ギャルゲーMasque:Rade 文香√

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1 : ◆x8ozAX/AOWSO [saga]:2018/05/29(火) 19:29:36.46 ID:MYwvqcph0

これはモバマスssです

ギャルゲーMasque:Rade 加蓮√
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1514899399/
ギャルゲーMasque:Rade 美穂√
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1516469052/
ギャルゲーMasque:Rade 智絵里√
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1517466864/
ギャルゲーMasque:Rade まゆ√
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1518286150/
ギャルゲーMasque:Rade 李衣菜√
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1522149505/
の外伝・前日譚的な文香√となっております
本編開始より4ヶ月前の12頭月スタートです
最早マスカレじゃ無いのは内緒でお願いします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1527589776
2 : ◆x8ozAX/AOWSO [saga]:2018/05/29(火) 19:30:27.31 ID:MYwvqcph0


はぁ……と大きな息を吐く。

口から漏れたその暖かい空気は、周囲を白くし宙を舞い。

風に流されて霧散し消える。

空を覆う雲の色は怪しく、少なくとも良い天気とは言い辛い。

P「遅いな……」

十二月頭の木曜日、俺は玄関前で立っていた。

十六時ともなれば陽は既に暮れ、夜風は冷たく頬を刺す。

びゅぅっと風が道を抜ける音もまた、この寒さに一役買っていて。

わざわざ外で待つ必要は無いのだが、ここまで我慢したのだからと意味の無い意地を張り現状を維持。

P「…………あっ」

はらり、と。

黒と白の中間くらいに見える空のあちこちから、冬の欠片が舞い降りて来た。

コンクリートの地面へ落ちたそれは、小さな跡を残し消えてゆく。

とうとう降って来ちゃったか……

でもまぁ、その程度で諦める様な人じゃないしな。

少し呆れる様に笑って、手に息を吹きかけた。

積もらなければ良いんだけど、積もったら積もったで楽しいし。

とはいえ出来れば、それは深夜の間の出来事であって欲しい。

さて、多分そろそろ来るだろう。

今か今かと、まるで恋人が現れるのを心待ちにするかの様に俺は待つ。

……あぁ、やっぱりだ。

言葉にしなくとも噂をすれば、曲がり角から待ち人が姿を見せた。
3 : ◆x8ozAX/AOWSO [saga]:2018/05/29(火) 19:31:04.06 ID:MYwvqcph0



P「遅いよー姉さん」

文香「……すみません。講義が長引いてしまって……中で待っていても良かったんですよ……?」

手を振って迎える。

玄関前に立つ俺の姿を確認し、文香姉さんも少し小走りに駆け寄って来た。

やっぱり傘、持ってなかったんだな。

そうだろうと思って一応二本持ち出しておいて良かった。

これからは常に二本持ち歩いておこうか。

P「寒いとは思ってたけど、まさか雪まで降って来るなんてなぁ……本買いに行くのやめとく?」

文香「……ふふ、P君。まさか私が、悪天候程度で新書の購入を諦めるとでも……?」

P「だろうね、分かってたよ。んじゃ行こっか、はい傘」

文香「…………一つで十分だと思いませんか?」

P「二つあった方が良いだろ、大は小を兼ねたり兼ねなかったりするんだぞ」

文香「私、手が悴んで上手く傘を持てそうに無いので……」

P「しょうがないな……」

小さい方の傘を、玄関の横に立て掛け。

大きい方の傘を開き、文香姉さんを招き入れ。

俺はまぁ濡れても良いし、多少文香姉さん寄りでさして。

P「んじゃ、行こっか」

文香「はい……ふふ、とても……楽しみです」

P「にしても、結構降って来てるな」

文香「せめて、今はあまり積もらないでくれると助かるのですが……」

本屋へと向かって歩き出す。

十二月一日。

この冬始めて、雪が降った日。

文香「……素敵な冬になりそうですね。良き出会いがありそうです」

これから手に入れる本に想いを馳せて、楽しそうに微笑む文香姉さんと共に。

そんな笑顔と一つ傘の下、二つ並んだ足跡を残した。


4 : ◆x8ozAX/AOWSO [saga]:2018/05/29(火) 19:31:55.52 ID:MYwvqcph0


ピピピピッ、ピピピピッ

朝が来た。

やだ、来てない。

十二月になってまだ二度目の朝だが、既にしんどさがハンパない。

この暖かい布団の中で無限にぬくぬく出来たならどれほど幸せだっただろう。

まぁ、うん。

どうせそんな事は叶わないんだろうけど、束の間の夢くらい見させてくれたって良いじゃないか。

ガチャ

李衣菜「おはよーP!ねぇ外見た?!雪やっばいよ!!」

朝から元気だな……お前は道でも駆け回ってろ、俺は布団で丸くなるから。

P「おはよう李衣菜……せめてノックしようぜ」

李衣菜「Pの頭を?」

P「やめてこれ以上俺を馬鹿にしないで」

いやまぁ、学力に関して俺の点数は低い方じゃ無いが。

いつもギリギリ李衣菜に勝てないんだよな……

李衣菜「もうすぐ期末テストだけどどう?いけそ?」

P「まぁまぁかな。そろそろ提出物仕上げてかないと」

李衣菜「あ、もう美穂ちゃん来てるよ。早く着替えて朝ご飯作って」

P「うっす」

当たり前の様に朝食をたかられているが、まぁもう慣れた。

二学期入ってからは、美穂も毎日の様にうちに来てるしな。

李衣菜「じゃ、下で待ってるから」

P「あいよー」

バタンッ

李衣菜が出て行った後、さっさと制服に着替える。

あぁ、寒い。

カーテンを開ければ外は一面とはいかないまでも雪景色。

ちくしょうやっぱり積もりやがった。

靴下の替えを持ってくとしよう。

5 : ◆x8ozAX/AOWSO [saga]:2018/05/29(火) 19:32:44.52 ID:MYwvqcph0


顔を洗って歯を磨き、リビングへ向かう。

美穂「あ、おはようございます!Pくんっ!……ふぁぁ……」

文香「おはようございます……ふぅぅ……」

P「おはよう美穂、姉さん。随分眠そうだな」

文香「遅くまで、昨日購入した本を読んでいましたので……」

P「次俺にも貸してくれると嬉しいぞ」

文香「いくら払えますか?」

P「朝ご飯と交換で」

文香「…………良いでしょう。この世は何事も等価交換ですからね」

家族の朝食にそんな事考えた事無かった。

ってかなら美穂と李衣菜はどうなんだよ。

李衣菜「私はほら、この暗い鷺沢家に花を咲かせてあげてるじゃん?」

美穂「わたしは、えっと……あっ!小日向果汁をお届けですっ!」

腕にしがみつかれた、寝惚けてるんだろうな。

果たしてどんな効能があるんだろう。

P「あー……温泉行きたくなってきた」

眠そうな目をした美穂を引き剥がし、キッチンに立つ。

あ、炊飯器セットするのまた忘れてた、パンで良いや。

李衣菜「最近どんどん寒くなってるしね」

美穂「温泉……温泉……だ、だめっ!」

だめらしい。

温泉アレルギーなんだろうか。

文香「……ふぅ、P君。早く朝食の準備を」

P「はいはい、っと」

冷蔵庫からベーコンと玉ねぎと卵を取り出し、トースターに食パンを突っ込む。

切って混ぜて焼く、美味しくなる、それが料理の魔法だ。

……さては俺は魔法使いなのでは?

李衣菜「三十歳まで頑張って守り抜いてね」

P「さっさと落城したいなぁ……」

美穂「……え、えっ、っと……魔法使い?三十歳?」

文香「美穂さん……この国の男性は、三十歳まで己と向き合い続け悟りを開くと、賢者となり魔導の道を極めるのです」

悟りを開いて賢者となり魔導の道を極める。

なんだか属性過多な気がしないでもない。

そして出来ればそうはなりたくない。

李衣菜「お相手はいらっしゃるんですかー?」

P「俺にお相手がいらっしゃったらとうに魔導の道は潰えてるよ」

美穂「な、なんだか分からないけど……わ、わたしでよければっ!」

マジか。

……マジか。

P「…………マジか」

美穂が……?

俺の魔導の道を潰えさせてくれる……?
6 : ◆x8ozAX/AOWSO [saga]:2018/05/29(火) 19:33:33.75 ID:MYwvqcph0



李衣菜「美穂ちゃん早まらないで」

文香「まったく……貴方達が変な会話をするから、美穂さんが変な知識を変な形で身に付けてしまったではないですか……」

美穂「えっ?その、変なって……?」

李衣菜「ごめんね美穂ちゃん。出来ればそのまま綺麗なままでいて?」

P「李衣菜みたいに汚れんなよ」

李衣菜「ロックンロールキック!」

キッチンペーパーロールで殴られた。

とても痛くない。

キック、キックってなんだ。

P「まぁあれだ、そういう事に興味がない訳じゃないさ、男子だし。とはいえ恋愛とか……な?俺が恋愛とか……な?」

李衣菜「うん、無理。想像出来ない」

P「は?余裕だし本気出せば妻やマンションの二人や二棟くらい」

李衣菜「マンション関係無いしまず妻二人って一夫多妻制じゃん、日本じゃ無理だから」

どうやら俺に恋愛は日本にいる限り無理らしい。

美穂「へー、Pくん将来的に浮気する予定なんですねー……」

P「いや浮気じゃないから、両方妻だから、ってかそもそも全部嘘だから」

李衣菜「お相手の有無は?」

P「いないけどさ……」

文香「さ、朝食を頂きましょう」

凄い、姉さんめっちゃマイペース。

P「んじゃこれ持ってってくれる?」

文香「……すみません、今本を読んでいるので……」

P「おい」

美穂が運んでくれた。

ほんとごめんなさいこんな姉さんで。
7 : ◆x8ozAX/AOWSO [saga]:2018/05/29(火) 19:34:12.49 ID:MYwvqcph0
P「それじゃー」

みんな「頂きます!」

美穂「……うんっ、とっても美味しい……!」

P「ふー、良かった」

李衣菜「二学期上がりたての頃は寝坊遅刻の常習犯だったのに、今では美穂ちゃんすっかり早起きだよね」

美穂「はい!これも全部Pくん……の作る朝ご飯のおかげですっ!」

喜んで良いんだろうか。

俺はその言葉に対して手放しに喜んで良いんだろうか。

文香「ふふ……賑やかなのは、とても素敵な事だと思います」

P「三人よか四人の方が良いよな、俺としても作り甲斐があるし」

とはいえ朝だからそこまでガッツリと作る事は出来ないけど。

それでもこうして楽しく会話しながら、俺の作った料理で笑ってくれるのは本当に嬉しい。

文香姉さんが来て、李衣菜が通うようになって、美穂も来るようになって。

家が、朝日以上に明るくなった気がする。

李衣菜「美穂ちゃんは期末いけそう?」

美穂「た、多分……平均点くらいなら取れる筈です」

P「勉強会でもやるか?」

李衣菜「教えて欲しいの?」

P「はっ誰が教えを乞うかよ。お前に頭下げるくらいなら毎週末礼拝堂行くわ」

李衣菜「意地張ってるから毎回私に勝てないんじゃない?」

P「今度こそ勝つ。見てろよこんちくしょう」

李衣菜「負けたら?」

P「鷺沢家朝食定期券をプレゼントだ。期間は……一週間くらいで」

李衣菜「チキったね」

美穂「そんな定期券なくても、わたしたち多分通うから……」

P「わーい!常連さんだぁ!」

美穂「ま、毎日Pくんの作った朝ご飯が食べたいですっ!」

李衣菜「……おぉ……言ったね……」

文香「…………ふむ……」

P「定休日とか欲しいな……」

美穂「じゃ、じゃあ毎月で!」

P「急にあの常連さん来なくなったな……最近忙しいのかな」

李衣菜「月に一回とか、明日はあの日なんだーって言ってたら周りに誤解されそう」

P「李衣菜、食事中」

李衣菜「ごめんって。あとアホな会話してるとこ悪いけど、そろそろ片付けて出ない?今日は流石に走りたくないし」

P「ん、だな。食器だけ流しに運んどいてくれ」

文香「……後片付けは、私が済ませておきますから」

P「ありがと姉さん」

文香「皆さん、風邪はひかない様に……温かくして行って下さいね?」

李衣菜「いーなーPは風邪ひかなくって」

P「いいだろー、と言いたいとこだけど俺多分年一くらいで風邪ひくぞ?」

美穂「ご馳走さまでした!さ、行きましょう!」

P「あいよ、鞄持って来るわ」
8 : ◆x8ozAX/AOWSO [saga]:2018/05/29(火) 19:35:10.90 ID:MYwvqcph0


しゃく、しゃく

既に微妙に溶け始めた雪の名残を踏みながら、三人並んで学校へ向かう。

あぁ、めちゃくちゃ寒い。

さっさと昼になって気温上がってくれないかな。

P「女子って大変そうだよなースカートで。ズボンより寒そう」

美穂「女子ですから」

李衣菜「女子だからね」

何も説明されなかった。

多分寒いけど耐えられるって事なんだろう。

P「スカートの下って何か履いてるのか?」

李衣菜「え逆に何も履いてないと思ってんの?」

美穂「さ、流石に……下着は……」

P「違う違うそうじゃない。いきなり俺がお前らパンツ履いてんの?とか言い出す訳ねぇだろ」

李衣菜「……そ、そうだねー……?」

P「おい」

美穂「えっと、短パンは履いてますよ?流石に寒いですから……」

P「だよなー……俺もマフラーとか欲しいわ」

そういや文香姉さんは割と年中ストール巻いてたな。

あれって温かいんだろうか。

「マフラー……覚えましたよぉ」

P「ん?誰かなんか言った?」

李衣菜「なんもー?なに?組織の奴等の気配でもした?」

美穂「……や、やれやれー……とうとう見つかっちゃったみたいですね……うぅ……」

恥ずかしいなら乗らなきゃ良いのに。

にしても、気のせいだったのかな。

美穂「あ、PくんPくん!Pくんに問題ですっ!」

突然のハイテンション。

なんだ、今の一瞬で何があった。

美穂「十二月と言えばっ?!」

P「師走だろ。ちゃんと古典の勉強もしてるぞ」

美穂「……ばか」

李衣菜「……ばかだねー」

違ったのだろうか。

英語か?返すべきは英語でディセンバーだったのか?
9 : ◆x8ozAX/AOWSO [saga]:2018/05/29(火) 19:35:44.96 ID:MYwvqcph0




美穂「年に一度訪れるものと言えばなんでしょうかっ?!」

P「大晦日?」

美穂「より前はーっ?」

P「……クリスマス?」

美穂「より前日はーっ?」

P「…………クリスマスイヴ」

美穂「より前日はーっ?!」

P「………………天皇誕生日」

美穂「六割正解ですっ!なので四捨五入して正解って事にしてあげますっ!!」

李衣菜「健気だねー……」

P「いやまて、ここまで来たら当ててやるよ。そうじゃないと男が廃る」

李衣菜「いや既に地に落ちてると思うけど」

P「俺は……雪?」

李衣菜「踏み潰したくなるって点では似てるかも」

P「まぁいいや美穂、もっかいチャンスをくれ」

美穂「……ごほんっ!十二月で天皇誕生日と似てて天皇誕生日より前にある日と言えばーっ?」

天皇誕生日より前……天皇誕生日と似ている……つまり、祝日。

P「あっ!分かった分かった!」

美穂「そうそう、それですっ!」

P「なんで忘れてたんだろーなぁ!」

美穂「ですよねっ!Pくんなら絶対覚えてくれてるって信じてました!」

李衣菜「もうオチが見えるんだけど」

美穂「はいっ!せーのっ?」

P「勤労感謝の日!!」

美穂「雪玉フェスティバル!!」

物凄い量の雪が頭に投げかけられた。

おい美穂俺を雪だるまにする気か。

雪だるまの居る教室ってどうなんだ、溶けるぞ。

……いや溶けて良いんだけどさ。
10 : ◆x8ozAX/AOWSO [saga]:2018/05/29(火) 19:36:13.53 ID:MYwvqcph0



美穂「天皇誕生日の六割って言ったら誕生日に決まってるじゃないですか!」

李衣菜「しかも勤労感謝の日って十一月だしね」

美穂「もうっ!Pくんなんて知りません!」

美穂が走って行ってしまった。

李衣菜が可哀想なモノを見る様な目でこちらを見つめてくる。

俺は雪だるま。

P「…………さむっ」

でも、そうか……

十二月で、誕生日。

それでいてイエスキリストでは無いとすれば。

答えはもう、一つじゃないか。

なんでこんな大切な事を忘れてたんだろう。

タッタッタッ

美穂「あ、あの……っ!追い掛けて来てくれないと、寂しいんですけど……」

美穂が息を切らして戻って来てくれた。

良かった、こんな俺にまだチャンスをくれるんだな。

P「ごめん、美穂。俺、すっかり忘れてた」

李衣菜「お、ようやく?」

P「……十六日だよな」

美穂「……っ!はいっ!」

P「その日は……」

美穂「そうです!その日に!」

P「……日蓮大聖人がお生まれになった日だ」

美穂「富嶽三十六景!」

雪の波が襲い掛かり、俺の身体が富士山の様になった。

身動きすらとれない。
11 : ◆x8ozAX/AOWSO [saga]:2018/05/29(火) 19:37:45.69 ID:MYwvqcph0


美穂「もうPくんなんて知りませんっ!悟りでも開いてれば良いんですっ!!」

李衣菜「まーそもそも日蓮大聖人が生まれたのって十六日ではあるけど二月だしね」

P「まじか、俺間違えて覚えてたわ……」

身動きの取れない俺を馬鹿にする様に見下して。

それから少しずつ、美穂の表情は悲しそうになっていった。

美穂「……わたしの、誕生日だもん……」

P「……あ……」

十二月十六日、丁度期末テストが終わって翌日の休みの日。

その日は、美穂の誕生日で。

P「……俺の部屋のカレンダーに、丸まで付けてたもんな」

美穂「……花マル、描いといたもん……」

P「……ごめんな、美穂……」

美穂「……その日、お祝いしてくれるなら……許してあげます……」

P「あのマーク、勝手に俺のカレンダーで生理の管理してるんだと思ってた……」

美穂「……………………」

李衣菜「……………………」

P「……いやだって俺、美穂の誕生日教えて貰って無かったし」

美穂「……………………」

李衣菜「……………………」

空気が凍った気がする。

気温が氷点下だ。

いや実際、俺の周囲は雪で固められてるんだけど。

美穂「……行こ、李衣菜ちゃん」

李衣菜「うん、今回ばかりはフォローのしようが無いや」

P「待って待って待ってくれ!だって俺それ聞いた事無かったし!せめてこの周りの雪だけ除雪してってくれないかなぁ!!」

俺の声は虚しく雪に吸い込まれていって。

離れてゆく二人の背中を、何も出来ずに見つめ続け。

P「……っくしゅんっ!!」

文香「…………P君。こんな場所で富士山のコスプレをしていては、間違われて除雪車に轢かれてしまいますよ……?」

P「いやこれコスプレとかじゃないんで」

文香「いい歳して……こんな事をしてさむいとは、恥ずかしいとは思わないんですか?」

P「寒いって思ってる」

文香「しばらくそこで、頭を冷やしていて下さい」

P「ごめん助けて姉さん!このままだと頭以外も冷え過ぎて普通に風邪ひいちゃうから!!」

12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/29(火) 21:47:11.20 ID:xQZEjXsDO
おお、シリーズが終わったと思ってた作品にファンディスクが出た気分だ
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