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男「僕の生徒は亜人だらけ」ロウェナ「おねーさんを称える三回目!」

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756 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/15(火) 21:04:58.02 ID:8atcIGKl0
ルーティ「そーっ」

ピチョンッ

ルーティ「ひぃっ」

男「あ、いたいた、ルーティさん」

ルーティ「!?」

ルーティさんはなぜか海にそーっとつま先をつけようとしていた。

人間の姿では泳ぎにくいのだろうか。

ルーティ「あ、せ、先生じゃーんっ!」

僕を見るなり笑顔を“作る”ルーティさん。

………いや、笑顔を浮かべるルーティさん。

なんだろう。今変なこと。

ルーティ「どうしたの? あっ、まさか私の水着姿見たくてきたの? やーん、エッチィ」

男「ルーティさんと一緒に遊びたくてね」

ルーティ「駄目だよ」

男「え?」

ルーティ「! じゃなくて皆で遊ばなきゃだめだよ先生! ねっ」

ルーティさんが含まれていればどう遊んでもいいのだろうか。

そこらへん詳しいことは聞いてなかったけれど。

男「そういえばルーティさん」

1.水着、一緒に買いに行ったやつじゃないんだね

2.飲み物余ったんだけどいる?

3.その水着、よく似合ってるよ

>>757
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 21:07:46.05 ID:odlxIPxKo
1
758 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/15(火) 21:24:06.66 ID:8atcIGKl0
ルーティ「え?」

男「いや別になんでもないけど、一緒に買いに行った水着じゃないんだなぁって」

ルーティ「先生は、そんなことまで覚えてるんだね」

ルーティさんが俯いて首にかかった水着の紐を引っ張る。

ま、また僕はやってしまったのだろうか。

ルーティ「そんなことまで覚えられてていいなぁ、ルーティさんは」

男「一緒に買いに行ったことだから覚えてるよ。えっと、だって凄い似合ってたし?」

それは本心だ。だけど下心はない。

悪気はないとアピールをすればするほどルーティさんの顔が曇っていく。

男「えっと、ルーティさん?」

ルーティ「先生!! 先生はなんでも覚えてるの!? なんでも覚えてくれるの!?」

いきなり僕のもとへずいと寄りそう尋ねるルーティさん。その表情はとても真剣で、

男「お、覚えてるよ。だって―――」

マナ「ほんとに?」

―――――――

>>761 【コンマ10以下】
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2019/01/15(火) 21:25:57.49 ID:crRQruOPo
無理かな
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 21:26:44.32 ID:eI6aRHVDO
はい
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 21:27:17.84 ID:mkKnnNUt0
奇跡起きるか
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 21:27:23.29 ID:vipJL2BAO
奇跡は起こらず
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 21:35:41.37 ID:4nmFIcF7O
難しすぎる…
764 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/15(火) 21:44:47.94 ID:8atcIGKl0
―――

――



ルーティ「ほらっ! 先生パース!」

男「うぐぅっ」

ぼーっとしているとビーチボールが僕の体にぶち当たった。

痛くはないんだけれど驚いてしまう。

ルーティ「へっへーん。ぼーっとしてるんじゃないよ先生!」

男「ごめんごめん」

ルーティ「ほら、次いくよ!」

ルーティさんがボールを天高く放り投げる。

目で追っていると太陽がまぶしくて僕は目を閉じてしまった。
765 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/15(火) 22:03:28.49 ID:8atcIGKl0
ベル「あーつかれたー」

ミレイア「あんたはしゃいでたものね」

ベル「あれあれ? ミレイアちゃんも結構はしゃいでたとおもうけどなぁ?」

ミレイア「ばっ、このミレイア様が海水浴ごときで興奮するわけないじゃない!!」

海は終わり。疲れ果てた僕たちは家へと戻ってきた。

塩水でべたついた肌を洗い流せるのは本当にありがたい。

シャワーを浴びて体を綺麗にすると両肩に重い疲れがのしかかる。

これを心地よいと感じるかが若いかどうかの違いだろう。

ちなみに僕は感じない。おそらく基礎体力が足りないからだろう。

けっして加齢のせいではないと信じたい。

ロウェナ「それで、これからの予定は?」

ミレイア「特にないわよ。ノープラン」

ベル「はいはい! 私やりたいことがあります!!」

ベルスタシアさんが大きく両手をあげてアピールをする。

いったいなにが始まるのだろうかと全員の視線が集まった中、ベルスタシアさんはこう主張した。

ベル「夏で旅行といえば肝試しでしょう!」

ミレイア「秋だけどね」

肝試し。

あまり、というかかなりしたくない。

だけど多数決に訴えたとしても結果は見えている。

ロウェナ「肝試しかー。いいね!」

1人肝を試す側がいるけれど、乗り気みたいだ。

生徒の主張はできるだけ受け入れたいところだけど、うーん。

クゥゥ

可愛らしい腹の虫が鳴いた。

ジェラ「す、すいません///」

ジェラルド君が顔を真っ赤にして照れていた。

男「とりあえずはご飯を作ろうよ」

ヒヅキ「賛成だ」

問題は後回しにしよう。

きっとご飯を食べ終わるまでに他の良いイベントを誰かが思いつくさ。
766 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/15(火) 22:15:15.91 ID:8atcIGKl0
ベル「御馳走様! それじゃあ肝試しだ!」

思いつかなかった。

夕飯の献立は大人数でも安心、カレーライス。

珍しくヒヅキさんが参加して作ったカレーライスは僕の知ってるものと違いドロドロとしていた。

でもこれはこれで美味しい。

ミレイア「ノープランで肝試しして楽しいの?」

ベル「楽しいよ、きっと」

外はもう暗い。

人が少ないおかげで灯りは全然なく、一寸先すら見えないほどの暗闇だ。

昼はあれだけ綺麗だと感じた海も今はどこか不気味に感じる。

潮騒が低く唸る化け物のように感じて僕は首を竦めた。

ロウェナ「あれあれ〜、先生怖いの?」

男「怖いよ。幽霊とか苦手なんだ。ロウェナさん以外はね」

ロウェナさんは慣れた。今でもびっくりすることはあるけれどおおむね慣れた。

ロウェナさんは嬉しそうに空中で宙返りするとにやりと笑った。

ロウェナ「じゃあおねーさんと一緒に肝試しをするかい?」

サレム「ままま、待ってください。私も一緒に」

僕以上に怯えている人がいた。そうかサレム君も怖いの苦手同盟だったな。

その様子を見て少し落ち着くけれど、それでも怖いものは怖い。

いやだなぁ、いやだなぁと思っていると

ヒヅキ「…怖いなら、守ってやろうか」

ヒヅキさんが刀に手をかけていた。どうやら守ってくれるつもりらしい。

が、幽霊ははたして斬れるのだろうか。

先生「皆で回れば」

ベル「だめ! 二人ペアが肝試しの基本!!」

男「11人いるのに?」

ベル「メイドちゃんは頼もしそうなところに入るから大丈夫」

僕もそこに入れてほしい。

ベル「はいはい、くじ引きはじまるよー!」

ベルスタシアさんが用意良く瓶に入った人数分の棒をもってきた。どうやら先端に番号が書いてあるらしい。

ベル「ささ、年長の方からどうぞ」

そういって押し付けてくる。渋々僕から引く。

4番。なんというか不穏な数字だ。

メイドちゃん以外引き終わり、一体相方は誰なのだろうかと尋ねたところ

>>769
767 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/15(火) 22:16:27.68 ID:8atcIGKl0
今日はここまで

つり橋効果はどちらかというと先生のほうが対象みたいです。
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 22:18:23.43 ID:odlxIPxKo
ヒヅキ
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 22:18:28.90 ID:e6cLjisfO
ロウェナ
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 22:18:31.42 ID:mkKnnNUt0
ヒヅキ
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 22:19:53.12 ID:WUISBKxTO

安価下
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 22:22:19.53 ID:odlxIPxKo
乙乙
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 22:23:35.23 ID:eI6aRHVDO
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 22:34:15.50 ID:4nmFIcF7O

ルーティ回りもなかなかうまくいかんものやね
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/01/15(火) 23:29:04.79 ID:bOlnFZqMO
乙ー
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 23:32:26.13 ID:MM4pV4zcO
安価取るのが1人じゃないから主人公の行動が一貫してないし、>>1もルーティを贔屓する気はないんだろうからまぁ仕方ないよね
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 09:20:48.63 ID:xYrpBE/Bo
ルーティーのコンマの厳しさは回数重ねるにつれ下がっていってたけど、今回はマナの深遠に足踏み込む形になったしな
>>1は読めば分かるヒントは出しても、直接救済するかはコンマ次第ってのは過去作含めて筋通してると思う
778 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/16(水) 19:56:51.96 ID:PgjaTk+U0
肝を試す側じゃないか。

ロウェナ「先生。手をつなぐ?」

そういって差し出してきた手を握る。

ロウェナさんには触れない。肉体がないから当たり前だ。

こうやって手を握ることができるのはロウェナさんが僕に触ろうとしているから。あくまで一方的な関係。

正確にいうと触ってすらない。念動力の応用でしかない。

なのにロウェナさんは嬉し気に

ロウェナ「あったかいね。先生の手」

と言ったんだ。

ロウェナさんの手の感触は少しふわふわとした空気の感触。

夜に冷やされた空気の温度。

ロウェナ「うへへ。僕と一緒だなんておねーさん興奮するな」

男「僕は肝が冷えますよ」

幽霊に手を引かれて進む暗闇。

ロウェナ『死んでほしいって思ってる』

男「!」

ロウェナ「先生、どうしたの?」

過去の言葉が頭をよぎる。

二人きり。

考えたくはないけど、暗闇が最悪の事態を想定させる。

海に落ちてしまえばたぶん僕は助からないだろう。

それ以外でもロウェナさんは僕の事を殺すことなんて簡単だろう。

殺さないとは言っていたけれどその保証は―――駄目だ。

なに考えてるんだ僕。先生だろ、生徒の事は信じなきゃ。

ロウェナ「ほら、先生。いこうよ」

ロウェナ「こわくないから、きっと楽しいよ?」

ロウェナさんが僕の手を引っ張る。

見た目よりもずっと強い力で。

男「ど、どこにいくんですか?」

ロウェナ「どこって………んふふ♪」

誤魔化される。

いったい僕は

どうすれば

1.ロウェナさんを信じる

2.ロウェナさんを信じない

>>779
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 19:59:40.87 ID:N5P6iXM30
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 20:02:13.22 ID:ZGjzM8rDO
1
781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 20:04:58.13 ID:ySfihPkD0
ID:N5P6iXM30
こいつしょっちゅう変な改行して変な安価出すマジキチじゃねーか
782 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/16(水) 21:23:45.29 ID:PgjaTk+U0
男「ごめん、ロウェナさん」

ロウェナ「え?」

ロウェナさんの手を振り払う。

どうしてもロウェナさんの事が信じられなかったから。

ロウェナ「なんで、先生」

ロウェナさんの悲しそうな顔。

若干後悔する。

でもそれ以上にロウェナさんの後ろの暗闇が恐ろしかった。

ロウェナ「置いてかないで、おいてかないでよ、先生」

ロウェナさんの手が伸ばされる。

僕はそれを

1.掴む

2.振り払う

>>783
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2019/01/16(水) 21:26:26.92 ID:4FKv37lBO
1!
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 21:26:30.50 ID:OeY29MZKO
1
785 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/16(水) 21:31:21.30 ID:PgjaTk+U0
ロウェナさんの手を掴む。

落ち着け、落ち着け僕。

あの優しいロウェナさんがそんなことするわけないじゃないか。

きっとこないだのことだって冗談のはず。

男「ごめん、ロウェナさん。怖くて手汗がでちゃってさ。恥ずかしくて」

ロウェナ「なんだ、そんなことでよかったよ、てっきり私」

ロウェナ「またおいてかれるのかとおもった」

男「おいてく?」

あぁそうか。いつもはロウェナさんは学園にいる。

帰宅する生徒を見送りながら。

それはロウェナさんにとって置いて行かれるも同然―――

ロウェナ「ずっと一緒にいないと、やだよ」

男「っ!」

引っ張られる。踏み出した足は何も踏みつけることはなくて。

くるりと上下が逆転する。

ロウェナ「もう、置いていかないで」

月明かりに照らされたロウェナさんの顔は

歪んでいて見えなかった。

バシャンッ
786 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/16(水) 21:54:51.27 ID:PgjaTk+U0
「―――い、――せい」

海の水は冷たくて、苦しくて、それよりも何も見えないのが怖くて―――ロウェナさんの顔すら見えなくて

「せんせいっ!」

男「!」

濡れてなかった。落ちてもなかった。明るい電気の光。

ミレイア「なに、今さら怖気づいたっての? 後つかえてるんだからさっさといきなさいよ」

ロウェナ「どうしたのさー。いきなりぼーっとしちゃって」

ロウェナ「せっかくおねーさんとデートなんだからぼーっとしちゃノーなんだからねっ」

男「ごめん、ぼーっとしてた」

どうやらさっきまでのは全て幻だったらしい。

怖がりだとは思っていたけど幻覚を見るまでとは思ってなかった。

ミレイア「ほら、さっさいった、いった」

ミレイアさんに背中を押される。

ロウェナ「ほらいこっ」

ロウェナさんの差し出した手を僕はすぐに握ることができなかった。

ロウェナ「? もしかして照れてるのかい、ぼく」

男「い、いえ。ありがとうございます」

ロウェナさんの手を握る。

ロウェナさんは僕の手を強く引き―――

なんてことはなく嬉しそうにふわふわと浮き上がっていた。

ロウェナの好感度【60】
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 21:57:14.14 ID:P/5gShxpo
好感度下がってもうた
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 21:57:50.22 ID:mm/ZSWzPO
ロウェナさんは突き放した方が良いのかな…
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 22:01:27.89 ID:2icbwpdc0
>>782で2が選ばれていたら修復不可能なほど下がっていた可能性も
790 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/16(水) 22:09:00.59 ID:PgjaTk+U0
ロウェナ「らんらんらーん」

男「暗くて見えないね」

携帯用のライト程度じゃ少ししか照らせない。

ロウェナ「おねーさんは見えるぜい?」

男「見えるんですか?」

ロウェナ「まぁねー」

自慢げな顔しているロウェナさんが光に照らされている。

幽霊であればこの暗闇を見通すことができるらしい。

幽霊はなぜ暗いところで出るのかと不思議だったが単純に灯りをつける必要がないだけのようだ。

男「それじゃあエスコート頼めますか?」

ロウェナ「おねーさんにおっまかせー!」

僕の手を引く力が強くなる。

ロウェナさんは見えるんだろうけど見えない僕にとっては怖い。

ロウェナさんを信頼していればどうってことはないんだろうけどさっきの妄想のせいで怖い。

ロウェナ「ん? あれはー」

と思っていたらロウェナさんがぴたりと止まった。

僕は勢い余ってロウェナさんより一歩前に出てしまう。

ロウェナさんが見ている方。そこには

男「………光?」

ロウェナ「あれ、あの人だよ、えっと」

男「ロウェナさんの知ってる人?」

ロウェナ「うん。オカルト研究部の」

あの二人か。

一体こんな夜に二人で何をしているのだろうか。

オカルト研究部の活動かな?

ロウェナ「おーい」

ロウェナさんが二人に呼びかける。

ロウェナさんの声が聞こえたらしくその光は方向を変えてこっちへと進んできた。
791 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/16(水) 22:18:07.26 ID:PgjaTk+U0
ロザリア「こんばんはぁ」

エン「こんな遅くにほっつき歩いてると危ないわよ」

男「それはそっちもでしょ。特に君たちは女の子二人なんだから」

そういうとエンプーサさんがじーっとこっちを睨んできた。眼力でお前よりは強いと訴えかけてくる。

そりゃあそうだけどさぁ。女の子が歩いているってだけで危険度は違うわけだし。

男「それでなにやってたの?」

エン「ちょっと廃墟を探索してたのよ」

ロザリア「何も出なかったね〜」

廃墟探索?

また不気味なことを。

ロウェナ「探索? わ〜、おもしろそう〜」

冗談じゃない。

ロウェナ「ねぇねぇ、私達も行こうよ!」

ロザリア「でも、なにもないわよぉ?」

ロウェナ「この胸のわくわくはあるから!」

ロザリア「素敵〜」

僕の胸にわくわくはないのだけど。この胸の高鳴りは恐怖のドキドキだ。

ロウェナ「いこうよ先生! お願い〜」

両手を合わせてお願いされても………

1.廃墟に行く

2.予定通り進む

>>793
792 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/16(水) 22:18:56.29 ID:PgjaTk+U0
今日はここまで

“ロウェナさん”の手は絶対に離さないであげてください。
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 22:19:39.18 ID:P/5gShxpo
1
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 22:21:16.01 ID:hVDHOJQwO
乙乙
離さんきゃいいのか
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 22:31:05.85 ID:Qq+plc2oo
おつー
“ロウェナさん”の方はね……
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 22:39:36.08 ID:vfLBnksAO

モノホンの幽霊と一緒に廃墟探索ってよくよく考えてみるとシュールだな
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/01/16(水) 22:52:41.32 ID:DERuFXzJO
乙ー
798 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/21(月) 19:03:06.10 ID:FbqSFH5/0
エンプーサさん達と別れ、教えてもらった通りの道を行く。

ただでさえ暗い道が木々に遮られもっと暗くなっていく。

不気味な潮騒は木々のざわめきへと置き換わり、より恐怖を煽る。

そんな中でロウェナさんは楽しそうに、嬉しそうに鼻歌を口ずさんでいた。

男「楽しそうですね。ロウェナさん」

ロウェナ「んー、楽しいよー。君といればおねーさんはいつだってハッピーハッピーなのさ」

普通なら赤面してしまうようなセリフをロウェナさんはさらりとはく。いくらからかうためとはいえそんなこと言えるような心根の強さは正直な話ちょっとうらやましかったりする。

ロウェナ「ちょっとー、なにかいってよー」

僕が何も返さなかったことに不満を覚えたらしいロウェナさんは長い黒髪を弄びながら唇を尖らせた。

男「すいません。ちょっと怖くて」

ロウェナ「なにぉう! ロウェナさんとのデートが怖いと申すか!」

さっきのこともありロウェナさん自身も若干だが怖い。

だがそれよりロウェナさん以外の幽霊がでるかもしれないということの方がなお恐ろしかった。

ロウェナ「むー、しかたないなー。ロウェナさんの手を握ることを許して進ぜよう。末代までの誉れとするがよい! なんちて、おねーさんが末代かもしれないのにねぇ。あははは」

とんだ幽霊ジョークだ。正直笑えない。

僕はロウェナさんの手を

1.握る

2.握らない

>>799
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/21(月) 19:03:31.86 ID:jDoeAT8N0
800 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/21(月) 19:12:11.05 ID:FbqSFH5/0
差し出されたロウェナさんの手を握る。

思えばロウェナさんにいつも無理やり連れまわされている。

幽霊と思えない様なアグレッシブさで毎日を楽しそうに、そして毎日を楽しくしてくれるロウェナさんは学校の悪霊ながらも皆に親しまれているのではないだろうか。

ミレイアさんも疎ましいと口で言いながらも無碍にしたりはあんまりしない。

ロウェナさんもこのゼミに、いや学園になくてはならない存在だなぁ。

きっとロウェナさんのこういうところを初代学園長は見抜いていたんだろう。

ロウェナ「また黙っちゃって。もしかしておねーさんのこと考えてるなぁ?」

男「えぇ、まぁ」

ロウェナ「! うへ、うへへへへ」

ロウェナさんのことは考えてたけども。

照れたように右手で顔を覆うロウェナさん。

どうやら責められるのは苦手のようだ。
801 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/21(月) 19:32:35.99 ID:FbqSFH5/0
ロウェナ「お! あれだ!」

ロウェナさんが暗闇を指す。そちらのほうに灯りを向けると古びた木造の一軒家があった。

古びたというより朽ちかけていると言ったほうがいいかもしれない。十年ちょっと人が住まなかっただけでここまで朽ち果てはしないだろう。

正直な話入りたくはない。

だけど

ロウェナ「おねーさんがいっちばーん!」

ロウェナさんがぐんっと飛び込んでいったからついて行かざるを得ない。

置いてかれないように小走りで僕も中へと入る。

扉を横に滑らせると、少しつっかえながらも扉は問題なく開いた。

鍵なんかはないようだ。

ロウェナ「わー、時代を感じるねぇ」

内装も外と同じく古びていた。煤けた棚の上には欠けた写真立てが倒れている。

同じく煤けたタンスから一つ引出が抜かれ床へと落ちていた。

男「怖いですよ、やっぱり」

ロウェナ「うーん、おねーさんもちょっぴり怖いよう」

ロウェナ「でも進む。それがおねーさんイズムである」

なんて訳の分からないことをいいながらロウェナさんによる探索が進んでいく。

ロウェナ「ん! おぉ!」

男「なにかありま―――」

ロウェナさんが消えた。
802 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/21(月) 19:49:41.85 ID:FbqSFH5/0
男「ロウェナさん!? ロウェナさん!?」

ロウェナさんがいきなり消えた。

灯りがあるとはいえ一人ぼっち。でもいくら恐ろしくてもロウェナさんを置いて逃げるなんてありえない。

恐怖心と戦いながら辺りを見回していると。

「おーい。地下があったよー!」

と下から声がした。どうやら地下にある部屋へ行ったらしい。

いくら幽霊だからといってそんな無差別に動かないでほしい。

「先生もおいでよー」

冗談じゃない。と言いたかったがロウェナさんは僕についてくるような人じゃない。なので僕も地下へ続く道を探すことにする。

埃だらけの床を十分注意して探すこと数分。

床の継ぎ目と、手をかけることができそうなくぼみを見つけた。

くぼみに手をかけ上へと力を込める。

ぎぎ、ぎぎぎぎ、ぎぎぃ

錆びた鉄が開けられまいと抵抗して、叫び声をあげる。

僕だって男だと、なんとか踏ん張って扉を開けると埃がもうもうと中から舞い溢れて、僕の器官を襲った。

男「けほっ、けほけほ」

口を手で覆って埃を吸い込まないようにする。

埃が収まってきてから灯りを下へ向けると階段が下まで続いていた。

男「ロウェナさん? ロウェナさーん」

ロウェナさんの名前を呼びながら下へと降りていく。

今にも階段を踏み抜くのではないかと冷や冷やしたが、どうやらつくりが丈夫だったらしく、問題なく下まで降りることができた。

地下室は木ではなく石で床が作られていた。おかげで寒い。

ここの地域は暖かいとはいえ、夜でしかもこんな場所なら僕たちの学園とそうは変わらない。

こんなところにずっといたら風邪をひいてしまう。

はやくロウェナさんを連れ出さなきゃ

男「ロウェナさーん」

暗闇に灯りを向ける

男「!」

ロウェナ「見つけてくれたね」

ロウェナさんがいた。

早くロウェナさんを連れて帰ろうと思い近づくと、僕たちの間に何かがあることに気付く。

木でできた牢。その中にロウェナさんはいた。

檻の中には人がかろうじて生活できるような家具が置いてある。ここは牢屋だったのだろうか。

ロウェナ「誰が、ここにいたんだろうね」

ロウェナさんがくるりと牢の中で両手を広げて一回転する。白い髪がくるりと広がって、そしてロウェナさんの体に巻きついた。

ロウェナ「もし、先生は私がこうなったら助けてくれる?」

ロウェナさんが牢の中から手を伸ばす。

扉は開いているんだ。いくらでもでることはできる。というか幽霊に牢なんて関係ないだろうに。

でもロウェナさんは僕をじっと見て、答えを待っていた。

僕はその手を

1.掴む

2.掴まない

>>805
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/21(月) 19:50:59.39 ID:7FAkS62l0
1
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/21(月) 19:51:23.61 ID:0pZBKV00o
白髪は悪い子
2
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/21(月) 19:51:48.79 ID:yp5TNF80O
2
806 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/21(月) 20:10:47.82 ID:FbqSFH5/0
掴まなかった。

なんでだろうか。なにか嫌な予感がしたんだ。

ロウェナさんは僕がその手を掴まないと言うことがわかると

ロウェナ「そう」

手を下して、俯いた。

ひょっとしてロウェナさんを傷つけてしまっただろうか、と不安になっていると

ロウェナ「あなたも私を見捨てるんだね」

ばっとロウェナさんが顔をあげる。

その両眼はがらんどうで首から下が赤黒く染まっていた。

ロウェナ「やっぱりあなたも」

ロウェナさんが一歩進む。

男「ひっ」

僕はひるんで一歩下がった。

怖くなってロウェナさんに灯りを強くむけると

男「!!」

つなぎ目が見えた。

ロウェナさんの首に一本の線が入っている。そこからぬるりぬるりと赤黒い血が溢れ、床にぼとりぼとりと落ちていた。

ロウェナさんは悪戯が好きだ。

でもこんなこと―――

男「う、うわぁああっ!!」

踵を返して階段へ向かう。

後ろからぼとりぼとりと音が近づいてくる

ロウェナ「先生、先生、置いてかないでよ」

ロウェナ「私と一緒に、いようよぉう」

振り返らずに階段を駆け上る。

ロウェナ「待ってよう。ねぇ、待って」

懇願する声が聞こえるが知ったことではない。

階段を上りきると僕は扉を叩きつけるようにしてしめた。

男「はぁ、はぁ」

荒い呼吸を首を絞めて抑える。

なんだ、いったいあれはなんだ

「先生?」

807 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/21(月) 20:11:26.78 ID:FbqSFH5/0
男「!」

ロウェナさんの声が真正面からした。

眼球を向けるとロウェナさんがいた。

男「―――っ」

ロウェナ「わっ、凄い顔してるよ先生。どうしたのさ」

ロウェナさんがびっくりして両目を大きく見開いていた。

―――目がある。首のつなぎ目もない。

なんだったんださっきのは。

僕が見た………幻覚?

ロウェナ「ごめんね先生。無理やりこんなところ連れてきちゃって」

男「い、いえ」

ロウェナ「もう皆帰ってくるだろうし、私達も帰ろうか」

男「………はい」

幻覚ということにしておこう。

あまりにもリアルだったことからは目を逸らして。
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/21(月) 20:12:16.88 ID:WiWWpdp7o
………本体?
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/21(月) 20:27:25.19 ID:v2MadmP2O
>>792が意味深なんだよなぁ
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/21(月) 20:30:10.06 ID:0pZBKV00o
白い髪もロウェナさんということか?
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/21(月) 20:32:20.73 ID:ItTGzV3fO
前スレで白ロウェナさんを受け入れようとしたらあんまり良くなかった気がするしこれで良かったのでは
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/21(月) 20:37:04.75 ID:Qri1OF/J0
黒髪ロウェナさんの時は手を離さない
白髪ロウェナさんの時は手を離す
という感じか
813 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/21(月) 21:30:45.64 ID:FbqSFH5/0
男「ただいまー」

ロウェナ「うへへぇ。デートしてました!」

男「いや、違うから」

戻ると他の皆はもう戻っていた。

寄り道をしていたのだからそりゃそうだろう。

ミレイア「いちゃついてんじゃないわよ」

男「イチャついてないから」

イチャついてないから

ベル「えへへぇ、先生が帰ってくる前に準備をしたんだよっ」

男「準備って―――」

なにをと聞こうとした。

パシュッ

男「わっ」

眩しい。

それに熱い。

ベル「みてほら! みて!」

見せつけられている。

ベルスタシアさんが吹きだす花火を僕に向けていた。

危ない。

ダメ、絶対。
814 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/21(月) 21:37:25.25 ID:FbqSFH5/0
どうやらベルスタシアさんは花火を用意していたらしい。

サレム「あぁ、この光を見ていると肝試しで傷ついた心が癒されていきます」

ミレイア「飛び込まないでよ?」

サレム「飛び込みません!」

そうは言うが光に向かってふらふらと近寄っているから心配だ。

やはり虫種族は光が好きなのだろうか。

ベル「はい、しっかり握っててね」

メイド「は、はい」

メイドちゃんが両手で噴き出す花火を握っている。

その面持は強張っており、緊張しているようだ。

打ち上げ花火はともかく、手持ち花火はやったことないからなぁ。

パシュッ

メイド「ひゃっ」

火が噴きだすとメイドちゃんは驚いて尻もちをついた。

その火がメイドちゃんに向かないようにベルスタシアさんが花火を手で押さえている。熱くないのだろうか。

メイド「すっ、すみませんベルスタシア様!」

ベル「あはは、ほら見て、綺麗でしょ」

花火の光がキラキラとベルスタシアさんの体に映り輝く。

メイドちゃんはその光景を見て大きく口を開けていた。

ベル「メイドちゃんかわいーっ」

メイドちゃんの様子はもちろん可愛いが、花火を着飾ったベルスタシアさんは本当に綺麗だった。
815 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/21(月) 22:47:54.47 ID:FbqSFH5/0
サレム「これが火傷しちゃうひと夏のアバンチュールというものなのでしょうか」

プライヤ「なにいってんだぁ?」

男「僕も良くわからない」

サレム君は両手で手持ち花火を持ちながら感慨深そうにその火を見ていた。

火傷しちゃうひと夏のアバンチュール、ねぇ。

僕の学生時代でも縁の遠い言葉だ。大人になった今それは猶更遠い。

ロウェナ「わーっはっはー! バーニングロウェナさんだー!」フワフワ

ミレイア「花火もったまま抱き着こうとすんなぁ、いやぁああああっ」ダダダダダッ

本当に火傷しそうな人はいるけど。

ヒヅキ「………」

着火用の蝋燭で瞑想してる人もいるかと思えば

リリ「………」

蛇花火をずっと見続けている人もいる。

このメンバーではひと夏のアバンチュールはほど遠いことだろう。

男「さて、余っちゃったな」

花火は嫌いじゃないが、進んで楽しもうと思える歳ではない。

貰った花火の半分以上がまだ残っていた。もったいないから誰かと楽しもうと思うけど

>>816
816 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/21(月) 22:48:48.94 ID:FbqSFH5/0
今日はここまで

ベルスタシアさんは火耐性を持ったパーフェクトボディです

安価下
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/21(月) 22:49:08.09 ID:0pZBKV00o
リリ
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/21(月) 22:51:32.58 ID:4Sg7nu+PO
乙乙
ベルスタシアは設定からして無敵だしね
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/21(月) 22:55:55.20 ID:WKXP3EzV0

肝試しからルーティが一切喋ってないのが気になる
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/21(月) 23:00:04.63 ID:fPeVHGluO
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/22(火) 00:49:39.10 ID:RVOFEpjNO
おつ
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/01/22(火) 01:16:49.89 ID:H29e+LtWO
乙ー
823 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/24(木) 20:17:17.42 ID:uv7Ne1m+0
リリ「………」

しゃがみこんでじっと蛇花火がうねうねと生えてくるのを見ているリリさん。僕はその横に一緒になってしゃがみこんだ。

リリ「どうされました。貴方様」

男「蛇花火、楽しい?」

リリ「楽しい……多分、そうなのでしょう」

あやふやな返答をしながら視線を一瞬たりともこちらへ向けないリリさん。

僕はなにが面白いのかはわからないけれど、リリさんが楽しんでくれているのならなによりだ。

男「よかったら、僕の奴もする?」

リリ「いいのですか?」

花火は嫌いではないが自分でやるような歳ではない。

だったら楽しんでくれる人にあげたほうがいい。

リリ「こんなに。よろしいのですか?」

男「花火だって楽しんでくれる人にやってもらう方が嬉しいはずさ」

リリ「………花火に意思はない、はずですが」

男「あぁうんまぁ」

リリさんが受け取った花火の中から蛇花火を見つけ出して火をつける。

蛇花火は煙をあげるとじんわりと赤く発光しながらうねりはじめた。

もこもことあふれ出るその姿は蛇にはあまり見えない。

ただの化学反応で苦しみ悶える意思なき有機物。他の花火が一瞬の輝きに全てをかける中でこれだけはうち悶えるように地面を這うだけ。

リリ「まるで、私のようです」

男「リリさんが? 全然似てないよ」

リリ「いえ、私のようです」

蛇花火はうねるのを辞めた。じっと冷たい地面に横たわっているだけ。

リリさんはその蛇花火を手のひらで潰すと周囲の砂ごと握りしめた。

男「熱くないの?」

リリ「私はこの程度では苦しまないように設計されていますから」
824 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/24(木) 20:34:52.52 ID:uv7Ne1m+0
くしゃりと潰された燃えカスは煤となって風に乗りどこかへ飛んで行った。

それを見送るリリさんに表情はなく、何を思っているのかもわからない。

遠くからはベルスタシアさんがプライヤ君を追いかける声が聞こえる。あちらは楽しそうだ。

こちらの静寂はその対比でより寂しく感じて僕は線香花火に火をつけた。

男「リリさんもやろうよ」

リリ「貴方様がそう望むのであれば」

リリさんに線香花火を手渡す。

リリさんはそれに火をつけるとぱちぱち弾ける線香花火を瞬きをしながら見ていた。

紫水晶のような瞳が線香花火に光でかすかに輝いている。

どこか芸術品のような美しさが今のリリさんにはあった。

男「線香花火、最後まで落ちなかったら願いが叶うんだってさ」

どこかで聞いた話。たしか聞いたのは………

ぽとり

僕の線香花火は風にあおられすぐに地面へと落ちた。

望む願いもなかったがすぐに落ちるのはなんか悔しい。

でもそれが実に僕らしい。

リリ「………」

ぱち、ぱち

火花が徐々に少なくなる。

そしてリリさんの線香花火はついに落ちることなく消えた。

男「リリさんは何を願ったの?」

リリ「………私に願いができますように。テケはそう祈りました」

火の消えた線香花火。

リリさんの願いを持って行ってくれたのだろうか。

神様は困るだろうな。そんな前代未聞の願いなんて

リリの好感度【30】
825 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/24(木) 20:50:18.57 ID:uv7Ne1m+0
ベル「後始末よーし!」

ミレイア「火の始末よし」

サレム「片付けできましたよ」

楽しい楽しい花火の時間も終わり。僕たちは片付けを終えて家の中へ戻った。

今日一日数年ぶりレベルで体を動かしたなぁ。

ミレイア「女の子は先にお風呂にするから男共はそこで相撲でもとってなさい」

どういうことだろうか。

家主であるミレイアさんの言葉は絶対。といっても相撲を取る気はない。ルールとか知らないし。ここに東洋生まれはいないからわからないだろうし。

なので男4人で椅子に座って外を眺める。

ジェラ「肝試し、どうでした?」

サレム「ルーティさんが散々私を脅かすのです………」

プライヤ「おいらは自作のライト持って行ったから怖くはなかったぞぉ。ただ話が弾まなくて独り言にしかならなかった方が肝が冷えたぞぉ」

男「ジェラルド君はヒヅキさんとメイドちゃんだっけ?」

ジェラ「ずっと刀に手をかけてるヒヅキさんが怖かったですけど、なにもありませんでした」

ジェラ「メイドちゃんは凄いですね。夜道でも怖がらずに歩いていくんですから」

まぁ、もともと灯りと縁のない暮らしをしていた人ではあるし。

それにヒヅキさんがいれば物理的に対処できる事案は安心だろう。

ジェラ「そういえば先生達は遅かったですけど、なにかあったんですか?」

男「あー、えっと………」

さっき経験したこと。それはきっと気のせいのはず。緊張感が産んだ幻覚だ。

男「何もなかったよ。道に迷っただけ」

プライヤ「一本道だったぞぉ?」

男「ロウェナさんがずんずん寄り道しちゃうから」

プライヤ「あぁ、なるほどなぁ」

826 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/24(木) 21:03:28.46 ID:uv7Ne1m+0
サレム「そういえば男だけで集まることは珍しいですね」

そういえばそうだ。

誰かと誰かならともかく、男全員が集まることはそうそうない。

プライヤ「こんな時は、そう! 恋愛トークだぞぉ!」

なんでだ。

もっと建設的な話はないんだろうか。こういう機会だし。

…なにが建設的な話なのかは分からないけども。

プライヤ「サレムはどんな子がタイプなんだぁ?」

サレム「私は」

ガサガサッ

男「! 今、二階から音がしたような」

サレム「ひぃ! やめてくださいっ」

ジェラ「いえ、本当に物音がしたような」

プライヤ「きっとなんか動物がいたんだぞぉ、それでだれなんだぁ?」

サレム「そうですね、私は新聞部のモマさんで」ガッタンッ

男「………」

サレム「動物、ですよね?」ビクビク

動物じゃなかったら誰なんだろう。

怖い話はやめてほしい。

プライヤ「そういえばよく小さな女の子と一緒にいるけど」

ジェラ「さすがにあんな小さい子は駄目でしょう」

サレム「中学生に手をだしてる人がいますね」

プライヤ「………」

男「その話はやめよう」
827 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/24(木) 21:29:20.68 ID:uv7Ne1m+0
プライヤ「そういえばそういう話題がまったくないジェラルド君はどうなんだぁ?」

ジェラ「え? ぼ、僕ですか?」

いきなり話が振られて驚いているジェラルド君。

そういう話が欠片もないジェラルド君だから、僕もちょっと気になる。

恋愛話を振られたジェラルド君は

ジェラ「え、えっと、えぇっと」

ジェラ「えへへぇ///」

可愛かった。

笑ってごまかしてるけど、ということはジェラルド君も好きな人がいるのか。

気になるけど無理に聞くことじゃない。

気になるけど

プライヤ「じゃあ、最後に、先生。お願いします」

男「やっぱくるよね」

三人の視線がいっきに僕に注がれる。

誤魔化しはもう許さないぞとその視線が物語っている。

困ったな。とくに好きな人はいないんだけど、そういっても信じてもらえそうにない。

だったら恋愛的じゃない好きと言う意味で

男「>>829
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 21:31:56.46 ID:C2YcdDuW0
誰だってみんな大事な生徒です
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 21:32:04.24 ID:G2A46+EqO
ロウェナさん
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 21:33:00.23 ID:7ZD+XiwjO
kskst
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 21:37:50.53 ID:b2///UV+0
ルーティ
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 21:48:19.58 ID:kPxuEbDp0
ロウェナルート突入か?
833 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/24(木) 22:04:48.87 ID:uv7Ne1m+0
男「ロウェナさん、かな」

普段から色々とお世話したり、なったり。

おそらくゼミ内で一番親交が深いといったらロウェナさんだ。

サレム「なるほど、黒髪好きですか」

男「違うよ!」

綺麗だから嫌いじゃないけどさ。

僕のくすんだ赤毛よりはよっぽど綺麗だ。

ロウェナ「どんなところが好きなの?」

男「好き、というよりほっとけないところですかね」

男「だけどたまに頼りになるというか優しいところが」

プライヤ「ほほぅ、ギャップ萌えというやつだなぁ?」

ジェラ「先生とロウェナさん。お似合いですよ。あ、でも幽霊とお似合いってどうなんでしょうか」

ロウェナ「いいんじゃない?」

ジェラ「ですよね」

男「まったくもう、茶化さないでよね。でも皆でこういう話をできるのは旅行の醍醐味だよね」

「「「「「あははははは」」」」」

「「「「ん?」」」」」

ロウェナ「照れるなぁ、ぬへへぇ」

「「「「でたーっ!!」」」」」

いつの間にかロウェナさんが話の中に入っていた。一番聞かれてはいけない人に聞かれたようだ。

ロウェナさんはくねくねと体をくねらせながらにへらにへらと笑っている。

ロウェナ「先生。私も先生のこと、好きだよ。きゃーっ!」

なんて青春感漂わせたロウェナさん(X歳)はひゅーどろろと天井をすり抜けながら消えて行った。

サレム「えぇっと、よかったですね。先生」

男「色んな誤解が生まれたような気がするよ。少なくとも生徒に手を出す教師にはならないと誓ったのになぁ」

ロウェナの好感度【65】
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 22:09:52.70 ID:BbCw5p8h0
ルーティと好感度並んだか
コンマが悪かったのもあるけどルーティのイベントが中々進行しないのが辛い
835 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/24(木) 22:20:14.62 ID:uv7Ne1m+0
ミレイア「あがったわよ。あんたたちも早く入りなさい」

ベル「湯上り姿だよー、ひゅーひゅー」

男「まったく興奮しないから」

ミレイア「なんかムカつくわね」

僕は生徒に手を出さないと誓っているんだ。だから生徒にときめくことはない。

ミレイア「ふわぁ。眠いわね」

ルーティ「今から吸血鬼の時間じゃないの?」

ミレイア「早寝早起きがモットーなの」

健康的な吸血鬼だけど、そのせいで目の下には深いくまが出来ている。

学園がもっと種族に応じて時間を合わせればいいんだけど、人員的な問題で大多数の種族の生活時間である昼にあわせられてあるからなぁ。

ミレイア「ふわぁ、ミレイアちゃんはもう寝るけど、寝顔みて欲情するの禁止だから」

男「しないって」

なぜか信用がない。

そういう行動は一切とってないのに。

サレム「さて、私達もお風呂に入りましょうか」

男「そうだね」

―――

――



特に語ることはない。

お風呂から出た僕たちは温まった体が冷める前に部屋に戻ることにした。

学生の旅行ならここで誰かの部屋に遊びにいくんだろうけど僕は教師だ。

大人しく過ごそう。と思っていたんだけどあっちからくるとは思ってなくて………

>>837 【男の所を訪れた人】

 
836 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/24(木) 22:21:23.33 ID:uv7Ne1m+0
今日はここまで

【安価】男「俺のプロダクションは亜人だらけ」【コンマ】

もよかったらよろしくおねがいします
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 22:21:26.81 ID:YzXrYJIDo
ミレイア
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 22:22:07.47 ID:BbCw5p8h0
ヒヅキ
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 22:22:11.12 ID:7+Bypi+DO
ルーティ
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 22:23:57.60 ID:7ZD+XiwjO
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 22:24:00.90 ID:PNrCaAv1O
乙乙
地味に判明する男は赤毛という情報
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 22:24:40.87 ID:G2A46+EqO
おつ
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 22:27:20.33 ID:INchNfU1O
正しくはロウェナさん(XXX歳)だな
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 22:28:03.36 ID:7+Bypi+DO
安価取れなかったか
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 22:34:47.40 ID:vFvx7LhEO
乙ロウェナさんかわいいは100歳越えてるのだろうか
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/01/25(金) 02:45:06.31 ID:zNFb4vKEO
乙ー
847 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/28(月) 21:54:46.08 ID:DIHVqgyT0
僕に与えられたのは寝ることができる程度の場所だけ。だから僕はすることなく布団に寝転がっていた。

普段はベッドだから気にならないけど床の冷気が顔に当たるなぁ。

寝ようか、寝まいか。

その間を天井を見ながらうつろうつろとしていると

ミレイア「ねぇ」

始めはミレイアさんが誰に話しかけているかわからなかった。

普通に考えればこの部屋には二人だけ。僕に話しかけるしかないんだけれどまさかミレイアさんが話しかけてくるとは思ってなかったんだ。

ミレイア「ねぇってば」

男「え、なに?」

ミレイアさんの方を見るとベッドに座って本を読んでいるミレイアさんが眉間にしわを寄せながら僕を呼んでいた。

ミレイアさんが見ている本には遺伝生物学の文字。大学生向けの本ではあるけれどあまり主流の学問ではない。

そんな学問をやっているのが僕だけれど。

ミレイア「ちょっと、これ教えなさいよ」

そういってこちらに本の内容を向けてくる。

だけどちょっと遠くて良く見えない。

良く見ようと思ってミレイアさんが定めた境界を超えると

ミレイア「ちょっと! こっちに入ってこないでよ!」

なんて無茶を言う。

じーっと目を凝らすとどうやら異種間遺伝の分野らしい。それこそ僕の専攻だ。

ただ、非常に説明しづらい分野ではある。

男「なにが知りたいのさ」

ミレイア「そもそもだけど、なんで異種族なのに子供が作れるのよ」

男「あー、えっと染色体の数が一緒だから、ってのが理由で」

なんで一緒なのかはわからない。動物とは違うのに亜人とは染色体の数は同じ。だから子供が作れる。

ミレイア「じゃあなんでその子供はどちらかの種族になるのよ。遺伝子学的には両親の遺伝子を受け継ぐんでしょ?」

男「個々の種族の持つ形質はその遺伝子事で強度が決まってて、基本的には強度が強い形質が優先して発現するのが基本だね」

男「基本異種間で子供ができることはあまりないことだからデータが少なすぎてわかってないことはあるけれど、基本的な形質はどちらかしか発現しないことがほとんどだよ」

だからケンタロスとスキュラの間に子供が出来ても8本足のケンタロスができるわけじゃない。若干スキュラの形質を継ぐことはあっても、完全に混ざり合って新しい種族になるなんてそうそうない。

ミレイア「ほとんど?」

そう。ほとんど。まだ明らかになってないことが多いからなぜなのかはわからないけれど、両親の遺伝子が組み替えられて両方の特徴を持つ子供が生まれることがある。まぁ、遺伝的強度が低いから一世代限りのものなんだけど。

男「身近でいうとベルスタシアさんがそうだよ。スライムは遺伝子の組み換えが起きやすいから他種族と比べて突然変異しやすいんだ」

スライム系列だけど、なんらかの遺伝子の影響で体が液体金属化してるベルスタシアさん。

ミレイア「ふーん、それじゃあ人間と他種族でも子供ってできるのねぇ」

そういってほっと息をつくミレイアさん。

ん? 人間と他種族?

ミレイアさんの身近にいる人間と言えば………

ミレイア「ちょっとなに見てるのよ」

男「ミレイアさん。さすがに弟君に手を出すのはどうかと思うよ。いや、養子だから血は繋がってないんだけども」

ミレイア「ちょっと! 勘違いしないでよこの、変態っ!!」

ボフッ

まくらが僕に向かって投げつけられた。

まくらだしもっとふんわり飛んでくるかと思えば流石吸血鬼。その威力に思いきりのけぞって倒れてしまった。
848 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/28(月) 22:21:27.19 ID:DIHVqgyT0
ミレイア「私じゃないわよ。少年ってば最近いろんな女の子に囲まれてるから」

確かに少年君は顔が広い。

人間は数もあまり多くない。だったら異種族と結婚できたほうがいいんだけれど。

ミレイア「将来的にどうするのか心配だっただけ」

男「なんだかお姉さんってより、お母さんみたいだね」

ミレイア「っらぁっ!」

次は布団が飛んできた。

ミレイア「そういえばあんたも人間なのよね。人間と結婚するの?」

男「ははは。僕はモテないからね。考えたことないよ」

ミレイア「そうは思えないけどね」ボソッ

嘘だ。考えたことはある。

だけど結局の話、いくら考えてもそういう未来に至ることが現実的ではなかった。

社交的でもないし、外見が良い訳でもない。社会的にも完全に自立できてるわけじゃないし。

もし運命的に誰かと出会えるのかもしれないけれど、それを期待してる歳じゃない。

ミレイア「例えばだけどゼミ生とかどうなのよ。あ、私はあり得ないけど」

男「いや、生徒はそういう相手として見れないよ」

ミレイア「立派なことね。だけど失礼でもあるわ」

男「? なんでさ」

ミレイア「もしあんたのこと好きな人がいて、生徒だからって理由で断ってみなさいよ。凄い傷つくわよ」

………すでに覚えがある。

だけどあれは過去の思い出からくる幻覚みたいなもので。

男「だけど、そういう教師にならないって決めたんだ」

ミレイア「あんたのその脅迫的な教師像ってなんなのよ」

男「…まぁ、色々あったんだよ」

つまらない過去だけど

ミレイア「ま、その子の事生徒じゃなくて、一人の女性として見て答えを出しなさいってことよ」

男「ご教授ありがとうございます」

ミレイア「遺伝子学って思ったよりわけわかんないわね。種族が多すぎるのが悪いのよ」

でも、だからこそ面白かったりするんだよ。

ミレイア「あーあ、旅行来てまでやることじゃないわ。もう寝るから枕と布団返してよ」

ミレイアさんは本をぽいっと放り投げると自分が投げた布団と枕を回収しろとわがままを言う。

慣れたものだから文句は言わずにミレイアさんのもとへ持っていく。

境界は越えたのだけれどミレイアさんは文句を言わずに大きなあくびをしていた。

これで文句をいわれたらたまらないけど。

ミレイア「ミレイアちゃんはもう寝るから。おやすみ〜」

布団と枕を受け取るとミレイアさんはくるまって寝る体制に入った。

僕ももう寝よう。

しかし人間と同じ時間に寝る吸血鬼ってなんか、凄いなぁ。

ミレイアの好感度【37】
849 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/28(月) 22:27:14.31 ID:DIHVqgyT0
電気は消された。だから僕ができることと言えば寝ることだけ。

どこかでサレム君の悲鳴が聞こえたような気がしたけれど、きっと怖い夢でもみたのだろう。

思えば誰かと旅行をするなんて初めてかもしれない。

いや、集団組織としての旅行はもちろんある。

ただそれはどちらかというと行事的なものであって個人の意思として行ったわけじゃない。

そして楽しかったわけじゃない。

だから思えばこれは僕としての初めての旅行なんだろう。

すでに小さな寝息をあげているミレイアさんに感謝する。

僕ももう寝よう。きっと明日も忙しいから

きっとこれが終わればまた、いつも通りの変わらない生活になるだろうから

―――

――



>>850【コンマ】
850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 22:28:07.35 ID:jBz8kuPDO
はい
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 22:28:30.54 ID:qRL8AUPGO
サレム追悼のコンマ
852 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/28(月) 22:41:01.51 ID:DIHVqgyT0
水の中だった。

水面がどんどんどんどんと遠ざかって行く。

なんでだろうか。なぜ僕はこんなところにいるんだろうか。

もがこうとおもっても指一本動きはしない。ただ体の中に潜り込んでくる海水の不愉快さにじっと耐えるだけ。

海水が入った分、僕が出ていく。

口から泡となった僕がどんどんどんどん、出ていく。

そんな僕を押しのけて海水がどんどんどんどん、入ってくる。

水面は遠く、遠ざかっていく。

僕の後ろにはいったいなにがあるんだろうか。

どこまで僕は沈めばいいのだろうか

僕は―――







男「!」

夢だ。当り前だ。いくらなんでも骨董無形すぎる。

しかし悪い夢だった。楽しくもない、ただひたすらに不愉快なだけの夢。

気分が悪い。しばらくは寝付けそうにないなぁ。

目を開けても暗さにあまり変わりはない。

まだまだ夜が明けるまで時間があるらしい。

僕はミレイアさんを起こさないようにそっと廊下へと出た。
853 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/28(月) 22:58:47.11 ID:DIHVqgyT0
暖かい地域といっても夜はもう寒い。

申し訳ないがなにか暖かいものを貰おう。

男「?」

一階へ降りようと廊下を歩いているとサレム君の部屋から物音が聞こえた。

どうやらサレム君は寝相が良くないらしい。

布団を蹴飛ばして明日風邪をひいてないといいけど。

暗い階段を手すりを伝って慎重に降りる。

かなり頑丈に作られているらしい階段は僕が一人降りたくらいじゃ軋みもしない。

やっぱりお金持ちって良い家に住んでるもんなんだなぁ。

そうして一階へと降りると

ロウェナ「あれ。先生」

ロウェナさんがいた。窓辺に座って外を眺めていたらしい。

男「どうしたんですか?」

ロウェナ「おねーさんは幽霊だから寝れないんだよね。だからこうやって月を見てたの」

ロウェナさんが月に向かって手を伸ばす。その手は窓をすり抜けて向こう側に届いていた。

ロウェナ「みて、先生」

ロウェナさんがもう片方の手を月に向かって伸ばす。ロウェナさんが両手で月を包み込むように手を添えた。

ロウェナ「綺麗だよね。月はいつも」

明るい月の光がロウェナさんを照らしている。

その光はロウェナさんの体を通って抜けており、ロウェナさんの体も微かに輝いて見えた。

目を凝らすとロウェナさんを通して満月が見える。その透き通った体がロウェナさんが幽霊であるということを強く認識させた。

僕はその姿が

1.美しいと思った

2.怖いと思った

>>854
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 22:59:51.38 ID:1JDkrv+70
2
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 23:04:05.21 ID:xJ3uDPb2o
1
856 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/28(月) 23:19:16.55 ID:DIHVqgyT0
怖いと思った。

今にも月の光に溶けて消えてしまいそうだと思った。

それと同時に僕とはなにもかも違うんだということに気付いてしまった。

ロウェナ「どうしたの?」

目を細めていた僕をロウェナさんが不思議そうに見つめる。その大きな黒い瞳ですら透けて向こうが見えていた。

男「ロウェナさんは、どこにも行きませんよね」

そんな言葉が思わず口を衝いた。

ロウェナさんはいきなりの僕の言葉に戸惑うことなく目を細めて

ロウェナ「じゃあ、君がお姉さんのことをしっかり掴んで、離さなければいいんだよ」

そういって微笑んだ。

ロウェナ「ね?」

ロウェナさんが月に向けている両手をすっと抜き、僕の方へ向けた。

僕はロウェナさんに近づいてその両手に僕の手を重ね合わせる。

ふわふわとした不確かな感触。

けれど今はロウェナさんはここにいた。

ロウェナ「それで、眠れないの?」

男「ちょっと、怖い夢を見て」

ロウェナ「そっか」

ロウェナさんは夢の内容について聞くことはなかった。

その代わりすっと、浮き上がってソファーに座ると

ロウェナ「おいで」

ぽんぽんと自らの太ももを叩いた。

ロウェナ「君が寝るまで、お姉さんが見ててあげるから」

幽霊の膝で寝る。それなのに、僕は抵抗することなくソファーに横になり、ロウェナさんの太ももに頭をのせた。

少し肌寒い。だけど一人で寝るよりはいい。

ロウェナ「おやすみ、先生」

ロウェナさんの暖かくも冷たくもない手が僕の瞼の上にあてられる。

それだけなのに僕は、落ち着いて、落ち着いて―――――

ロウェナさんへの好感度【5】
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 23:21:06.49 ID:jBz8kuPDO
さんがついてるということはひょっとして白髪の方?
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 23:21:24.13 ID:xJ3uDPb2o
男からの好感度は初か
859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 23:22:05.49 ID:xJ3uDPb2o
黒髪も白髪もどっちもロウェナさんやない
860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 23:23:33.88 ID:KTOvhLk4O
選択肢ミスったのではと思ったけどこれで良かったようだの
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 23:26:30.20 ID:jBz8kuPDO
ああ男の好感度だったのか
862 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/28(月) 23:26:57.03 ID:DIHVqgyT0
「ご主人様、ご主人様」

寝ている僕を誰かが揺すっていた。

男「へっくしゅんっ!」

寒い。

瞼を開けるとメイドちゃんが僕の顔を覗き込んでいる。

メイド「風邪をひいてしまいますよ。ご主人様」

男「あぁ、ちょっと寒かったかな」

体を起こすと………そっか、昨日はソファーに寝たんだった。

男「布団をかけてくれてありがとう。メイドちゃん」

メイド「いえ、私ではありませんが」

メイドちゃんではない。だったら誰だろうか。

ロウェナさんかな?

メイド「朝ごはんを作ってますので、少々お待ちください」

男「皆は?」

メイド「まだ寝てらっしゃいます」

なのにメイドちゃんは起きて朝ごはんの支度を。

偉い!

だけど旅行なんだからもっと気を抜いてくれてもいいのに。

そうか、皆まだ寝てるのか。

だったら僕が起こしに行くことにしよう。

男「じゃあみんな起こしてくるよ」

メイド「! ご主人様にそのようなことは」

男「いいからいいから」

メイドちゃんの背中を押してキッチンへと戻すと、僕は階段を上って二階にいった。
863 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/28(月) 23:34:50.72 ID:DIHVqgyT0
さて、まず誰を起こそうか。

ミレイアさんは一番最後にするべきだろうけど。

そうだ、サレム君を起こそう。そして手伝ってもらおう。

僕はそう思ってサレム君の部屋を開けて―――

クチナワ「!!」

バタンッ

いま、何か変なものが見えたような。

いやいや、いくらなんでもそれはない。

なんだか最近よく幻覚を見るなぁ。

ガチャリ

サレム「うぅん、うーん」

部屋の中にはサレム君だけ。

やっぱりさっきのは見間違いのようだ。

男「サレムくーん、朝だよー」

サレム君を起こそうと近寄ると

男「凄い寝汗だなぁ」

顔一面がテラテラと光っている。そんなに寝苦しかったかな?

男「ほら、起きて起きて」

サレム「あぁんっ」

サレム君を起こすために肩に手をかけて揺する。

サレム君は唸るだけで起きてくれそうにない。

寝起きが悪いのかな?

男「さーれーむーくーん!」

もっと強く揺すってみると

サレム「う、うぅん。誰です、かこんな朝から」

男「おはよう、サレム君」

サレム君がやっと目を覚ましてくれた。サレムくんはしかめっ面で僕を見ると

サレム「! す、すいません先生。このような迷惑をかけてしまい」

飛び上がるようにして、起き上がった。
864 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/28(月) 23:36:58.05 ID:DIHVqgyT0
サレム君に他の人を起こすように頼む。

これで時間は半分になるはず。

ミレイアさんも任せられるし安心だ。

多分僕が起こすと怒って僕を痛めつけるだろうから。

さて、まず誰を起こそうかなぁ。

>>866
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 23:37:06.46 ID:jBz8kuPDO
ルーティ
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 23:37:08.23 ID:y0fceX1K0
ルーティ
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 23:37:09.64 ID:xJ3uDPb2o
プライヤ
868 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/28(月) 23:37:56.84 ID:DIHVqgyT0
今日はここまで

膝枕、いいですよね。
869 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 23:38:48.56 ID:xJ3uDPb2o
乙乙
870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 23:40:26.01 ID:jBz8kuPDO
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 23:42:42.45 ID:Wr8OtEFrO
これは男攻略編が始まる
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 23:43:23.77 ID:DgkJOZHxO
873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 23:43:54.61 ID:y0fceX1K0
乙でした
874 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/01/28(月) 23:54:31.70 ID:+pzGfg+oO
乙ー
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/29(火) 00:08:53.79 ID:pK6oVlNd0
>>850のコンマ判定の詳細が気になる
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/29(火) 00:11:30.26 ID:1i03db0jo
ロウェナさんは太股柔らかそうランキングトップじゃけぇ
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/29(火) 00:19:56.34 ID:gaAZRlyU0
旅行編に入ってからロウェナさんのイケイケっぷりが止まらない
マナと入れ替わってる場合じゃないぞルーティ
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/29(火) 00:20:20.42 ID:NTcOcAXEO
いつもはお調子者な娘がふいに見せる淑やかな雰囲気良いよね
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/29(火) 00:44:37.94 ID:zxfmJAcZo
生徒を好きになっちゃいけないって言ってた側からこれですわ
しかし、男からの好感度が高くなったら白ロウェナに対するコンマも中々大変になりそう
あれが吉凶なのかもまだ分からんが
880 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/29(火) 19:50:10.03 ID:aB/Xkpf60
ルーティさんを起こそう。

ルーティさんはたぶん寝起きはいいんだろうなぁ。最近元気良いし。

ルーティさんの部屋はミレイアさんの真ん前。

ちょうど起こされてる最中だったらしく、唸るような声が聞こえていた。

男「まぁ、暴力をふるわれているような音はしないから大丈夫だろう」

しかしなんで僕だけは暴力振るわれるんだろう。

ルーティさんのドアノブに手をかけ回す。

扉をあけるとそこにはルーティさんが

マナ「すぅ、すぅ」

いなかった。

代わりに黒髪の女の子がいた。長い髪を毛布の様にしてくるまっている。

人間に見えるけど

いったい誰なんだろう。

男「えっと、ねぇ、君」

とりあえず起こして話を聞こう。ルーティさんがいる場所を知ってるかもしれない。

そう思って女の子の肩に手をかけて揺する。

マナ「う、うぅん」

女の子が目を開けた。





















僕はルーティさんを起こした。
881 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/29(火) 19:54:20.83 ID:aB/Xkpf60
どうやらサレム君はミレイアさんとヒヅキさんをを起こしたらしい。僕より手際がいいなぁ。

後はジェラルド君、プライヤ君、ベルスタシアさん、リリさんか

次は

>>882
882 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/29(火) 19:55:02.58 ID:VBroOiLC0
ジェラルド
883 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/29(火) 20:11:00.83 ID:aB/Xkpf60
ジェラルド君は男だ。

だから気を使う必要はないはずなんだけどなんか緊張するなぁ。

男「はいるよ〜?」

なぜか僕は気を遣いながらジェラルド君が寝ている部屋に入った。

ジェラ「すぅ、すぅ」

可愛らしい小さくて規則正しい寝息。

それは毛布に包まれた頭から発せられていた。

そうか、デュラハンだもんなぁ。こうやって寝るのか。

男「ジェラルド君。朝だよ」

ジェラ「ん、んぅ?」

ジェラルド君が小さく目を開ける。頭と体がくっついてないとこういう時寝ぼけ眼をこすれないから不便だろうな。

ジェラ「頭、頭」

体が手さぐりでジェラルド君の頭を探している。

男「ここだよ、ジェラルドくん」

ジェラ「わぷっ」

男「あ、ごめん」

僕はジェラルドくんの頭を抱えると体に向かって差し出した。

ジェラ「あ、あはは、なんか頭持たれると恥ずかしいですね」

ジェラルドくんが頬を染めながら頭を受け取る。

うぅ、そういう反応をしてるとなんか僕が悪いことしてるみたいに思えるよ。

ジェラ「まだ眠たいので顔洗ってきますね」

男「いってらっしゃい」

ジェラルドの好感度【26】
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/29(火) 20:14:08.33 ID:vQUEG2hno
あぁ^〜
885 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/29(火) 21:15:23.94 ID:GOAGVV0q0
サレムくんはプライヤくんを起こしたらしい。

深いため息をついてたからきっと寝起きが悪かったんだろうなぁ。

さてあと残るはリリさんとヒヅキさんか

>>886
886 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/29(火) 21:17:28.12 ID:mPIJnaxDO
ヒヅキ
887 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/29(火) 22:00:05.32 ID:GOAGVV0q0
入ったら斬られそうな気がする。

いや、そんなことしないとは思うけど、それでも緊張する。

ジェラルドくんの部屋に入るときとは違う緊張感。

ドアノブに手をかけひねり、ドアを開けると

ヒヅキ「………」

ヒヅキさんが寝ていた。

座って、刀を抱いて。

なんでだ、怖いよ。

男「ひ、ヒヅキさーん?」

まず遠くから声をかけてみる。

ヒヅキ「………」

反応なし

困ったなぁ。

仕方ないからもうちょっと近づこうとしたとき

サレム「先生。こちらは皆起こし終わりましたが」

サレム君が入ってきた。

ヒヅキ「
888 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/29(火) 22:10:43.13 ID:GOAGVV0q0
ヒヅキ「!!」

男「うわぁっ」

サレム「ひっ!」

いきなりヒヅキさんが抜刀して、サレム君に切りかかった。

硬直した首元にあてられる刃。

サレム君は叫び声すら飲み込んで苦しそうな表情でこちらに助けを求めてきた。

ヒヅキ「………お前か」

じーっと顔を近づけて自分が切りかかった人物がサレム君ということを確認すると刀を鞘へしまう。

ヒヅキ「…危ないぞ」

危ないのはヒヅキさんだよ!

とりあえず寝てるヒヅキさんに近づくと切りかかってくるらしい。

用心しててよかったなぁ。

ヒヅキの好感度【55】
889 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/01/29(火) 22:24:32.11 ID:GOAGVV0q0
今日はここまで

おやすみなさい
890 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/29(火) 22:31:00.01 ID:vQUEG2hno
おつおつ
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/29(火) 22:33:33.99 ID:mPIJnaxDO
乙です
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/01/29(火) 22:59:29.01 ID:I9p5UUKtO
乙ー
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/29(火) 23:01:06.93 ID:BiKd781eO

デュラハンは頭と体別々に寝るのか…
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/30(水) 00:14:09.77 ID:d3N+N6kuO
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/30(水) 12:13:40.92 ID:X9IyRyO80
男は部屋に入っても切りかからないヒヅキ イイネ
896 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/02(土) 21:41:33.70 ID:BYtRnrJk0
皆が同じ卓を囲めるほど大きなテーブル。

その上にはメイドちゃんが作った海鮮具だくさんなスープと、焼きたてのパン。

本当にメイドちゃんはなんでもできるなぁと改めて感心する。

昔色々と仕込まれたらしく、持ち前の向上心と相まって毎日毎日メイドちゃんはより進化していく。

手さぐりで少しづつしか進めてない僕とは大違いだな。歳のせいだろうか。

ベル「いっただっきまーす!」

元気いっぱいにパンを齧るベルスタシアさん。

それと対照的に

ミレイア「………つ、っら」

今にもスープに顔を沈めてしまいそうなほどうつらうつらしているミレイアさん。

昼夜逆転しているせいか、寝起きは厳しいらしい。

目の下の隈もいつも以上に濃いように見える。

ジェラ「あの、おかわりってありますか?」

メイド「はい、今すぐ」

ジェラ「あっ、いいんですよ。僕が行きますから」

ヒヅキ「………」つ皿

自分の皿とついでにと差し出された皿を持ってジェラルド君がキッチンへと消える。

ヒヅキさんはいつもと変わらず仏頂面ではあるけれど、どこかほころんでいるように感じた。

幸福な朝食。

久々に心休まる時だ。
897 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/02(土) 21:49:46.49 ID:BYtRnrJk0
ロウェナ「んもう、お姉さんも食べたいから体貸してよね」

ミレイア「嫌だけど?」

ロウェナ「じゃあ僕。お願いっ」

両手を合わせてウィンクをするロウェナさん。

憑りつかれることはあまり好ましくないけれど、一人だけ仲間外れというのも

と思って了承しようとした時、リリさんが口を挟んだ。

リリ「テケの体でよろしければお貸しします」

ロウェナ「ほんと!? やったぁ!」

両手をあげて喜ぶロウェナさん。さっそくと言ってリリさんの後ろに回り込むが

ロウェナ「ん? んん?」

リリさんの中にすっと入りこむことなく、リリさんに向けて両手を向けて難しそうな顔をしている。

どうしたのだろうか。

ロウェナ「入れないよぉ」

しょんぼりと肩を落とす。

憑りつける人と憑りつけない人がいるのだろうか。

リリ「テケになにか不足していたのでしょうか」

ロウェナ「わかんない。憑りつけない人は初めてだよ。あんまり憑りついたことないけどさ」

男「えーっと、じゃあ、僕に」

ロウェナ「よしきた!」

ぱっと消えて

ロウェナ「じゃあいくよ」

いつの間にか耳元で声がした。

そして首の後ろがすっと冷えて、へその下あたりがむずむずして
898 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/02(土) 22:04:07.11 ID:BYtRnrJk0
気が付いたら朝食が終わっていた。

胃の中には覚えのない満腹感。

どうやら深くまで憑りつかれたようだ。

目の前でロウェナさんが両手を合わせて謝っている。

ロウェナ「ごめんっ、君の中が心地よくてさ!」

ロウェナ「でもなんでだろうね。前までこんなことなかったのに」

男「ロウェナさんの力が強くなったとか?」

それか僕がロウェナさんを前よりも受け入れたから。

もちろんそんなことは口に出して言えない。

男「ところでミレイアさん。今日の予定は?」

ミレイア「温泉にいくわよ」

男「温泉?」

ミレイア「ここから先に行ったところに温泉があるらしいのよ。せっかくだから行きましょう」

温泉か。

嫌いじゃない。

サレム「温泉! いいですねぇ!」

プライヤ「温泉♪ 温泉♪」

他の皆も乗り気で嬉しそうにしている。

そんな中一人だけ

ルーティ「温泉かぁ」

ルーティさんだけは嬉しそうにしていなかった。
899 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/02(土) 22:28:26.28 ID:BYtRnrJk0
男「温泉、好きじゃないの?」

ルーティ「いや、嫌いじゃないよ」

と言うけれどあまり浮いた顔ではない。

ルーティ「だって、他の皆に裸見られるの恥ずかしいよぉ」

思ったより深刻な理由ではなかった。

だけれど口出しできる話題でもない。

僕はあいまいな返事をして会話を打ち切った。

ルーティ「どうにかしてよっ」

打ち切れなかった。僕の胸倉を掴んで抗議するルーティさん。

僕に言われても。

しかしルーティさん。元気になったなぁ。

男「でも他の皆も行くみたいだし。

ルーティ「じゃあ他のところにしようよ」

だから僕に言われても。

ルーティ「この際仕方ない。私達だけどこかに行こうよ」

温泉には行きたい。

どうしようか

1.ルーティさんも温泉につれていく

2.ルーティさんとお留守番

>>900
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/02(土) 22:29:06.09 ID:pgq8RY7KO
1
901 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/02(土) 22:30:47.09 ID:+YEfLCDo0
2
902 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/02(土) 22:49:56.33 ID:BYtRnrJk0
男「そんなこと言わずに、一緒に温泉行こうよ」

ルーティ「むぅぅ」

頬を一杯膨らませて遺憾の意を示していたがそれも長続きせず、ぷしゅーと音をたて、空気は抜けて行った。

ルーティ「ちぇっ、わかったよ」

男「よかった」

ルーティ「そんなに、私と温泉に行きたかったの? ねぇねぇ」

仕返しとばかりに意地悪な質問をしてくる。

一緒に行きたいと言えば僕の思ってることと違う意味でとられてしまうだろう。

男「そうだよ」

ルーティ「え?」

男「どうせ行くなら皆で行きたいじゃない」

ルーティ「もうっ。あーあ、意地悪だなぁ、先生は」

何か間違っただろうか。眉間にしわをよせてつんつんと僕の頬を突く。

ベル「つんつくつーん」

一緒になって笑顔でもう片方の頬をベルスタシアさんが突く。

サレム「つんつん」

おでこを突くサレムくん

男「なぜ僕を突くんだ!?」

サレム「良い、突き心地です」

そんなところを褒められたのは初めてだ。

ミレイア「あんたたちバカしてないで、用意しなさいよ」
903 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/02(土) 22:51:03.29 ID:BYtRnrJk0
今日はここまで

おやすみなさい
904 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/02(土) 22:58:21.46 ID:8/ZfOWiNo
乙乙
905 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/02(土) 23:00:28.81 ID:gkQA9BchO
乙ー
906 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/02(土) 23:01:08.50 ID:5eMuFbADo
あつー
907 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/02(土) 23:04:27.27 ID:mn1J4agQO
んー、マナはwin-winの乗っ取り中ってことなのかなぁ?
908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/02(土) 23:18:12.87 ID:vSOPVzORO
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/02(土) 23:22:55.45 ID:j5w2TotW0

>>907マナはドッペルゲンガーだから単純にルーティに変身しているだけでは?
>>479とか>>641とか見ると本物のルーティは風紀委員の監視下の状態で女子寮にいると思う
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/02(土) 23:46:13.84 ID:XUAQVRlDO
乙です
>>899で2が選ばれていたらルーティのイベント進行してたのかな
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/03(日) 00:23:17.00 ID:YWwcJIZo0
912 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/03(日) 20:47:51.12 ID:WkeLB/oT0
サレム「荷物が軽いような?」

ミレイア「あんた昨日色々使ったからでしょ」

サレム「そうなのでしょうか」

首をかしげるサレムくん。来たときは重そうに荷物を背負っていたのに今は軽々と背負っている。

確かに色んなものを使ってはいたけれど。

男「部屋に忘れてきたんじゃないの?」

サレム「チェックはしました。まぁ、おそらく気のせいでしょう」

ミレイア「もう戻らないんだから忘れもんしないでよ」

男「はーい」

僕は大丈夫。

着替えと財布しかもってきてないし。

大変そうなのはサレムくんとベルスタシアさんとプライヤくん。

誰かの荷物を持ってあげたいけれど

>>913
913 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/03(日) 20:49:20.50 ID:kvcPRUlDO
サレム
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/03(日) 20:49:45.56 ID:XzpSOKVX0
ベルスタシア
915 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/03(日) 21:04:02.58 ID:WkeLB/oT0
男「サレムくん、荷物少し持つよ」

サレム「よろしいのですか?」

男「君が一番重そうだったからね」

流石に大きなリュックは持つことはできないけどバックなんかは持てる。

しかしこの量。旅人でもこんなに持たないよね。

貰ったバッグを肩にかけるとずっしりと重い。

歩けないほどではないけれど………

サレム「無理をされないほうが」

男「だ、大丈夫だよ」

ミレイア「それじゃあいくわよー」

ベル「出発しんこー!」

サレムの好感度【26】
916 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/03(日) 21:37:35.08 ID:WkeLB/oT0
この地域が暖かくてよかった。

寒い中で歩くのはひどく堪えるだろうから。

でも寒い中入る温泉もいいしなぁ。

男「それで、あとどれくらいなの?」

ミレイア「あと、1時間くらいね」

男「え?」

ベル「そんなもんかぁ」

ヒヅキ「……もう少し長くてもいいな」

流石、フィジカルに優れた人達は言うことが違う。

それに対して

サレム「!」

プライヤ「そ、それは辛いぞぉ」

ルーティ「うへぇー」

フィジカルに自信がない組は青い顔をしていた。

もちろん僕もそっち側だ。

メイド「ご主人様、荷物お持ちします」

男「いや、いいからいいから」

いくらなんでも小さな女の子に荷物を持ってもらうのは恥ずかしすぎる。

たとえメイドちゃんの方が力が強くてもだ。

ヒヅキ「………持つぞ」

男「いや、大丈夫です」

いくらなんでも生徒、しかも女の子に持ってもらうのは恥ずかしすぎる。

たとえヒヅキさんの方が力が強くてもだ・

ヒヅキ「………」グイッ

男「うわぁっ」

荷物ごと僕を抱えるヒヅキさん。

こっちの方が恥ずかしいよ…

ベル「あー、いいなー」

男「おろして! おろして!!」

ヒヅキ「……鍛錬だ」

男「僕の!? 羞恥心を鍛える!?」

ロウェナ「お姫様だっこいいなぁ」
917 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/03(日) 21:45:29.73 ID:WkeLB/oT0
こうしてお姫様だっこをされること数十分(抵抗は諦めた)

ミレイア「あれよ、あれ」

こじんまりとした温泉にたどり着いた。

派手ではないけど風情があっていいなぁ。

でもミレイアさんがこういうところを選ぶってなんか以外だ。

ミレイア「なによ。ミレイアちゃんの顔を見て。てっきり金のライオンが口からお湯出してる高級温泉にしか入らないと思ってたって顔でみないでよ」

男「そこまで思ってないよ」

ミレイア「多少は思ってたってことね」

じとーっと非難の視線を浴びせられる。

思ってたけど。だってお金持ちだし。

ミレイア「そんな風呂、落ち着かないし、入り飽きてるわよ」

あ、入り飽きてるんだ。

ミレイア「お風呂はやっぱりのんびりよねー」

ネコっぽく背伸びをするミレイアさん。たしかに温泉は落ち着ける場所じゃなくちゃね。

よーし、僕もゆっくり―――
918 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/03(日) 22:18:05.90 ID:WkeLB/oT0
ミレイア「ちょっと、こっち見ないでよ」

できなかった。

男「えーっと、なんで混浴なのかな?」

ミレイア「知らないわよ」

混浴だった。

水着を持ってきていてよかった。

いや、でも混浴は願ってなかった。

ミレイア「温泉があるってことしか聞いてなかったのよ」

男「これじゃあ落ち着けないよ」

ミレイア「変態っ」

別にそういう意味じゃないって。

意識してるって意味ではそうなのかな?

そういう意識じゃないんんだけれど。

ミレイア「とにかくこっち見ないで。もしくは目隠しして」

男「そんなぁ。せっかくまったり温泉に入りたかったのに」

ミレイア「このミレイアちゃんと同じ湯に浸かれるだけで光栄に思ってなさいよ、弩級変態っ」

男「そこまで言わなくても…」

あと、そんなことを光栄に思わない。

ロウェナ「おねーさんは見てもいいんだよ。うっふ〜ん」

男「結構です!」

僕の目の前に周ってセクシーポーズを決めるロウェナさん。目を逸らした先には

ジェラ「うぅ、やっぱりこの水着、恥ずかしいです///」

恥ずかしそうにタオルで股間を隠しているジェラルド君。片方の手は頭を持ってないといけないから片手でしか隠せない。だから上手く隠れてなくて

ミレイア「みるなへんたぁいっ!」ドンッ

ボチャンッ

男「うわっ、あちゃっ、あちゃちゃちゃっ」

ミレイア「ふんっ」

同性だって………



919 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/03(日) 22:34:52.68 ID:WkeLB/oT0
体を洗わないで湯船につかることはいけないことです。

僕は湯船から上がって体を洗うことにした。

しかし水着を着て体を洗うということは洗えない部分がでちゃうんだよなぁ。

僕たちはともかくヒヅキさんはどうするんだろう。

と思ってちらりと見たら

男「〜っ!」

全裸だった。

そりゃああの水着じゃ体洗えないけれど

というかあれ、水着じゃないし。

サレム「どうしました先生。目にシャンプーが入りましたか? よろしければシャンプーハットをお貸ししましょう」

男「大丈夫だよ…」

とにかくあっちは向かないほうが良いみたいだ。

ミレイア「って! なんであんた全裸なのよ!」

ヒヅキ「……洗えないからな」

ミレイア「あっちには野獣ばっかいるんだから!」

ヒヅキ「野獣がいるのか?」キョロキョロ

ミレイア「探すんじゃないわよっ! 比喩よ比喩!!」

よかった、ミレイアさんがどうにかしてくれそうだ。

しかしヒヅキさんの体、引き締まってて………

いや、忘れよう。
920 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/03(日) 23:10:24.47 ID:WkeLB/oT0
体を洗って湯船につかる。温泉には僕たち以外誰もいない。贅沢なことに貸切状態だ。

こんな感じなのに潰れないのかな?

女の子の方は見ないようにしているのだけれど、

ロウェナ「先生っ! お背中お流ししましょうか」

男「もう湯船につかってるし」

ロウェナさんはそんな配慮関係なくちょっかいを出してくる。

それに

ヒヅキ「…あたたかいな」

なぜか僕と背中合わせにしてヒヅキさんが湯船につかっている。

ねっとりと粘度のあるお湯を通してヒヅキさんの体を感じる。

肌はすべすべしているけれどその奥の筋肉がしっかりしていることが背中越しでもわかる。

流石鬼だなぁ。

しかしなんで背中合わせに座るんです?

でも、あのヒヅキさんが近づいてくれるんだからちょっと嬉しい。

いつも刀ばかり見ててよくわかんない子だったからな。

ただ強くなりたいという意思だけしかわからない。

今年はもっとヒヅキさんを良く知りたいなぁ。

できれば多少好かれるくらいにはなりたいんだけど。

ヒヅキさんは僕のこと、どう思ってるんだろう。

サレム「先生! 裸の付き合いをしようじゃありませんか!」

男「え、嫌だけど?」

サレム「そんな! 温泉と言ったら腹を割って裸の付き合いと決まっているではありませんか! そうですよね、ジェラルド」

ジェラ「え!? そ、そうなのかなぁ」

サレム「プライヤ!」

プライヤ「うわっ、温泉の熱でチョコが溶けてるぞぉ」

ミレイア「あんたがそういうこと言うとなんか怪しいのよ」

サレム「私はただ当り前のことを言ってるだけで、そんな」

たしかにそういう風習はあるらしいけど僕のところではない。

反応を見る限り他の皆もないみたいだ。

がっくり肩を落とすサレムくん。

なんだか可哀想だ。とはあまり思わない。
921 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/03(日) 23:33:18.27 ID:WkeLB/oT0
男「はー、あったかいなぁ」

お湯はぬるりとしてて体を包み込んでくれるようだ。

なにか体の中に入り込んで癒してくれるような気が………ん?

お湯が紫色だ。

なんでだろう、と思ってその元をたどると

リリ「………」

リリさんが溶けだしていた。

そうか、リリさんの溶けた成分が僕の体に入り込んで………ってなんでだ!?

男「リリさんとけてるとけてる!!」

リリ「……あ。でも悪いものではないので大丈夫です。古い角質などはテケが取り除きますので」

男「いや、ちょっと怖いよ。それに大丈夫なの?」

リリ「体にただちに影響はありません」

男「リリさんが大丈夫なのかなって……ちょっと待って、ただちに影響はないってあること」

リリ「継続して使用した場合、どのような影響がでるかは判明しておりません」

男「じゃあやめてほしいかな」

リリ「少量なら体に良い自信はあります」

男「いやいやいや」

いくら体に良くても

いくら良い匂いがしても

溶けたリリさんに包まれてるってのは気分が悪いよ。
922 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/03(日) 23:33:48.53 ID:WkeLB/oT0
今日はここまで

おやすみなさい。
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/03(日) 23:34:31.25 ID:LKqXAnuuo
乙乙
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/03(日) 23:40:17.61 ID:exUYSOjHO

ジェラルド君何故頭をくっつけずに手で持ってしまったんだ…
925 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/03(日) 23:41:26.72 ID:aj5/s3NuO
乙ー
926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/03(日) 23:48:28.53 ID:kvcPRUlDO
乙です
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/03(日) 23:50:10.25 ID:SJcMoF1ZO
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/03(日) 23:57:23.42 ID:cdPVNigKo
おつ

ジェラはんは頭で裸芸するとヨロシ
929 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/04(月) 01:25:57.79 ID:f3ggr8cjo
>>601でサレムの好感度34やけど
>>915で26に下がってるのは何ぞや

同じく>>633>>824のリリの好感度
>>520>>883のジェラルドの好感度も
930 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/04(月) 06:52:56.56 ID:TrhH8Sh60
ミスです

ジェラルドの好感度【28】

サレムの好感度【36】

リリの好感度【39】

でした
931 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/05(火) 21:37:28.62 ID:L8qh2XTH0
溶けたものは戻らない。

だから徐々にお湯が薄紫になっていく。

僕以外は気にしていないようだけれど………

男「これ、大丈夫なの? 後で怒られない?」

リリ「時間が経てば消滅します」

男「あぁ、そうなの」

いったいどういうことなんだろう。リリさんの体は謎でいっぱいだ。

サレム「さぁ先生。腹を割って話しましょう」

男「いや、だからさ。ゆっくりさせてよ」

サレム「いいえ! これは譲れません! これは伝統なのです!」ザバッ

立ち上がるサレム君。

股間がちょうどいい位置にあるから是非座ってほしい。

男「えぇー。仕方ないなぁ」

誰と話そうか

>>932
932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/05(火) 21:38:46.04 ID:/Ycg4ur60
ジェラルド
933 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/05(火) 21:59:31.14 ID:L8qh2XTH0
ジェラ「ふぅ、良いお湯です」

ジェラルド君がお湯をすくい上げて体に流している。

良くお風呂に入っている人は頭の上にタオルを乗せるけどジェラルド君は首のつなぎ目にタオルを乗せていた。

頭は風呂桶に入ってぷかぷかと浮いている。

いったい頭と体が分かれているのはどういう気分なんだろう。

男「ジェラルド君。ジェラルド君」

ジェラ「はい? なんですか?」

男「頭と体が分かれてるのってどんな感じなの?」

ジェラ「えっ///」

目を大きく見開いて頬を赤く染めるジェラルド君。

なんで?

ジェラ「首のつなぎ目はじろじろみてほしく、ないです」

あぁ、デュラハン的にはそうなのか。

異種族間の感覚はあまりわからない。

ミレイア「さいてー」

ベル「エッチなのはいけないと思います」

ルーティ「うわっ、きっしょ」

ロウェナ「見るなら私をみなよー」

ヒヅキ「………」

ジェラ「うぅ………」

ただ一瞬で女の子たちが敵にまわるのはなんでだい?
934 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/05(火) 22:08:58.35 ID:L8qh2XTH0
確かにジェラルド君の首のつなぎ目は気になる。

隠されるとみたくなるし………

でも、どうしよう

1 無理やり見る

2 見ない

>>935
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/05(火) 22:09:42.77 ID:IXKpwKZDO
2
936 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/05(火) 22:20:57.65 ID:L8qh2XTH0
無理やり見るのはいけないことだ。

やめておこう

ジェラルド「うぅ。みないでくださぁい」

男「嫌がるなら見ないよ」

ロウェナ「つまり見せつけてほしいと」

男「違う!」

ジェラ「見せつける///」

ほら変な感じになった!

しかしこういう種族間の感覚の違いは今後教師になるうえで知っておかないといけないんだろうな。

なにがきっかけで問題になるかわからないし。

ジェラ「あの、見られるのは嫌ですけど、先生がもし、どうしてもっていうなら」

ジェラ「いい、ですよ?」

男「大丈夫。もう見ないから」

ジェラ「そう、ですか」

ジェラルド君は優しいなぁ。

だけどその優しさに甘えていたら彼を傷つけることになる。

それは絶対にいけないことだ。

生徒を傷つけることは、あってはならないんだ。

ジェラ「どうしたんですか先生」

男「おっと、なんでもないよ」

どうやら顔に出てたらしい。

危ない。
937 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/05(火) 22:31:46.84 ID:L8qh2XTH0
さて、もう結構使ってふやけそうだけど

皆はいつ上がるのかな? そういえばルーティさんは人魚だけど大丈夫なのかな。

見ることは禁止されてるから見ないけど、ミレイアさんがしっかり見張っててくれるだろう。

ミレイアさんがのぼせてなかったらだけど

男「………ん?」

リリ「………」チマン

男「リリさん縮んでる!」

リリ「あ。不覚でした」

お湯に溶けだしたリリさんは本体の質量が少なくなり縮んでいったらしい。

いつもの半分近くしか大きさがない。

メイドちゃんと同じくらいだ。

これはのぼせているに近いのか?

とにかくお湯からださないと!

男「ほらリリさん、上がるよ!」

リリ「? 貴方様がそう望むのであれば」

男「あとはよろしく、ミレイアさん」

ミレイア「ん? うぃー」

とろけきっているから心配だけど、まぁサレム君たちもいるから大丈夫だろう。

僕はリリさんを抱えて脱衣所の前まで連れて行った。
938 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/05(火) 23:12:12.33 ID:L8qh2XTH0
着替えて外に出るとリリさんはすでに着替えて待っていた。

着替えたというか服自体がリリさんであるから着替えたというのは適当ではないのだけれど。

リリ「すみません。テケのせいで」

男「大丈夫。のぼせるところだったから」

リリ「大丈夫なのですか?」

男「大丈夫大丈夫。それよりリリさんのほうが心配だよ」

どうなのかはわからないけど体積が減ったのはあまり良いことではないように思える。

リリ「テケは大丈夫です。明日までには回復しますので」

男「………なんていうか」

リリさんは一体なんの種族なんだろうか。

今まで何度も疑問に思ったけど、本人の口から本人についてはあまり語られないから知らない。

聞こうともあまり思わなかった。

だから

男「リリさん」

リリ「は、なんでしょうか」

男「リリさんって、一体なんなの?」

言葉選びを間違ったと思った。

だけどリリさんは表情一つ変えず。

リリ「お教えできません」

初めて僕の想いを拒絶した。
939 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/05(火) 23:16:32.91 ID:L8qh2XTH0
男「ごめんね。変な事を聞いて」

リリ「いえ、こちらこそ申し訳ありません。命令に背くことになりますが、それでも」

リリ「私は貴方様に嫌われたくないのです」

その紫の瞳は揺るがない。

確固たる意志を持って拒絶する。

その姿に成長を感じて嬉しくなると同時に

正体を知られたら嫌われる。そのことがとても気になった。

知られると嫌われるということ。

リリさんが教えることができる最大限の譲歩なのだろう。

本当にリリさんは一体なんなんだ。

スライムのように思える。

ゴーレムのように思える。

リリ「こんな、私を、嫌いになったでしょうか」

男「嫌いになんてならないよ。誰だって言いたくないことはあるからね」

もちろん僕にも。

男「そうだ、お風呂上りだし牛乳でも飲もうか」

リリ「買って参ります」

男「いいからいいから。座ってて」
940 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/05(火) 23:30:45.48 ID:L8qh2XTH0
良く冷えた牛乳はなぜこんなに美味しいのだろうか。

一気に飲み干すと失われた水分とかが一気に戻ってくる気がする。

リリ「よい、飲みっぷりです」パチパチパチ

男「いやぁ」

リリ「では、テケも」ゴキュゴキュ

リリさんが僕の真似をして一気に飲み干す。

その喉元は一切動いてないので、やっぱり違う人種なんだなぁと思わされる。

リリ「けぷっ、美味ですね」

小さな可愛らしいげっぷをするところは生物らしさがある。うん。

リリ「なぜテケを見つめるのでしょうか」

男「いやぁ、可愛らしいげっぷだなと」

リリ「テケには空気を排除する機構が備わっていないので、食事と共に取り入れた空気はこのようにして出さなければいけないのです」

男「あぁ、そう」

まるで自分の事を機械のように話すなぁ。

リリ「見苦しければ今度から別の方法をとります」

男「いやいや、げっぷぐらい好きにしてよ」

リリ「承知しました」ペコッ

そこで承知されると僕がまるでそういうことを命じたように見える。

男「皆が上がってくるまで待ってようか」

リリ「はい」
941 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/05(火) 23:32:04.28 ID:L8qh2XTH0
今日はここまで

おやすみなさい
942 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/05(火) 23:34:06.50 ID:9FUjMhXqO
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/05(火) 23:34:35.39 ID:IXKpwKZDO
乙です
944 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/05(火) 23:38:56.77 ID:hNqbLQ1To
乙乙
種族ショゴスはあまり一般的ではないのか
945 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/05(火) 23:55:40.99 ID:r1bUfwEXo
おつおつ
拒絶フェイズはヒロインへの階段
946 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 08:34:06.93 ID:u63v/xagO
乙ー
947 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/07(木) 19:47:02.91 ID:oSO6Osaw0
ベル「体ぽっかぽかー」

ミレイア「うぅぁ、頭ふらふらするわ。ぎゅうにゅ、ぎゅうにゅ〜」

サレム「はい、買ってきます!」

ミレイア「おねが〜い」

待つこと十数分。湯気を立てたが御一行が現れた。

ミレイアさんは顔が真っ赤でふらふらしているけれど大丈夫なのだろうか。

ミレイア「ふぇぇ」

大丈夫じゃなさそうだ。

サレム「牛乳買ってきました!」

ヒヅキ「………私のは?」

サレム「え?」

ヒヅキ「私のは、ないのか」

サレム「行ってきます!!」

ベル「私のもおねがーい!」

ルーティ「よろしくねん」

サレム「わ、わかりましたぁ!」

なんだか色々と可哀想なサレムくんだった。

やれやれ、僕も手伝いに行こう。

男「メイドちゃんも飲むよね」

ロウェナ「僕のミルク」

メイド「え、えっと?」

男「変な事言わないでくださいロウェナさん」

ロウェナ「てへりんこ」

男「牛乳、飲めるよね?」

メイド「は、はい。飲めますけれど、ですが」

男「買ってくるね」

メイドちゃんは絶対に断る。

だからメイドちゃんには押し付けるぐらいでちょうどいいと今までの生活で学んだ。
948 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/07(木) 19:57:45.25 ID:oSO6Osaw0
「「「「「「「「ごきゅごきゅごきゅごきゅ」」」」」」」」

「「「「「「「「ぷはーっ!」」」」」」」」

横一列になった皆同じように牛乳を飲み干す。

ロウェナ「おー、良い飲みっぷりだねぇ」

ミレイア「生き返ったわ―!」

ミレイアさんの表情に元気が戻ってきている。

牛乳って凄い。

ミレイア「さて、癒されたことだし帰るわよー」

ロウェナ「えー?」

帰りたくない気持ちもわかる。

帰れば明日からまた同じような日々の繰り返し

でも同じような日々を繰り返すからこそきっとこういうときに楽しく思えるんだろう。

男「ほら、帰るよロウェナさん」

帰りたくないと渋るロウェナさんに手を伸ばす

ロウェナ「! じゃ、かえろっか」

ロウェナさんはすぐに僕の手を握ってその手を大きく上にあげた。

ロウェナ「出発しんこー!」

ベル「しんこーっ」
949 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/07(木) 20:02:13.23 ID:oSO6Osaw0
帰り道。

各々旅行であったことを楽しそうに話す。

海、花火、ビーチバレー、肝試しなど

色々なことがあったけれど一番僕は何が楽しかっただろうか。

僕の一番の思い出は

>>950
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 20:02:58.70 ID:j9zLNrGW0
いつもと違うルーティを見れたこと
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 20:04:07.90 ID:7jtWWJJDO
花火
952 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/07(木) 20:15:45.66 ID:oSO6Osaw0
いつもと違うルーティを見れたことだ

………ん? なに言ってるんだ僕。

ルーティさんはいつも通り明るくて

何も変わらなかったはずだ。

ん? うん

いつも通り元気で明るかった。

ルーティ「らんらららんらんら〜♪」

ほら、今だって楽しそうに歌ってて

ルーティ「ん? どうしたのさ先生。私のこと見つめちゃってさ」

ルーティ「はっ。おさわりは厳禁だよ!」

男「いや、違うって。なんかちょっと」

ルーティ「なんかちょっと?」

男「いや、なんでもないよ」

何がおかしいんだっけな。

ルーティさんはずっと昔からこうだろう?
953 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/07(木) 21:11:34.86 ID:oSO6Osaw0
ベル「とうちゃーく」

男「はぁ、はぁ」

坂の上まで登るのは運動不足の僕にとってはとっても大変なことだ。

ヒヅキさんに抱きかかえられるのだけは避けることができたけれど結局無様な姿をさらしてはいる。

男「あと、どれくらいで汽車が来るんだろう」

ミレイア「あー。あと20分ってところね」

男「今の内にお手洗いを済ませきゃね」

ミレイア「セクハラよ」

男「え? これだけで?」

ミレイア「セクハラよ」

男「…ごめんなさい」

悪気はないんだよ。本当だよ。

どこか腑に落ちないのは僕の意識が低いからだろうか。

と真剣に悩み始めた時だった。

ルーティ「ねぇねぇ」

男「どうしたのルーティさん」

ルーティ「ちょっとこっちきて、きてん」

ルーティさんが手招きをする。

なんだろうかと思ってそちらのほうへ行くとルーティさんは僕の手を引っ張って皆から離れ始めた。

男「え? えぇ?」

ルーティ「いいからいいから」

どんどん離れていく。

汽車が来るにはまだ時間はあるけれど

ルーティ「…ん、ここならいっか」

皆の姿が見えない物陰。

皆の声も聞こえない距離。

ルーティさんはそこに僕を連れ込んで

ルーティ「んっ」

男「!」

僕にキスをした。
954 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/07(木) 21:14:22.44 ID:oSO6Osaw0
突然のことで対応ができなかった。

だから望んでいたわけじゃない。

いや、今は言い訳をしているときじゃない。

慌ててルーティさんの肩を掴み引き離そうとするけれどそれより先に僕の首後ろに回された両腕がそれを許さない。

ルーティ「ぷはっ。えへへ、息するの忘れちゃってた」

ルーティ「ねぇ、先生」

男「なッ、なにかナッ?!」

ルーティ「私の事、好き?」

男「えっ、えぇっ、えっと」

男「>>957
955 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 21:21:48.94 ID:I9uHUmHD0
好きか嫌いかと言ったら好きですけど…
956 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 21:21:51.70 ID:xhvHxG1nO
…君はルーティさんではないよね
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 21:21:52.15 ID:SLO8RF27o
嫌いじゃないよ
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 21:22:29.63 ID:7jtWWJJDO
やはりおかしいですルーティさん
959 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 21:23:17.42 ID:xhvHxG1nO
ルーティがマナだといつ判明するのか
960 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 21:30:43.87 ID:lS+dLupyO
あとでルーティ本人にバレたら修羅場不可避やんけ
961 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/07(木) 21:35:37.15 ID:oSO6Osaw0
男「嫌いじゃないよ」

ルーティ「じゃあ好きなんだね?」

男「…好きだけど、今ルーティさんがしたような意味じゃない」

ルーティ「なんで? なんでなんでなんでっ!」

ルーティさんが駄々をこねるようにして体を揺らす。

唇が再びふれあいそうなほどの距離。

ルーティさんの瞳が揺らいでいるのが分かる。

ルーティ「先生は私のこと好きじゃないといけないの!」

ルーティ「ずっと私と一緒にいてくれるって言わないといけないのっ」

ルーティ「じゃないと私がルーティになった意味がないんだよっ」

ルーティ「ねぇっ」

どうしよう。

ルーティさんの言っている意味が分からない。

理解できないんじゃない。

ただその声が風のざわめきと同じように感じられるんだ。

ルーティ「先生っ! 好きになってあげるから、私のこと好きになってよっ、ねぇっ」

だめだ、わからない。

その声が

ルーティ「先生っ」
962 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/07(木) 21:40:33.78 ID:oSO6Osaw0
ベル「おかえりー」

ルーティ「ただいまー」

あれ、今僕は何をしてたんだっけな。

ルーティ「先生お土産奢ってくれなかった!」

ベル「なにー、けちんぼだなー」

あぁ、そうか。

ルーティさんとお土産買いに行ってたんだっけ?

あれ、そうだっけ?

疲れてるのかな。

頭がぼーっとする。

ミレイア「もうすぐ汽車が来るわよ。遊んでないで駅に入るわよ」

ロウェナ「はーい」

ジェラルド「? 大丈夫ですか先生。ちょっとふらついてますけど」

男「んー、大丈夫。風邪ひいたかな」

サレム「でしたら良い薬師を紹介いたしましょうか?」

男「大丈夫、寝たら治るから」

ジェラ「! 汽車が来たぞぉ!」

汽車が駅へたどり着く。

降りる者は誰もいない

乗るのは僕たちだけ。

席は開いていた。

よかった、座れて。

若干硬いシート。それでも立ちっぱなしよりはいいもんな。

僕は座ると疲れのせいか、すぐに睡魔に襲われた。
963 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/07(木) 21:49:35.47 ID:oSO6Osaw0
嫌な夢を見た。

僕の学生時代の夢だ。

僕には好きな人がいた。

その人は教師だった。

だから優しいのは当たり前だ。

だけど僕はその優しさを特別なものと勘違いしたんだ。

教師と生徒が付き合うことはない。

それは絶対に許されないことだ。

そうその人に教えられたからきっとそうなんだろう。

だから僕はその言葉を信じて、妄信して。

その言い訳を信じ込んで。

ずっと強がっていたんだ。

「先生。大好きです」

過去の僕と同じ言葉を誰かが僕に言った。

それに対して僕は―――
964 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 21:57:58.37 ID:zZxXt9SZO
ジェラルドはしゃいでるな…ww
965 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2019/02/07(木) 22:13:39.16 ID:oSO6Osaw0
あ…

またやってしまいました…
966 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 22:34:02.86 ID:oSO6Osaw0
新スレ立てました

男「僕の生徒は亜人だらけ」ジェラルド「4回目だったらきっと僕はっ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549544268/
967 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/07(木) 23:38:42.49 ID:4Y27IgauO
乙ー
968 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/09(土) 19:09:52.05 ID:a3mvufXZo
こっちは使わんのかや
969 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/23(火) 22:18:52.58 ID:SB2arP+Zo
こっちの方で乙としておこう
970 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/25(木) 19:58:39.52 ID:bwpEAZpuO
ベールクレアヒロイン昇格って狙って良いってことっすか
971 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/25(木) 20:05:07.77 ID:ztHAIq2/0
作者が>>1000取ってて草
972 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/07(木) 20:55:23.85 ID:vbpvFoE00
ヒヅキ【文系】不合格 【理系】 不合格

ベルスタシア【理系】不合格 【魔術】合格

ジェラルド【理系】不合格 【魔導】不合格

サレム【理系】合格 【文系】合格

ルーティ【文系】合格 【魔導】合格

プライヤ【理系】不合格【魔導】合格

ロウェナ【理系】合格【文系】合格

ミレイア【理系】合格【魔術】 合格

リリ【魔術】合格【魔導】合格

合格数 12/18 評価 B

レイン「及第点ですわね」

レイン「もっと生徒と仲を深めたら勉強に意欲が出ると思いますわよ」

貢献ポイント【23】
973 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/07(木) 21:06:14.63 ID:r29G8tb7o
ジェラルド理系魔導合格やないんか
974 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/07(木) 21:08:02.08 ID:5feu9tZlO
なぜこっちで合否発表
975 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/12(火) 21:06:12.54 ID:CkAuRHuW0
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