魔法少女トゥインクルリズム第45話『プリンセス絶体絶命 魔術師と美しき来訪者』

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31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:19:54.34 ID:8BN3s6YB0
桃子『夢と希望をデコレーション! トゥインクルピーチ!』

環『笑顔で心もホップステップジャンプ! トゥインクルウルフ!』

このみ『愛と正義のセクシーマーメイド! トゥインクルキャンディ!』

百合子『ピーチ、ウルフ、キャンディ……みんな助かったわ。ありがとう』

亜利沙『こんなに心強い仲間がいるんです。伝説のプリンセスの力がなくても、ギョーカイジンなんてちょちょいのちょいですよ!』

百合子『そうだね。みんなで力を合わせれば、きっとプリンセスに匹敵する希望のエネルギーを集められるはずだもの』

育「ま、待って! プリンセスならここにいるよ!」

百合子『プリンセス? ええと……あなたは、誰ですか?』

育「百合子さん……わたしだよ、育だよ! トゥインクルプリンセスだよ! わからないの!?」

亜利沙『おや、変ですね。アリサたちトゥインクルリズムは5人で一つのチームですが…』

育「そんな、亜利沙さんまで…」

桃子『何この子? まさかギョーカイジンの手先じゃないでしょうね』

環『たまき、こんな子知らないぞ』

このみ『子供の姿で油断させようったってそうはいかないんだから!』

育「桃子ちゃん、環ちゃん、このみちゃん……どうして。学校ではいつも一緒に遊んでたのに…」ウルウル

百合子『どうやら偽物で間違いないようね。世界に希望を運ぶ伝説のプリンセスが、そんな風にメソメソ泣くはずないもの』

亜利沙『さあギョーカイジン、容赦しませんよ。みんな、準備はいいですか?』

育「や、やめて……やだよ、こんなの…」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:20:34.27 ID:8BN3s6YB0
パァァ…

謎の光「プリンセス、こっちです。プリンセス」

育「あなたは――」

謎の光「私に触れるのです。さあ、早く」

育「うん――!」


謎の光「ようこそ。プリンセス」


シュルルルル ガシッ

育「!!」


(謎の光が辺りの景色を変え、シロガネーゼが姿を現す)
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:21:12.31 ID:8BN3s6YB0
育「シロガネーゼ……どういうことなの? 他のみんなは、どうなっちゃったの!?」

シロガネーゼ「失意に震えたお顔、妬けちゃうくらい愛らしい……その一滴の涙は、我が魔法陣を起動させるのに十分すぎましたね」

ポタッ… ゴゴゴゴゴ

シロガネーゼ「もう逃げられませんよプリンセス。他ならぬあなた自身が、進んで足を踏み入れたのですから」

育「何、これは……動けないよ…!」

シロガネーゼ「このギョーカイジン最強魔術師シロガネーゼが誇る常套の呪術……じっくり味わってくださいね」

シロガネーゼ「ツマラナイ・スウジガナイ・ウレテナイ・シカタナイ――夢破れしパンピー共の骸よ、この四文字に終焉の慟哭を思い出せ!」



シロガネーゼ「ウチキリ!!!」カッ!!



育「きゃあああああああっ!!」バリバリバリィ!!

34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:22:33.92 ID:8BN3s6YB0
百合子「ねえ、今の悲鳴…」

亜利沙「間違いありません。育ちゃんの声です!」

アキバ「デュフフフ。お三方、ヤッカイ団三銃士をあっという間に倒した実力は賞賛に値しますが、生憎時間切れでござる」

郁「時間切れ?」

アキバ「平行世界のプリンセス殿……お主がこの世界に連れてこられた理由、知りたくないでござるか?」

郁・百合子・亜利沙「「「!!」」」

アキバ「おや、そんな顔をされたら単刀直入に言うしかございませぬな。ご明察。すべて我々ギョーカイジンの謀略でござるよ」

百合子「やはりそうだったんですね」

亜利沙「一体なんのつもりでこんなことを…」

アキバ「目的はもちろん、我々の邪魔をするお主らトゥインクルリズムを倒す壮大な計画のためでござる」

郁「そう。でもその謀略も失敗に終わるよ。わたしがここにいるからには、あなたを逃がしはしない」

アキバ「だ・か・ら、時間切れと申しているではござらんか」

アキバ「お主にかけられた空間転送魔術は制限時間つき――他の番組とのコラボ企画だって、期間が終われば跡形もなくなるでござろう?」

アキバ「その期限までせいぜい30秒……時が過ぎる頃には、希望の太陽トゥインクルプリンセスはこの世界から一人もいなくなっているのでござる!」

郁「一人も……まさか、あなたたちは最初からそれが狙いで…!」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:23:10.45 ID:8BN3s6YB0
パァァ

亜利沙「ななっ! プリンセス(大)ちゃんの体が、足下から消えていっているじゃないですか!!」

郁「二人とも落ち着いて聞いて。奴らの狙いは、わたしをこの世界に存在させることで育ちゃんを精神的に追い詰めることだったんだ」

百合子「ええっ!?」

郁「きっと今頃、こいつの仲間が育ちゃんの心の隙につけこんで悪さをしてる……彼女を救えるのは、あなたたちだけだよ」

亜利沙「プリンセス(大)ちゃん…」

郁「お願い、行ってあげて。あと10秒あれば、こいつを怯ませてしばらく動けなくさせるくらいならできるから」

百合子・亜利沙「「わかりました!」」

郁「今まで一緒にいてくれてありがとう。楽しかったよ。……あの子にも必ず伝えてね」

百合子「ええ。もちろん!」ダッ

亜利沙「必ず伝えておきますよ!」ダッ
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:24:50.59 ID:8BN3s6YB0
百合子「ねえアリサ、悲鳴が聞こえた方向ってこっちだったはずだよね?」タタタ

亜利沙「ええ。あの裏山からギョーカイジンのオーラも感じますから間違いないでしょう。しかしプリンセスの魔力のエナジーがまだ…」タタタ

亜利沙「おや、あそこに倒れているのはもしや…」

ぴーちゃん「」

百合子「ぴーちゃん、しっかりしてぴーちゃん!」

ぴーちゃん「ぴっ――リリー、アリサ……た、大変だっぴ! プリンセスが敵の魔の手に!」

亜利沙「ええ。それはアリサたちも把握してます。そこでぴーちゃんに確認しておきたいことが…」

百合子「プリンセスの――育ちゃんの悲鳴は確かにこっちから聞こえたはずなのに、その魔力のエナジーがまったく感じられないの」

亜利沙「どこかに連れ去れたのかもしれません。ぴーちゃん、今すぐ育ちゃんの居場所を探ってください」

ぴーちゃん「任せるっぴ! マジカルレーダー、ヴァイッ!」ビビッ

ぴーちゃん「……」フルフル

亜利沙「どうしたんですか、ぴーちゃん。何か言ってください」

ぴーちゃん「プリンセス、ロスト……育ちゃんの魔力の波動が消えてるっぴ。どこにも見当たらないっぴ…」

亜利沙「なっ――」

百合子「そんな……嘘……そんなの絶対嘘よ!」

亜利沙「……とにかく、裏山にギョーカイジンがいるのは間違いありません。今はまずそこに向かいましょう」

ぴーちゃん「リリー……辛いだろうけど、自分たちに今できることをするっぴ。育ちゃんもそう言ってたっぴ?」

百合子「……うん。わかってる。行きましょう」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:25:40.73 ID:8BN3s6YB0
――公園の裏山


百合子「あなたは、シロガネーゼ!」

シロガネーゼ「ごきげんようトゥインクルリズムのみなさん。しかし、到着が少々遅すぎたようですね」

亜利沙「ムムッ。あのギョーカイジンの姿は、まさか……ラブプリズム、セット!」


カメラプリズム


亜利沙「!! そ、そんな…。リリーちゃん、ぴーちゃん……これを見てください」

シロガネーゼ「可愛らしいでしょう。私の忠実なる妹、カイエン隊のムーゴレちゃんです」

ムーゴレちゃん「■■■■■――――!!!」

ぴーちゃん「信じられないっぴ……育ちゃんがギョーカイジンに姿を変えられたなんて…」

百合子「育ちゃん! 私がわかる? 百合子だよ! お願い、目を覚まして!!」

ムーゴレちゃん「■■■■■――――!!!」ズシーン!!

百合子「きゃあっ!」

亜利沙「リリーちゃん!」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:26:23.18 ID:8BN3s6YB0
シロガネーゼ「呼びかけても無駄です。彼女の希望は既に私の呪術によって打ち切られてしまいました」

シロガネーゼ「いくら世界を包む希望の力であろうと、その持ち主がこんな何の変哲もない子供とあれば、必然ですよね」

シロガネーゼ「テコ入れなんてする価値もない。この子の存在なんて、所詮その程度に過ぎなかったのですから」

シロガネーゼ「賢い視聴者なら終わった番組のことなどさっさと忘れて、新番組と新たなスターの台頭に心を躍らせましょうね?」ニコッ

亜利沙「黙っていれば好き勝手なことを……聞き捨てなりません!」

百合子「そうよ……あなたが育ちゃんの何を知ってるっていうんですか!」

シロガネーゼ「ええ。一縷も存じ上げませんよ。ですがそんな私でもこれだけははっきりわかります」

シロガネーゼ「プリンセスがこの子で助かりました……あなた方のどちらかがその力の持ち主だったなら、きっと我々は敗北していたでしょう」

百合子「許さないッ!」ダッ

亜利沙「これ以上育ちゃんを侮辱するなら、その口、喋れなくしちゃいますよ!」ダッ

シロガネーゼ「なるほど良いコンビネーションです。やはりあなた方は二人で戦った方がお強いのではありませんか?」スイスイ

シロガネーゼ「物騒な武器で悪を討つ女子中学生ヒーロー……良い数字が取れそうです。オタクの支持も篤そうですね」

百合子「違う……わたしたちが育ちゃんと一緒にいるのは、プリンセスの力が目当てだからじゃありません」

亜利沙「確かに最初に出逢ったきっかけはそうかもしれませんが、そんなの大した問題じゃありませんよ」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:27:01.16 ID:8BN3s6YB0
百合子「育ちゃんは、小さな体でどんな大きな困難にも立ち向かう頑張り屋さんで」

亜利沙「困っている人を放っておけない、優しい心の持ち主で」

百合子「おませさんで、背伸びばかりしていて」

亜利沙「ちょっぴり強情で頑固なところがあって」

百合子「いつも元気いっぱい、キラキラ笑ってて」

亜利沙「疲れて寝ちゃったときの寝顔がとってもキュートで」

百合子「私たちは、そんな育ちゃんにたくさん助けられてここまで来ました」

亜利沙「一緒に歩いてきた日々の全部が宝物……育ちゃんと一緒にいられない日常なんて、考えられません」

百合子「こんな形でお別れなんて……そんなの絶対に嫌」

亜利沙「だからありさたちは、なんとしてでも育ちゃんを助け出しますよ。だって――」

百合子・亜利沙「「大切な、大好きな仲間だから…!」」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:27:43.11 ID:8BN3s6YB0
シロガネーゼ「そうですか。ではその大好きな仲間とやらに踏み潰されて終わる人生を、せいぜい最期まで楽しんでください」

シロガネーゼ「やりなさい、ムーゴレちゃん!」

ムーゴレちゃん「■■■■■――――!!!」


キラキラ…


シロガネーゼ「な、なんですかこれは」

百合子「闇に覆われた育ちゃんの内側で、何か光ってる!」

ぴーちゃん「あれは、ラブプリズムだっぴ!」

亜利沙「ふおっ、もしや第27話で英国人美少女を救った際に入手しながら一度も使用されず長らく謎だったあのラブプリズムですか!!」

百合子「説明口調ありがとう! それより、あのラブプリズムの効果は何なのぴーちゃん」

ぴーちゃん「その名もずばり、ハンコツプリズムだっぴ!」

百合子・亜利沙「「反骨!?」」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:28:19.97 ID:8BN3s6YB0
シロガネーゼ「そんな……プリンセスの能力はすべて封じられたはず。ラブプリズムが反応するわけが――」

亜利沙「わかっていませんね。反骨精神というのは、逆境でこそ発揮されるもの」

百合子「たとえ希望を封じられても、育ちゃんの心はまだ絶望していない。これはその証です!」

シロガネーゼ「おのれ……はーいムーゴレちゃん、良い子ですねよしよーし。お姉ちゃんの言うこと、ちゃーんと聞いてね」ナデナデ

ムーゴレちゃん「■■■■■――――!!!」プンスカ

シロガネーゼ「痛い痛いッ! ちょっと、お姉ちゃんに向かってなんですかその態度は! めっ、ですよ!!」

百合子「しくじりましたねシロガネーゼ。育ちゃんはそうやって過度に子供扱いされるのが大嫌いなんですよ」

亜利沙「育ちゃんのことをきちんと理解していれば起こり得ないミスです。どうやら形勢逆転のようですね」

ぴーちゃん「二人とも、今のうちだっぴ!」

百合子「ええ。アリサ!」

亜利沙「いきますよリリーちゃん!」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:28:57.58 ID:8BN3s6YB0
ムーゴレちゃん「■■■■■――――!!!」

百合子「ごめんね育ちゃん。少し痛いけど、我慢してね――トゥインクルサイズ・トルネード!」

ムーゴレちゃん「■■■■■――――!!!」バキバキ

百合子「見えた! あれがハンコツプリズム……アリサ!」

亜利沙「任せてください。トゥインクルウィップ・キャッチング!」

ガシッ

亜利沙「よしっ掴みましたよ。さあリリーちゃん、手を」

百合子「ええ。成功する保証はないけど……それでも私は信じたい」

亜利沙「大丈夫。その気持ちはありさだって同じですよ」

百合子・亜利沙「「トゥインクル・クロスネット!!」」シャキーン

百合子「ハンコツプリズムよ、どうか私たちを――」

亜利沙「育ちゃんのところまで導いてください!」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:29:38.47 ID:8BN3s6YB0
こわい夢を見た。ひとりぼっちのわたしが、どこか暗い場所をずっとさまよっている夢。

こわい夢を見た。おとなになって夢を叶えたはずのわたしが、道の途中でその夢をあきらめてしまう夢。

こわい夢を見た。知らないだれかがわたしの代わりになって、大好きな人たちと笑っている夢。

こわい夢を見た。わたしと大好きな人たちが、とつぜん消えなくちゃいけなくなって、みんな消えちゃう夢。


目を閉じ直すたびに新たに見るのは、ぜんぶぜんぶこわい夢ばかり。

まるで世の中ではこんなに悲しいことがたくさん起こりうるんだって、言い聞かせられているみたい。

だけど……こんなにもこわくてつらくて悲しいのに、わたしはどうして――。


どうして目をそむけずにいられるんだろう。


……ちゃん」


だれ?


「育ちゃん…」


だれかが、わたしを呼んでいる。あったかい声。なつかしい声。大好きな声。
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:30:13.20 ID:8BN3s6YB0
百合子「育ちゃん、起きて! 育ちゃん!!」

亜利沙「育ちゃん! ありさです! 目を開けてください!!」

育「……ぅ……百合子さん、亜利沙さん……ここは…」

亜利沙「おおおっ! 良かった。気がつきましたよ!!」

百合子「待ってて。今すぐそこから出してあげるから――トゥインクルサイズ、この茨を砕きなさい!」

ザシュッ

亜利沙「さあ育ちゃん、掴まって!」

育「!! 二人とも、足下!!」


ギュルルルルッ


百合子「しまった――ぐぅ、動けない……これじゃあトゥインクルサイズが使えない…」

亜利沙「強力な茨ですが、ムググ……なんのこれしき……さあ育ちゃん、手を伸ばして」

育「亜利沙さん……でも、それ以上体を伸ばしたら、亜利沙さんが…」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:31:13.68 ID:8BN3s6YB0
シロガネーゼ『愚かですね、トゥインクルリリーにトゥインクルアリサ』

育「この声はシロガネーゼ…」

シロガネーゼ『私の呪術はプリンセスの希望を打ち切ったのです。その呪縛に抗うことは、重力に逆らって空を飛ぼうとすることに等しい』

シロガネーゼ『あなた方の希望とその身も、じきに八つ裂きにされることでしょう……仲間の失意から生まれたこの茨によって!!』

亜利沙「だから……なんだっていうんですか」

百合子「私たちが……この程度の脅しで諦めると思いますか」

育「亜利沙さん、百合子さん…」

百合子「ぐ……片手だけならどうにかアリサの背中に届きそう……よし、これでちょっとは体を伸ばしやすくなったんじゃない?」

亜利沙「ええ。ナイスアシストですリリーちゃん……さあ育ちゃん、手を…」

育「……うん!」

ガシッ

亜利沙「何が何でも……この手だけは絶対に離しませんよ……ぐ……っ」ギシギシ

百合子「アリサ……がんばって……あぁ…っ」ギシギシ
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:31:57.71 ID:8BN3s6YB0
シロガネーゼ『どうですかプリンセス。己の心の世界で、仲間が傷つき苦しむ姿を眺める気分は』

亜利沙「育ちゃん……こんな奴の言葉……聞いちゃダメです…ゲホッ…」ギシギシ

百合子「私たちなら……大丈夫……育ちゃんのためだもん。これくらい平気……」ギシギシ

育「だいじょうぶ。わたし、今ならちゃんとわかるよ」

育「何かをあきらめそうになっても、大切なものを失っても、それでも逃げずにいられるのは……逃げたくないから」

育「こんな形で終わるなんてゆるせない。そう思って立ち向かえるくらい、大切なものに出会えたからだよ」

亜利沙「そうです……それを守るためなら、たとえ火の中水の中、茨の道の中ですよ…!」

百合子「育ちゃんなら、私たちの声に応えてくれる。目覚めてくれるって、ずっと信じてたよ…!」

育「えへへ。当たり前でしょ。だってわたし、もうおとなだもん!」


キラキラキラ――


育「感じるよ。二人がくれた光。わたしが見つけた光。優しくてあったかくて、強くて熱い光――」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:32:34.67 ID:8BN3s6YB0
シロガネーゼ「はわわわっ、このエナジーの量……! ムーゴレちゃん、応答しなさい!」

ムーゴレちゃん「」パァァァ


(さなぎの中から成虫が現れるように、光に包まれたトゥインクルプリンセスが姿を現す)


シロガネーゼ「ば、馬鹿な……しかもそのコスチューム……どう見てもパワーアップしてるじゃないですか」


育「そう。わたしは終わらない……人の限界を決めつけてあざ笑うあなたなんかに、絶対負けない!」


百合子「私たちのプリンセスは、自分との戦いに勝ちました。もうどんな言葉で惑わそうとも無駄です」

亜利沙「誰になんと言われようと、自分の夢に向かってワガママになっていい……みんなで手を取り合って掴んだ新たな力、それが――」

育「トゥインクルプリンセス・スペクトラムフォーム!!」


育「いつかだれかが流した涙の雨だって、わたしの光で虹に変えてみせる――ラブプリズム、セット!!」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:33:27.65 ID:8BN3s6YB0
サンシャインプリズム ハンコツプリズム ティアープリズム


育「リリーさん、アリサさん――いくよ!」

百合子・亜利沙「「もちろん!」」


育・百合子・亜利沙「「「トゥインクル・ユニオンウェーブ!!!」」」


シロガネーゼ「……まずいですね。ここは身代わりを呼んで一旦退きますか。シータクロイヒー・バーターカエダマ――座標入れ替え!」

パッ

アキバ「およ!? シロガネーゼ殿、これは一体どういうことでござるか!?」

シロガネーゼ『私の代わりにやっつけられちゃってください、アキバ。それがあなたの最後の任務です。ではごきげんよう』

アキバ「違う! ボキュのママはこんな生意気なことするクソガキじゃない! 脚本家出てこい! ママを冒涜するな!!」


ドガァーーーン!


アキバ「ギャアアアア認めん!これが公式見解だなんて認めんぞおおおぉぉ……」シュゥゥゥゥ…
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:34:17.59 ID:8BN3s6YB0
百合子「育ちゃん! 良かった……本当に無事で良かった」ギュッ

育「もう百合子さん、苦しいよぉ……でも、心配かけてごめんなさい」

亜利沙「良いってことです。それに謝らなければならないのはありさたちの方です。育ちゃんの辛い思いに気づいてあげられませんでした」

育「ううん、いいの。だって二人の気持ちはちゃんと伝わったから……百合子さん、亜利沙さん、わたしも二人のことだーい好きだよ!」

百合子・亜利沙「「いくちゃああああああん!!」」ギューッ

育「ちょっと二人とも、そんなにいっぱい撫でないでよ。わたし赤ちゃんじゃないんだから…」

亜利沙「ムフォォォォ育ちゃんの大好きいただきましたァ! もう一回、できればもう一回言ってくれませんかねぇ」

育「こども扱いする人には言ってあげないもん」

百合子「そこを、そこをなんとか…」

育「もう百合子さんまでー」


ぴーちゃん「やれやれ、見事ギョーカイジン4幹部を全員倒したというのに締まらないっぴねー」

ぴーちゃん「でも今日くらいは、大目に見てあげてもいいっぴね♪」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:35:06.94 ID:8BN3s6YB0
育「そっか……お姉さん、帰っちゃったんだね」

百合子「郁ちゃんもずっと育ちゃんのこと気にかけてたよ。それだけはちゃんと伝えておこうと思って」

育「お姉さんと、ちゃんとお別れしたかったな……元の世界に帰るときは笑顔で見送ろうって決めてたのに…」

亜利沙「またいつか会えますよ、きっと」

育「そうだといいなぁ」

百合子「もしかしたら、今度は私たちが彼女のピンチを救うことになるのかも」

亜利沙「それは燃えますね。魔法少女の血が滾ってきましたよ!」

育(そのときは、今度こそお姉さんの力になってみせるから。だからいつかまた会おうね、お姉さん)
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:36:19.69 ID:8BN3s6YB0
〜次回予告〜

シロガネーゼ「トゥインクルプリンセス、この私にとんだ恥をかかせてくれましたね。ですがワイハー様、安心してくださいね。

なんと我々の救世主となるあのお方が、プリンセスの身近な人間に転生していたことがわかったんです。

さあ、お目覚めください。ギョーカイフェアリー・パイセン様!!

次回、魔法少女トゥインクルリズム 第46話『覚醒する伝説の闇! ギョーカイフェアリー降臨』

観てくれないと、あなたの夢も打ち切っちゃいますよ♪」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:36:58.79 ID:8BN3s6YB0
〜特報〜


「わたしは希望の太陽トゥインクルプリンセス……たとえすべてを奪われようとも、絶対に屈したりしない…ッ」


高潔なる美しき魔法少女は――。


「もしかしたら、あの子なら……」


一人の少女に助けを求める――。


「平行世界からのSOSだっぴ!」

「まさか、あのお姉さんが!?」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:37:43.56 ID:8BN3s6YB0
(ドンッ!) 961プロダクション完全協力(ただし令嬢特権)


「すぐに支度するっぴ!」

「今こそわたしたちの出番だね!」


(ドンッ!) 圧倒的スケールで送る超大作


「私は風の戦士……追い風が吹く限り、何度でも立ち上がる!」


「えええーーーっ!! あれが平行世界のありさだなんて、聞いてないですよぉぉーーー!!!」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:38:21.80 ID:8BN3s6YB0
(スッ!) 主演


(ドンッ!) 中谷 育 × 詩花


「ちょっと待って。なんでプリンセスがこんなに……」

「これ全部別の世界線の育ちゃんってことですか!?」

「呼んだらいっぱい来ちゃったみたいで…」

「なんか海賊とか天使とかいるっぴ…」


(ズォン…) 劇場版 魔法少女トゥインクルリズム 『プリンセス大量発生中』


「「「「「「「わたしおとなだもん!!」」」」」」」(※この中に一人だけ本物の大人がいます)


(ドンッ!) 近日公開!!


「映画前売り券を買うと、おしゃべりぴーちゃんストラップがもらえるっぴ!」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/30(木) 19:39:16.11 ID:8BN3s6YB0
「おわり」って書くタイミングを完全に失いましたがこれでおわりです。次回の予定とかないです。

星梨花ちゃん変な役にしちゃって本当に申し訳ない。

最後までお読みいただきありがとうございました。
56 : ◆NdBxVzEDf6 [sage]:2018/08/30(木) 19:53:24.14 ID:GUu5MxM20
詩花劇場だけじゃなくてこっちにも出演しだしたか
乙です

>>1
トゥインクルプリンセス役 中谷育(10) Vi/Pr
http://i.imgur.com/p64webr.png
http://i.imgur.com/FcSjtcz.png

>>2
シロガネーゼ役 箱崎星梨花(13) Vo/An
http://i.imgur.com/m91bxsH.jpg
htt://i.imgur.com/qvYmFhS.jpg

>>4
トゥインクルリリー役 七尾百合子(15) Vi/Pr
http://i.imgur.com/fk3AVln.png
http://i.imgur.com/LgjnFNm.png

トゥインクルアリサ役 松田亜利沙(16) Vo/Pr
http://i.imgur.com/Aviu1cZ.png
http://i.imgur.com/xoHK3DC.jpg

>>6
謎の美少女役 詩花(17) Ex
http://i.imgur.com/A7ewghi.png
http://i.imgur.com/2chWzfR.png

>>19
望月杏奈(14) Vo/An
http://i.imgur.com/vOoY42y.jpg
http://i.imgur.com/EUUQM82.jpg

>>31
トゥインクルピーチ役 周防桃子(11) Vi/Fa
http://i.imgur.com/H6xUtCr.jpg
http://i.imgur.com/9ljd6Vu.jpg

トゥインクルウルフ役 大神環(12) Da/An
http://i.imgur.com/Jjfr66V.jpg
http://i.imgur.com/KzKz4pQ.jpg

トゥインクルキャンディ役 馬場このみ(24) Da/An
http://i.imgur.com/KYx0vEp.jpg
http://i.imgur.com/zwQtCKB.jpg
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