミア「さっき神社に言ったことを聞かれましたが、それと怨念って関係あるんですか?」
霊能力者「大ありさ。じゃ、2つ目ね」
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/09(金) 16:14:49.25 ID:fLnD97in0
助手「先生、周辺の神社のリストです」
サッ
霊能力者「さんきゅー。……ふむ、××神社かな、行ったのは」
マミア「凄い!そこです、私が行ったの!」
霊能力者「まあ、県内だけならここぐらいだもんなぁ有名な勉学技能とかに御利益あるとこ」
マミア「2ヶ月前にそこにお参りしてきました!」
霊能力者「そうかそうか。おめでとう、そこで呪いの御加護を頂いてます」
マミア「」
助手「稀によくある事ですね」
霊能力者「つっても別にその神社だけのせいでもないけどな。あくまできっかけがそこって話だけど」
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/09(金) 16:22:08.38 ID:fLnD97in0
P「でもどうして神社で……」
霊能力者「後で触れようかと思ったんだけどさ、一応ちゃんとした御加護も受けてるよ」
マミア「それって」
霊能力者「おめっとさん。ドジの方が先行して気づかなかったみたいだけど、最近仕事の調子わりといいでしょ?」
マミア「……言われてみれば!本当に効果があるんですね♪」
霊能力者「あくまでもそっちの方で運気が上がる程度だけどね」
助手「呪われる事も珍しいですが、御利益を授かれるのも珍しいことです」
P「……なんと言っていいのか」
霊能力者「まあ、どっちかと言えば現状だと怨念のほうが強い分有難み薄いよな」
マミア「ですよねー」
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/09(金) 16:32:20.77 ID:fLnD97in0
霊能力者「まあ、ガッツリ御加護のってる証拠にさっきPの背中の腕見えたろ?」
マミア「すっごく光ってました!」
霊能力者「この道に通じてるやつ以外は基本的には見えないんだよ、アレ」
マミア「へぇ〜」
霊能力者「で、ついでに呪われてるから腕までハッキリ見える」
マミア「うへぇ……」
霊能力者「さて、話しを戻そう。お前さんは運良く神社で御利益も授かったが、ついでに呪いのもゲットした。その理由は実に単純で誰かの怨念とお前の願いが神社という場所で一致したからだ」
マミア「願い?」
霊能力者「神社でなんて願ってた?」
マミア「トップアイドルになりたい!です!!」
霊能力者「だろうね。だからなれなかった人の怨念が取り付いたよ。御加護に便する形でね」
マミア「」
助手「感情の起伏が忙しい子ですね」
P「そこが彼女のいい所なんだけどね」
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/09(金) 16:37:51.76 ID:fLnD97in0
霊能力者「さて、これが最後で3つ目。この怨念はちょー強い。まだ確認は出来ていないけど、話しを聞いているだけでも干渉力の高さは分かる。でも問題はそこじゃない」
マミア「……」ゴクリ
霊能力者「御加護に便乗してるせいであるじょうけんの」
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/09(金) 16:44:42.60 ID:fLnD97in0
>>93
誤送信
霊能力者「さて、これが最後で3つ目。この怨念はちょー強い。まだ確認は出来ていないけど、話しを聞いているだけでも干渉力の高さは分かる。でも問題はそこじゃない」
マミア「……」ゴクリ
霊能力者「御加護に便乗してるせいで推測段階だが、ある条件を満たすととんでもない威力のある呪いになる」
マミア「それは……、」
霊能力者「ドジだ」
マミア「ですよね」
霊能力者「それも規模が大きくなればなるほど大きくなる」
マミア「ぐ、具体的には」
霊能力者「もしドームでライブをしてる最中にドジったらドームが物理的に崩壊する」
マミア「」
霊能力者「あくまでも予想だけどね」
P「本当にそんな強力な怨念が?」
霊能力者「御加護に便乗してるからな。寧ろさっきのシチュエーションだとこれで済めばマシな方の可能性がたかい」
助手「アイドルのドジで地域がヤバい、ですね」
マミア「あ、あはは……」
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/09(金) 16:59:35.39 ID:fLnD97in0
霊能力者「だから下手に手を出すと俺も死ぬしお前さんも死ぬ。でも放っておいてもその内どっかで重大なドジをやらかして場合も死ぬ」
マミア「……」
霊能力者「寺に行ったら間違いなく“もう助からない”って言われるかもな」
助手「困りましたね」
P「……」
マミア「あの、私はどうすればいいでんすか……?人に迷惑をかける前にどこかで死んだ方がいいですか?」ぎゅうっ...
霊能力者「いや、なんでそんな話になってんの」
マミア「だって……!」
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/09(金) 17:02:08.25 ID:fLnD97in0
霊能力者「依頼はすればいいじゃん、俺に。“祓って下さい”って」
マミア「でも、下手したらあなたも死ぬって!」
霊能力者「成功させればいいだけの話だろ」
P「先輩……」
霊能力者「まさか忘れたのか?俺は寺生まれの“D”。除霊を職業にしてる霊能力者だぜ」
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/09(金) 17:07:00.18 ID:fLnD97in0
──────
────
──
霊能力者「って啖呵を切ったのはいいんだけども」
助手「この仕事を受けられのですか?」
霊能力者「頼まれたかね。仕方がない」
助手「そうですか」
霊能力者「なんとかするしかあるまいよ」
助手「分かりました」
霊能力者「つかそれよりも別に気になってることがあってな」
助手「なんでしょうか」
霊能力者「今すぐにあいつが務めてるプロダクションの情報調べておいてくれない?規模とか活動とか、会計とか」
助手「畏まりました」
霊能力者「たのむよー」
助手「それでは」
ぱたぱた...
バタンッ
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/09(金) 17:17:15.12 ID:fLnD97in0
霊能力者「軽いノリで始めたのにここまでヤバいヤツにぶち当たるとはなぁ」
ぽよんぽよん
ぷよんっ
「……」うにうに
霊能力者「……うーむ。コイツが気を使ってうにうにされにくるとは。相当アレな顔をしてるのか、俺は」
「……」ぷよーん
霊能力者「どうしたもんか」
「……」ぽよよん
霊能力者「相変わらず何かを言いたがってるのは分かるが、それを読み取れないな」
「……」ぱるんっ
霊能力者「なぜ分裂した……。あっ!?」
「……」うにうに
霊能力者「……おーけー。あっという間に策が出来上がった」
「……」
霊能力者「早速準備に取り掛かるか。助かったよ“うねうね”」
うねうね「……」ぽよん
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/09(金) 17:19:58.36 ID:fLnD97in0
※うねうね
前スレの 第2破ァッ!「くねくね」 で連れて帰った“くねくね”のこと
その内こっちのスレでもリメイク予定です
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/11/10(土) 10:34:10.39 ID:rTSzeOCZO
僕のうねうねも使い道がなくうねってます
お使いください
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/11/14(水) 06:21:43.25 ID:+yU+/DLfo
体育が2から3になってる!
おつおつ
102 :
テスト
◆EtMuQzvQp.
[saga]:2018/11/29(木) 18:37:26.57 ID:9qrZUJTh0
─ライブ会場─
霊能力者「あれから3週間経ちましたっと。悪いね、連絡から2週間後に無理やりやらせちゃって」
P「いえ、元からライブの予定は入ってたので。予定だった会場とも距離が離れてないので返金等も特にありませんでしたし」
霊能力者「それならよかった」
マミア「あの!」
霊能力者「あい」
マミア「ほ、本当にこんな大きな箱でやるんですか!?」
霊能力者「比較対象がいつもの小さな地下ステージだからつってもさ、ここもそんな大きくねーぞ」
マミア「それに使用料もタダって……」
霊能力者「お礼ならここの管理人に
言ってね」
組長「若い奴にお嬢ちゃんのファンがいたしな。半壊でもさせん限りは好きに使ってくれ」にっ
マミア「はひっ!」
助手「いつ見ても威圧感が溢れ出る笑顔ですね」
組長「仕事なもんでな。んじゃ、俺はここでおいとまするから後はご自由に」
霊能力者「任されました」
マミア「あ、ありがとうございました!!」
組長「がんばれよー」フリフリ
バタンッ
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/29(木) 18:57:52.17 ID:9qrZUJTh0
霊能力者「んじゃ、今日の除霊スケジュールに関してもう一度おさらいね」
助手「細部につきましてはお手元の資料を」
霊能力者「ざっくりと手順だけ確認な」
@普通にライブします
Aどっかでミスったら多分怨念発動するので用意した“写身式神”に移します
Bそのまま流れで除霊します
霊能力者「っと、こんな感じだな」
マミア「私のドジが大前提なんですね」
霊能力者「あったりまえよ。“ドジかわアイドル”がドジしないなんてミスはないだろうしな」
マミア「好きでドジってる訳じゃありませんよ!?」
霊能力者「まあ、今回はわざとやられても困るんだがな」
助手「いつも通りに全力でやってドジをして下さい」
マミア「なんか釈然としない!」
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/29(木) 19:11:59.79 ID:9qrZUJTh0
霊能力者「ま、今回はサポートとして助手がバックダンサーとしてさんがするから細かいことは気にせず頑張ってね」
助手「……」ぺこり
マミア「よ、よろしくお願いします!」ぺこりっ!
P「今回は事前にサプライズ演出があると通知している。恐らく式神に写しても大人しく除霊はされない。大変だと思うが、可能な限り臨機応変に演じてくれ」
マミア「あくまでも“演出”ってことですよね」
P「ああ」
霊能力者「さてと!そんじゃ後は成り行きに任せていきましょ」
マミア「はいっ」
P「それでは2人は控え室の方に」
助手「お先に失礼します」
マミア「失礼します!」
バタンッ
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/29(木) 19:27:36.47 ID:9qrZUJTh0
P「さて、こちらも……」
霊能力者「ちょっと待った」
P「?」
霊能力者「報酬の件だが」
P「大丈夫ですよ。弱小事務所ですが、100万ぐらいなら経費で出せますから」
霊能力者「ホントかぁ?」
P「……前払いが少なかったですか?」
霊能力者「そーじゃなくて、経費の部分」
P「!」
霊能力者「悪いがお前のポケットマネーからなら俺は受け取らねーし、回れ右で帰るぞ」
P「……なぜ、そう思ったんですか?」
霊能力者「お前の嫁さん“E”からさ“マミアちゃんの事を何としても頼む”って聞いてさ。ちょいとカマかけたら直ぐにゲロっちったよ」
P「……」
霊能力者「こっちでお前んとこの事務所の経営調べたらあんなヒヨっ子アイドルにぽんと100万も出せる能力があると思えなくてな。悪いが勝手にいろいろと調べさせて貰ったよ」
P「お願いです!報酬が足りないならもっと出しますっ!だから、」
霊能力者「そっちの事情は分かってるよ。家族ぐるみであの娘の世話してやってるのも知ってるし、あの報酬がお前ら2人の貯金から出てることもだ」
P「……」
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/11/29(木) 21:14:55.47 ID:bGDO7fqHo
おつおつ
事務所火の車か
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/11/30(金) 00:22:35.89 ID:fNa+BlyVO
つまりマミアを例能力者の専属セフレにして金の分働けって事ですね
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/12/03(月) 01:47:53.33 ID:YeGgX2uoO
ざっくりが本当にざっくりなのに不安そうにしない辺り大物なのかもなアイドルちゃん
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/12/08(土) 16:36:36.41 ID:GWnMAoQ10
霊能力者「でだ、既に振り込まれちった頭金20万は一応貰うからさ」
ガサゴソ
霊能力者「残りの80万はこないだお前らか置いて帰ったこの4枚のサイン入りCDにしろ」
P「あの、そのCDにそんな価値は」
霊能力者「だからお前がこのCDの価値を上げるんだよ、全力でな」
P「……」
霊能力者「期限は特に設けねーからよ」
P「……そう言えば先輩ってブラック・ジャック好きでしたよね」
霊能力者「うっせ。人の好意は黙って受け取れ。じゃなきゃ帰る」
P「分かりました。では今回はお言葉に甘えさせて頂きます」
霊能力者「物分りが良くてよろしい。では行こうか」
P「はい」
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/12/08(土) 16:46:35.17 ID:GWnMAoQ10
─控え室─
マミア「ほわー……。やっぱり凄いですね……」
助手「衣装の着方に問題ありましたか?」
マミア「いえ!そういう訳じゃなくて、助手さんはやっぱり凄いなぁと」
助手「凄い、ですか」
マミア「そうですよ!初めて事務所にお邪魔した時から思ってましたけど、モデル顔負けの抜群のスタイルに加えて大人の女性という雰囲気の中にある可愛らしさ、本来なら私たちの立場は逆ですよ!」
助手「はあ、」
マミア「知らない人が見たら助手さんがメインにしか見えません!」
助手「……なるほど。それはいけませんね」
マミア「あ、いえ、そーいう事ではなくてっ!?」
助手「ならこうしましょう」しゅる...
マミア「!?」
ポンッ
助手(中)「一般的な女子高生の体にしました。これなら問題はないかと」
マミア「……どこからツッコンでよいのやら!?」
助手「もう少し抑えた方が良いのでしょうか?」
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/12/08(土) 16:54:32.24 ID:GWnMAoQ10
マミア「いや、そーいう問題じゃないですよ!?その前からです!」
助手「前?」
マミア「そーですよ!こう、しゅるっとなってポンッですよ!」
助手「しゅるっとなってポンッ?ですか」
マミア「……流石は霊能力事務所。生きてる世界が違います!!」
助手「?」
マミア「いえ、もう大丈夫です。本番前なので無理矢理飲み込みましたっ!問題解決です」
助手「大丈夫なら構いませんが」
マミア「……世界は本当に広いです」
助手「?まあ、歩ける距離ではありませんね」
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/12/08(土) 17:04:40.13 ID:GWnMAoQ10
マミア「もう深く考るのはやめます!」
助手「そうですね。負の感情を抱えているとそれだけで生存率を下げることになりますから」
マミア「せ、生存率……」
助手「大丈夫ですよ。貴女が自分の本分に集中して頑張れば頑張るほど生存率は上がります。ライブの成功=除霊の成功をお忘れなく」
マミア「!」
助手「私も最大限サポートしますので」
マミア「……あの、私は頑張って自分が持てる最大限で歌って踊りますので、改めてよろしくお願いします!」
すっ
助手「はい。こちらこそ」
がしっ
マミア「えへへっ……」
助手「……その様子なら大丈夫ですね。それでは時間も近いですので行きましょう」
マミア「はいっ!」
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/12/08(土) 17:17:02.60 ID:GWnMAoQ10
─客席─
ざわざわ
「マミアちゃんもこんな所で歌えるようになるなんてなぁ」
「ファンクラブも気付けば3桁っすよ。このペースならメジャーデビューも夢じゃなくなってきてるっすよ」
「ううっ……。やっぱりワイの目に狂いはなかったんや」
「頑張れよー!マミアちゃーん!!」
ドンッ
「うっ」
「あっ、すいません!大丈夫ですか、お姉さん」
「いや済まない。こちらこそ不注意していた」スタスタ
「……女性ファンっすかね」
「この段階で女性ファンとは。やはりマミアちゃんはトップアイドルの才能があるな」
スタスタ...
「……以前よりもかなり人が多いな」
霊能力者「よう、やっぱり来てたか“E”」
E「当たり前だ。あの娘にもしもがあったら困るからな」
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/12/08(土) 17:22:36.79 ID:GWnMAoQ10
霊能力者「随分とまあ過保護なもんで」
E「ふんっ」
霊能力者「つか相変わらずグラサンなのな。こんなに暗かったら見えなくねーか」
E「心配は無用だ。内側からは見える仕様になってる」
霊能力者「なるほど」
E「そんなことよりお前はここにいていいのか。Pから内容は聞いているが」
霊能力者「会場の最終チェックをしてるだけだ。すぐ舞台袖にもどるさ」
E「そうか……」
霊能力者「……」
E「なあ、」
霊能力者「大丈夫だって。俺に任せとけっての」
E「いや、お前だから」
霊能力者「それに今回な助手がバックダンサーにいる」
E「それなら安心だ」
霊能力者「おい」
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/12/08(土) 17:27:30.73 ID:GWnMAoQ10
E「……頼むぞ」
霊能力者「へいへい。任せときんしゃい」
E「もしあの娘に何かあったら死ぬまでお前の眼を睨んでやる」
かちゃっ
霊能力者「おー怖い。全力でやる所存であります」
E「ならさっさと行け」
霊能力者「へいへーい」
たったったっ......
E「……」
ぎゅうっ
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/12/08(土) 17:34:07.68 ID:GWnMAoQ10
─舞台袖─
マミア「すごい……。チケットは全部捌けてたというのは聞いてましたけど」
霊能力者「まっ、御加護ブーストもありゃこんぐらいは屁でもねーさ」
マミア「霊能力者さん!」
霊能力者「Eの奴も来てたしな」
マミア「E……、あっ、エリカさんですか!?」
霊能力者「おうよ」
助手「Eさんがいるなら安心ですね」
霊能力者「こっちとはしては想定外だったが、万が一客席の方になんかあった時の保険が出来て助かるわ」
マミア「もしかしてエリカさんも霊能力者なんですか?」
霊能力者「うーん……。まあ、それに近いと言えば近いような」
マミア「?」
助手「彼女は“邪視”ですからね」
マミア「じゃし?」
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/12/08(土) 17:40:38.71 ID:GWnMAoQ10
霊能力者「ざっくり言えば目が合ったヤツを呪える力を持ってるヤツのことだ」
マミア「」
助手「個人差はありますが、彼女の場合は霊にもそれを適用できる程強力な力です」
マミア「あっ、だから濃いめのサングラスを常に掛けてたんだ」
霊能力者「ある程度コントロール出来るようにアイツはなってるが不意に発動する可能性もあるしな」
マミア「へー……。意外と霊能力者って身近にいるんですね」
助手「それは偶然かと」
霊能力者「つかよく見たらお前それは」
助手「私が目立つとマズいと思いまして」
霊能力者「あのなぁ……」
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/12/08(土) 17:47:25.24 ID:GWnMAoQ10
マミア「助手さんって凄いですね!」
霊能力者「……まあいいか」
とっとっとっ、
P「そろそろ時間だからみんな持ち場に着いて下さい」
マミア「はい!」
霊能力者「おっと、その前に」
スッ
マミア「これは?」
霊能力者「今回使う“写身式神”だ。これの真ん中ら辺に指でもなんでもいいから、お前のサインを残せ。それで写身の準備が完了する」
マミア「こうですか?」
サラサラッ
霊能力者「……うん、おーけー。じゃ、行ってきな」
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/12/08(土) 17:55:56.65 ID:GWnMAoQ10
P「マミア!確かに今回は除霊の為のライブかもしれないが……」
マミア「大丈夫ですよ、Pさん!」
P「!」
マミア「私はファンのみんなを笑顔にする為に歌います!そしてついでに除霊しちゃいますからっ」グッ
P「よし、なら最高のライブにしてこい!」
マミア「はいっ!」
タッタッタッ......
助手「……」ぺこり
スタスタ...
霊能力者「なーんか一見そんな風には見えんけど、やっぱアイドルはアイドルなのな」
P「マミアはこんな所で満足できる様な逸材ではありませんから」
霊能力者「なるほどねぇ。お前ら2人が入れ込むわけだ」
P「さて、我々も持ち場へ行きましょう」
霊能力者「ああ」
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/12/11(火) 02:22:07.96 ID:foWzJad6o
わくわくするな!
おつおつ
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/12/18(火) 17:07:31.75 ID:8Wx7S/xg0
─ステージ裏─
スタッフ「マミアさーん!準備が出来ましたー」
マミア「はい!」
助手「……」
マミア「緊張してます?」
助手「いえ、久しぶりにこのサイズになったのでコントロールの微調整をしていました」
マミア「なるほど。流石は助手さん」
こきりっ
助手「あっ」
マミア「どうかしました?」
助手「いえ、あばら骨が2本外れました」
マミア「!?」
モゾッ
こきゅ
助手「これでよしですね」
マミア「ワースゴイナー」
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/12/18(火) 17:11:23.67 ID:8Wx7S/xg0
助手「さて、私の準備は出来ました。後はあなたのお好きなタイミングで行ってください」
マミア「わかりました!では勢いそのままに、このままいっちゃいましょう!」
助手「畏まりました」
マミア「では行きますよ!」
がしっ
助手「!」
マミア「ごー!」
タッ!
助手「おー」
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/12/18(火) 17:17:03.26 ID:8Wx7S/xg0
─スタッフルーム─
P「っと、また合図も無しにステージに行っちゃったか」
カチッ
バッ
『あっ、あー、マイクテース!聞こえてますかー!』
おおおおおおおおお!!
P「よし、今日もギリギリセーフ」
霊能力者「おい、リハーサルと全然違うじゃねーか」
P「いつもの事です」
霊能力者「いつもの事で済ませていいのことなのか。これ」
P「まあ、今はできるだけのびのびさせてあげたいですから」
霊能力者「ふーん。そんなもんかね」
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/12/18(火) 17:25:32.34 ID:8Wx7S/xg0
『急に会場変わったけど、みんな来てくれてありがとー!』
わあああああああ!
霊能力者「しっかしまあ。そこまで大きくないとはいえ、この人数にしてはエラい熱気があるな」
P「あの娘のキャラにみんな連られてしまいますからね。元気のいいファンが多いんですよ」
『やっほーい!』
やっほぉぉぉおい!!
霊能力者「にしても、歌いもしない内から飛ばしすぎじゃねーか?」
P「ほぼ全てのライブで終わりごろにはマミアもファンもみんな疲れ果ててます」
霊能力者「元気が良すぎるのも考えものだな」
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/12/18(火) 17:38:07.55 ID:8Wx7S/xg0
『あっ、忘れてた!今日はスペシャルなサポートとして私のお友だちが来てます!と、いうより横に立ってる彼女です』
『寺田メリーです。本日は宜しく御願いします』ぺこり
わあああああああ!
『みんなありがとー!今日は2人でがんばりまーすっ!』
わあああああああ!
霊能力者「……あいつ昔の体にしてんのにノリは最近のままか」
P「まあ、アイドルとしてなら昔の彼女の方がキャラ的にあってますね」
霊能力者「こっちとしては昔と今の間ぐらいがちょうどいいんだがなぁ」
P「言ったらしてくれるんじゃないんですか?」
霊能力者「ロボットだったら迷わずそうしてるわ」
『今日はガッツリ歌いますので、挨拶はこの辺にして早速1曲目いきますよ!』
うおおおおぉ!!
『では本日の1曲目で“トワイライト”』
♪〜
『鉄塔の──♪』
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/12/18(火) 17:44:45.74 ID:8Wx7S/xg0
霊能力者「おい、ライブの1曲目からカバー曲歌うアイドルなんて聞いたことねーぞ!」
P「持ち歌が少ないのでどうしてもカバーで埋めないといけなくて……」
霊能力者「いやそうじゃねぇだろ!せめて1曲目はオリジナル持ってこいよ!?」
『胸のポケットに──♪』
P「……確かに」
霊能力者「なにやってんだ……」
P「でもですね」
霊能力者「なんだよ」
『君の出番だよ〜♪』
きみのでばんだよぉぉぉぉおおお!
P「意外とウケが良いんですよね」
霊能力者「それはそれでどうなんだ……?」
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/12/18(火) 17:53:49.57 ID:8Wx7S/xg0
P「まあ、これもマミアのウリの1つですから」
霊能力者「メジャーデビューしたら出来ねーじゃねぇか」
P「その頃には持ち歌だけでライブが出来ますよ」
霊能力者「……そうかい」
『♪〜』
霊能力者「まあ、この際カバーは置いとく。でだ、この曲選はなんだよ。どう考えてもアイドルがライブで歌う曲じゃねーだろ」
P「基本的には彼女に選ばせてますので」
霊能力者「えっ。これアイツの選曲なのか」
P「ええ」
霊能力者「……リスト見せろ」
P「どうぞ」
ぺラッ
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/12/19(水) 00:42:20.84 ID:Ke6cjGNKo
おつおつ
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/01/04(金) 01:11:19.99 ID:r6VvrtWOo
まつ
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/17(木) 21:46:16.59 ID:BA+msVibO
はよ
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/07(木) 21:05:41.24 ID:ZiOd+nAUO
2月になっとるで、続きはよ
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/18(月) 03:45:59.27 ID:pwbKgHYZo
まってる
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/27(水) 05:24:13.14 ID:SjocFHnZo
まつぞ
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