文學少女

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/25(水) 02:16:47.26 ID:mp/be0j+O
空は仄かに白み始めていた。

手の動きを止めずに液晶の右下に映る数字を見ると、デジタル時計は午前四時を示していた。もう数時間もすれば、今日も快晴。きっと茹だるような暑さが襲ってくるだろう。

はぁ、と伸びをした後に、マグカップに入ったブラックコーヒーを口に運んだ。ペンで紙に綴っていたあの頃は飲めなかったのに、今となっては執筆のお供になっている。

喉を潤しながら並んだ文字を見ていると、当時の情景が浮かんでくる。

もう何年も書いてきた。それに、何遍も何遍も書き直した。それでも放り出す気になれなかったのは、きっとこの物語が私にとって特別だからだろう。

コーヒーで覚めた目を、何度か瞬きさせて気合を入れなおす。

もうすぐ迎える結末まで、私のこの生活リズムは変わらないだろう。それを思うと少し鬱屈した気持ちになるけど、一方で終わりを考えると少し寂しくもある。

それでも私は書かねばならない。それが私のすべきことだから。

コーヒーで覚めた頭で気持ちを奮い立たせて、再び画面に浮かぶ文字を紡ぎ始めた。

私と貴方の小説を。

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