幼女幽霊「呪いが勝つのか、幽霊が勝つのか実験だよ実験!!」DQN幽霊「!?」

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1 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 01:49:45.53 ID:t98hVN5/o
前スレの時系列順です


霊能少女「本当の戦いはこれからってやつかな」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1520603965/

幼女幽霊「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!」DQN幽霊「!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466012540/

幼女幽霊「ちょっと昔話でもしようか」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1525550862/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1530550185
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 01:51:26.12 ID:J9Sr1Oz10
きたか
3 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 01:51:35.16 ID:t98hVN5/o
▢▢▢▢ 廃病院 ▢▢▢▢




幼女幽霊「……」ポチポチ


DQN幽霊「……」ポチポチ


幼女幽霊「……」ポチポチ


DQN幽霊「……」ポチポチ





幼女幽霊「…………」





幼女幽霊「クソ暇だなオイ」

DQN幽霊「そっスねェ」
4 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 01:52:34.77 ID:t98hVN5/o
幼女幽霊「いやなんでこんなに暇なの。なんで誰も来ないの。もう夏だぞ、誰か肝試しに来いよ」


DQN幽霊「今年はマジで暇っスねぇ。去年の比じゃないっス」


幼女幽霊「マジでどうなってるんだが。暇すぎて死にそうなんだけど」


DQN幽霊「でも俺ら幽霊っスから、もう死んでますけどね」


幼女幽霊「そのゴーストジョーク飽きた。つまんない」


DQN幽霊「……」
5 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 01:53:19.04 ID:t98hVN5/o
幼女幽霊「はぁ……やっぱりネットとかゲームしても一時しのぎにしかならないな。幽霊の性分なのか知らんけど、悲鳴を聞かないとやる気でないわ」

DQN幽霊「そうっスか?俺は結構平気っスよ」

幼女幽霊「そりゃお前は下級霊だからな。足付きは色々あるんだよ、下級と違って足があるから」

DQN幽霊「……胸はないくせに」ボソッ



ゴツンッッッ!!!!!!!!!



DQN幽霊「」


幼女幽霊「次いらんこと言ったらマジで消すぞワレ」

幼女幽霊「しかしあれだな。今年の夏って何かムシムシする。今まではこんなの感じなかったのに」
6 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 01:54:22.82 ID:t98hVN5/o
DQN幽霊「いたた……あーそれ分かるっス。何か蒸し暑いっていうか、ジメジメ感ありますよね。湿気?」

幼女幽霊「いや幽霊に湿気は感じないだろ。気の流れでも変わったんかな」

幼女幽霊「何かこう……気持ち悪い異物感がある。言葉に例えるのが難しいけど」

DQN幽霊「人が来ないのもこれが原因なんスかねぇ」


幼女幽霊「まあそれもあるかもな。さてと」

幼女幽霊「私は暇だし、映画館に行ってくるわ。確か今日公開するやつがいくつかあったし」


DQN幽霊「うわ……一人だけでズルいっス」


幼女幽霊「ならお前もフユウになれば?あっ!下級霊には無理か!HAHAHAHAHAHAHA!!!!!」フワァ
7 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 01:56:11.15 ID:t98hVN5/o
DQN幽霊「……」


DQN幽霊「移動範囲が増えたからって調子に乗って。やっぱあの人馬鹿だな」

DQN幽霊「しかし、本当になんで先輩一人だけ変わったんだろうな……やっぱ原因はアイツにあるのか」

DQN幽霊「もし、先輩が消えてないことをアイツが知ったら……また襲ってくるんだろうか。まあ今の先輩なら勝てるかもしれないけど」


DQN幽霊「あー暇だな。一人だと、先輩に隠れてまたエロ動画でも漁るか」カチッ

DQN幽霊「……やっぱやめとこ。空しいだけだわ」

DQN幽霊「はぁ、先輩からオススメされた映画でも見るか。見ないとまたぶーぶー言われるし」

DQN幽霊「でも先輩の勧めてくる映画って何かつまんないんだよなぁ。B級つーか全体的にチープで幼稚というか」

DQN幽霊「まあ見た目幼女だしな。外見が変わらないと中身も成長しないんだろうな」ブツブツ



ピーーーー
8 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 01:57:21.02 ID:t98hVN5/o
DQN幽霊「ん?この音は」クルツ


カップル男女『』イチャイチャ


DQN幽霊「うおお、マジか。先輩が留守中にまさかの久しぶりの客が来やがった。しかもカップル」

DQN幽霊「どうすっかこれ、連絡しようにも幽霊だから携帯なんて持ち歩いてないもんな。ってことは……」


DQN幽霊「俺一人でやるしかない、か?」










カップル女『ねーここほんとに出るのー?』

カップル男『まじまじ、ネットですげー出るって有名なとこ』

カップル女『やだーこわーい』
9 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 01:58:27.89 ID:t98hVN5/o
DQN幽霊「さてどうっすかな。今まで先輩と一緒におどかしたことは何回もあったが、病院に一人きりってのは初めてからな」

DQN幽霊「まあ何とかなるか。俺も幽霊になって一年はとっくに経った。先輩の横で何度も実演を見てきたし、機材も道具も一通りは揃っているからな」チラッ


DQN幽霊「よし!いっちょやってやりますか!!」バッ



ガチャ



DQN幽霊「えーっと、確かこの部屋だったよな。先輩が人形を置いてたのって」


ムカデ人間『』

武器人間『』

セイウチ人間『』


DQN幽霊「おっ、あった。人間シリーズ。これ持ってくか」
10 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 01:59:40.52 ID:t98hVN5/o
DQN幽霊「んでこっちは……よし、ホッケーマスクとチェーンソー。あと長髪のカツラとソーセージで作ったリアル腸」ガサゴソ

DQN幽霊「これだけあれば足りるか。さて残りはオーブだけだな」

DQN幽霊「おーーーい!!!!オーブ!!!!出てこーい!!!!」



オーブ「」フワッ



DQN幽霊「よし来たか、じゃあさっそく行くぞ。オーブ、この人形の中に入れ」



オーブ「」ヘナッ



DQN幽霊「……相変わらずお前達はやる気ないな。前にいたオーブは活発に動いてたのによ」

DQN幽霊「ほら、早く急げ。もう二階まで来ちまうぞ」



オーブ「」シブシブ
11 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:00:24.08 ID:t98hVN5/o
コツンッ……コツンッ……



カップル女「ねー幽霊全然でないねー」

カップル男「あぁ、噂はデマだったのかもなぁ」

カップル女「ねーもう帰らない?何かここ寒いんだけど」

カップル男「いいじゃん、もうちょっと探検しようぜ。せっかく来たんだし」

カップル女「もー男って本当にそういうの好きだよね」






DQN幽霊「よし、もうすぐこの部屋に来る頃だな。おい、準備出来たか?」
12 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:01:20.58 ID:t98hVN5/o
ムカデ人間「」カタカタ

武器人間「」カタカタ

セイウチ人間「」カタカタ



DQN幽霊「おぅ……幽霊の俺が言うのもなんだけど、めちゃくちゃ気持ち悪いな。生命を冒涜するかのような動きだぞ」

DQN幽霊「さてこっちも白い布を纏って、カツラを被り、マスクを付ける」カパッ

DQN幽霊「そしてチェーンソーのスイッチを入れて……完璧だな!」ブロロン







ブロロン……
13 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:02:22.62 ID:t98hVN5/o
カップル女「ん?」クルッ

カップル男「どした?」

カップル女「いや、何か今さっきエンジン音みたいなのが聞こえなかった?」

カップル男「エンジン音?外に車でも来たんじゃねえの」

カップル女「それにしては音が響いてたような……まるでこの中で鳴らしているみたいな感じだった気がしたんだけど」

カップル男「気のせい、気のせい。ほら、早く先に行こうぜ」

カップル女「う、うん。そうだね」




スタスタ……スタスタ……


ニチャ……ニチャ……
14 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:03:24.76 ID:t98hVN5/o
カップル女「……ねぇ、何か変な音がしない?水滴みたいな」

カップル男「あぁ、何だろうなこの音。あっちの部屋からしてないか?」



ニチャ……ニチャ……



カップル女「……」ゴクリ

カップル女「ね、ねぇ……もう帰らない?気味悪いよ」

カップル男「なんだよ、ビビってんのか?」

カップル女「だ、だって変だよ、この音。まるで、何かを咀嚼しているような……」ブルッ

カップル男「はっ、どうせここに住み着いてるネズミか何かが水でも飲んでる音だろ。大丈夫だって」グッ

カップル女「ちょっ!?」
15 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:04:23.56 ID:t98hVN5/o
ガチャ……






カップル男「ほら、何もな――」






ムカデ人間「」ムシャムシャ

武器人間「」ムシャムシャ

セイウチ人間「」ムシャムシャ






カップル男「――い?」


カップル女「ひっ……あっ……」





「「ぎゃあああああああああああああ!!!!!!!!!」」
16 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:05:19.07 ID:t98hVN5/o
DQN幽霊「よしよし、第一陣は成功だな」

オーブ「」ツンツン

DQN幽霊「あ?どうした」

オーブ「」フラフラ

DQN幽霊「そのジェスチャーは……もう疲れたって意味か?」

オーブ「」コクコク

DQN幽霊「おいおい勘弁してくれよ。まだ始まったばっかだぞ、本番はこれからだ」

オーブ「」プイッ

DQN幽霊「あーもう、分かった分かった。じゃあ後は正面の出口閉めといてくれるだけでいいよ。残りは俺一人でやるから」


オーブ「」フラー


DQN幽霊「まったく最近のオーブと来たら、すぐに休みたがるんだから」
17 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:06:21.87 ID:t98hVN5/o
ダダダダダダダダッ!!!!!



カップル女「はぁっ……!!はぁ……!!な、なにあれっ!?」

カップル女「く、食ってた……!!ば、化け物が人を……!!ねぇ!!!」


カップル男「うるせぇ!!!!んなことより早く逃げるぞ!!!!」


カップル女「ま、待ってよ!!あ、足が……!」



ダダダダダダダダッ!!!!!



カップル男「あった!出口だ!これで外に――!?」ガチッ

カップル男「ど、どうなってんだよ!?おいっ!!!!」
18 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:07:12.09 ID:t98hVN5/o
カップル女「ど、どうしたの?」

カップル男「開かねえんだよ!!!!どうなってやがんだオイ!!!!」

カップル女「う、嘘でしょ!?だ、誰か!!ここから出して!!」バンバン

カップル男「ふざけんなよ!!!!おい!!!!」バンバン




ブロロン……ブロロン……



カップル女「!?」

カップル女「な……う、後ろに……何かいる……」ブルブル

カップル男「今の音……ま、まさか……」クルッ




チェーンソー男『ヴォオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!』ブンブン




カップル「「うわああああああああああああああああああああ!!!!!!」」
19 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:08:44.49 ID:t98hVN5/o
バタッ




チェーンソー男『よっしゃ!!大成功だな!!』ヌギッ


DQN幽霊「いやぁ……俺も中々演技派だよなあ。自分でも感心するくらいの迫真の演技だった。こんなことなら役者でも目指せばよかったぜ」

DQN幽霊「先輩にも見せてやりたかったわ。俺も一人前の幽霊になったんだなぁ……」



DQN幽霊「……ん?」



DQN幽霊「あれ、この驚かせた後はどうするんだ?いつもは先輩が記憶を消して、適当な場所に放っておいたが、今は映画を観に行ってて居ない」

DQN幽霊「暇な先輩のことだから、恐らく新作は一気に全部見るはず。一本二時間として、それをいくつか見るわけだから……」



DQN幽霊「……あれ?もしかしてその間ずっと、俺がこいつらを起きないようにしないといけないのか」
20 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:09:38.29 ID:t98hVN5/o
……………………………………………………………………
…………………………………………………



幼女幽霊「たっだいまぁ〜」フワァ

幼女幽霊「あー面白かった!大満足の出来だったね。三つとも大当たりの映画だったよ!!私って見る目あるなぁ!!」


DQN幽霊「あ、せ、先輩……やっと帰ってきた」グタァ


幼女幽霊「あ?なんだお前、幽霊のくせにずいぶんやつれてるな。何かあった?」


DQN幽霊「あそこの部屋にいるカップルの記憶を早く消して飛ばしてほしいっス……もう7時間近くもあいつらを見張って、驚かしていたから体力が限界っス……」


幼女幽霊「は?」
21 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:10:59.47 ID:t98hVN5/o
シュンッ


幼女幽霊「はい、これで記憶も消えて、どっか適当な公園に飛んだはず」

幼女幽霊「で、なんで私がいない間に客が来て、お前が相手したの?」


DQN幽霊「いやだって……いつも先輩ばっかり美味しい役やってズルいじゃないっスか。俺もやってみたかったし……」


幼女幽霊「んで、その結果がいざ失神させたところまでは良かったけど、その後の処理が出来なくて、あいつらの目が覚めるたびにまた怖がらせに行っていたと」


DQN幽霊「ウ、ウス……そういうことになるっスね」



幼女幽霊「……」



幼女幽霊「馬っっっ鹿じゃないのぉ!?恐怖ってのは鮮度が大事なんだよ!!!!!何度も同じように連続でビビらせたら怖いもクソもなくなるだろうが!!!!!」

幼女幽霊「どうせ、後半の辺りはそいつらもそんな怖がってなかっただろ!!!!さすがに飽きるわ!!!!こんな廃病院でも慣れちまうわ!!!!!」
22 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:11:56.97 ID:t98hVN5/o
DQN幽霊「そ、そうっスね……もう最後は殴って無理やり気絶させる形になってたスね」


幼女幽霊「オーブちゃんを見てみろや!お前がこき使ったせいでめっちゃ疲れてるじゃん!これじゃあしばらく使いもんにならねぇだろうが!!!」


オーブ「」キューン


幼女幽霊「せっかくここまでまた増えたのに何やらかしとんじゃこのクソガキがぁ!!!!!!」ボコォ


DQN幽霊「グワハァ!?」ズサー

DQN幽霊「ク、クソガキって……俺、実年齢は先輩より上なのに……」


幼女幽霊「いいか、私達幽霊にとってオーブちゃんは大切なパートナーなんだぞ。奴隷じゃないんだ」

幼女幽霊「仕事をさせる時はほどほどに、休憩を挟まないとダメなんだよ。あの子たち敏感だから、ブラックだと分かったらすぐここから出て行っちまうぞ」


DQN幽霊「えぇ……なんスかそのシステム」
23 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:13:45.39 ID:t98hVN5/o
幼女幽霊「まったく、だから私がいない時は客が来ても手を出すなって言っただろ。お前は下級霊なんだから、記憶を消す力も瞬間移動も使えないんだぞ」

幼女幽霊「そんなんで人間に接触してみろ。一瞬のうちあのメスガキみたいなのが来て、祓われちまうぞ」


DQN幽霊「う、うぅ……返す言葉もないッス。ちょっと迂闊過ぎたっス」


幼女幽霊「ほら、オーブちゃんに謝って。いっぱい仕事させてごめんなさいって」

DQN幽霊「い、いっぱい仕事させて、ごめんなさい」


オーブ「」プンプン


幼女幽霊「ふむふむ……」

DQN幽霊「な、なんて言ってるんスか?」

幼女幽霊「これから僕達の奴隷になると約束すれば、許してくれるそうだ」


DQN幽霊「はぁっ!?」
24 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:15:02.71 ID:t98hVN5/o
幼女幽霊「よし、いいよ。オーブちゃん。これからこの病院の支配者は上から順に、私、オーブちゃん、腐れDQNの順番だ。好きなだけこき使っていいよ」


DQN幽霊「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!?俺、オーブより下なんスか!?一応は幽霊っスよ俺も!!!!」


幼女幽霊「うるせぇ!決まったもんは仕方ないだろ!大人しく従え!」

幼女幽霊「元はと言えばお前が悪いんだからな!!」


DQN幽霊「いやそれはそうっスけど!オーブの奴隷ってどういうこっスか!!あいつらただの毛玉みたいなもんじゃないっスか!それに従うなんて無理っスよ!!」


幼女幽霊「あ、お前今のオーブ差別だぞ」

オーブ「」プンプン

幼女幽霊「このレイシストが……これだからDQNは嫌なんだよ。倫理観ってもんがまるでない。ちゃんと道徳の勉強したの?いつまでも精神が成長しないクソガキが」

オーブ「」コクコク
25 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:15:52.16 ID:t98hVN5/o
DQN幽霊「う、うぅ……で、でも……間違ってるっスよ。こんなの……」


幼女幽霊「いいから従えよ。ほら、オーブちゃんが肩揉めって言ってるぞ」

オーブ「」スッ


DQN幽霊「肩ってどこだよっ!?」


幼女幽霊「どうしてもやらないって言うなら、私が強制的に従わせるからな」グッ


DQN幽霊「!?」ビクッ

DQN幽霊「い、いやだああああああああああ!!!!!!誰か助けてエエエエエエエエエエエ!!!!!!!」
26 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:17:17.09 ID:t98hVN5/o
▢▢▢▢ 数日後 ▢▢▢▢



オーブ「」クイクイ

DQN幽霊「こ、ここっスか?」モミモミ

オーブ「」プンプン

DQN幽霊「えっ!?そこは肩じゃなくて太もも!?」


幼女幽霊「なにオーブちゃん相手にセクハラしてんの。キモ」


DQN幽霊「誰も好きでこんなことしてないっスよ!!!!先輩が俺にオーブの命令効かないと成仏する呪いから渋々言うこと聞いてるんスよ!!!!」

DQN幽霊「そもそも、こんなケセランパサランモドキの体の部位とか何がどこにあるのか分からないんスよ!!!!肩も太もももないじゃないっスか!!!!!」


幼女幽霊「は?今のパワハラだぞテメェ」

オーブ「」プンプン
27 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:17:59.32 ID:t98hVN5/o
DQN幽霊「じゃあ先輩!このオーブの首がどこか当ててみてくださいっス!!」


幼女幽霊「え?首?」

幼女幽霊「く、首ね。う、うーん……」


DQN幽霊「ほら!自分だって分かってないじゃないっスか!!」


幼女幽霊「う、うるせぇ!!分かってるよ!」

幼女幽霊「こ、ここだ!ここ!ね?オーブちゃん!!」



オーブ「…………」

オーブ「」コクッ



幼女幽霊「よっしゃ!ほら見ろ!当たってんじゃん!!」


DQN幽霊「なんスか今の間」
28 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:19:03.32 ID:t98hVN5/o
幼女幽霊「ふふん、そりゃこの病院の主である私ならオーブちゃんのことなら何でも知ってるんだよ!見くびってもらっちゃ困るね!」

DQN幽霊「いや、どう見てもそのオーブちょっと考えていたじゃないっスか。悩んでたっスよ」




ピーーーー




幼女幽霊「あ、客だ。アホなことしてないで相手しないと」ササッ

DQN幽霊「逃げやがった」
29 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:20:15.20 ID:t98hVN5/o
幼女幽霊「さーて今日の客は……ん?」

幼女幽霊「あれ、客がどこにもいないぞ。どこのカメラにも映ってない」キョロキョロ


DQN幽霊「装置の誤作動っス?か」


幼女幽霊「いや、そんなはずはないよ。定期的に点検してるし、今まで壊れたことなんて一度もない」

幼女幽霊「一度、病院内に入ってすぐ出たのか?ちょっと録画を巻き戻してみよっか」ピッ




キュルキュル……




スタスタ




幼女幽霊「あ、いた。やっぱり入ってる」
30 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:21:12.45 ID:t98hVN5/o
幼女幽霊「5秒も経たずにすぐ出て行ったのか。何しに来たんだコイツ」

DQN幽霊「ん?先輩、今のところちょっと止めてもらっていいっスか」

幼女幽霊「なに?ここ?」ピッ


DQN幽霊「やっぱり、こいつ何か落として行ってますよ。ほら、さっきまでなかったのに、去る時に箱みたいなのが足元に転がってるっス」


幼女幽霊「あ、ほんとだ。なんだこれ」

幼女幽霊「ちょっと待って、こっちのカメラでも確認してみる」ピッ


幼女幽霊「……あるな。箱みたいなのがロビーに転がってる」
31 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:22:23.94 ID:t98hVN5/o
DQN幽霊「なんスかね。落とし物には見えないっスけど。むしろわざとらしく残したっていうか」

幼女幽霊「ちょっと見に行ってみよっか」フワッ




スタッ




幼女幽霊「確かここら辺だと思ったけど」キョロキョロ

DQN幽霊「あ、そこに転がってるやつじゃないっスか?」







箱『』 







幼女幽霊「――ッッッ!?」ビクッ
32 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:23:16.00 ID:t98hVN5/o
幼女幽霊「DQNッ!!私に掴まれッッ!!!!」

DQN幽霊「えっ!?」

幼女幽霊「いいから早く!!ヤバいぞアレ!!」

DQN幽霊「わ、分かったっス!!」ギュッ




シュンッ







箱『』


箱『』ズズズズズッ……








シュンッ
33 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:24:19.01 ID:t98hVN5/o
幼女幽霊「はぁッ……はぁッ……」

DQN幽霊「ど、どうしたんスか?先輩、急に大きな声出して」

幼女幽霊「お前……何も感じなかったのか?」

DQN幽霊「感じるって、何を?」

幼女幽霊「……あの箱だよ。アレ、多分呪いか何かの道具だと思う」


DQN幽霊「の、呪いっスか!?」


幼女幽霊「あぁ……間違いない。アレを直接見た瞬間に……一年前のあの時みたいに、背筋に嫌な気配があった。また別の感触だけど」

幼女幽霊「クソ……何がどうなってんだ。なんでこんなところに呪いなんて」


DQN幽霊「俺にオーブに従う呪いをかけたから、先輩に天罰が下ったのかも――」


ボコッ
34 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:25:49.91 ID:t98hVN5/o
幼女幽霊「冗談言ってる場合じゃないぞ。アレを駆除しないと、この病院を乗っ取られるかもしれないんだから」


DQN幽霊「いてて……ど、どういうことっスか?」


幼女幽霊「呪いにも色々種類があるんだ。憑依型とか怨念型とか、その中でもアレは一番厄介な浸食型だ」


DQN幽霊「し、浸食?」


幼女幽霊「例えるなら、病原菌のイメージが一番近いと思う。宿主の体を蝕み、その命が尽きるまで喰らい尽くす」

幼女幽霊「浸食型の呪いはその性質が一番厄介なんだ。元を絶たないと、呪いが蔓延するまで止まることがない……早く何とかしないと、アイツの呪いが病院内を包むぞ」


DQN幽霊「ど、どうなるんスか?もしそうなったら」


幼女幽霊「……恐らく、ここに人間が踏み入るだけで死ぬ。そんなどこかのホラー映画に出てくるような“業”が溢れた建物になると思う」

幼女幽霊「それに、私達にも影響がないとは限らないしね。現に、私の中の警戒信号が全力で反応したし、即刻対処しないと」
35 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:26:26.71 ID:t98hVN5/o
幼女幽霊「冗談言ってる場合じゃないぞ。アレを駆除しないと、この病院を乗っ取られるかもしれないんだから」


DQN幽霊「いてて……ど、どういうことっスか?」


幼女幽霊「呪いにも色々種類があるんだ。憑依型とか怨念型とか、その中でもアレは一番厄介な浸食型だ」


DQN幽霊「し、浸食?」


幼女幽霊「例えるなら、病原菌のイメージが一番近いと思う。宿主の体を蝕み、その命が尽きるまで喰らい尽くす」

幼女幽霊「浸食型の呪いはその性質が一番厄介なんだ。元を絶たないと、呪いが蔓延するまで止まることがない……早く何とかしないと、アイツの呪いが病院内を包むぞ」


DQN幽霊「ど、どうなるんスか?もしそうなったら」


幼女幽霊「……恐らく、ここに人間が踏み入るだけで死ぬ。そんなどこかのホラー映画に出てくるような“業”が溢れた建物になると思う」

幼女幽霊「それに、私達にも影響がないとは限らないしね。現に、私の中の警戒信号が全力で反応したし、即刻対処しないと」
36 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:28:10.08 ID:t98hVN5/o
DQN幽霊「や、やばいじゃないっスか。それって……あの箱を投げ込んだやつって何者なんスか」


幼女幽霊「さあね。今はそれより、目の前の問題を解決するのが先だよ」


幼女幽霊(一瞬、あのメスガキの顔が過ったけど……多分、これはあいつらのやり方じゃない)

幼女幽霊(あの呪いは人間が容易く扱える代物じゃない。一歩間違えば、何人もの人が犠牲になってもおかしくないくらい。守る立場の人間が使うにはあまりに異質過ぎる)

幼女幽霊(……それになんだ、あの呪いは。今まで他人がかけた呪いは数えるぐらいしか見たことないけど、それらと比べても明らかに根本が違う)

幼女幽霊(呪いの源は他者への怨念、嫉妬、憎悪とかの負の感情だけど……もっと別のエネルギーって言うのかな。そういうのを通り越した力を感じる)



DQN幽霊「それで先輩、どうするんスか?あの呪いの箱を止めるには」
37 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:29:13.63 ID:t98hVN5/o
幼女幽霊「……まあ、一番手っ取り早いのは私のプライベート空間に堕とすことだろうね。あそこなら外部に呪いが漏れる心配もないし、封印って形で抑えられると思う」

幼女幽霊「でも、一筋縄では行かないだろうね。あいつも意思を持っているはずだし、全力で抵抗してくると思う。そうなれば――戦闘は避けられないか」


DQN幽霊「また戦うことになるんスか……霊能力者の次は呪いを相手に……俺なんかじゃ力になりそうにないっスね」


幼女幽霊「いや、お前は元から頼りにしてないから安心しろ」


DQN幽霊「そ、そっスか」



幼女幽霊「――今度は呪いが相手か。これなら、私も手加減することなく、全力でやり合えるな」

幼女幽霊「あの日以来、私もそれなりに次の戦いに備えて密かに特訓してきたんだ。今の私に敗北の二文字は存在しない。これは実験だ。あいつがまた来た時に、私の力が通じるかどうかの……」
38 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:29:48.39 ID:t98hVN5/o







幼女幽霊「呪いが勝つのか、幽霊が勝つのか実験だよ実験!!」





DQN幽霊「!?」






39 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:33:34.77 ID:t98hVN5/o
今日はここまで
作中では一年経過していますがリアルだと前作から二年近くが経ってようやく続き書けました…待たせてしまってごめんなさい
多分自分も含めて色々忘れてる人が大半だと思うのでこれから自分用に書いておいたキャラ設定的なのも一緒に投下していきます
40 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:36:34.95 ID:t98hVN5/o
『幼女幽霊』


廃病院に住んでいる10年前に家族と共に交通事故で亡くなった幼女の幽霊。幼女の姿だが、実年齢は18歳。
人を驚かすことが何よりの楽しみで、日々ありとあらゆる方法で来訪者達を失神させている。
幽霊の中でもより強い力を持つ者の証である"足付き"であり、その力は並の幽霊を凌駕する。
ただ、本人は殺すことに躊躇がある為、戦闘ではその力を完全に引き出す事は出来ない。
使用する力は空間操作、瞬間移動、念力、念波、肉体の具現化など。
霊体だけではなく、生身の肉体を召喚することも出来るが、この身体には特殊な力は何もなく、痛覚も感じるため耐久力は一般的なそれとほぼ変わりない。
奥の手として自らの肉体を分裂、増殖することが可能、しかし魂を分割するために個々の力は通常時より下がる。
霊能少女との一件で回復不能の傷を負い、一時は成仏しかけるが、オーブとの融合により復活。
それ以来、地縛霊から浮遊霊へと"突然変異"を果たすが原因は不明。そしてなぜか以前より力が増したらしい。
低予算ホラー映画が大好き、ただしアイドルが主演だと不機嫌になる。
41 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/03(火) 02:37:42.25 ID:t98hVN5/o
『DQN幽霊』


雑魚、弱い、以上。
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 02:43:29.69 ID:zo8Fi5E50
今回は霊能少女出さないんですか、自分は霊能少女がメリーさん、口裂け女、ひきこさん、幼女幽霊などと病院で地獄の連戦を想像してたんですが
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 08:35:44.98 ID:J9Sr1Oz10
>>42
お前の想像してた展開とちがうとかどうでもいいしいちいち誰々は出ないんですかとか聞く必要ある?
>>1が投下する内容をそのまま楽しもうとすることがなぜ出来ないのか
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 10:13:59.47 ID:AQiNjnLyo
ちょっとした質問くらいは許してやれよ
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 12:44:08.06 ID:rmmmXKvIo
この作者は本当に女の子好きだなぁというのがキャラ紹介だけでわかる
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/04(水) 00:05:20.60 ID:6ZgwYP7io
貞子vsカヤコ面白かったよ
続きも凄く楽しみ
47 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 01:42:21.13 ID:gLNF7DVBo
フワッ……



幼女幽霊「……」ゴクリ



DQN幽霊『先輩、例の箱に……何か黒っぽい影みたいなのが生えてきてるっス』

DQN幽霊『こ、これ……俺でもカメラ越しに感じるくらい嫌な予感がするっスよ』



幼女幽霊「そうか、多分そいつが呪いの本体だな。もうすぐこっちも目視出来る距離になる」チラッ




ズズズズズズッ……




幼女幽霊「……!!」ビクッ

幼女幽霊(や、やっぱり……ただの呪いじゃないな。まるで世界からはみ出した異物みたいに、本能的な嫌悪感がある)
48 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 01:43:41.57 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊(あいつ、絶対に人間だけじゃなく幽霊にも影響を与えるぞ。取り込んで一体化してもおかしくない)

幼女幽霊(私がここで止めなきゃ)グッ


幼女幽霊「おい!そこの呪い野郎!!言葉は通じるのか!?」




ズズズズズズッ……

影『』スゥ




幼女幽霊「今すぐここから出て行け!!!!そうすれば見逃してやらんこともない!!!!」

幼女幽霊「でも、これ以上私の領域を犯すっていうなら……容赦はしないぞ!!」




影『』

影『』ズズズズズズッ




幼女幽霊「……そうか、交渉は無駄か」

幼女幽霊「後悔するなよ!!この幼女幽霊様を敵に回すとどうなるか、その身をもって味わえ!!!!」グッ
49 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 01:44:53.37 ID:gLNF7DVBo
影『』ブンッ




ズズズズズズッ……




幼女幽霊「ッ!?」サッ

幼女幽霊(影をこっちに伸ばしてきたか。あれは当たると不味いな、私達には毒に近い)

幼女幽霊(ベストな形としては、落とし穴の要領で異空間に堕とせればいいけど……絶対すぐに這い上がってくるな)

幼女幽霊(まずは力を弱めないと!)グッ




影『』ズンッ




幼女幽霊(念力での攻撃、どうだ)ピキッ




影『』グオンッ




幼女幽霊(ッ……効果はないか。物理的な攻撃は効かないとみていいな)
50 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 01:45:49.19 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊(まあそりゃそうか。本質的には人間より、幽霊に近い存在だもん。その手の攻撃は全部無効化されるか)

幼女幽霊(あー……あのメスガキの祓いの力みたいな、生のプラスのエネルギーなら楽に対処出来るんだろうな。私みたいな死者だと、死に近いマイナスエネルギーしか使えないから不利ってことか)



幼女幽霊(なら――これならどうだ)



ズルッ



長髪白装束娘「……」




影『』シュンッ




長髪白装束娘「……」ガチッ
51 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 01:47:15.05 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊「私の肉体を捕らえたな?馬鹿め、そっちは魂も何も入ってないただの抜け殻……罠だよ」





長髪白装束娘「」キュイイ

長髪白装束娘「」ボンッッッ




影『』ズズッ

影『』ヨロッ




幼女幽霊(やっぱり!マイナスエネルギーではあの呪いを祓うことは出来ないけど、相殺することは出来る。同程度の力をぶつければ勢いが落ちるってことだ)

幼女幽霊(完全には消せないけど、今はそれで十分!)グッ




長髪白装束娘「」ズサッ

長髪白装束娘「」バタッ

長髪白装束娘「」ズルッ
52 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 01:48:11.49 ID:gLNF7DVBo
影『』グググッ




幼女幽霊(よし!増殖体でやつを包囲した!これならっ)



幼女幽霊「押し潰れろオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!」ブンッ





影『』ググッ





シュンッ……






ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!
53 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 01:49:19.77 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊「あぁ、抜け殻と言っても、自分の肉体が吹っ飛ぶ姿を見るのはあまりいい気分じゃないな」

幼女幽霊「でもこれで……」





影『』ピクピクッ




幼女幽霊「よし!成功だ!」

幼女幽霊「後はあいつの真下に異空間を作って……」グイッ




影『』ピクピクッ

影『』シュンッ




幼女幽霊「もう遅い!そのまま堕ちろッ!!!!」ブンッ




ブゥゥン……




影『』グググッ

影『』ガガガッ

影『』グラッ




シュンッ
54 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 01:50:35.54 ID:gLNF7DVBo
キュインッ



幼女幽霊「……成功だな」

幼女幽霊「これでもう二度と地上に出てくることはないだろ。永遠に異空間を彷徨い続けろ」



DQN幽霊「センパーイ!!やったスね!!」フワッ



幼女幽霊「うん、何とかなって良かったよ。あいつも相手が悪かったね。私じゃない大抵の奴になら、呪いは成功しただろうに」


DQN幽霊「でも改めて考えても不思議っスよねぇ。一体誰がこの病院にあんな物を持ち込んだんスか」


幼女幽霊「さぁ……カメラに映っていたやつは一瞬しか顔が見えなかったし、追跡はもう不可能だろうね」

幼女幽霊「考えられる理由としては、何かのきっかけであの箱を入手したやつが、私達の病院の噂を嗅ぎ付けて呪いを相殺しようとか思ったんじゃないの?知らんけど」

幼女幽霊「目には目を、呪いには幽霊をってね」
55 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 01:52:00.56 ID:gLNF7DVBo
DQN幽霊「はぁ〜……それはまたはた迷惑な話っスね。こっちは平和に暮らしてんのに、一方的に呪いを押し付けられるなんて」


幼女幽霊「まあもう済んだことだしいいよ。呪いは完全に消えたんだから」

幼女幽霊(――でも、なんだろ。今思うと、あの呪い。どこがで似たような気配を感じたことがあるような……気のせいか)


幼女幽霊「いやぁ〜それにしても焦ったわ。まさかあんな来客が来るとはね。でも逆に考えると明日じゃなくて良かったよ」


DQN幽霊「明日?明日に何かあるんスか?」


幼女幽霊「あれ?言ってなかったっけ?」

幼女幽霊「明日、この病院で女子会するんだよ。みんな集まって」


DQN幽霊「じょ、女子会?」
56 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 01:54:39.44 ID:gLNF7DVBo
今日はここまで
やっと回収出来ました
57 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 01:55:37.94 ID:gLNF7DVBo
『オーブ』


心霊写真などによく映り込んでいる謎の光球のような物体。
ぞの正体は不明な点が多く、人間の残留思念、形を保てない動物霊など、諸説は様々ある。
幼女幽霊が住んでいる廃病院にも大量におり、交友的に接してはいるが、実は当の幼女幽霊もどのような存在かあまり分かっていない。
周囲には物を動かす、音を出す程度の影響しか与えられないが、幽霊と同じく魂そのものには変わりないので内包してるエネルギーはそこそこある。
霊能少女との一件で消滅寸前の幼女幽霊と融合し、一時は病院内から姿を消すが、最近はまた新しい個体が病院内に漂うようになった。
58 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 01:57:28.08 ID:gLNF7DVBo
『爺幽霊』


過去に幼女幽霊と共に暮らしていた年配の幽霊。
足がなくDQN幽霊と同じ下級霊だが、二十年以上も現世に留まっていた。
四年前に成仏したらしく、既にこの世には居ないが、幼女幽霊にもたらした影響は多く、廃病院で人をおどかすという行為も元は彼が教えたもの。
幼女幽霊が口裂け女などの他の死者と知り合いなのも彼の交友関係が発端であり、まさに育ての親と言える。
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 02:04:44.85 ID:DYsoecOP0
おお、やった、花子さんや口裂け女、メリーさん、ひきこさん、がとうとう登場するのか楽しみ
明日も楽しみしていますね、 お疲れ様でした
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 02:31:05.48 ID:DYxhFobA0
乙、確かひきこさんがその中だと別格に強いらしいね
61 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:19:22.96 ID:gLNF7DVBo
DQN幽霊「えっ!?女子会ってなんスか?聞いてないっスよ」

幼女幽霊「あぁ、そういやお前にだけ伝え忘れてたわ。ごめんごめん」

DQN幽霊「い、いやいや……幽霊の先輩が女子会って。そもそも誰が来るんスか。本当に女子は来るんスか」

幼女幽霊「……お前、それ本人の前で言ったら一瞬で殺されるぞ」


幼女幽霊「そうだ、今のうちに言っておかないとな。一応、あの人達にお前を紹介することになってるから、今のうちにメンバーについて教えておくわ」

幼女幽霊「いいか、明日来るのは全員が私と同格以上の力を持っている人達だ。決して失礼なことをするなよ。でないと本当に殺されるぞ」


DQN幽霊(えっ……先輩の声が急にマジトーンに。そ、そんなにヤバい人達なのか?)
62 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:20:55.12 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊「まず一人目が口裂け女さん」


DQN幽霊「えっ!?く、口裂け女ってあの口裂け女っスか!?」


幼女幽霊「“さん”付けろよお前。殺されるぞ」

幼女幽霊「そう、あの都市伝説の張本人だよ。ちなみに実年齢は今年で60だったかな。まあ姿は20代のままで止まってるけど」


DQN幽霊「ろ、ろくじゅうっ!?」


幼女幽霊「そりゃそうだよ。口裂け女の都市伝説って1980年ぐらいだよ?順当にいけばそれぐらいの歳をとるよ」


DQN幽霊「ってことは……もう40年近くもこの世界にいるってことじゃないっスか。と、とんでもなくないっスか?」
63 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:23:20.01 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊「まあね。前に話したと思うけど、死者には二つのタイプが存在するんだ」

幼女幽霊「一つは私達のように肉体を持たない幽霊、そしてもう一つは肉体を持つ怪物。口裂け女さんはこの怪物に該当する」


DQN幽霊「怪物……」


幼女幽霊「この人の特徴は身体能力の高さだね。特に足がめちゃくちゃ速い」

幼女幽霊「いやほんとにマジで速いからな。ボルトなんて目じゃないよマジで。怪物の中でもあの人以上に速いやつは存在しないと思う」

幼女幽霊「足が速いってことはそれだけ筋肉もあるってことで、蹴りの威力も壊滅級。まともに食らったらまず間違いなく肉片ひとつ残らない」

幼女幽霊「あと奥の手として、私と同様に分裂と増殖をすることが出来る。口裂け女の噂って全国的にあったでしょ?あれはこの能力が原因だったりする」


DQN幽霊「……ど、どんだけっスか。それ」
64 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:24:31.67 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊「そして口裂け女さん一番のチャームポイントと言えばその裂けた口、まあ普段はメイクで隠してるんだけど」


DQN幽霊「え?隠せるんスかそれ」


幼女幽霊「本人の職業がメイクアップアーティストだからね。特殊メイクさながらの神業で上手く隠してるよ」


DQN幽霊「せ、先輩と違って働いてるんスね」


幼女幽霊「そこが怪物と幽霊の違いだよ。怪物は肉体があるから、どうしても栄養を摂らないといけない。だからお金が必要になる」

幼女幽霊「そりゃ、泥棒でも何でもするってなら話は別だけど、今のご時世はどこにでも監視カメラがあるからね。そんなことを続けていたら、いつか必ずバレる」

幼女幽霊「だから、怪物の人は人間の中に混じって働いているパターンが多いよ。黙っていればまず正体を見破られることはないし」


DQN幽霊「大変スねぇ……怪物も」
65 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:26:01.53 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊「まあこの人は比較的に人格者だからそんな怒ることもないと思うけどね。性格的にもっとヤバいのは他にいるし、全然序の口だよ」


DQN幽霊(これで序の口か……)




幼女幽霊「次はテケテケちゃん。この子も怪物だね、テケテケの都市伝説は知ってる?」


DQN幽霊「何か電車に轢かれて、上半身だけになった女の子の話じゃなかったスか?噂を見たり聞いたりすると、その人を襲って来るっていう」


幼女幽霊「後半はデマだけど、まあ大体そういう認識でいいよ。見た目は上半身だけの女子高生」

幼女幽霊「でも知能も半分になっちゃって、8歳くらいの女の子みたいな性格なんだけど」


DQN幽霊「どういうことっスか……?」
66 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:27:33.18 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊「電車で轢かれて半分になったところまでは合ってるんだよ。でも下半身を失ったのと一緒に、その衝撃で幼児退行しちゃったんだ」

幼女幽霊「肉体だけじゃなく、精神的にも半分になったってわけ」


DQN幽霊「マジっスか……それは初耳っスね」


幼女幽霊「まあ本気を出せば、下半身を召喚することも出来て知能も戻せるんだけどね。私が肉体を出せるのと一緒で」


DQN幽霊「え?じゃあずっと出していればいいんじゃないっスか?」


幼女幽霊「元の姿に戻るにはかなり力を使うんだよ。奥の手ってやつ。その力を使うと丸一日は動けなくなるらしいし」

幼女幽霊「だから普段はテケテケの姿のままってわけ。そっちのほうが落ち着くらしいし」


DQN幽霊「へぇ〜……」
67 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:28:34.39 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊「テケテケちゃんの特徴はまあとにかくすばしっこい。例えが悪いけど、ゴキブリみたいに俊敏に動くから捕まえるのがとにかく難しいんだよね」

幼女幽霊「それに加えて、テケテケちゃんは相手に触れるだけでその部位を切断出来る能力があるからね。相手にはしたくないタイプだよ」


DQN幽霊「お、恐ろしいっスね。自分と同じように相手を真っ二つにするんスか」


幼女幽霊「でもテケテケちゃんはこのメンバーの中では一番優しいからね。人懐っこいし、襲われる心配はないから安心していいよ」

幼女幽霊「ちなみに余談だけど、テケテケちゃんの保護者は口裂け女さんだったりする。二人で一緒に暮らしているらしい」

幼女幽霊「本人はよくも悪くも無邪気だからね。もしかしたら何か事件を起こすかもしれないし、姉御肌の口裂け女さんが面倒見ることにしたんだって」


DQN幽霊「話だけ聞いてると、その二人はかなり普通っスね。ちょっと安心したっス」


幼女幽霊「だから言ったでしょ。かなりマシな部類だって」
68 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:30:02.60 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊「次は花子さん、さすがにこれは有名だよね。学校の七不思議皆勤賞で日本で一番知られている幽霊」


DQN幽霊「うぉぉ、マジで実在したんスか」


幼女幽霊「この人はもう70年近くも幽霊やってるからな。同じ幽霊でも、私達とは格が違う、生きるレジェンドだよ。死んでるけど」


DQN幽霊「な、ななじゅうっ!?」


幼女幽霊「前に話したことあったじゃん。知り合いに私と同じ足付きのフユウ霊が二人いるって、その一人がこの人」

幼女幽霊「花子さんの能力はまあ私の完全上位互換だと思っていいよ。幽霊として完成形の力を持ってる。それに加えて、水を自由自在に操ることが出来るから、私でもあの人には敵わない」
69 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:30:58.35 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊「花子さんの噂って日本中にあるじゃん?あれはあの人が水がある場所にワープ出来る能力を使って、全国を移動した時に出来た名残らしいよ」


DQN幽霊「に、日本中をワープしたって、先輩の瞬間移動の能力でもそこまで出来ないっスよね」


幼女幽霊「うん、私の有効射程は精々数百メートルが限度」


DQN幽霊「そう考えるとマジで格が違うっスね……先輩でも最強クラスだと思っていたのにそんな上がいるんスか」




幼女幽霊(……確かに、花子さんのワープ能力は驚異的。でも――いるんだよね。更にその上を行く、文字通りの化け物が)
70 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:32:03.15 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊「花子さんもかなりまともな人だからその点は安心していいよ。見た目は私と一緒で、子供のまま歳とってないけど、実年齢はお婆ちゃんだからね。言葉遣いも若干古臭いし」

幼女幽霊「んで、まともな人達はここまで。ここから先は取り扱い要注意の危ないゾーンだ」


DQN幽霊「えっ……もうまともな人いないんスか」


幼女幽霊「そう、残りの三人は絶対に怒らせちゃダメな人。本音を言うと私でもあんまり関わりたくないくらい」

幼女幽霊「性格が地雷どころか、核弾頭レベルで爆発したら不味いからよく聞いておけよ」


DQN幽霊「……!」ゴクリ
71 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:33:33.85 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊「まず一人目、こっくりさん。この人も有名だね。まあ正確に言えば人じゃなくて動物の霊なんだけど」


DQN幽霊「こっくりさんってアレっスよね?10円玉で何でも好きなことを教えてくれるけど、失敗すると祟られる狐の霊ってやつ」


幼女幽霊「うん、こっくりさんはこれまでの人と明確に違う点が一つあって、人間の霊じゃないってことなんだよね」

幼女幽霊「どちらかと言うと、霊よりオーブちゃんに近い」


DQN幽霊「え?オーブが危ないんスか?」


幼女幽霊「これも前に言ったけど、オーブちゃんってただ姿を生前の形に具現化出来ないだけで、単純なエネルギーだけなら姿を現すのに使ってない分、普通の幽霊より強いんだよ」

幼女幽霊「こっくりさんはその強化版みたいな感じだと思っていい。10円玉にしか憑依出来ないけど、その力は足付きのそれに匹敵する」
72 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:34:29.55 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊「まあ……一番危ないのはこっくりさんじゃなくて、その後ろにいる人なんだけど」


DQN幽霊「どういうことっスか?」


幼女幽霊「聞いたことあるでしょ。こっくりさんの正体はお稲荷様、狐の神様だって」

幼女幽霊「実はそれって半分は合ってるんだ。こっくりさんって複数いるんだけどさ、それを統率しているのがお稲荷様、幽霊でも怪物でもなく、神の一人だって言われている」


DQN幽霊「か、神って……」


幼女幽霊「……私もさ、半分信じてなかったんだけどね。神なんて存在するわけがないって。でもこっくりさんに初めて会った時に感じたんだ」
73 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:35:19.58 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊「その背後に、絶対的な、人の力では絶対に覆すことが出来ない力を持った存在がいるってことに」

幼女幽霊「だから、こっくりさんを怒らせるような行為は絶対にしちゃダメ。お稲荷様に祟られたら、成仏する方がマシってぐらいの状況になるかもしれないからね」


DQN幽霊「ウ、ウス……了解っス」




幼女幽霊「んで次は、ひきこさん。名前は聞いたことはある?」


DQN幽霊「いや……すみません。それだけは聞いたことないっスね。前に先輩から名前だけは聞いたことがあった気がするっスけど」」


幼女幽霊「そう、まあ知らないのも無理はないか。この人は比較的に新しい都市伝説の怪物だからね。ここ10年ぐらいで有名になった、私と同じ新参だし」
74 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:36:43.73 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊「ひきこさんの由来は引き籠り。生前はイジメられていて、そのイジメに耐え切れなくて自殺した女の子が怪物化したのがひきこさんって言われている」

幼女幽霊「まあこれだけならよくありそうな話なんだけど……ひきこさんは怪物化した際に、他には類を見ない特別な力を手に入れちゃったんだよね」


DQN幽霊「ど、どんな力なんスか?」


幼女幽霊「怪力だよ。それもとてつもない、怪物の中でも頂点の、物理最強」

幼女幽霊「怪物で身体能力が上がるってのは珍しいことじゃない。むしろ一番オーソドックスな変化なんだけど……あの人の場合はそのレベルが違う」

幼女幽霊「恐らく、単純な力勝負ならあの人に勝てる人は誰もいないと思う。それ程の……超人的、超常的、超越的な怪力を持っている」

幼女幽霊「多分、この病院なら三分で平らに出来るよ。いや、もっと早いかも」


DQN幽霊「え、えぇ……どんだけっスか」
75 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:37:40.28 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊「いやはや、あそこまで極めているのを見ると、笑いしか出てこないね。結局、単純な暴力が一番対処が難しくて、強いんだなと思わされるよ」

幼女幽霊「これで性格がマシだったらどれだけ良かったか……」


DQN幽霊「そんなに問題がある人なんスか?」


幼女幽霊「うん、ヤンデレとかメンヘラって言うのかな……とにかく面倒くさい、色々拗らせている感じ」

幼女幽霊「もしあの人に彼氏が出来たら、他の女に合わせないようにその男の四肢をモぐんじゃないかなってくらいのヤベェ性格」


DQN幽霊「お、おう……」
76 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:39:32.78 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊「恐らく、この世界で一番怪物になっちゃイケないタイプの一人だと言ってもいい」

幼女幽霊「でも何でか知らないけど、怪物ってそういうのが多いんだよね。幽霊の人はまともな人が多いんだけど、怪物の人は血の気が多いっていうか、闇が深いっていうか……そんな人が多いんだよ」

幼女幽霊「あ、それと、ひきこさんの意味は引き籠りだけだじゃなく、もうひとつの意味があるんだけど、何か分かる?」


DQN幽霊「引き籠りともう一つの意味っスか?引きずり……とかっスかね」


幼女幽霊「惜しいね。“挽子”つまり相手を挽き肉するからひきこさん。ひきこさんを相手にしたら最後、挽き肉になるまで引き摺られ、そこには肉の道しか残らないという逸話がある」


DQN幽霊「……」ゾォー
77 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:40:35.25 ID:gLNF7DVBo
幼女幽霊「さて、これまで五人紹介したけど、次が最後の一人だよ」

DQN幽霊「ど、どの人もヤバい人達ばっかスね……正直会いたくないんスけど」

幼女幽霊「いやまぁ……最後の一人に比べたら、まだこの人達はマシな部類なんだよね……ひきこさんちゃんでさえも」

DQN幽霊「え?まだヤバいのがいるんスか?」

幼女幽霊「うん……その人は今でも人を殺している超危険人物。正確に言うと、一人じゃなくて二人なんだけどさ」

幼女幽霊「その人達の名は――」










幼女幽霊「“メリーさん”」
78 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:41:26.39 ID:gLNF7DVBo
今日はここまで
79 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:43:41.33 ID:gLNF7DVBo
『幽霊』


死者の魂が何かの因果で現世に留まり、肉体を捨て生前の姿の形となり現れた形態。その容姿は個体差があるが、基本的には死の直前の姿となる。
事故や病気などの突然死をした者に多く、平均的には数年で自然消滅する。
肉体を持たない故に、睡眠や食事などの生命活動の維持をする必要がない。
大まかに分類すると、ジバク霊とフユウ霊の二つの種類が存在する。
ジバク霊は土地に縛られた霊、活動領域は生前に自分が亡くなった区域の周辺であり、それ以上の移動は不可能。
一方のフユウ霊は人間と同じく、移動制限がなく自在に行動することが出来る。しかし、幽霊は生気に耐性がない為に力を持たない者は短期間で消滅する。
基本的には殺気を出さない限り、その姿を人間が視認することは出来ない。例外として、力を持っている者や、まだ幼い子供はその気配を感じ取ることが出来る。
一般的な幽霊は足がない。しかし、極少数だが足が付いている通称"足付き"と呼ばれる個体が存在する。
これらの者達の力は強力であり、共通として寿命というものが存在しない。
しかしそれは絶対的な不老不死という意味ではなく、生のエネルギーを直接浴びれば、その魂は消滅する。
80 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2018/07/04(水) 21:44:46.14 ID:gLNF7DVBo
『怪物』


死者の魂が何かの因果で現世に留まり、再びその肉体に舞い戻った形態。幽霊とは異なり、自らの肉体を持っている死者。そのため見た目は生きている人間と変わりない。
怪物は殺人、自殺などの死を実感しながら死ぬとなりやすいと言われている。前後関係は不明だが、幽霊と比べ性格に難があるのが多い傾向が目立つ。
怪物の最大の特徴はその身体能力にあり、常人離れした怪力、驚異的な再生能力、化け物じみた肉体の変化などの異常性を発揮する。なぜ死者になるとこれらの力が発現するのかは不明。また、生前の末路にその能力が大きく関連する。
肉体がない幽霊とは違い、怪物は睡眠、食事などが必要であり、普通に暮らして行くためには人間の社会に紛れ込む必要がある。
個人差ではあるが、味覚が変化し人間の肉を好んだり、腐乱臭がする個体も存在する。
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/05(木) 02:15:00.79 ID:0xWzFgBT0
あら、意外この中で1番やばいのてひきこさんだと思ったけど最強はメリーさんだったか 乙
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