【艦これ】 鳳翔無宿

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1 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/16(木) 16:57:06.02 ID:ONSFFAdP0
鎮守府

多くの艦娘が暮らすこの場所はすべての者を受け入れるわけではない 

それぞれに兵装を整え、食事をさせ実弾での訓練をさせる
相応の金がかかることだからして当然のこと

だから争わなくてはならない
武力・魅力・整備力など己の価値をアピールしなくてはならない

自分が野良艦娘となるか
鎮守府所属の艦娘となれるか

生涯の分かれ目なのだから…

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1534406225
2 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/16(木) 16:57:39.30 ID:ONSFFAdP0
ある女が歩いていた

名を鳳翔
流れの艦娘である

彼女もまた 所属する鎮守府を探していた
無論、ただ探しているわけではない

自らの特技
『料理』を生かしてくれる鎮守府を探していた

この物語は己の腕一本に人生を賭けた女の
汗と涙 そして愛の物語である…
3 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/16(木) 16:58:25.61 ID:ONSFFAdP0
第一話 鳳翔の包丁捌き

鳳翔「パラオ第三地区 十二分隊…と」

今回建造にて配属命令があった鎮守府はかなり南方
「これは生の物を出すわけにはいきませんね」
などと呟きながら門を潜る

すると第一声 言われた言葉は
「解体」 「悪いが荷物をまとめてくれないか?」

こちらはまだ己の特技すら披露していないのに
よくあることだ
相手をコモンと侮って腕前さえも見ようともしない提督

風貌を見るに砲や銃のみで戦争をすると思っているタイプであり
料理における士気管理などに目が向くようには見えない

いいでしょう
こんな鎮守府は私のほうからお断り 「ほ、鳳翔はん!」
ん?
4 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/16(木) 16:58:52.61 ID:ONSFFAdP0
見慣れない駆逐艦が私の名を呼ぶ
はて こんな駆逐が知り合いにいたかしら

龍驤「駆逐艦ちゃうわ!」

ああ、思い出した

龍驤「助けてーな この鎮守府は この鎮守府には…魔物がおるんや」

龍驤「広島焼きとお好み焼きを同じにするような怪物がな」

鳳翔「いえ、そういうローカルな話には興味がございませんので」

龍驤「ちゃうねん ほら、見ればわかる」

そう言って彼女が指さした先には何人かの駆逐艦
あまり見おぼえの無い子たち 皆、龍驤と変わらないくらいの小さい……!!!!?

龍驤「えらいことや アレ 潮 浜風 村雨 夕雲やで」

なんてやせ細った…っ
5 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/16(木) 16:59:22.67 ID:ONSFFAdP0

「食糧難なのですか」と尋ねると甲板は無言で首を振る

甲板「物資の供給は滞りない だけどな。ここの秘書艦が…」

「この私が何か?」

龍驤「で、出たぁ」

振り返ると黒髪でほっそりとした体躯の美少女が1人

龍驤「そいつがここの秘書艦にして料理長 磯風 諸悪の根源や!」

磯風「諸悪… どういうことだ?」

磯風「私の料理になんの不満がある」

龍驤「こいつときたら広島焼きでもお好み焼きでも全部混ぜて ぐっちゃぐちゃのこげこげにしてまう」

磯風「南方の調理 基本は火 食中毒を防ぐために当然だろう」

龍驤「料理にはその料理なりの」

磯風「いらんいらん そういうのは内地でやれ」
6 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/16(木) 16:59:50.04 ID:ONSFFAdP0
なるほど
理念は理解した だが潮 浜風 村雨 夕雲 龍驤 やせ細った彼女らをこのまま見過ごすわけには…いかない!

鳳翔「包丁を取りなさい 料理人として…勝負を挑みます」

磯風「なんだ貴様は まぁいいこれから司令の夕食を作る」

磯風「勝負には応じよう だが食材を浪費することは許さん自前で用意しろ」

龍驤「現地調達? そな殺生な」

鳳翔「いいでしょう」

龍驤「無茶や あと数時間で用意できる食材なんて」

龍驤「しかも相手は本土から届いた高級将官用の高級食材を使用 なんぼなんでも…」

鳳翔「確かに厳しい条件 だけれども私の予想が確かならば…」
7 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/16(木) 17:00:16.87 ID:ONSFFAdP0
〜2時間後〜

磯風「では勝負を開始しよう」

磯風「…ふっ タロ芋程度しか用意できなかったか」

磯風「2時間あればマングローブ蟹か魚程度は用意できると思っていたのだがね」

磯風「その程度の食材では蒸かした芋程度しかできまい」

鳳翔「それはどうでしょうか?」

磯風「なにぃ?」

シュババババババッ

龍驤「な、なんて包丁捌きや手元が見えへん」

磯風「蒸かし芋に包丁?」

龍驤「一度蒸かした芋を捌いとる」

磯風「ば、ばかな なんの意味が」

鳳翔「できました」
8 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/16(木) 17:00:46.66 ID:ONSFFAdP0
提督「…では頂こうか」

鳳翔「これは貴方のぶんだけではございません」

鳳翔「そこの貴女たちも」

潮「潮…たちも?」


潮「…はむ」

潮「!!!!!?」

提督「…なんだこの甘みはっ」

提督「これはただの蒸かし芋ではない ケーキ ケーキだ」

龍驤「包丁を使い細かくすることで食感を残しつつもなめらかやでぇ!」

潮「ああっ なんだか 体が 熱いっ」
9 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/16(木) 17:01:16.15 ID:ONSFFAdP0
おや 潮 浜風 村雨 夕雲の様子が…

ボインッ

磯風「な、なにぃ」

磯風「突然胸が膨らむなど貴様なにを入れた」

鳳翔「単に砂糖を多めに入れただけ」

鳳翔「彼女たちは十分な栄養を取れていなかった…」

潮「はうわぁ おいしい おいしいですぅ」パクパク

鳳翔「彼女たちのポテンシャルを抑えつけていた程度の料理 味わうまでもなくあなたの負けです!!
10 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/16(木) 17:01:43.80 ID:ONSFFAdP0
提督「なんという…なんという料理だ」

提督「磯風 これはいかにお前といえども」

磯風「くっくっくっ」

提督「磯風?」

磯風「……わかっておらぬ」

磯風「お前らはわかっておらぬ」

磯風「料理漫画の法則 先に出したほうが負けるとなぁ」


磯風「味わうがよい この磯風の料理を!」

提督「……っこれは!?」




提督「炭っ」

提督「勝利 鳳翔!」
11 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/16(木) 17:02:12.59 ID:ONSFFAdP0
提督「すまなかった 私が間違っていた」

提督「どうか この鎮守府の料理人として末永く」

潮「お願いしますぅ」

提督「どうか」

鳳翔「…ありがたいお話ですが 今回は」

提督「なぜ!」 

鳳翔「あなたが解体命令出し終わっているから」

提督「あっ」
12 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/16(木) 17:02:44.08 ID:ONSFFAdP0
潮「去っていく あのお方が…」

提督「これから俺たちはどうすれば…」

磯風「余計なバルジがついてしまった」タユン

龍驤「解体にキャンセルはなく成長した娘が戻ることはないんや」

惜しむ声を聴きながら鳳翔は立ち去る
自らの居場所を求めて…
13 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/16(木) 17:05:53.71 ID:ONSFFAdP0
たがわ康之 包丁無宿 ←元ネタ

帰省したら本棚にあった漫画
マジ面白い。超お勧め
一話完結であと5,6話続ける
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/16(木) 17:34:04.90 ID:qNolohAaO
タイトル音読で分かった
乙期待
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/16(木) 20:42:15.26 ID:js+7gcdHO
炭っに笑った
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/16(木) 23:54:00.64 ID:W1U27lTL0
そして最後まで全く喋らなかった夕雲村雨浜風。
アピールする気力すら無くしてたのか
17 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 02:45:28.59 ID:miSOjBdN0
第二話  少女の成長


暁「頑張って作ったのよ! どうかな どうかな?」

提督「……」

提督「おいしいよ」

暁(って司令官はいつも私の頭を撫でる)

暁(でもわかるんだ。本当は美味しいなんておもっていないこと)

暁(頭なでなでなんて子供扱いしちゃって 本当のことを言ったら暁が傷つくと思ってるのね!)

暁「ぷんすか!」
18 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 02:46:01.11 ID:miSOjBdN0

暁「毎回毎回子ども扱い」

暁「暁は立派に秘書艦として働いているもんね!」

暁「えーと 今日着任するのは…鳳翔? ああ、あの料理で有名……!?」

暁「ひらめいちゃった!!」

電「指定リストにない艦はまた着任即解体に回すのです」

暁「たんまー たんまたんま」

電「?」

暁「今すぐ連れてきて!」
19 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 02:46:33.34 ID:miSOjBdN0
ここは自分の居場所ではない

一歩踏み入れただけでソレを理解する
誰もがある経験だろう

女性下着売り場に入り込んでしまったサラリーマン
アダルトコーナーに迷い込んでしまった小学生低学年
ふと入った飲食店が常連だらけ

鳳翔はそれを感じていた
具体的には

鳳翔(…えっ ここ駆逐艦と海防艦しかいない)

ヤバさを感じていた
20 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 02:47:09.56 ID:miSOjBdN0
どちらかというと熟…大人びている自分の外見を理解している彼女
即座に荷物をまとめ

電「ではキッチンに来て下さいなのです」

遅かった

だがロリコ…幼女を愛でるタイプの提督が自分になんの用があるのだろう
たまには目先を変えようとでもいうのか
嫌だ嫌だ そんな箸休めのような扱われ方は

暁「あのー こんにちわ」

牛丼で言うと紅ショウガ
お寿司で言うとガリ
フレンチだとパン

暁「おーい もしもーし?」
21 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 02:47:38.02 ID:miSOjBdN0
パンが箸休め?
そのパンを主食にしている人もいるんですよこれだから上流階級の口が奢った方は

暁「…こっちむいてよー!」

いでででで
私の頬を引っ張るのはどなたでしょうあら可愛いちっちゃい女の子

暁「ちっちゃい言うな! 暁はここの秘書艦をも務める立派なレディなんだから!」

…ああ
22 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 02:48:05.75 ID:miSOjBdN0
鳳翔「そうなんですか それでは私はこれで…」

暁「ちょちょちょ 逃げないでよ!」

鳳翔「いやいやいや ガリ役は御免こうむりますので」

暁「ガリってなぁに?」 

暁「暁は料理を教えてほしいだけなんだけど…」

鳳翔「料理?」

暁「かくかくしかじか」

鳳翔「なるほど」

鳳翔「つまり暁ちゃんは日頃お世話になっている提督のためにお料理の技術を高めたいと…」

暁「…うん」
23 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 02:48:58.43 ID:miSOjBdN0
と、言って差し出してきたのは普段作っているという料理
そのお味は単調で平凡。決して食べられなくはないが美味しくはない

子供の初めて手料理補正があるうちはよいだろうが毎食だと

暁「……どうかな?」

上目使いで
探るように訪ねてくる幼女
この愛らしさの前で提督は「美味しい」と言わざるを得なかったのだろう
しかしこの鳳翔にはプライドがある意地がある

ことや料理にかけては…
鳳翔「美味しくありません!!」
だからいい切った

その言葉を聞き
暁は肩を震わせ、顔を伏せ、涙を拭うと… 「お料理を教えてください!」
また顔を上げて叫んだ
24 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 02:49:24.40 ID:miSOjBdN0
そして始まる血のにじむような修行

鳳翔「ワックスをかける ワックスをとる」

鳳翔「ジャケットを着る ジャケットを脱ぐ」

鳳翔「猫耳をつける にゃーと鳴く」

暁「にゃ〜」

暁「…これなにか意味あるんですか?」

鳳翔「いいから」
25 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 02:49:53.67 ID:miSOjBdN0

腱鞘炎を起こしかけるまでの熾烈な特訓の果て

暁「暁が一番…むにゃむにゃ」

疲れ果て膝の上で眠る幼子と女性ホルモンがあふれ出ている鳳翔

その光景を見るだけでも二人が大切な何かを分かち合ったのは明白


暁(美味しいお料理で 司令官のほっぺを落っことしてあげるわ!)

鳳翔(手に職をつけさせてこの子がここから逃げ出しても大丈夫なように)

((美味しい料理を 作れるように!!))
26 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 02:50:20.90 ID:miSOjBdN0
〜そして3か月後〜

暁「どうぞ 白魚の握りです」

提督「このちっちゃなおててで握りにくい白魚を!?」

提督「海苔を使わずに巻く…だと?」

暁「そして次はこちら」

提督「細工寿司…っ」

鳳翔「純粋で真っ白な子 まるで乾いたタオルが水を吸うように技術を身に着けてくれました」

鳳翔「既にこの子は一人前の職人」

提督「料亭の味だ…」
27 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 02:51:00.77 ID:miSOjBdN0
鳳翔「正直に言って…最初は警戒しましたが今なら分かります
鳳翔「あんなに素直に育っている暁ちゃん」
鳳翔「教えたことを全部吸い込む真っ白な心」

鳳翔「私が想像していたような醜悪な鎮守府ではなかったのですね、申し訳ありません」


深くお詫びをすると
提督はそっと私の肩に手をかけて

提督「Yesロリータ Noタッチ」

彼はとてもいい顔でサムズアップを決めた
28 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 02:52:16.61 ID:miSOjBdN0
提督がとても喜んで料理を頬張る姿に満面の笑み暁ちゃん

暁「大成功ね!」

暁「おか…じゃなかった鳳翔さんのおかげ!」

暁「えっと…ね。あの」

暁「もし…その…よかったらこれからもこの鎮守府で一緒に」

言葉の途中
人差し指をお口に当てて静止させる

鳳翔「いいえ これからは貴方の役目」

鳳翔「大切な提督さんといっしょに頑張って二人の味を作りなさい」

暁ちゃんはしばらく無言で
そして精いっぱいキリっとした顔を作って「はい」と答える
29 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 02:52:49.24 ID:miSOjBdN0
暁特製のお料理で別れの宴
まだまだ拙く、だけれども可能性を感じる味を噛みしめて鳳翔は旅立った

鎮守府を背にして

脳裏に浮かぶ提督のサムズアップから意識を逸らして

肩を消毒用のアルコールで拭いて

しばらく夢に出てきた

キモかった
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/18(土) 05:27:26.22 ID:MsIS948po
あつ
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/18(土) 05:37:20.68 ID:GWWoPdasO
猫耳付けてにゃ〜と鳴く暁の画像はないですか?
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/18(土) 08:15:17.76 ID:WdSYLkRH0
淡々と進みますな
面白い
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/18(土) 10:47:23.48 ID:D36plFK40
幼女(第6や朝潮型)とか無いわwwせめて中学生だろwwという発想の下、
白露型や陽炎型ばかり秘書艦にしてる俺も所詮ここの提督と同類
なんやろか(虚無)
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/18(土) 15:12:59.47 ID:Aggq0FZtO
駆逐艦の中には夕雲型みたいなのもいるし……
35 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 17:08:39.16 ID:miSOjBdN0
第三話 「技術の果てに」

次の着任地は最前線
銃撃飛び交い、ゆっくりと食事を楽しむような環境ではないと思われる

おにぎり…サンドイッチ…クレープ
夏の陽気に耐えつつも、手にもって食べられる料理を主としなければいけませんね

などと思いながら着任手続き…おや なにか大騒ぎ
はて 料理対決が?

川内「ふっ、ありあわせのものでちゃちゃっと2,3品…っと」

川内「実は女子力高い私なんだよね〜 ここみたいに忙しい鎮守府の花形は」

川内「同じ軽巡のよしみで見逃してもいいよ?」

夕張「…ふっ」
36 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 17:09:17.31 ID:miSOjBdN0
初風「あの川内姉さんに歯向かうなんて」

親潮「どこまで太刀打ちできるものでしょうか」

如月「うふふ 知らないってことは幸せね?」

初風・親潮「え?」

如月「あの方の技術力がどれほどものかを知らないなんて 貴女達ここが初鎮守府?」
37 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 17:09:54.76 ID:miSOjBdN0
夕張「では勝負内容は…ラーメン 所属艦娘の投票で決めましょうか?」

川内「承知! 夜戦の花形 ラーメンでこの川内さんに挑むなんて馬鹿だねぇ!」

川内「さぁ どうだ!」

初風「すごい手さばき! 普段料理やってる人の手!」

親潮「私にはわかります。料理しているどころじゃない 『日常的に』料理している人の手!」

川内「きゃはははははは! どうよ、普段川内型のご飯は私が作ってるんだよね!」

川内「神通が持ってくるご飯って私製だもんね! 長女だもんね見えなくても」

川内「さぁ この手さばきについてこれ…… っ???」

川内の高笑いが…止まる
ガラガラガラ
夕張が持ち出したもの
キッチンにはそぐわないものを見て
…止まる

川内「洗濯…機?」
38 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 17:10:21.52 ID:miSOjBdN0
夕張「…ふっ」

川内「洗濯機に熱湯と麺を……入れた……?」

回り出す
回り出す洗濯機
200人前の麺と共にっ!!

川内「えっ えっ ええっ? りょ、料理対決だよね? なに? なになに?」

夕張「あらかじめ丼200杯に固形スープを入れて」
39 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 17:10:54.84 ID:miSOjBdN0
夕張「そこにお湯を注ぐ、洗濯機を開ける 湯切りされた麺を ちゃっちゃっちゃ…と」

川内「いやいやいやいやいやいやいや」

夕張「さーて皆さんお味はどう?」

「「「うめぇー」」」

川内「うそぉーーーー?」
40 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 17:11:29.51 ID:miSOjBdN0
夕張「さて川内さん 貴方のラーメンはいつできるのかしら?」

川内「あっ えと まだ 10杯しか ああっ もう冷めちゃった」

夕張「冷めたラーメン その味は?」

川内「…」

川内「私……負けた?」

初風「嘘っ…?」

親潮「信じられない…」

如月「これが最前線の実務」

膝から崩れ落ちる川内
誇らしげに胸を張る夕張 
そしてそれを舌なめずりして見つめる鳳翔

戦いの火ぶたは 今 ここに
41 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/18(土) 17:12:02.80 ID:miSOjBdN0
第三話後編に続く
42 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/19(日) 22:41:50.43 ID:rz0+WxF70
第三話 後編  親潮はギャグキャラではありません

夕張「カーッカッカッカガ  川内破れたり」

川内「畜生…畜生…」

夕張「さぁこれでこの鎮守府の料理長は私 文句のある奴はいる?」

夕張「いないようね! なら「お待ちなさい」

鳳翔「お相手…願いますか?」

夕張「…品目は?」

鳳翔「そうですね さすが最前線 ほぼすべての艦娘が所属している様子」

鳳翔「よって大多数。お子様駆逐艦海防艦大好き焼肉などいかがですか?」

夕張「おう!」
43 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/19(日) 22:42:17.07 ID:rz0+WxF70
如月「さぁ開始された第二ラウンド 夕張さんに挑むは…あの鳳翔! なんとこの最前線でドリームマッチが組まれるとは」

如月「いかがですか解説の」

初風・親潮「えっ?」

如月「ノリ悪〜い」

如月「さて、夕張さんが取り出したのは……ハープ?」

如月「あの音楽を奏でるハープでなにをしようというのかおおっと牛も連れてきた」

如月「そして 牛ちゃんを 丸ごと オーブンに 入れたーーーー!」

如月「ファラリスの雄牛で牛を丸焼き さらにさらに焼きあがった牛を牛を」

如月「ハープの横に置いて……倒して…切ったーーーーーーー!!」

夕張「名付けて牛 一頭焼き」

夕張「さぁ駆逐艦・海防艦の皆さん ご賞味あれ!」
44 : ◆W7gaJxN1wk4q [sage]:2018/08/19(日) 22:42:57.31 ID:rz0+WxF70
如月「分厚く蒸し焼かれた肉といつのまにか炊かれたご飯 そして異次元の調理法」

如月「なんだかわからないがとにかくすごい 駆逐艦海防艦たちは貪るように焼肉を食べています」

如月「ってちょっと待って さっきラーメン食べたのに焼肉なんて食べたら」

夕立「げぷっ お腹いっぱいっぽい!」

島風「出てくるのはやーい やったー」

如月「どの子もおなかいっぱいに これはもう勝負あったわね」

初風・親潮「いやいやいや」

如月「さて鳳翔さんはこの絶望的な状況からどうするのか」

鳳翔「全員〜 右向けー右」

如月「?」

鳳翔「艤装つけて〜 あの島まで往復 競争開始!! 」
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