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果南「彦星が泣いた日」
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169 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:00:06.65 ID:Hp889MgaO
鞠莉「では、ネックレスの交換を…!」
果南「じゃあ、ベール上げるね?」
千歌「うん…」
果南「じゃあ、付けるよ」
千歌「うん…//」ニコッ
交換に使ったネックレスはわたしが千歌の誕生日に渡したもの。あの時、なんで逆じゃないのなんて言われたけど、まさかこんな早くバレることになるなんてな…。
果南「……出来たよ」
170 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:00:59.67 ID:Hp889MgaO
千歌「ありがとう。じゃあ、ちょっと屈んでくれるかな」
果南「うん」カガミ
千歌「んしょっ」
二人の首で光る、イルカとみかんのネックレス。指輪には負けるかもしれないけど、わたしたちには充分過ぎるものだった。
千歌「もう少し待ってね…」
果南「(あれ?もう付け終わってるよね?なんで?)」
171 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:01:41.65 ID:Hp889MgaO
千歌「果南ちゃん、愛してるよ」ニコッ
果南「えっ?」
チュッ
ダイヤ「へ…?」ポカーン
善子「あっ、ダイヤ初めてか」
ダイヤ「あ、あれは…?」
ルビィ「キスだよ?」
ダイヤ「いやいやいや!」
曜「まあ、こうなるよね〜」
花丸「でも、幸せそうずら」
172 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:02:10.56 ID:Hp889MgaO
鞠莉「皆さん、ほら拍手!拍手〜!」
パチパチパチパチッ!!
「おめでとう!!」
「きゃー!!」
「お幸せに〜!」
美渡「……バーカ」グスッ
志満「泣いてるよ、美渡」クスッ
美渡「ち、ちがっ…!」
173 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:02:36.24 ID:Hp889MgaO
果南「///」カァァ
千歌「えへへ//」
果南「……ばかちか//」
そして、閉校祭は無事に進行していき、残るはわたしたちAqoursの『最期』のライブだけとなった。
174 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:03:19.09 ID:Hp889MgaO
特設ステージ
鞠莉「それでは本日の、そして、この浦の星女学院のフィナーレを飾るのは……私たちAqoursのライブ!リーダーから一言もらいま〜す!」
パチパチパチパチッ!
鞠莉「じゃあ、ちかっち。お願いね!」
千歌「はい!」
千歌「みんな、楽しんだか〜!?」
イエーイ!!
千歌「あははっ、全然声出ないや…ごめんね」
175 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:03:51.58 ID:Hp889MgaO
千歌「久しぶりに浦女の制服を着たのに、閉校祭だなんて。少し複雑な気分であります…」
千歌「でも、この学校が大好きだったから、わたしたちAqoursは生まれたんだと思います」
千歌「皆さんも知ってると思いますが、わたしは約半年前から入院していました。大腸がんで、もう助かりません」
千歌「明日には死ぬかもしれない、明後日かもしれない。そんな先の見えない闇の中を歩いてる。そんな感覚でした」
176 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:04:23.17 ID:Hp889MgaO
千歌「でも、それはわたし以外のAqoursのみんなも一緒だったみたいです。こんなわたしだけど、みんなの支えになれてたんだって、嬉しかった」
千歌「そんな中、わたしたちが決めたのはAqoursの解散です。この9人でAqoursなんだって、みんなが教えてくれたから…!」
千歌「だから、これが最期の…Aqoursとわたしの最期のライブです。わたしはもう、踊れないけど頑張って歌います、全身全霊で…!」
パチパチパチパチ…!
千歌「ありがとう…」グスッ
千歌「…」ゴシゴシッ
千歌「それでは聞いてください!」
千歌「『勇気はどこに?君の胸に!』」
177 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:04:54.31 ID:Hp889MgaO
~♪
勇気を出してみて 本当は怖いよ
僕だって最初から 出来た訳じゃないよ
『わたしね、小学校の頃からず〜っと思ってたんだ。千歌ちゃんと一緒に夢中で、なにかやりたいな〜って!』
『よーちゃん……』
『だから、水泳部と掛け持ち…だけど!』
『えへっ!はいっ!』ニコッ
178 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:05:47.00 ID:Hp889MgaO
いっぱいつまづいた 悔しい思いが
強さをくれたんだ 諦めなきゃいいんだ
『私は曲作りを手伝うって言ったのよ?スクールアイドルにはならない!』
『ええっ!?』
『そんな時間はないの』プイッ
『無理は言えないよぉ…』
『そうだねぇ…』
『じゃあ、詞をちょうだい♪』
179 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:06:13.68 ID:Hp889MgaO
信じてみたいと 君の目が濡れて
迷う気持ちも(涙も) バイバイ(さあ、出発だ)
『これ、なんて読むの?』
『A…q…ours……』
『あきゅあ?』
『もしかして、アクア?』
『水ってこと?』
『水かぁ…!』
180 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:06:39.82 ID:Hp889MgaO
何度だって追いかけようよ 負けないで
失敗なんて 誰でもあるよ
夢は(消えない) 夢は(消えない)
『ルビィね!花丸ちゃんのこと見てた!ルビィに気を使って、スクールアイドルやってるんじゃないかって!ルビィのために無理してるんじゃないかって…!心配だったから…!』
『でも、練習の時も、屋上でいた時も、みんなで話してる時も…花丸ちゃん嬉しそうだった』
『それ見て思った!花丸ちゃん、好きなんだって!ルビィと同じくらい好きなんだって!スクールアイドルが!』
『あっ、マルが…?まさか…』
181 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:07:27.27 ID:Hp889MgaO
何度だって追いかけようよ 負けないで
だって(今日は) 今日で(だって)
目覚めたら 違う朝だよ
『んー、やめとく…迷惑かけそうだし。じゃあ…』
『少しの間だけど、堕天使と付き合ってくれてありがとね。楽しかったよ』ニコッ
『どうして堕天使だったんだろう…』
『マル、わかる気がします。ずっと、普通だったんだと思うんです。わたしたちと同じで、あまり目立たなくて…』
『そういう時思いませんか?これが本当の自分なのかな〜って。元々は天使みたいにキラキラしてて、何かの弾みでこうなっちゃってるんじゃないかって…』
182 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:07:56.85 ID:Hp889MgaO
やり残したことなどない
そう言いたいね いつの日にか
『わたしが…私が果南を想う気持ちを、甘く見ないで!』
『だったら…だったら、素直にそう言ってよ!リベンジだとか、負けられないとかじゃなく、ちゃんと言ってよ!』
『だよね?……だから』チョンッ
『…』
『ハグ………しよ?』ニコッ
183 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:08:32.47 ID:Hp889MgaO
そこまではまだ遠いよ
だから僕らは 頑張って挑戦だよね
『じゃあ、ダイヤさんもいてくれないと!』
『えっ?わたくしは生徒会長ですわよ?とてもじゃないですけど、そんな時間は…』
『それなら大丈夫です!鞠莉さんと果南ちゃんと、あと、6人もいるので!』
『る、ルビィ?』
『親愛なるお姉ちゃん、ようこそAqoursへ!えへっ!』
184 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:09:14.21 ID:Hp889MgaO
Aqours「Ah 熱くなる意味が わかりかけて」
千歌「心が求める誇らしさ」
千歌「走り続けて 掴める未来」
千歌「夢が!」
8人「たくさん!」
千歌「夢が!!」
「たくさん!!」
千歌「消えない!!!」
「「「夢が!!!」」」
千歌「……ありがとう」ニコッ
185 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:09:41.13 ID:Hp889MgaO
何度だって追いかけようよ 負けないで
失敗なんて 誰でもあるよ
夢は(消えない) 夢は(消えない)
何度だって追いかけようよ 負けないで
だって(今日は) 今日で(だって)
8人「目覚めたら」
千歌「違う朝だよ」
8人「ああ 太陽が」
千歌「笑いかけるよ」
~♪
186 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:10:26.45 ID:Hp889MgaO
千歌「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
果南「千歌、大丈夫?」
千歌「うん、なんとか」
果南「よかった…」ホッ
千歌「みんな、どうだった……」
パチパチパチパチッ!!!
「ありがとぉー!!!」
「Aqours最高!!」
「お疲れ様ー!!」
千歌「……あはは」グスッ
千歌「みんな、せーのっ……」
Aqours「ありがとうございました!!!」
187 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:11:05.20 ID:Hp889MgaO
その日、Aqoursの、わたしの輝きは幕を閉じた。活動期間は半年くらいだったけど、これだけたくさんの人が応援してくれた。
バイバイ、Aqours。今まで、ありがとう。
188 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:11:47.97 ID:Hp889MgaO
それからは、ゆったりと時間が過ぎていった。卒業式、浦の星女学院の閉校、病室デート、こっそり屋上で天体観測…とか千歌と出来ることいっぱいやった。
鞠莉はまた海外へ、ダイヤは東京に行った。けど、わたしは千歌を置いて内浦から出るなんて考えられなかった。ダイビングショップは父さんがまだやれると言って手伝い程度。
だからわたしは今、十千万でお世話してもらっている。おばさんやおじさん、志満姉の指導のもと旅館の仕事を必死に覚えている。
この件についても、美渡姉と一悶着あったんだけど…まあ、今回はおとなしく喰らいました。生半可な覚悟ではないことは伝わったみたいだから、よしかな?
189 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:12:18.94 ID:Hp889MgaO
そして春を越えて、またあの日がやってきた。
190 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:13:05.08 ID:Hp889MgaO
7月7日 七夕 夜
トントンッ
果南「しつれいしまーす……」ソローッ
千歌「こんばんは、かなんちゃん…」
果南「急に美渡姉から連絡が来て、行けって言われたんだけど。どうしたの?」
千歌「えへへ、おそといきたいなーって」
果南「外って屋上?冷えるよ?」
千歌「ううん、たなばただからさ。いつものとこ」
191 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:13:39.92 ID:Hp889MgaO
果南「は?病院抜け出すの!?絶対ダメだって!」
千歌「だいじょーぶ、きょかは、もらってるから」
果南「で、でも…」
千歌「かなんちゃん、おねがい」ニコッ
果南「……これっきりだからね。ヤバくなったらすぐに言うんだよ?」
千歌「うん、ありがとう…」
192 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:14:06.70 ID:Hp889MgaO
果南「車イスにする?」
千歌「おんぶが、いいな」
果南「……わかった、ゆっくりね」
千歌「んしょっ、んしょっと……」
果南「よしっ、捕まった?」
千歌「うん」
果南「じゃあ、行くよ」
千歌「うん…」
ガララッ
193 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:14:51.70 ID:Hp889MgaO
山道
果南ちゃんのおんぶに揺られながら、今までのことを思う。よくよく考えたら果南ちゃんと恋人…ていうか、夫婦なのか、もう。今日で一年経ったんだな。
果南ちゃんとは毎年ここに来てるのに、今日はいつもよりもっと特別に感じる気がする。もう少しで頂上だ。
けど、マズいな。なんか眠くなってきちゃった。これ、たぶん寝ちゃったらダメなヤツだな。
意識もぼんやりしてきた。さっきから果南ちゃんが話し掛けてくれてる気がするけど、全然に頭に入ってこない。
参ったな〜、もう少しで頂上なのに。
194 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:15:33.72 ID:Hp889MgaO
果南「ほら、千歌?もう少しでいつものとこだよ?」
千歌「………うん」
果南「今日は天気悪そうだったけど、夜は晴れて良かったよ。天の川もよく見えるよ。見える?」
千歌「………うん」
果南「流れ星も見えるといいね!あとでどっちが多く見つけられるか勝負しようね?」
千歌「………うん」
果南「あと、疲れたら言ってね?休んでいいからさ?」
千歌「………うん」
千歌「じゃあ、ちょっと、ねてもいい……?」
195 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:16:04.70 ID:Hp889MgaO
果南「さすがに疲れちゃったか。いーよ!」
千歌「うん、ありがとう……」
果南「どういたしまして」
千歌「…」
千歌「かなんちゃん……」
果南「ん〜?」
196 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:16:33.92 ID:Hp889MgaO
千歌「ちゃんと、おこして、ね…?」
千歌「わたし、おねぼうさん…だから……」
果南「わかってるよ!いつものことじゃん!」
千歌「あはは…」
千歌「じゃあ、おやすみなさい……」
千歌「ありがとう……」
果南「おやすみ、千歌…」
197 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:16:59.16 ID:Hp889MgaO
ありがとう、果南ちゃん。
バイバイ。
ずっと、ずっと……大好きだよ。
198 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:17:42.46 ID:Hp889MgaO
「さあ着いたよ、千歌?」
「とりあえずいつものとこ座ろっか」
「よいしょっと……」
「よく寝てるなぁ、ほんと…」
「千歌、着いたよ〜?」
「……もう少し寝かせてあげようかな?」
「わたしも疲れたし、それまでは、ね…」
「わたしの疲れが取れたら、起こすから、さ……」
「はぁ……」
199 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:18:15.22 ID:Hp889MgaO
「あれ?織姫の星が雲で見えないな〜?」
「おかしい、なぁ……さっきまでみえてたのに…」
「みえなく……なっちゃったなぁ…」
「ねぇ、おきて……ちかぁ…おりひめさま、みえなく……ぐすっ、なっちゃった…」
「どうして、かなぁ……くっ…」
200 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:19:03.15 ID:Hp889MgaO
冷たくなった千歌の身体をわたしは抱き締めながら泣き続けた。
天の川を挟んでたたずむ彦星の辺りから、一つ流れ星が流れていった。
201 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:19:44.68 ID:Hp889MgaO
高海家・墓前
果南「…」
果南「千歌がいなくなって、もう二ヶ月が経つんだ…」
あの日、わたしは千歌をおんぶして山を降り、そのあとは気付いたら葬式が終わってて、納骨も終わって、今に至る。
みんなには心配されたけど、なんとか立ち直った。というか、立ち直された。美渡姉に。
202 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:20:12.48 ID:Hp889MgaO
果南「みかん、置いとくね?カラスに取られないように気を付けるんだよ?」
志満「やっぱりいた」
果南「志満さん、どうしたんですか?」
志満「……もう、志満姉って呼んでくれないの?」シュンッ
果南「いや、職場上しょうがないというか…」
志満「全く、もう…」
203 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:20:58.88 ID:Hp889MgaO
志満「あの時はごめんね?果南ちゃんに辛い役押し付けたみたいで…」
果南「あの時って、千歌が亡くなった日ですか?」
志満「そう」
果南「いいえ。むしろ、最期を見届けさせてくれて嬉しかったです。ありがとうございました」ペコッ
志満「……あれね?実は美渡が果南ちゃんに任せようって言い出したんだよ?」
果南「えっ?美渡姉が?」
志満「……ずるい」シュンッ
果南「あっ、ごめんなさ……すみません」
志満「惜しい」
204 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:21:32.75 ID:Hp889MgaO
志満「……お礼を言うなら美渡に言ってほしいな」
果南「わかりました…!」
志満「今日はお昼からだっけ?」
果南「はい、そうなってます」
志満「じゃあ、千歌ちゃんの部屋に行ってみてくれる?」
果南「千歌の部屋に、ですか?」
志満「いいから行ってみて♪」ニコッ
果南「は、はぁ…。じゃあ、失礼します」ペコッ
志満「………確かに届けたよ、千歌ちゃん」
205 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:22:06.48 ID:Hp889MgaO
高海家・千歌の部屋
果南「んしょっ…」
果南「久しぶりの千歌の部屋だな〜」
果南「最近じゃ、宿の方しか見てなかったから、すごく懐かしく感じる…」
果南「あっ、ネックレス………と、何これ?」
206 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:22:38.72 ID:Hp889MgaO
果南ちゃんへ
千歌より
207 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:23:04.46 ID:Hp889MgaO
果南「千歌!?」
果南「いつこんなのを……開けていいんだよね?」
ペリッ
208 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:24:21.03 ID:Hp889MgaO
果南ちゃんへ
果南ちゃん、元気ですか?わたしは、たぶんこの手紙を読んでる頃にはいないんだろうなって思います。だから、これは果南ちゃんが落ち着いたら渡してもらうようにしてもらおうかな?美渡姉は隠すの下手だから、志満姉に頼もう。
手紙を書くからって特に伝えたいことなんてないんだけどさ、こういうの残してた方がいいかな〜って。まあ、暇潰しとも言う。うむ。
じゃあ、わたしが果南ちゃんに恋をした理由とか教えちゃおうかな?教えたことなかったし。
わたしが果南ちゃんに恋をしたきっかけはね、いつだったかの中学の文化祭。あの時、確かよーちゃんと回ってたと思うんだけど、途中果南ちゃんを見つけてテンション上がっちゃってさ。声かけようかなって思ったら、なんかすっごく楽しそうな笑顔の果南ちゃんがいたんだ。
209 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:24:50.59 ID:Hp889MgaO
今思えば、その時一緒にいたのは鞠莉ちゃんとダイヤさんだったのかもね。それでもなんかショック…だったんだよね。わたしやよーちゃん以外にもあんな笑顔を見せたりするんだって思うと、なんか悔しかった。
だから、そのあと頑張ってアピールしたんだよ!わたしといる方が楽しいよ!たくさん楽しいことできるよって!でも、普通なわたしが声を大にして誘えること少なくて。
でも、時々だけど果南ちゃんに会えると嬉しい!ハグされるとドキドキする!一緒にいるだけで楽しくなる!それを感じた時、わたしは果南ちゃんを一人の女の子として好きなんだって気付いたんだよ?
それからは…あれ?紙が足りない!しょうがない、好きな気持ちは行動で示そう。また無理矢理キスとかするか。よしっ。
最後に果南ちゃん。わたしがいなくなっても変わらないでね。いつまでもわたしが大好きな果南ちゃんでいてね。ずっと、ずっとだよ!
大好きだよ、果南ちゃん!
千歌より
210 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:25:17.35 ID:Hp889MgaO
果南「…」
果南「……なんだよ、これ」
果南「こんなの、手紙でもなんでもないじゃんか」
果南「ほんと、千歌は……」
果南「千歌が大好きな、わたし……か」
果南「敬語とか…似合わない……かな?」クスッ
果南「……頭空っぽで行きますか!」
211 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:25:44.50 ID:Hp889MgaO
ありがとう、千歌。
バイバイ。
212 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:26:12.78 ID:Hp889MgaO
美渡「ただいま〜……っと」
果南「あっ、美渡姉お疲れ様」ニコッ
美渡「おう…って、なんだその格好は!?」
果南「何って……練習着にエプロンだけど?」
美渡「お、お前仲居の服は?」
果南「あー、なんかキツかったからやめた。あと、動きづらいし」
美渡「いやいやいや……えぇ」
213 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:26:51.30 ID:Hp889MgaO
志満「あっ、美渡。お帰りなさい」ニコッ
美渡「ただいま…って、いいのか果南のあれ!」
果南「あっ!志満姉!廊下の雑巾かけ終わったよ♪」
志満「ほんと?二階もやった?」
果南「あっ、まだだ!やってくる!」
志満「よろしくね〜」
志満「やっぱり果南ちゃんには、志満姉って呼ばれる方がいいわね」ニコッ
美渡「いや、あの…」
214 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:27:22.83 ID:Hp889MgaO
志満「……確かに見た目は注意すべきかもしれない。けど、今までの果南ちゃんは見てられなかったから」
志満「仕事っていう型にはめ込まれたような、果南ちゃんに似合わないスタイルだったし」
美渡「まあ、そうかもしれないけど…」
志満「わたしも最初、あの姿で現れた時はびっくりしたけどさ」
果南「二階〜♪二階〜♪」
志満「生き生きしてると思わない?」
美渡「…」クスッ
美渡「……そうかもな、にししっ!」
215 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:28:32.38 ID:Hp889MgaO
千歌?
わたしはわたしのままで。
これからも全力で生きていくよ。
あなたが好きになってくれたわたしで。
だから、心配しないで。
いつまでも見守っててね?
216 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:29:16.33 ID:Hp889MgaO
おしまい
217 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 20:31:17.29 ID:Hp889MgaO
過去作です。
美渡「こらー!バカチカー!!」
http://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1498050360/
梨子「歩こう、一緒に」
http://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1497106366/
千歌「愛哀傘」
http://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1498315159/
お目汚し失礼しましたm(_ _)m
218 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/08(日) 20:35:49.18 ID:It8RuSHDO
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