【たぬき】城ヶ崎美嘉「腹ぺこ悪魔とまんぷく小悪魔」

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1 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:02:21.30 ID:EFGwLI3E0

 モバマスより城ヶ崎美嘉と莉嘉のSSです。
 独自解釈、ファンタジー要素、一部アイドルの人外設定などありますためご注意ください。

(※わかりづらいのでスレタイにたぬき付けました)


 前作です↓
鷹富士茄子「現在、未来、茄子ですよ〜」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1526315837/

 最初のです↓
小日向美穂「こひなたぬき」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1508431385/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1527526941
2 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:08:41.33 ID:EFGwLI3E0


 いつも飲んでる銘柄の缶コーヒーを買って、誰より早く事務所に入る。
 思った通りあの人はもういて、昨日別れた時と同じ格好でデスクに向かっていた。

「おはよ、プロデューサー」
「ああ、おはよう美嘉。土曜なのに早いな」
「自主トレしとこうと思って。はいこれ差し入れ」

 できるだけ自然な感じにコーヒーを差し出すと、彼は「ありがとう」と笑った。

「ねえ、ブラックって美味しいの?」
「ん? んー……そんなでもない」
「え。じゃ何でいつも飲んでるのそれ」

 書類から目を離さないまま器用にプルタブを開ける、そんな横顔をアタシは見ている。

「気分の問題かな。飲むとなんか、やるかーって感じになるんだ。パブロフのなんとかってあるだろ、あれと似たようなもんだよ」
「スイッチが入るってこと?」
「そんな感じ。美嘉も何かそういうルーチンがあるんじゃないか?」


 ある。
 今がそれ。

3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/29(火) 02:09:50.15 ID:26OjhPAFo
スレタイ分かりやすくて助かります
4 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:11:19.54 ID:EFGwLI3E0


 自主トレをしに来たっていうのは、半分は方便だった。
 レッスンルームを開けられるようになるまでもう少し時間がかかる。
 それまでこうして二人で過ごすというのが、アタシにとっての一つのスイッチ。

 他愛のない話でも別に良いんだ。
 他の誰かが来たり何か始まる前に、一度こうしてアタシ一人に向けられた言葉が欲しいだけ。


「それ、何見てるの? 履歴書?」
「次のオーディションに来る子達の資料。ちなみに刺繍封筒だ。サンキューちっひ」

 ちょっと見てみると結構分厚くてびっくりしちゃった。

「へぇ、来てるじゃん! この子達みんなプロデューサーが担当するの?」
「何人受かったか次第だな。誰がどこに配属されるかもわからないし、気の早い話だよ」


 いよいよここも大所帯になってきたよね。
 うちのプロダクションはかなり全体規模が大きくて、所属アイドルや企画の方向性ごとに幾つもの部署に分かれている。
 この部署もなんだかんだで色んな子がやって来て、社内でも名が知られるようになってきた。
 ……色んな意味で。

5 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:12:44.27 ID:EFGwLI3E0


「いやぁ思えば遠くへ来たもんだ」

 人が増えたから、こうして二人っきりで話をする機会もめっきり減った。
 でも、ま――

「なーに浸ってんの。まだまだこれからでしょ?」
「それもそうだな。これからも頼りにしてるから、フォロー頼むぞ、先輩」

 頼りにしてる――
 言葉と期待がお腹の底に落ちて、アタシは「ん」と喉を鳴らした。

 ……うん、おいしい。

「トーゼン! まかしときなって★」

6 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:13:30.47 ID:EFGwLI3E0


「さて、今回の分はこれで最後……おっ、華のある子だ。いるもんだなぁやっぱり」
「かわいいんだ?」

「かなりな。えーなになに、城ヶ崎……ん?」

「は?」

 プロデューサーは書面に顔を近付け、崩しの激しい文字をなんとか読み取ろうとする。

「城ヶ崎……えーと字が丸くて読みづらい、り……」
「ちょっと見せて!」

 ずずいっと顔を寄せて、ほっぺたがくっつくのにも構わず履歴書をガン見した。
 見覚えのある丸文字、あちこちに貼られてるシール、何より毎日見てる顔の写真――


「――り、莉嘉!!?」

7 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:15:07.75 ID:EFGwLI3E0


   〇

  ―― 後日 事務所


P「えー、ということで……」

P「先日のオーディションを見事パスして、うちの部署の配属となった、城ヶ崎莉嘉さんだ」

P「みんな、先輩として色々教えてやって欲しい」

莉嘉「やっほー☆ 城ヶ崎莉嘉だよー! みんなよろしくね〜っ」

美穂「わぁ、かわいい……!」

美穂「……って、城ヶ崎?」

蘭子「城ヶ崎、とは――――」


莉嘉「おねーちゃーーーーんっ!! アタシもアイドルなれたよーーーーーーっ!!」ダキッ


美嘉「莉嘉! アンタ家じゃ何も……っ!」

芳乃「ほほー……やはりそうだったのですかー」

紗枝「そういえば、妹はんがおらはるって言うてはりましたもんなぁ」

周子「写真よく見せて貰ってたわ。いやー実物はえらい可愛いね」

莉嘉「あっ、小日向美穂ちゃん!?」

美穂「え!? あ、うん、そうだけど……」

莉嘉「わぁわぁ、ほんとだすっごく可愛いっ! ねぇねぇ狸ってホント!? 尻尾どこ!? カブトムシ好き!?」パタパタパタパタ

莉嘉「そっちは小早川紗枝ちゃん! あっ塩見周子ちゃんでしょ!? わーっ依田芳乃ちゃんだ! 神崎蘭子ちゃんもいるーっ!」チョロチョロチョロチョロ

美嘉「ちょっと莉嘉っ! あんまり騒がないの!」

8 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:16:33.44 ID:EFGwLI3E0

   〇


 そんなこと一言も聞いてなかった。
 アタシをびっくりさせようと思って、今までずっと内緒にしていたらしい。

 今LINEでメッセージ送ったら、ママもパパも知ってたみたい。
 まんまとしてやられたわけだ。
 プロデューサーが運転する車の中で、アタシは肩をすくめてスマホを置いた。

「ちなみに100%実力だ。うちに配属されたのも完全に偶然」
「それはまあ、そうなんだろうけど」
「審査員はみんな褒めてたよ、筋がいいって。誰かさんを手本にしてたからじゃないか?」

 当然。莉嘉はやればできる子だ。

 それはいいんだけど、こっちとしてはあまりに急で、まだ心の切り替えができてないのが正直なところ。
 莉嘉が、アイドル……。
 アタシはその、同じ部署の先輩、か。

9 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:19:12.50 ID:EFGwLI3E0


 プロデューサーは車を運転しながら、何か言いたそうだった。
 助手席から見る横顔はもうすっかり馴染みの光景で、だから小さな変化には結構敏感だったりする。

「なに? 莉嘉のこと?」
「細かいことだけどな。ほら、目とか髪の色」

 ああ。

「違うのが気になる? どっちも生まれつきだよ、アタシのはママの遺伝だし」
「それじゃ妹さんの方は?」

「莉嘉もママの遺伝」

 びっくりしてる。無理もないよね。
 これ言うと大抵驚かれるから、つい笑ってしまう。


 アタシ達は悪魔だ。

 ママが純血でパパは人。
 そういう種族の、ハーフってわけ。

10 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:21:45.62 ID:EFGwLI3E0


  ―― 後日 事務所


「うぁ〜、レッスン疲れたぁ〜」

 莉嘉はすっかりクタクタになって戻ってきた。胸にはもふもふのうさぎ。
 うさぎはしゅたっと降り立ち、ポンッ! と戻って。

「お疲れさまですっ、莉嘉ちゃん」
「二人ともおかえり。智絵里ちゃん、莉嘉のやつ何か迷惑かけたりしなかった?」
「そんなことないです。莉嘉ちゃんすっごく頑張り屋さんで……私も引っ張ってもらっちゃいました」
「えへへ〜、智絵里ちゃんにいろいろ教えてもらったんだ!」

 そっか、智絵里ちゃんもすっかり先輩か。
 莉嘉は事務所の何もかもが珍しいみたいで、入る度に目を輝かせていろんなものに興味を示した。

「あ! 志希ちゃんだ! ハスハスの!」
「にゃはは〜。おまえもハスハスしてやろうか〜」
「それでそっちはフレちゃん! フンフンの!」
「のんのん、フンフンフフ〜ン♪ りぴーとあふたみー?」
「フンフンフフーン♪」
「オー♪ リカ、とっても上手ですね?」
「ありがとー! えっと、アーニャちゃんだよね!」

11 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:23:03.92 ID:EFGwLI3E0


「はいはい大人しくする」
「ん゙にゅ」

 鼻をつまんでソファの隣に座らせる。
 この事務所は溜まり場みたいになっていて、手隙の子達がいつも思い思いに過ごしている。
 莉嘉にはそれが新鮮でたまらないみたいだった。

 ……無理もないかもしれない。
 テレビや雑誌でよく見る子達だし、アタシ自身、結構ここの話はよくしてたから。

「ふふ。大変ね、美嘉お姉ちゃん?」
「もー大変大変。ただでさえ家でも手のかかる子なんだから」
「きゃーっ☆」

 アタシに頭をぐりぐりやられるのが莉嘉は好きだ。
 奏の冷やかしもまあ、甘んじて受けるべきなのかも。

12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/29(火) 02:23:31.05 ID:vuzwAbMxo
>>7
カブトムシはたぬきの栄養源だよ
13 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:25:14.86 ID:EFGwLI3E0


「あれ? てかPくんいないの?」

 と、莉嘉は今更になって気付いた。
 確かに今は事務所にいない時間だけど。

 ……てか、早速この子はプロデューサーのことを君付けで呼んでる。
 懐っこいというか、なんというか……。プロデューサー本人が気にしてないっぽいからいいけど。

「プロデューサーなら外のスタジオじゃない?」
「なんで!?」

 なんでって。

「確か美穂の撮影についてったんでしょ。だよね、ちひろさん?」

 確認を取ると、ずっとここにいたちひろさんも頷いた。
 莉嘉はなにやら難しい顔をしていた。

「え〜っ、いつもお姉ちゃんと一緒にいるんじゃないの? それっておかしくない?」

 それは……え?
 なんかおかしいことあった?

 こっちの方こそ釈然としないアタシを見上げ、莉嘉は当然のことのように――

14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/29(火) 02:26:23.46 ID:K6/CMv6Ko
今回はご飯の話……たぬき……カブトムシ……あっ(察し)
15 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:27:08.01 ID:EFGwLI3E0



「だって、Pくんってお姉ちゃんのカレシなんでしょ?」



 !?


 その時、事務所に居合わせたみんなの反応は十人十色だった。
 固まる子、お茶をこぼしちゃう子、開いた口が塞がらない子、見開いた眼で凝視してくる子、
 あらまぁみたいな顔の子、ニヤニヤしながら事の経緯を見守る子。
16 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:29:05.42 ID:EFGwLI3E0


 横っ面に「えぇ〜あたし全然知らへんかった〜そうな〜ん?」的な視線が刺さる。
 正気に戻って見返すと、周子が悪魔より悪魔的なニヤつきを浮かべていた。

 言葉が出ない。考える前にぶんぶん首を振った。手まで振った。

 莉嘉は爆弾が落ちた後のような空気と姉の様子に、ただただ無邪気に驚いた。

「違うの!!!??」
「違うに決まってんでしょ!!!!」
「だってお姉ちゃん家ではPくんの話ばっかりしてるしPくんのおべんと作ってるしPくんの電話来る30分くらい前からそわそわしてるし雑誌のデート特集見ながらPくんとならどうするかとか一人でぶつぶつ」
「莉〜〜嘉〜〜っ!!」
「むぐぐーっ!」

 口を押さえて抱き上げる。そのままダッシュで室外へ。火事場のバカ力。
 そんな姉妹を、事務所のみんなは言葉もなく見送っていた。

17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/29(火) 02:30:47.67 ID:SsNFoa60O
蘭子「混沌電波第170幕!(ちゃおラジ第170回)」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1527503737/
18 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:31:18.03 ID:EFGwLI3E0


  ―― 廊下


「あ、アンタまさかずっとそんな勘違いしてたの!?」
「だって絶対そうだと思ったもん」
「もん、じゃなくて……はあもう、後で誤解とかなきゃ……」

 本人があの場にいなくて良かった……あと美穂も。
 莉嘉は遅まきながら「やっちゃった」ことを理解したみたいで、上目におずおず見上げてくる。

「えと……ごめんね?」
「いいよ、ちゃんと言ってないアタシも悪かったんだし」
「お姉ちゃんなら、狙ったオトコは絶対ゲットするって思ってたから……」
「ゔ」

 ラジオで相談コーナーも持ってる、恋愛強者のカリスマギャル――
 というのが表向きのイメージであって、もちろんどんな相談にもいつだってホンキで向き合うけど、
 実際そういう経験が豊富なのかと言われれば……まあ、その。


「ママ言ってたじゃん。いいオトコを見つけたら、逃がさないでケーヤクしちゃいなさいって」

「むむ……」

19 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:34:02.92 ID:EFGwLI3E0


「アンタ簡単に言うけどね、契約ってのはそうほうほいするものじゃないの」
「契約!」
「でもでも、それがオトナになるには大事だってママ言ってたじゃん。ぱわー? みたいなのが強まるって」
「悪魔の魔力(パゥワ)!」
「そんなの別に…………って、誰かいるの?」

 どうも一人多いっぽい。
 見ると物陰に銀色の縦ロールが。


「……蘭子ちゃん?」
「あっ、蘭子ちゃんだー! 聞いてたの?」

 物陰からおずおず顔を出す蘭子ちゃん。
 確かに、こういう話題は好きっぽいけど……。

「そ、そのぅ……契約、とは?」

 ……あ、めっちゃワクワクしてる。

20 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:35:34.66 ID:EFGwLI3E0


 契約……っていうのは……なんていうか。

 一人の悪魔が一人の人間と契約を交わすと、なんかいろいろ捗るらしい。
 デビルビームが出せるとか、デビルアローが超音波とかデビルイヤーは地獄耳とか、
 別にそういう何か凄いことになるわけじゃないんだけど。

 全体的に快適で体にもいい……らしい。ママ曰く。老後も安心みたいな。
 別にしないとダメなわけじゃなくて、契約者がいない悪魔もいっぱいいる。
 あくまで相手がいればというか、結果にコミットというか、保険みたいなそんなポジション。

 ――でも、コレと思った人がいたら迷わず契約しちゃいなさい。
 ――ママは今、パパと一緒でメッッッチャ幸せだから。

 ママはそう言った。
 あと食生活面でも捗るとか。

21 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:39:17.97 ID:EFGwLI3E0


 と、世間話ついでに話してみる。そんなに大したことないんだよーって。
 アタシだって契約どうこうなんて考えもしてないわけだし、今も全然健康だし。

 話し終えた辺りで蘭子ちゃんは何故か赤くなった。

「そ……其は……すなわち……」
「え。な、何? なんか変なことあった?」

 蘭子ちゃんはスケッチブックで顔を隠して上目にこっちを見た。


「……けっこん、ってこと、ですか?」



 ぶ。

22 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:40:01.96 ID:EFGwLI3E0


「そうそうそうそう!! ぜったいそーゆー意味だってアタシも思ってたの!!」

 莉嘉が前のめりに迫って蘭子ちゃんがびっくりした。

「ふわぁ!?」
「お姉ちゃんぜったいPくんとケーヤクするんだってアタシ思っててだってお姉ちゃんPくんのこと好」
「莉嘉ーーーーーっ!!」
「むごぐぐぐぐ!!」

 塞いだ。よし! 聞かなかったことにしよう!
 莉嘉は何も言わなかった! だからこの話はおしまい!!

「…………美嘉、ちゃん…………」

 ………………とはいかないっぽい。

23 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:41:40.55 ID:EFGwLI3E0


 蘭子ちゃんは困り顔だった。
 真っ赤な顔で、だけど本人なりに色々考えているみたいだった。

 アタシにはそういう感情がわかる。
 人の感情の機微が。

「っとね、蘭子ちゃん……」
「…………常ならざるもの達の戯れ」
「つまりその、アタシは……」
「…………極星はただ一つ」

 このやり取りでなんとなくわかった。
 蘭子ちゃんは知ってる。
 てことは、アタシもほんとのところを言わないといけない。

「――あー、うん。いっか言っても」
「…………ん」
「アタシもプロデューサーが好きなんだよね。……えと、恋って意味で」


「美穂と同じ。知ってるんでしょ、蘭子ちゃんも?」

24 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:42:38.33 ID:EFGwLI3E0


  ◆◆◆◆◆


 誰にだって気付かせない。
 アタシの本当のアタシ――とか、なんか。

 今更この事務所でそんなこと気にする必要も無いし。 


 多分たくさんの人が勘違いしてると思うんだけど、悪魔ってそんなに特別じゃない。
 単に狸や狐や河童や何かと同じ、「そういう種族」っていうだけの話なんだ。

 特別悪いことはしないし、地獄やあの世に住んでるわけでもない。
 生まれも育ちも埼玉の、ちょっと変わった姉妹というだけ。

 じゃあ悪魔って何なんだって話になるけど、起源については諸説ある。

25 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:44:11.41 ID:EFGwLI3E0


 簡単に説明するなら「はぐれ者たち」というか。
 悪魔という言葉の示す範囲が広すぎて、あえて一括りにするならそうとしか言いようがない。

 人の数だけ文化があって、文化の数だけ神様はいる。
 アタシは神様の実物を見たことなんて無いけど、彼らの敷いた神話体系から外れてしまう種族は確かにいた。
 文化とか宗教とか、そういう正しいっぽい分類から外れた「まつろわぬもの」を、総じて悪魔と呼んだんだって。

 もっともアタシもそんな詳しくはないんだけど……とにかくざっくりそんな感じの流れで、一定の悪魔が日本に居付いて。
 人間と交わったり、血が混ざったりあれやこれやで命脈を保ってきたそうなの。
 彼らの祖先がどこから来たのかは、きっともう誰にもわからないんだと思う。資料にだって残ってないし。


 まあどっちにしろ昔の話で、アタシは大して気にしてない。
 自分のルーツが縄文人か弥生人かとか気にもしないでしょ? それと同じ。

26 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:46:18.72 ID:EFGwLI3E0


 昔から、周りと違うことをマイナスに思ったことはない。

 ママはそれはもう鮮やかに真っ赤な髪の悪魔で、特に男女の恋愛に関しては一家言あった。
 それが日本のある男性と恋に落ちて、夫婦になった。

 アタシのピンクブロンドの髪は生まれつきで、ママの髪色が人の血で薄まってこうなったらしい。

 だけど日本で暮らす上で真っ赤っかな髪ってどうしても目立って、だからママは人っぽく化けることもできた。
 その人間モードっていうのが、綺麗なブロンドヘアーのヨーロッパ系外国人ってワケ。
 莉嘉の金髪はこっちを受け継いだみたい。てことで、城ヶ崎姉妹は二人とも地毛なんだ。

 アタシも莉嘉も両親が大好きで、ママから受け継いだこの髪は誇りだった。

 周りはそうは思わなかったみたいだけど。

27 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:48:19.77 ID:EFGwLI3E0


 簡単な話で、学校の規則とか周りの目みたいなことね。
 学校の先生は訝しげだし、クラスメイトは異物を見る目を隠そうともしなかった。
 もちろん、覚悟の上だった。

 みんな違ってみんないい、みたいなお題目はしかし、わかりやすい異物を前にすればあっさり崩れ去る。

 アタシは城ヶ崎美嘉という名前より先に「ピンク色のやつ」「髪の変なやつ」「何組の不良」みたいなレッテルで覚えられてた。

 でも、別に苦じゃなかった。
 見た目であれこれ言われるんなら、普段の態度で黙らせればいいだけだ。
 友達だってできた。見た目で及び腰だった子も、ちゃんと話せばアタシのことをわかってくれた。

 もちろん「悪魔のハーフです」っていうのは言えなかったにしても……。

 アタシは自分なりに、真面目に小学生時代を生きてきたつもりだ。

 だけど、莉嘉はもうちょっとだけ不器用だったみたいで。

28 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:52:02.91 ID:EFGwLI3E0


「うっ、うぅ゙っ、お゙ね゙ぇ゙ぢゃ〜ん゙……」

 アタシが小5の頃、小1になったばっかの莉嘉が泣きながら帰ってきた。
 それが一つのターニングポイントだった。

「莉嘉!? アンタどうしたの、すりむいてるじゃん!」
「男子とけんかしてきた……」

 耳を疑った。喧嘩? なんで?
 莉嘉はお転婆なとこあるけど、そんな荒っぽいことするような子じゃない筈なのに。

「おまえの髪は変だって、フリョーだって……。親のキョーイクが悪いんだって……」

 ぐずぐず泣きながら、莉嘉は一生懸命話してくれる。
 相手はなんにも知らない子供で、適当な戯言だ。そんなのよくわかってる。

「おまえのねーちゃんも、ピンク色のフリョーの頭だって……アタシ、がまんできなくて……」

 莉嘉のことが愛しくてたまらなくなった。
 ぐしゅぐしゅ泣く妹の傷を消毒して、綺麗な金髪の頭を優しく抱きしめて、決意した。

29 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:53:11.96 ID:EFGwLI3E0


 結局、はぐれ者扱いは人間社会でだって同じだ。

 もー怒った。
 そんなに言うなら逆転の発想だ。
 黒く染めるだの隠すだの、そんなふざけたこと二度と言わせないようにしてやる。

 この髪がそんなに変なら、それが一番輝くやり方を選んでやる。

 バシッと盛って、ファッションもそれっぽくして、自慢の髪を主役にしてやるんだ。

 頭の中でぐるぐる考えて一番しっくり来たのが、いわゆるギャルのファッションだった。
 派手できらびやかで、ラフなようでいて計算されてる。これならきっとアタシらに合う。


「わーっ! お姉ちゃんすごい! かっこいいーっ!」

 最初はなんにも無かったから、家にあったバッジとかビーズとかシールでデコってみた。
 いざ見せてみたら、泣き顔だった莉嘉の顔が一気に晴れて嬉しかった。

 それが、城ヶ崎美嘉のギャルの第一歩だった。

30 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:54:44.46 ID:EFGwLI3E0


 もちろんファッションで偏見持たれるのってイヤだったから、勉強はちゃんとした。
 アタシの評判を落とすのはママや莉嘉を貶めることと同じだから。

 努力して、自分を磨いて、それを自信にするんだ。
「ヘン」じゃなくて「かっこいい」ってまず思わせるんだ。

 そういう背中を、莉嘉に見せていたいから。

31 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:55:35.96 ID:EFGwLI3E0


 努力が実って、アタシは人間社会でもそれなりのポジションにつけたと思う。
 偏見のない友達だってたくさんできたし、わかってくれる先生にも恵まれた。
 それで高校に上がった辺りで、雑誌とかのファッションモデルをすることになっていた。
 学生と二足のわらじって奴?

「この夏は青のコーデで決まり――だって! お姉ちゃんすっごいキマってるじゃん!」
「へへへ、でしょー★」

 雑誌を広げて莉嘉が目を輝かせる。
 この子はもう、髪の色で誰かと喧嘩することは無くなった。むしろ自慢するようになって、
 それはすごく嬉しいことだけど、セットでアタシのことまでよく話すみたいでちょっと面映ゆい。

 正直、今でも偏見の目で見てくる人はいる。
 だけどそういう目に馬鹿正直に取り合う必要は無いってわかった。

 行動で示すんだ。

 自分のスタンスを、自分のやり方でばしっと打ち立てる。
 アタシらにとってはそれがギャル。いいじゃん、カッコいいじゃん。
 本気でカッコ付けてけばいいんだ。それが指針になるんだから。

32 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:56:39.38 ID:EFGwLI3E0


 ……と言いつつ、実はまだ克服できてない問題があった。
 こっちは表に出すことじゃなく、個人の問題として片付けるしかないんだけど。


 飛ぶのが下手なの。


 莉嘉よりも悪魔の血が濃いアタシは、ママからそっちのパーツを受け継いでもいた。
 角と、尻尾。それから翼。
 生活する上で普通に隠すことはできるんだけど、それって結構窮屈だったりする。
  
 だからたまに人のいないとこで全部ばっと出すことがある。
 気分的には、長時間座った後でぐぐーっと伸びをする感じに近い。

 そこで運動がてら、ぱぱっと羽ばたいて……ってことができればいいんだけど。

 アタシはとにかく、羽ばたくっていうことがてんでダメダメだった。

33 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:57:52.09 ID:EFGwLI3E0


 仕方ないってママは言う。
 格好いいよってパパは言う。

 飛べなくて困ることがあるかと言われれば、別に全然だった。
 移動手段なんかありふれてるし、現代日本で誰かが空飛んでたらすぐ人に見つかって大騒ぎだ。

 そういう風に身体機能を封印して、悪魔は人間に紛れてきた。

 でも、アタシは飛べない自分が不甲斐なかった。

 髪の色と同じで、この翼もママから受け継いだ大切なものだ。
 莉嘉だって家で広げる度にかっこいいって大はしゃぎしてくれる。
 そんな中で、実際には満足に飛べませんでしたなんて笑い話にもならないと思う。

 アタシはアタシの翼を誇りたい。
 誰かに披露する機会が無くても、ママから貰ったものなんだぞって自慢できる翼でありたい。


 ということで。
 誰にも内緒で、こっそり自主トレしてたことがある。


 それが運命の分かれ道だった。

34 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:59:07.09 ID:EFGwLI3E0


 家から三駅のところにある、大きめの自然公園を練習場にしていた。
 メジャーなランニングコースから外れた森に広場があって、そこは夕方から夜にかけて人が全然いない時間が訪れる。

 その時間を利用してトレーニングしてたんだけど、これがまあ上手くいかない。

 ひっくり返ったり転んだり、体が持ち上がらなかったり、風に翻弄されたり。

 でも諦めるのだけは絶対イヤだったから、自分が納得できるよう必死に飛ぶ練習をしてた。

 あの日も宵の口に一人で練習していた。
 既に何度か墜落して、汗だくになってよし次だって空を睨んだところで――


 がさっ、と茂みが動いた。

35 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 02:59:57.21 ID:EFGwLI3E0


 弾かれたように振り返ると、目が合った。
 スーツ姿の年上のお兄さんがいた。

 見られたんだ。


 …………やっっっっば。


 流石に頭が真っ白になった。
 この時間にここに来る人は誰もいなかったから、まさにイレギュラー。


「み…………見た?」

 なんて、バカみたいなことしか言えなくて。

 だけどそれが、新しい世界への扉だった。

36 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 03:00:46.52 ID:EFGwLI3E0


  ◆◆◆◆◆


「――――ちゃん」


「美嘉ちゃんっ」


 あ。

 呼びかける声に我に返った。いけないいけない、集中してなかった……。
 なんか昔を思い出すこと増えたなぁ。莉嘉が事務所に入ったからかな。

「ごめんね響子ちゃん。次どうするんだったっけ?」
「おにぎり、握ってくれますか? 具はそっちのタッパーに入ってますからっ」

 エプロン姿の響子ちゃんは、うちのキッチンでてきぱき作業を進めている。
 もう見慣れた光景だった。料理好き同士として、彼女は何度かアタシと共同作業をしに来ている。

37 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 03:02:16.11 ID:EFGwLI3E0


 おにぎりにスコッチエッグ、タコさんウインナーにミニオムレツ……。
 色とりどりのおかずが並ぶ食卓に、下から伸びる手が一つ。

「こーらっ、莉嘉ちゃん。つまみ食いはだめだよ?」
「ぅぁ〜、バレたぁ……」
「ちゃんと莉嘉ちゃんの分も用意してるからね。でもまずは、これを完成させなくちゃ♪」

 響子ちゃんに見咎められた莉嘉が、すごすごリビングに帰っていく。
 実家に弟や妹がたくさんいるだけあって、こういう時の彼女の対応は完璧だった。

 さて、では何を作っているのかといえば……。

「プロデューサーさん、喜んでくれるかなぁ」
「決まってんじゃん★ つか、アタシと響子ちゃんのお弁当で喜ばないとかありえないし!」

 いつの頃からか、プロデューサーのお弁当を作る日っていうのが週三くらいで設けられてた。
 まあほっといたら牛丼やハンバーガーやスタドリばっかでお腹を満たす人だから、必要なことだよね。

38 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 03:03:07.18 ID:EFGwLI3E0


「だけどびっくりだったよねー、莉嘉のこと」
「莉嘉ちゃんの?」
「だってさ、いきなりアイドルになるんだもん。アタシにも隠してだよ?」
「あ、あぁ〜……」
「ほんとお姉ちゃんの予想をいっつも越えてくんだから……。響子ちゃんも驚いたでしょ?」
「そ、ソウデスネー。ビックリデスー」

 めっちゃ目が泳いでた。
 ん? と思ってリビングの方を見ると、莉嘉が響子ちゃんに「しーっ! しーっ!」ってやってた。

 ……響子ちゃんは前から何度かうちにお弁当作りに来てて、莉嘉やパパママとも顔馴染みだ。

「……ははぁん。莉嘉から聞いてたけど、口止めされてた、と」
「な、な、ナンノコトデショウカ〜……?」
「莉嘉ー?」
「あっアタシ知んないもん! 響子ちゃんにお気に入りのシールあげたりなんてしてないしっ!」

 そういえば莉嘉のシール帳からSランクお気に入りシールが一個消えてた気がする。
 ……まったく、響子ちゃんまでグルだったなんて。

39 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 03:04:46.23 ID:EFGwLI3E0


「ごめんなさい。莉嘉ちゃんの大事な決断だったから……」
「響子ちゃんは悪くないの! アタシがシールでバイシュウしてクチドメしたのが悪いのっ!」

 余ったおかずをおやつ代わりにつまみながらの二人の弁明。
 ま、いいけど。悪いことしてるわけじゃないんだし。

「うーん、アタシおなか空いちゃったなー。卵焼きもう一つ欲しいなー」
「ははーっ。お納めください、お姉ちゃん様!」
「よろしい、許す★」

 やっぱり響子ちゃんの卵焼きはおいしい。
 甘めの味付けだから、しょっぱめで作るアタシともうまいこと住み分けができている。
 ……プロデューサーはどっちが好きなんだろ?


「だけど、なんだか不思議な気分です」

 と、響子ちゃんがしみじみ呟く。

40 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 03:05:55.42 ID:EFGwLI3E0


「不思議って?」
「ほら私、お料理が好きじゃないですか。寮でもみんなにご飯を作ったりしてて」

 実際、寮組の羨ましいとこだったりする。
 毎日響子ちゃんの料理が食べられるとか、それなんてご褒美? って感じじゃん。
 この子と結婚できる男の人は幸せなんだろうなー。

「それで、誰が何を好きなのかとか覚えてたりして……ふふっ。
 人間もそうじゃない子も、みんなハンバーグは好きなんだなぁって」
「あはは。寮にも色々いるもんねー」


「でも、たまに考えるんです。私の料理でカバーしきれるのかな、とか」
「? どういう意味?」

「えっと……勝手な想像なんですけど、人じゃない子には他のもっと好きなものがあるかもって。
 たぬきさんはたぬきさんのもっと好きなものがあって、私はまだそれを知らないのかも……とか」

 いつも一生懸命で、特にお料理とか家事のことにはいつもマジな響子ちゃんらしい考えだ。
 ……って言っても、人外がみんなそんなに特別なものを食べてるわけじゃないと思う。

 アタシが知ってるたぬきは実際、馬刺しとか辛子蓮根とか、和菓子とか好きだったりするし。

 ん〜……まあ、でも。

「確かに、あるかもね。あ、普段のご飯が不満ってことじゃなくてね?」

41 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 03:06:55.61 ID:EFGwLI3E0


「美嘉ちゃんにも……えと、悪魔さんにも、そういうのがあるんですか?」
「そんな大したことじゃないよ? けっこーアバウトなことだし」
「聞きたいですっ」

 やる気たっぷりで身を乗り出す響子ちゃん。
 気持ちは嬉しいけど、こればっかりはお料理できるものじゃない。

 カタチの無いものだから。

 アタシは左胸――心臓の辺りをトンッと指差して言った。


「人の心、なんてね★」

42 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 03:08:11.56 ID:EFGwLI3E0


  ◆◆◆◆◆


 まんざら嘘じゃない。 


 アタシ達にとって、一番カロリーの高い栄養源は「欲望」。
 もっと言えば悪魔にかける欲求、期待、願望、とまあそういう類のやつ。

 人々の欲望を糧にしているとは、よく言ったもので。

 一般的なイメージとしてある「人をそそのかす悪魔」は、そういう風にして栄養を摂取してたってことなんだと思う。

 体を作る上で普通にご飯も食べるし、人間社会に適応した悪魔はそれで十分に生きていける。
 だからこっちの栄養は、なんていうか魂的なものっていうか、もっと根っこの部分での精気に関わっていた。

43 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/05/29(火) 03:11:05.15 ID:EFGwLI3E0


 それにしたって個人差で好みはあるんだけどね。

 向けられる欲望の種類で、その味も変わる。
 直球な物欲とか金銭欲なんかは、強さに応じて味が濃くなるとか。

 特に悪魔の女の子が好きだと言われるのは……まあなんていうかその……ヨコシマなやつ。
 もっと言っちゃえばえっちなやつ。集めやすいしね。悪魔は美人が多いし。
 そっち方面を吸い取るのに特化した種族もいて、そういう子はサキュバスっていうんだって。

 でもアタシは正直、好きな味じゃなかった。なんかこってりギトギトしてて。

 っていう話をママにしたら、「子供舌ねぇ」って言われちゃった。
 そんなことないと思う。

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