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果南「彦星が泣いた日」
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1 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:28:36.65 ID:k+nhhCuYO
織姫と彦星のお話。
一年に一度、天の川を隔てて出会える、想いは同じなのに一緒にはいられない二人。悲しいけどロマンチックなお話。七夕の度に夜空を見上げては何回も繰り返した。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1530952116
2 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:37:41.83 ID:Hp889MgaO
果南「千歌はさ、織姫と彦星どっちが好き?」
千歌「そりゃ〜、織姫さまでしょ」
果南「そかそか」
千歌「急にどうしたの、果南ちゃん?」
果南「別にぃ〜」
千歌「そう?」
果南「うん」
千歌「果南ちゃん、今日変だよ?挙動不審というか…」
果南「そ、そんなことないよ…//」
そう言って果南ちゃんはバツが悪そうにそっぽを向いた。暗くてよく見えなかったけど、果南ちゃんの顔が少し赤くなっているような気がした。
3 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:38:47.75 ID:Hp889MgaO
千歌「にしても、ここで星空を見るのも何年目かな?」
話を区切ろうと、昔の話を振る。けれど、果南ちゃんはそっぽを向いたまま黙り込んでいる。しばらくして。
果南「…」
果南「あ、あの……さ、千歌」
千歌「うん?」
果南「千歌はさ、なんで七夕のお願いをわたしと同じクラスになりたいなんて願ってたの?」
千歌「あー、あれ?そりゃ〜、果南ちゃんと一緒にいたいからだよ」
果南「一緒にいたい……か」
わたしにとっては昔から当たり前なこと。気づけば果南ちゃんがそばにいて、ずっと、ずっと一緒にいたから。
4 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:39:37.51 ID:Hp889MgaO
千歌「まあ、それが出来ないのも最近はわかってきたけど」
果南「最近って、ふふっ」
千歌「もう!笑わないでよー!」
果南「ごめんごめん」
千歌「ふーんだっ」
こんな会話をずっとずっとしていけたらいいなって。大袈裟な態度を取るわたしに果南ちゃんが聞いてきた。
5 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:40:26.31 ID:Hp889MgaO
果南「じゃあ、わたしの願い事知ってる?」
千歌「果南ちゃんの?」
果南「うん」
千歌「ん〜、人魚になりたい…?」
果南「千歌らしいな〜」
千歌「むっ!またバカにしたな〜?」
いつもこれだ。うまい具合に手玉に取られるような。けど、決して嫌な気分ではない、温かくて優しい気持ち。
6 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:41:35.48 ID:Hp889MgaO
果南「…」クスッ
果南「千歌とずっと一緒にいられますように…」
千歌「へっ…?」
果南「これがわたしの願いだよ」
千歌「そ、そうなんだ。ふーん…」
果南「千歌とあんまり変わらないけどね」
千歌「な、なんでそう願ったの?」
果南「……そうだなー」
千歌「果南ちゃん?」
果南「千歌のことが、好きだからだよ」
千歌「ほぇ…?」
7 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:42:39.79 ID:Hp889MgaO
果南「いつ言おうかって、ずっと考えてた。でも、わたしは臆病だから勇気が出せなくて、こんなに遅くなっちゃった」
果南「わたしたちも、もう高三と高二。来年からはこうやって一緒に星を見られるかもわからない」
果南「だから、決めた。迷わないって。この想いがわたしの一方通行だったとしても伝え……わぶっ!?」
千歌「…」ギュー
果南「ち、千歌…?」
何も言わずに抱きつく。果南ちゃんの言葉なんてお構い無しで強く、強く抱き締める。
8 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:43:28.39 ID:Hp889MgaO
千歌「遅すぎだよ、バカなん…!」ウルッ
果南「お待たせ…」ナデナデ
千歌「やっと天の川を越えられたのかな?」
果南「わたしが泳いだんだよ、千歌のとこまで」
千歌「なにそれ」
果南「千歌、好きだよ」
千歌「わたしも大好き、果南ちゃん」
お互いに見つめ合いながら、わたしたちは今までの想いをぶつけるように、天の川の下で願いを込めた口づけを交わした。わたしたちが交わした、二人で一つの願い。『ずっと一緒にいられますように』と。
9 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:44:00.63 ID:Hp889MgaO
千歌「果南ちゃ〜ん!」ギュー
果南「はいはい」ニコッ
善子「…」
花丸「もぐもぐ」
善子「わからない…」
花丸「ごくんっ。何がずら〜?」
善子「あの二人よ。本当に付き合ってるのよね?」
花丸「また言ってるずら?あの時全員で見たでしょ?」
10 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:45:04.79 ID:Hp889MgaO
──
─────
──────────
千歌『果南ちゃんとお付き合いすることになりました♪』
果南『あはは…』ポリポリ
5人『ええぇーーーーー!!?』
曜『マジなの…?』
千歌『マジ…!』
ルビィ『お、おつ、おつつ、おうっ、おうっ!』アセアセ
花丸「焦りすぎてアシカさんの鳴き声みたいになってるよ、ルビィちゃん!」
鞠莉『Oh!めでた〜い!!』
果南『あ、ありがと、みんな…!』
11 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:46:09.71 ID:Hp889MgaO
ダイヤ『確かにめでたいですが…』
千歌『ダイヤさん…?』
ダイヤ『あなたたちはそれがどういうことかちゃんと分かっていますよね?』
千歌『……もちろんだよ。でも、結局はお互いがお互いを諦めないことだと思うの』
千歌『どんな困難があっても、諦めない。わたしは果南ちゃんと一緒にいることを諦めないもん』
果南『千歌…』
ダイヤ『ふふっ』
ダイヤ『心配なさそうですわね。お幸せに』
千歌『ありがと、ダイヤさん!』
12 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:47:15.67 ID:Hp889MgaO
ダイヤ『ただし!節度ある交際を!この学舎で不純異性……違った、不純同姓交遊は認めませんッ!』
果南『する気ないよ、学校じゃ…』
ダイヤ『なら、いいですが…』
曜『学校じゃあ……ね?ぷぷーっ!』クスッ
果南『こらー!//』ガシッ
曜『あだだだだっ!助けて千歌ちゃ〜ん!』
千歌「あははっ」
梨子『それにしても果南さん』
果南『梨子…?』
梨子『見てる感じ、千歌ちゃんにリードしてもらってる感じじゃないですか?』ニヤニヤ
果南『ぐっ』
梨子『いつも千歌ちゃんのお姉ちゃん的な存在の果南さんも、実際は乙女だったんですね♪』
果南『こ、こんのぉ〜』
千歌『そうなんだよー。昨日は彦星がわたしでみたいなこと言ってたのにキs…』
果南『うわぁ、うわぁー!!///』
善子『ヨハネ堕天ッ!……って、あれ?』
──────────
─────
──
13 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:48:39.25 ID:Hp889MgaO
花丸「あっ!その時、善子ちゃん遅れて来たんだった」
善子「ちょっとォ!?ていうか、私はヨハネ!」
花丸「はいはい、ヨハネヨハネ〜。あーむっ」
善子「雑ゥ!!」
花丸「んくっ。まあまあ。でも、実際あの二人は付き合ってるし」
善子「言われてもねー。ずら丸、まだのっぽパンある?」
花丸「あるよ〜。なにがいい?」
善子「甘いヤツ」
花丸「甘いのは〜、はいっ」スッ
善子「ありがと。よっ、と」パカッ
花丸「善子ちゃんはパカッて開ける派なんだ」
善子「あのギザギザで開けちゃうと、開けたとこがひらひらして邪魔じゃない?」
花丸「そうかな〜?」
14 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:49:50.19 ID:Hp889MgaO
千歌「果南ちゃん撫でて〜!」
果南「も〜う…」ナデナデ
花丸「仲良しさんずら〜」
善子「やっぱり、いつも通り過ぎて付き合ってる感じなんてしないわね。あーむっ」
花丸「でも、グイグイ行くのは千歌ちゃんらしいよ」
善子「へぇー」
花丸「果南さんは意外と乙女なんだって。デートとかで手を繋ぐと真っ赤になっちゃうんだって」
善子「見てみたいわね。そんな果南…」
善子「…って、なんでそんなこと知ってんのよ!」
花丸「ちかひゃんがいっへはずら〜」モグモグ
善子「のろけまくりのリア充めぇ〜!」
善子「てかっ、ちゃんと食べてから喋りなさい!」
花丸「ごくんっ。善子ちゃんって、やっぱり真面目だよね…」
善子「お寺の子が何言ってるのよ……あと、ヨハネ!」
15 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:50:51.91 ID:Hp889MgaO
果南「二人でなんの話してたの?」
千歌「ふにゃ〜」
善子「まるで猫ね」
花丸「二人が本当に付き合ってるのかって、善子ちゃんが言い出すからマルが説明してあげてたずら」
千歌「むっ!失敬な!わたしと果南ちゃんはラブラブだよ!」
果南「ラブラブって。あはは…」
善子「なんて言うかやっぱり、私にはいつものじゃれ合いをしてるようにしか見えないっていうか…」
善子「あっ!別にバカにしてるとかじゃないのよ!」
果南「ありがと。やっぱり善子は良い子だね」ナデナデ
善子「バっ、撫でるな!//」
花丸「照れてるずら、照れてるずら〜」
16 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:51:44.88 ID:Hp889MgaO
果南「あはは〜……ぐへっ!?」
千歌「むぅ…」グイーッ
果南「ち、千歌?ネクタイを引っ張るのはやめてほしいかなって思うんだけども…」
千歌「果南ちゃん、こっち向いて」
果南「だから、ネクタイから手を……んっ!!?//」
善子「へっ!?/////」カァァ
花丸「おーーーっ!」
千歌「……ぷはっ」
17 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:52:35.95 ID:Hp889MgaO
千歌「ほら、わたしたち付き合ってる」ニコッ
かなよし「あわあわわ…///」パクパク
花丸「大胆ずら〜」
かなよし「いきなりキスするなーーーっ!!!///」
千歌「あのね?果南ちゃんのキスの味は…」
花丸「ふむふむ!」
果南「ば、バカ千歌ー!!!///」カァァ
善子「堕天してる……//」
どうしようもないくらい果南ちゃんが愛しくて。毎日が楽しくて。Aqoursのメンバーともラブライブに向けて努力して。一日一日があっという間に過ぎていった。
18 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:53:37.18 ID:Hp889MgaO
果南「どうしよぉ…」
曜「いつも通り祝えばいいじゃん」
果南「でも、恋人同士になって初めての誕生日なんだよ?いつも通りじゃダメだよぉ…」ヘタリ
鞠莉「前のめりに伏せっちゃった」
果南「それよりさ。千歌がヤバいんだよ。どれくらいヤバいかって言うと…!」
曜「はいはい、ヤバいヤバい」
鞠莉「相変わらずちかっちラブね♪」
果南「適当に流すなッ!」
曜「今は誕生日の話でしょ?」
果南「…………はいぃ」
19 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:54:47.91 ID:Hp889MgaO
鞠莉「コロコロ表情が変わって大変そうね、果南」
曜「最近は特にね」ニヤニヤ
果南「うっさいなー…//」
鞠莉「じゃあ、マリーから提案!」
曜「はい、鞠莉ちゃん!」
鞠莉「確かにちかっちと果南にとっては初めてのラバーズ同士の誕生日よ。だけど、Aqoursと一緒に迎える初めての誕生日でもあるわ!」
果南「確かにそっか」
鞠莉「もちろん二人きりでお祝いするのも楽しいと思うけど、一度みんなでパーッと盛り上げてあげた方が良いと思います!!」
曜「千歌ちゃんも喜びそうだね♪」
果南「で、でもやっぱり二人でも祝いたいというか」
鞠莉「ノープロブレム!昼間にパーティーしたら、あとは二人の時間にすればいいわ!だーれも邪魔させないわ♪」
果南「だったらいいけど…」
20 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:55:55.81 ID:Hp889MgaO
曜「千歌ちゃんを襲う気かな…?」
果南「んなっ!?//」
曜「いや、襲われちゃうの間違いか」クスッ
果南「この……こ、くぅ…//バカ曜ォ!!!」ガバッ
曜「きゃあっ!そんな大袈裟な反応するってことはもしかして…!」
果南「う、うるさいうるさいうるさーい!!///」
鞠莉「ふふっ、ちかっちの誕生日が楽しみね♪」
大好きな人と迎える誕生日。同じ人と祝うのに、いつもとは違う不思議な気持ち。そんな不思議でドキドキするこの気持ちが恋愛なのかな、なんて思ったり。まあ、そんなことを考えれるようになったのも千歌のおかげかな。
一番近くで見てきたはずの相手なのに、初めて知ったりする表情。これからもたくさんたくさん知っていきたいな。
21 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:56:32.05 ID:Hp889MgaO
パンッ!パンッパンッ!!
千歌「えへへ…//」
果南「千歌、せーの!」
『誕生日おめでとぉーーー!!!』
千歌「ありがと、みんな」ニコッ
22 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:57:14.95 ID:Hp889MgaO
ルビィ「こ、これルビィからのプレゼントです!」
千歌「うわぁ、ありがとう!……ん?腹巻き?」
ルビィ「果南さんが千歌ちゃんは夜クーラーつけてお腹冷やしちゃうって言ってたから…」
千歌「ちょ!?果南ちゃん!!///」
果南「だって、ほんとの事だし」
千歌「むぅーっ!」
23 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:58:03.39 ID:Hp889MgaO
曜「まあまあ!わたしからはこれだよ〜!」
千歌「おおーっ!……ワンピースだ〜!」
曜「そう!白ベースで薄くオレンジ色を…」
千歌「みかん!」
曜「失敬!みかん色を配色したデザインです!」
千歌「うわぁ…きれい!」
千歌「で、でも、わたしに似合うかな〜?」
果南「似合うに決まってる、可愛いもん」
千歌「果南ちゃんはあてにならないもん」
果南「なっ!?」
曜「大丈夫!バッチリ千歌ちゃんに似合うって!曜ちゃん印のお墨付き!」
千歌「そう?ありがとね、よーちゃん♪」
曜「ヨーソロー!」ビシッ
24 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:58:51.61 ID:Hp889MgaO
花丸「マルはこれ!」
千歌「小説かな?」
花丸「恋愛小説ずら。主人公とヒロインが千歌ちゃんと果南ちゃんにそっくりだからマルのオススメずら!」
千歌「おー!どんなお話?」
花丸「それは読んでのお楽しみ、ずら♪」
千歌「気になる〜!」
25 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 17:59:40.97 ID:Hp889MgaO
鞠莉「次は私ね!」
千歌「おー……何が出てくるんだろ」
鞠莉「マリーからは、これ!」
千歌「わぁ!オルゴールだ!きれ〜い…!」
鞠莉「小原家特注の世界にひとつのちかっちだけのオルゴールでぇす!!」
千歌「一気に触りづらくなったんだけど!?」
鞠莉「大丈夫大丈夫!とりあえず蓋開けてみて!」
千歌「むむむっ……えいっ」パカッ
~♪
千歌「あっ!ダイダイだ!」
鞠莉「ちかっちたちのデビュー曲だもんね!オルゴールにしてみました!」
千歌「嬉しい!ありがと、鞠莉ちゃん!」
鞠莉「シャイニー♪」
26 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:00:38.64 ID:Hp889MgaO
梨子「鞠莉さんの後だと見劣りしちゃうな…」
曜「というか、あのオルゴールわたしたちも欲しいよね」
梨子「うん」
千歌「あはは…梨子ちゃんは何を用意してくれたの?」
梨子「わ、私はこれ!」スッ
千歌「ヘアピン!イルカのマークだ!」
梨子「意味は……まあ、分かるよね?」ニコッ
千歌「うん、ありがと♪」
善子「えっ、被った……」
千歌「……ほぇ?」
27 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:01:31.03 ID:Hp889MgaO
善子「えと……これ」スッ
千歌「ヘアピン…」
善子「…」
梨子「あ、あちゃー…」
千歌「いや!いやいやいや!柄も形も違うし!大丈夫、大丈夫だよ!善子ちゃんッ!」
善子「なんか、リリーもごめん…」
梨子「え、えぇ!?よっちゃん!?」
花丸「ヨハネよっ!のボケも無いなんて…」
善子「ボケじゃないわ!!」
りこまる「ボケじゃないの!?」
善子「んなっ!?」
28 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:02:30.88 ID:Hp889MgaO
花丸「まあ善子ちゃんは置いといて」
善子「置くな!」
ダイヤ「わたくしですか」
千歌「わくわく♪」
ダイヤ「あまり期待しないでください。たいしたものではありませんから…」
ルビィ「ほんとかな〜?」ニヤニヤ
ダイヤ「ルビィ…?」
ルビィ「きゃー!お姉ちゃんこわーい!」
ダイヤ「全く………ま、まあたいしたものかもしれませんが、わたくしの私物ですし、喜ぶかは…」
千歌「私物?ダイヤさんのモノをくれるの?」
ダイヤ「こちらですわ」スッ
千歌「……ふぇ?お?おー?おー!?」
29 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:03:23.39 ID:Hp889MgaO
ダイヤ「当時集めていたμ'sの記事をまとめたわたくしのスクラップ帳ですわ。わたくしは、もう頭に叩き込んでますから千歌さんにあげようかと…」
千歌「い、いーの?後からなしとかダメだよ?」
ダイヤ「か、構いませんよ!わたくしからの誕生日プレゼントです♪」
千歌「ありがとー、ダイヤさん!いや、ダイヤちゃん!」ギュー
ダイヤ「ぴぎゃっ!?//き、急に飛び付かないでください!」
千歌「嬉しかったから、つい〜♪大切にするね!」
ダイヤ「……はい」ニコッ
30 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:04:38.03 ID:Hp889MgaO
果南「…」ムスッ
鞠莉「ちかっち〜?お姫様がご機嫌斜めよ〜」
果南「だ、誰がお姫様だ!//」
鞠莉「嬉しいクセに〜」ニヨニヨ
千歌「ウチの子がご迷惑を」ペコッ
鞠莉「いえいえ」
果南「千歌ぁ〜?」
千歌「あはは!」
楽しいと思う時間はあっという間で。この瞬間がずっと続けばいいのになんて、よくある常套句を思い浮かべながら、みんなの笑顔を、果南ちゃんの笑顔を見つめた。
普通なわたしの、普通な日常の中の、特別な1ページ。このみんながいて果南ちゃんがいたから、今のわたしはあるんだ。普通なわたしが輝けるんだ。
31 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:05:04.87 ID:Hp889MgaO
───────────でも、そんな普通なわたしを神様は特別にしたんだ。
32 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:06:04.27 ID:Hp889MgaO
果南「わたしからの千歌の誕生日プレゼント無しにしよっかな〜?」
千歌「…」
曜「そんな意地悪な恋人でいいの〜?」
果南「千歌が悪いんだもん!」
梨子「あはは…」
ルビィ「あ、あれ?千歌ちゃん?」
千歌「う、うぅ……」
花丸「も、もしかして…」
善子「泣いて、る?」
果南「へ?」
33 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:06:58.49 ID:Hp889MgaO
千歌「う、うぅ……ぐっ」プルプル
鞠莉「な〜かした、な〜かした!」
梨子「そんな古典的な…」
ダイヤ「とにかく素直になさいな、果南さん?」
果南「ご、ごめんね千歌。意地悪しちゃって」
千歌「ぐっ……うぅ」プルプル
果南「でも、渡すタイミングって言うかさ…」
千歌「………………………………痛い」
果南「え?」
千歌「うっ」パタリッ
果南「ちょっ……千歌っ!?」
34 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:07:38.15 ID:Hp889MgaO
千歌「痛い…!痛いよぉ……!」
曜「千歌ちゃん!?」
千歌「うぐっ……う、うぅ〜〜〜〜〜!!!」バタバタ
ダイヤ「ど、どこが、どこが痛むのですか!?」
千歌「お、おなかが……うっ」
梨子「千歌ちゃん、しっかり!」サスサス
鞠莉「と、とにかく救急車を!親御さんにも連絡を入れて!」
ダイヤ「わたくしがかけます!」
35 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:09:48.84 ID:Hp889MgaO
善子「わ、私たちも何か…」オロオロ
ルビまる「…」コクコク
鞠莉「じゃあ、ここまでのルートの確保をお願い!まだ学校にも生徒や先生がいるはずだから、先生と協力して学校がパニックにならないように伝えて!」
善子「わ、わかった!ルビィ、花丸行くわよ!」
ルビィ「う、うん」
花丸「千歌ちゃん…」
果南「千歌っ、千歌っ!」
千歌「うぅ……くっ」
果南「しっかりしてよぉ…」グスッ
千歌「かな、んちゃ……」
痛みに耐えきれなくなったわたしは、果南ちゃんが泣きじゃくる顔を最後にわたしの意識はそこで切れた。
36 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:11:25.95 ID:Hp889MgaO
今、何してるんだっけ?
今日は千歌の誕生日で、みんなでプレゼントを渡して、ケーキを食べて、その後は二人で過ごそうって。そんな楽しい一日だったはず。
隣で曜が何も言わずにわたしの手を握ってくれている。千歌の一番の大親友であり、わたしの可愛い妹分の一人。いつもわたしたちを支えてくれている曜も今は、強ばった表情を浮かべ握った手からも不安さを感じた。
37 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:11:57.26 ID:Hp889MgaO
ルビィ「千歌ちゃん、大丈夫だよね?」グスッ
ダイヤ「大丈夫、大丈夫です」ナデナデ
善子「…」
梨子「大丈夫?」
善子「……うん」
千歌の、リーダーの異変。この状況が千歌の存在が、わたしたちAqoursにとってどれだけ大きかったのかを露呈させた。みんな不安が拭えない。
38 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:12:53.11 ID:Hp889MgaO
鞠莉「こっちです!」
花丸「焦らないでくださいね…」
千歌の家族を鞠莉たちが連れてきてくれた。おばさんは東京にいるのか、姿は見えなかった。
美渡「千歌は!?」
果南「まだ手術中で…」
志満「千歌ちゃん…」
美渡「あのバカ千歌…!」
千歌パパ「すまん、果南ちゃん。あまり状況が把握できてないんだが、千歌はどうして倒れたんだ?」
果南「それが…」
おじさんたちに千歌の倒れた経緯を伝えた。まだ原因がわからない今、みんなの表情は暗いままだった。手術中と書かれた赤いランプが不気味に光り、わたしたちの不安をつのらせた。
39 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:14:10.07 ID:Hp889MgaO
どれくらい時間が経ったか。ランプが消え、扉が開いた。一斉に視線がそこに集まった。
かなみと「千歌っ!」
ほぼ同時にわたしと美渡姉が駆け寄る。千歌は薄目を開けながら、笑顔を見せた。少し、安心する。
美渡「大丈夫か?」
千歌「…」ニコッ
美渡「そうか…」
看護婦「すみません。一旦、病室の方に送りますので」
美渡「あっ、すみません」
千歌パパ「先生、ウチの娘の容体は…」
医師「少しこちらへ…」
おじさんとお医者さんがこそこそ話しているのが見えたが構わずに、千歌を連れていく看護婦にわたしたちはついていった。
40 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:15:05.91 ID:Hp889MgaO
病室
看護婦「高海さん、まだ意識がはっきりしてない状態ですので、あまり刺激しないようお願いします。しばらくすれば、落ち着いてくると思いますので」
志満「わかりました」
看護婦「では、失礼します」
果南「千歌…」ギュッ
千歌「…」ギュッ
ダイヤ「……果南さん」
果南「うん?」
ダイヤ「とりあえず、千歌さんの無事は確認出来たので、わたくしたちはここを出ようと思うのですが」
鞠莉「そうね。病室にこんな大勢いたら、ちかっちも疲れるだろうし」
果南「そっか。うん、わかった」
美渡「ごめんな、みんな。心配してくれてるのに気を使わせて」
ダイヤ「いえ。お気になさらないでください。何か分かればまた連絡をしていただけると」
美渡「分かった。ありがとね」
41 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:16:15.59 ID:Hp889MgaO
鞠莉「果南は…」
果南「残る」
鞠莉「…わよね。他には?」
曜「わたしも残る」
鞠莉「オーケー。じゃ、あとのみんな…」
ルビィ「あ、あのぉ…」
花丸「ルビィちゃん…?」
ルビィ「ルビィも、ルビィも残ります」
ダイヤ「ルビィ?」
ルビィ「お願い、お姉ちゃん」
ダイヤ「…」
ダイヤ「わかりましたわ。気を付けて帰って来なさい」
ルビィ「うん…!」
42 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:17:11.47 ID:Hp889MgaO
善子「大丈夫なの?バス止まっちゃうわよ?」
志満「そこは任せて。ウチが責任持って送り届けるから」
ダイヤ「よろしくお願いします」ペコッ
梨子「曜ちゃん、ルビィちゃん、果南さん。あとはよろしくね」
果南「うん。気を付けて帰ってね」
バタンッ
千歌「……なん、ちゃ」
果南「千歌…」
曜「無理しないでいいからね。ゆっくりでいいから」
ルビィ「うん、うんっ」
千歌「…」コクリ
志満「そういえば、お父さんは?」
美渡「さっき先生と話してたけど」
43 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:18:14.89 ID:Hp889MgaO
ガララッ
千歌パパ「すまん、母さんを迎えに行っていた」
千歌ママ「千歌っ」
おばさんが到着してから、千歌が落ち着くまでゆっくり話しかけたり、撫でたりしながら時間を過ごしていった。しばらくしてから、少しずつ千歌が話せるようになってきた。
44 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:19:41.53 ID:Hp889MgaO
千歌「あはは、ごめんね……みんな」
果南「大丈夫?お腹はもう痛くない?」
千歌「今は、よくわかんないかな…」
美渡「気分悪くないか?喉乾いてんならなんか買ってくるけど…」
千歌「えへへ…美渡姉が優しいや」
美渡「バカ言ってんじゃねぇよ。……で、いるか?」
千歌「うん、お願い」
美渡「ん」
ガララッ
志満「美渡ったら…」
千歌ママ「とりあえずは一安心、なのかしら?」
曜「そうだと、思います」
千歌パパ「…」
45 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:20:37.02 ID:Hp889MgaO
果南「そういえば、おじさん?」
千歌「ん?どうした、果南ちゃん?」
果南「先生と何か話してましたよね?千歌のこと何か聞いたんですか?」
千歌パパ「ああ…」ウツムキ
千歌ママ「…」ピクッ
千歌パパ「とりあえず、検査入院ということでしばらく学校……は今は夏休みだから関係ないけど、練習の方はお休みしなきゃなって」
曜「そうですか…」
ルビィ「みんなにも伝えておきますね」
果南「お願いね、ルビィ」
ルビィ「うん」
46 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:21:14.76 ID:Hp889MgaO
千歌「そっかぁ、しばらく練習できないかぁ…」
志満「無理はしちゃダメだよ、千歌ちゃん?」
千歌「うん。ありがと、志満姉」
千歌パパ「千歌も意識がはっきりしてきたし、みんなも帰って大丈夫だぞ」
曜「そうですね」
ルビィ「そうします」
志満「じゃあ、私が送って来るね」
千歌パパ「おう」
果南「わたしは…」
47 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:22:07.45 ID:Hp889MgaO
ガララッ
美渡「ただいまっ…と」
美渡「千歌?わかんなかったから、お茶とスポドリ買って来たけどどっちがいい?」
千歌「うーん……じゃあ、お茶で」
美渡「分かった。コップに入れるからな」
千歌「ありがと」
千歌「果南ちゃん?」
果南「千歌…」
千歌「心配してくれてありがと。けど、疲れちゃったでしょ?今日は帰って休んでよ」
果南「でも…」
千歌「果南ちゃん」
果南「……わかった」
48 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:22:38.29 ID:Hp889MgaO
志満「果南ちゃんもね。じゃあ、三人とも行きましょうか」
曜「うん」
ルビィ「よろしくお願いします」ペコッ
果南「…」
志満「果南ちゃん?」
果南「ちょっと待って、志満姉」
志満「えっ?うん…」
果南「千歌、これ…」スッ
49 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:23:35.61 ID:Hp889MgaO
千歌「これは……開けてもいい?」
果南「うん」
千歌「…」パカッ
千歌「イルカの……ネックレス?」
果南「う、うん。こんなタイミングで渡すのもどうかと思ったけど、わたしからの誕生日プレゼント…」
千歌「ありがとう、嬉しい」ニコッ
果南「い、一応わたしとのペアネックレス…ていうか」
果南「わたしのが、みかんのネックレス」スッ
千歌「……なんでわたしがそっちじゃないの?」
果南「そ、それは…その……//」
美渡「こほんっ」
ちかなん「あっ」
50 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:24:29.59 ID:Hp889MgaO
美渡「イチャイチャすんのはいーが、また今度な」
果南「ごめん、美渡姉…」
美渡「…」グイッ
果南「わわっ」
美渡「ありがとな」ボソッ
果南「……うんっ」
志満「もういいかしら?」ニコッ
果南「うん、大丈夫!」
志満「じゃあ、お父さんたちよろしくね」
千歌パパ「おう」
果南「千歌」
千歌「なーに、果南ちゃん?」
果南「誕生日、おめでとう」
千歌「……ありがと」ニコッ
千歌たちに別れを告げて、わたしたち三人は病室をあとにした。志満姉に送ってもらい、曜とルビィにもお礼を言って、わたしは家に帰った。
51 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:25:26.11 ID:Hp889MgaO
バタンッ
千歌パパ「……ふぅ」
千歌ママ「…」
美渡「お前、果南に愛されてんなぁ」ニヤニヤ
千歌「とーぜんだよ」
美渡「愛想つかされないようにしろよな」
千歌「ないない。果南ちゃん、わたしラブだもん」
美渡「おアツいこって」
千歌「ふふん」
千歌ママ「……ねぇ、あなた?」
千歌パパ「……なんだ?」
千歌ママ「嘘、ついてるでしょ?」
千歌パパ「…」
52 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:25:59.07 ID:Hp889MgaO
千歌「嘘…?」
美渡「どういうことだよ、父さん」
千歌ママ「あなた、変わってないもんね。嘘をつく時やごまかす時に顔をうつむかせる癖…」
千歌パパ「……はぁ」
千歌パパ「母さんには敵わないな、全く…」
美渡「嘘って、何が嘘なの?」
千歌パパ「…先生を呼ぼう。千歌本人が聞かなきゃならない」
千歌「わたしが…?」
千歌ママ「…」
53 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:26:33.69 ID:Hp889MgaO
ガララッ
医師「お待たせしました」
美渡「せ、先生!千歌は大丈夫なんですよね?」
医師「……今からお話します」
医師「高海千歌さん」
千歌「はい…」
医師「あなたは……」
そこで聞かされた真実に、わたしは…。
54 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:27:42.75 ID:Hp889MgaO
一週間後
千歌「こんちか〜!」
曜「退院おめでとう、千歌ちゃん!」
千歌「ありがと、よーちゃん!」ニコッ
梨子「ほんとによかったわ、無事で」
善子「ほんとよ!この堕天使ヨハネを心配させるなんてギルティーよ!」
千歌「ごめんね〜!でも善子ちゃん、わたしのことすごい心配してくれたんだってね!ありがとう♪」ギュー
善子「や、やめなさいってば!くっつくな〜!//」
花丸「照れてるずら、照れてるずら」
鞠莉「ヨハネはちかっちのこと大好きだもんね〜」
果南「ほほ〜う?」
善子「いらんこと言うな!//」
55 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:28:18.88 ID:Hp889MgaO
ルビィ「千歌ちゃん?ほんとにもう平気なの?」
千歌「あっ、うん!大丈夫大丈夫!」
ダイヤ「全く、人騒がせなんですから」
果南「まあ、そうだよね」
千歌「いやー、申し訳ない」
果南「まさか『盲腸』だったなんて」
千歌「あっ!今、盲腸バカにしたな!痛いんだぞ〜!めちゃくちゃ痛いんだぞ〜!!」
56 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:29:42.72 ID:Hp889MgaO
ルビィ「盲腸ってなんだっけ?」
花丸「臓器の名前だったり、虫垂炎のことを盲腸って言ったりするずら」
千歌「そうそう。さすが花丸ちゃん!」
善子「千歌は手術で切除したの?それとも薬?」
千歌「最初に倒れた時に、お医者さんの判断で切除したみたいだよ。時々ちょっと痛むけど、前ほどじゃないよ」
善子「そうなんだ。でも、切除すると大腸がんになるリスクもあるんじゃなかったかしら?」
57 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:30:08.75 ID:Hp889MgaO
千歌「よく知ってるね」ニヤニヤ
善子「あっ、いや」
ルビィ「ほんとに」ニヤニヤ
善子「だ、だから」
曜「なんでかな〜?」ニヤニヤ
善子「う、うぅ」
果南「ほほ〜〜〜ん??」
善子「うにゃ〜〜〜〜〜!!!///」
58 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:30:49.47 ID:Hp889MgaO
梨子「CYaRon組三連弾…」
鞠莉「プラス果南ね♪」
花丸「でも、ほんと詳しいね?どうしてずら?」
善子「そ、それは…」
8人「それは?」
善子「し、心配だったからお腹が痛む病気を片っ端からネットで調べたというか、なんというか…」
8人「(善い子だ…)」
果南「…」ナデナデ
善子「い、いきなり無言で撫でるな〜!//」
59 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:31:16.67 ID:Hp889MgaO
千歌「と、言う訳で善子ちゃんがいい子だということを再認識したところで〜?」
千歌「今日も練習頑張るぞ〜!おー!」
7人「おー!」
善子「私を置いて話を進めるな〜!」
屋上に続く階段を一歩一歩踏みしめてかけ上がる。やっぱりわたしの居場所はここなんだなと改めて思った。どんな困難も乗り越えて行ってやるんだ。果南ちゃんと、みんなと一緒に。
60 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:32:12.05 ID:Hp889MgaO
高海家
千歌「あづ〜い……」
しいたけ「わふぅ……」
梨子「(怖い怖い怖い怖い怖い!)」ブルブル
梨子「ち、ちちち、千歌ちゃん?早いとこ歌詞を完成させてくれるとありがたいんだけどな〜、なんて」
千歌「そうだね。素麺でも食べよっか」
しいたけ「わんっ」
梨子「話聞いてた?」
61 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:32:44.05 ID:Hp889MgaO
千歌「Aqoursで流し素麺大会とかしたいね!絶対楽しいよ、うん!」
梨子「楽しいかもしれないけど、歌詞…」
千歌「あー、でも、花丸ちゃん麺類苦手なんだっけ。じゃあ、素麺の代わりに何か流そうかな?」
梨子「…」
千歌「花丸ちゃんが好きなもの…のっぽパン!?」
梨子「千歌ちゃん!!!」
千歌「はいっ!」
梨子「次の予選まで時間無いんだから、早く歌詞完成させないと大変だよ!」
千歌「はいぃ…」
62 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:33:29.93 ID:Hp889MgaO
梨子「……焦ってるのはわかるけど、最近千歌ちゃん話聞いてないこと多いよ。練習中もずっと騒いでるし」
千歌「そりゃあ、考えるより体や口を動かす方がわたしには向いていますので…」
梨子「もう。とにかく、曲のイメージも歌詞によって変わってくるんだからしっかりしてね?」
千歌「はーい…」
サーッ
美渡「あっ、しいたけここにいたんだ。散歩行くぞ〜」
しいたけ「あうっ」
梨子「…」ビクビクッ
千歌「しいたけ、またね〜」
63 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:34:26.87 ID:Hp889MgaO
梨子「あっ、お邪魔してます、美渡さん…」
美渡「……ん」
美渡「まあ、行って来るから」
千歌「うん、気を付けてね」ニコッ
美渡「おう」
トンッ
千歌「じゃあ、やりますか〜」
梨子「うんうん」
千歌「うおおおおお!!!」
梨子「スゴい気合い…!これくらいいつも頑張れば歌詞も…」
千歌「……ほぇ?」←流し素麺大会計画中
梨子「…」ゴゴゴゴゴ
千歌「いや、やっぱ楽しいかなって。夏らしいことすればそれっぽい歌詞も浮かぶかなって…」
梨子「……千歌ちゃん?」ニコニコッ
千歌「ひぃっ!?」ビクッ
梨子「真面目に考えなさいッ!!!」
千歌「うわ〜ん!ごめんなさ〜〜い!!」
64 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:34:56.69 ID:Hp889MgaO
高海家前・砂浜
梨子「……ということがありまして」
果南「あはは、千歌らしいっていうかなんというか」
梨子「それはそうかもですけど、少しは自分が作詞担当だという自覚を持って…」
果南「まあまあ、梨子?せっかくの夏だし、根詰めるのもよくないじゃない?時々パーッと遊ばないと!」
梨子「確かにそうですけど…」チラッ
65 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:36:00.69 ID:Hp889MgaO
千歌「んじゃ〜、いっくよ〜!」
ようまりよし「来〜いっ!」
千歌「水面よーしっ!いけ〜!」ポチャッ
鞠莉「シャイニー♪」サッ
ようよし「ああっ!」
鞠莉「ん〜!美味しいッ!ジャパニーズソーメンスタ〜イル!」
曜「次こそは…!」
善子「この堕天使ヨハネに供物を…!」
千歌「じゃあ、次いくよ〜」ポチャッ
鞠莉「ゲ〜チュッ♪」サッ
ようよし「あーっ!」
鞠莉「冷たくて美味しい〜♪」
曜「なんでそんな箸使い上手いのさ!」
善子「そうよ!というか、場所変わりなさいよ!最後尾とか絶対不利じゃない!」
66 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:36:33.75 ID:Hp889MgaO
鞠莉「しょうがないですね〜?じゃあ、善子先頭で!」
善子「見てなさいよ〜?あと、ヨハネっ!」
曜「その次わたしだからね〜」
鞠莉「ちかっち〜!次お願〜い!」
千歌「おっけ〜!」
善子「おら〜っ!」ツルッ
曜「流れてきた!ていっ!」ツルッ
鞠莉「も〜らいっ♪」サッ
ようよし「なんで〜?」
鞠莉「ん〜、デリシャス♪」
67 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:37:08.46 ID:Hp889MgaO
梨子「ほんとに流し素麺してるし…」
果南「なんか憧れるよね、流し素麺って」
梨子「果南さんは混ざらないんですか?」
果南「ん〜、またあとで」
梨子「そうですか」
果南「梨子こそ、混ざらないの?」
梨子「私は……聞いてたいんです」
果南「聞く?」
68 :
◆6/2mKHzyrM
:2018/07/07(土) 18:38:15.17 ID:Hp889MgaO
梨子「東京に住んでて、聞こえてくるのは都会の雑踏や機械音、あわただしく過ぎていく日常の音。落ち着かないような早いノーツで刻んでる」
梨子「けど、ここは東京では聞けなかった音がたくさんある。波の音、風の音、鳥の声、人の声…その一つ一つが重なって、まるで一つの音楽のように感じる」
梨子「そして、Aqoursのみんな。9人それぞれが違う想いを抱いているのに、一つになった時にはとっても素敵な音になる。千歌ちゃんが教えてくれた音です」
梨子「だから、私は………はっ!?///」
果南「…」ボーッ
梨子「いや、あのっ、ちょっと……忘れてくださいぃ//」
果南「……あははっ、音かぁ」
梨子「果南さ〜ん//」
果南「まあまあ。わたしは梨子みたいに音楽に詳しくないからよくわかんないけど、確かにその……気持ちって言うのかな?わかる気がする」
梨子「気持ち…?」
果南「うん…」チラッ
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