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【ラブライブ】梨子「ロストソング」
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372 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 00:05:28.04 ID:cdMjgNrxo
ダイヤ「苦戦してるわね」チクチク
ルビィ「今まで千歌ちゃん達が中心になってやってたからね」チクチク
ダイヤ「なんだかんだでいないと困るわね」
ルビィ「でも最初はルビィ達もあんな感じだったし、慣れじゃないかな?」
鞠莉「アクロバティックな動きは禁止!」
花丸「罪とか悪魔とか変な言葉禁止ズラっ!」
ダイヤ「……慣れる以前の問題な気もするけど」
ルビィ「あはは……」
373 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 00:06:16.91 ID:cdMjgNrxo
ーーー
梨子「……」
善子「煉獄を突き進む翼をもがれた使者ーリトルデーモンーはやがて地上で堕天使と共に新たなるエデンの礎となる……どうよ!」
花丸「りとるでーもんズラぁ……」フラフラ
梨子「マルちゃんの心が折れてる!?しっかりしてー!」アワアワ
果南「よっ!」クルンッ
曜「ほっ!」クルンッ
果南「バッチリだねっ!」
曜「流石果南ちゃんだねっ!」
鞠莉「貴女達、とりあえずそこに正座して」
374 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 00:06:42.74 ID:cdMjgNrxo
ダイヤ「……いかがですか?」
千歌「……衣装だけでも進んでることを良しとしよう!」
ルビィ「もしかしたら次のライブは既存曲でなんとかするしかないね……」
千歌「果南ちゃーん!そんなの私出来ないからー!」
ミッカアレバデキルッテー!
千歌「出来ないしっ!」
375 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 00:07:43.04 ID:cdMjgNrxo
ーーー
花丸「はろうぃん?」
善子「そ、ハロウィン、秋葉原でやるんだって」
ルビィ「秋葉原!?」
曜「またあの人混みの中に……」
果南「そんなに人凄いの?」
千歌「うん、なんかイベントしてるんじゃないかってくらい人がいたよ」
鞠莉「まぁ、私達が前行った時は実際イベント前日だったんだけどね」
ルビィ「ハロウィン……秋葉原……はっ!」
ダイヤ「どうかしたの?」
ルビィ「まさか!ちょっと待って!善子ちゃん、パソコン!」
善子「持ってきてないわよ」
ルビィ「今日も?もう……えっとそのイベントは……」ケンサクケンサク
梨子「……」
376 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 00:08:28.75 ID:cdMjgNrxo
ルビィ「……出た、これ!?」
善子「あー、うん、それ」
鞠莉「なーに?知ってるの?」
ルビィ「これ、μ'sやA‐RISEも過去に出演したハロウィンパレードなの!」
千歌「うそっ!?」
果南「じゃあ凄いイベントってこと?」
ルビィ「うんっ、年々規模が拡大して、今では秋葉原駅周辺を始めとするかなりの広範囲で開催されるの!去年も30組以上が出演したり、周辺のお店もほとんどがパレードに合わせてハロウィン仕様だったり!」
曜「協賛の数がとんでもない……」
花丸「これも大会ズラ?」
ルビィ「ううん、これは特に投票とかもないの、ステージも道路を通行止めにしただけ」
377 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 00:15:28.75 ID:cdMjgNrxo
果南「なかなか豪快なイベントだねー」
ダイヤ「私達がそれに呼ばれた……と」
ルビィ「私達の出番は最終日!これもμ'sやA‐RISEと同じ!」
善子「なんかルビィの気合い入り過ぎじゃない?」ボソッ
曜「多分μ'sとかA‐RISEと同じっていうのがそうさせてる」ボソッ
ルビィ「やるよみんな!」ガタッ
千歌「えっ!?」
鞠莉「今日のルビィちゃんは頼もしいわね♪」
ダイヤ「暴走してるだけでは……」
梨子「……っ」ズキッ
378 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 00:17:44.84 ID:cdMjgNrxo
ーーー
曜「ちょっと座らせて……」ガクッ
果南「これ、夏まつりより人多くない?」
花丸「はぐれたら二度と会えなくなりそうズラ……」
ルビィ「みみみ、μ'sと同じ場所で……」ソワソワ
善子「フッフッフ、感じる……感じるわ!この混沌渦巻く都に湧き上がる闇の力が!私に……ヨハネにその翼を広げよと呼びかけている!」ギランッ
ダイヤ「なんですの、アレ……」
千歌「凄く生き生きしてるね……」
鞠莉「まぁ、今日は堂々とあんなファッション出来る状況だからねー……」
379 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 00:18:18.09 ID:cdMjgNrxo
善子「さぁ!立ち上がりなさい我が使徒、リトルデーモン達よ!間も無く黄昏の聖戦の角笛が吹き鳴らされるわ!」バサァッ
花丸「もうすぐ始まるから準備しようだって」
ダイヤ「よく分かりますわね……」
花丸「何となく慣れてしまってる自分がいるズラ……」
ダイヤ「ご苦労様ですわ……」
梨子「……」
千歌「梨子ちゃん大丈夫?」
梨子「えっ?えぇ……」
千歌「なんだかずっと顔色悪いけど……」
梨子「大丈夫、出番になるまでに落ち着くと思うから……」
千歌「……」
380 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 00:19:29.72 ID:cdMjgNrxo
今日はここまで
381 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 22:55:21.46 ID:cdMjgNrxo
ーーー
オーラーイ
ユックリー
オケーイ
イイヨーアゲテー
9人「お疲れ様でしたー」
千歌「いやぁ楽しかったー♪」
曜「うーん、踊るとなんかスッキリするね♪」ノビー
ダイヤ「たまにはこういったイベントも良い刺激になりますわね」
鞠莉「普段と違って一体感みたいなのがあるからね♪」
ルビィ「はぁぁ♪ルビィはとにかくμ'sやA‐RISEの立った舞台に上がれただけで満足ぅ♪」ルンルン
花丸「オラにぱそこんの知識があれば昔の動画も観れるのになぁ……気になるズラぁ……」
善子「それくらいすぐ覚えられるわよ……」
382 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 22:55:51.65 ID:cdMjgNrxo
果南「内浦でもこういうイベントやれば人集まったりしないかなぁ?」
ルビィ「うーん、こういうのは東京とかの方が豪華だったりするからどうなんだろぉ……」
曜「飾り付けとかも凄いもんねー」
善子「その分、片付けが大変そうだけどね」
ダイヤ「明日にはまた通常営業に戻られるでしょうからね」
花丸「そう簡単にはいかないよねぇ……」
ミシッ…
善子「ん……?」
383 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 22:56:32.94 ID:cdMjgNrxo
ギギギ…
千歌「善子ちゃんどうかしたー?」
善子「あ、いや、なんか砂みたいなのが降ってきてーー」
ギギ…バキィッ!
梨子「っ!!」ダッ
鞠莉「梨子っち!?」
果南「善子ちゃん!!」
善子「えっーー」
梨子「ーーーー!!」
ガッシャァァン!
384 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 22:57:42.95 ID:cdMjgNrxo
ナンダー!?
ゲートガクズレタゾー!
花丸「……えっ……」
ルビィ「善子ちゃん!!」
ダイヤ「ルビィ、待ちなさい!」ガシッ
ルビィ「だって善子ちゃんが!!梨子先輩がっ!!」
「君達、危ないから離れて!」
果南「あのっ!私達の友達がーー千歌っ!」
「君っ!待ちなさい!」ガシッ
千歌「嘘だっ!善子ちゃん!梨子ちゃん!」ジタバタ
「誰か手貸して!女の子がいる!救急車も!」
曜「あっ……」ゾワッ
鞠莉「……離れてましょう」グイッ
ルビィ「嫌だ……やだやだやだ……」ギュッ
ダイヤ「……っ」ギュゥッ
果南「……ダイヤ、みんなのことお願い」ダッ
花丸「か、果南さん!?」
385 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 22:58:30.42 ID:cdMjgNrxo
「貴女、大丈夫?立てる?」
善子「だ、大丈夫です……ちょっと擦りむいただけで」ヨロッ
「君っ、おいっ、しっかり!聞こえてる!?」
梨子「……」グッタリ
善子「リリー……?」
「呼吸確認、脈拍……大丈夫、担架!急いで!」
「気を失ってる、頭を打ってるかも、気をつけて、1、2、3!」
梨子「……」グッタリ
善子「リリー……!リリー!」
「落ち着いて、彼女はきっと大丈夫だから、貴女も念のため病院に」
善子「は、はい……」
果南「善子ちゃん!」
善子「松浦先輩!?」
386 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:00:15.01 ID:cdMjgNrxo
果南「善子ちゃん、大丈夫?怪我は!?」
善子「私はちょっと擦りむいただけ……でも……」
果南「……梨子ちゃんは……?」
善子「先に救急車で……気を失ってて……」グスッ
「貴女お友達?」
果南「はいっ!」
「念のためにこの子を今から病院へ送りますね」
果南「私も付き添います」
「分かりました、貴女歩ける?」
善子「は、はい、大丈夫です……」
果南「……もしもし?ダイヤ?私、今から二人の病院に付き添うから……善子ちゃんはちょっと怪我してる」
善子「……」
果南「梨子ちゃんはまだ分かんない……うん、善子ちゃんの家と梨子ちゃんの家に連絡入れてくれる?うん、ありがと、みんなは先に内浦帰ってていいから、病院の場所は後で送る」
387 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:00:47.60 ID:cdMjgNrxo
ーーー
果南「本当に申し訳ありませんっ!」
善子「ごめんなさい……っ」
母「二人共、顔を上げて、みんなのせいじゃないんだから」
善子「でもっ、私がぼんやりしてたせいで……」グスッ
果南「私がもっと早く気付いてたら梨子さんがこんな目に合わなくて済んだんです……」
母「大丈夫、大丈夫だから、ね?そんなに自分を責めないで?」
果南「はい……」
善子「……」グスッ
388 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:01:36.38 ID:cdMjgNrxo
父「あ、いたっ、梨子は!?」
母「お父さん、梨子はまだ……でも命に別状はないそうよ」
父「っ……そうか、良かった……君達は?」
果南「梨子さんと同じ学校の松浦果南といいます」
善子「津島善子……です」グスッ
母「彼女達と一緒にいた時に事故にあったみたいで……」
父「そうか……君達は怪我は?」
果南「私は何も……」
善子「先輩が助けてくれたから……少し擦りむいたくらいで……」
389 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:02:15.41 ID:cdMjgNrxo
父「梨子が……助けた……?」
母「そう……みたい」
父「それじゃ、梨子は……」
母「ううん、そうじゃないみたい……」
父「……そうか……それなのにあの子は全く……人の事ばっかり考えて……」
果南「あの……すみません……一体何の話ですか……?」
父「あぁ、すまないね、こちらの話ばかりして、君達梨子の事情は?」
果南「本人から記憶喪失だという話は……」
母「あまり人に話す話ではないのだけど……実はね、あの子の記憶喪失の原因はーー」
390 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:02:50.85 ID:cdMjgNrxo
ーーー
母「梨子!」
梨子「あ……お母さん……」
母「良かった……もう、心配したんだから」ギュッ
梨子「ごめん……なさい……」
母「ここ、どこか分かる?ちゃんと覚えてる?」
梨子「うん……さっき先生から聞いたし……なんでここにいるかも分かってる」
母「良かった……」
梨子「……みんなは?」
母「内浦で梨子の事待っててくれてるわ」
梨子「……ナナは?大丈夫だった?」
391 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:03:24.78 ID:cdMjgNrxo
母「……えっ?」
梨子「……?」
母「梨子……今なんて……?」
梨子「ん……?あれ……違う……えっと……」ズキッ
母「梨子……?」
梨子「あ……よっちゃん……善子ちゃんだ……」
母「……津島さんなら大丈夫よ」
梨子「良かった……」
母「梨子……今日が何日か分かる?」
梨子「えっ?うん、さっき教えてもらって……えっと……12月?……違う……11月……ハロウィンのイベントだったから」ズキッ
母「梨子……」
392 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:03:54.88 ID:cdMjgNrxo
梨子「あっ、先生が今日と明日は様子を見て、明後日には退院出来るって」
母「そう……じゃあお母さんも先生とお話ししてこなきゃね」
梨子「うん、心配かけてごめんなさい……」
母「いいのよ、貴女が無事ならそれで、じゃあ無理しないでね」ナデナデ
梨子「うん」
ガラッ
梨子「……痛っ」ズキッ
梨子「……頭が……割れ、そう……っ」ギュッ
393 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:04:25.49 ID:cdMjgNrxo
ーーー
千歌「だめなのだ!」
梨子「えっ?」
ダイヤ「病み上がりなんですから大人しくしててください」
梨子「でも……冬のラブライブもあるし……」
曜「だからだよ、練習したい気持ちも分かるけど、まだ本調子じゃないでしょ?」
梨子「でも……」
善子「じゃあヤモリの干物食べる?」スッ
梨子「……大人しく休んでます」
花丸「なんでそんなもの持ち歩いてるズラ……」
善子「私がヨハネだからよっ!」ギランッ
394 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:05:17.20 ID:cdMjgNrxo
ルビィ「梨子先輩♪歌の練習は一緒にしようね♪」
梨子「うん、ありがとう♪」
果南「じゃあ行ってくるね、こっそりついてきたりしたらダメだよ」
梨子「果南さんじゃあるまいし、そんなことしません」
果南「ちょっとどういう意味ー!?」
鞠莉「梨子っち分かってるー♪」
果南「鞠莉まで!」
梨子「ふふっ♪」
梨子「さて……じゃあ何してよっかな……」キョロキョロ
梨子「……先に音楽室で歌の練習でもしてよっかな」
395 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:06:08.70 ID:cdMjgNrxo
ーーー
梨子「……」
梨子「……ピアノ」スッ…
ポロンッ…
梨子「……あ……」ゾワッ
梨子「いっ……つぅ……」ズキズキッ
梨子「はぁ……はぁ……」
梨子「……」グスッ
396 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:06:51.77 ID:cdMjgNrxo
ーーー
千歌「おーい梨子ちゃーん」
花丸「しんどくて帰っちゃったとかかな?」
曜「それなら何か言ってくれると思うけど……」
ルビィ「……?」ピクッ
鞠莉「……ん?」キョロキョロ
果南「どうしたの二人共」
ルビィ「なんか聞こえない?」
ダイヤ「……?」
千歌「……あっ」
397 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:09:28.95 ID:cdMjgNrxo
善子「……これ、ピアノ?」
果南「誰か弾いてるのかな?」
花丸「……っ!」ダッ
ルビィ「思い出した!START:DASH!!だよっ!」ダッ
ダイヤ「ちょっと、校舎内で走らない!」
曜「何っ!?」ダッ
鞠莉「いいから!」ダッ
千歌「……!」ダッ
果南「二人共置いてくよ♪」ダッ
善子「あっ!そういうこと!?」ダッ
ダイヤ「もう!」ダッ
398 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:10:41.56 ID:cdMjgNrxo
ーーー
ガラッ
ルビィ「はぁ……はぁ……!」
花丸「あっ……!」
果南「……!」
〜♪〜♪
鞠莉「嘘っ……」
善子「まさか……」
曜「すごい……」
梨子「……♪」
ダイヤ「……優しい音」
千歌「うん……分かるよ……梨子ちゃんの音だ……」
399 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:11:45.29 ID:cdMjgNrxo
梨子「……弾けた」
パチパチパチパチ
梨子「……!?」ガタッ
千歌「梨子ちゃぁんーーうぐぇっ!?」
果南「すぐ抱きつかないの」グイッ
鞠莉「ビューティフォー♪」
ダイヤ「素晴らしい音色でしたわ」
梨子「み、みんないつから!?」
ルビィ「少し前から♪」
花丸「うぐっ……感動的な曲じゅらぁ」ズビッ
善子「えっ、泣き過ぎでしょ!?」ビクッ
400 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:13:18.45 ID:cdMjgNrxo
梨子「……私……私ね……」ウルッ
鞠莉「梨子っち……」
梨子「ずっと弾いてなかったから……全然指が動かなくってね……本当はもう少し上手に弾けたんだけど……」ゴシゴシ
ダイヤ「……」
梨子「頭も痛くって……集中も出来なくて……人に聴かせてあげられるような出来じゃないし……」ゴシゴシ
ルビィ「……」
梨子「でもっ……でも……」グスッ
曜「梨子ちゃん……」
梨子「私……ピアノが好きなの……」ポロポロ
善子「っ……!」
梨子「私……ちゃんと覚えてた……ぐすっ……好きなこと……少しだけど……思い出せた……!」
401 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:14:23.09 ID:cdMjgNrxo
千歌「……梨子ちゃん」ウルッ
梨子「ぐすっ……ごめんな、さい……」ゴシゴシ
千歌「もっと聴きたいな!」
梨子「……えっ?」
千歌「もっと……もっと私達に聴かせてよ!梨子ちゃんの好きな音!」
ルビィ「ルビィも聴きたい!」
鞠莉「これで作曲家マリーは引退ねー♪」
果南「元々梨子ちゃんが書いた曲が土台でしょー」
梨子「でも……まだ全然……」
ダイヤ「上手い下手は関係ありませんわ」
善子「そうね、上手い曲が聴きたいんじゃなくて、リリーの曲が聴きたいわ」
花丸「オラも……じぇんぱいのぎょく……ひぐっ……きぎだいじゅらぁ……」スビッ
曜「マルちゃん……梨子ちゃんより泣いてる……」アハハ…
402 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:15:28.27 ID:cdMjgNrxo
梨子「……どんなに下手でも笑わないでね……」
千歌「うん、笑わないよ」
曜「そもそも上手いとか下手とか分かんないしね」
果南「私も」
ダイヤ「心のこもったものを笑う様な人はここにはいませんわ」
梨子「……ありがとう」
鞠莉「じゃあせっかくだから今日は梨子っちの伴奏で歌のレッスンしましょうか♪」
梨子「えっ!?そ、それはちょっと……!」
花丸「ずびっ……よーし、全員整列!」ゴシゴシ
善子「諦めなさい」ニヤリ
梨子「えっ……えー……もう……」
403 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:16:24.63 ID:cdMjgNrxo
ーーー
鞠莉「お待ちかねの新曲よー♪」
果南「あれ?作曲家マリーは引退したんじゃなかったの?」
鞠莉「ノンノン♪今回はなんと梨子っちが作ったのよー♪」
花丸「いつも桜内先輩の作った曲なんじゃ……」
鞠莉「まぁね、ただ今回のは未完成だったのを梨子っちが新しく作り直したのよ」
曜「ホントに!?」
梨子「うん……まだ技術的に不安だったから打ち込みを鞠莉さんにお願いしたけど」
千歌「聴きたーい!」
鞠莉「じゃあ流すわよー」
〜♪
ルビィ「わぁ……♪」
ダイヤ「とても良いと思いますわ」
404 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:17:08.66 ID:cdMjgNrxo
梨子「なんか、恥ずかしい……」
千歌「難しいことはよく分からないけど、梨子ちゃんらしい曲だと思う!」
曜「うん!優しくて暖かい気持ちになるね!」
梨子「気に入ってもらえたなら良かった♪」
千歌「これで冬のラブライブは必勝だ!」
果南「また、そんな大口叩いて……」
花丸「作詞するの楽しみズラ〜♪」
ルビィ「善子ちゃん」
善子「ん?」
ルビィ「そろそろ冬のエントリーが始まると思うけど連絡きた?」
善子「んー、まだだったと思うけど来てたらエントリーしておくわ」
ルビィ「えっ……あ、うん」
善子「……」
405 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:18:49.41 ID:cdMjgNrxo
ーーー
善子「ただいまー……」
善子「ふぅ……」
善子「……」カチカチッ
善子「……まただ……」
善子「……」
善子「あとは私が何とかしなきゃ……」
善子「大丈夫……私はヨハネなんだから……」
善子「……」
善子「これ以上……」
善子「……嫌な思いはさせたくないのよ……」ギリッ
406 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:19:32.04 ID:cdMjgNrxo
ーーー
ダイヤ「寒くないんですの?」
果南「ん?んーそんなに」
鞠莉「クシュンッ……これで寒くないとかなんなのよ……」
果南「海の中の方が冷えるし」
ダイヤ「どんな理屈ですか……」
鞠莉「もうウィンターよ!北海道は雪降ってるのよ?」
果南「えー、でもここ降ってないし」
ダイヤ「……もう冬なんですよね」
鞠莉「ダイヤ……?」
ダイヤ「あと3ヵ月もすれば卒業なんですね」
鞠莉「……そうね」
407 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:20:07.67 ID:cdMjgNrxo
ダイヤ「鞠莉さんはどこを受験するんですか?」
鞠莉「しないわよ?」
果南「えっ?」
鞠莉「だってもう大学決まってるし」
ダイヤ「どういうことですの?」
鞠莉「あれ?言ってなかった?私留学中に飛び級してるから大学受験終わってるのよ?」
ダイヤ「……聞いてませんが……」
果南「じゃあ本当に浦の星を卒業するためだけに戻ってきたの?」
鞠莉「ええ、だから卒業したらまた向こうに戻るの」
ダイヤ「そう……でしたか」
408 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:20:41.99 ID:cdMjgNrxo
鞠莉「大学卒業したらまたこっちに戻って来るつもりだけどね♪果南は?」
果南「私はそのまま店で働くよ、お父さんも怪我してからあんまり無理出来なくなっちゃったし」
鞠莉「そう……ダイヤは?」
ダイヤ「鞠莉さんと似たようなものですわ、県外に進学してから、家を継ぐために戻って来ます」
鞠莉「そっか」
果南「二人共、ちゃんと戻ってきてよねー、私待ってるから」
ダイヤ「当然ですわ」
鞠莉「意地でも帰ってくるわ」
409 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:21:10.70 ID:cdMjgNrxo
ーーー
千歌「そういえば梨子ちゃん」
梨子「ん?」
千歌「ν-tralの二人にはもう連絡したの?」
梨子「……ううん」
曜「なんで?せっかく記憶戻ってきてるのに」
梨子「まだ断片的にしか思い出せてないし、何か失礼な事とか言っちゃったら悪いし」
千歌「それでいいの?」
梨子「うん……まだあの二人と友達だった実感もなくて……」
曜「そっか……」
梨子「だから、もう少し今のままでいようと思って」
千歌「じゃあその時は私達の事紹介してほしいな!」
曜「そだね!」
梨子「ふふっ♪もちろん!」
410 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:22:11.01 ID:cdMjgNrxo
ーーー
ルビィ「……」
花丸「無限の選択肢が……うーん、ちょっと言葉が堅い気がする……うーん」ブツブツ
善子「……」
ルビィ「善子ちゃん」
善子「ん?」
ルビィ「何か……ルビィ達に隠してない?」
善子「は?何の話よ」
花丸「……?」
ルビィ「……じゃあ最近どうしてパソコン持ってこないの?」
善子「慣れてきたから家で作業するだけで十分だし、なんだかんだ重いしねー」
ルビィ「……本当にそれだけ?」
花丸「……ルビィちゃん?」
411 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:23:27.74 ID:cdMjgNrxo
善子「何が言いたいの?」
ルビィ「夏のラブライブの時はわざわざ千歌ちゃんにエントリーするように言ってたのに、今回は善子ちゃんがエントリーしちゃったよね」
善子「……あれは初めてのエントリーだから花を持たせてあげただけよ、誰がエントリーしたって結局一緒なんだからいいでしょ」
ルビィ「……みんなでランクとかコメントとか見るの楽しかったのに……」
善子「……別にそれぞれアカウント用意して見ればいいでしょそんなの」
ルビィ「……だから見たよ」
善子「……っ」
花丸「あの……何の話ズラ?」
ルビィ「……今までは出来るだけみんなで見たいと思ったから、Aqoursのページは見ないようにしてたけど……善子ちゃんが全然見せてくれないから……ルビィのアカウントで見てみた……」
善子「……あっそ」
ルビィ「……なんでコメント非表示になってるの」
412 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:24:39.86 ID:cdMjgNrxo
善子「……」
ルビィ「……ねぇ」
善子「私あれなのよねー、あれ、画面に文字流れるの嫌いなのよ、だから」
ルビィ「……そんなの見る人が自由に出来るでしょ……」
善子「……そうだっけ、それは気付かなかったわねー」
ルビィ「……」
善子「聞きたいのはそれだけ?私が管理任されてるんだから私の好きにして何か問題ある?」イラッ
花丸「あの……二人とも……」オロオロ
ルビィ「……動画編集とか出来るからって……善子ちゃんに全部任せちゃってるのは悪いと思ってるよ……」
善子「別にいいわよ、そんなの」
ルビィ「でも、だからってルビィ達にまで見せないようにする必要ないよね……」
善子「……だから私が任されてるんだから、私がどうしようと関係ないでしょ!」
ルビィ「あるよ!」
善子「っ……」
413 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:25:14.08 ID:cdMjgNrxo
ルビィ「ルビィ達みんなでAqoursだもん!」
善子「……」
ルビィ「……だから見せてほしい……見てる人がどんな風に思ってくれてるか、知りたいから」
善子「……いやよ」
ルビィ「なんで!」
善子「なんでも」
ルビィ「いやだっ!見せて!」
善子「しつこい!」
ルビィ「なんで見せてくれないの!」
花丸「る、ルビィちゃん落ち着いて」オロオロ
善子「あんなもの見せられるわけないでしょ!」
414 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:26:10.77 ID:cdMjgNrxo
花丸「善子……ちゃん……?」
ルビィ「……」
善子「……チッ」
ルビィ「……やっぱり」
善子「……っ!?」
ルビィ「……ルビィはね、善子ちゃんが思ってるよりずっとスクールアイドル好きなんだよ……」
善子「……」
ルビィ「だから“そういう事”があるのも知ってる……」
善子「……っ」
ルビィ「善子ちゃん……いつもぶっきらぼうだけど本当は優しいのも知ってる……」
善子「……違う」
415 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:27:01.72 ID:cdMjgNrxo
ルビィ「だからルビィ達の事思って、コメントを隠しちゃったんだよね?」
善子「……私は」
ルビィ「でもね、善子ちゃん1人だけで背負ってほしくないな……」
善子「……」
ルビィ「ルビィ達、9人でAqoursなんだから……嬉しいことも嫌なことも9人で感じてたいから……」
善子「っ……」
ルビィ「だから、見せてほしい」
善子「……」
善子「……わかったわ」
ルビィ「善子ちゃん……!」
善子「ただし」
花丸「……?」
善子「まだ……リリーには黙ってて」
416 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/13(金) 23:27:50.33 ID:cdMjgNrxo
とりあえずここまで
417 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/14(土) 02:19:03.01 ID:lr1zRfoSO
優しい堕天使
418 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/14(土) 18:00:00.49 ID:qw1cp76Ho
ーーー
善子「……」
ルビィ「……」ギュッ
果南「なんなのさ……これ……」
ダイヤ「……」
曜「酷い……」
千歌「……いつから?」
善子「ブロック予選の前くらいから……」
花丸「じゃあ夏休みの初めくらいからずっと……?」
善子「うん……毎日じゃないけど……」
千歌「なんで黙ってたの……」
善子「……」
千歌「ねぇ」
果南「千歌、落ち着いて」
千歌「……ごめん」
419 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/14(土) 18:00:42.67 ID:qw1cp76Ho
善子「……大会前だったし……消したりしてたら……すぐに飽きて止めるだろうと思って……」
ダイヤ「それで……一人で抱え込んでいたわけですね」
善子「ごめんなさい……なんとか出来ると思って……」
ルビィ「善子ちゃんが謝る事じゃないよ……」
曜「でもこのままどうするの?」
善子「打てる手は全部打ったつもりだけど……」
千歌「……」
果南「このまま隠し通すつもり?」
花丸「……」
ダイヤ「ここまで来てしまった以上、収まるまではそのつもりでーー」
ガラッ
梨子「誰かいる……の……?」
420 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/14(土) 18:01:23.58 ID:qw1cp76Ho
曜「えっ……」
果南「っ……!」
千歌「梨子、ちゃん……」
梨子「……みんな揃ってなにしてるの……?」
ダイヤ「……っ」
花丸「その……これは……えっと……」
梨子「それ……動画?みんなで見てたの……?」
ルビィ「これは……」
善子「……」
梨子「……なに……こ、れ……」
『ν-tralについていけなかった落ちこぼれ』
『ダブりなのによくスクドルやれるよね』
『ラブライブ出れなかったらまたダブって転校してそう』
421 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/14(土) 18:02:44.01 ID:qw1cp76Ho
果南「あのね、梨子ちゃん……」
善子「ごめんなさい!」
梨子「……」
善子「私がもっと早くちゃんと対処出来てたらこんなことにはならなかったの……だから……ごめんなさい……」
梨子「……」
ダイヤ「桜内さん……」
梨子「……あっ、わ、私……忘れ物取りに来たんだった……」フラフラ
ルビィ「あのね梨子先輩!」
梨子「良かった……やっぱりここにあった……」
曜「梨子ちゃん……」
梨子「……じゃあ、私、先に帰るね……」
千歌「梨子ちゃん!」
梨子「……ごめんなさい……少し、1人になりたいから……」
千歌「ぁ……」
梨子「……っ」ダッ
422 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/14(土) 18:03:59.14 ID:qw1cp76Ho
ーーー
千歌「……」
曜「どう、しよう……」
鞠莉「ハッキリ言って、一番最悪な状況ね……」
ルビィ「ルビィのせいだ……」ギュッ
花丸「ルビィちゃん……何を……」
ルビィ「ルビィが善子ちゃんのこと問いただしたりしなかったら……こんなことには……」
善子「アンタのせいじゃないわよ……私がもっと上手くやれてれば……」
果南「誰の責任とかじゃないでしょ、私達全員被害者なんだから」
花丸「そうだよっ!ルビィちゃんも善子ちゃんも悪くないって」
423 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/14(土) 18:06:00.83 ID:qw1cp76Ho
千歌「……私の、せいだ」ボソッ
鞠莉「千歌っち……?」
千歌「私が……無理に誘わなかったらよかったんだ……」
果南「千歌!」
千歌「私が梨子ちゃんのこと何にも知らないのに無理矢理誘ったりしたから……梨子ちゃんが嫌な思いしちゃったんだ……」ギリッ
バンッ
ルビィ「ひっ……!?」ビクッ
ダイヤ「貴女達、いい加減にしなさい!」
千歌「っ……」ビクッ
ダイヤ「……津島さん、運営に通報は?」
善子「……してる……アカウント凍結とか対応してくれてるけど……余計に逆恨みされる原因になって……」
ダイヤ「少なくとも見捨てられてる訳ではないのですね」
善子「そう、かもしれないけど……」
ダイヤ「けど、けど、けど、とネガティブになるのはやめてください」
善子「そんなこと言われたって!」
424 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/14(土) 18:07:34.28 ID:qw1cp76Ho
ダイヤ「私達が沈んでいていれば、桜内さんは誰を頼ればいいか、分からなくなってしまいますわ!」
鞠莉「ダイヤ……」
ダイヤ「確かに私達に事を解決する力なんて無いかもしれません、ですが……せめて桜内さんを受け止めてあげることは出来るでしょう?」
曜「……」
ダイヤ「千歌さん」
千歌「……」
ダイヤ「桜内さんを誘った自分のせいだと言うのなら、その責任、最後まで背負ってください」
千歌「せき、にん……」
ダイヤ「全く……普段はヘラヘラとおバカなくせに、無理に悩んでどうするんですか」
千歌「お、おバカ!?」
ダイヤ「ええ、おバカですわ、だからクヨクヨ悩まずにいつも通り根拠もなく前向きにいて下さい」
鞠莉「褒めてるのか、貶してるのかハッキリしなさいよ……」
ダイヤ「桜内さんがどうにもならなくなった時、この部室は……私達がいる場所だけは、彼女の居場所として守ってあげるのが友達というものでしょう?」
425 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/14(土) 18:08:30.38 ID:qw1cp76Ho
千歌「……居場所」
果南「……そうだね」
曜「わかった!私もおバカだから悩まない!」
善子「なによそれ……」
花丸「マル達が桜内先輩を支えてあげなきゃ」
善子「……もう少し出来ることないか粘ってみる」
ルビィ「ルビィも!」
千歌「うん……うんっ!……一番苦しいのは梨子ちゃんなんだもんね!」
ダイヤ「そうですわ」
千歌「だから私が……私達が居場所になってあげなきゃ!」
426 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/14(土) 18:09:40.11 ID:qw1cp76Ho
ーーー
むつ「ねぇ、ちょっと」
千歌「どうしたの?」
むつ「……桜内さんと喧嘩でもしたの?」
千歌「えっ?」
いつき「桜内さん、最近授業終わったらすぐ帰ってるみたいだから……」
よしみ「なんかあったの?」
曜「そういうわけじゃないけど……」
むつ「……?」
いつき「私達にも何か出来ることない?」
千歌「ありがとう、でも今は待っててあげることしか出来ないから」
よしみ「……」
曜「でも、きっとまた元のAqoursに戻れるから、だからみんなも待っててくれないかな」
いつき「……」
むつ「……わかった、二人がそういうなら」
よしみ「うんっ!」
いつき「またライブする時は手伝うからね」
千歌「ありがとう!」
427 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/14(土) 18:11:19.23 ID:qw1cp76Ho
ーーー
ルビィ「善子ちゃん、これ」
善子「……不味いわね」
鞠莉「どうかしたの?」
善子「とうとうν-tralにまで飛び火しちゃってる」
果南「えっ」
ルビィ「ν-tralは元々人気も凄いから動画も画面いっぱいにコメントが出ちゃって見えなくなるって理由でコメント非表示を推奨してるんだけど……」
花丸「とんでもない理由ズラ……」
ルビィ「そこに多分私達の動画にコメントしたのと同じ人がコメントしてたらしくって……それに気付いた人達もいたみたいで」
果南「どこまでも酷い奴だね……」
ルビィ「それで昨日ν-tralのページに二人からのコメントが出てたの」
428 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/14(土) 18:12:42.60 ID:qw1cp76Ho
ダイヤ「……現在、一部の方よりご指摘を受けている件について……」
鞠莉「プライバシーに関わる事であるため、詳しい内容については伏せさせていただきますが……一部事実とは全く異なる内容であり、ご指摘いただいたようなトラブルは一切なく、現在に至るまで良好な関係であると認識しております……」
ダイヤ「……また今回の件につきまして、私共は一個人を狙った悪質な誹謗中傷であると判断し、このような行為が行われている事に対し、深く遺憾の意を表明します……国立音ノ木坂学院アイドル研究部所属……ν-tral、高坂雪穂、絢瀬亜里沙、及びアイドル研究部部員一同……」
果南「大事になってきちゃったね……」
善子「流石にランキング1位のグループまで巻き込まれたとなるとね……」
ダイヤ「ですが、ここまで大っぴらになれば運営も表立って動きやすくなるのでは?」
鞠莉「確かにね、それがどう転ぶかは分からないけど……」
ルビィ「……梨子先輩」
429 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/14(土) 18:14:00.46 ID:qw1cp76Ho
ーーー
花丸「……」グスッ
善子「……」
ガラッ
ルビィ「あっ……千歌ちゃん……」
千歌「おはよう、どうしたの?」
果南「ダイヤ……」
ダイヤ「私達が来た時に書き置きが……ご迷惑おかけしました、退部します……とだけ」
曜「そんなっ……」
千歌「……退、部」
430 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/14(土) 18:16:05.14 ID:qw1cp76Ho
鞠莉「……」
果南「千歌……」
曜「なんで……梨子ちゃん……」
千歌「……梨子ちゃんの家に行こう」
ダイヤ「……全員で行っては家の方にご迷惑ですわ」
千歌「私だけで行ってくる」
善子「私も行くっ!」ガタッ
ルビィ「善子ちゃん……」
善子「私があんなの見せちゃったせいなんだから!」
ダイヤ「ですから、そういう話は……」
善子「分かってるわよ!分かってるけど……やっぱりちゃんと謝りたいの!」
鞠莉「……なら、ヨハネちゃんと千歌っちで行ってきて、私達はここで待ってるから」
花丸「……」グスッ
千歌「分かった、善子ちゃん行こう」
善子「絶対リリーを連れ戻してくるから!」
431 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/14(土) 18:22:07.71 ID:qw1cp76Ho
果南「……これからどうするの?」
ダイヤ「……どうもこうもありませんわ、届けが受理されていればそれまで」
ルビィ「お姉ちゃん……!」
ダイヤ「桜内さんの意志を私達の勝手で覆すわけにはいきませんわ……」
鞠莉「ダイヤ……バカ真面目なのはいいけど、あんまり融通利かないなら……」ギリッ
ダイヤ「一個人の私が何の融通を利かせろと?」
鞠莉「じゃあ何!?このまま黙って梨子っちを見捨てろって言うの!?」バンッ
花丸「っ……」ビクッ
ダイヤ「誰もそんなこと言ってません!」
曜「やめてよ二人とも!」
果南「マルとルビィが怖がってる」
鞠莉「っ……ごめんなさい」
ダイヤ「すみません……」
果南「……とにかく千歌と善子ちゃんが連れ戻して来るまで待ってよう」
432 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/14(土) 18:22:46.31 ID:qw1cp76Ho
後でまた続けます
433 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/14(土) 21:40:57.34 ID:LhnOJOCl0
うーん面白い
434 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/14(土) 22:50:41.17 ID:PNK39+rwO
匿名の悪意は恐ろしい…
謎の『ナナ』という人物が記憶喪失とどう絡んで来るのかすごい気になる…
435 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:20:26.62 ID:ANnLRE6Vo
ーーー
ピンポーン
母「はーい」
ガチャッ
母「あら……貴女達……」
千歌「朝から突然すみません!あのっ、梨子ちゃんに会わせて下さい!」
善子「どうしても話がしたいんです!」
母「……ごめんなさい」
千歌「っ……お願いですっ!少しだけでいいんです」
母「そうじゃなくて……今いないのよ」
善子「えっ……」
母「朝早くにね……出かけちゃったみたいで」
千歌「どこにですか!?」
母「……お父さんに会ってくるって書き置きがあって……」
善子「お父……さん……?」
436 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:21:24.58 ID:ANnLRE6Vo
母「今、主人が……梨子のお父さんが1人で暮らしてる家……私達が元々住んでた家に行ってるみたい」
善子「元々って……東京……」
母「ええ、だからごめんなさい……」
千歌「そう……ですか……」
善子「突然すみませんでした……」
母「力になれなくてごめんなさいね……」
千歌「あのっ!」
母「……?」
千歌「梨子ちゃんが帰ってきたら……私達ずっと待ってるからって伝えてあげてください!お願いします!」
母「……ええ……ありがとう、必ず伝えておくわ」
437 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:22:03.09 ID:ANnLRE6Vo
ーーー
梨子「……」
父「はい、梨子」コトッ
梨子「ありがとう……」
父「それにしても、突然でびっくりしたよ、連絡くれれば良かったのに」
梨子「ごめんなさい……」
父「いや、構わないんだがね、休日は庭の手入れくらいしかすることもないから」
梨子「……いつもしてるの?」
父「ああ、放っておいたら母さんに怒られるからな」
梨子「お母さん……いつも綺麗にしてたもんね」
父「……お母さんの言ってた通り、少しずつ戻ってきているんだね」
梨子「……うん、本当に少しずつだけど……」
父「良かった、本当に」
梨子「……うん」
438 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:22:43.85 ID:ANnLRE6Vo
父「……この間の怪我は大丈夫かい?」
梨子「え?あ、うん、それは大したことなかったから」
父「そうか……あの時と全く一緒だから驚いたよ」
梨子「……」
父「本当に……人の事ばかり心配して……」
梨子「……そう、だね」
父「あぁそうだ、今更だが、今日はどうしたんだ?」
梨子「……特に用があったわけじゃないんだけど……なんかお父さんに会いたくなって……」
父「……」
梨子「……」
父「そういうところも変わらないな」
梨子「……えっ?」
439 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:23:34.54 ID:ANnLRE6Vo
父「何かあるとすぐ父さんの側に来るくせに、何もないなんて誤魔化すところがね、昔から変わらない」
梨子「そう……なんだ……」
父「心の目でよく見なければものごとはよく見えない」
梨子「えっ?」
父「父さんが梨子にいつも言ってた言葉だよ」
梨子「……心の目……」
父「何に悩んでるのかは父さんには分からないし、そもそも年頃の女の子の悩みなんて、父さんがアドバイスしてあげられることはないけどね」
梨子「……」
父「いつだって答えは梨子の心にちゃんとあるはずだよ」
梨子「……私の……中に……」
440 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:24:07.11 ID:ANnLRE6Vo
父「ああ、梨子は多感な時期だ、色んな事を見て、色んな事を考えて、色んな事に迷うだろうけど、そんな時はじっと心を見つめて、心で見つめなさい、そうすれば自ずと答えは見つかるはずだ」
梨子「……こころを……」
父「さて、梨子、せっかくだからお昼でも食べていきなさい」
梨子「えっ?あ、わかった……」
父「母さんや梨子みたいに上手じゃないけどね、それなりに食べられるものは作れるようになったから」
梨子「……なんか不安になる言い方だね」クスッ
441 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:24:53.95 ID:ANnLRE6Vo
ーーー
梨子「……じゃあ私、そろそろ行くね」
父「帰るのか?」
梨子「うん、でもその前に行かなきゃいけない場所があるのを思い出せた……」
父「……そうか、気をつけてな」
梨子「うん、ありがとうお父さん」
父「父として当然のことをしただけだ」
梨子「うん」
父「梨子、父さんはいつだって梨子の味方で、梨子のファンだからな」
梨子「ふふっ……ありがとう」
父「梨子、心の目でよく見なければものごとはよく見えない」
梨子「……肝心なことはいつも目で見えないんだ、だよね」
父「……!」
442 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:25:31.27 ID:ANnLRE6Vo
梨子「お父さんと話してたらまた少しだけ思い出せた」
父「……そうか」
梨子「本当にありがとう、また来るから」
父「ああ、いつでもおいで」
梨子「それじゃ」
父「梨子」
梨子「ん?」
父「いってらっしゃい」
梨子「……うん!行ってきます!」
父「全く、変わらないようでちゃんと成長してるんだな……」
父「……ただ、反抗期が来てないような気がするんだが……うむ……」
443 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:26:23.20 ID:ANnLRE6Vo
ーー
梨子「……」キョロキョロ
梨子「多分……この辺りなんだと思うけど……」キョロキョロ
梨子「うーん……」
ワンッ
梨子「ん?」
?「えっ……」
梨子「あっ……」
ワンワンッ
梨子「ナナ……」
ナナ「梨子……なんで……」
444 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:27:18.54 ID:ANnLRE6Vo
ーーー
ナナ「……」
梨子「……あの、いきなり来て、ごめん……」
ナナ「ううん、梨子が転校しちゃって……もう会えないかと思ってたから、ちょっとびっくりしちゃった」
梨子「……」
ナナ「でも、記憶が無くなったって聞いてたのに……」
梨子「少しずつだけど……戻ってきてるの」
ナナ「えっ……」
梨子「小さい頃のこととか……ナナ達と過ごした時のこととか……事故のこととか……」
ナナ「そっか……良かったね」
梨子「うん」
ナナ「……」
梨子「……」
445 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:28:19.41 ID:ANnLRE6Vo
ナナ「あの時は……本当にありがとう」
梨子「……」
ナナ「それから……ごめんなさい」
梨子「ううん……ナナは悪くないよ」
ナナ「でも……梨子は私を庇ったせいで車に撥ねられて……」
梨子「もう過ぎた事だし、見ての通り今も元気にやってるから」
ナナ「梨子……」
446 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:28:56.80 ID:ANnLRE6Vo
梨子「……ねぇナナ」
ナナ「ん?」
梨子「一つ聞いていいかな?」
ナナ「何?」
梨子「どうしてスクールアイドル辞めちゃったの?」
ナナ「……あんな事があったのに……続けてられないよ」
梨子「……」
ナナ「私が逃げ遅れたせいで梨子が入院して……記憶まで無くなって……それなのに私だけ続けるなんて出来ないよ……」
447 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:29:40.83 ID:ANnLRE6Vo
梨子「雪穂や亜里沙は?穂乃果先輩達は?」
ナナ「みんな引き留めてくれたよ……私だって最初は梨子のことを待ってようって思ってた……でもやっぱり続けられなかった」
梨子「……」
ナナ「雪穂も亜里沙も、他のみんなも今でも仲良くしてくれてるよ?……でもやっぱり自分のこと責める気持ちだけは無くならないから……結局スクールアイドルそのものから離れないと耐えられなかった……」
梨子「……」
ナナ「……ごめんね、せっかく梨子も記憶が戻ってきて良くなってるのに……こんな話して……」
梨子「……」
ナナ「……」
448 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:30:22.50 ID:ANnLRE6Vo
梨子「ナナ」
ナナ「……?」
梨子「ナナに見てほしいものがあるの」
ナナ「見てほしいもの……?」
梨子「えっと……これ」
『今日はみとしースペシャルライブに来てくれてありがとうございます!』
ナナ「これ、は……スクールアイドル……」
梨子「今、私のいる学校のスクールアイドル……Aqoursって言うの」
ナナ「……どうしてこんなのを」
梨子「いいから見てて」
ナナ「……」
梨子「……」
449 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:31:39.49 ID:ANnLRE6Vo
『実はみんなにお知らせがあります!』
『Aqoursに新しいメンバーが加わりました!国木田花丸ちゃんと!』
『桜内梨子ちゃんです!』
ナナ「えっ……」
梨子「……」
ナナ「嘘……」
450 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:32:22.58 ID:ANnLRE6Vo
梨子「不思議だよね……」
ナナ「……」
梨子「何にも覚えてないのに……何にも知らないのに……私、懲りずにまたスクールアイドル始めちゃったの」クスクス
ナナ「梨子……」
梨子「伝えに来るのが遅くなってごめんね……ナナや雪穂達とは一緒じゃなくなっちゃったけど……私は今もちゃんとスクールアイドルだよ」
ナナ「……っ」
梨子「だからもう自分を責めないで」
ナナ「り、こ……」グスッ
梨子「……私のせいで辛い思いさせてごめんね」
ナナ「梨子のせいじゃない!私……私が……うぅっ……」
梨子「ナナ……」ギュッ
ナナ「うわぁぁぁん!」ギュウッ
451 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:33:22.19 ID:ANnLRE6Vo
ーーー
ナナ「……はぁ……」ズビッ
梨子「落ち着いた?」
ナナ「……久しぶりに会えたのに……みっともないところ見せてごめん……」
梨子「そんなの気にしないよ」クスクス
ナナ「ありがと……少し楽になれた気がする……」
梨子「良かった♪」
ナナ「梨子は今、楽しい?」
梨子「えっ?」
ナナ「この新しいグループのみんなといて、楽しく過ごせてる?」
梨子「うん、どうして?」
ナナ「苛められてない?」
梨子「苛められてません」
ナナ「なら良かった」
梨子「なにそれ、もう」
452 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:34:59.50 ID:ANnLRE6Vo
ナナ「雪穂と亜里沙には言ったの?」
梨子「うーん……言ったというか……まだ記憶が戻ってない頃に一度会ってるの」
ナナ「そうなの?」
梨子「うん、まぁそれからまだ会えてないけど……」
ナナ「……」
梨子「……」
ナナ「会いたい?」
梨子「えっ?」
ナナ「今日のこの時間だと……もう少ししたら男坂で練習始まるんじゃないかな」
梨子「……」
ナナ「離れたって言っても同じクラスだし、雪穂と亜里沙とは中学から一緒だしね、どこで練習してるかくらいは分かるよ」
梨子「……」
ナナ「きっと雪穂も亜里沙も喜んでくれるよ」
梨子「……うん」
453 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:35:55.37 ID:ANnLRE6Vo
ナナ「……」
梨子「……」
ナナ「はぁ……考えてる暇があったらとりあえず動く!」
梨子「えっ?」
ナナ「凛先輩がいつも言ってたでしょ」
梨子「そう……だっけ」
ナナ「うん、だから行ってきなよ」
梨子「……わかった」
ナナ「……今日は本当にありがとうね」
梨子「ねぇ、ナナ……またみんなで会えるかな?」
ナナ「うーん、どうかな、私達はもう卒業だから」
梨子「そう……だよね」
ナナ「でも、大丈夫、今日会えたから」
梨子「……うんっ」
454 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:36:29.72 ID:ANnLRE6Vo
ーーー
「じゃあ、まず一年生から」
「はーい」
「いくよー……スタート!」
タッタッタッタッ
「しっかり足上げてー」
タッタッタッタッ
「……」
タッタッタッタッ
「はい、お疲れー、タイムは?」
「うん、ちょっとずつ短くなってるよ」
「だいぶ体力付いてきたね、じゃあ次ー」
「はーい」
梨子「……」
455 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:37:19.31 ID:ANnLRE6Vo
ーーー
亜里沙「お疲れ様、じゃあ10分休憩してから基礎ステップの練習ねー」
「はーい」
雪穂「亜里沙ー」
亜里沙「なに?」
雪穂「ブロック予選の曲なんだけどね」
亜里沙「うん……ん?」
雪穂「どうかした?」
亜里沙「……!」ダッ
雪穂「亜里沙?」
亜里沙「梨子かもしれない!」
雪穂「えっ!?ちょっと!ごめん!ちょっと後任せる!」
「えっ?分かりましたー……?」
456 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:38:05.18 ID:ANnLRE6Vo
ーーー
亜里沙「梨子!梨子ー!いるの!?」
雪穂「亜里沙、本当に梨子なの?」
亜里沙「忘れるわけないよ!あれは梨子だよっ!」
雪穂「亜里沙……」
亜里沙「梨子ー!」
雪穂「……」キョロキョロ
亜里沙「梨子ー!」
雪穂「あっ!亜里沙!あれ!」
亜里沙「あっ!やっぱり梨子だ!梨子ー!」
梨子「……」スタスタ
亜里沙「おーい!会いに来てくれたんだよね!」
梨子「……」スタスタ
457 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:39:25.70 ID:ANnLRE6Vo
雪穂「……亜里沙、ちょっと待って」
亜里沙「っ……なんで……止まってくれないの……梨子」
梨子「……」スタスタ
雪穂「……」
亜里沙「……どうしてこっち見てくれないの……」
雪穂「……亜里沙」
亜里沙「……なに?」
雪穂「私に合わせて」
亜里沙「えっ?」
雪穂「すぅ……音ノ木坂学院アイドル研究部!高坂雪穂っ!」
梨子「……」ビクッ
亜里沙「っ……同じくアイドル研究部!絢瀬亜里沙っ!」
雪穂「私達は!ν-tralとしてー!絶っ対決勝に行くからー!」
亜里沙「アキバドームで待ってるからー!」
458 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:40:34.56 ID:ANnLRE6Vo
梨子「……」
雪穂「はぁ……はぁ……」
亜里沙「……はぁ……梨子……」
梨子「……っ」
雪穂「……戻ろ」
亜里沙「でも……」
梨子「……」
梨子「……浦の星女学院!スクールアイドル部!桜内梨子っ!」
雪穂「……っ」ビクッ
亜里沙「梨子……!」
梨子「今度は……今度は必ず決勝に行くから!」
459 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:41:38.60 ID:ANnLRE6Vo
雪穂「……」
亜里沙「……」
梨子「形は違っても!約束を守るために!絶対!」
雪穂「……!」
亜里沙「それって……!」
梨子「……っ」ダッ
雪穂「……」
亜里沙「ねぇ、雪穂……」
雪穂「……思い出せたんだ……梨子……」
460 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:42:16.27 ID:ANnLRE6Vo
ーーー
梨子「はっ……はっ……はっ……」
梨子「帰らなきゃ……っ」
梨子「謝らなきゃ……っ」
梨子「みんなに……っ」
461 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:42:53.56 ID:ANnLRE6Vo
ーーー
ガシャンッ
梨子「……はぁ……はぁ……」
梨子「……門……開いてない……」
梨子「はぁ……はぁ……そうよね……もうこんな時間なんだし……」
梨子「……何か挟まってる……紙?」
梨子「……」スッ
梨子「……っ!」ダッ
『初めて会った場所で待ってます 千歌』
462 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:43:29.65 ID:ANnLRE6Vo
ーーー
梨子「……っ!」
梨子「……いたっ!」ザッ
梨子「はぁ……はぁ……はぁ……」
千歌「……」
ルビィ「梨子先輩……」
花丸「……」
鞠莉「ほんとに来たわね」
ダイヤ「……」
曜「梨子ちゃん……」
善子「り、リリー……」
果南「善子ちゃん待って」
463 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:44:34.62 ID:ANnLRE6Vo
梨子「……っ」グッ
梨子「ごめんなさいっ!」
千歌「……」
梨子「練習行かなくなったり……勝手にいなくなって……自分勝手でした!」
ルビィ「そんなこと……」
ダイヤ「ルビィ」
ルビィ「っ……」
梨子「どうすればいいか分からなくて……みんなに迷惑かけたくなくて……」
花丸「……」
梨子「でも……お父さんに会って……ナナや雪穂達と会って……気付いたの……」
善子「……」
梨子「私……心の底からスクールアイドルが好きだって!だから記憶がなくたって、またここでスクールアイドルを始めたんだって!」
464 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:45:35.19 ID:ANnLRE6Vo
果南「梨子ちゃん……」
梨子「だからっ!だから自分勝手で滅茶苦茶で!迷惑もいっぱいかけちゃうけど!またスクールアイドル部に入れてくださいっ!!」
鞠莉「……何を馬鹿なこと言ってるの」
梨子「っ……分かってます……馬鹿で最低な事を言ってるのは……でもっ……たとえ一緒に踊れなくても……同じ部員としてーー」
千歌「梨子ちゃん、なんか勘違いしてないかな」
梨子「……えっ」
千歌「スクールアイドル部を辞めた人なんていないよ」スッ
梨子「これ……私の書いた退部届……なんで……」
ダイヤ「全く、私が回収してなければ本当に受理されてましたわよ」
果南「ダイヤが先生に掛け合って保留にしてもらったの
465 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:46:37.79 ID:ANnLRE6Vo
梨子「……どう、して……」
千歌「信じてたから」
梨子「……っ」
千歌「梨子ちゃんなら絶対戻ってくるって信じてたから」
曜「負けず嫌いな梨子ちゃんがこんなところで逃げ出したりしないって」
花丸「それでもヒヤヒヤしたズラ……」
千歌「だから、おかえり、梨子ちゃん」
梨子「っ……うん……うんっ……ただいまっ……」グスッ
466 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/15(日) 00:46:44.06 ID:auwzK7j10
面白いか?
467 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:47:34.45 ID:ANnLRE6Vo
ーーー
善子「……ほんとにいいの?」
梨子「うん」
ルビィ「今ならまだ止められるよ?」
梨子「これは、私なりのけじめだから」
善子「……わかったわ、じゃあ撮るわよ」
468 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:48:31.47 ID:ANnLRE6Vo
ーーー
ナナ「雪穂、亜里沙」
雪穂「どうしたの?」
ナナ「ちょっと相談と報告」
亜里沙「ん?」
ナナ「とりあえずこれ見て」
雪穂「なに?」
梨子『動画をご覧の皆様、初めまして、浦の星女学院スクールアイドル部、2年の桜内梨子です』
亜里沙「梨子!?」
469 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:49:18.93 ID:ANnLRE6Vo
梨子『まずこの度、私の事について、運営やスクールアイドル、応援してくださるファンの皆様にご迷惑をおかけしたことについてお詫び申し上げます』
雪穂「梨子が悪いわけじゃないのに……」
ナナ「私も一連のことは調べた……酷いよね……」
梨子『この件については、私に詳しい事情を説明する責任があると思い、このような形で皆様にお伝えすることにいたしました』
亜里沙「……」
梨子『まず、私がかつて音ノ木坂学院の生徒であったこと、本来なら3年生であることについては、紛れもない事実です』
ナナ「……」
梨子『ただ、私が今の状態になった理由については、一部で囁かれているような事は無く、二年前の12月……私がまだ音ノ木坂の一年生だった時、交通事故にあったからです』
雪穂「……」
梨子『交通事故により、私は全生活史健忘、いわゆる記憶喪失に陥りました、怪我と記憶喪失によるリハビリを余儀なくされ、一年の休学、そして家族が私の精神的負担を考慮しーー』
470 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 00:49:46.35 ID:ANnLRE6Vo
今回はここまで
471 :
◆sHtux8fZAE
[saga]:2018/07/15(日) 23:25:11.23 ID:ANnLRE6Vo
ーーー
ガラッ
善子「さぁ、リトルデーモンのみんな!」バァン
花丸「どうかしたズラ?」
ルビィ「マルちゃん、普通に返事しちゃうんだ……」
善子「とんでもない事になったわよー」
果南「またー?」
梨子「私の動画……やっぱり荒れちゃったりしてるの?」
善子「ええ、そりゃもう大荒れに大荒れ、大波乱に大混乱よ!」ギランッ
ダイヤ「意味が分かりませんわ」
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