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【シャニマスSS】甘奈「プロデューサーさんと千雪さんの距離が近い……妙だな……」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 21:37:34.86 ID:LEY5gWto0
甘奈「というわけで尾行してみようと思うんだけど」
甜花「どうしちゃったの、なーちゃん君?」
※コナンネタはスレタイだけ
※二番煎じ部分あり
※多分シリアス
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1530794254
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 21:39:04.63 ID:LEY5gWto0
甘奈「プロデューサーさんって、いい人だよね」
甜花「うん……そうだね。甜花、いっぱい助けてもらってる」
甘奈「千雪さんもいい人だよね」
甜花「うん。優しいお母さんみたい……」
甜花「プロデューサーさんと千雪さん……似た者同士」
甘奈「! だよね、だよね! 甜花ちゃんもそう思うよね!」
甘奈「プロデューサーさんと千雪さんが夫婦みたい、って!」
甜花「ふぇ……?」
甜花(そこまでは、思ってない……)
甘奈「それでね、甜花ちゃん。甘奈、気がついちゃったんだ」
甘奈「プロデューサーさん、千雪さんにだけ接し方が違うことに……!」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 21:42:01.55 ID:LEY5gWto0
甜花「接し方……? 口調とか、態度がってこと……?」
甘奈「そうそう! うーんと、そうだよね……」
甘奈「プロデューサーさんと食事に行く時、甜花ちゃんはどんなお店イメージするかな?」
甜花「よく分かんないけど……ちゃんとした所、かな」
甜花「仕事の時間の合間とかなら、ファミレスとかもありそう……」
甘奈「うん、そんな感じだよね」
甘奈「実際にこの前に甘奈と食事に行った時は、大人っぽくコーヒー飲んでたよ」
甜花「簡単に、イメージできる……」
甘奈「だからさ、これがプロデューサーさんの普通だと思うんだけど……」
甘奈「そうじゃない場面、見ちゃったんだ」
甜花「あ……それが、千雪さんと……?」
甘奈「さっすが甜花ちゃん、話が早い。それでなんとね……」
甘奈「プロデューサーさんと千雪さん、牛丼屋さんから出てきたの!」
甜花「ぎゅ、牛丼屋さん……?」
甜花「……二人でそれは……イメージ、できない」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 21:43:38.76 ID:LEY5gWto0
甘奈「驚くのはまだ早いよ、甜花ちゃん。この後がさらにスゴくて……」
甘奈「お店の外で、プロデューサーさんが千雪さんにね、『笑顔が見れたら十分だ』って」
甜花「……! それは……すごい」
甘奈「うん。たまたま聞こえちゃっただけだけど、びっくりしちゃった」
甜花「うん。甜花も……びっくり」
甘奈「それで甘奈、思ったんだ」
甘奈「プロデューサーさんと千雪さんは、気のおけない仲なんだな、って」
甘奈「プロデューサーさんが、甘奈達を牛丼屋さんに連れて行ってくれたり……」
甘奈「そういう口説きセリフっぽいことを言うのって、あんまり想像できないよね?」
甜花「それは……たしかに。なーちゃんの言いたい事、少し分かった……」
甜花(なーちゃんが偶然、極端なところを見ちゃっただけ……だとも思うけど……)
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 21:49:34.64 ID:LEY5gWto0
甘奈「それで、話の最初に戻るんだけど……」
甜花「尾行する、ってやつ……?」
甘奈「うん。ひょっとしたら、プロデューサーさと千雪さんの関係がわかっちゃうかも」
甜花「でも、どうするの……? 二人の予定がわからないと……」
甘奈「それは大丈夫だよ! 二人のオフが重なる日、バッチリ調べてあるから!」
甘奈「天気予報でも晴れの日だし、デートするならきっとこの日で間違い無しだよ!」
甜花「よく調べられたね……プロデューサーさんの予定……」
甘奈「葉月さんに聞いたら、教えてくれたよ?」
甜花「じゃあ、千雪さんの予定は……」
甘奈「そっちは普通に千雪さん本人に聞いたよー」
甜花「なーちゃん、用意がいいね……」
甜花(……尾行する、なんてなーちゃんらしくない気もするけど……)
甜花(……)
甜花「……なーちゃん。その日、甜花も行っていいかな?」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 22:48:03.72 ID:LEY5gWto0
甘奈「んー! 絶好のデート日和だね、甜花ちゃん!」
甜花「うん、いい天気……」
甜花「だけど、なーちゃん。何で甜花だけこんなに重装備なの……?」
甜花「サングラス、フード、マスク、そのほか色々……」
甘奈「だって尾行するんだよ? そのままだったら絶対に気づかれちゃうって」
甘奈「甜花ちゃんが可愛すぎて!」
甜花「……」
甘奈「あ! もしかして、暑かったかな? えっと、甜花ちゃんが嫌ならやっぱり……」
甜花「ううん、大丈夫。ちょっと動きづらいけど……なーちゃん、楽しそうだから」
甜花「にへへ……」
甘奈「甜花ちゃん……!」
甘奈「うー、やっぱり甜花ちゃんって可愛いすぎかも……」
甜花「あ、プロデューサーさん来たよ」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 22:49:17.65 ID:LEY5gWto0
甘奈「ホントだ! やっぱりココで待ち伏せしてて正解だったね」
甘奈「うんうん。さすがは定番の待ち合わせスポット」
甜花「なーちゃんも……さすが。七草さん情報だと……◯◯駅で買い物ってくらいしか無かったのに……」
甘奈「デートスポット色々と調べたからねー」
甜花「あ、千雪さんも来た……」
甘奈「!」
千雪「プロデューサーさん、おはようございます」
P「おはよう千雪。お、その服は初めて見るな。よく似合ってる」
千雪「ふふっ、ありがとうございます。プロデューサーさん」
千雪「……あ、ひょっとして待たせちゃいましたか?」
P「いや、俺も今来たばっかりだよ」
P「それに、まだ集合時間になってない。仮に待たせたとしても、千雪は悪くないさ」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 22:52:25.90 ID:LEY5gWto0
甘奈「……本当に待ち合わせしてたんだ、プロデューサーさんと千雪さん」
甜花「なーちゃん?」
甘奈「あ、二人が歩き始めた! こっちの方向だと……最初はショッピングかな」
甘奈「追いかけよう、甜花ちゃん!」
P「……ふぅ、にしても今日は馬鹿に暑いな」
千雪「なんでも今年で最初の猛暑日になるそうですよ」
千雪「プロデューサーさん、こういう日もスーツなんですから」
P「半分仕事だからな。社長がもっとクールビズに積極的ならいいんだけど」
P「千雪が勤めてた雑貨屋は、その辺りどうだったんだ?」
千雪「ありませんでしたね。ふふふ、そもそも雑貨屋さんでスーツは着ませんから」
P「それもそうか」
千雪「でも代わりになるものはあるんですよ。今日も持って来ちゃいました」
千雪「はい、自家製の冷茶です。後でプロデューサーさんにも差し上げますね」
P「おお、ありがたい」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 22:53:41.58 ID:LEY5gWto0
甜花(プロデューサーさん、しっかり道路側歩いてるね……)
甘奈「甜花ちゃん、二人の会話聞き取れる?」
甜花「それは駄目……楽しそうなことしか分からない……」
甘奈「会話が聞こえる距離まで、近づいてみよっか」
甜花「でも、これ以上近づくと……バレちゃいそう……」
甘奈「そ、そうだよね。プロデューサーさん、結構鋭いところあるし」
甜花「あ……二人がお店に入るみたい。なーちゃん……どうする?」
甜花「ここの中、あんまり広そうじゃないけど……」
甘奈「うーん、外から見張っとこっか」
甜花「……残念」
P「お、千雪。こっちの柄なんかどうだ」
千雪「わぁ! これなら、さっき見た奴と合わせて……」
P「うん、涼しげで良さそうだな。ステージ映えもしそうだ」
千雪「さすがプロデューサーさんですね。私、自分が着てる姿ってあまりイメージできなくて……」
千雪「やっぱりプロデューサーさんは、こういうのって勉強されてるんですか?」
P「ファッション誌とかは目を通すこと多いよ。勉強ってほど腰を据えてやってるわけじゃないけど」
P「まぁ、単純に本が好きなんだ」
P「それが雑誌くらいの物であれ、もっと重い読み物であれな」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 22:54:49.13 ID:LEY5gWto0
千雪「プロデューサーさんの読書姿って、何だか簡単に想像できちゃいます」
千雪「そういえば、甘奈ちゃんも読書する方だって言ってましたね」
P「らしいな。この前のブックカフェの記事から、本屋慣れしてるのが伝わってきたよ」
P「思えば、俺が読書するようになったのも甘奈くらいの歳の時だったかな」
千雪「昔はそこまででも無かったんですか?」
P「自分の世界の狭さを自覚することがあってな。意識して読書するようになったのはそれからだ」
P「本がズラッと並んでると、ワクワクするのは昔からだったけど」
千雪「へぇ、そうなんですか。ふふふ……」
P「どうした千雪、急に笑い出して。なにか変なこと言っちゃったか」
千雪「いえいえ、そんなことはありません。ただ、甘奈ちゃんも同じようなことを言ってので……」
千雪「何だか微笑ましくなっちゃいました」
千雪「とっても素敵な事ですよね。新しい世界と出会えるのって」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 22:55:29.34 ID:LEY5gWto0
P「む、いい感じにまとめられてしまったな。しかし、甘奈も同じこと言ってたのか……」
P「一緒に出かけることあったら、好きな本の話でもしてみようかな。今度は」
千雪「『今度』って、前があったんですか?」
P「ん? ああ。仕事用の服を一緒に買いに行ったことがあってな」
P「今日と似たような感じだ」
千雪「あらあら、プロデューサーさんも隅に置けないんですね」
P「千雪、からかわないでくれ。少し恥ずかしい」
千雪「ふふふ、すみません」
P「……あれ?」
千雪「どうかしましたか、プロデューサーさん」
P「いや、何でもないよ。次のお店行こうか」
千雪「? はい、分かりました」
P(チラッと見えた二人組……気のせいか?)
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 23:11:04.69 ID:LEY5gWto0
甜花(それから、2番目3番目のお店でそれぞれ1時間弱……)
甜花(結局……かれこれ2時間半くらい、楽しげな二人を見てた)
甜花(なーちゃん、最初の方は元気だったけど、段々と気分が落ちていって……)
甜花「……なーちゃん……大丈夫……?」
甘奈「……」
甘奈「……やっぱり、付き合ってるのかな」
甘奈「……そうだとしても、甘奈には……」
甜花(……? 甜花の声……聞こえてないみたい……)
甜花(ちょっとだけ……大きな声出した方がいいかな……よし……!)
甜花(なーちゃん!)
甜花(あ、あれ……? 声が……うまくでない……?)
甜花(それに……何だか急に、意識が……)
甜花(……朦朧、と……)
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 23:11:49.29 ID:LEY5gWto0
甘奈「? え、甜花ちゃん!?」
甘奈「……! 甜花ちゃん、顔が真っ赤だよ! こ、これって……!」
甜花(……あ、なーちゃん気づいてくれた……)
甜花(……そっか、今日はお外が暑かったから……)
甘奈「甜花ちゃん! 甜花ちゃん!?」
甜花(……熱中症、に……)
甘奈「甜花ちゃん!!」
あまな『あまなね、てんかちゃんがいればしあわせだよ』
てんか『てんかも、なーちゃんがいれば、たのしい……』
甜花(……昔の、会話……)
甜花(小さい頃は、ずっと二人で遊んでたっけ)
あまな『うん! あまなたち、ふたりでいればだいじょーぶだよね!』
甜花(甜花となーちゃん……二人、だけの……)
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 23:12:48.46 ID:LEY5gWto0
甘奈「甜花ちゃん!」
甜花(……! 意識が……飛ぶところだった……)
甜花(……実は半分くらい、飛んでたのかも……でも……)
甜花「なーちゃん……大丈夫……ちょっとフラッとしただけ……」
甘奈「無理しちゃダメ! 全然大丈夫に見えないよ……!」
甘奈「こういう時は……えっと……!」
甘奈「水分補給して……それから……! でも、その前に救急車を……」
P「落ち着け、甘奈」
甘奈「……! プ、プロデューサーさん!? どうして……」
P「担当アイドルの様子がおかしかったらすぐに気づくさ」
P「そんな事より甜花だ。千雪、水分補給の準備を頼む。甜花、俺におぶさることはできるか?」
千雪「は、はい。任されました……!」
甜花「うん……お願い……しましゅ……」
P「よし、移動するぞ。近くの公園に木陰とベンチがあったはずだ」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 23:17:22.15 ID:LEY5gWto0
甜花「少し……元気になった。千雪さんのお茶……美味しかった……」
甜花「お礼を言いたいけど……二人とも、まだ戻ってこないね……」
P『俺と千雪で何か買ってくるから、二人とも安静にしててくれ』
甜花「……って、言ったっきり」
甘奈「うん……この辺りに無いのかな、薬局……」
甜花「……」
甘奈「……」
甜花「……なーちゃん、ごめんね。体調崩しちゃって……」
甘奈「謝らないでよ、甜花ちゃん。それ、甘奈のせいだよ……」
甜花「そんなことは……」
甘奈「そんなことあるよ」
甘奈「甘奈が甜花ちゃんに、暑い格好をさせたせい」
甘奈「それに気づかずに、ずっと連れ回してたせい」
甜花「……」
甘奈「ごめんね、ごめんね……! 甜花ちゃん……!」
甜花「……なーちゃん」
甘奈「甘奈、どうかしてた」
甘奈「プロデューサーさんと千雪さんのことが気になって、全然甜花ちゃんのこと見てあげられなかった」
甘奈「こんなの、甘奈らしくないよね……」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 23:20:03.16 ID:LEY5gWto0
甘奈「……甜花ちゃん。動けるようになったら、二人にお礼を言って、今日は帰ろう?」
甘奈「帰って……明日からは、もう二人のことは気にしないようにする」
甘奈「それで、いつもの甘奈に戻るから……」
甘奈「だから……ごめんね……。ごめんね、甜花ちゃん……」
甜花「……駄目」
甜花「それは駄目だよ、なーちゃん」
甘奈「甜花ちゃん……?」
甜花「甜花ね……うまく言えないけど……帰ったら、駄目だと思う……」
甜花「二人だけの世界なら、寂しくないし、痛くもないけど……」
甜花「きっと、何か足りないと思う……」
甜花「だから、プロデューサーさんと……ちゃんと話さなきゃ……」
甘奈「でも、甘奈は……」
甜花「……喋ってたら……眠くなってきちゃった」
甜花「甜花、少しだけ眠るね……なーちゃん……」
甘奈「……甜花ちゃん……」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 23:21:05.30 ID:LEY5gWto0
P「おーい甜花ー……っと、寝てるのか」
P「気を失ってるわけでは無いよな……?」
甘奈「うん。甜花ちゃん、気持ち良さそうに寝てる」
P「そうか。ならもう大丈夫そうだな」
P「これ飲んでおいてくれ、甘奈の分だ」
甘奈「スポーツ飲料……甘奈にも?」
P「甜花と一緒に行動してたんだろ? 甘奈も同じように熱中症になってる可能性は低くない」
甘奈「……うん、分かった」
P「そういえば、二人して何をしてたんだ? ずっと俺たちの後ろにいたよな」
甘奈「……!」
P「話したくないなら別に言わなくていい。悪いことをしてたわけじゃないだろうしな」
甘奈「……うん」
甘奈「……ううん。甘奈ね、悪いことしてたよ」
P「へ?」
甘奈「プロデューサーさんと千雪さんのことを尾行してた」
甘奈「プロデューサーさんと千雪さん、とっても親密そうに見えたから」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 23:21:53.17 ID:LEY5gWto0
P「……つまり話をまとめると、俺の接し方が千雪と自分達で違うのが気になった」
P「そういうことか?」
甘奈「……うん」
P「そうか。そうだよな。アイドルとプロデューサー……一応、上司と部下なわけだし」
P「人によって態度が変われば不安にもなるよな」
甘奈「あ、えっと、それもあるんだけど。それ以上に、その……」
甘奈「プロデューサーさんと千雪さん、お付き合いしてたりするのかなって」
P「そんな風に見えてたか?」
甘奈「うん。二人とも凄くお似合いに見えちゃった」
甘奈「それで甘奈ね、凄く気になって、何故か不安になってきちゃって……」
甘奈「でも変だよね。よく考えたら、甘奈が不安になることなんて、何も無いのに……」
甘奈「何一つ無いのに。おかしい、よね」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 23:22:52.26 ID:LEY5gWto0
P「おかしくなんてない」
P「甘奈は何も間違ってない。自分のことを変だと感じても、それは間違いなんかじゃない」
甘奈「プロデューサーさん……?」
P「甘奈。WINGを目指してた時のこと、思い出してみてくれないか?」
甘奈「WINGの時? えっと確か、あの時は……」
甘奈「……うん、甜花ちゃんのことで悩んでた」
甘奈「先に進んでいく甜花ちゃんを見て、置いて行かれるんじゃないかって……」
P「甘奈が今感じている不安も、その時に近いものは無いか?」
甘奈「……そう、なのかも」
甘奈「だけど何でなのかな……甜花ちゃんのこと、今は関係ないよ……」
P「それはきっと、甘奈にとって大切なものが増えたからだ」
P「千雪や俺のことを、大切に思ってくれてるんじゃないか。それが甜花ほどの物じゃ無くても」
P「……なんてこと、自分で言うと自惚れてるみたいで恥ずかしいけどな」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 23:24:15.46 ID:LEY5gWto0
甘奈「それは……」
甘奈「……ううん、自惚れなんかじゃないよ」
甘奈「甘奈、プロデューサーさんのことも千雪さんのことも、とっても大切に思ってる」
甘奈「……そっか。これって、そういう不安だったんだね」
P「出会ったばかりの頃の甘奈なら、俺と千雪の関係なんて気にしなかったんじゃないか」
P「だけど、今はそうじゃない。そうじゃないように成長した」
P「そんな自分を認めてやればいい」
甘奈「……認める?」
P「そうだ。不安になったことも困惑したことも、自分の一部だと認めてあげるんだ」
P「今日の甘奈は、結果として誰かに迷惑をかけたかもしれない」
P「そんな自分のことを、らしくないと思ったかもしれない」
P「だけど、そこに悪意があったわけじゃないんだろ?」
P「だったらそれは間違いじゃない」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 23:25:49.24 ID:LEY5gWto0
P「関係性や立場が変われば、その人への気持ちや接し方も変わってくる。それは俺も同じだ」
P「だからこそ、大切なのは真摯であることだと俺は思う。そうすれば、その時々の自分を認められる」
P「だから甘奈には信じて欲しい」
P「アイドルごとに接し方が変わったとしても、誰かを蔑ろにしたり贔屓したりはしない」
P「隠れて恋愛をしたりとかもしない」
P「みんなには常に真摯さと敬意を持って接する。これまでも、これからもな」
甘奈「……プロデューサーさん」
P「まぁ、甘奈を不安がらせたのは完全に俺の落ち度なんだけどな」
P「その部分は全面的に謝罪する。甘奈、本当に申しわけなかった」
甘奈「あ、謝らないでよプロデューサーさん! 甘奈が勝手に不安になっただけなんだから」
P「でも必要なことだ」
甘奈「……!」
甘奈「……甘奈も、もう一回甜花ちゃんに謝らないとね」
P「そうだな」
甘奈「……あ」
P「どうした? 俺の顔に何か付いてるか?」
甘奈「ううん、そういうわけじゃないんだけど……」
甘奈「やっぱりプロデューサーさんは、大人だなって」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 23:27:27.41 ID:LEY5gWto0
千雪「プロデューサーさーん!」
P「お、ちょうど良く千雪が戻ってきたな。甜花の方は……」
甜花「甜花も、完全復活……!」
甘奈「甜花ちゃん! 良かったよぉ〜!」
甜花「実は……ちょっと前から起きてた……」
甜花「にへへ……」
千雪「あらあら、もうすっかり元気みたいね。安心しました」
甜花「千雪さん……ありがとう……」
千雪「ふふふ、どういたしまして」
P「よし。それじゃあ全員揃ったことだし、ここらのお店で遅めの昼食にするか」
千雪「いいですね。この四人でする食事なら、楽しいこと間違いなしですから」
P「ああ、そうだ。罪滅ぼしってわけじゃないが……甘奈、どこか希望はあるか?」
甘奈「え、甘奈!?」
甘奈「えーと、うーんと……あ」
P「何でもいいぞ。値が張る店でもドンと来いだ」
甘奈「ううん。甘奈ね、そういう高級なお店よりも……」
甘奈「……牛丼屋さん、行きたいな」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 23:28:26.67 ID:LEY5gWto0
甘奈(昨日は、とーっても楽しかったな)
甘奈(甜花ちゃんがいて、千雪さんがいて、プロデューサーさんがいて)
甘奈(それだけで幸せな気持ちになるよ)
甘奈(……『関係性が変われば気持ちや接し方も変わる』、か)
甘奈(プロデューサーさんとの関係も、いつか変わったりするのかな)
甘奈(プロデューサーさんのことを、下の名前で読んだりするのかな……)
甘奈(そうじゃなくて、もっと先の呼び方をしてみたり……)
甘奈(……あ)
甘奈(そっか。そういうこと、考えちゃうんだ)
甘奈(やっと分かった。きっとプロデューサーさんのことを、甘奈は……)
甘奈(うん。それなら、今の甘奈にはやりたいことが一杯ある)
甘奈(プロデューサーさんと一緒にアイドルを頑張りたい)
甘奈(まだ知らないプロデューサーさんを見てみたい)
甘奈(その時に、自分が何を思うのかを確かめたい)
甘奈(よし、今日も頑張らないとね!)
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 23:29:01.87 ID:LEY5gWto0
甘奈(事務所に到着、っと☆)
甘奈(まずはしっかりとした挨拶からだよね)
甘奈「プロデュー……」
甘奈(あ、誰か先に挨拶してる。確かあの人はイルミネの……)
真乃「オハヨー! ボクは、ピーちゃんですゾ〜」
真乃「ぽっぽるー」
甘奈「!」
P「……」
P「ぽぉっぽるぅ〜!」
甘奈「!?」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 23:30:02.40 ID:LEY5gWto0
終わりです。お目汚し失礼しました。
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 23:32:28.89 ID:LEY5gWto0
追加を思いついたので、あと2レス書きます
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/05(木) 23:32:44.77 ID:NeDFfRtyo
パーフェクトコミュニケーション!(鳩)
乙です
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 23:43:45.09 ID:LEY5gWto0
おまけ1
葉月「プロデューサーさん、聞きましたよ〜」
P「聞いたって……何をですか?」
葉月「プロデューサーさんと、アルストロメリアの皆さんのお食事事情ですよ〜」
葉月「千雪さんと牛丼を食べに行って、『笑顔が見れたから十分さ』なんて言ってみたり……」
葉月「対して、甘奈さんと食事に行けば、コーヒーだけ注文してクールに決めてたらしいじゃないですか」
P「ああ、そのことですか。別にやましい意図は無いですよ。まず千雪のことですが……」
P「Daを上げたかったんです」
葉月「へ? Da?」
P「甘奈のコーヒーも同じくですね」
P「Daを上げたかったんです」
葉月「???」
P「Daを上げたかったんです」
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 23:45:25.04 ID:LEY5gWto0
おまけ2
大崎母「甘奈ちゃんに好きな男の人が出来たなんて、ビックリだわ」
大崎母「あの甘奈ちゃんにねぇ……」
甜花「その……事務所の、プロデューサーさん……」
大崎母「あらあら、パパが聞いたら怒り狂いそうね」
甜花「うん。だから、パパにはまだ内緒……」
大崎母「それが良さそうね。ところで甜花ちゃん」
甜花「ん……何?」
大崎母「甜花ちゃんは、その人のこと……どう思ってるのかしら?」
大崎母「あなた達って、好きなもの似てたりするじゃない」
甜花「甜花……? うーん……」
甜花「甜花は……ハーレムもアリかなって」
大崎母「まぁ」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/05(木) 23:46:39.73 ID:LEY5gWto0
今度こそ終わりです。
真剣さ故に人は鳩になったりすると思います
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/06(金) 08:38:45.94 ID:cZ1PdLdDO
乙
ハーレムってことは姉妹だけじゃないってこと?(二人なら姉妹丼になるわけだし)
あと鳩になって真乃のスカートの中に飛び込みたいな
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/06(金) 09:13:26.83 ID:cAceXA5no
乙
>>31
既に休憩中の鳩がいそうな予感
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/06(金) 11:31:44.42 ID:Ldsbu47WO
乙乙
いい話且つオチw
そうなりがちだけどさw
34 :
◆/rHuADhITI
[sage saga]:2018/07/11(水) 23:45:25.63 ID:dXfxCJxZ0
【このSSにおけるお詫び】
本SS内において、ゲーム内容を誤解させる表現がありました。
本編後のおまけ1において、選択肢選びによるステータス上昇をネタする文章がありましたが、その内容に誤りがあります。
pSSR甘奈のとあるコミュにおいて、選択肢「コーヒーにしよう」を選ぶとDaが上がるとの表現がありましたが、本来上がるステータスはViでした。
ゲーム内の大崎甘奈の可愛さに圧倒的動揺をした結果、自分のメモ書きが疎かになった事よって発生した勘違いであり、今後SS内でそのような表現をすることが無いように気をつけます。
申し訳ございませんでした。
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/17(火) 23:02:17.31 ID:kEyE7gvd0
乙
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