神「お前に>>2と>>3と>>4の力をやろう」勇者「全部いらん」

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28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/20(土) 20:44:54.87 ID:xsju4TJso
まぁ、いやらしい
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/20(土) 21:12:50.49 ID:1naL8FVvo
魔王は男なのか僕っ娘なのかそれが問題だ
30 : ◆ASVkrOnfZ6 :2018/10/20(土) 21:30:01.21 ID:jh0N2BmI0
勇者「こうなったら...野球拳だ!」

魔王「何!?野球拳だと!」

勇者「野球するなら...ァ」

勇者「こういう具合にィ...しやしゃんせェッ!!!」

魔王(まずいぞ!こちらの装備を脱がす気だ!)

魔王(ならば、こちらが勝てばよいだけ!!)

勇者「アァァァァァウトッッッッ!!!」

魔王「セーフっ!!」

勇者「よよいのよいィィィィ!!」

魔王(なんて気迫だ...!)
31 : ◆ASVkrOnfZ6 :2018/10/20(土) 21:37:15.23 ID:jh0N2BmI0
魔王:グー
勇者:パー


勇者「....勝った!!」

魔王「しまった...」

魔王(あの気迫に押されて、つい力んでグーが出てしまった)

魔王(ヤバいっ!兜か鎧、どちらかを脱がなければ...!)

勇者「さぁ、兜か鎧。選ぶんだ!」

魔王「じゃ、じゃあ...兜で」

勇者「良いだろう」
32 : ◆ASVkrOnfZ6 :2018/10/21(日) 09:24:39.69 ID:RiLMv/3Y0
魔王は兜を脱いだ


魔王「戦いを続けようか」

勇者「待てや」

魔王「...?どうかしたかな」

勇者「お前女かよ」

魔王「そうだけど」

魔王「この顔だと魔族をまとめるのには向かないからね」

魔王「だから男のふりをしていた。まぁ実際兜は優秀な品だった」

魔王「言っておくが、女だからといって手加減はするなよ」

勇者「手加減できる相手じゃないことは、俺もよくわかってるよ」
33 : ◆ASVkrOnfZ6 :2018/10/21(日) 09:28:15.41 ID:RiLMv/3Y0
魔王のあのあどけない顔立ちでは、確かに魔族は従えるのに苦労しそうだ


魔王「行くぞ!」

勇者「あぁ!」

魔王(あの構えは...またか!)

勇者「野球拳だ!」

勇者「野球するならー...」

勇者「こういう具合に...」

勇者「しやしゃんせ!」

魔王(こいつはひねくれた奴だ...ならば!)
34 : ◆ASVkrOnfZ6 :2018/10/21(日) 09:34:46.65 ID:RiLMv/3Y0
魔王:チョキ
勇者:パー


勇者「何...!?」

魔王「君はひねくれてるからね...!」

勇者「くそっ!」

魔王「どこを脱ぐ?選びたまえ」

勇者「...>>35だ」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/10/21(日) 09:45:36.56 ID:O87/gfdt0
パンツ
36 : ◆ASVkrOnfZ6 :2018/10/21(日) 10:01:51.24 ID:RiLMv/3Y0
勇者「パンツだ」


勇者はおもむろにパンツを脱ぎ出した


魔王「えっ!?」

魔王「待て待て待て///」

勇者「何だよ」ボロン

魔王「せ、せめてズボンを穿いたらどうかな///」

勇者「こっちの方が動きやすい」

魔王(立派なモノだ...///)
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/21(日) 13:48:08.97 ID:ldvfHwDFO
最初から自爆してませんかね…
38 : ◆ASVkrOnfZ6 :2018/10/21(日) 22:13:28.64 ID:RiLMv/3Y0
勇者「そして、これが最後の野球拳だ...」

勇者「詠唱はスキップさせてもらう」

魔王「出来るなら最初からした方がよくないか」

勇者「うるせぇ、ジャンケンだ!」

魔王「えぇ...」
39 : ◆ASVkrOnfZ6 :2018/10/21(日) 22:25:30.59 ID:RiLMv/3Y0
魔王:パー
勇者:チョキ


魔王「くっ、またか...」

勇者「さぁ脱げ!どうせ鎧だろう」

魔王「君の予想する通り、鎧を脱いでやる」

勇者「ふむ...華奢なものだ。よくあの鎧を着れていたものだな」

魔王「あれは堅牢な守りを授けてくれた。だが、確かに重かった」

勇者「...スピード勝負か」

魔王「僕の本来のスピードを見せてあげるよ」
40 : ◆ASVkrOnfZ6 :2018/10/21(日) 22:40:33.37 ID:RiLMv/3Y0
魔王「砕け散れ!」

勇者「鋭い蹴りだな!実に危険!」

魔王「地に還れっ!」

勇者「確かに食らったら地にめり込んで出られなくなりそうなパンチだな」

魔王「逃がすか!ウィルバスター!」

勇者「ぐ...っ...重い一撃だ...速度の暴力...」


勇者は四メートル程吹き飛んだ


勇者「だが俺だってただ逃げ回っていた訳じゃないぞ」

魔王「まさか」

勇者「あぁ、お前を中心とした電気魔法の仕掛けだ」

勇者「エレクトロショック!」

魔王「うっ!痺れるぞ...!」
41 : ◆ASVkrOnfZ6 :2018/10/22(月) 19:35:03.45 ID:dfEqMAHo0
勇者「やはりな。お前は鎧を脱ぐのが久し振りすぎて自分のスピードについてこれてない」

勇者「だからそんな単純な置き技に引っ掛かった」

勇者「それに比べ俺は定期的にパンツとズボンを脱いでトレーニングしている」

勇者「真面目に修行しているかどうかの差が出た訳だ」

勇者「あと、鎧を脱いだから魔法抵抗力がだいぶ無くなってるな」

魔王「だまれっ...」

勇者「速度も奪わせてもらうぞ」

勇者「タイムストップ」

魔王「素の魔翌力でどうにかしてやる!」
42 : ◆ASVkrOnfZ6 :2018/10/22(月) 19:49:31.64 ID:dfEqMAHo0
魔王「っ...」

勇者「止まったかい?」

魔王「いや...」

勇者「だろうね。でも、君の負けだ」

勇者「停止を避けようとした隙に、低速化を入れた」

勇者「隙といっても精神的な隙だけどね」

勇者「嘘詠唱だ。読み勝たないと使い物にならないけど」

魔王「まだ...動ける...!!」

勇者「じゃあ、この俺の剣で止めをさしてやる」
43 : ◆ASVkrOnfZ6 :2018/10/22(月) 19:59:07.26 ID:dfEqMAHo0
勇者が剣を...刀を振り上げる
魔王城は不本意にも吹き抜けなので刀に光が反射して様になっている
勇者は刀を降り下ろす
僕の時間はゆっくりだが、走馬灯のような感覚がそんな自分よりゆっくり世界が進行しているように感じさせる
あぁ、僕の額に、刀が。

___あれ!?この刀、まさか...


勇者「ふー...終わったな」

勇者「寝るか」
44 : ◆ASVkrOnfZ6 :2018/10/22(月) 20:03:18.37 ID:dfEqMAHo0
魔王「...」

魔王「何故生きている?」

魔王「記憶が混濁している。整理しなければ」

魔王「僕は勇者に負けた」

魔王「そして止めをさされた」

魔王「...!そうだ!僕は確かに見た!あの勇者が降り下ろした刀...!」

魔王「確かに『木刀』だった!」

魔王「そして当人は今隣で寝ているというわけか」

魔王「...起きなよ」


ゆさぶってみる
眠りが浅かったのか、そのまま目覚める


勇者「んー...」
45 : ◆ASVkrOnfZ6 :2018/10/22(月) 20:38:28.41 ID:dfEqMAHo0
魔王「ズボンとパンツ脱いだまま寝たら風邪ひくよ」

勇者「大丈夫だよ、気にするな」

魔王「そうかい。なんで僕を生かしたんだい?」

勇者「[ピーーー]理由がないから」

勇者「あと、約束も果たして貰わないとね」

勇者「俺の勝ちだ。改心してくれよ?」
46 : ◆ASVkrOnfZ6 [saga]:2018/10/22(月) 21:05:34.44 ID:dfEqMAHo0
oh my god!!

勇者「殺す理由がないから」

です
47 : ◆ASVkrOnfZ6 [saga]:2018/10/22(月) 21:15:35.84 ID:dfEqMAHo0
魔王「いいよ。勝者に従うのは気分がいい」

勇者「よし、目標達成だ」

魔王「勇者。頼みがある」

勇者「...何?」

魔王「僕の婿になって欲しいんだ」

勇者「そりゃ...また...何で?」

魔王「ここまで完全に僕を負かした人間は君だけさ」

勇者「どうしようかな」

勇者(ここで魔王と結ばれれば神と結婚できない)

勇者(でも、魔王もぶっちゃけかわいい)

勇者「>>48
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/22(月) 21:26:45.94 ID:l4t0Wdvb0
(そうだ、二股しよう)
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/22(月) 21:29:41.13 ID:3PwJweXqo
わーお
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/23(火) 09:14:03.99 ID:30LMQdSDO
クズぅ!
51 : ◆ASVkrOnfZ6 [saga]:2018/10/23(火) 20:14:07.40 ID:jn9xQ+ac0
勇者(そうだ、二股しよう)

勇者「いいよ」

魔王「やった!」

勇者「喜んでもらえて何よりだ」

勇者「さて、日も暮れてきた」

勇者「...まいったな。こっから宿は結構遠いんだ」

魔王「それならウチに泊まっていくかい?」

勇者「えー...野宿はちょっと...」

魔王「流石に僕もいつもここでは寝てないよ!?」

勇者「え、そうなの?」

魔王「地下に寝室がある」
52 : ◆ASVkrOnfZ6 [saga]:2018/10/23(火) 20:22:47.30 ID:jn9xQ+ac0
〜魔王の寝室〜


勇者「どういう事だ...?」

魔王「僕の趣味だよ」


魔王の寝室は見事なタイル張りの床だった
壁は革を使い、シックな部屋を演出している
だが、ミスマッチなぬいぐるみがいくつか置いてある
ファンシーなぬいぐるみだ


勇者「かわいい所あるじゃないか」

魔王「まぁね。こんなの見せられるのは君ぐらいのものさ///」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/10/23(火) 20:27:44.60 ID:Uh+YktMT0
http://stardustorbt.web.fc2.com
54 : ◆ASVkrOnfZ6 [saga]:2018/10/23(火) 21:16:48.08 ID:jn9xQ+ac0
魔王「大きなベッドを作って良かったよ」


魔王はベッドの上のぬいぐるみを片付ける


勇者「そうか?ベッドが小さくても一緒に寝るつもりだったが」

魔王「え?どうやって?」

勇者「密着したり、乗っかったり」

魔王「...なるほど」

魔王(やっぱりベッドは小さい方が良かったかも)

勇者「ところで、なんでぬいぐるみを片付けたんだ?」

魔王「いつもぬいぐるみを抱き枕にしてるんだけど...その...」

勇者「俺を抱き枕にしたいと?」

魔王「ダメかな?」

勇者「いいけど...いいかお前、上目遣いで小首をかしげるのはやめろ」

魔王「なんで?」

勇者「反則級にかわいいからだ。言わせるなよ///」
55 : ◆ASVkrOnfZ6 [saga]:2018/10/23(火) 21:35:49.26 ID:jn9xQ+ac0
勇者(そして今俺は抱き枕にされています)

勇者(健康的な汗の匂いが鼻腔を刺激する)

勇者(素晴らしい)

魔王「スースー」
56 : ◆ASVkrOnfZ6 [saga]:2018/10/23(火) 21:50:04.51 ID:jn9xQ+ac0
〜翌朝〜


勇者「じゃあ、今回の出来事を王にでも報告してくるよ」

魔王「うん」

勇者「そんな不安そうにするなよ」

勇者「もし俺達を認めてもらえなくても、俺達だけでやっていけばいい」

魔王「そうだね。僕達なら大丈夫...!」

勇者「じゃあ行ってくるよ」

魔王「無事に帰ってきてね」

勇者「勿論だ」

勇者(まぁ本当は神に会いにいくんですけどね)
57 : ◆ASVkrOnfZ6 [saga]:2018/10/24(水) 18:11:33.61 ID:qrenABJQ0
〜天界〜


勇者「神ー?」

神「勇者か」

勇者「魔王を改心させてきたぞ」

勇者「俺の嫁になる覚悟はできたか?」

神「>>58
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/24(水) 18:18:18.76 ID:Iom6FIsqO
全部みていたよ
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/24(水) 18:31:36.12 ID:t6IhZLzJO
あっ(察し)
60 : ◆ASVkrOnfZ6 [saga]:2018/10/24(水) 18:32:18.97 ID:qrenABJQ0
神「全部みていたよ」

勇者「...バレテーラ」

神「私に対してそんな無礼をはたらくとは、見上げた根性だ」

神「だが決してそれは許されない」

神「お主が一般人ならまだ良いだろうが、お主は勇者」

神「強大な力を持つものがこんな事では...」

神「君を粛清しなければならなくなる」

勇者「お前は大きな勘違いをしている!」

神「...何?」
61 : ◆ASVkrOnfZ6 [saga]:2018/10/24(水) 19:08:00.95 ID:qrenABJQ0
勇者「いいか、俺が二人を嫁にするのは邪な心によるところではない!」

勇者「二人とも愛す覚悟があるから二人を嫁にしようとしているんだ!」

勇者「愛の形は人それぞれ」

勇者「もう少し柔軟に考えたらどうかな?」

神「それは賭けですね?」

神「私の存在は多くの人の考え方によって決まる」

神「大衆の心に問いかけてみるという訳です」

勇者「そうだな。お前が納得するなら、世界はまた新たな方向へと進むだろう」

勇者「納得したか?」
62 : ◆ASVkrOnfZ6 [saga]:2018/10/24(水) 19:19:16.14 ID:qrenABJQ0
神「納得なんて、出来る訳がないだろう」

勇者「そうか」

神「だが、神としての私ではなく、本当の私は案外満更でもなく思っているかもしれない」

勇者「最もこの世の理や大衆に忠実でないといけないお前が」

勇者「そんな考えからかけはなれた相手と恋に至る」

勇者「禁断の恋という奴だ...仮にも女なら、ときめきを覚えるだろう」
63 : ◆ASVkrOnfZ6 [saga]:2018/10/24(水) 19:54:24.99 ID:qrenABJQ0
勇者「お前は神だ」

神「今更何を」

勇者「お前を知るものはお前を『信じる』か『信じない』かだ」

勇者「それはお前が神だから」

勇者「でも俺は違う」

勇者「俺はお前を一人の女として見ることができる」

勇者「お前は愛を知っているだろう」

勇者「だが、それは知っているだけ」

勇者「それをお前に与える事ができるのは俺だけだ」
64 : ◆ASVkrOnfZ6 [saga]:2018/10/24(水) 20:00:11.57 ID:qrenABJQ0
勇者「それでも認めてくれないか?」

勇者「頼む」

勇者「押し付けがましいし、愛は結局俺のエゴだからこんなの卑怯だけど」

勇者「これはお前の為でもあるんだ」

勇者「お前の教義を信じ戦い、平和を勝ち取れた勇者からの」

勇者「精一杯の恩返しだ」

神「>>65
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/24(水) 20:24:46.30 ID:NclYqe7zo
わかったしんじる…しんじたい
66 : ◆ASVkrOnfZ6 [saga]:2018/10/24(水) 21:28:51.88 ID:qrenABJQ0
神「わかったしんじる...しんじたい」

勇者「信じさせてやるよ」


勇者は神の背中に手を回し、抱き締める
しおらしくなってしまった神に容赦なくキスをする


勇者「な?悦びってのはこういう物だ」

神「うん...しんじる」


神は幸せで虚ろな顔をしている
呼吸は荒く、腰が抜けてしまったようだ
へたりこんだ神に勇者は告げる


勇者「悦びが欲しくなったら呼んでくれ。いつでも行くよ」


勇者は神の鼻の頭に軽い口づけをして帰っていった
67 : ◆ASVkrOnfZ6 [saga]:2018/10/25(木) 20:16:31.02 ID:/BLirbB60
勇者「魔王。帰ってきたぞ」

魔王「おかえり」

勇者「ここは落ち着くな...」

魔王「そうかな?林檎食べるかい?」

勇者「林檎?」

魔王「いつの間にか林檎の木が生えてたんだよ」

勇者「じゃあいただくよ」

勇者「...旨いな」



平和な日常は、多分どこまでも続く事でしょう
68 : ◆ASVkrOnfZ6 [saga]:2018/10/25(木) 20:18:36.68 ID:/BLirbB60
終幕
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/25(木) 21:15:03.52 ID:g77r30tyo
乙ー
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/25(木) 21:45:04.18 ID:5O6M1aDzO
唐突な野球拳に応じてくれる魔王かわいい
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/26(金) 13:33:35.14 ID:T5qNM+HNo
乙でした
応じる必要全くないのにな
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