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幼女幽霊「呪いが勝つのか、幽霊が勝つのか実験だよ実験!!」DQN幽霊「!?」
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102 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/07(土) 00:26:24.59 ID:d5e0qrtPo
DQN幽霊「」ビクッ
DQN幽霊(こ、この野郎……適当なこと言いやがって)
DQN幽霊「ウ、ウス……DQN幽霊です。パ、パシリ大好きです。よろしくお願いします」
口裂け女「へぇ~……」ジロジロ
口裂け女「幼女、アンタ男の趣味悪いわね」
幼女幽霊「はぁっ!?」
口裂け女「話を聞くに、もっといい男かと思ったけど……典型的なモブ顔じゃない。どこが気に入ったの?」
幼女幽霊「い、いや!そんなんじゃないですから!!!!マジでやめてくださいよ気色悪い!!!!」
103 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/07(土) 00:29:00.79 ID:d5e0qrtPo
テケテケ「ふー!ふー!照れてるー!てるー!」
幼女幽霊「テケテケちゃんは黙ってて!!!!」
幼女幽霊「こいつは居場所がないって言うんで、仕方なく置いてるだけのオブジェクトですよ!全然そんな関係じゃないですから!!」
幼女幽霊「私のタイプはもっとデカプリオみたいなイケメンだし!こんなクソみたいなセンスの悪いヘアスタイルで、一日中何も考えてなさそうにボケーっとしてるやつなんて論外ですよ!」
DQN幽霊「いや俺も先輩は先輩として尊敬はしてるけど、そういう対象じゃないっスよ。チンチクリンだし、俺ロリコンじゃないっス」
DQN幽霊「それに、実体の方も胸が小さ――」
ボゴォ!!!!!!!!!!!
DQN幽霊「へぶちっ!?」ズサー
幼女幽霊「あ?誰がチンチクリンの貧乳だコラ。もう一度言ってみろ。口とケツの穴縫い合わすぞコラ」
104 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/07(土) 00:30:09.05 ID:d5e0qrtPo
口裂け女「全部嘘よ。冗談でそんな本気にならないで」
テケテケ「ひゅー!ひゅー!」
幼女幽霊「と、とにかく!こんなところで立話もなんだし、上がってくださいよ」
口裂け女「じゃあお言葉に甘えて。あのジジイにも線香上げたいしね」
テケテケ「ねえどきゅん!競走しようよ!どっちが速いか競走!競走!」
DQN幽霊「え?競走っスか?別にいいっスけど」
テケテケ「じゃあ、よーいドン!!ドン!」ビューン
DQN幽霊(はやっ!?)
105 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/07(土) 00:31:19.39 ID:d5e0qrtPo
口裂け女「もうジジイが成仏してから何年経った?」スタスタ
幼女幽霊「今年で四年目ですね」
口裂け女「そう……もう四年か。しかしまさかあのジジイが先に行くとは思わなかったわ」
口裂け女「アイツ、足がないただの幽霊なのに本当にしぶとかったからねぇ。花子さんより長くいると思ってたわ」
幼女幽霊「はは、私もそう思ってましたよ」
口裂け女「……幼女、良かったわね。新しい同居人が出来て。前に会った時よりも元気そうで安心したわ」
幼女幽霊「えっ、そ、そんなことないですよ!」
口裂け女「照れるなって。アンタと私の仲でしょ」グイッ
幼女幽霊「も、もう!本当にそんなんじゃないですから!」
106 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/07(土) 00:32:27.75 ID:d5e0qrtPo
テケテケ「どきゅんおそーい。幽霊なのに、なのに」
DQN幽霊(な、なんだこいつ……ま、まったく追いつけねぇ。こっちは疲れを知らない霊体で、向こうは生身の肉体を持っているのに)
DQN幽霊(というか、すげぇ移動方法だな……腕の力を完全に操って走ってる。テレビかどっかで脚の筋力は自分の体重を支えているから、腕に比べて数倍のパワーがあるってのを聞いたことがあるが……その役目が逆になっているのか)
DQN幽霊(これ、人間相手なら相当手強いんだろうな……動きが変則的で、読みづらい。多分、あの眼帯女が相手にしたら先輩以上に苦戦するんじゃないか)
テケテケ「どきゅんー!早くー!置いていくよ!いくよ!」ダッ
DQN幽霊「あっ、ちょ、待ってくださいっス!」
107 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/07(土) 00:33:33.50 ID:d5e0qrtPo
テケテケ「お待たせ―!たせー!」
口裂け女「ずいぶん遅かったわね。病院を一周してきたの?」
テケテケ「うん!いっぱい走って楽しかった!かった!」
口裂け女「それは良かったわね」
DQN幽霊「つ、疲れた……身体的な意味じゃなく、精神的に疲れた気がする」
DQN幽霊(こ、これであと四人も控えてるのか……俺の身は持つのだろうか)
幼女幽霊「それでー!その霊能力者を見事に私が撃退してやったんですよ!!」
幼女幽霊「まあそこそこ手強かったですけどね!でも私に比べたら毛虫レベルでしたわ!」
DQN幽霊「……」
テケテケ「幼女ちゃんすごーい!すごーい!」
口裂け女「へぇ、アンタも奴等と遭遇したんだ。今時珍しい」
108 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/07(土) 00:35:24.59 ID:d5e0qrtPo
幼女幽霊「え、く、口裂け女さんも戦ったことあるんですか?」
口裂け女「まあそりゃね。何十年も怪物やってたら何回も会うことはあるわ。私の場合は知名度が凄かったし」
口裂け女「もう10回以上は返り討ちにしてるわよ。もっとも、最後に殺ったのは20年近く前だけどね。そこから私もあんまり目立たないように潜伏することにしたわ」
テケテケ「わたしもやったことあるよー!三回ぐらい?だったかな!かな!」
幼女幽霊「えっ……テ、テケテケちゃんも?」
幼女幽霊「あの、じゃあなんで教えてくれなかったんですか?こっちは危うく死にかけ――てはないですけど、事前に知っていたらもっと対策とか色々出来たんですけど……」
口裂け女「だって、まさかこんな辺境の病院にやってくるとは思わなかったしねぇ。最近はあいつらの数も減っているらしいから、もう廃業したのかと思っていたわ」
テケテケ「聞かれなかったし!し!」
口裂け女「それに、そんな強くなかったでしょう?もし遭遇しても、アンタなら楽に勝つって分かっていたし」
109 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/07(土) 00:36:37.83 ID:d5e0qrtPo
幼女幽霊(え?も、もしかして普通の霊能力者ってもっと弱いの?あのメスガキが特段強かったのか?)
幼女幽霊(いや……まあ何かそんな予感は薄々してたけどさぁ……あんな人間がそこら中にウロウロしてたら、幽霊や怪物なんてとっくに絶滅だし)
幼女幽霊(……運悪いな、私も)
口裂け女「多分、今日来るメンバーは全員経験あると思うわよ。名が知れ渡ったらまず間違いなく奴等が襲ってくるし」
幼女幽霊「え、そんなに頻繁に襲ってくるんですか?」
口裂け女「まあね。昔はもっと多かったわよ。私が怪物に成りたての頃なんて、日本中が心霊ブームだったし、それだけ本物の怪物や幽霊も沢山いたわ」
口裂け女「でも、最近は国内だとだいぶ少なくなったらしいわ。海外だとまだ活発らしいけど」
幼女幽霊「へぇ〜……」
110 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/07(土) 00:38:13.42 ID:d5e0qrtPo
口裂け女「あ、そうだ。病院についたら呼んでおくように頼まれたんだった」ガサゴソ
幼女幽霊「ん?それって……」
DQN幽霊「10円玉と、紙?」
口裂け女「そう、こっくりさん降臨用の道具。あの子、自分で出てこられないから、こっちから呼ばないと来られないらしいわ」
口裂け女「さぁ、みんな、10円玉に指を置いて。呼ぶわよ」スッ
テケテケ「んー、んー」スッ
DQN幽霊「え、これ俺もやるんスか?」
幼女幽霊「全員参加だっつの。早く指置け」スッ
口裂け女「じゃあ呼ぶわよ。こっくりさん、こっくりさん、おいでください。おいでになさりましたら、はいにお進みください」
111 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/07(土) 00:38:51.26 ID:d5e0qrtPo
今日はここまで
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/07(土) 00:44:43.80 ID:AP1tXwW30
幼女幽霊ちゃん霊能少女の事話すのはフラグですよフラグ、そんな事言ったら本当に来てしまいますよ
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/07(土) 01:30:24.23 ID:voT8CqhR0
霊能少女ちゃんこそ、「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ理論」を武器にするために、いっそ彼女らと仲良くなればいいのにねw
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/07(土) 05:36:33.72 ID:sshxcyq9o
仲良くは無理でしょ
人殺しの化け物どもなんだし
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/08(日) 00:31:14.84 ID:7gQZfYrw0
遅いな今日は来ないのかな?
116 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/08(日) 03:34:39.11 ID:NnIL/Ltxo
シーン
DQN幽霊「……う、動かないっスね」
テケテケ「寝てるのかな?かな?」
幼女幽霊「あーありそう。狐って夜行性だし」
口裂け女「……アイツ、時間はちゃんと伝えたのに。いいわ、無理矢理叩き起こしてあげる」
口裂け女「」スゥ
幼女幽霊「あっ!やばい!耳塞げ!」ギュッ
テケテケ「!!」ギュッ
DQN幽霊「えっ、なに?」
117 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/08(日) 03:36:13.99 ID:NnIL/Ltxo
口裂け女「おい!!!!!こっくり!!!!!おい!!!!こっくり!!!!いいからさっさと出てきやがれ!!!!いやがったらはいに進みやがれ!!!!!」
DQN幽霊「!?」ビクッ
DQN幽霊(な、なんだこれ!?耳が潰れそうだ……!なんで幽霊なのにこんな音が聞こえッ……!?)
幼女幽霊「言い忘れたけどさ、口裂け女さんの声ってめちゃくちゃ響くんだよね。文字通り魂にまで」
テケテケ「怒るとめちゃくちゃうるさいんだよー!だからなるべくみんな怒らせたくないのー!のー!」
DQN幽霊「さ、先に言ってくださいよ……」プルプル
スッ……
口裂け女「あら?10円玉が動き始めたわね」
118 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/08(日) 03:37:49.88 ID:NnIL/Ltxo
『う』
『る』
『さ』
『い』
幼女幽霊「うるさい?」
テケテケ「あははー!言えてるー!るー!」
口裂け女「アンタが寝てるから悪いんでしょうか」
『な』
『ん』
『で』
『よ』
『ん』
『だ』
『の』
口裂け女「なんでって、まさか忘れたの?今日はみんなで集まるって約束してたでしょうか」
119 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/08(日) 03:38:55.39 ID:NnIL/Ltxo
『わ』
『す』
『れ』
『て』
『た』
口裂け女「はぁ……そんなことかと思ったわ」
DQN幽霊(……もしかして、10円玉での筆談でしか会話できないのか?テ、テンポ悪いな)
テケテケ「久しぶりー!こっくりさん!ねぇ、いつものあの姿見せてよー!よー!」
DQN幽霊(あの姿?や、やっぱり10円玉が本体じゃなかったんだな。狐の霊らしいが、一体どんなやつなんだ……)
『わ』
『か』
『っ』
『た』
ボンッ
120 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/08(日) 03:40:01.09 ID:NnIL/Ltxo
尻尾『』フリフリ
テケテケ「わー!フサフサー!気持ちいいー!いいー!」モフモフ
DQN幽霊「……」
幼女幽霊「あれがこっくりさんの実体の狐の尻尾だ。めちゃくちゃ毛艶いいから触ったら気持ちいぞ」
DQN幽霊「そ、そっスか」
口裂け女「さて、これであと残り三人ね。花子さんはもうじき来ると思うけど」
「もういるぞ。とっくにな」
121 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/08(日) 03:40:58.48 ID:NnIL/Ltxo
花子「ここのトイレは設備は整っているが、掃除がなっていないな。一体誰が当番じゃ?」
幼女幽霊「あ、花子さんご無沙汰です」
幼女幽霊「トイレの当番はこいつですよ。前に言ってた新人のDQN幽霊です」
花子「ほう……そうか。主が噂の」ジロッ
DQN幽霊「」ビクッ
花子「ふむ、掃除が下手そうな顔をしておるわ。いいか、次からはもっと腰を入れて磨くんじゃぞ。トイレは心の安息所、そこが汚れたままならば人の心も穢れる」
DQN幽霊「わ、分かりました……」
DQN幽霊(……って言われても、俺も先輩もトイレ使わないしな。ここにあるの全部来客用だし)
122 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/08(日) 03:42:25.19 ID:NnIL/Ltxo
花子「ん?幼女、主、貴様……」
花子「…………」
花子「前より一段と可愛くなったか?」
幼女幽霊「そんなぁ!花子さんも前より綺麗になってますよ!1歳くらい若返りました?」
花子「うぬ?分かるか?実は最近いい化粧水を見つけてな。それを使ったせいかもしれん」
DQN幽霊(幽霊に化粧水ってなんだよ)
DQN幽霊(しかし、こう見比べてみると……先輩と花子さんって何か似てるな。同じ幽霊だし、子供の姿だし)
DQN幽霊(まあ口調はかなり違うけど。これが噂のロリババアってやつか)
123 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/08(日) 03:44:33.26 ID:NnIL/Ltxo
テケテケ「花子ちゃーん!ちゃん!」ダキッ
花子「おうっ、主はいつも元気じゃな。テケテケよ。口裂け女も、相変わらず化粧が濃いな」
口裂け女「一言余計だっての」
花子「ん?まだひきことメリーは来てないのか」
幼女幽霊「まあメリーさんはあの能力がありますし、すぐ来るんじゃないですか?ひきこさんちゃんの方は分からないですけど」
テケテケ「ひきこちゃん来ないのー?のー?」モフモフ
尻尾『』フリフリ
口裂け女「来ないってことはないわよ。あの子は自分だけ仲間外れにさせられるってことが一番嫌な性格してるし。もうすぐ――」
ドゴォォォォン!!!!!!!!!!!
「「「「「「 !? 」」」」」」クルッ
124 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/08(日) 03:45:18.44 ID:NnIL/Ltxo
DQN幽霊「え、なんスか今の音。上から何かが壊れたような音がしたんスけど」
幼女幽霊「ここは地下だから、ちょうど正面出入り口の辺りだね。ってことは」
口裂け女「……アイツね。間違いないわ」
テケテケ「こんなこと出来るの一人しかいなもんねー!ねー!」
尻尾『』フリフリ
花子「ひきこの奴、門を壊して入ってきおったな」
125 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/08(日) 03:47:14.02 ID:NnIL/Ltxo
パラパラッ……
ひきこ「……壊れた」
ひきこ「……これって、私が悪いの?普通に開けただけなのに」
ひきこ「……いや、違う」
ひきこ「私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない
私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない
私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない
私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない
私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない」
ひきこ「……よし、落ち着いた。行こう」スタスタ
126 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/08(日) 03:48:05.51 ID:NnIL/Ltxo
今日はここまで
少し書き溜めが減ってきたのでちょっと更新ペースが遅くなるかもしれないです
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/08(日) 12:14:35.97 ID:7gQZfYrw0
了解です、更新のペースに関してはお気になさらず気長に待ってますので
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/08(日) 18:05:28.60 ID:MSs5PxRbo
乙です
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/08(日) 20:49:28.67 ID:7TCJ2y130
霊能少女のピンチに妹が助けに来ないかな、正直今回は霊能者少女だけだと厳しいと思う
130 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/09(月) 01:38:20.01 ID:mzE0QKiko
DQN幽霊「え?今のがひきこさんなんスか?」
幼女幽霊「まず間違いないよ。開ける時に間違って壊しちゃう人なんて、ひきこさんちゃんぐらいしかいないし」
口裂け女「あの子、未だに自分の力が制御出来ないらしいわ。まあ力が力だし、仕方ないとは思うけど」
テケテケ「強いもんねー。ひきこちゃんって。わたしも腕相撲したことあるけど、腕が取れちゃったよ!よ!」
尻尾『』フワフワ
花子「単純な力ではあれに勝る者はいないであろうしな。儂でも聞いたことがない程じゃ」
DQN幽霊(や、やっぱり……強いのか。そんなに)
幼女幽霊「じゃあDQN、ひきこさんちゃん迎えに行ってあげて」
DQN幽霊「えっ!?俺が!?なんでっスか!?」
幼女幽霊「だってこの中だとお前が一番格下だし、いいから早く行け」
DQN幽霊「う、うそぉ……」
131 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/09(月) 01:39:30.48 ID:mzE0QKiko
ひきこ「…...」
ひきこ「……みんな、どこにいるの?見当たらない」キョロキョロ
ひきこ「……まさか、女子会っていうのは嘘で、私を騙した?」
ひきこ「……」
ひきこ「……いや、それはないか。幼女ちゃんがそんな酷いことするわけないもん。“アイツラ”じゃあるまいし」
ひきこ「……でも、もし本当にそうだったら」
ひきこ「みんな、挽いてやる」ゴォォ
DQN幽霊「あ、あのぉ〜……」
ひきこ「!?」バッ
ひきこ「……誰?」
132 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/09(月) 01:40:19.96 ID:mzE0QKiko
DQN幽霊「あ、どうも。お初にお目にかかります。自分、新人のDQN幽霊です」
DQN幽霊「ほ、他の皆さんはもう既に地下に集まっているので、案内にきたっス……じゃなかった、来ました」
ひきこ「……そう。分かったわ。じゃあそこまで連れて行って」
スタスタ スタスタ
ひきこ「……」
DQN幽霊「……」
DQN幽霊(ぶ、物理最強の怪物だって言うからどんなゴリラ女かと思ったら……前々そうは見えないな)
DQN幽霊(髪は長め、雰囲気はかなり暗そうなタイプ……想像と真逆だな)
DQN幽霊(しかし――)チラッ
133 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/09(月) 01:41:33.67 ID:mzE0QKiko
ひきこ「……」
DQN幽霊(む、胸はかなりでかい。俺の眼だと、ありゃG以上はあるぞ。先輩と比べたら正に天と地だ)
DQN幽霊(こりゃ確かに最強だわ……うん、間違いない)
ひきこ「……何か?」
DQN幽霊「い、いやっ!?そ、そのっ」ビクッ
DQN幽霊「そ、想像とだいぶ違う感じだなって。ひきこさんは力が凄いと聞いていたので、屈強な肉体を持つお方だと思っていたんですけど」
DQN幽霊「実際はとてもお綺麗で、まるでお姫様のような方だな……」
ひきこ「……」
134 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/09(月) 01:42:40.04 ID:mzE0QKiko
ひきこ「……ねぇ、あなたはイジメってしたことある?」
DQN幽霊「え?イジメっスか?」
DQN幽霊(イジメ、そういえばひきこさんはイジメが原因で自殺したんだっけか。あ、あんまり触れたくない話題を振られたな)
DQN幽霊「い、いや、自分はしたことないっスね。自分、こんな身なりなんスけど、グループの中ではかなり下の方にいましたから」
DQN幽霊「まあパシリってやつです。今でも幽霊としての力は一番下っスから、あんまり変わってないっスけどね」
ひきこ「……そう」
ひきこ「ごめんなさい。あなたのことを誤解してたわ。そんな見た目だから、てっきり私の一番嫌いなアイツラの同類かと」
DQN幽霊「ア、アイツラって?」
135 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/09(月) 01:43:30.78 ID:mzE0QKiko
ひきこ「……私を殺したやつらのことよ。知識も良識も常識もない、人未満の猿共」
ひきこ「最低のやつらだったわ。死んで当然の社会のゴミ、まあ最後は私が殺してやったんだけど」
DQN幽霊「……!」ゴクリ
DQN幽霊「も、もし俺がそいつらと同類だったら……どうしたんスか?」
ひきこ「……挽殺した」
DQN幽霊「」ビクッ
ガチャ
DQN幽霊「お、お待たせしたっス」
ひきこ「…...」
136 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/09(月) 01:45:03.45 ID:mzE0QKiko
幼女幽霊「あ、ひきこさんちゃん久しぶりー」
ダキッ
ひきこ「会いたかった。あぁ。やっぱり幼女は可愛いなぁ」ギュー
幼女幽霊「あ、あはは……わ、分かったから。離れて、ちょっと苦しい」
幼女幽霊(ひきこさんちゃんの力って幽霊にも通じるからな。やっぱりちょっと危ないや)
口裂け女「アンタ遅いのよ。とっくに待ち合わせ時間遅刻してるわよ」
ひきこ「……」
ひきこ「……相変わらず化粧が濃いな。おばさん」
口裂け女「あ?今なんつった?」
137 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/09(月) 01:47:15.86 ID:mzE0QKiko
DQN幽霊「え、なんスか?あの二人って仲悪いんスか?」ボソッ
幼女幽霊「いや、仲が悪いっていうか……ひきこさんちゃんが一方的に毛嫌いしてるっていうか」
幼女幽霊「実は口裂け女さんってさ、生前はレディースの頭だったらしいんだよ。今でも若干スケバンっぽいだろ」
DQN幽霊「あぁ、ちょっと分かるっス」
幼女幽霊「だから、その雰囲気が気に入らないらしくてさ。会うたびにあんな感じなんだ」
DQN幽霊「そうだったんスか……自分はそんな態度はとられなかったっスけどね」
幼女幽霊「いやだって、お前見た目は若干不良っぽいけどそれだけだろ。まったくオーラないし、イキってるようにしか見えないし」
DQN幽霊「……」
138 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/09(月) 01:48:53.36 ID:mzE0QKiko
テケテケ「ひきこちゃんも久しぶりー!会いたかったよー!よー!」ダキッ
ひきこ「あぁ、テケテケちゃんも可愛いなぁ……元気だった?あのおばさんに変なことされてない?」
口裂け女「あ?」
テケテケ「うん!わたしはいつも元気だよ!」
テケテケ「でも昨日は無理矢理ピーマン食べさせられたんだ!おぇおぇ」
ひきこ「それ児童虐待だよ。急いで警察に行こう」
口裂け女「ええい、いい加減にテケテケから離れなさいよ。このロリコンが」
ひきこ「あ?誰がロリコンだって?」
パチパチッ……パチパチッ……
DQN幽霊「先輩!火花が出てるっスよ!止めなくていいんスか!?」
幼女幽霊「大丈夫だって、大抵は軽い口喧嘩だけだし。殺し合いに発展するのはたまにしかないよ」
DQN幽霊「殴り合いじゃなくて、殺し合いの時点でヤバいっスよ」
139 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/09(月) 01:50:22.36 ID:mzE0QKiko
花子「これ、主らもこんなところで喧嘩はやめておけ。せっかく遠路遥々皆の衆が集まったんじゃ。今日くらいは仲良くせんか」
ひきこ「……花子さんに免じて今は引いてあげるわ。感謝しなさい、お・ば・さ・ん」
口裂け女「このガキが……!人が黙って聞いてたら好き勝手言って……!」
幼女幽霊「ま、まあまあ……あ、ひきこさんも揃いましたし、あと来てないのはメリーさんだけですね。珍しい」
口裂け女「っ……確かに、メリーが遅れるのは珍しいわね。この中だと遅刻と一番縁遠いのに」
花子「誰かあやつの連絡先を知っているやつはいないのか?電話をかければ瞬時に飛べるんじゃろ?」
口裂け女「別に電話じゃなくても良かったと思うけど、なら私がかけてみるわ」スッ
プルルルルルル……
幼女幽霊「ん?」
幼女幽霊「あ、ごめんなさい。私の携帯だ。番号は……非通知?」
140 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/09(月) 01:51:23.94 ID:mzE0QKiko
DQN幽霊「先輩、もしかしてメリーさんじゃないんスか?」
幼女幽霊「う、うん……多分そうだと思う。私の携帯って基本的に連絡には使ってないし、このタイミングってことはあの人しかいないだろうし」
幼女幽霊「でも……私、メリーさんに番号教えてないんだけど。なんで分かったんだろ?」
口裂け女「いいから早く出なさいよ。コール切れるわよ」
幼女幽霊「あ、はい。分かりました」スッ
幼女幽霊「もしもし?メリーさん?」
『……』
幼女幽霊「おーい、もしもーし」
DQN幽霊「!?」
141 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/09(月) 01:55:37.57 ID:mzE0QKiko
幼女幽霊「あれ……何かずっと無言電話なんですけど」
DQN幽霊「せ、先輩……う、後ろ……」
幼女幽霊「は?後ろ?」クルッ
メリー「バァッッッ!!!!!!!!」
幼女幽霊「うわぁ!?」ビクッ
メリー「あははは!ごめんなさい、せっかくだから驚かしてあげましょうと思って、びっくりなさりましたか?」
幼女幽霊「い、いや!めちゃくちゃビビりましたよ!もう、声かけてくださいよ!」
DQN幽霊(せ、先輩が簡単に後ろを取られた。しかもこの人、突然に、まるで最初からそこにいたように、自然に現れた)
DQN幽霊(こ、これが……メリーさんの瞬間移動。やべえな……)
メリー「皆さん、ごきげんよう。あぁ、このような場にお呼び頂き、光栄の至りですわ」
メリー「リリー、ここに馳せ参じました。少し遅れてしまって申し訳ございませんわ」
142 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/09(月) 01:56:07.11 ID:mzE0QKiko
今日はここまで
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/09(月) 02:03:52.97 ID:ObgbqU530
とうとう女子会の幽霊達もとい妖怪達が揃いましたね、霊能少女来るかな? 乙でした
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/10(火) 10:10:15.19 ID:rfFYYPa6O
メリーさん怖い
つうかお人形だったっけかメリーさんって。お人形マジで怖い。
昔からそんなに人形苦手なのに、ついSDドールに手を出してしまったから毎晩怖い。可愛さ余って怖い。
145 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/11(水) 20:56:25.21 ID:w3bi2vT1o
ごめんなさい週末までちょっと更新できなさそうです
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/11(水) 23:15:19.96 ID:cmnmd5Fb0
お気になさらずこちらは気長に待ってますので、その変わり丁寧な作品をお願いしますね
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/11(水) 23:58:07.39 ID:Ufuydfmj0
お前は何様のつもりでそれ書き込んだの?
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/12(木) 23:04:21.16 ID:zc2+UVEXO
スルーせい
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/15(日) 15:20:34.39 ID:FYD6Xbj+0
今日は日曜日で週末の最後の日だから今日の夜かな、更新が再開するのは
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/15(日) 19:39:40.49 ID:c67Lj+Vl0
来週末だろうが来年の週末だろうが貴様の知ったことではない
151 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/16(月) 22:27:58.92 ID:6NZ/MsyBo
テケテケ「リリー!おひさー!ひさー!」ダキッ
メリー「えぇ、お久しぶりですわ。相も変わらずお元気そうで安心しました」
花子「ふむ、これで全員揃ったかの」
幼女幽霊「ですね」
DQN幽霊「……」ゴクリ
DQN幽霊(あ、改めて考えると……俺、何かすごい場違いだよな)
DQN幽霊(足付きでその実力は折り紙付きの先輩、その存在はまさに死せる伝説の口裂け女、テケテケ、こっくりさん、花子さん、ひきこさん)
DQN幽霊(そして……メリーさん)
DQN幽霊(ま、まさに最恐の女子会だ。ってか、この手の話って本当に女子率高いな……女の方が蘇る適正が高かったりするのか?分からん)
DQN幽霊(う、うわぁ……胃がないのに腹の辺りが痛くなってきた……早く終わんねぇかなぁ……)キリキリ
152 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/16(月) 22:29:26.11 ID:6NZ/MsyBo
幼女幽霊「んじゃ、全員揃ったところで乾杯しますか。ほらDQN、みんなに飲み物配って」
DQN幽霊「う、うす」
DQN幽霊「ど、どうぞ」サッ
メリー「あら?アナタは……見ない顔ですわね。新人さん?」
DQN幽霊「そ、そうです。新人のDQN幽霊です。よ、幼女先輩にこの病院に住まわせてもらってるっス」
DQN幽霊「よ、よろしくお願いします。え、えーっと……メ、メリーさん?」
メリー「そんな謙遜なさらなくて結構ですわ。どうぞ気さくに、リリーとお呼びください。DQNさん」
DQN幽霊「い、いやそんな!!!!「さん」なんてとても恐れ多いっスよ!!!!自分は下級霊で、生まれも育ちも最底辺っスから、どうぞ奴隷のように扱ってください!」
メリー「死者に生前の階級は関係ありませんわ。わたくしから見れば、皆さんは平等に敬愛すべき同胞です」
メリー「こんな不束者ですが、仲良くしてくださいな」
DQN幽霊(な、なんだ?この人……今まで会ってきた誰よりも丁寧な人だな。先輩とは大違いだ)
DQN幽霊(リリーの方は大人しくていい子だとは聞いていたが、まさか本当にその通りだとは……とても凶悪なもう一人の人格がいるとは思えないな)
153 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/16(月) 22:31:06.61 ID:6NZ/MsyBo
幼女幽霊「さ、グラスも渡ったことだし、やりますか」
幼女幽霊「かんぱーい!!!!」
「「「「「「 かんぱーい!!!!!!! 」」」」」」
DQN幽霊「か、かんぱーい」
DQN幽霊(……いや、俺、霊体だから飲めないんだけど)
ワチャワチャ……ワチャワチャ……
口裂け女「それでね、結局その乱暴なディレクターにこっちは車で轢き逃げされたわけ。本当に信じられないわ。今度会ったら八つ裂きにしてやる」
花子「……そやつ、儂のところにも来たぞ。取材だなんだの言っておったが」
尻尾『』ブンブン
口裂け女「え?こっくりさんもそいつに呼ばれたことあるって?」
154 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/16(月) 22:31:58.20 ID:6NZ/MsyBo
ひきこ「あぁ、テケテケちゃんは本当に可愛いな……」ギュッ
テケテケ「うげー!もうちょっと優しく抱いてよー!力強すぎー!ぎー!」
ひきこ「ねぇ、テケテケちゃん、あのおばさんのところじゃなくて、私の家に来ない?毎日美味しいお菓子をいっぱい食べさせてあげるよ?」
テケテケ「おっぱいで息できないよー!よー!」フガフガ
幼女幽霊「で、最後に私の奥の手でそのメスガキを負かしてやったんですよ!いやぁ、あれは本当に見事な作戦だった。うんうん」
メリー「まぁ!それは素晴らしいですわね!」
DQN幽霊(まーた話盛ってるよ、この人)
155 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/16(月) 22:32:52.28 ID:6NZ/MsyBo
幼女幽霊「リリーもこんな感じの霊能力者と戦ったことってあるの?口裂け女さんは名が知れ渡ってる大抵の怪物は戦ったことがあるって言ってたけど」
メリー「えぇ、ですが、わたくしはそのような争い事は好まないので、その手の輩が襲ってきた時はメアが対処していますわ」
メリー「狩人(ハンター)とわたくしの祖国の怪物は呼んでいました。異形の者を狩る人間のことを総称して、こう呼んでいると」
幼女幽霊「へぇ、やっぱりあるんだ」
幼女幽霊「……ねぇ、その狩人達ってさ、メアは殺したの?」
メリー「はい、一人残らず」
幼女幽霊「……」
DQN幽霊「……」
156 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/16(月) 22:33:48.63 ID:6NZ/MsyBo
幼女幽霊「リ、リリーはさ、メアが人を殺しても、何も感じない?一応、自分の身体なんだし、ちょっと嫌だなーとか思ったりとか」
メリー「……やはり、あまりいい想いはしませんわ。でも」
メリー「この世界は常に弱肉強食。人間が他の生命を喰らって生きるように、弱者が自然淘汰されるのはこの世界の理だとわたくしは感じています。世界がそうなると仕向けているなら、わたくしはそれに従うまでです」
幼女幽霊「そ、そっか」
DQN幽霊「……」
DQN幽霊(あぁ、そうか。多分、死者になるとこの考え方が普通になるんだろうな)
DQN幽霊(もはや、人間は自分と違う生物なんだ。俺も、心当たりがないわけじゃない。降りかかる火の粉は払い殺す。向こうも全力でこっちを殺しに来ているんだから、こっちも相応の殺意を持たないと死ぬ)
DQN幽霊(でも、先輩は……多分、そんな考えをこの中で唯一持っていないんだろう。あの女が襲ってきた時も、全力で殺す気でいたらもっとやりようはあったはずだ。本当、優しいていうか、甘いっていうか……)
DQN幽霊(まあ、そこが先輩のいいところだけどな)
157 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/16(月) 22:35:31.67 ID:6NZ/MsyBo
メリー「最近は狩人の数も少なくなってきましたけどね。というより……どうやら、わたくし達が彼らのブラックリストに入ってしまったようで、もう向こうから襲ってくることはなくなりましたけど」
幼女幽霊「え、ブラックリストってどういうこと?」
メリー「どうやら、彼らをメアが逆に刈り過ぎてしまったようでして……こちらから手を引いたと聞きましたわ。真偽は分かりませんが、その証拠にここ十年は一人も見ていないと聞いています」
幼女幽霊「マ、マジですか……」
DQN幽霊「は、半端ないっスね」
ドスンッッッッ!!!!!!!
メリー「あら?」クルッ
DQN幽霊「なっ!?な、なんスか今の音!?」クルッ
幼女幽霊「あ、やばい……あの破壊音を出せる人物は一人しかいない」
158 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/16(月) 22:36:40.62 ID:6NZ/MsyBo
口裂け女「コイツ……!!今のパンチ本気だったわね。当たったらどうするつもりなの」
ひきこ「本気?軽く撃ったつもりだったんだけど」
ひきこ「あっ、ごめん。あなたにはこの程度の力でも死んじゃうか」フフッ
口裂け女「……あ?」プチッ
口裂け女「はぁ……クソガキが。下手に出たら調子に乗りやがって」
口裂け女「アンタ、自分がこの私より強いと思ってんの?力の差すら理解していないようね」
ひきこ「……あ?じゃあ試してみる?」
口裂け女「いいわよ。そろそろ教育が必要だと思っていた頃だし」グッ
口裂け女「かかってきなさい。年季の違いってもんを教えてあげるわ」
ひきこ「……っ!!!!」ダッ
159 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/16(月) 22:37:57.05 ID:6NZ/MsyBo
花子「そこまでじゃ」ピッ
花子「まったく、だからやめろと言っておるじゃろ。二人とも冷静になれ。特にひきこ」
幼女幽霊「そ、そうですよぉ……喧嘩はやめましょうよぉ……」ヒョコッ
幼女幽霊(冗談じゃない。こんなところで二人に暴れられたら……私の病院がぺしゃんこになる)
DQN幽霊「ウ、ウス。仲良くが一番っスよ」ヒョコッ
メリー「そうですわ。同じ死人同士、踊らにゃソンソンというやつです」
尻尾『』フリフリ
テケテケ「えー?わたしはどっちが勝つか気になるけどなーなー」
口裂け女「……チッ。私は最初から冷静だっての。問題なのはそこのクソガキだけでしょ」
口裂け女「生前にイジメられて自殺したからって、その八つ当たりを私にぶつけるのはやめてほしいわ」
ひきこ「……あ?なんだって?」
160 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/16(月) 22:38:54.30 ID:6NZ/MsyBo
花子「はぁ……やめんか。前のことに関してとやかく言うのは禁句だと前に決めたじゃろ」
花子「口裂け女、主もその裂けた口の過去について言われるのは嫌だと言っておったじゃろ」
口裂け女「……」
花子「ひきこ、主はいい加減に挑発するのはやめろ。どうしても相性というものがあるのは分かるが、公の場では控えるべきじゃ」
ひきこ「……だって」
花子「だってもひったくれもない。次につまらん争いをしたらさすがの儂も怒るぞ」
ひきこ「……ごめんなさい」
161 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/16(月) 22:40:16.99 ID:6NZ/MsyBo
DQN幽霊(おぉ……さすが最年長の花子さんだ。あのひきこさんと口裂け女の争いを簡単に収めた)
DQN幽霊(実力的にはメリーさんを除くと花子さんが一番強いのか?まあ70年近くも幽霊やってるもんな。存在自体がレジェンドか)
幼女幽霊「さ、さあ!仲直りもしたことですし、そろそろメインイベントでもしましょうか!」
幼女幽霊「レッツ!焼肉パーティー!!」
DQN幽霊(え?焼肉?)
162 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/16(月) 22:41:23.24 ID:6NZ/MsyBo
ジュー……ジュー……
長髪白装束娘「うひょー!そろそろ焼けてきたな!」
長髪白装束娘「今日のために特上肉を用意したんですからね!さぁ、ドンドン食べてください!!」
DQN幽霊「……」スッスッ
口裂け女「へぇ、いい肉仕入れたじゃない」モグモグ
テケテケ「んー♪おいしー♪しー♪」パクパク
尻尾『』モグモグ
花子「うむ、美味じゃな」モグモグ
ひきこ「……おいし」モグモグ
メリー「たまにはこういう食事もいいですわね」モグモグ
DQN幽霊(……なんで幽霊や怪物が集まって廃病院で焼肉してるんだ。しかも俺以外みんな肉体持ってるし。俺だけ肉食えねえし)
DQN幽霊(しかも、ここ病院の地下だぞ。めっちゃ煙いわ)
163 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/16(月) 22:42:34.30 ID:6NZ/MsyBo
モクモク……モクモク……
口裂け女「ねぇ、換気したら?さすがにここだと煙が立ち込めるんだけど」
長髪白装束娘「あーすみません。ここ換気扇ないんですよ。普段使う機会なんてないですし。隠し通路ならあるんですけど」
口裂け女「マジで?いや私達なら一酸化炭素中毒の心配はないけど、さすがにうざったいわね」
テケテケ「んー確かにちょっと気になるね。ね」
ドゴオオオオオオオオオン!!!!!!!!
ひきこ「……これでいいでしょ」モグモグ
花子「む、確かに風通しはよくなったな」
メリー「ワオ!さすがひきこさんですわね!」
尻尾『』モグモグ
長髪白装束娘「あ、はい……」
長髪白装束娘(え、ちょ、何無断で人の家の天井ぶち破ってんの?それ後で修理するの私なんだけど……)
164 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/16(月) 22:43:56.38 ID:6NZ/MsyBo
DQN幽霊(うわぁ、さすが物理最強。ちょっと殴っただけで上まで大穴開けやがった。本当にその気になればこの病院なんて一瞬で潰せるな)
DQN幽霊(……先輩はみんなが帰ったら一人であの穴を修理するのか。大変だな)
DQN幽霊(……)
DQN幽霊(んなわけないだろ!いい気味だわ!一人だけ肉体出して特上肉食いやがってええええええええええええ!!!!俺は食えねえのにいいいいいいい!!!!!)
DQN幽霊(もっと暴れていいっスよ!ひきこさん!先輩に報いを与えてやれ!)
長髪白装束「ん?おいDQN、手が止まってるぞ。早く焼けよ。お前どうせ食えないんだから」モグモグ
DQN幽霊「」イラッ
DQN幽霊「はい、先輩。この肉焼け頃っスよ。どうぞ」
長髪白装束娘「おっ、サンキュー」パクッ
長髪白装束娘「……これまだ生じゃねえか!!!!!!」
165 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/16(月) 22:44:47.21 ID:6NZ/MsyBo
今日はここまで
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/16(月) 22:48:29.90 ID:ByqSIaue0
おお、再開してくれましたか嬉しいです
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/16(月) 22:51:14.55 ID:v/NdGc4Eo
乙です
人間側にはコイツらに勝てそうな強者はおらんのか
168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/17(火) 00:34:27.90 ID:YugD6Smjo
ひきこさん行動が問題ありすぎて性格が原因でイジメられたのでは…
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/17(火) 05:05:27.67 ID:4VhEk+mH0
乙
久しぶりだったから前のも見てやっと追いついた
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/18(水) 02:25:28.78 ID:6zGhU87Y0
今日の更新はなしか、
171 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 15:38:55.91 ID:CDb9nI8Qo
テケテケ「うまっ!うまっ!」モグモグ
口裂け女「コラ、野菜もちゃんと食べときなさいよ。栄養偏るわよ」
テケテケ「えー別にいいじゃん。わたし人間じゃないし、し」
口裂け女「んなこと言ってるからいつまで経っても身体が大きくならないのよ。アンタ、今年でその姿のまま何年経ったのよ」
テケテケ「んー……20年くらいかな?かな?」
口裂け女「ほら見てみなさい。このままだとずっと幼児体型のままよ」
テケテケ「むー!その気になればわたしも大人になれるもん!もん!」グッ
口裂け女「こんなところで下半身出そうとしない。帰りに誰が運ぶと思ってんのっと」ヒョイッ
グッ
口裂け女「ん?」グイッ
ひきこ「……」グイッ
172 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 15:40:25.99 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女「……ちょっと、箸を離してくれない?その肉は私が先に取ったんだけど」
ひきこ「……嘘。私の方が速かった」
口裂け女「」イラッ
口裂け女「た、確かに。アンタの方が一瞬速かったわ。そこは認めてあげる……でも、年功序列って言葉知ってる?ここは目上の私に譲る場面よ」グイッ
ひきこ「それは人間社会の話。死者の世界は完全実力主義。だからこの肉は私のモノ」グイッ
口裂け女「あ、あのねぇ……肉なら他にもあるでしょ。どうしてそんな意地を張るわけ?さっき花子さんに注意されたこともう忘れたの?」
ひきこ「それとこれは話が別。他の肉なんて関係ない。今、この肉は私が食べる権利がある」
ひきこ「ここで譲るのは納得出来ない。正当性があるのは私の方」
口裂け女「……あぁん?いいから寄越しなさいよ。ここまで来たら私も引かないわよ」グッ
ひきこ「そう、なら勝手に食べれば?私からこの肉を奪えたらの話だけど」グイッ
口裂け女「!?」ブンッ
口裂け女(こ、こいつ……強引に肉を!単純な力勝負だとこいつにはまず勝てない!このままだと肉が……!)
173 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 15:41:26.55 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女「こ、こいつ……!!」グイッ
ひきこ「……ッ!!」グッ
メリー「いいのですか?あのお二方、また争いをしているように見えますわ」
花子「もう儂は知らん。それより今は肉じゃ」パクッ
花子「あんだけ釘を刺したんじゃ。小競り合いはあっても声を荒げるような真似はもうないじゃろ。多分な」モグモグ
メリー「そ、そうですわね」チラッ
口裂け女「ぐおおっ……!!」グイッ
ひきこ「ぬぐぐ……っ!!」グイッ
尻尾『』モグモグ
DQN幽霊「……」
DQN幽霊(誰も突っ込まないけど、こっくりさんはどうやって食ってるんだよ)
174 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 15:42:27.63 ID:CDb9nI8Qo
長髪白装束娘「あ、花子さん。一杯どうぞ」スッ
花子「む?おぉ、悪いな。酒まで用意しておったのか」
長髪白装束娘「一応、飲む人もいるかと思って用意しときました。私はあんまり詳しくないですけど、この銘柄花子さんが好きだって前言ってましたし」
花子「んっ……ぷはぁ。やっぱり美味じゃね。肉とよく合うわ」
花子「幼女、主は飲まないのか?」
長髪白装束娘「私まだギリギリ未成年ですよ。飲めませんって」
長髪白装束娘「それに、前に一度飲んだことあったんですけど……まだ口に合いませんでした」
花子「ふふ、まだまだ子供じゃのう幼女も……この味が分からんとは」ゴクッ
長髪白装束娘(……見た目的には花子さんが一番子供ですけどね)
175 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 15:43:21.78 ID:CDb9nI8Qo
長髪白装束娘「あ、そうだ。花子さん、知ってますか?あの去年あったカルトの集団自殺」
花子「あぁ……あったな。そんなことも。あれがどうかしたのか?」
長髪白装束娘「いや、個人的に何か気になっている事件なんですよね。だって、一気にあれだけの人数が自殺するなんて……尋常じゃないですよ」
長髪白装束娘「事情通の花子さんなら、もしかして世間では出てない情報も知ってたりするのかな、とか思ったんですけど」
花子「……」
花子「……確かに、あの事件は尋常ではないな。儂も長いこと幽霊をやっているが、あんな気配を感じたのは初めてじゃ」
長髪白装束娘「え……?ど、どういうことですか?」
花子「一応、儂も何か気にかかってな。事件が起きた後、すぐに現場に行ったんじゃ」
花子「直接、あの空気を体感した身から言わせれば……確実に、あの宗教団体は何かを企んでいたことは間違いない。霊的な、それすらも超越したモノを呼び出そうとしていた」
長髪白装束娘「え!?マ、マジですか!?」
176 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 15:44:48.03 ID:CDb9nI8Qo
花子「あぁ……主も、ニュースや記事で知っておるはずじゃ。地下に妊婦が監禁されていたと」
花子「そこで、何かが起きたのは確かじゃ。あの残り香……今までに感じたことのない気を感じた。邪悪というには余りに純粋、殺意というには余りに鋭い、そんな気がな」
花子「……もしかしたら、奴等はそれを呼び出すことに成功したのかもしれん。その証拠に、現場の近くではソレに誰かが応戦したと思わしい跡がいくつかあった」
長髪白装束娘「応戦って……誰がですか?」
花子「誰、という問いには答えられないが……恐らく、その場に居合わせた力を持つ人間じゃなろうな。それもかなり強力な」
花子「勝敗も、恐らくその人間が勝ったと思われる。近くの井戸に、封印式が張ってあった。状況から見れば、呼び出されたモノを封印することに成功したのじゃろうな」
花子「……まあ、その封印式も外部から破られていたがな。結果的に言えば、その宗教団体が呼び出したモノは現在も、どこかでのうのうと自由を満喫しているということになる」
長髪白装束娘「そ、それって……」
177 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 15:45:33.62 ID:CDb9nI8Qo
花子「ま、結局は全て状況証拠からの推測でしかない。真実は当事者たちにしか分からんということじゃな」
花子「さ、こんな辛気臭い話は終わりじゃ。女子会を楽しむとするかの」
長髪白装束娘「あ、はい……」
長髪白装束娘(や、やっぱり噂は本当だったんだ。あの事件はただのイカれたカルトの集団自殺じゃない。とてつもない闇の裏がある)
長髪白装束娘(あー……めっちゃ興味あるなぁ。私も野次馬に行きたい。でも私の行動範囲は広まった今でもこの町いっぱいくらいしかないし……)
長髪白装束娘(いっそのこと向こうから来てくれないかなぁ)
178 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 15:46:34.15 ID:CDb9nI8Qo
……………………………………………………………
…………………………………………
ポーン ポーン
メリー「あら?もうこんな時間ですわね」
メリー「申し訳ございません。皆様方、わたくしはここでお暇させてもらいますわ」
長髪白装束娘「え?もうリリー帰っちゃうの?」
メリー「はい、実はこの後、少し用事があるので……すみません。このような日に」
メリー「今日はとても楽しい日でしたわ。また機会があったら声をかけてください。すぐに飛んできますから」ペコリ
DQN幽霊「お、お疲れ様っス!」
口裂け女「ん、お疲れ」
テケテケ「バイバイー!バイ!」
花子「またの」
メリー「では、皆様方の明日に幸運があるように祈っていますわ。さようなら」
シュンッ
179 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 15:47:37.52 ID:CDb9nI8Qo
テケテケ「あーリリー行っちゃたねぇ。寂しいなぁなぁ」
DQN幽霊(ほっ……よ、よかった。メアの方は結局出てこなくて)
DQN幽霊(多分、安堵してるのは俺だけじゃないはずだ。みんな心のどこかで……先輩みたいに、メアを恐れていたんだろうな。空気が変わった気がする)
DQN幽霊(ほんと、リリーの方はこの中で一番の淑女なのになぁ……)
ひきこ「Zzz……Zzz……」
長髪白装束娘「ひきこさんちゃん、ちょっと起きてよ。ここで寝ないで」
口裂け女「そいつ、そんな酒飲めないくせに結構行ってたわね。もう潰れて今日は動けないんじゃないの」
長髪白装束娘「えっ!?ちょ、お、起きてよ!ひきこさんちゃん!!」
長髪白装束娘(じょ、冗談じゃない!ひきこさんちゃんをこの病院に泊めたら……寝返りを打つだけであちこち壊されかねない!!)
180 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 15:48:50.53 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女「もう瞬間移動で適当な場所に飛ばしたら?」
長髪白装束娘「え、い、いいんですかね。そんなことして」
口裂け女「だって起きないんじゃ仕方ないでしょ。後でアンタから謝罪メールでも送っておけば、そんな怒らないわよ」
長髪白装束娘「そ、そうですね……うん、よし」グッ
長髪白装束娘「ひきこさんちゃんごめん!じゃあバイバイ!」
ひきこ「Zzz……Zzz……」シュンッ
長髪白装束娘「ふう……後でvsひきこさんシリーズの映画見るから許してね。ごめん」
尻尾『』ツンツン
長髪白装束娘「ん?どしたのこっくりさん」
181 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 15:50:30.82 ID:CDb9nI8Qo
尻尾『』フリフリ
長髪白装束娘「え?こっくりさんも帰るの?」
尻尾『』コクッ
長髪白装束娘「分かった。じゃあこれ、お土産のお稲荷さん。帰ったら食べて」
尻尾『』スリスリ
長髪白装束娘「わっ、そんなに嬉しいの?くすぐったいって」
シュンッ
口裂け女「もう半分帰ったわね。どうする?もう私達も帰る?」
花子「そうじゃな。ここら辺でお開きにするか」
テケテケ「えー?もう帰っちゃうの?もっと遊びたいーいー」
口裂け女「仕方ないでしょ。ほら、準備した」
182 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 15:51:46.33 ID:CDb9nI8Qo
DQN幽霊(や、やっと終わったのか……ふう。長い一日だった)
DQN幽霊(あー……何とか乗り切った。一時はどうなることかと思ったが)
口裂け女「じゃ、今日は場所借りて悪かったわね」
長髪白装束娘「いえ!私も久しぶりにみんなと会えて楽しかったですし、またやりましょう!女子会!」
花子「うむ、身体には気を付けるんじゃぞ。幼女――色々とな」
テケテケ「バイバイー!幼女ちゃん!どきゅん!」
DQN幽霊「ウ、ウス。お気をつけてお帰り下さいっス」
長髪白装束娘「またねー!テケテケちゃん!」フリフリ
口裂け女「あ、DQN、ちょっと」クイクイ
DQN幽霊「え?お、俺っスか?何か?」
183 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 15:52:43.09 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女「いいから早く来なさいよ。何も取って食おうとはしないわよ」
DQN幽霊「な、なんスか?俺、何かやりました?」
口裂け女「そんなんじゃないって。耳貸して」
DQN幽霊「え、え?」スッ
口裂け女「もし、次に幼女に何かあったらアンタが止めなさいよ。あの子のことは任せたわ」ボソッ
DQN幽霊「?」
DQN幽霊「え?そ、それってどういう意味っスか?」
口裂け女「時が来たら分かるわよ。じゃあね」フリフリ
幼女幽霊「お達者でー!」フリフリ
DQN幽霊「……」
DQN幽霊(先輩に何かあったらって……どういうことだ)
184 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 15:53:51.92 ID:CDb9nI8Qo
テケテケ「あー!楽しかったなぁ!また女子会やろうね!ね!」
口裂け女「ま、そのうちね」
花子「最初はもっと早く集まる予定じゃったしな。次に皆の衆が揃うのはいつになるやら」
テケテケ「あ、そうだ。わたしずっと気になってたんだけどさ」
テケテケ「あれって本当に幼女ちゃんなの?前に会った時と全然気配が違ったけど」
口裂け女「……」
花子「……」
185 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 15:55:37.96 ID:CDb9nI8Qo
テケテケ「さすがに幼女ちゃん本人には聞けなかったから何も言えなかったけどさー何か違ったよね。ね」
口裂け女「アンタ、そんな気遣い出来るタイプだったのね。もっと無神経だと思ってたわ」
花子「全員気付いておったじゃろうな。分からなかったのは本人である幼女と下級霊のDQNくらいじゃろう。あえて言わなかったが」
テケテケ「む!わたしそんな無神経じゃないもん!もん!」
テケテケ「で、幼女ちゃんに何があったの?の?」
口裂け女「まあ……話を聞く限り、一年前に来た霊能力者ってやつが原因でしょうね。そいつとの戦闘で“突然変異”したんじゃないの」
花子「じゃな。ジバクからフユウ霊に変わったのがいい証拠じゃ」
テケテケ「とつぜんへんい????」
口裂け女「怪物にはない、幽霊だけが持っている特性。自らの概念すらも捻じ曲がらせて適応するのよ。肉体を持たない幽霊だからこそ可能な荒業ってやつ」
テケテケ「???」
186 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 15:57:24.46 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女「はぁ、アンタに分かるように説明するのは難しいわね。花子さん、任せたわ」
花子「うむ、まあようは身の危険を感じ、生き伸びる為に性質を変えて変化した、と言った方が分かりやすいな」
テケテケ「うーん、何となく分かるような、分からないような、な」
花子「そう難しく考える必要はない。幽霊というのは魂で出来た精神体じゃ。つまり、どんな形質にも変化することが可能ということなのじゃ」
花子「どのような環境にも、それに合わせて適応することが出来る。まあ滅多にない現象じゃがな。突然変異をした幽霊なぞ、足付きよりもっと数が少ない」
テケテケ「んー、でもそれって怪物にも出来るんじゃないのかな?かな?」
花子「怪物が出来るのはあくまで自己の肉体の変化、改造のみ、それも常識の範囲内でな。いくら頑丈と言っても、根本的には人間と変わらん」
花子「しかし、幽霊は肉体という器がない。つまり、器を自ら作ることが出来るんじゃ。これが幽霊の突然変異。ただの霊体ではなく、何かを取り込み一体と化した姿になる」
187 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 15:58:54.62 ID:CDb9nI8Qo
テケテケ「へー……例えばどんなのになるの?」
口裂け女「私が聞いた話だと、水や炎と一体化したって話は聞いたことあるわ。あと、細菌に適応して、呪いを感染させたりね」
花子「他にも、電子世界と融合し二次元の存在になったり、天災そのものに成り果てた奴もおるな」
テケテケ「うげぇ、何かゲームの話みたいだね。じゃあ幼女ちゃんはどんな突然変異になったのかな?かな?」
口裂け女「……さあね。目に見えた変化はなかったし、本人も気付いてないみたいだし」
花子「しかし、幼女も運がいいのか悪いのか……話を聞く限り、病院に来た霊能力者は二人組ではなく一人だったとはな」
口裂け女「あいつらって基本的にはコンビで襲ってくるしねぇ。一人でやって来たってことはよっぽどの馬鹿か、それともそれだけ腕に自信があるのか」
テケテケ「え?そうなの?なの?」
188 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 16:00:03.97 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女「覚えてないの?アンタを襲った狩人も二人組じゃないの?」
テケテケ「あっ、言われてみれば確かにそうだった気がする。する」
口裂け女「はぁ、しっかりしなさいよ」
口裂け女「そういえば私も単独でやってるやつは相手にしたことはないわね。花子さんは?」
花子「……あるぞ。半世紀ほど前に、一度だけな」
口裂け女「へぇ、強かったの?」
花子「まあな、儂の経験でもあれほど苦戦したのはあれが最初で最後じゃった。眼帯を付けた、見た目は儂と変わらん童女……」
花子「結局は勝負がつかず、両者痛み分けで終わったがな」
口裂け女「ふーん……なら、幼女もそれに近い状況に陥った可能性が高いわよね。それが突然変異のきっかけか」
口裂け女「やっぱ、追及するべきだったかしら。あの病院の嫌な雰囲気も気になってたし」
テケテケ「ねぇ、何か蒸し暑いというか、居心地悪かったよ」
189 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 16:00:45.18 ID:CDb9nI8Qo
花子「……いや、病院だけではない。僅かだが、この町全体に、病院と同じような気配がするぞ」
花子「もしかしたら、何かが起きようとしているのかもしれん。この町で、何かが」
口裂け女「どういうこと?」
花子「いや、儂にも分からん。ただ……生者でも死者でもない、何かの気配がするような……」
花子「…………」
花子「いや、辞めておこう。儂らはこの町とは無関係じゃ。余計な詮索はしない方がいいの」
花子「……ところで口裂け女、気付いておるか?」
口裂け女「……えぇ、とっくにね。さっきからこっちにビンビンに飛ばしてきてるし」
190 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 16:01:52.01 ID:CDb9nI8Qo
花子「……どうするのじゃ。儂も手を貸してやってもいいが」
口裂け女「いいわ。向こうは私に用があるみたいだし。花子さんはもう帰っていいわよ」
花子「……そうか。気を付けるんじゃぞ」
テケテケ「んー?何の話―?しー?」
花子「いや、では儂はここで失礼する。達者でな。テケテケ、口裂け女」シュンッ
テケテケ「あー……花子さん行っちゃったね。急にどうしたんだろ?だろ?」
口裂け女「テケテケ、ここの坂を下ったところに自販機があったでしょ。私、今すごく喉が渇いてるからお茶買って来て。500円あげるから、残りはアンタの好きなジュース買っていいわ」ピンッ
テケテケ「えっ!?500円もくれるの!?るの!?」
テケテケ「分かった!買ってくる!!くる!!」ビューン
191 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 16:03:14.72 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女「……さて」
口裂け女「これで邪魔者はいなくなったわよ。さぁ、姿を現しなさいよ」
口裂け女「――メア」
「あっはぁ♪さっすがァ……完全に気配消してたのに」スッ
メリー「やっぱり、私の眼に狂いはなったねェ……口裂けのおねーさん、アナタがあの中で一番強いんだねェ♪」
口裂け女「……」
192 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 16:03:50.03 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女(気配を消してた?どこが、こっちを睨み殺すくらいの殺気を放ってたくせに)
口裂け女「それで、何の用?今日はアンタは来ないってリリーから聞いてたんだけど」
メリー「別にィ?ただ挨拶に来ただけだよ。あなた達には手を出すなって、リリーから言われてるし」
メリー「ただ、あなたが私達とヤりたいって言うなら……話は別だけどォ」クスッ
口裂け女(つまり、ただの挑発に来たってことね。あーもう……面倒臭い)
口裂け女「お生憎様、こっちはアンタに全然興味ないわ。いいからさっさと消えなさい」
メリー「……そう、つまんないの」
193 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 16:05:03.50 ID:CDb9nI8Qo
シュンッ
口裂け女「!?」クルッ
メリー「動かないで♪首、切れるよ?」スッ
口裂け女(こいつ!瞬間移動で後ろに……)
口裂け女(やっぱり、この能力は驚異的だわ。どうしても判断が一瞬遅れる……もし、本気で殺しに来てたら、さっきの一瞬で殺されてた)
メリー「……やっぱり、口裂けのおねーさんでもこの程度か。これじゃあ私達の飢えは満たされないなァ……」
口裂け女「は?じゃあ試してみる?」ピキッ
メリー「強がってもダメだよォ?冷や汗、かいてるよ?」
メリー「ってなると……もう“影の王子様”しかいないよねェ。今、どこにいるんだか」
194 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 16:06:33.65 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女「……影の王子様?」
口裂け女「――!アンタ、それってまさか……」
メリー「そう、私達と対極の存在であるあの人。聞いただけでワクワクするよねェ……伝説の狩人なんて」
メリー「その殺し方も全て背後からの一撃、まさに私と同じ、これは運命感じちゃうよねェ?」
メリー「でも、いつまで待っても来てくれない……焦らされるのも悪くないけど、そろそろ渇き過ぎて干からびちゃうよォ」
口裂け女「……」
メリー「はァ、話してるだけで我慢出来なくなっちゃた。じゃあ、もうイクね?」
メリー「バイバイ♪口裂けのおねーさん♪」シュンッ
口裂け女「……っ」フゥ
口裂け女「はぁ……はぁ……クソ、もう最悪」グッ
195 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 16:07:47.49 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女(ちょっと後ろに回られただけで、こんなに汗が……やっぱりあの子達は別格だわ)
口裂け女(……影の王子様、か。確かに『禁忌』を倒すには同じ『禁忌』のアイツにしか出来ない。性質上、いつかは巡り合う運命か)
口裂け女(出来れば共倒れしてくれるのが私達怪物にとってはベストなんだけど……)
テケテケ「おーい!おーい!」フリフリ
口裂け女「……」
テケテケ「ん?どうしたの?何かあった?あった?」
口裂け女「いえ、何もないわ」
テケテケ「でも化粧落ちてるよ?よ?」
口裂け女「……!!」スッ
口裂け女「……今日は暑いわね。こんなにメイクが乱れるなんて、早く直さないと」
196 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 16:09:35.90 ID:CDb9nI8Qo
口裂け女「ん?お茶はどうしたの?」
テケテケ「あー……それがねーねー」
テケテケ「わたしの身長だと、ボタン押せなかったんだ。えへへ、へへ」
口裂け女「……馬鹿ね。ジャンプすれば届くでしょ」
テケテケ「あっ!そ、そうだ!しまった!った!」
口裂け女「はぁ。ほら、行くわよ。私が買ってあげるわ」
テケテケ「うん!うん!」
口裂け女(化け物は化け物同士で潰し合えばいい。私達は平穏に過ごさせてもらうわ)
口裂け女(――いつか来る、最後の時まで)
197 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 16:13:20.49 ID:CDb9nI8Qo
……………………………………………………………
……………………………………………
「一年振りか。ここに来るのは」
「……蒸し暑いな。これはただの気象現象じゃない。やっぱり、この町にいるのは間違いないか」
「さて、行くか……まずはあの病院に」
198 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2018/07/21(土) 16:13:57.53 ID:CDb9nI8Qo
今日はここまで
199 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/21(土) 18:27:38.58 ID:XaCdxoK/0
おお、今覗いたら更新されてた、霊能少女も来てついに地獄の連戦が幕を開ける感じですね、楽しみ
最初に霊能少女と戦う幽霊は誰になるんだろ? 次回も楽しみにしていますね
200 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/21(土) 18:54:39.32 ID:y1fLLVuWO
おつ
201 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/23(月) 00:18:03.63 ID:tYeshYsFo
やはりおもしろい
おつ
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クオリティの高いサービスを貴方に
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