【ラブライブ】梨子「ロストソング」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

422 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/14(土) 18:03:59.14 ID:qw1cp76Ho

ーーー

千歌「……」

曜「どう、しよう……」

鞠莉「ハッキリ言って、一番最悪な状況ね……」

ルビィ「ルビィのせいだ……」ギュッ

花丸「ルビィちゃん……何を……」

ルビィ「ルビィが善子ちゃんのこと問いただしたりしなかったら……こんなことには……」

善子「アンタのせいじゃないわよ……私がもっと上手くやれてれば……」

果南「誰の責任とかじゃないでしょ、私達全員被害者なんだから」

花丸「そうだよっ!ルビィちゃんも善子ちゃんも悪くないって」
423 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/14(土) 18:06:00.83 ID:qw1cp76Ho

千歌「……私の、せいだ」ボソッ

鞠莉「千歌っち……?」

千歌「私が……無理に誘わなかったらよかったんだ……」

果南「千歌!」

千歌「私が梨子ちゃんのこと何にも知らないのに無理矢理誘ったりしたから……梨子ちゃんが嫌な思いしちゃったんだ……」ギリッ

バンッ

ルビィ「ひっ……!?」ビクッ

ダイヤ「貴女達、いい加減にしなさい!」

千歌「っ……」ビクッ

ダイヤ「……津島さん、運営に通報は?」

善子「……してる……アカウント凍結とか対応してくれてるけど……余計に逆恨みされる原因になって……」

ダイヤ「少なくとも見捨てられてる訳ではないのですね」

善子「そう、かもしれないけど……」

ダイヤ「けど、けど、けど、とネガティブになるのはやめてください」

善子「そんなこと言われたって!」
424 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/14(土) 18:07:34.28 ID:qw1cp76Ho

ダイヤ「私達が沈んでいていれば、桜内さんは誰を頼ればいいか、分からなくなってしまいますわ!」

鞠莉「ダイヤ……」

ダイヤ「確かに私達に事を解決する力なんて無いかもしれません、ですが……せめて桜内さんを受け止めてあげることは出来るでしょう?」

曜「……」

ダイヤ「千歌さん」

千歌「……」

ダイヤ「桜内さんを誘った自分のせいだと言うのなら、その責任、最後まで背負ってください」

千歌「せき、にん……」

ダイヤ「全く……普段はヘラヘラとおバカなくせに、無理に悩んでどうするんですか」

千歌「お、おバカ!?」

ダイヤ「ええ、おバカですわ、だからクヨクヨ悩まずにいつも通り根拠もなく前向きにいて下さい」

鞠莉「褒めてるのか、貶してるのかハッキリしなさいよ……」

ダイヤ「桜内さんがどうにもならなくなった時、この部室は……私達がいる場所だけは、彼女の居場所として守ってあげるのが友達というものでしょう?」
425 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/14(土) 18:08:30.38 ID:qw1cp76Ho

千歌「……居場所」

果南「……そうだね」

曜「わかった!私もおバカだから悩まない!」

善子「なによそれ……」

花丸「マル達が桜内先輩を支えてあげなきゃ」

善子「……もう少し出来ることないか粘ってみる」

ルビィ「ルビィも!」

千歌「うん……うんっ!……一番苦しいのは梨子ちゃんなんだもんね!」

ダイヤ「そうですわ」

千歌「だから私が……私達が居場所になってあげなきゃ!」
426 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/14(土) 18:09:40.11 ID:qw1cp76Ho

ーーー

むつ「ねぇ、ちょっと」

千歌「どうしたの?」

むつ「……桜内さんと喧嘩でもしたの?」

千歌「えっ?」

いつき「桜内さん、最近授業終わったらすぐ帰ってるみたいだから……」

よしみ「なんかあったの?」

曜「そういうわけじゃないけど……」

むつ「……?」

いつき「私達にも何か出来ることない?」

千歌「ありがとう、でも今は待っててあげることしか出来ないから」

よしみ「……」

曜「でも、きっとまた元のAqoursに戻れるから、だからみんなも待っててくれないかな」

いつき「……」

むつ「……わかった、二人がそういうなら」

よしみ「うんっ!」

いつき「またライブする時は手伝うからね」

千歌「ありがとう!」
427 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/14(土) 18:11:19.23 ID:qw1cp76Ho

ーーー

ルビィ「善子ちゃん、これ」

善子「……不味いわね」

鞠莉「どうかしたの?」

善子「とうとうν-tralにまで飛び火しちゃってる」

果南「えっ」

ルビィ「ν-tralは元々人気も凄いから動画も画面いっぱいにコメントが出ちゃって見えなくなるって理由でコメント非表示を推奨してるんだけど……」

花丸「とんでもない理由ズラ……」

ルビィ「そこに多分私達の動画にコメントしたのと同じ人がコメントしてたらしくって……それに気付いた人達もいたみたいで」

果南「どこまでも酷い奴だね……」

ルビィ「それで昨日ν-tralのページに二人からのコメントが出てたの」
428 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/14(土) 18:12:42.60 ID:qw1cp76Ho

ダイヤ「……現在、一部の方よりご指摘を受けている件について……」

鞠莉「プライバシーに関わる事であるため、詳しい内容については伏せさせていただきますが……一部事実とは全く異なる内容であり、ご指摘いただいたようなトラブルは一切なく、現在に至るまで良好な関係であると認識しております……」

ダイヤ「……また今回の件につきまして、私共は一個人を狙った悪質な誹謗中傷であると判断し、このような行為が行われている事に対し、深く遺憾の意を表明します……国立音ノ木坂学院アイドル研究部所属……ν-tral、高坂雪穂、絢瀬亜里沙、及びアイドル研究部部員一同……」

果南「大事になってきちゃったね……」

善子「流石にランキング1位のグループまで巻き込まれたとなるとね……」

ダイヤ「ですが、ここまで大っぴらになれば運営も表立って動きやすくなるのでは?」

鞠莉「確かにね、それがどう転ぶかは分からないけど……」

ルビィ「……梨子先輩」
429 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/14(土) 18:14:00.46 ID:qw1cp76Ho

ーーー

花丸「……」グスッ

善子「……」

ガラッ

ルビィ「あっ……千歌ちゃん……」

千歌「おはよう、どうしたの?」

果南「ダイヤ……」

ダイヤ「私達が来た時に書き置きが……ご迷惑おかけしました、退部します……とだけ」

曜「そんなっ……」

千歌「……退、部」
430 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/14(土) 18:16:05.14 ID:qw1cp76Ho

鞠莉「……」

果南「千歌……」

曜「なんで……梨子ちゃん……」

千歌「……梨子ちゃんの家に行こう」

ダイヤ「……全員で行っては家の方にご迷惑ですわ」

千歌「私だけで行ってくる」

善子「私も行くっ!」ガタッ

ルビィ「善子ちゃん……」

善子「私があんなの見せちゃったせいなんだから!」

ダイヤ「ですから、そういう話は……」

善子「分かってるわよ!分かってるけど……やっぱりちゃんと謝りたいの!」

鞠莉「……なら、ヨハネちゃんと千歌っちで行ってきて、私達はここで待ってるから」

花丸「……」グスッ

千歌「分かった、善子ちゃん行こう」

善子「絶対リリーを連れ戻してくるから!」
431 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/14(土) 18:22:07.71 ID:qw1cp76Ho


果南「……これからどうするの?」

ダイヤ「……どうもこうもありませんわ、届けが受理されていればそれまで」

ルビィ「お姉ちゃん……!」

ダイヤ「桜内さんの意志を私達の勝手で覆すわけにはいきませんわ……」

鞠莉「ダイヤ……バカ真面目なのはいいけど、あんまり融通利かないなら……」ギリッ

ダイヤ「一個人の私が何の融通を利かせろと?」

鞠莉「じゃあ何!?このまま黙って梨子っちを見捨てろって言うの!?」バンッ

花丸「っ……」ビクッ

ダイヤ「誰もそんなこと言ってません!」

曜「やめてよ二人とも!」

果南「マルとルビィが怖がってる」

鞠莉「っ……ごめんなさい」

ダイヤ「すみません……」

果南「……とにかく千歌と善子ちゃんが連れ戻して来るまで待ってよう」
432 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/14(土) 18:22:46.31 ID:qw1cp76Ho
後でまた続けます
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/14(土) 21:40:57.34 ID:LhnOJOCl0
うーん面白い
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/14(土) 22:50:41.17 ID:PNK39+rwO
匿名の悪意は恐ろしい…
謎の『ナナ』という人物が記憶喪失とどう絡んで来るのかすごい気になる…
435 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:20:26.62 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

ピンポーン

母「はーい」

ガチャッ

母「あら……貴女達……」

千歌「朝から突然すみません!あのっ、梨子ちゃんに会わせて下さい!」

善子「どうしても話がしたいんです!」

母「……ごめんなさい」

千歌「っ……お願いですっ!少しだけでいいんです」

母「そうじゃなくて……今いないのよ」

善子「えっ……」

母「朝早くにね……出かけちゃったみたいで」

千歌「どこにですか!?」

母「……お父さんに会ってくるって書き置きがあって……」

善子「お父……さん……?」
436 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:21:24.58 ID:ANnLRE6Vo

母「今、主人が……梨子のお父さんが1人で暮らしてる家……私達が元々住んでた家に行ってるみたい」

善子「元々って……東京……」

母「ええ、だからごめんなさい……」

千歌「そう……ですか……」

善子「突然すみませんでした……」

母「力になれなくてごめんなさいね……」

千歌「あのっ!」

母「……?」

千歌「梨子ちゃんが帰ってきたら……私達ずっと待ってるからって伝えてあげてください!お願いします!」

母「……ええ……ありがとう、必ず伝えておくわ」
437 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:22:03.09 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

梨子「……」

父「はい、梨子」コトッ

梨子「ありがとう……」

父「それにしても、突然でびっくりしたよ、連絡くれれば良かったのに」

梨子「ごめんなさい……」

父「いや、構わないんだがね、休日は庭の手入れくらいしかすることもないから」

梨子「……いつもしてるの?」

父「ああ、放っておいたら母さんに怒られるからな」

梨子「お母さん……いつも綺麗にしてたもんね」

父「……お母さんの言ってた通り、少しずつ戻ってきているんだね」

梨子「……うん、本当に少しずつだけど……」

父「良かった、本当に」

梨子「……うん」
438 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:22:43.85 ID:ANnLRE6Vo

父「……この間の怪我は大丈夫かい?」

梨子「え?あ、うん、それは大したことなかったから」

父「そうか……あの時と全く一緒だから驚いたよ」

梨子「……」

父「本当に……人の事ばかり心配して……」

梨子「……そう、だね」

父「あぁそうだ、今更だが、今日はどうしたんだ?」

梨子「……特に用があったわけじゃないんだけど……なんかお父さんに会いたくなって……」

父「……」

梨子「……」

父「そういうところも変わらないな」

梨子「……えっ?」
439 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:23:34.54 ID:ANnLRE6Vo

父「何かあるとすぐ父さんの側に来るくせに、何もないなんて誤魔化すところがね、昔から変わらない」

梨子「そう……なんだ……」

父「心の目でよく見なければものごとはよく見えない」

梨子「えっ?」

父「父さんが梨子にいつも言ってた言葉だよ」

梨子「……心の目……」

父「何に悩んでるのかは父さんには分からないし、そもそも年頃の女の子の悩みなんて、父さんがアドバイスしてあげられることはないけどね」

梨子「……」

父「いつだって答えは梨子の心にちゃんとあるはずだよ」

梨子「……私の……中に……」
440 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:24:07.11 ID:ANnLRE6Vo

父「ああ、梨子は多感な時期だ、色んな事を見て、色んな事を考えて、色んな事に迷うだろうけど、そんな時はじっと心を見つめて、心で見つめなさい、そうすれば自ずと答えは見つかるはずだ」

梨子「……こころを……」

父「さて、梨子、せっかくだからお昼でも食べていきなさい」

梨子「えっ?あ、わかった……」

父「母さんや梨子みたいに上手じゃないけどね、それなりに食べられるものは作れるようになったから」

梨子「……なんか不安になる言い方だね」クスッ
441 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:24:53.95 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

梨子「……じゃあ私、そろそろ行くね」

父「帰るのか?」

梨子「うん、でもその前に行かなきゃいけない場所があるのを思い出せた……」

父「……そうか、気をつけてな」

梨子「うん、ありがとうお父さん」

父「父として当然のことをしただけだ」

梨子「うん」

父「梨子、父さんはいつだって梨子の味方で、梨子のファンだからな」

梨子「ふふっ……ありがとう」

父「梨子、心の目でよく見なければものごとはよく見えない」


梨子「……肝心なことはいつも目で見えないんだ、だよね」


父「……!」
442 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:25:31.27 ID:ANnLRE6Vo

梨子「お父さんと話してたらまた少しだけ思い出せた」

父「……そうか」

梨子「本当にありがとう、また来るから」

父「ああ、いつでもおいで」

梨子「それじゃ」

父「梨子」

梨子「ん?」

父「いってらっしゃい」

梨子「……うん!行ってきます!」

父「全く、変わらないようでちゃんと成長してるんだな……」


父「……ただ、反抗期が来てないような気がするんだが……うむ……」
443 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:26:23.20 ID:ANnLRE6Vo

ーー

梨子「……」キョロキョロ

梨子「多分……この辺りなんだと思うけど……」キョロキョロ

梨子「うーん……」

ワンッ

梨子「ん?」

?「えっ……」

梨子「あっ……」

ワンワンッ

梨子「ナナ……」

ナナ「梨子……なんで……」
444 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:27:18.54 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

ナナ「……」

梨子「……あの、いきなり来て、ごめん……」

ナナ「ううん、梨子が転校しちゃって……もう会えないかと思ってたから、ちょっとびっくりしちゃった」

梨子「……」

ナナ「でも、記憶が無くなったって聞いてたのに……」

梨子「少しずつだけど……戻ってきてるの」

ナナ「えっ……」

梨子「小さい頃のこととか……ナナ達と過ごした時のこととか……事故のこととか……」

ナナ「そっか……良かったね」

梨子「うん」

ナナ「……」

梨子「……」
445 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:28:19.41 ID:ANnLRE6Vo

ナナ「あの時は……本当にありがとう」

梨子「……」

ナナ「それから……ごめんなさい」

梨子「ううん……ナナは悪くないよ」



ナナ「でも……梨子は私を庇ったせいで車に撥ねられて……」



梨子「もう過ぎた事だし、見ての通り今も元気にやってるから」

ナナ「梨子……」
446 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:28:56.80 ID:ANnLRE6Vo

梨子「……ねぇナナ」

ナナ「ん?」

梨子「一つ聞いていいかな?」

ナナ「何?」



梨子「どうしてスクールアイドル辞めちゃったの?」



ナナ「……あんな事があったのに……続けてられないよ」

梨子「……」

ナナ「私が逃げ遅れたせいで梨子が入院して……記憶まで無くなって……それなのに私だけ続けるなんて出来ないよ……」
447 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:29:40.83 ID:ANnLRE6Vo

梨子「雪穂や亜里沙は?穂乃果先輩達は?」

ナナ「みんな引き留めてくれたよ……私だって最初は梨子のことを待ってようって思ってた……でもやっぱり続けられなかった」

梨子「……」

ナナ「雪穂も亜里沙も、他のみんなも今でも仲良くしてくれてるよ?……でもやっぱり自分のこと責める気持ちだけは無くならないから……結局スクールアイドルそのものから離れないと耐えられなかった……」

梨子「……」

ナナ「……ごめんね、せっかく梨子も記憶が戻ってきて良くなってるのに……こんな話して……」

梨子「……」

ナナ「……」
448 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:30:22.50 ID:ANnLRE6Vo

梨子「ナナ」

ナナ「……?」

梨子「ナナに見てほしいものがあるの」

ナナ「見てほしいもの……?」

梨子「えっと……これ」

『今日はみとしースペシャルライブに来てくれてありがとうございます!』

ナナ「これ、は……スクールアイドル……」

梨子「今、私のいる学校のスクールアイドル……Aqoursって言うの」

ナナ「……どうしてこんなのを」

梨子「いいから見てて」

ナナ「……」

梨子「……」
449 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:31:39.49 ID:ANnLRE6Vo

『実はみんなにお知らせがあります!』

『Aqoursに新しいメンバーが加わりました!国木田花丸ちゃんと!』



『桜内梨子ちゃんです!』



ナナ「えっ……」

梨子「……」

ナナ「嘘……」

450 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:32:22.58 ID:ANnLRE6Vo

梨子「不思議だよね……」

ナナ「……」

梨子「何にも覚えてないのに……何にも知らないのに……私、懲りずにまたスクールアイドル始めちゃったの」クスクス

ナナ「梨子……」


梨子「伝えに来るのが遅くなってごめんね……ナナや雪穂達とは一緒じゃなくなっちゃったけど……私は今もちゃんとスクールアイドルだよ」


ナナ「……っ」

梨子「だからもう自分を責めないで」

ナナ「り、こ……」グスッ

梨子「……私のせいで辛い思いさせてごめんね」

ナナ「梨子のせいじゃない!私……私が……うぅっ……」

梨子「ナナ……」ギュッ

ナナ「うわぁぁぁん!」ギュウッ
451 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:33:22.19 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

ナナ「……はぁ……」ズビッ

梨子「落ち着いた?」

ナナ「……久しぶりに会えたのに……みっともないところ見せてごめん……」

梨子「そんなの気にしないよ」クスクス

ナナ「ありがと……少し楽になれた気がする……」

梨子「良かった♪」

ナナ「梨子は今、楽しい?」

梨子「えっ?」

ナナ「この新しいグループのみんなといて、楽しく過ごせてる?」

梨子「うん、どうして?」

ナナ「苛められてない?」

梨子「苛められてません」

ナナ「なら良かった」

梨子「なにそれ、もう」
452 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:34:59.50 ID:ANnLRE6Vo

ナナ「雪穂と亜里沙には言ったの?」

梨子「うーん……言ったというか……まだ記憶が戻ってない頃に一度会ってるの」

ナナ「そうなの?」

梨子「うん、まぁそれからまだ会えてないけど……」

ナナ「……」

梨子「……」

ナナ「会いたい?」

梨子「えっ?」

ナナ「今日のこの時間だと……もう少ししたら男坂で練習始まるんじゃないかな」

梨子「……」

ナナ「離れたって言っても同じクラスだし、雪穂と亜里沙とは中学から一緒だしね、どこで練習してるかくらいは分かるよ」

梨子「……」

ナナ「きっと雪穂も亜里沙も喜んでくれるよ」

梨子「……うん」
453 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:35:55.37 ID:ANnLRE6Vo

ナナ「……」

梨子「……」

ナナ「はぁ……考えてる暇があったらとりあえず動く!」

梨子「えっ?」

ナナ「凛先輩がいつも言ってたでしょ」

梨子「そう……だっけ」

ナナ「うん、だから行ってきなよ」

梨子「……わかった」

ナナ「……今日は本当にありがとうね」

梨子「ねぇ、ナナ……またみんなで会えるかな?」

ナナ「うーん、どうかな、私達はもう卒業だから」

梨子「そう……だよね」

ナナ「でも、大丈夫、今日会えたから」

梨子「……うんっ」
454 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:36:29.72 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

「じゃあ、まず一年生から」

「はーい」

「いくよー……スタート!」

タッタッタッタッ

「しっかり足上げてー」

タッタッタッタッ

「……」

タッタッタッタッ

「はい、お疲れー、タイムは?」

「うん、ちょっとずつ短くなってるよ」

「だいぶ体力付いてきたね、じゃあ次ー」

「はーい」


梨子「……」
455 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:37:19.31 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

亜里沙「お疲れ様、じゃあ10分休憩してから基礎ステップの練習ねー」

「はーい」

雪穂「亜里沙ー」

亜里沙「なに?」

雪穂「ブロック予選の曲なんだけどね」

亜里沙「うん……ん?」

雪穂「どうかした?」

亜里沙「……!」ダッ

雪穂「亜里沙?」

亜里沙「梨子かもしれない!」

雪穂「えっ!?ちょっと!ごめん!ちょっと後任せる!」

「えっ?分かりましたー……?」
456 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:38:05.18 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

亜里沙「梨子!梨子ー!いるの!?」

雪穂「亜里沙、本当に梨子なの?」

亜里沙「忘れるわけないよ!あれは梨子だよっ!」

雪穂「亜里沙……」

亜里沙「梨子ー!」

雪穂「……」キョロキョロ

亜里沙「梨子ー!」

雪穂「あっ!亜里沙!あれ!」

亜里沙「あっ!やっぱり梨子だ!梨子ー!」

梨子「……」スタスタ

亜里沙「おーい!会いに来てくれたんだよね!」

梨子「……」スタスタ
457 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:39:25.70 ID:ANnLRE6Vo

雪穂「……亜里沙、ちょっと待って」

亜里沙「っ……なんで……止まってくれないの……梨子」

梨子「……」スタスタ

雪穂「……」

亜里沙「……どうしてこっち見てくれないの……」

雪穂「……亜里沙」

亜里沙「……なに?」

雪穂「私に合わせて」

亜里沙「えっ?」

雪穂「すぅ……音ノ木坂学院アイドル研究部!高坂雪穂っ!」

梨子「……」ビクッ

亜里沙「っ……同じくアイドル研究部!絢瀬亜里沙っ!」

雪穂「私達は!ν-tralとしてー!絶っ対決勝に行くからー!」

亜里沙「アキバドームで待ってるからー!」
458 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:40:34.56 ID:ANnLRE6Vo

梨子「……」

雪穂「はぁ……はぁ……」

亜里沙「……はぁ……梨子……」

梨子「……っ」

雪穂「……戻ろ」

亜里沙「でも……」

梨子「……」


梨子「……浦の星女学院!スクールアイドル部!桜内梨子っ!」


雪穂「……っ」ビクッ

亜里沙「梨子……!」

梨子「今度は……今度は必ず決勝に行くから!」
459 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:41:38.60 ID:ANnLRE6Vo

雪穂「……」

亜里沙「……」

梨子「形は違っても!約束を守るために!絶対!」

雪穂「……!」

亜里沙「それって……!」

梨子「……っ」ダッ


雪穂「……」

亜里沙「ねぇ、雪穂……」

雪穂「……思い出せたんだ……梨子……」
460 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:42:16.27 ID:ANnLRE6Vo

ーーー


梨子「はっ……はっ……はっ……」


梨子「帰らなきゃ……っ」


梨子「謝らなきゃ……っ」


梨子「みんなに……っ」
461 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:42:53.56 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

ガシャンッ

梨子「……はぁ……はぁ……」

梨子「……門……開いてない……」

梨子「はぁ……はぁ……そうよね……もうこんな時間なんだし……」

梨子「……何か挟まってる……紙?」

梨子「……」スッ

梨子「……っ!」ダッ




『初めて会った場所で待ってます 千歌』


462 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:43:29.65 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

梨子「……っ!」

梨子「……いたっ!」ザッ

梨子「はぁ……はぁ……はぁ……」


千歌「……」

ルビィ「梨子先輩……」

花丸「……」

鞠莉「ほんとに来たわね」

ダイヤ「……」

曜「梨子ちゃん……」

善子「り、リリー……」

果南「善子ちゃん待って」
463 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:44:34.62 ID:ANnLRE6Vo

梨子「……っ」グッ


梨子「ごめんなさいっ!」


千歌「……」


梨子「練習行かなくなったり……勝手にいなくなって……自分勝手でした!」


ルビィ「そんなこと……」

ダイヤ「ルビィ」

ルビィ「っ……」


梨子「どうすればいいか分からなくて……みんなに迷惑かけたくなくて……」


花丸「……」


梨子「でも……お父さんに会って……ナナや雪穂達と会って……気付いたの……」


善子「……」


梨子「私……心の底からスクールアイドルが好きだって!だから記憶がなくたって、またここでスクールアイドルを始めたんだって!」

464 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:45:35.19 ID:ANnLRE6Vo

果南「梨子ちゃん……」


梨子「だからっ!だから自分勝手で滅茶苦茶で!迷惑もいっぱいかけちゃうけど!またスクールアイドル部に入れてくださいっ!!」


鞠莉「……何を馬鹿なこと言ってるの」


梨子「っ……分かってます……馬鹿で最低な事を言ってるのは……でもっ……たとえ一緒に踊れなくても……同じ部員としてーー」


千歌「梨子ちゃん、なんか勘違いしてないかな」


梨子「……えっ」


千歌「スクールアイドル部を辞めた人なんていないよ」スッ


梨子「これ……私の書いた退部届……なんで……」


ダイヤ「全く、私が回収してなければ本当に受理されてましたわよ」

果南「ダイヤが先生に掛け合って保留にしてもらったの
465 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:46:37.79 ID:ANnLRE6Vo

梨子「……どう、して……」


千歌「信じてたから」


梨子「……っ」


千歌「梨子ちゃんなら絶対戻ってくるって信じてたから」

曜「負けず嫌いな梨子ちゃんがこんなところで逃げ出したりしないって」

花丸「それでもヒヤヒヤしたズラ……」



千歌「だから、おかえり、梨子ちゃん」

梨子「っ……うん……うんっ……ただいまっ……」グスッ


466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/15(日) 00:46:44.06 ID:auwzK7j10
面白いか?
467 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:47:34.45 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

善子「……ほんとにいいの?」

梨子「うん」

ルビィ「今ならまだ止められるよ?」

梨子「これは、私なりのけじめだから」

善子「……わかったわ、じゃあ撮るわよ」
468 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:48:31.47 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

ナナ「雪穂、亜里沙」

雪穂「どうしたの?」

ナナ「ちょっと相談と報告」

亜里沙「ん?」

ナナ「とりあえずこれ見て」

雪穂「なに?」


梨子『動画をご覧の皆様、初めまして、浦の星女学院スクールアイドル部、2年の桜内梨子です』


亜里沙「梨子!?」
469 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:49:18.93 ID:ANnLRE6Vo

梨子『まずこの度、私の事について、運営やスクールアイドル、応援してくださるファンの皆様にご迷惑をおかけしたことについてお詫び申し上げます』


雪穂「梨子が悪いわけじゃないのに……」

ナナ「私も一連のことは調べた……酷いよね……」


梨子『この件については、私に詳しい事情を説明する責任があると思い、このような形で皆様にお伝えすることにいたしました』


亜里沙「……」


梨子『まず、私がかつて音ノ木坂学院の生徒であったこと、本来なら3年生であることについては、紛れもない事実です』


ナナ「……」


梨子『ただ、私が今の状態になった理由については、一部で囁かれているような事は無く、二年前の12月……私がまだ音ノ木坂の一年生だった時、交通事故にあったからです』


雪穂「……」


梨子『交通事故により、私は全生活史健忘、いわゆる記憶喪失に陥りました、怪我と記憶喪失によるリハビリを余儀なくされ、一年の休学、そして家族が私の精神的負担を考慮しーー』
470 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 00:49:46.35 ID:ANnLRE6Vo
今回はここまで
471 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:25:11.23 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

ガラッ

善子「さぁ、リトルデーモンのみんな!」バァン

花丸「どうかしたズラ?」

ルビィ「マルちゃん、普通に返事しちゃうんだ……」

善子「とんでもない事になったわよー」

果南「またー?」

梨子「私の動画……やっぱり荒れちゃったりしてるの?」

善子「ええ、そりゃもう大荒れに大荒れ、大波乱に大混乱よ!」ギランッ

ダイヤ「意味が分かりませんわ」
472 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:27:23.41 ID:ANnLRE6Vo

善子「じゃーん!なんとランキングが46位よー!」バッ

ルビィ「え?」

梨子「ん?」

鞠莉「……ワッツ!?」ガタッ

千歌「46!?」ガタッ

ルビィ「えぇぇ!?460の間違いじゃないの!?」アワアワ

曜「一気に50位以内まで上がっちゃったの!?」ガタッ

花丸「またとんでもない事になったズラぁ!?」ガーン

善子「まぁスクールアイドルとしてどうかとは思うけど
、リリーの動画を見た人から、感動したとか色々コメントくれててね」

梨子「そんな……」

善子「これまでアップした動画も鰻登り!獲得ポイントも桁が上がる快進撃よ!」

果南「善子ちゃんのテンションまでおかしい……」

ダイヤ「まぁここまで上位に来てしまったわけですから、4月からずっとやってきた鞠莉さん達にしてみれば、盛り上がるのも当然でしょう」

千歌「梨子ちゃん、絶対ラブライブ出よう!」

梨子「うんっ!」
473 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:28:13.15 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

鞠莉「クシュンッ……寒い……」

曜「今日は一段と寒いねー……」ブルッ

千歌「雪降るかな!」

ダイヤ「降水確率は0ですわ」

千歌「がーん……」

花丸「こんなに寒いのに人はいっぱいいるズラ」

曜「そういえば梨子ちゃん達は?」

ダイヤ「……あちらでファンにもみくちゃにされてますわ」

千歌「凄い人だかり……」

曜「あ、出てきた」
474 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:29:11.36 ID:ANnLRE6Vo

善子「さ、流石にこんなにたくさんのリトルデーモン相手にしてたら、魔力がいくらあっても足りないわ……」ボロッ

果南「大丈夫、ルビィ?」

ルビィ「ひぃぃ……」フラフラ

梨子「と、とりあえず中に入りましょう……」ヨロヨロ

鞠莉「まだブロック予選なのにとんでもない盛り上がりねー」

ダイヤ「まぁ私達、県内1位になってしまいましたからね……」
475 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:30:05.80 ID:ANnLRE6Vo

ーーー


『スクールアイドル部、Aqours、ブロック予選突破!』


ルビィ「これは……恥ずかしい……」

花丸「おっきい垂れ幕ズラぁ……」

善子「まだブロック予選突破しただけなのに……」

花丸「でもみんな応援してくれてるんだよね」

善子「まぁ、そうなんだろうけど……」

キャーキャー

ルビィ「すごい窓から手を振られてる……帰りたい……」フリフリ
476 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:31:34.12 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

千歌「あーあ……地区予選行けたら冬休みの宿題免除とかしてもらえないかなぁ」ベチャァ

ダイヤ「何を馬鹿なことを言ってるんですか……」ヤレヤレ

鞠莉「ーー!ーー!」

善子「さっきからマリーは何怒ってるの?」

果南「私達、かなり有名になってきたでしょ?だから鞠莉のお父さんがAqoursをホテルのCMに出したいんだって」

善子「なんというか商魂たくましいお父さんね……」

梨子「なんというか……私のせいでごめんなさい」ガクッ

曜「もぉ、前向きに行こうヨーソロー!」ビシッ

花丸「ヨーソローの使い方おかしい気が……」

曜「気にしない!」
477 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:32:10.23 ID:ANnLRE6Vo

鞠莉「もう、勝手なんだから!」プンプン

ダイヤ「終わりましたか?」

鞠莉「CMがダメならパンフはどうかだって!何なのよもう!」

ルビィ「あはは……」

善子「随分食い下がるのね……」

千歌「じゃあそろそろ練習始めよっか」

曜「おっけー♪」

鞠莉「待たせちゃってごめんなさいね」
478 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:32:47.63 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

志満「千歌ちゃんおめでとう♪」

千歌「うんっ!ありがとう志満ねぇ!」

美渡「ほれ」ドサッ

千歌「えっ?何この大量のみかん……しかも高いやつ!」

美渡「お姉様は約束を守る人だからねー」ニシシ

千歌「約束?」

美渡「忘れてんのかっ、じゃあ没収ー」

千歌「えぇぇ!?」

志満「もう美渡、意地悪しないの」
479 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:33:21.47 ID:ANnLRE6Vo

美渡「冗談だってば、何かの大会で入賞で出来たらなんかあげるって言ってたでしょ」

千歌「えっ!あれ本気だったの!?」

美渡「アンタねぇ……せっかく県大会優勝したアンタの為に買ってきてあげたのに」

千歌「美渡ねぇ……ありがとう!」

美渡「そうそう、素直に感謝してればよろしい」

志満「ふふっ♪Aqoursのみんなにも分けてあげてね♪」

千歌「わかった♪」
480 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:34:14.09 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

果南「うわ……なにこれ」

ルビィ「すごい料理いっぱい……」

鞠莉「クリスマスパーティーするならってパパが県大会優勝のお祝いも兼ねてくれて……」ガクッ

善子「絶対食べきれないでしょ……」

千歌「こんなにおっきいケーキ初めて見たよ!?」

曜「あ、後でお金請求されたりしないよねっ!?」

鞠莉「それは大丈夫」

ダイヤ「これでは、どこぞの企業の祝賀会ではないですか……」

梨子「見たことない料理ばっかり……」
481 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:35:02.61 ID:ANnLRE6Vo

千歌「せっかくだし他の子も呼ぶ?」

花丸「いきなり呼んで来れるかなぁ?」

鞠莉「ダメ元で呼んでみましょうか」

曜「はーい」

ルビィ「誰か来てくれるかなぁ」

善子「刺身とかあるわね……」

果南「誰か来るにしても、待ってたら傷んじゃうから先に食べよっか」

梨子「そうね」
482 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:36:05.28 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

千歌「遂に来たね」

曜「名古屋も人多いなぁ……」

鞠莉「ラブライブ本戦への出場を決める大事な大会だからねー」

ルビィ「東海4県の猛者達がここに集まってくるんだぁ♪」キラキラ

善子「いや、私達もその内の1組なんだけど……」

果南「勝ち目は?」

ダイヤ「出場グループのランキングですと3番目でしたわ」

梨子「ランキングだけ見れば可能性は大いにあるってことかな」
483 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:37:01.47 ID:ANnLRE6Vo

ルビィ「ダメだよ!その慢心が失敗に繋がるんだからっ!」フンス

花丸「そうだねルビィちゃん!」グッ

果南「全力でやらなきゃ足元すくわれるもんね」

ルビィ「そうです!今、私達よりランクが下でも本戦出場経験のあるグループも沢山います!何が起きるか分かりませんよっ!」

千歌「3番目にランクが高いなら出場決まったも同然だねっ!」

善子「ルビィの話聞いてた……?」

曜「とはいえ、あんまり気負い過ぎてもダメだよ」

梨子「そうだよね、いつも通り楽しいライブにしなきゃ」

ダイヤ「今年最後のライブですものね」

千歌「それが言いたかった!」ビシッ

鞠莉「全然違うじゃない……」
484 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:37:29.26 ID:ANnLRE6Vo

ーーー


MC『ーー皆様大変長らくお待たせいたしました』

曜「……」

MC『……この場に集まった20組の内……』

鞠莉「……」

MC『一体どのグループが本戦への切符を手に入れるのか!』

花丸「……」

MC『東海エリア地区予選!予選突破グループ上位3組の発表です!』

ルビィ「……お願いっ」

ドゥルルルル…

MC『……エントリーナンバー3!岐阜県立束濃フロンティア高等学校ーー!』

果南「……あと2枠……」
485 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:38:09.19 ID:ANnLRE6Vo

ドゥルルルル…

MC『……エントリーナンバー7!愛知県名古屋市立光陽高等学校ーー!』

善子「……っ」

ダイヤ「……」ゴクリ

ドゥルルルル…



MC『……エントリーナンバー12!静岡県私立浦の星女学院、スクールアイドル部ーーAqours!』


486 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:39:08.79 ID:ANnLRE6Vo

梨子「えっ……」

MC『以上がラブライブ本戦への出場を決めた3組ですっ!そして、素晴らしいライブを見せてくれた全ての出場グループに盛大な拍手を!』

千歌「……」ポカーン

曜「っ……千歌ちゃん!」ダキッ

果南「本戦……出場……!」

ルビィ「夢のラブライブに……」

鞠莉「出れる……!」

花丸「やったズラぁ!」

ダイヤ「やりましたわね!」

梨子「……っ」グスッ

善子「まだ泣くには早いでしょ」

梨子「……うんっ」ゴシゴシ

果南「ラブライブに……アキバドームに行けるんだ!」

ルビィ「ずっと憧れてたあの場所で歌える!」

千歌「……嘘、じゃないよね!?」

ダイヤ「そんな訳ないでしょう」


千歌「私達……ほんとにラブライブに行けるんだ……!」
487 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:39:51.07 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

ゴーン…

花丸「みんな、あけましておめでとうございます」ペコリ

ルビィ「おめでとうございます♪」ペコリ

ダイヤ「おめでとうございます」ペコリ

千歌「おめでとう♪ダイヤさん、ルビィちゃん、マルちゃん♪」

曜「みんな、あけましておめでとう!」

ゴーン…

梨子「おめでとう……3人のその格好は……?」

花丸「これ?巫女さんズラ、本当は寺だから巫女っていうのも変なんだけど……」アハハ…

ルビィ「でも可愛いよね♪」

ダイヤ「私はあまり気が進まないのですが……ご住職の意向でしたので……」

千歌「あはは……」

花丸「しかも、巫女さんの方が受けが良さそうだから、って理由なんだよね……」ガクッ
488 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:40:44.83 ID:ANnLRE6Vo

梨子「……??」

曜「……あっ!梨子ちゃん、ここマルちゃんの家」

梨子「えっ!?」

花丸「あっ、そういえば桜内先輩ってウチに来たことなかったっけ?」

梨子「初めて内浦に来たときに、お母さんと一緒に来て住職さんに挨拶だけはしたけど……」

ダイヤ「あぁ、それでは気付きませんわね」

花丸「ウチの表札、本殿の裏の家の方にしか出てないから、あと多分その住職はオラのおじいちゃんズラ」

梨子「そうだったのね……そういえばダイヤさんとルビィちゃんはどうしてその格好を?」

ダイヤ「黒澤家も古くからお世話になってるお寺ですので、半ば親戚みたいなものですわ」

ルビィ「だからこういう人が沢山来る時はお手伝いに来てるの」

梨子「なるほど……」
489 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:41:37.29 ID:ANnLRE6Vo

鞠莉「ハーイ♪ハッピーニューイヤー♪」

曜「あ、鞠莉先輩!うわ……凄い晴れ着……」

鞠莉「あら、ほんとに誰も着てないのね」

果南「だから言ったじゃん」

鞠莉「もう!勿体ないわよ!」

梨子「果南さん、あけましておめでとうございます」ペコリ

果南「あけましておめでとう♪ルビィ、その格好可愛いね」

ルビィ「えへへ♪でしょー♪」

鞠莉「あれ?ヨハネちゃんは?」

千歌「あ、そういえば来てないね」
490 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:42:20.45 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

善子「寝てたわ」

ようちか「勿体なーい」

善子「ヨハネは堕天使だから……聖なる除夜の鐘を聴くと魂を締め付けられるような痛みが……!」ギランッ

梨子「むしろ浄化してもらった方がいいんじゃ……」

美渡「ほら、喋ってないで働くー」

千歌「はーい」

善子「ていうか、他のみんなは?」

曜「ルビィちゃんとダイヤさんは親戚に挨拶回り」

千歌「マルちゃんは初詣のお手伝い」

梨子「鞠莉さんもお父さんの関係者なんかに新年の挨拶しなきゃって言ってたよね」
491 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:42:58.91 ID:ANnLRE6Vo

善子「松浦先輩は?」

曜「初潜りするってさ」

善子「そんなのありっ!?」ガーン

志満「みんなー、お客様が来る前に表の掃除よろしくー」

千歌「はーい」

善子「ラブライブがあるからって、親の実家に行かないで残ったのに、新年早々旅館のバイトをする羽目になるとは……」ガクッ
492 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:43:51.51 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

母「忘れ物は大丈夫?」

梨子「えっと……うん、大丈夫」

母「もう暗くなる時間だから気を付けてね?」

梨子「うんっ」

母「お母さん会場には見に行けないけど、梨子達が出る時は絶対TVで見て応援してるから、頑張ってね!」

梨子「うん、頑張る!」

母「お父さんにもよろしくね」

梨子「うん」

母「じゃあーー」
493 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:44:22.21 ID:ANnLRE6Vo

梨子「お母さん」

母「ん?」

梨子「ありがとう、この町に連れてきてくれて」

母「急にどうしたの……」

梨子「なんか、今言いたくなったの」

母「……そう」

梨子「私、色んな物を無くしちゃったけど……その分この町で手に入れた物も沢山あったから……」

母「……」

梨子「だからありがとう!じゃあいってきます!」

母「うん、いってらっしゃい!」
494 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:45:14.95 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

梨子「散らかってるかもしれないからごめんね」

父「酷いなぁ……一応昨日の夜ちゃんと掃除したんだよ?」

梨子「ほんとにー?ふふっ、じゃあ上がって」

曜「お邪魔しまぁす!」

ルビィ「お、お邪魔しますっ!」

花丸「ここが桜内先輩が住んでた家……」

善子「思ったよりデカい……」

果南「これで海が見えたら最高だねー」

鞠莉「果南、貴女海以外に楽しみないの?」

ダイヤ「夜分遅くに申し訳ありません、少しの間ですが、よろしくお願い致します」ペコリ

父「おぉ、これはこれはご丁寧に、こちらこそ大したもてなしも出来ずすみません」ペコリ
495 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:46:17.31 ID:ANnLRE6Vo

千歌「梨子ちゃんの部屋は?」

梨子「えっ?特に面白いものはないと思うけど……」

果南「曜」

曜「ラジャー!突撃であります!」

梨子「えっ!ちょっと!場所分かるのー!?」

曜「あっ!」

ルビィ「人の家なんだからあんまり詮索しちゃダメだよぅ……」

ダイヤ「貴女達、ご好意で泊めてもらえるんですから大人しくしなさい!」


鞠莉「すみませんお父様、キッチンをお借りしてもよろしいですか?」

父「お父様!?あ、あぁ、自由に使ってくれて構わないよ……」

鞠莉「ありがとうございます♪もしまだお済みでなければご一緒に夕食はいかがですか?」ニコッ
496 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:47:02.35 ID:ANnLRE6Vo

父「あぁ、申し訳ない……気持ちは嬉しいが、仕事終わりに済ましてきたもので」アセアセ

鞠莉「そうでしたか、では、明日の朝食は是非ご一緒に♪」

父「あぁ、そうさせてもらおうかな……り、梨子」

梨子「どうかした?」

父「なんというか……個性的な子達だね……」

梨子「あぁ……うん……」

鞠莉「梨子っちー♪レッツクッキングよー♪」

梨子「あっ、はーい」

花丸「あ、オラも手伝うズラ!」
497 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:47:48.81 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

千歌「ふわぁ……おはよ……」

ルビィ「ぅゅ……」ゴシゴシ

梨子「二人共おはよう♪もうすぐ朝ごはん出来るから顔洗ってきて」

ルビィ「はぁい……」

鞠莉「梨子っちー何かお手伝い出来ーー」

梨子「鞠莉さんは座っててください♪」ニコッ

花丸「笑顔が怖いズラぁ……」シミジミ

鞠莉「oh……オーケー……」シュン…

善子「まぁ、これからラブライブ本番だってのに朝からあんな殺人的な料理食べたくないしね……」
498 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:48:58.73 ID:ANnLRE6Vo

ダイヤ「何故、あんなに自信満々だったのか甚だ疑問ですわ……」

果南「あんな硬いお肉初めて食べた……」

曜「うわー……こんな朝早くから人集まりすぎ……」ウヘァ…

ルビィ「わぁ♪生放送は一局だけなのにどのチャンネルもラブライブの話ばっかりだねー♪」ワクワク

花丸「出来たよー♪」

千歌「うーん……いい匂い♪」

果南「じゃあしっかり食べて、今日も全力で行こう!」

9人「いただきまーす!」
499 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:49:34.21 ID:ANnLRE6Vo

ーーー

ダイヤ「あちらの関係者用から入るそうですわ」

果南「はーい」


千歌「……ええっ!?」

花丸「なんて言ってるの?」

千歌「むっちゃん達……全校生徒連れてきたって……」

梨子「ぜ、全校生徒!?」

千歌「入れなくても外のモニターで応援するからって……」

花丸「何時間ここにいるつもりズラ……」
500 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:50:28.25 ID:ANnLRE6Vo

鞠莉「……」

曜「鞠莉先輩どうかした?」

鞠莉「……私達あそこでこてんぱんに負けちゃったのよねーって思って」

ルビィ「うん、マルちゃんと梨子先輩の2票しか入らなかったんだよね」

果南「そうだったんだ……」

曜「なんかすっごい昔の話みたいだけど半年前なんだよね」

善子「あれから色々あったもの」

千歌「……絶対勝とうね」

梨子「……うんっ!」

千歌「じゃあ入ろっか」

ダイヤ「ええ、グループ毎に控え室が用意されてるそうですわ、まずはそちらに荷物を置きましょう」

善子「専用の控え室って……お金かかってるわね……」

ルビィ「日本屈指の一大イベントだからね!」グッ
501 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/15(日) 23:51:22.46 ID:ANnLRE6Vo
今日はここまで
あと2〜3回で終わります
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/16(月) 15:16:32.17 ID:uhMj/uY+O
見てる
がんばれ
503 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/17(火) 01:40:18.85 ID:2IXjUhDyo

ーーー

千歌「すごい……」

果南「ステージからしておっきいねー」

鞠莉「夏まつりの時くらいあるかしら?」

ルビィ「あぁ……ルビィは今最高に幸せです……っ!」

花丸「ルビィちゃん、始まる前から満足してるズラ……」

善子「私達が待つ席ってここなのよね?」

ダイヤ「そうですわ」

善子「踊ってるの見えなくない?」

ダイヤ「まぁ、これだけスクリーンが大きければ気にならないのでは?」

梨子「……」ゴクリ…
504 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/17(火) 01:40:51.06 ID:2IXjUhDyo

曜「梨子ちゃん」ツンツン

梨子「ん?」

曜「梨子ちゃんにお客さんだよ」ニシシ

梨子「えっ?」

善子「んー?」

ルビィ「にゅ……ν-tral!」

千歌「梨子ちゃん、行ってきなよ」

梨子「……うん!」
505 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/17(火) 01:41:32.11 ID:2IXjUhDyo

ーーー

梨子「あの……どこ行くの?」

亜里沙「いいからついてきて♪」

雪穂「私達が夢見た場所」

梨子「夢見た場所って……ドームのことじゃ……」

亜里沙「そうだけど、そうじゃないでしょ」

雪穂「せめて気分だけでもね」

梨子「……?」
506 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/17(火) 01:42:35.71 ID:2IXjUhDyo

雪穂「ここ」ガチャッ

梨子「ここって……?」

亜里沙「ステージ裏、出番が近くなったらここに来て待機するの」

梨子「……!」

ナナ「あっ、やっと来た」

梨子「ナナ!?どうして……関係者以外入れないんじゃ……」

ナナ「雪穂と亜里沙にお願いしてね」

雪穂「ナナが急にアイドル研究部に戻れないかって」

梨子「もしかして私が行ったから……」

ナナ「まぁね、今更2人と一緒には踊れないけどさ、あの日の約束くらいは叶えなきゃって思って」

亜里沙「卒業までの期間限定マネージャーになってもらったの」

梨子「そうだったんだ……」

雪穂「……」
507 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/17(火) 01:44:02.66 ID:2IXjUhDyo

亜里沙「……アイドル研究部に入部した時のこと、私まだ覚えてるよ」

梨子「……」

雪穂「私も、μ'sの、お姉ちゃん達の姿をずっと見てきて……部活決める時にすぐ入部届け出しに行ったよね」

ナナ「懐かしいなぁ……私、2人に引っ張られてたなぁ」クスクス

梨子「私も思い出したよ……部室の前で入ろうか迷ってたら中にいた亜里沙に引っ張られたんだよね」

亜里沙「えっ!そんなことしたっけ!?」

雪穂「全然覚えてないじゃん」クスクス

梨子「もぅ……でも嬉しかった、友達はみんなUTXに行っちゃってたから、あんなに簡単に受け入れてもらえて凄く助かったよ」

ナナ「梨子はピアノが出来たから真姫先輩にいっつもついて回ってたよね、あとことり先輩にも」

梨子「だって、真姫先輩の曲に憧れて入った様なものだし、衣装の作り方にも興味あったから……そういうナナだって何かあるとだいたい花陽先輩に聞いてたじゃん」

ナナ「だって花陽先輩アイドルに詳しいし、私そういうの全然分かんなかったしー」
508 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/17(火) 01:44:48.06 ID:2IXjUhDyo

雪穂「亜里沙は部活に入る前から海未ちゃん一筋だよね」

亜里沙「変な言い方しないでよー、海未さんのファンなだけっ!」

梨子「雪穂は意外と凛先輩と仲良かったよね」

雪穂「なんか凛さんってもう一人のお姉ちゃんみたいだったから」

ナナ「確かに穂乃果先輩と凛先輩と雪穂って三姉妹みたいだったよね」

亜里沙「お姉ちゃん達が卒業して、μ'sが解散した後もみんなすごい人気だったね」

雪穂「うん、初めてライブに出た時はプレッシャー凄かったよね」

梨子「でも楽しかった」
509 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/17(火) 01:45:33.91 ID:2IXjUhDyo

ナナ「うん、だからみんなで絶対ラブライブに出ようって、アキバドームに行こうって思えた」

亜里沙「……懐かしいなぁ」

ナナ「あれからもう三年近く経っちゃったんだね……」

亜里沙「……随分時間かかっちゃったね」

雪穂「うん……凄く遠回りしちゃった」

梨子「……そうだね」

ナナ「あれから……こうして4人集まれるなんて思わなかった」

雪穂「……でも、やっとこの場所に……形は違っても、この4人で来れた」

梨子「……うん」

亜里沙「……」
510 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/17(火) 01:46:25.36 ID:2IXjUhDyo

梨子「亜里沙、雪穂」

亜里沙「ん?」

梨子「……私……私達、負けないから」

ナナ「相変わらず負けず嫌いなのね」

亜里沙「私達だって負けないよ!」

雪穂「これでも2回優勝してるんだからね」

梨子「うん」

ナナ「よっし」

梨子「ん?」

ナナ「ν-tralとAqoursの健闘を祈ってアレやろう!」

雪穂「うん!」

亜里沙「梨子は覚えてる?」

梨子「……うん、ちゃんと思い出したよ」
511 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/17(火) 01:47:06.74 ID:2IXjUhDyo

ナナ「すぅ……心の準備は大丈夫っ?」

雪穂「出来ることは全部やった!」

亜里沙「目一杯楽しもう!」

梨子「……行くよ!みんなっ!」

4人「ゴー……ラーイブ!!」

雪穂「……」グッ

梨子「……」ギュッ

亜里沙「……」

ナナ「三人とも後悔のないように……私ちゃんと見届けるから」

雪穂「うん、勝っても負けても恨みっこなし」

亜里沙「頑張ってね、梨子」

梨子「うん、雪穂と亜里沙も、ナナもありがとう」
512 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/17(火) 01:47:48.55 ID:2IXjUhDyo

ーーー

花丸「あ、おかえりなさい桜内先輩」

梨子「ただいま」

果南「もうすぐ開場するみたいだよ」

千歌「……ちゃんと話せた?」

梨子「うん、少しだけあの頃に戻れた気がした……ちゃんと約束も果たせた」

千歌「……」

梨子「だから、これで心置き無く踊れるよ!」

鞠莉「頼もしい限りねー♪」

ダイヤ「ええ、私達も何一つ後悔しないように全て出し切りましょう」
513 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/17(火) 01:48:41.31 ID:2IXjUhDyo

梨子「……あっ」

善子「なに?」

梨子「その……」

曜「まだ何かやり残した事が?」

梨子「ううん、そうじゃなくて……その……」

ダイヤ「ハッキリ言って頂かないと分かりませんわ?」

梨子「えっとその……絶対負けないとか言ってきちゃった……雪穂と亜里沙に」

ルビィ「えええっ!?」ガーン

花丸「2連覇の王者にそんなことを!?」ガーン

果南「あちゃー……負けず嫌いが出ちゃったかぁ」

梨子「……ナナにも同じこと言われました……」シュン…

鞠莉「ほんとに根っからなのね……」ヤレヤレ
514 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/17(火) 01:49:24.15 ID:2IXjUhDyo

曜「……千歌ちゃん今どんな気持ち?」

千歌「プレッシャーで押し潰されそうなのだ……」

曜「私も……」

梨子「ご、ごめんなさい……」

千歌「……でも嫌じゃない」

善子「ま、それくらいの気持ちでやらなきゃ優勝なんてそう簡単に譲ってもらえないわよねー」

ルビィ「にゅにゅ……にゅーとらるに勝つ……にゅーとらるに勝つぞっ……」ガタガタ

花丸「ルビィちゃん落ち着いて……」ナデナデ

ダイヤ「会場の方もずいぶんと賑やかになってきましたわね」

鞠莉「そろそろオープニングも始まるでしょうし、私達も行きましょうか」

千歌「うんっ!」
515 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/17(火) 01:50:12.79 ID:2IXjUhDyo

ーーー

MC『ご来場の皆様!大変長らくお待たせいたしましたー!新年が明けて早1週!遂にやってまいりました!』

千歌「……」

MC『身を切る寒さの中、この会場を熱気で満たしてくれる総勢40組のスクールアイドルが遂に集結!』

花丸「……」ゴクリ

MC『勝利の栄冠を手に入れるのは一体どのグループか!』

果南「……」

MC『第八回ラブライブ!ここに開幕ですっ!』

ワァァァッッ!!

鞠莉「すっごいパワーね……」

MC『まずは前回大会優勝者より、優勝旗の返還です!』

梨子「雪穂……亜里沙……」
516 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/17(火) 01:50:56.81 ID:2IXjUhDyo

MC『ありがとうございます、それでは公式サポーターでもありますA‐RISEの綺羅ツバサさんから開会の挨拶です』

ダイヤ「……」

ツバサ『皆様、厳しい寒さの中お集まりいただき大変ありがとうございます、今回もまた素晴らしいスクールアイドル達がこのアキバドームにやって来ましたーー』

ルビィ「わぁぁ♪生の綺羅ツバサさんだぁ♪」

善子「生って言ってもこの距離じゃ……ねぇ……」

ツバサ『ーー私も観客の皆様と共に大いに盛り上げていければと思っております、そして今日、明日とこのステージを彩る全てのスクールアイドルが心置き無く素晴らしいライブを披露してくれることを願っています、以上を開会の挨拶とさせていただきます』

パチパチパチパチ

曜「それでもオーラっていうのかな……やっぱり全然違うね」

MC『ありがとうございます、それでは改めてルールの説明をさせていただきます、まず本日と明日の二日間で計40組のライブを行い、各グループ楽曲は2曲、衣装交換は原則不可となっておりますーー』
517 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/17(火) 01:51:35.04 ID:2IXjUhDyo

ーーー

善子「これで大丈夫?」

曜「オッケーだよ」

果南「じゃあお昼買ってくるね」

鞠莉「いってきまーす♪」

ダイヤ「よろしくお願いしますわ」

千歌「いってらっしゃーい」

ルビィ「じゃあルビィもステージ見てくる!」

梨子「三人が帰ってきたら連絡してね」

曜「ラジャー!」

ダイヤ「音はちゃんと切っておいてくださいね」

ルビィ「うんっ!」

梨子「いってきます♪」
518 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/17(火) 01:52:18.15 ID:2IXjUhDyo

花丸「それにしても……まだ一時間しか経ってない……」

曜「流石にずっと見てるのも疲れるしね……ルビィちゃんも梨子ちゃんも凄いや」

ダイヤ「そもそも、夏まつりの時もそうですけど、どうしてこういう時に限ってトリを引き当てるんですの」

千歌「あはは……ごめんなさぁい……」

曜「ほんとだよねー」

花丸「プレッシャーが重過ぎて押し花丸になっちゃう」

千歌「えっ?」

ダイヤ「……」

曜「……」

花丸「……」

ダイヤ「すみません、もう一度お願いしますわ」

花丸「聞き直さなくていいズラぁ……」ウズクマリ
519 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/17(火) 01:53:07.79 ID:2IXjUhDyo

ーーー

果南「……やっぱりここまで来るだけあってみんな凄いね」

ルビィ「うんっ♪」

ダイヤ「ルビィ、そろそろ気持ちを切り替えなさい……」

鞠莉「リーダー、何か言う事はないの?」

千歌「えっ?えーっと……」

善子「……」

千歌「……みんなありがとう」

花丸「……」
520 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/17(火) 01:53:49.33 ID:2IXjUhDyo

千歌「今日、ここに来れたのは曜ちゃんや梨子ちゃん、ルビィちゃんにマルちゃん、善子ちゃんと鞠莉先輩、それから果南ちゃんにダイヤさん、あと学校のみんなや内浦の人達、私達を応援してくれたファンのみんなも」

鞠莉「……」

千歌「みーんながいてくれたから私頑張れた」

曜「それは私達も同じだよ」

ルビィ「千歌ちゃんがいてくれたからだよ♪」

千歌「うん……辛くても苦しくてもみんなで支えあってきたから来れたんだよね……」

果南「……」

千歌「最初は小さな泡だった私達だけど、やっとみんなに気付いてもらえた気がする」

梨子「うん……」

千歌「だから最後まで歌おう!私達はここにいるよって!」
521 : ◆sHtux8fZAE [saga]:2018/07/17(火) 01:54:27.53 ID:2IXjUhDyo


MC『ーーありがとうございましたっ!さぁ!遂に本日最後のグループとなりました!』


千歌「よしっ!みんなっ!1っ!」

曜「2っ!」

ルビィ「3っ!」


MC『エントリーナンバー21!数多の苦難に立ち向かう9人のその背中はまるであの伝説のスクールアイドルのように!』


鞠莉「4っ♪」

善子「5っ!」

梨子「6!」
339.98 KB Speed:0.2   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)