【安価】異能戦【オリジナル?】

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178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/28(月) 21:39:12.93 ID:oalhppF50
【絶対殺傷(ダメージイコール)】
自分が受けたダメージを蓄積させてそのダメージを2〜3倍のパワーに変えて一気に放出する
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/28(月) 22:47:01.88 ID:9rzhRMqeO
思い付かないので安価↓
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/28(月) 23:26:54.39 ID:Tduz4ivl0
【マッドメディック】
効果は>>165

シナリオに矛盾生じるなら>>178
181 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/29(火) 00:02:23.00 ID:M4aJm31nO
彩「【マッドメディック】ッ! とりあえずメスを。すごく切れるやつ!」

圧郎「刃物を持ったところで貴様は勝てない。私の力はまだ止まらない」


拳を彩に向けて構える。冷静を装っているつもりの彩だが、先ほどの蹴りの威力を見た故に怯えていた。


うらら「彩ちゃん……!」

彩「あの人は純粋なパワー型っぽいから、うららさんは下がってて! こっちも危ないことしないと勝てないから……!」


うららは目に涙を浮かべていた。小学生の女の子が、怯えながらも勇気を振り絞って大男に立ち向かわんとしているのに、自分は何もできない。武器はストックしていなかったのだ。


圧郎「ふんッ!!」


まさに豪腕。その一振りで周辺の瓦礫やチリが吹き飛んだ。本能的に威嚇をしていたようだ。圧郎は徐々に高ぶる力を感じつつ笑みを浮かべていた。


彩「属性付与……? そうだ!」


彩は医療用のアームを魔改造し、巨大かつ全ての指先からレーザーを射出可能な兵器を五機作り出した。


圧郎「他愛ない。本体を潰せば済む」

彩「うぅ……レーザー、一斉射出っ!!」


圧郎は駆け出す。地面には深く足跡を残しながら。
182 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/29(火) 00:22:39.98 ID:M4aJm31nO
圧郎「死ね、子供」

彩「そのまま殴るの、おじさん? このメスすごく切れるんだけど」

圧郎「試してみるか?」


思い切り拳を振るう。彩は刃先を向け、目を閉じた。圧郎の右ストレートは軽々とメスを粉砕し、彩の眼前で止まった。


圧郎「生意気な子供だな。少しいたぶってやろうか?」

彩「お……おじさん趣味悪いねー。それに何だか臭いし?」


これは彩なりの作戦だった。この一瞬の間で熱線が圧郎に照射された。しかし、圧郎は動じなかった。


圧郎「無駄だ。既に私の力が上回っている」

彩「うそ……?!」


助けを求めようと辺りを見渡す彩。しかし剛也と奈々は近くにいなかった。うららは後方で立ち尽くしている。目を凝らしてみると口元を押さえて目を閉じていた。

圧郎「……悔やめ。そして訂正しろ」

圧郎は片手で彩の両手首を押さえ、足を外側から添える形で身動きを封じた。目は血走っていた。


圧郎「見てみろ。この指、どうするかわかるか?」

彩「い、いやっ……」


指がへその上あたりにめり込んでいく。肌を破り幼く柔らかい肉を押しつぶす。
183 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/29(火) 00:46:26.76 ID:M4aJm31nO

四肢を封じられているため、もがくことすら許されない。
痛みが明確になるにつれて更なる恐怖、喪失感、そして痛みが彩を襲う。


彩「いやっ……やめろっ……いだぃぃ」

圧郎「思い上がるなよ子供。逆らわず死んでおけば楽だったろうに」


レーザーもメスも、そしてドリルも効かない。


うらら「私は……」


この異能戦が始まってから、うららは自身を戦えもしないゴミクズだと思っていた。異能は実際攻撃的なものではない。
赤石が竜化した時に逃げることしか出来ず、そして今現在も呆然と立ち尽くすのみである。
葛藤の中でうららは壊れる寸前だった。彩が死ねば、次は自分だ。それ以上にこの状況で無力なことに吐き気がする。


うらら「私は……。私は死んでもいい? そう、無能だから?」


しかし、奈々が助かったのは紛れもなくうららの功績だった。そのことを考慮できないほどのパニックに陥っているのだ。
184 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/29(火) 21:05:35.19 ID:M4aJm31nO

私の異能は全てを収納する。考えたことは無かったけど、向こう側はどうなっているのだろう。
このまま彼女が殺されるのを見過ごす? 何か行動を起こす? 次に間違えれば確実に無能だ。生きる価値無し。いや、どちらにしろ確実に殺される。


彩「う……うららさんっ! ぐぅっ……たすけて……ッ!!」

圧郎「 興ざめだな」

うらら「彩ちゃん……?!」


思いがけない叫びにうららの葛藤が吹き飛ぶ。
胸に手を当てる。今は、今だけは不必要な感情を仕舞い込むことにした。
185 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/29(火) 21:35:18.39 ID:M4aJm31nO
うらら「彩ちゃんを話せえぇぇぇ!!」


圧郎めがけて全力で走り出す。圧郎はうららの方を見ながら彩に突き刺さった指を弄る。


圧郎「ほう、向かってくるか。蛮勇だな」


近くに落ちている小石を次々と投げる。その全てが並みの銃弾を上回る威力を持っていた。


うらら(致命傷以外は気にするな……! 触れれば勝ちなんだっ)


身体中に切り傷が出来た。前に進めなくなり得る石は全て【コレクター】で予め持っていた金属でいなした。異能を用いて収納することは、できない。左肩に石がめり込んだが、足は止めなかった。


186 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/29(火) 22:02:06.27 ID:M4aJm31nO
残り十歩。嫌な予感がした。


うらら「うおおおぉぉぉッ!!」

圧郎「救おうとした子供を目の前で殺されるのはどんな気分だ?」


指を抜き拳を振り上げた。彩の腹部から血が溢れる。


圧郎「挽肉の出来上がりだ」


──爆発。一瞬で二ヶ所、その異能が行使された。


圧郎「む……」


そのうちの一つは圧郎の顔面。そしてもう一つは


うらら「届けぇぇぇ!!」


うららの背中だった。脳を揺らす衝撃も、熱さもその精神の前には害を為さない。圧郎が意識をうららに向ける。
しかし、確実に触れることのできる距離だ。誤算があるならば、圧郎の身体能力が加速していることだった。


丸太のような腕が、うららの腹を貫いていた。
187 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/29(火) 22:40:48.43 ID:M4aJm31nO

うららは勝った。圧郎は収納され、異次元空間に固定されたのだ。うらら自身、自分がもし死んだ場合にどうなるのかはわからなかった。彩が異能で医療用具を出現させていたのを見て、そこに希望を持っていた。


彩「やったね……。でも、【マッドメディック】返されちゃった」

うらら「……そっか。いろは……。いろはに治して……もらおう……」


彩が辺りを見渡すが、いろはや赤石の姿はなかった。


彩「……うららさん」

うらら「うん、なんとなく……嫌な予感はしてたんだ」

彩「うららさん、ありがとう。強いよ。異能なんて関係ない。心であいつに勝ったんだ」


気を失う前に見たのは、微笑むうららの顔だった。そこに後悔はなく、でももう少し生きたかったと名残惜しさがあった。
188 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/29(火) 23:23:34.41 ID:M4aJm31nO
奈々と剛也は、光を圧郎から分断すべく【雷撃銃】と【狂気の爆炎】で応戦していた。

光は【妖精姫】の飛行能力を駆使して超速で躱していく。
しかし、圧郎が威嚇のために放った空振りで光は遠くまで吹き飛ばされ、二人はそれを追った。


光「最悪なんだけどー。あのおじさん何考えてるの?」

剛也「あひゃひゃひゃ! 見つけたぜ、フェアリー!」

光「気持ち悪いのもついてくるしー。おじさんと早く合流してやっつけてもらうから」

奈々「そうはさせないわ。あなたはこの【雷撃銃】が撃ち落とす!」

剛也「そうだな、向こうでロリが頑張ってるんだよ殺すぞ」

光「なに?お兄さんヘンタイじゃん! えー、動画撮って拡散しなきゃ!」

剛也「チッ……お前らが小学生の頃はそんなのじゃなかっただろうが!! 腐れフェアリーがよぉぉぉ!!」


変態の遠吠えだった。


光「元気だなぁ。そろそろ効いてくるはずだけど」


その言葉の意味を勘ぐり始めた剛也と奈々は己の体が麻痺していることに気がついた。

剛也「動けねぇ……」

奈々「くっ……!! 【電撃銃】!!」


二発の電撃が空飛ぶ妖精の近くを通り過ぎる。


光「ざんねーん! さあて、すぐに眠たくなるはずだよー! その後はおじさんに殺されるのみ、だね〜」

【狂気の爆炎】の標準が狂う。まぶたが重く、視界も保たなかった。【電撃銃】は狙うことはできたものの、全く命中する気配がなかった。
189 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/30(水) 00:03:34.58 ID:Hs7XB6M8O
剛也「あ、やばい。目開かないわ」

奈々「寝たら死ぬわよ……!」

光「寝なくても死ぬよー」


落ちていく意識の中、考えたのは彩のことだった。


剛也「まだ名前呼ばれてねえよ」

奈々「はぁ……?」

光「じゃあたし行くねー。ばいばーい!」

剛也「俺の目を撃て。片方だけだ」

奈々「何を……」

光「もー、寝言は寝ていいなよ? 目覚めることはないから安心して何でもほざいてなー」

奈々「本気なのよね? 狂ってるけど……」

剛也「早くしろ。覚悟は出来てる」


奈々は霞む視界を凝らして【電撃銃】を構える。すでに起き上がることすら不可能で、地面に寝そべったまま標準を合わせる。

バチッ

まぶたを突き抜けて眼球を焼かれる痛み。まさに、狂気だった。その衝撃は剛也を冷静に狂わせる。


剛也「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃぁぁぁ!! 痛ぇぇ!! 目ぇ開いたぜぇぇ!!」


潰れた左目など意に介さず【狂気の爆炎】を発動。剛也の覚悟に共鳴するように増長したパワーは、目に見える範囲全てを爆破させた。
190 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/30(水) 00:16:02.42 ID:Hs7XB6M8O
肉の一欠片も残すことなく焼き払った。ついでに周囲の鱗粉も払っていた。


剛也「そう、覚悟なんざロリコンになった時にもう出来ていた。チッ……痛えな。それより彩ちゃんだ。おいライダー、スコープ出せよ」

奈々「うぅ……すぅぅ……」

剛也「おいゴルァ!!」

奈々「う、ええ? 寝てた?」

剛也「あひゃひゃ、そんなことどうでもいいんだよ。早くスコープ出せや」

奈々「わ、わかったわ。はい、【雷撃銃】」


銃本来の構え方ではなかったが、遠方を伺えるのならそれでよかった。見えたのは、立ち向かううららと、愛しき少女を愚弄する男だった。
そこからは早かった。今一番、可能性のある方法を考え実行するのみ。全ては彩のために。

191 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/30(水) 00:53:51.61 ID:Hs7XB6M8O
時を少し遡り運動公園。祐介は【ガス操作】、美知子は【温度変化】で和田と交戦していた。


祐介「瞬間移動できるのかよ!!」

和田「空も歩けますよ」

美知子「なんで攻撃を読めるの?!」

和田「美知子君、甘いですねぇ。そして君も甘ったるいことこの上ない」


その時、運動公園に救急車が来る。恭弥と恭子が降りる。

恭弥「祐介ぇぇ! 探したぞ!」

祐介「恭弥! 無事だったか! だが来るなよ、このおっさん強いぞ」

和田「ほう、親友ですか。この戦いにも飽きてきたところです」


和田は恭弥のすぐ後ろに転移、胸をひと刺し。目を見開く祐介を見てほくそ笑んだ。


祐介「恭弥ぁぁぁ!!」

恭子「きゃぁぁああああ?!!」


鮮血が和田の太刀を伝う。祐介の顔つきが変わった。周囲に力の渦ができ、両手が火炎のごとく輝く。

祐介「────【強欲な借り主〈レンタル〉】ッ!!」

祐介「更なる力を……貸してくれッ!!」

指定安価は>>192->>193
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/30(水) 01:15:25.04 ID:l1ODKVst0
【吞み喰い〈グラトニー〉】
自らの周囲に泥の様に濁った穴を展開させる。
穴は使用者の任意で物質や能力による力を吸い込み、吸収する。
吸収した力の数程穴の展開出来る個数を増やす事が出来るが、一定量の力や物質を喰らうと穴は閉じてしまう。

193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/30(水) 07:01:09.85 ID:U3zpFzXl0
【修正時間〈リバースタイム〉】
人やモノの時間を自分が触れることで自分の好きな時まで直す(戻す)能力
傷ついたり、壊されたでもなくても自分が前の形や原材料などを知っていればその時まで元に直せる
また自分に使うことも可能でまた直すときに途中介入して最終的に形などを変化させることも可能


簡単に言えば自分にも使えるようになったけど、スタンドがないジョジョのクレイジー・ダイヤモンド
194 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/30(水) 23:21:00.27 ID:Hs7XB6M8O
祐介「ありがとよ……!」

和田「なるほど。何でも吸い込む穴と直す力ですか。しかし期待に応えてくれて嬉しいですよ。これで殺し甲斐もあるってものです」

祐介「安心しろ。……お前は俺が殺すッ!!」

美知子(駄目。きっと和田さんの異能を解明しないと勝機はない……!)

恭子「私の【マッドメディック】で……!」


恭子はその異能を攻撃に使おうとはしない。それは現状況で和田を殺め得る可能性が最も高いことを考慮した上での結果だった。
祐介が展開した泥穴を和田が切っていく。和田の持つ太刀は異能の副産物なので泥穴を潰した後再び出現させることができる。


祐介「しかし手強いな、おっさん」

和田「まだまだ若いものに負けてられませんからねぇ」


和田の異能は【六神通〈ヴィパッサナー〉】。
神足通、天耳通、他心通、宿命通、天眼通、漏尽通の六つの力からなる能力だった。和田の太刀は宿命通によるものだ。

神足通で転移や空中浮遊をし、他心通で心を読んでいた。


祐介(あの子、救急車を出していただけあって治療ができるのか……?)

和田「そのようですねぇ。優しいお嬢さんだ。しかしよそ見をされるとは、心外ですねぇ」

祐介「うるせぇ、心読むな! どういう異能なんだよそれ!」
195 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/30(水) 23:44:23.97 ID:Hs7XB6M8O
祐介「待てよ、今俺何を……」

和田「ただの暴言だと思いますが」

祐介「うるせぇ。何だこの違和感は……」


和田の異能を解明すべく、美知子は観察していた。しかし答えにはたどり着けなかった。


祐介「決め手にならねぇか……?」

和田「いえ、君の引き当てた能力はどちらも協力ですよ。強いて言うならつかいこなせていない君に問題がありますねぇ」

祐介「クソが……!」

和田「異能を使いこなすというのは、こういうことですよ」


和田が露の構えをとる。そこからは一振りのみ。しかしそれは、緩急と転移を組み合わせて発揮する斬撃と突きの六撃。最初に目の当たりにした若見 奈恵はそれを【仏の斬〈ヴィパッサナー〉】と呼んだ。
196 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/31(木) 00:44:59.68 ID:5Dv4uoSwO
脳や心臓を狙った二撃は【呑み喰い】で防いだ。しかし、祐介は残りの【仏の斬】を受けてしまう。

祐介の左腕が切り落とされ、血が吹き出る。


祐介「なッ……?! 【修正時間】……!」


右腕もほぼ切断されていた。ただ肉として繋がっているだけで、動くことはなかった。


和田「さあ、終わらせましょうか」

祐介「……やめろ」

和田「それは無理な相談です」


もう一度、露の構えをとる。和田は【仏の斬】を使うことはできなかった。


和田「おや……」


目の眩む閃光。その後、和田の右肘から先が焼け落ちた。
和田が首切りを中断し振り向くと


恭弥「テメェ人のダチの腕千切ってんじゃねぇよォォォッ!!!」


恭弥は今こそ、高鳴る命の鼓動を破壊のエネルギーに変える時だと確信していた。

刻むのは怒りのビートだ。
197 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/31(木) 21:28:12.85 ID:FaY8w82KO
【修正時間】は体のどこかで触れなければ発動しない。それは自身に対して発動する場合も同様で、現時点で祐介が体を直す可能性はほぼない。

美知子は未だ思考を巡らせている。和田が恭弥の攻撃を避けなかった、読めなかったのには理由があるはずだと。


祐介「恭弥! 助かったぜ……!」

恭弥「おう。ざまあみろ!」

和田「……」

美知子(心を読めるとして、何か条件があるのはわかる。でもそれを確かめないと手は出せない……!)


恭弥の傷は完全に塞がっていたが、【ハート共鳴】のエネルギー弾を打ち出した反動は大きい。息を切らせている。
すぐ後ろにいる恭子は、和田の落ちた腕を視界に入れないように目を伏せていた。

和田はにっこりと笑みを浮かべながらもこれまでにない感情を胸に秘めていた。その先がなくなった腕からは定期的に血が吹き出る。焼け焦げた人間の肉の匂いが鼻の奥を突く。

198 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/31(木) 22:27:29.57 ID:FaY8w82KO
泉のように湧き出る感情が何を表すのかはわからなかったが、見出せるものがあると判断し、逃げた。追ってくるものなどおらず、容易だった。


祐介「行ったか……」


祐介は腕が切断され痛みも酷いはずなのに冷静になっている自分に気がついた。腕ばかり切れてるなぁ、と思った。


恭弥「恭子、頼む」

恭子「……はい。この布を噛んでください」


【マッドメディック】の激痛。痛みがさらに強い痛みを上書きしていく。慣れることも痺れることもなくのたうち回る。


恭弥「そうそう、痛えよな。でもすぐ済むぜ」

恭子「左腕は繋がりました。……右腕の断面の損傷が激しいです」

恭弥「繋がらないのか?」

恭子「できます。ただし……」


恭子の提案に対して恭弥は涙を流しながら頷いた。
199 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/31(木) 22:49:52.95 ID:FaY8w82KO
矢吹 奏司と四十万 力の交戦中。
それを見守る風子の背後には【暗殺者】の異能を持つ浅野 真也がいた。


真也「声を上げるな。そちらに刃物を向けている」


多くを殺すために強いものの下についた真也ではあったが、任せられたことといえば偵察や護衛だけだった。彼の気配遮断能力や、ナイフ術は異能に頼るものではなく殺すために考えた独自のものだ。


風子「……!」



【暗殺者】の詳細>>200

能力や読みなど
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/31(木) 22:55:01.56 ID:7CpMpnRy0
【暗殺者(キラーキラー)】
暗殺するターゲットを選んでその相手に合う武器を出現させる
安価下
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/31(木) 23:40:42.22 ID:N8fyTtoE0
↑+相手に合う武器を相手に向かって投げると相手が当たるまで追尾してくる。武器は軽ければ軽いほど追尾するスピードが速い。もちろん投げないでそのまま使うことも可能。
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/01(金) 17:56:44.60 ID:a11xZk+PO
>>201を書いた者です
「投げた武器は弾いたり防いでも追尾し続ける。止めるには能力を解除するか武器を壊さないと止まらない。」も追加でお願いします。
203 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/02(土) 02:11:14.53 ID:hxVHFXB2O
【暗殺者〈キラーキラー〉】
暗殺するターゲットを選んでその相手に合う武器を出現させる 。投擲すると対象を自動追尾し、それを回避するには武器自体を破壊するか異能を解除する他はない。


真っ向勝負に向いていないが、暗殺対象の意識外から最適の武器で仕留めることのできる異能だ。しかし、出てくる武器が必ずしも使いこなせるわけではないのでナイフを携帯している。


力「しかしわからねぇ。なぜ裏切る? そのガキにそれほどの価値があるとは思えねえよ」

奏司「もののついでだ。というのでは不満か?」


力の異能が加速していく。もはや、止まることなどできない。


奏司「そろそろ本気出す」
204 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/02(土) 02:55:47.29 ID:hxVHFXB2O
瀬型 櫂と糸色 凶は和田を探していた。


櫂「……」

凶「……」


凶は櫂の右肩に抱えられている。不思議だという表情を浮かべていたが、なぜか安心したのでそのままでいた。
二人の前に立ちはだかる者がいた。



名前
特徴>>205->>206から
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 03:01:51.98 ID:3joQldaZ0
名前:雨音 奏(ウネ カナデ)
特徴:水色ジャージの高校女子。運動抜群で、爽やか元気。意外と手先が器用であることに驚かれてる。

(自分の異脳を何故か相棒のように慕っている)
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/02(土) 03:04:51.39 ID:Jq9kI2XX0
名前:口無 玄互(くちなし げんご)
特徴:ロングコートを着ていて、目付きが悪い。口元にガスマスクをつけている。
207 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/02(土) 09:40:07.20 ID:hxVHFXB2O
雨音 奏 (うね かなで)
水色ジャージの高校女子。運動神経抜群で、爽やか元気。周囲には意外と手先が器用であることに驚かれてる。


奏「やあ、こんにちは!」

櫂「……」

凶「……」

奏「あのぉ〜」

櫂「知り合い?」

凶「……知らない人です」

櫂「そっか」


有無を言わず奏に【炎真】を放つ。しかし奏は反射的に交わしていた。異能ではなく、自らの身体能力で。


雨音 奏の異能>>208->>209から
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/02(土) 09:52:49.33 ID:C0orWIk+0
【雨の日の友達(レインロイド)】
水色の液体型異能モンスター(スライムに近い感じ)。意思があり、まるで生き物用に自分で考えて行動できる。
主に水を自由自在に操ることができ、こいつ自身は液体で基本的に物理攻撃が効かないのが特徴(例外はあり)
雨の日や水の中だとさらにパワーアップできる。また、その使い手によって関係が変わる。

奏とは友達のような感じで
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 09:59:15.26 ID:MTPYxe2F0
水族空間(ウォーターエリア)
自分を中心に水球を展開する
最大直径は50メートルくらい
自分の息が続く限り展開可能
外から中に入ることは可能だが中から外へは出られない
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/02(土) 10:02:44.20 ID:Jq9kI2XX0
【雲の天気(クラウド ウェザー)】
雲を操ることができる能力。体から雲を出して、そこから雨、雷、嵐、雹を降らすことができる。さらに体を雲に変えることができてその時はどんな攻撃も効かない。能力発動する際、雲のように体が浮くことができる。それを応用して西遊記に出てくる筋斗雲を作って空を自由に飛行が可能。
211 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/02(土) 21:58:48.24 ID:hxVHFXB2O
【雨の日の友達〈レインロイド〉】
水色の半固半液体の異能。自律型で、液体になることもできる。雨天や水中ではさらに強力になる。


凶「……はぁ。【亡者共鳴】」


臨戦態勢に入り異能【亡者共鳴〈アズラエル〉】を発動させる。大鎌と鎖で繋がれた鉄球が出現する。
この戦いの最序盤に殺された者の異能で、卓越した力こそないものの使いこなせる技量が付与されるため汎用性は高く、凶との相性も良い。


奏「無視は辛いなぁ。……と思ったら急に火を出してくるなんてねー」

櫂「用が無いなら去れ」

奏「うーん。用が無いと言えば無いんだけどなー。ボクの異能って水みたいなものなんだけど、キミは火だったし」

櫂「……?」

奏「これは熱いライバル展開じゃないかなーって思うんだよ!」

凶「……時間の無駄です。それに、きょうはこの人苦手です」

櫂「そうだね」


二人は再び歩き出す。奏は熱心に【雨の日の友達】について語り、せめて仲間にしてくれと懇願したが、やはり無視されるのだった。

212 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/02(土) 22:31:37.03 ID:hxVHFXB2O
思考が回らない。視界がぼやけ、耳鳴りもする。桃月 いろはは飛んできた瓦礫から竜也を庇い下敷きになっていた。


付近に竜也の姿はなく、戦いの気配もなかった。


いろは「動けない……!」


焦燥感。汗がにじむ。
その時、いろはを圧迫する瓦礫が吹き飛んだ。


剛也「お前の力を貸せ。仲間が一大事だ」


いろはは剛也のその姿に唖然とした。片目から血を流し身体中が煤にまみれていた。
213 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/02(土) 23:00:25.56 ID:hxVHFXB2O
微笑んで死んでいったうららと涙を流し気絶した彩。
剛也と奈々がうららの死を確認し、それを聞いたいろはは彩の治療を始めた。

何が起きたのかはわからない。でも、満足したような、でも何かを諦めたような微笑みはその場の皆の涙を誘った。
奈々、いろは、そして剛也でさえ残された片目で涙を流していた。

【施命〈アイリス〉】が完了するのに時間はかからなかった。意識が戻った後の彩はそこで起きたことを大まかに説明し、やはり泣いた。


剛也「……【施命】だったか? それでも死んだやつを生き返らせるのは無理なのか?」

いろは「やったとしても元の命がなければ無駄……だと思う。きっと別の生き物になるから……」

彩「……このままでいいよ。でも、傷は治して弔おう。大切な仲間だから」
214 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/02(土) 23:18:27.85 ID:hxVHFXB2O
しかし、死人を想う暇もなく彩たちに近づく者がいた。
それは【聖槍・魔槍】の岩崎ともう一人。

その者が持つ異能は【神の寵愛〈レンタル〉】。
異能を一時的に借りる異能。


名前
特徴>>215->>217から
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 23:24:25.84 ID:MTPYxe2F0
逆瀬川 逆巻(さかせがわ さかまき)
逆巻いた髪型をした細マッチョ男
下克上や逆転を好み、弱い者の味方につく
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 23:27:12.32 ID:vvjJ6o3O0
蘇芳 得〈スオウ エル〉
網膜に十字架が刻まれたていて普段は包帯で両目を隠してる。
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 23:27:32.99 ID:3joQldaZ0
名前:山畑 ヤエ (ヤマハタ ヤエ)
特徴:電動車椅子の老婆。日記帳を大事に抱えている。目は閉じて見えるるが、視力はある
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 23:28:40.93 ID:C0orWIk+0
愛園(あいぞの)ゆかな
金髪のツインドリルのお嬢様。赤いドレスを着ている
219 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/03(日) 00:05:46.38 ID:mR1IKV86O
逆瀬川 逆巻(さかせがわ さかまき)
逆巻いた髪型をした細マッチョ男 。
下克上や逆転を好み、弱い者の味方につく。


逆巻「二対四か。オレの大好きなシチュエーションだぜ!」


その言葉で一同が応戦の構えを見せる。明らかに戦うことを前提とした接近だと察したからだ。


逆巻「やはり部が悪いか……? ここからひっくり返すのが面白いんだが」

岩崎「どっこいどっこいですね、どっこいどっこい」


彩は先の戦いのように犠牲が出るのを恐れていた。


彩「いろはさん達三人でグラサンお願い!」

逆巻「あえて一人になるか。よほど自信があるようだが……?」

彩「さあね……!」

逆巻「普段は弱き者に力を貸すことを信条としているが、此度ばかりはそうも言えないらしい。いや、目前の少女を弱者ではない」


彩「……【使用窃盗〈フシアナクグリ〉】」
220 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/03(日) 00:08:53.46 ID:mR1IKV86O
逆巻「【神の寵愛〈レンタル〉】ッ!!」


──戦いが始まる。


【神の寵愛】の指定安価>>212
【使用窃盗】の指定安価>>213
221 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/03(日) 00:10:04.55 ID:mR1IKV86O
逆巻「【神の寵愛〈レンタル〉】ッ!!」


──戦いが始まる。


【神の寵愛】の指定安価>>223
【使用窃盗】の指定安価>>224





訂正
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/03(日) 00:33:08.99 ID:JsI0hWyE0
天気(ノーブルウェザー)
効果は>>210
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/03(日) 00:34:17.02 ID:OFqUMkdO0
影人形劇場〈シャドウロール〉
視認した人の影を実体化させて操作
身体能力は元の人と同じ
また自分の影人形を他人の影人形と融合させることで身体能力がプラスされ、元の人の能力をその影人形が行使できる
ただし融合させている間は、自分はその場から動けなくなる
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/03(日) 00:34:31.44 ID:WUxS+Shw0
>>210
225 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/03(日) 20:58:43.61 ID:z1DIjI63O
逆巻「【影人形劇場〈シャドウロール〉】ッ!」

彩「【雲の天気〈クラウド ウェザー〉】!!」


「──これなら勝てるッ!!」


彩「……って、えええ?!」

逆巻「ええ……ったく、真似するなよー。オレの異能とモロ被りしてるんじゃねーよ!!」


どこかから異能を一時的に持ってくる。ほぼ同一の異能を持ち合わせた二人はその本質を一瞬で看破した。


彩は逆巻の異能を警戒して雲化する。まずは上空から様子を見る。
逆巻は辺りを見渡した後、人型の影を六体生み出した。曖昧な輪郭だったが、確かに元の人間に対応したカタチをしていた。


彩「影の異能……? お兄さん、それ何なの?」

逆巻「そっちこそ。それはオレの知らない異能だが」

226 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/03(日) 22:20:18.60 ID:z1DIjI63O
逆巻「悪いけど油断できねーからな。さっさと決着だ!」


六つの影が混ざり合う。混沌の巨人が出来上がる。


逆巻「オレの全霊を持って墜させてもらうッ!!」

彩「何あれ……! 油断したら死ぬかも……ッ」

影人形「【影・雷撃銃】」


曖昧な人影が取り出したそれは奈々の【雷撃銃】。彩は自身から落雷を発生させ撃ち合う。
二度、三度としのぐと影の動きが止まる。


影人形「【影・狂気の爆炎】」

彩「みんなの異能を真似してるんだ。チートすぎるっ」


マーカーをかわしつつ作戦を練る。


彩(さっきの影の数だけ異能があるなら……。狙うのは本体に限る!)


特大の雷を逆巻に向けて落とした。
227 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/03(日) 23:03:16.86 ID:z1DIjI63O
それは生物でも有機物でもなく、そもそも存在の識別すら危ういようなものである。

逆巻「あっぶねぇ。余力を使い切ってもいい! 【影人形劇場】こういう敗色濃い敵に挑むのがいいんだよなァッ!!」


女性型の影を二つ盾がわりにした。雷は防げたが、【影人形劇場】で融合させた本体は小さくなっていた。


彩「やっぱり無理か。次は……!」


雨雲を次々と生み出し大雨と雹を降らせる。一帯が悪天候に見舞われた。


逆巻「ゾクゾクするねぇェェッ!! 絶対に勝ってやるよォォォ!」


そして、逆巻の咆哮に応えるように影の色が濃くなっていく。光すら吸い込む黒になる。


影人形「【影・魔槍】!!」


それは逆巻のエネルギーの大半をつぎ込むことによって放たれる絶死の暗黒光線。降り注ぐ雨や氷を消し去り雲を貫いた。その先には青空が広がっている。

228 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/04(月) 00:02:01.72 ID:LZpT9xZEO
荒れる空の下で【電撃銃】と【聖槍】の力が衝突していた。


岩崎「突然の豪雨! それから雹!」

剛也「あひゃひゃひゃ! 視界が悪すぎんだろー! 【狂気の爆炎】!!」

岩崎「いかが……どうでしたか?!」


爆発を容易くかわし、二槍を振り回す。


岩崎「しまいには骨が砕けるぞ!」

剛也「あっぶねえええ! あひゃひゃひゃ!!」

いろは「大丈夫っ! 私がみんな治すから」

奈々「怪我はしないに越したことはないわよ!!」


電撃を放つ狙撃銃が岩崎の胸を穿つ。しかし岩崎は倒れることすらなく、即時的な蘇生を果たした。


奈々「えぇ……」


この一瞬、誰よりも剛也は冷静だった。


剛也「今度こそ爆散しな!」


岩崎の体を覆うようにマーカーが出現し


岩崎「ビャァオゥッ!!」


抵抗の余地なくその全てを消し炭にした。
229 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/04(月) 00:12:55.05 ID:LZpT9xZEO
地面には【聖槍・魔槍】が突き刺さっていた。大人しく、眠るように。


剛也「チッ……君の悪い奴だったな」

奈々(ブーメラン……)

いろは「ねえ、あれ! 彩ちゃんのいる方だよ!」


それは【影・魔槍】を用いた力の放出だった。


剛也「ロリが危険に晒されているッ!! 行くぜ、お前ら!」
230 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/04(月) 00:28:27.61 ID:LZpT9xZEO
晴天。地面の雑草には露がついていた。


逆巻「この達成感、だからやめられねぇよ」

剛也「テメェ!! ロリッ娘をどこにやった?!」

逆巻「ああ、今片付けたよ」

奈々「……?!」

いろは「嘘……?」

剛也「死にさらせやァァッ!!【狂気の爆炎】!!」

逆巻「今日のオレは運がいいな! いいだろう、【神の寵愛】ッ!」



指定安価は>>232
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/04(月) 14:48:06.44 ID:5Q6kI+eE0
ksk
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/04(月) 14:51:30.96 ID:WPTea/vA0
【知らざれる者(アンノウン)】
能力発動時に自分以外の人間に感知されずに認識もされない能力。
一言で言えば完全なステルス能力
ただし、自分からモノや人から触れるとこの能力は解除される

安価下
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/04(月) 16:17:35.53 ID:XsAssQXOO
【光の御子〈ライトロード〉】
周囲の光を操る
光を屈折させて人や物の位置を誤認させたり、姿を隠したり、レーザーを放つ
234 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/04(月) 22:34:58.75 ID:cYiQMtrtO
逆巻「【光の御子〈ライトロード〉】! 真っ黒に焼け焦げな!」

剛也「あひゃひゃひゃ!! それはこっちのセリフだボケがァッ!」


爆裂。その瞬間だけ視界に大きなズレが生まれ違和感を覚えた。


逆巻「どこを狙ってるんだよ! ほらほら、オレはここだ爆弾野郎ッ!」

剛也「命中しただろ今の……!」



その頃奈々といろはは彩の捜索をしていた。しかし、発見には至らなかった。
235 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/04(月) 23:40:33.95 ID:cYiQMtrtO
遥か遠方から轟音とともに生まれる、この異能戦を象徴したランドマーク。それを視認した時、各々の脳内に声が響く。


「「間引きは終わった。塔の上で待つ」」


剛也「あひゃ?!」

逆巻「予想より早いな……! しかし……」


急に聞こえた声に意識を向けた刹那、剛也は油断していた。
閃光、そして腹の底に響く爆音。


剛也「うぐあああ!! ……は?」

逆巻「あ……」


雷に打たれたのは逆巻だった。彩は【影・魔槍】の攻撃を受ける寸前に雨と雹を降らせ視界を悪くし、細かい粒になって地面に潜伏していたのだ。そして、声により逆巻の正確な位置を把握した上での攻撃である。


彩「【神の寵愛】とやらの対象を変えた時点で負けなんだよ、お兄さん」

剛也「ロリ……ロ……ロリロッ娘……」

彩「えぇ……めちゃくちゃ泣いてるじゃん」

剛也「ばかやろー!嬉し泣きだ!」

彩「そんなの知らない。いろはさん達は? ていうか何あれ」

いろは「おーい! 彩ちゃん!」

奈々「……やっぱりその異能はズルいわね」

彩「えへへ。ところであの塔って」

剛也「変な声が聞こえたけどよぉ」

いろは「間引きは終わったって?」

奈々「そのままの意味じゃない? とにかく行ってみるしかないと思うけど」


四人は街の中央部にそびえる塔に向かった。
236 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/05(火) 21:55:30.01 ID:y3DMB4yzO
四十万 力の蹴りを【絶えぬ世界の接続曲】で防御する。力の脚力は本調子に近づき熾烈さが増す。
その際の衝撃を和らげるために体を逸らした。目に入ったのは何者かに刃物を向けられる風子だった。


奏司「……ならば【気狂い歌姫の狂騒曲〈クレイジーディーヴァ・レクイエム〉】 」


包帯で巻かれた顔で絢爛な衣装。三日月のように口を開いた歌姫が奏でる狂気。それを聴いている以上、行動が制限され動くことができない。
その場にいる奏司以外の動きが止まる。元々は攻撃向けの異能ではなかったが、その歌声は精神攻撃になり得る。


奏司「俺のお気に入りだ。耳が幸せだろう?」

力「ッ……!!!!」


殺してやる、そう言わんとしているのが見てとれた。しかし構わず固まっている風子を抱えて走った。
237 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/05(火) 22:30:03.72 ID:y3DMB4yzO
色々な材料を寄せ集めて出来た塔。それは明らかに人間の技術力では不可能な大きさ、高さだった。
彩は昔どこかで見た神を目指して作られた塔の話を思い出していた。


彩「……どうする?」

奈々「すでに戦いの跡があるわね。でも、行くしかないんじゃない?」

いろは「危ない……よね。ううん、今更引き返すなんて出来ない」

奈々「そうよ!ラスボス倒して願い叶えてもらうしかないわよ!」

彩「ねえ、いろはさん。探したい人いるって言ってたよね」

いろは「……え?」

剛也「あひゃひゃひゃ! 何の話だ?」

彩「この二人連れて行きなよ。私はこの先で探す。もちろん抜け駆けとかじゃなく、命の恩人として友達として言ってるんだよ」

いろは「でも……」

奈々「はぁ……。ったく、ゲームでもこっちでもヒーラーにペコペコするのねぇ。いいわ、眼だけは良いし手伝ってあげる」

剛也「JKは俺の趣味じゃねえんだけど……。彩ちゃんなら一人でも大丈夫だろうしな」

彩「まあねー」

いろは「……ありがとう!」


一人一人が強力な異能を携える中でも友情や信頼は生まれるものである。
238 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/05(火) 22:43:56.94 ID:y3DMB4yzO
彩「梶原 祐介、目つきが悪い以外は普通の男の人。それだけで探せるかい!」

彩「でもまあ、いろはさんのために見つけるしかない!」

数度の命のやり取りの中積んだ経験から、彩には近づいてくる気配をすぐに察知できた。


彩「……いろはさん達じゃないよね。気合い入れよう」


来た人(既存でも可)
名前
容姿>>240
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/05(火) 22:53:19.21 ID:e5lcr86Y0
名前はどこで安価?
安価なら梶原祐介
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/05(火) 22:53:57.60 ID:gTyd+/Z60
名前:火野 神威(ひの かむい)
容姿:オレンジ色の髪で、天然パーマ、額にゴーグルをつけている。身長が高くレザージャケットを着ている男子高校生。
241 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/05(火) 23:34:25.10 ID:y3DMB4yzO
神威「我が名は火野 神威ッ!! 趣味はドライブ異能は【功夫〈クンフー〉】、流派は蟷螂。後は拳で語り合おう!」


神威は衣服にそぐわない独特な構えをとった。高身長ゆえの長い手足も相まって迫力があった。


彩「後はって言われてもね。割としっかり自己紹介してくれてるよ、それ! 【使用窃盗】!!」



指定安価は>>243
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/05(火) 23:51:37.75 ID:e5lcr86Y0
【破壊者<デストロイヤー>】
自分の手に触れたものを原理、理由、耐性など関係なく完全に破壊する
防御不可能の一撃必殺技
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/05(火) 23:59:10.33 ID:gTyd+/Z60
>>150
244 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/06(水) 22:39:01.55 ID:78npzEHWO
彩「えー、肉弾戦なの? 女の子なのにー。【脚力〈フットパワー〉】!!」

神威「よくわからんが、御誂え向きの異能と見た。推して参るッ!!」

彩「探してるお兄さんじゃないし、手加減はしないよっ」


脚力に任せ思い切り回し蹴りをする。並みの人間ならその圧だけで脳震盪を起こすほどの威力だった。


神威「良い蹴りだッ!」


神威は独特の低い姿勢から上半身のみを捻りかわした。


神威「しかし単純な技だけで倒せると思うなよ? 隙あらばその首、刈り取らせてもらう!!」


蟷螂の絶技は滑らかな動きから緩急をつけて放たれる拳での連撃だった。

彩「スピードは互角……!」

神威「パワーはそちらが上ッ!!」

彩「でも……技量じゃ到底かなわないっ!」

245 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/06(水) 23:17:50.35 ID:78npzEHWO
【功夫】という異能にまで昇華された蟷螂拳は【脚力】の破滅的蹴りをかわしつつ、既に数度の技を彩に食らわせていた。


彩「やるね、お兄さん」

神威「そっちこそ。そろそろ仕留めさせてもらう!」

彩「その構え……!」


彩は蟷螂拳の低い姿勢に目をつけた。その馬鹿力をもってして片足をアスファルトの地面に突き刺した。


神威「フッ、まぬけ。それじゃあ動けないだろ!」


わかっていた。この好機を逃がさないように神威が攻めてくることも。


彩「迂闊だよっ!」


脚を思い切り突き上げる。その勢いを持ったままアスファルト片が神威を襲う。


神威「グッ……ウオオオォォォッ!!」


その拳は神速。彩の攻撃を難なく撃ち払う。舞う土煙の中、神威は全ての破片を刈り取った。


彩「だから迂闊なんだよっ!!!」


足元に集中したせいでガラ空きになった上部から振り下ろされる鉄槌。それはかかと落としだった。
246 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/06(水) 23:30:42.70 ID:78npzEHWO
彩「【脚力】が返された。うん、倒せたってことだよね」


砂煙で悪くなった視界の端、瓦礫の陰から誰かが出てきた。


和田「こんにちは、お嬢さん」


血塗れの白衣を纏う和田だった。
白衣の右腕部分は破られ、欠損した部分には包帯が巻かれていた。


彩「祐介さんじゃないよね。ううん、絶対違う」

和田「祐介……? ほう。彼を探しているのですか」

彩「知ってるの?」

和田「それはもう。でももう関係ありませんよ」


にっこりと笑う。左手にはどこからか出した太刀があった。


彩「……?」

和田「お嬢さんはここで死ぬのですからねぇ」

彩「なるほどね、わかりやすいよ。【使用窃盗】ッ!!」



指定安価は>>248
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/06(水) 23:33:25.42 ID:ZmxshjFC0
【異能殺し(キャンセラー)】
自分から半径1cmから徐々に範囲を広げてその範囲の異能力を無効にする能力
弱点は目(発動時に目に紋章が出る)。発動知友に目を閉じる能力が一度無効になってう
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/07(木) 00:30:41.76 ID:VdkcY/EB0
【黒い交渉人・ブラックネゴシエーター】


交渉のテーブルをその場に召喚し、交渉相手にイーブン以上の利益を確実に成立させる。例えば見逃すついでに相手の異能を一時的に強化させるなど。
ただし、交渉に応じない及び交渉人に危害を加えようとすれば黒鉄の巨人が現れて主をコックピットに収納、マナー違反の交渉相手に鉄槌を下す。

なお、出されたテーブルが破壊された時点で黒鉄の巨人が主を守るので、実質巨人の方がメイン。
元ネタはビッグ●ー

もしくは↑1で
249 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/07(木) 01:12:06.24 ID:kWW3NjLFO
彩「【黒い交渉人〈ブラックネゴシエイター〉】」


その異能は交渉が成立することを前提に前に結果を保証されている。たとえ決裂したとしても異能所持者の身を守ることが可能なため実質的に武力による脅しは意味をなさない。

交渉の際に提示した条件もまた【黒い交渉人】が確実に成就させる。


和田「なるほど。交渉しようというのですか」

彩「おじさん、優しそうだし?」


もちろん和田は彩の思考を他心通で読んでいた。


彩「おじさんの異能が何かは知らないけど、それを強化する。そのかわり私には攻撃できない」

彩「ってのは?」

和田「ふむ……。面白いですねぇ、【使用窃盗】に【黒い交渉人】ですか。似た戦い方を、いえ、異能を使うものを知っていますよ」

彩「へえ、それで答えは?」

和田「ではこちらからも。僕の異能は【六神通〈ヴィパッサナー〉】。その中には他心通といって人の心を読む力があります」

彩「うんうん。……え?」

和田「お嬢さんの考えはわかりました。その上で僕は、腕の完全な治癒と異能の強化を要求します」

彩「そんなことできるわけ……!」

和田「そのかわり、桃月いろは、浅田剛也、白川奈々には手を出しません」

彩「……! 本当に心を読めるらしいね。いいよ。でも、私にも今後危害を加えてはいけないってのも追加で」

和田「よろしい、では」

彩「うん。……交渉成立」


紛れも無い死の回避。和田は黒鉄の巨人を斬りふせるだけの余力があり、異能がそれを察知していたための結果だった。
250 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/07(木) 01:20:31.09 ID:kWW3NjLFO
和田の腕が少しずつ再生している。満足げな顔をして和田は塔の方へ歩いていった。

【黒い交渉人】は【使用窃盗】の戦闘終了と共に効果を失うという特性を受け付けないため、和田の異能強化と治癒、その他の条件は以後続くことになる。


彩「はぁ……。何なのあの人」


しかし、休むもなく新たな気配に気がつく。明らかに邪悪。


岩崎「どーもでぇす」

彩「えぇ……。死んだって聞いたんだけど」

岩崎「目の前におるじゃん」

彩「……?」


岩崎の持つ一対の槍が振るわれる。すでに戦いは始まっている。


彩「そろそろ負担が大きいんだけど。……【使用窃盗】」



指定安価は>>251
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/07(木) 08:46:11.06 ID:1RoQfeJ+0
【限界不死鳥(リミットフェニックス)】
不死鳥に変身する能力。炎を操ることができる。他にも羽を飛ばしたり、足の爪で攻撃することもできる。しかし長く不死鳥の状態でいると能力者の体が暑くなり、最後には体が燃えるおそれがある。能力を解除すればそれが回避でき、能力を解除したまま5分でまた能力が使える。(5分になる前でも使えるがその場合、体温が下がりきってないので能力を使う時間が減る。)
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/07(木) 09:03:54.82 ID:VLsVCpeaO
253 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/07(木) 22:25:33.34 ID:Y7oJTjUWO
彩「【限界不死鳥〈リミットフェニックス〉】!!」

彩「あっつ!!!」


朱い煌びやかな羽を広げた。体全体が高温の炎に包まれる。


岩崎「ほほ〜」


強烈な熱風に身をのけぞらせる岩崎。


彩「すぐに燃やし尽くしてあげるっ!」

岩崎「こっちも容赦はしないけどな!」


矛先が炎の中心部に向けられる。
254 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/07(木) 22:53:19.65 ID:Y7oJTjUWO
三度頭を潰し五度胸を抉ってもなお立ち向かってくる岩崎に彩は恐怖していた。


彩「ゴキブリよりしぶといよ。そろそろ炭になってほしいな」

岩崎「ほらほらほらほらほらほら!!」


槍と不死鳥の爪が弾き合う。火花が散ることはなく、轟音のみがこだましていた。
火炎も爪も効いてはいるが、殺す都度に蘇る岩崎への対策があるわけでもなくひたすら攻防を繰り返している。

岩崎が突然、【聖槍・魔槍】の刃を握りしめた。切れた手のひらからは血が滴る。


彩「不気味すぎるっての」


彩はその異常な行いを停止させるべく、全力の炎を放った。それも共に【限界不死鳥】の発動限界に至る。

炎が命中する瞬間。


岩崎「祭りはまだまだこれからだ!」


岩崎の全身が烈火に包まれる。


岩崎「パーティタイムッ!!」


そのまま自らの心臓を穿った。
255 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/07(木) 23:01:13.82 ID:Y7oJTjUWO
二本の槍は岩崎を穿ったまま吸収されていく。死と蘇生を延々と繰り返す中で起きる膨大なエネルギーの爆発。
無理矢理にそれを利用し、岩崎と槍の存在が同一になっていく。肉体的にも、本質的にも等しくなる。


彩「なにそれ……! チートでしょ」


異形の存在に警戒して無意識に【限界不死鳥】を起動する彩。すでに加護を失い諸刃の剣と化してはいたが、そうせざるを得ないと確信していた。

聖なるものと邪なるもの。そして死と蘇生。世界の全てを体現するそれは正に……


────【神槍】だった。


【神槍】の詳細>>257
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/07(木) 23:05:11.46 ID:/YInUJGF0
生と死をつかさどる槍。これに刺された生きたものには死を。死人には生を与える。
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/07(木) 23:15:38.73 ID:LJSMgAJD0
光のビームを撃てる、威力は宇宙戦艦ヤマトの波動砲クラス
小さな街なら一瞬で灰に出来る
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/07(木) 23:17:44.71 ID:VdkcY/EB0
↑1だだし使用過多でカウントが溜まると、神槍の効果により動くものは神槍に心身共に乗っ取られてしまい、12体の異形と化して暴れまわる。
(12体を越える、または12体より少ない場合は対象全てが1つに集まって12分割される)

この災厄を鎮圧するためには全ての異形を処分、または12番目の"裏切者"を神槍で一突きすること。後者の方が圧倒的に楽
259 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/08(金) 00:49:16.95 ID:eu0uZnf1O
それは有象無象を焼き払う神代の光。その初撃は激しい輝きをもってして天を貫いた。


彩「あっぶな!! このまま戦って勝てるの……?」


不死鳥はその未だ尽きぬ命をメラメラと燃やし超高速で回避していた。空を飛んでいたことが幸いし周辺や街に破壊はなかった。
しかし、すでに限界を超えて燃やし続けた彩の肉体は悲鳴をあげていた。

【限界不死鳥】を解除して地面に座り込む。

彩「これ以上は……」


──これ以上はどうしようもない。


彩に向けて【神槍】から光線が放たれた。
260 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/08(金) 01:20:54.09 ID:eu0uZnf1O
恐怖はあった。うららのように笑って逝くことなど到底無理だった。頬を伝う冷たい感覚。【限界不死鳥】で熱くなった表皮は涙を冷たく感じていた。

彩「そっか……」

年端もいかぬ少女にはそもそも負担が大きすぎたのだ。これまで押し込んだいろんな感情が渦巻き始めた。

寂しい。怖い。悲しい、でも楽しい時もあった。

まだまだ生きたかった。

迫り来る光がゆっくりに見えた。走馬灯は見えないが仏を見た気がした。いや、彩の目はそれを確実に捉えていた。


祐介「【我が借り物の仏〈サマーディ〉】」


和田の右腕を接合したことにより部分的にその異能を借り、擬似神足通を用いた太刀の三連撃。

神の咆哮が払い除けられた。その他の四肢とは違う色形をした右腕が少し膨張する。


彩「うわぁぁぁぁ!!」


ひとまず助かった安堵感から緊張の糸が切れて泣き出す彩。
しかし【神槍】は容赦なくこちらに矛先を向けている。

祐介「……まだ本調子じゃないが、仕方ない。【強欲な借り主〈レンタル〉】ッ!!」


指定安価は>>261->>262
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/08(金) 01:26:49.85 ID:wpoTgm9V0
【深淵(ダークネス)】
闇を操る能力。黒くモヤのようなものが闇であり、それにはどんな物理攻撃も効かず取り込まれたものは闇の世界(音も届かずに一寸の光もない暗闇に閉ざされた空間)に送られる
モヤの形を変えることもでき、武器にして使用できる。こちらもあらゆる攻撃も効かずに触れたものは闇に侵食される。完全にされたものは闇の世界に取り込まれる
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/08(金) 01:34:45.35 ID:Q9yU8cIb0
【黒渦の衝撃(ブラックホールインパクト)】
ブラックホールを発生させる能力。使用者の意思で能力や相手を吸い込むことができる。吸い込んだ後、戻すこともできるがこれも使用者の意思で戻す時に爆発のような衝撃を相手に与える。それを応用して遠距離系の技などの軌道を変えることもできる。ブラックホールは何個もつくることが可能。
263 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/08(金) 23:05:45.09 ID:79Jpvef6O
祐介「……ありがとな。【黒渦の衝撃〈ブラックホールインパクト〉】ッ!!」


【神槍】の光をすべて呑み込む暗黒。異能の特性として対象を指定できるそれは【神槍】およびそこから放出される光線のみを吸い込む。


祐介「【深淵(ダークネス〉】、永久の闇夜をその槍に。……悪いな。自分が果てたとも気づけない世界に送らせてもらう」


【黒渦の衝撃】の同時展開によって生み出した影と【深淵】が相まって容易く侵食していく。

唯一無二の神装は世界の裏側に引きずり込まれた。
264 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/08(金) 23:24:02.60 ID:79Jpvef6O
祐介「思った以上に呆気なかったな。いや、異能の相性が良かったからか?」

彩「うぅぅぅぁぁぁん!!」

祐介「よしよし、泣き止んでくれ。えっと……?」


彩は祐介の服の端をつまんで泣き続ける。


彩「ありがとう、お兄さん……」

祐介「梶原 祐介。まあお兄さんって呼んでくれてもいいけどな」


祐介は笑顔を作ったつもりだった。元から悪かった目つきだが、度重なる戦いに精神が摩耗しさらに鋭いものになっていた。


彩「え?! ふっ……あはははは! お兄さん天才だよー」

祐介「何かおかしいこと言ったか、俺。泣いたり笑ったり忙しいな」


それは違った。彩は泣きながら笑っていた。もちろんその涙は嬉し泣きによるものだ。
265 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/08(金) 23:43:09.28 ID:79Jpvef6O
彩は名乗った後にこれまでの事情を説明した。


彩「あっちにいろはさん達がいるはずだよ」

祐介「そうか。それなら、伝言を頼みたい」

彩「なんで?! いろはさんすごく会いたいって……!」

祐介「危険な目に合わせたくない。もちろん君もだ」

彩「平気だよ。もう何回も戦ってるんだ」

祐介「ちょうど同じ方向に俺の親友もいるはずだ。合流して待っててくれ。鳥になれるならすぐ行けるだろう?」

彩「違うの。私の異能は……」


【使用窃盗〈フシアナクグリ〉】はその戦闘の間、無断で異能を借りる能力。
【レンタル】は一時的に異能を借りる。どちらもほぼ同じ。

二人はこう思っていた。



自分はどこから異能を借りているのだろうか、と。
266 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/09(土) 00:08:17.84 ID:E9s/BZGxO
祐介と彩の会話はもはや水掛け論と化していた。ラチがあかないと踏んだ祐介が折れかかった時、それは訪れた。


和田「こんにちは」


表面上は笑顔のカタチをしているが、その実、内心に燃え上がるなにかを飼っていた。

祐介の表情に似ていると一瞬だけ感じたが、それが間違いであるとすぐに理解する。


彩「おじさん、何の用……?」

和田「見てください。腕がもうここまで再生していますねぇ。これはあと10分も費やせば元どおりになりそうです」


しかし問答の余地はなく、太刀を強く握りしめて祐介に切っ先を向ける。


祐介「こっちだって恨みはあるんだ。今のうちに念仏でも唱えとけ」

和田「いいでしょう。今度こそ引導を渡してあげますよッ!!」

祐介「【レンタル】」

彩「今はまずいって。強くなってるんだよ! ……ああもう! 【使用窃盗】!」


【レンタル】>>267
【使用窃盗】>>268
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 00:18:10.82 ID:ewhuUHNI0
【禁断の果実〈エデンノリンゴ〉】
この能力を他人に伝えることはできない。
この能力をなんらかの方法で知ってしまった者は全異能が封印される
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 00:21:45.01 ID:Ojw/DqHU0
【1発達人体験(イッパツタツジンタイケン)】

どんな武術・超能力・曲芸でも達人のごとくこなすことができる。その上、体験した内容は異能発動終了後も僅かに残り、自力で達人になる方法が理解できるようになる。

ただし1つの事に関して10秒しか持たない。他の事に手を出しすぎると、方法(メモリー)が欠落してすくなってしまう。

が、武術関連やスポーツ関連など関連付けて発動し直せば、達人になる方法(メモリー)が欠落しにくくなる
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 00:26:21.03 ID:ESi7GJc90
>>267つまり…どういうことだってばよ?
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 00:43:16.88 ID:Ojw/DqHU0
>>269
多分、【レンタル】や【使用窃盗】みたいな異能剥奪系に異能を使わせなくするトラップだと思う。

この場合、レンタルで知ってしまった祐介と読心術で知ってしまった和田は異能が封印されてしまう。

解除する方法はありそうだけど、祐介次第かなぁ。少なくとも【禁断の果実】を返すまではずっと2人の全異能が封印されてそうだし
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 00:49:14.65 ID:ESi7GJc90
>>270なるほどなぁ読心術を逆に利用して道連れにしたってことか。丁寧な解説サンクス。
272 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/09(土) 00:58:40.74 ID:E9s/BZGxO
祐介「なるほどな。ったく、神がいるなら礼を言いたいな。仏? そんなものは知らん」

彩「へえ、祐介さん当たりだったんだ? まあ私もなんだけどね」


【禁断の果実〈エデンノリンゴ〉】。所持者本人はその詳細を口にすることは出来ない。並みの相手なら無意味なものに他ならない。
しかし、他心通を持つ和田に対してだけは。特に【黒い交渉人】で強化された他心通を使う和田にのみで言うならば、最強の鎖となる。


この時点で和田は【六神通】を封じ込められた。祐介の右腕に残った微かな力すら消え去った。二人の持っていた太刀も消え去る。


和田「これは失敗しましたねぇ。僕の負けです。出来れば見逃していただきたいのですが」

祐介「何……?」


あっさりと負けを認める和田に戸惑う祐介。


彩「祐介さん! 何があったのかは知らないけど、頷くと異能が消えるんじゃないの?!」

祐介「あ、ああ。そうだ」


たった数秒の気の緩みの先にあるのは紛れもなく死だった。


祐介「俺なんかよりしっかりしてるんだな。頼りになる」

彩「どーも。それじゃ私も行くよっ!【一発達人体験】!」


現状で和田と祐介に異能で戦うすべはない。
蟷螂の構えから前進、容量一杯十秒間の乱撃をすべて和田は弾いた。


彩「嘘……!」

和田「まったく、浅く広くとは言えど多趣味で良かったと思いますよ」

273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 01:02:24.95 ID:/9hvYkRr0
無駄に和田に色々盛りすぎじゃないか?なろうの主人公じゃあるまいし
274 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/09(土) 02:33:36.23 ID:E9s/BZGxO
思い当たる武術をいくつか食らわせる。達人の域に達したそれらは、おおよそ正確に防御する和田へじわじわと鈍い痛みを与えていた。


和田「動きが読めないというのは辛いものですねぇ。転移もできません」

彩「それじゃあさっさと倒れて欲しいなッ!!」


和田の消耗が限界に達した。右腕は治癒しながらも変形し歪みきっている。全身からメキメキと悲鳴が上がっていた。


彩「秘門蟷螂……!」


最後にその命を刈り取ろうとした。和田はとうに立っていることすら出来ないはずの足で祐介の元へ走った。


彩「え……?!」

祐介「ッ!! 来るか……?」


和田の顔は未だ笑顔。しかしその眼には澄んだ悪意がある。
終わらせたのは、かつて自らの肘先についていた腕だった。祐介の右ストレートが和田の微笑みを終わらせた。

ぐちゃっとしたその感触はたとえ借り物の腕であろうと消えることがなく、一生忘れることもない。
275 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/09(土) 02:51:52.53 ID:E9s/BZGxO
【禁断の果実】が解除される。念のため和田の息を確認したが、確実に死亡していた。


祐介「さあ、伝言頼んだぞ」

彩「祐介さん……!」


いち早く強者の気配を感じた。


祐介「……誰だ!」



並みの異能所持者ではない。これまでにその異能で何人も殺してきたのか、死の匂いが染み付いていた。



きた人
名前
特徴>>276->>277から
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/09(土) 03:53:18.12 ID:sb1kDiZD0
名前:R−](アールクロス)
容姿:見た目では普通の人間だと思ってしまうほど精巧に作られたアンドロイドの女性(話す時は普通に話せる)。銀髪で肌が白い。メイド服を着てる。
異能とはまた別に相手の分析や自己修復機能、飛行など様々な機能がついている。
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 06:35:06.63 ID:sgss1Mnm0
観月 沙夜(みづき さや)
黒髪でオドオドした感じの女の子
いじめられっ子だったが、異能に目覚めたことで自分も人を傷つけることを楽しむようになってしまった
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