他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報VIP
更新
検索
全部
最新50
-Day After Day- 【im@as cg SS】
Check
Tweet
1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/05/14(月) 07:03:58.70 ID:EbPORQ6r0
-Day After Day-
――夢が、あったんです。
きっと届くと信じていました。
手を伸ばせば、つかめるはずだと思っていました。
――努力をしたんです。
お金をかき集めて、故郷を飛び出して。
実家よりもずっとボロボロのアパートに住んでいました。
家賃以外は不満しかない部屋だったけれど、それでよかったんです。
夢を叶えて、すぐに出ていくんだから。これでいいんだって。
――たくさん、努力をしたんです。
仕事とレッスンで毎日が充実していました。
楽しかった。デビューを約束し合った仲間もいたんですよ。
最高に輝いていると思ってました。精一杯に生きていると充実していました。
――たくさん、たくさん、努力をしたんです。
そうして、何年かが過ぎました。夢はまだつかめてなくて。
走っても走っても、届かない気がしました。初めて、夢が……遠いなって。
心が迷いました。それでもくじけなかったです。
いらないものを捨てました。欲しいものを諦めました。
前だけを見据えて、夢だけを真っ直ぐに見つめて、走り続けたんです。
――たくさん、たくさん、たくさん、努力をしたんです。
時間だけが過ぎていきました。必死に伸ばした指先は、なににも届かなくて。
一緒に頑張ろうと励まし合ってきた仲間は、いつの間にかいなくなっていて。
すぐに出ていくつもりだった部屋の空気が、気づいたら実家よりも身体に馴染んでたんです。
――人は、誰かになれる。
昔の言葉です。大好きな言葉だったんです。
初めて聞いた時は、心が踊ったのを覚えてます。
あの頃は、無限の可能性が私にはあるんだって、根拠もなく信じる純粋さがあったのに。
――ねえ、見てください。私の手。
洗剤で荒れた、冷たい指でしょう。最後にネイルサロンに行ったのが、もう何年前かも思い出せなくて。
身体に無理が効かなくなって、レッスンはやめました。それで浮いたお金で、ようやく貯金を始めたんです。
毎月、少しずつ残高が増えていきました。このまえ確認したら、故郷を飛び出して以来の、まとまった額になっていたんですよ。
嬉しかったなあ。日々の節制が大きく実った証でしたから。わくわくして、何をしようかと考えて、それで。それで……。
――アイドルになりたかったんだって、思い出しました。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1526249038
11.43 KB
Speed:0
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)