ありす「お願いが、お願いがあるんです!」 奈氏u……」

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1 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:08:28.66 ID:r1XZIobz0
神谷奈祉<CンのSSです。ギャグです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1530374908
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/01(日) 01:10:07.55 ID:mAUe2IV40
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       ,,>-‐|   ´´     |   /       , , ,. ‐'' ̄ "' -、/      ウチ ポン・デ・ライオンやし
      /    l        ヽ_/           /          ゙ヽ
     l     ` 、               l            l
      l       ,. ‐'' ̄ "' -、   ,. ‐'' ̄ "'' -、            l
       l,     /         ヽ /        ヽ,         /
       ヽ、,,  l            l          l,,,___,,,/
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3 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:10:44.15 ID:r1XZIobz0
 それは事務所でゆったりとしている日の事であった。

久しぶりというほどでも無い休日に、特にやる事も無し、かといって家に引きこもっているような気分でも無かったあたしは、早々に家を出て事務所に足を運んでいた。

扉を開ける。誰も居ない。まあ、皆が暇なわけでは無いか。それにまだ早い時間だし。

ホワイトボードを見やれば、レッスンや仕事の合間に何人かは此処に寄るだろう事も分かったし、取り敢えずソファに身を委ね、本を読んで過ごす事にした。
4 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:11:24.61 ID:r1XZIobz0
そうしていれば、誰かしら来るだろう。

そう読んだあたしの考えは見事的中しており、文庫本を数十ページめくった所で彼女、橘ありすが部屋に入ってきた。

だけれど、私の予想が合っていたのはそこまでで、彼女は私の想像の斜め上を行く発言を投げかけてくる。
5 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:12:04.88 ID:r1XZIobz0
ありす「お願いが、お願いがあるんです!」

奈氏u……」
6 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:12:51.40 ID:r1XZIobz0
 目の前の幼気な少女がそう懇願している様子は、どこか心の柔らかい部分が刺激されるようで。

なるほど、彼女が人気なのはこんな所が関係しているからかも知れない、と額に手をやる。

待て、落ち着くんだ神谷奈氏B

急な事にも関わらず、私は躊躇う事無く頷いてしまいそうになったけれど、済んでのとこで自分を抑え、一先ずはしっかりと話を聞く事にした。
7 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:13:47.69 ID:r1XZIobz0
ありす「私だって、アイドルとしてこの世界で生きていくんです」

奈氏u……」

ありす「でも、ダメなんです。このまま何もしないでいてはダメなんだって」

奈氏u……」

ありす「私も、変わらなきゃって。だから、お願いします!」

奈氏u……」

ありす「私に、ツッコミを教えて下さい!師匠!」

奈氏uいや、弟子を取った覚えはねーよ!?」
8 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:14:22.12 ID:r1XZIobz0
 彼女のお願いはあたしの斜め上どころか、想像を遙かに超えていくものであった。
9 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:15:22.53 ID:r1XZIobz0
STEP0 橘ありす

奈氏uなんだなんだ急に。暑さで頭がやられたか?」

ありす「いえ、私は至って正常ですよ奈獅ウん、いえ師匠」

奈氏uわざわざ言い直さなくても……。んで、何があったんだ?」

ありす「ええ、実はですね。最近私、この事務所を改めて見直してみたんですよ」

奈氏u見つめ直す、ねえ。まあ、大事な事かもな」
10 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:16:22.42 ID:r1XZIobz0
ありす「そしたら私、ある事に気がついてしまって」

奈氏uうん」

ありす「ボケが供給過多なんじゃ無いかな……と」

奈氏u……うん、まあ、確かに」

ありす「であれば!大人である私がツッコミを覚えて事務所に貢献してあげるのが優しさというものでは無いでしょうか!」

奈氏uその勢いや良し、ってとこだな」

ありす「しかし私はまだ未熟。本来ならばツッコミの権威、前川師匠の門を叩きたい所ですが」

奈氏u何?ありすはツッコミ出来る奴全員師匠って呼んでんの?」
11 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:18:17.50 ID:r1XZIobz0
ありす「前川師匠は隣の部署。ウチの事で迷惑を掛ける訳にはいきません」

奈氏uまあそうだな。急にそんな事言っても、『みくは芸人さんじゃないにゃ!』って言われるだろうな」

ありす「声真似20点、雰囲気90点ですね」

奈氏uうるさいなぁ!ほっとけ!」

ありす「そう!その鋭い返し!私が学ぶべきはやはり奈試t匠からなんです!」

奈氏u……こうも言い続けられると、流石にむず痒くなってくるんだけど」

ありす「そもそも、この事務所で奈獅ウんに許可も取らずにツッコミをしようなんて失礼な話だったんです」

奈氏u別にここが私のシマだとか、そんな事は無いからな?あと隣の部署もみくのナワバリでも無いからな?」

ありす「だから、お願いします師匠!私にツッコミを」

奈氏u人の話を少しは聞け!」
12 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:19:42.14 ID:r1XZIobz0
STEP1 本田未央

奈氏u分かった分かった。もう何でもいいや、あたしも暇だったわけだし」

ありす「じゃあ……!」

奈氏uつってもなあ。何か教えられる訳でも無いしな」

ありす「大丈夫です、私は師匠の姿を見て盗んでいきますから」

奈氏uそうか?まあ、だったらいいけど」

ありす「ええ、師匠は普段通りでもツッコミが冴え渡っていますから!」

奈氏uそれは何か?普段から私がツッコミばかりしてるって事か?」

ありす「あ!誰か来ましたよ!」

奈氏u今日はとことん話を聞かない日なのか?」
13 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:22:40.97 ID:r1XZIobz0
未央「おっはよう!おやおや、なんだか珍しい組み合わせだね!」

ありす「おはようございます未央さん。私は今修行中ですので」

未央「修行?」

奈氏uああ。何でも、ツッコミが学びたいんだと」

未央「なるほど、それでかみやんに弟子入りか。いい師匠を持ったねありすちゃん!」

ありす「はい!」

奈氏u何元気よく返事してくれてんだよ」

未央「かみやんが居ないとこの事務所も回らないからね!」

奈氏u全く嬉しくない褒め言葉だな……」
14 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:29:35.42 ID:r1XZIobz0
未央「ええ〜?でもかみやんも楽しんでるでしょ?」

奈氏uそりゃあ、全く余裕の無い真面目な話ばっかりよりはいいけどさ」

未央「流石かみやん!ツンデレも挟んでくるね!」

奈氏uツンでもデレてもねえよ!」

未央「んふふっ……。まあでも、かみやんが居てくれてホント助かるよ」

奈氏u笑いながらじゃなけりゃ、少しは喜ぶんだけどな」

未央「いやいやホントだって!大体、ウチの事務所はボケが供給過多なんだから!」

奈氏uボケが、ってよりツッコミ入れる気のない奴ばっかりってとこだけどな」

未央「もしかみやんがいなかったら、ボケで詰まっちゃうよ。どん詰まりだよ」

奈氏uそう思うなら、未央も少しは遠慮してくれねえかな……?」
15 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:30:19.16 ID:r1XZIobz0
未央「ええ〜?でもかみやんも楽しんでるでしょ?」

奈氏uそりゃあ、全く余裕の無い真面目な話ばっかりよりはいいけどさ」

未央「流石かみやん!ツンデレも挟んでくるね!」

奈氏uツンでもデレてもねえよ!」

未央「んふふっ……。まあでも、かみやんが居てくれてホント助かるよ」

奈氏u笑いながらじゃなけりゃ、少しは喜ぶんだけどな」

未央「いやいやホントだって!大体、ウチの事務所はボケが供給過多なんだから!」

奈氏uボケが、ってよりツッコミ入れる気のない奴ばっかりってとこだけどな」

未央「もしかみやんがいなかったら、ボケで詰まっちゃうよ。どん詰まりだよ」

奈氏uそう思うなら、未央も少しは遠慮してくれねえかな……?」
16 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:31:40.19 ID:r1XZIobz0
未央「私だってボケたい時はあるんだよ!」

奈氏u凛、卯月、藍子、茜。……そうだな」

未央「でしょ?だから神谷師匠は頼りにしてるんだから」

奈氏u何?師匠って呼ぶのは普通なのか?」

未央「かみやんのお陰でこの事務所は動いてるんだから、もっと自身持って!」

奈氏u……そうかな」

未央「そうそう!私達のボケで詰まりそうな所を、かみやんがきゅっぽんきゅっぽんって」

奈氏uおい待て、今私の事ラバーカップ扱いしたか?よりにもよってラバーカップか!?」

未央「お気に召さなかったかなぁ」

奈氏uどこにラバーカップ扱いされて喜ぶ奴がいるんだよ!」

未央「いやぁごめんごめん、ここは水に流して下さいよ師匠」

奈氏u上手くねえかんな!?」
17 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:35:46.59 ID:r1XZIobz0
――


未央「と言う事で、分かったかなありすちゃん?」

ありす「はい!ラバーカップとはトイレのきゅっぽんの事なんですね!」

奈氏u何を聞いてたんだよ。本題はどこなんだ」

ありす「……もちろん全て聞いていましたとも」

未央「うんうん!その調子で精進するが良いぞ」

奈氏u何様なんだよ」

ありす「ありがとうございます!」

奈氏u元気よく返事してるけど絶対身についてないよな?」

未央「お、誰か来たみたいだね!じゃあ私はあっちで見守ってるから!」

ありす「はい!さあ師匠、次もお願いします!」

奈氏u普段通りしてりゃ良かったんじゃないのかよ……」
18 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:37:55.31 ID:r1XZIobz0
STEP2 渋谷凛

凛「あれ、奈獅ニありす?どうしたの二人して」

奈氏u凛か。いや何かさ、ツッコミが学びたいんだと」

ありす「奈試t匠にご教授頂いています!」

凛「そっか、ありすは勉強熱心なんだね」

ありす「はい!」

奈氏u返事は元気なんだよな……。って、凛はありすの事呼び捨てなのか」

凛「ん?ああ、初めて会った時にそう呼んで下さいって言われてさ」

ありす「勿論です。凛さんは私の憧れるアイドルのお一人ですから」

凛「(実は最初に『ありすちゃん』って呼んだんだけど、そこまで子供ではありませんって言われちゃって)」

奈氏u(なるほどな。まあ、そういう年頃だよな)」
19 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:39:34.92 ID:r1XZIobz0
ありす「……?どうかされましたか?」

凛「ううん、何でも無いよ。それにしても、奈獅ェ師匠か……」

奈氏u少し恥ずかしいんだけどな……」

凛「奈獅チて弟子は取らない主義だと思ってたよ」

奈氏uまてまてまて」

凛「?」

奈氏uどーゆう意味だそれは!?」

凛「どうも何も、奈獅チて恥ずかしがり屋だから、弟子とかはあんまり好きじゃ無さそうかなって」

奈氏uじゃあ何か、私が自信たっぷりだったら神谷一門でも開いてたって言うのか!?」

凛「だって、この事務所仕切ってるの奈獅ナしょ?」

奈氏uちげーよ!お前らのツッコミに対しての認識はどうなってんだよ!」

凛「だって、ここでは奈獅オかしてないし」

奈氏u誰のせいだ誰の!」

凛「だから、ここは奈獅フシマだと思ってたよ」

奈氏u嘘つけぇ!今考えただろそれぇ!」
20 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:42:01.70 ID:r1XZIobz0
凛「でも、ありすがその立場を狙っているとも考えられるのかな」

奈氏u別にいいよ……、譲れるならいくらでも譲ってやるよ……」

ありす「いえ、私はまだまだ若輩者ですから」

凛「そうだよ奈氏B奈獅フ域に到達するには並大抵の努力じゃ届かないんだから」

奈氏u私だって修行したわけじゃ無いんだよ!」

凛「じゃあどうしてそんなキレのあるツッコミが出来るって言うの!」

奈氏u逆ギレ!?」

ありす「確かにそれは気にはなりますね」

奈氏u何もしてねえってば!強いて言うならお前らがツッコませ続けたのが原因だよ!」

凛「つまり、奈獅ヘ私達が育てたって事だね。嬉しいよ」

奈氏u私は嬉しくないんだからな」
21 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:43:05.02 ID:r1XZIobz0
ありす「ふふ。私、凛さんってもっと堅い人だと思ってました」

奈氏uそうか?いつもこんなじゃないか」

凛「まあ、奈獅フ前ではこんな感じだよ」

ありす「やっぱり師匠が居てくれると、心が緩くなるんでしょうね」

凛「そうだね。奈獅ェ居てくれるだけで、私達は凄い安心するんだから」

奈氏uだから嬉しくないんだよぉ!」
22 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:44:52.38 ID:r1XZIobz0
――


凛「普通に話してただけだけど、これで良かったの?」

ありす「はい!参考になります!」

奈氏u私は良くないんだけどな」

凛「やっぱり、もっと分かりやすいボケも必要だった?」

奈氏u上方修正しようとすんな」

ありす「あ!またしても誰か来たようです!」

奈氏uなあ、おかしくないか?まさか外で並んでんじゃないだろうな?」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/01(日) 01:47:28.21 ID:reCvLR3OO
奈緒〜
24 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:47:56.16 ID:r1XZIobz0
STEP3 島村卯月

卯月「おはようございます!」

ありす「おはようございます卯月さん」

奈氏uおう、おはよう卯月。なあ、扉の前に誰か居なかったか?」

卯月「はい?別に誰も居ませんでしたけど……?」

奈氏uそっか。ならいいんだ」

卯月「あ、でもすぐそこの廊下で楓さんとすれ違いましたよ?」

奈氏uうぐっ」
25 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:51:26.72 ID:r1XZIobz0
卯月「どうかしましたか?」

奈氏uいや、なんでも……。因みに、楓さん何か言ってた?」

卯月「ええと、『私のターンはまだですし、いったーん散歩してきます』って……」

奈氏u来る気じゃねえか!しかもなんだよいったーんって!」

卯月「多分、一旦の事だと思いますけど」

奈氏uそういう事じゃ無いんだよ!あの人、外から覗いて場が暖まるのを待ってんのか!?」

卯月「ええと、よく分からないんですけど……?」

未央「いいのいいの。しまむーはいつも通りでいいんだよ」

凛「そうだね。卯月はいつも通りが一番だから」

卯月「うーん?やっぱりよく分からないですけど頑張ります!」

奈氏u頑張らないでくれ……」
26 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:53:01.83 ID:r1XZIobz0
ありす「(凛さん未央さん、卯月さんには趣旨を伝えなくていいんですか?)」

未央「(ああ、しまむーはねえ……)」

凛「(素の卯月でいいんだよ。まあ見ておくと良いよ。きっとタメになるから)」

ありす「(そうなんですか。分かりました)」

奈氏uはあ、聞こえてるってのに」

卯月「あれ、奈獅ソゃん。何か表情が暗いですけど、大丈夫ですか?」

奈氏uいや、問題ない。こっちの事だから」

卯月「そうですか?何かあったら言って下さいね」

奈氏uああ、ありがと。(難聴だし気も遣えるし、主人公力高いな)ボソッ」

卯月「主人公力って何ですか?」

奈氏uそれは聞こえるのかよ!」
27 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:55:08.22 ID:r1XZIobz0
卯月「え、だって目の前で言われたらどうしても聞こえちゃいますよね?」

奈氏uさっきのよりは小さい声だったんだが……。まあ、あれだよ。卯月は頑張ってるなって事だ」

卯月「えへへ、ありがとうございます!師匠!」

奈氏uまて」

卯月「え?」

奈氏u今、何て言った?」

卯月「あっ、えへへ。実はこの前加蓮ちゃんに、『奈獅ノ褒められたら、こう言うと喜ぶよ』って言われたんです」

奈氏u加蓮……」

卯月「あれ、もしかして間違っちゃいましたか!?」

奈氏uいや、卯月は悪くないよ。ただ、恥ずかしいからあまり言わないでくれ……」
28 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:57:07.76 ID:r1XZIobz0
卯月「分かりました!」

奈氏uおう……。って、うん?卯月、ここ跳ねてるぞ」

卯月「えっ、どこですか!?」

奈氏uほらここ、左の上のとこ」

卯月「あ、ホントです!スプレー掛けて、押さえとけばいいかな……」

奈氏uなんだ、また寝坊でもしたのか?」

卯月「ちょ、ちょっとだけ……」

奈氏uでもそんなに遅れてないし、って言うか寧ろ余裕ある時間じゃ無いのか?」

卯月「そうですね、全力で走ってきたら意外と早く来られました!」

奈氏uああ、通りで少し髪がボサついてると思ったよ。櫛あるか?直してやるよ」

卯月「ありがとうございます!これでお願いします」

奈氏uしっかし、最近全力で走った事なんて無いなぁ」

卯月「そうですね。私も緊急時以外はやめておけってプロデューサーさんに言われてますし」

奈氏u止められるほどの事でもないと思うんだけどな……」
29 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:57:48.47 ID:r1XZIobz0
卯月「まあ人にぶつかっちゃったりしたら危ないですからね」

奈氏uああ、そうだよな。走っちゃいけない所とかあるし」

卯月「え?」

奈氏uうん?」
30 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:58:22.84 ID:r1XZIobz0
卯月「……あ、そうですね!信号で止まったり」

奈氏u信号?ホームとかじゃ無くて?」

卯月「え?」

奈氏uうん?」
31 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 02:00:09.29 ID:r1XZIobz0
卯月「……ホーム、電車ですか?」

奈氏u電車の……、ああ信号で止まったりするよな、たまに」

卯月「そうですね。線路の脇にあるあの信号、たまに赤だったりしますよね」

奈氏u急いでる時ほどなんかひっかかったりするんだよな」

卯月「でもなんで急に電車の話になったんですか?」

奈氏uえ?」

卯月「はい?」
32 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 02:02:09.00 ID:r1XZIobz0
奈氏uまてまてまて、一旦落ち着かせてくれ」

卯月「いったーんですか?」

奈氏uそれはもういいよ!卯月、お前急いでたんだよな?」

卯月「はい、そうですよ?」

奈氏uんで、急いで駅に向かったんだよな?」

卯月「え?何でですか?」

奈氏u何でですかって、そりゃあ電車に乗る為に決まってるだろ?」

卯月「電車に乗ったら、遅れちゃいますよ」

奈氏uは?」

卯月「走った方が速いじゃないですか」

奈氏uいやおかしいだろ!?」

卯月「えぇ!?あっ、そう言えばこれ、言っちゃダメなんでした!」

奈氏uしかも秘匿事項!?」
33 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 02:08:20.37 ID:r1XZIobz0
卯月「ち、違うんですよ!ほら、線路と違って抜け道とかありますし!」

奈氏u卯月の乗ってる路線は道より上を通ってるんだから、まっすぐ来るじゃないか」

卯月「ああ、あの、あれです!電車は駅で止まっちゃいますから!」

奈氏uいや、卯月の家って割と遠いから、速度で負けるだろ?」

卯月「えーと、え、えーと……」

奈氏u……」

卯月「奈獅ソゃん!忘れて下さい!」

奈氏u無理に決まってんだろぉ!」
34 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 02:09:05.32 ID:r1XZIobz0
卯月「ええと、ど、どうしたら……!」

奈氏u……目の前でこうも慌てられると、一周回って冷静になるな」

卯月「確か、うなじをチョップしたらいいとか何とか……」

奈氏u待て!まてまて!ストップ!」

卯月「でも、でも!秘密を知られちゃったんで!」

奈氏u異能物で秘密がバレた女の子みたいなセリフを言うなぁ!」

卯月「仕方ない事なんです!奈獅ソゃんごめんなさい!!」

奈氏uしかも無垢なタイプだ!?じゃない!待てって、おい、そこで笑ってるNGの残りは責任取って早く助けろ!助けて下さい!」
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