【艦これ】駆逐戦隊!ショキカンジャー!!改 その2

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

150 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/06/27(水) 16:24:15.25 ID:LfAj0wsk0
電「……ホッポちゃん」

電「電と友達になってくれて……ありがとうなのです」

電「次に……もしも会えるなら……」

電「……平和な世界だといいのです」
151 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/06/27(水) 16:24:42.25 ID:LfAj0wsk0
コウワン「ふんっ!」

五月雨「やぁっ!!」


ガキィンッ!!


コウワン「くっ……この……!」グググ

五月雨「……っ」グググ
152 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/06/27(水) 16:25:09.18 ID:LfAj0wsk0
コウワン「本当、しぶといわね……あなたたち……!」

五月雨「諦めきれないのが……ヒーローですから……!」

コウワン「……」

コウワン「……どうしてなのよ?」

コウワン「さっきまで満身創痍だったじゃない……」

コウワン「なのにどうして……これほどの力が出せるのよ!?」

五月雨「……」
153 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/06/27(水) 16:25:36.39 ID:LfAj0wsk0
五月雨「確かに、私たちの身体はボロボロでした……」

五月雨「こうして戦っているうちにも、限界が近づいているかもしれません」

コウワン「だったら何で……!」

五月雨「でも!」


ガキィンッ!!

五月雨はコウワンの腕を刀で払いのける!!


コウワン「!!」
154 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/06/27(水) 16:26:37.43 ID:LfAj0wsk0
五月雨「だからって、立ち止まるわけにはいかないんです!」

五月雨「私たちには、やらないといけないことがあるから……!」

五月雨「『強い思い』があるから、いくら身体がボロボロでも力が湧いてくるんです!!」

コウワン「っ!!ふざけたことを……!」

コウワン「どうせそのうちに限界が来る!『強い思い』なんて、意味がないのよ!」

五月雨「いいえ、絶対にあります!」

五月雨「今……私たちにあるこの力が、確かな証拠だから!!」

コウワン「っ……!」
155 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/06/27(水) 16:27:20.46 ID:LfAj0wsk0
五月雨「やらないといけないことが……守りたいものがあるから、だから!!」カチャッ


五月雨は刀にアンカーパーツを取り付けた!

コウワン「!!」

五月雨「そこを退いて下さい!!」


五月雨「私たちは吹雪ちゃんを……」

五月雨「絶対に、助けるんだ!!!!!」


五月雨「『キールスラッシュ!!!!』」


五月雨はコウワンに何度も高速で接近し、斬撃を浴びせていく!

ズババババババババババババババ!!!

ズガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!
156 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/06/27(水) 16:31:46.94 ID:LfAj0wsk0
五月雨「……」

叢雲「……何とか、全員倒せたみたいね……」

漣「はー、手こずらせやがって……」

電「み、皆さん身体は大丈夫なのです?」

漣「よゆー」

叢雲「私は大丈夫よ。五月雨は?」

五月雨「私も大丈夫。まだ戦えるよ」

五月雨「……早く行こう。吹雪ちゃんを助けないと」

電「そうですね……行きましょう!」
157 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/06/27(水) 16:32:12.21 ID:LfAj0wsk0
洞窟内


五月雨「……これは?」


洞窟の奥には、禍々しい光を放つ門があった


漣「何これ、ネザーゲート?」

叢雲「……まあ、ワープゲートみたいなものなのかしらね」

電「では、これがディープマリンのアジトに繋がってるのです?」

五月雨「そうだろうね……みんな、準備はいい?行くよ?」

漣「ヨッシャー!乗り込めー!!」
158 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/06/27(水) 16:34:05.16 ID:LfAj0wsk0
実はまだ9話は書き終わってないので、途中までの投稿となります…申し訳ありません
続きはでき次第更新します。
というか、一年以上やってるのにまだ終わってないとかスローペース過ぎない…?
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/27(水) 16:54:55.50 ID:4yFYSAdSO
4年やっても1スレ終わってないとこよりかは早い
160 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:25:05.69 ID:kNiVnV+e0
──────────

──────

───

吹雪「……」

吹雪「……う……」

クウボ「あら、気が付いた?」

吹雪「……クウボ……」

ジャラッ

吹雪「……!」

吹雪はセンカンと戦った部屋で、鎖で拘束されていた
161 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:25:39.89 ID:kNiVnV+e0
クウボ「今のあなたには何もできないでしょうけど……念のため、拘束させてもらったわ」

吹雪「何を……!」ガチャガチャ

クウボ「あなたはセンカン様にエネルギーを吸い取られたの。十分に戦うことはできないはずよ」

クウボ「それに、あなたの変身アイテムも取り上げさせてもらってるわ」

吹雪「……っ」

クウボ「それでも下手に暴れられたら困るし……だからこうして拘束させてもらってるわ」
162 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:26:09.97 ID:kNiVnV+e0
吹雪「……センカン……」

吹雪「そうだ……!センカンは……!?」

クウボ「ああ、センカン様?今、このアジトの外に向かっているわ」

吹雪「外に……?」

クウボ「あなたから吸い取ったエネルギーから、センカン様は素晴らしい力を手に入れなさったわ」

クウボ「私たちの目的のために、その力を振るおうとしていらっしゃるのよ」

吹雪「目的……外で……」

吹雪「……まさか!」

クウボ「ええ……」ニヤリ


クウボ「滅ぼしに行っているのよ。あなたたちの鎮守府をね」
163 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:26:46.57 ID:kNiVnV+e0
クウボ「あなたたちショキカンジャーがいなければ、鎮守府はセンカン様を止める術はないからねぇ……」

吹雪「……っ!ふざけないで!そんなことさせない!!」ガチャガチャ

クウボ「あら、でも今のあなたに何ができるっていうの?」

クウボ「仲間もいない、変身もできない、戦うための力も足りない……」

クウボ「仮にセンカン様を止めに行ったとしても、すぐにやられるでしょうね」

吹雪「……っ!」

クウボ「わかった?あなたの今の状況」

クウボ「今のあなたは……何の役にも立たないのよ」

吹雪「……」
164 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:27:31.15 ID:kNiVnV+e0
クウボ「でも、そんな役立たずなあなたにチャンスをあげる」

吹雪「……?」

クウボ「私たちディープマリンは、あなたたちのせいで結構な痛手を負ったわ」

クウボ「特に戦闘員……かなりの数がやられたわね」

クウボ「彼らはリトウに作られた存在だけど……作り直すにも時間がかかる」

クウボ「……その間、『誰か』が穴埋めをしないといけないと思わない?」

吹雪「……!まさか……!」

クウボ「ええ、そのまさかよ」

クウボは、敵艦載機の形をした石を取り出した
165 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:27:59.20 ID:kNiVnV+e0
吹雪「それで私を操る気ですか……!」

クウボ「そう。この能力についてはあなたもよくわかっているでしょう?」

クウボ「いくら今のあなたが役立たずでも……この能力であなたを操れば、きっと十分に役立ってくれるわ」

吹雪「くっ……」ガチャガチャ

クウボ「大丈夫よ。穴埋めとは言ったけど、十分な成果を上げればそのまま生きていられるはずよ」

クウボ「優秀な、ディープマリンの一員としてね」

吹雪「ふざけないで!誰がそんな……!」ガチャガチャ

吹雪「そんな……」

吹雪「……」
166 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:28:29.55 ID:kNiVnV+e0
クウボ「……あなただってわかってるはずよ。この状況、抵抗しても無駄でしょう?」

クウボ「装備は奪われ、抵抗する力もなく、助けに来る仲間もいない……」

クウボ「仮に拘束を抜けられたとしても、このアジトから脱出することも難しい……」

クウボ「……仮に全てがうまくいって、外に出られたとしても……」

クウボ「その目に映るのは、センカン様が滅ぼした鎮守府だけ」

クウボ「何も守れなかったという絶望感を得るだけよ」

吹雪「……」
167 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:28:57.45 ID:kNiVnV+e0
クウボ「そうでしょう?抵抗しても、より深く絶望するだけ」

クウボ「だからもう……大人しく私に操られなさいよ」

クウボ「私の操り人形として……ディープマリンとして、これから戦い続けるのよ」

吹雪「……」

クウボ「あら、大人しくなったわね。承諾ってことかしら?」

クウボ「じゃあ……」スッ

吹雪「……!」
168 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:29:33.01 ID:kNiVnV+e0



ズガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!


吹雪「!?」」

クウボ「な、何!?」

突如、部屋の壁の一部が崩れ落ちた!
169 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:30:05.93 ID:kNiVnV+e0
クウボ「!!あいつら……!?」


叢雲「ここ!?吹雪のいる部屋は!」

漣「ここかって聞いてんだよ!おら答えろ!!」ビシバシ

イー「イー……こ、ここのはずですイー……」ボロッ

電「!!ふ、吹雪さんがいたのです!」

五月雨「吹雪ちゃん!大丈夫!?」ダダッ


吹雪「み……みんな……?」
170 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:30:37.54 ID:kNiVnV+e0
クウボ「くっ……コウワンたちはしくじったのね」

叢雲「ええ、あとはあんたとセンカンだけよ」

漣「吹雪ちゃんを連れ去った罪は重いぜ!」

クウボ「っ……」


シュンッ


叢雲「!消えた……」

漣「瞬間移動した……?でも、この部屋の中じゃなさそう」

叢雲「……何かわからないけど、とりあえず今は吹雪ね」
171 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:31:11.19 ID:kNiVnV+e0
電「吹雪さん、無事なのです?」

吹雪「みんな……どうして……?」

五月雨「どうしてって……何が?」

吹雪「だってみんな……センカンたちにやられちゃったって……」

叢雲「はぁ?何言ってんのよあんた」

吹雪「ほら、そこにみんなの壊されたショキブレスが……」

電「……ただの偽物なのです」

漣「漣たちが簡単にやられると思われているとは、心外ですな」

吹雪「……」

吹雪「……よかったぁ……」ポロポロ

叢雲「泣いた!?」
172 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:31:37.59 ID:kNiVnV+e0
五月雨「な、泣くことないと思うよ!?」

吹雪「だってぇ……みんなともう会えないと思って……」

吹雪「安心したよ……よかったよぉ……」

叢雲「全く、吹雪は……勝手に騙されて、勝手に安心して泣いてるんだから……」

漣「愉快な人だ」

電「こっちも心配したのです!吹雪さんが無事でよかったのです!」

五月雨「そうだね……よし、拘束も外れた。これで大丈夫だよ」ガチャッ
173 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:32:08.46 ID:kNiVnV+e0
電「吹雪さん、ショキブレスはどうしたのです?」

吹雪「取り上げられちゃって……多分その辺に……」

五月雨「……あった!これだね」スッ

漣「ヨッシャー!これでまた五人で戦えるゾイ!」

吹雪「……」

叢雲「……吹雪?どうかしたの?」

吹雪「……実は」
174 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:32:40.23 ID:kNiVnV+e0
叢雲「はぁ!?戦えない!?」

電「センカンさんに、戦隊パワーを奪われてしまって……」

五月雨「そしてセンカンさんは、鎮守府を攻撃しに行っていると……」

漣「どういうことだってばよ……」

吹雪「全然戦えないわけじゃないけど……でも、私の戦隊パワーは確実に弱まってる」

吹雪「いくら精神に呼応して大きくなるって言っても、ほぼ0の状態から元に戻すのは難しいと思う……」

吹雪「今まで通りにはいかないよ……」
175 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:33:23.83 ID:kNiVnV+e0
電「でも、吹雪さん抜きで戦うなんて……」

叢雲「そうよ。あんたはショキカンジャーのリーダーなのよ?」

漣「ラスボス戦でリーダーが抜けるのはいただけないよー」

吹雪「……みんななら、大丈夫だよ」

吹雪「私がいなくても、四人で幹部たちを倒して……」

吹雪「ディープマリンのアジトに突入して、私を助けてくれた……」

吹雪「……私も、変身すれば戦闘員ぐらいは倒せるかもしれないけど、センカンには到底かなわない……」

吹雪「今の私が一緒に戦っても、足手まといになるだけだよ」

吹雪「……みんななら、四人だけでもやってくれるって、私信じてるから」

四人「……」
176 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:33:49.40 ID:kNiVnV+e0
五月雨「……嫌だ!」

吹雪「!?」

五月雨「吹雪ちゃん抜きで戦うなんて……絶対に嫌!」

吹雪「五月雨ちゃん……?」

叢雲「あんたねぇ……そんなんで私たちが納得すると思う?」

漣「さっきまで漣たちがやられてたと思ってたのに、信じてるとか言われてもねぇ……」

吹雪「で、でも……」

電「……電も、吹雪さんが一緒じゃないと嫌なのです……」

吹雪「……」
177 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:34:24.16 ID:kNiVnV+e0
五月雨「……吹雪ちゃん、覚えてる?」

五月雨「まだ私たちが鎮守府に着任して間もない頃に話したこと」

吹雪「……?」

五月雨「……吹雪ちゃんは、どうして戦うの?」

吹雪「どうしてって……」

吹雪「……!」
178 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:35:04.16 ID:kNiVnV+e0
──────────

──────

───

吹雪『みんな、今日もお疲れ様ー』

電『お疲れ様なのです』

漣『かーっ!疲れた体に染みるぜ!』プハーッ

叢雲『……何飲んでるの?』

漣『ん?ねるねるねるね』

五月雨『何で!?どうやって!?』
179 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:35:33.57 ID:kNiVnV+e0
叢雲『でも……こうも毎日出撃してると疲れるわね』

五月雨『まだこの鎮守府には私たちしかいないからね』

漣『ご主人様も人使いが荒いよー』

電『仕方ないことですが……やっぱり大変なのです』

吹雪『そうだね……』

吹雪『でも、私たちしかいないんだから、私たちが頑張らないといけないよ』
180 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:36:00.06 ID:kNiVnV+e0
雲『あら、ずいぶん気合入ってるのね。さすが旗艦』

吹雪『ちゃ、茶化さないでよ……』

漣『よっ、日本一!』

吹雪『……何が?』

電『でも、吹雪さんの言う通りなのです。電たちが頑張らないと……』

五月雨『……』
181 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:36:28.31 ID:kNiVnV+e0
五月雨『ねえ、吹雪ちゃんはどうして戦うの?』

吹雪『え?どうしてって……』

漣『え、何?哲学の時間?』

叢雲『哲学者五月雨?』

電『意外なのです』

五月雨『ち、違うよ!』

五月雨『ただ、何となく気になって……』

吹雪『うーん、戦う理由か……』
182 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:37:07.67 ID:kNiVnV+e0
吹雪『……そうだね、それはきっと……』

吹雪『守りたいものが、あるからかな』

五月雨『守りたいもの?』

吹雪『うん。海を守りたいのはもちろんだけど……』

吹雪『まだ着任してちょっとしか経ってないけど、この鎮守府も……』

吹雪『司令官や、みんなも大切に思ってて……』

吹雪『それを守りたいから、戦ってる……かな』

五月雨『……そっか』
183 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:37:34.28 ID:kNiVnV+e0
漣『……普通だな!』

吹雪『い、いいでしょ別に!普通で!』

叢雲『でも普通じゃない』

電『普通なのです』

吹雪『ええ!?』

五月雨『普通だね』

吹雪『五月雨ちゃんまで!?』
184 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:38:12.94 ID:kNiVnV+e0
吹雪『うう……質問に答えただけなのに……』

五月雨『あはは、ごめんね吹雪ちゃん』

五月雨『……でも、よくわかったよ。吹雪ちゃんが戦う理由』

吹雪『……じゃあ、みんなはどうして戦うの?』

叢雲『え?えーっと……』

漣『せ、世界征服のため?』

電『……漣さんは、深海棲艦のスパイなのです?』

漣『じょ、冗談です……はい』
185 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:39:06.29 ID:kNiVnV+e0
五月雨『……普通って言ってたってことはね』

五月雨『大体みんな、同じようなこと考えてたってことじゃないかな』

吹雪『え、そうなの?』

叢雲『……まあ、そうね。あんたほどはっきりとは言えないけど、大体そんな感じじゃないかしら』

電『そうですね……電も、同じように答えたと思うのです』

漣『いや、漣は違うぞ!艦娘メイド化計画のために……』

叢雲『うるさい』バシッ

漣『あふんっ!』
186 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:39:38.40 ID:kNiVnV+e0
吹雪『五月雨ちゃんも……?』

五月雨『……実は、自分の中で戦う理由がわかってなかったんだけど』

五月雨『吹雪ちゃんの答えを聞いて、納得しちゃった』

五月雨『だったら、私も……同じ理由かもしれないね』

吹雪『……そっか』

吹雪『じゃあ、これからも五人一緒に頑張っていこうよ』

吹雪『同じ理由で戦ってるんだから!』
187 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:40:45.89 ID:kNiVnV+e0
吹雪『五月雨ちゃんも……?』

五月雨『……実は、自分の中で戦う理由がわかってなかったんだけど』

五月雨『吹雪ちゃんの答えを聞いて、納得しちゃった』

五月雨『だったら、私も……同じ理由かもしれないね』

吹雪『……そっか』

吹雪『じゃあ、これからも五人一緒に頑張っていこうよ』

吹雪『同じ理由で戦ってるんだから!』
188 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:41:17.61 ID:kNiVnV+e0
──────────

──────

───


吹雪「……」

吹雪「……守りたいものが、あるから」

五月雨「……そうだよね」

五月雨「その気持ちは、私も……みんなも、変わってないはずだよ」

吹雪「……」
189 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:41:45.89 ID:kNiVnV+e0
五月雨「私たちは、ずっと守りたいもののために戦ってきた」

五月雨「きっと、前に言った『強さ』はそこから来てるんだと思う」

五月雨「『大切なものを守りたい』っていう思いが、私たちを強くしてくれたんだよ」

五月雨「そして……きっと、この五人でやって来たから、そう思えたんだよ」

吹雪「……」

電「……守りたいもののために一緒に戦うって、言ったじゃないですか」

漣「そうだよ。五人一緒でって言ったじゃん」

叢雲「五人そろってショキカンジャー、でしょ?」

吹雪「みんな……」
190 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:42:16.98 ID:kNiVnV+e0
五月雨「……吹雪ちゃんの中に、まだその思いがあるなら……きっと大丈夫」

五月雨「……一緒に戦おうよ」

五月雨「一緒に……守りたいものを守ろう」

吹雪「……」

吹雪「私は……」



「おっと、お喋りはそこまでよ」

五人「!!」
191 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:42:42.93 ID:kNiVnV+e0
吹雪「クウボ……!」

叢雲「戻ってきたのね……てっきり逃げたかと思ったわ」

クウボ「さすがに一人で相手するのは骨が折れるからね……」

クウボ「アジト内の戦闘員をかき集めてきたのよ」パチンッ


「イー!!」ワラワラ


漣「うわ、いっぱい入ってきた!」

電「部屋の外にまだいるみたいなのです……」

吹雪「……」
192 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:43:11.98 ID:kNiVnV+e0
クウボ「まあ、倒せなくても足止めができればいいわけだしね」

クウボ「あなたたちが戦闘員に手間取っている間に、センカン様が全て終わらせてくれるわ」

叢雲「……ふん。戦闘員ごときに手間取る私たちじゃないわ」

クウボ「あら、でもあなたたち……連戦でかなり疲れてるんじゃない?」

クウボ「それに……力が弱まっている子が一人いるでしょう?」

クウボ「そもそも戦えるのかしら?いえ……」

クウボ「戦う気が、あるのかしら?」

吹雪「……」
193 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:43:38.68 ID:kNiVnV+e0
吹雪「……みんな、ごめん」

四人「……」

クウボ「オーッホッホ!そうよね、いくら仲間がいても、今のあなたじゃ……」

吹雪「そうじゃない!」

クウボ「!?」

吹雪「ごめん……私が間違ってた」

吹雪「一緒に戦ってきたから……五人一緒だったから、ここまで来れたんだよね」

吹雪「……大切なこと、忘れかけてたよ」


吹雪「……一緒に戦おう、みんな!」
194 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:44:06.05 ID:kNiVnV+e0
叢雲「全く……世話の焼けるリーダーね」

吹雪「ご、ごめん……」

電「でも、吹雪さんならそう言ってくれるって思ってたのです」

漣「説得フェイズに時間取った分、キッチリ仕事してよね!」

五月雨「……吹雪ちゃん、これ」スッ


五月雨は吹雪のショキブレスを差し出した


吹雪「……ありがとう、五月雨ちゃん」

五月雨「……お礼を言われるようなことはしてないよ」

五月雨「それより、ここからが勝負だよ!一緒に頑張ろう!」

吹雪「……うん!」
195 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:44:34.66 ID:kNiVnV+e0
吹雪「抜錨!!」

カチッ

シュィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン…………………………………………

吹雪の体に、スーツが装着されていく!


バァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!
196 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:45:16.06 ID:kNiVnV+e0
デデッデデー デデッデデーン

吹雪「吹雪レッド!」

叢雲「叢雲ブラック!」

漣「漣ピンク!」

電「電イエロー!」

五月雨「五月雨ブルー!」


吹雪「五人そろって!!!」

五人「駆逐戦隊!ショキカンジャー!!」

バァァァァァァァァァァァァァァン!!!
197 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:45:42.90 ID:kNiVnV+e0
クウボ「くっ……まあいいわ」

クウボ「どうせ大した力も出せないんだもの!行きなさい、あなたたち!」

イーたち「イー!!」ワラワラ

吹雪「行くよ、みんな!!」チャキッ

四人「オー!!」
198 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:46:09.49 ID:kNiVnV+e0
吹雪「はぁっ!!」ズバッ!

イーA「イーッ!?」ドサッ

吹雪「まだまだ!」ズバズバッ!

イーB「ぐはっ!?」

イーC「ぐえっ!?」

ドサドサッ
199 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:46:44.12 ID:kNiVnV+e0
イーD「あ、あいつは今力が出せないはずだイー!なのに何であんなにやられちまってるイー!?」

イーE「こうなったら一斉攻撃だイー!!」

イーたち「イー!!」ワラワラ


イーたちは吹雪を取り囲み、一斉に襲い掛かった!


吹雪「はああああああああああっ!!」


吹雪は激しく炎を放出し、襲い掛かってきたイーたちを燃え上がらせた!

ボォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!


イーたち「イーーーーーッ!!!」

ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!
200 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:47:27.85 ID:kNiVnV+e0
叢雲「その調子なら大丈夫そうね、吹雪……ふんっ!!」ドガッ

吹雪「まあね……はあっ!」ズバッ

クウボ「……っ」

クウボ(どういうこと……!?ショキカンレッド、あんなに力が出せるなんて……!)

クウボ(予想以上に速く戦闘員が倒されていってる……!これじゃまずいわ……)

クウボ(やはり、ここは……)
201 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:47:53.55 ID:kNiVnV+e0
電「えーい!!」ブォンッ


ドゴォォォォォォォォォォォォ!!!

イーたち「イーーーーーーッ!!!」


電「さあ次は……」


シュンッ


吹雪「!!電ちゃん、後ろ!!」

電「!!」

ドガッ!!
202 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:48:31.87 ID:kNiVnV+e0
電「っ!!」ヨロッ

クウボ「……少しよけられたか……あまりダメージはなさそうね」

電(瞬間移動して、電の後ろから……)

電「……えいっ!!」ブォンッ

クウボ「おっと」シュンッ

電「……!」スカッ
203 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:48:57.47 ID:kNiVnV+e0
電「皆さん、気を付けるのです!クウボさんが、瞬間移動して攻撃を……!」

吹雪「みんな、背後を警戒して!いつ攻撃してくるかわからない!」

漣「気を付けてって言っても……」

シュンッ

叢雲「っ!漣!」

漣「っ!」シュバッ

クウボ「あら、避けられちゃった」
204 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:49:47.41 ID:kNiVnV+e0
漣「この……!」バシュッ!

クウボ「っ!」シュンッ

漣「あーもう!これさっきも見たよ!この戦い方!」

叢雲「ディープマリンってこんなんばっかね……」


イーたち「イー!!」ワラワラ


五月雨「みんな、まだ戦闘員もいる!クウボさんにばっかり気を取られないで!」

電「そうは言っても……少しでも油断したらやられるのです!」
205 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:50:21.43 ID:kNiVnV+e0
叢雲「戦闘員を先に倒せればなんとかなるわ!さっさと倒して……」

シュンッ

叢雲「!!そこだっ!!」ブォンッ

ドガッ!!

クウボ「!!」

クウボ「……やるわね」シュンッ

叢雲「……浅かったか」

吹雪「……」
206 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:51:32.02 ID:kNiVnV+e0
吹雪(どうする?戦闘員はまだ大量にいる……先に倒してしまうのは難しい)

吹雪(どうにかして、クウボを倒すか……動きを封じるかしないといけない)

吹雪(クウボは瞬間移動して攻撃してくる。叢雲ちゃんくらい瞬発力があれば攻撃はできるけど……)

吹雪(パワーがないと決定打になりにくいし、すぐに対応できるようなスピードも必要……)

吹雪(……これしかない)
207 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:51:58.66 ID:kNiVnV+e0
吹雪「みんな!少しの間、戦闘員を引き付けておいて!」

五月雨「吹雪ちゃん!?」

吹雪「クウボは私が何とかする!その間、戦闘員を……!」

叢雲「何する気よ、吹雪!?」

漣「……アレ使う気?」

吹雪「うん……」

電「で、でも大丈夫なのです!?」

吹雪「うまくいくかはわからないけど……それでも!」

五月雨「……わかった!任せておいて!」
208 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:53:03.89 ID:kNiVnV+e0
吹雪「……」スッ


吹雪は、改装設計図を取り出した


吹雪(……きっと大丈夫。さっきまでの私とは違う)

吹雪(さっきまでの、『みんなを守れなかった思い』があった私じゃない)

吹雪(怒りや憎しみに任せて戦ってた私じゃない……)

吹雪(今の私なら、きっと…さっきよりもずっと強い力が出せる)


吹雪(私はこの力で……みんなを守るんだ!!)
209 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:53:29.23 ID:kNiVnV+e0
吹雪はショキブレスの横の溝に、改装設計図をスラッシュした!


吹雪「第二改装!!」

シュィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン……………………

吹雪のスーツが変化し、より強化されていく!


バァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!

吹雪「吹雪レッド、改二!!」
210 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:53:57.38 ID:kNiVnV+e0
吹雪「そして……!」カチャッ


吹雪は、アンカーパーツを剣に取り付けた!


ボォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!

アンカーパーツを取り付けた途端、吹雪の周りに炎が吹き上がる!


叢雲「あれは……!」

漣「キタコレ!能力使えるようになってるじゃん!」

電「これならきっと、大丈夫なのです!」

五月雨「吹雪ちゃん……任せたよ!」
211 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:54:23.35 ID:kNiVnV+e0
クウボ(またアレ……!?姿が変わって、炎が噴き出した……!)

クウボ(……あの状態のあの子には近づかない方がいいわね……)

クウボ(あの状態、強力だけど短時間で息切れするのはわかってる)

クウボ(ショキカンレッドは放っておいて、こうやって隠れつつ離れた子たちを攻撃すれば……)


五月雨「やぁーっ!!」ズバッ


クウボ(……ショキカンブルー、レッドから一番離れていて、攻撃に集中している……)

クウボ(狙い目、ね)
212 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:55:00.36 ID:kNiVnV+e0
五月雨「たぁーっ!!」ブンッ

クウボ(よし、今!!)


シュンッ

クウボは、戦闘員への攻撃に集中している五月雨の背後に瞬間移動した!


クウボ(隙だらけな背中ね……!一撃で仕留めてあげるわ!)
213 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:55:35.21 ID:kNiVnV+e0
ボォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!


クウボ(……?何、この熱気……?)


吹雪「はああああああああああああああああああああ!!!!」

ボォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!


吹雪は既にクウボに接近し、剣を振り下ろし始めていた!


クウボ「なっ!?」
214 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:56:01.13 ID:kNiVnV+e0
クウボ(あそこから瞬時に反応して、ここまで来て攻撃を!?)

クウボ(あり得ない……あり得ないわ!)


吹雪(……この人が、そう何度も隙を見せるとは思えない)

吹雪(私の子の力も、長くはもたない……)

吹雪(だったら……!)

吹雪「この一撃で……終わらせる!!」

クウボ「う、うわああああああああああああああ!!!!」




吹雪「『ブリッジバスター』!!!!!」


吹雪は炎を纏わせた剣を、思い切り振り下ろす!

ボォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!

ズガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!
215 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:56:35.67 ID:kNiVnV+e0
パラ……パラ……


吹雪「はあ……はあ……」

五月雨「吹雪ちゃん!大丈夫!?」

吹雪「私は大丈夫……それより、五月雨ちゃん巻き込まれなかった?」

五月雨「うん……何とか」

五月雨(びっくりしてころんじゃった事は黙っておこう……)

叢雲「……戦闘員、これで全部?」

電「そうみたいなのです」

漣「よーし、こっちも終わったよー!」
216 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:57:13.51 ID:kNiVnV+e0
吹雪「……残るは、センカンだけか……」

叢雲「急ぎましょう。鎮守府が襲われてるんでしょ?」

電「そうだったのです!急いでここから出ないと……!」

五月雨「みんな、連戦続きだけど……大丈夫?」

漣「まーなんとか。結構危ないけど、ここでやらないわけにはいかないっしょ」

吹雪「……そうだね」
217 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:57:39.94 ID:kNiVnV+e0
吹雪「……みんな」

四人「?」

吹雪「……ありがとう。助けに来てくれて」

四人「……」

叢雲「……別に、お礼を言われるようなことじゃないったら」

電「吹雪さんが無事で何より、なのです」

漣「やりたいようにやっただけだかんね!勘違いしないでよね!」

五月雨「……何が?」

吹雪「……ふふっ」


吹雪「よし、行こうみんな!」

四人「オー!!」


第九話「守りたいもの」 艦
218 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:58:09.92 ID:kNiVnV+e0
次回予告!

吹雪「いよいよ最終回!長かった戦いもこれで終わる!」

叢雲「結局勝つの?負けるの?」

電「それを言ったらダメなのです……」

五月雨「と、とにかく!みんな、頑張ろう!」

漣「ラスボスに勝ってもブラックは死ぬかもしれないけどね」

叢雲「え!?」

吹雪「こらぁ!漣ちゃん!」


次回、最終話「私たちは、ヒーローだ!」
最後までどうぞ、よろしくお願いします!
219 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/08/20(月) 00:59:30.97 ID:kNiVnV+e0
今日はここまで。次で終わりです。また分けることになるかもしれませんが……
出来れば9月中に終われるといいなぁ……
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/20(月) 01:12:07.94 ID:Vn7Yy3Qg0
おつ、待ってた
しかし>>218の漣の台詞はジェットマンを思い起こさせますな
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/20(月) 03:07:58.41 ID:FcDdGnIA0

>>193>>208辺りから挿入歌でも流れそうな
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/20(月) 14:49:17.57 ID:hr1PRtfN0
おつ
いくらでも待てますよ
223 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/10/16(火) 02:12:52.73 ID:p/DLaTF20
ss速報復活した!よかった……
でもやる気なくして結局書いてないので、しばしお待ちを……申し訳ありません
224 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:06:20.81 ID:T7paMVJ60
最終話「私たちは、ヒーローだ!」


鎮守府 執務室


提督「……」カリカリ

提督「……」


ズドォォォォォォォォォォン……


提督「!?」
225 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:07:31.59 ID:T7paMVJ60
提督「何だ今の音は……?地響き……?」

提督「前に聞いたのとは違う感じがしたが……」


ズドォォォォォォォォォォン……


提督「っ!またか……一体何なんだ?」


バンッ!

大淀「し、失礼します提督!」
226 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:08:37.97 ID:T7paMVJ60
提督「大淀?どうしたそんなに慌てて」

提督「ノックもせずに……お前らしくもない」

大淀「緊急事態です!外をご覧ください!」

提督「外……?」スッ

提督「……!!」


「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

鎮守府の外に、戦艦棲姫の艤装に似た巨大な生物が立っている!!
227 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:09:38.22 ID:T7paMVJ60
提督「何だあれは!?戦艦棲姫の艤装に似ているが……」

大淀「わかりません……先刻急に現れたようです」

大淀「それに…少しずつですが、こちらに向かってきています」

提督(あれは……あいつらが言うところの『例の採石場』がある方角だな……)

提督「とにかく放ってはおけないな……」

大淀「提督、ご指示を!」

提督「……明石を呼んでくれ」
228 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:10:08.98 ID:T7paMVJ60
明石「失礼します提督!」バンッ

提督「来たか明石。あれが何かわかるか?」

明石「さあ……詳しいことは何も」

明石「ただ、先日と同じように……ディープマリンの仕業だとは思われます」

提督「やはりか……だったらやることは一つだ」

提督「ショキカンジャーに迎撃させてくれ。例の巨大戦力を使用するんだ」

明石「……あー、提督、それが……」
229 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:11:08.29 ID:T7paMVJ60
提督「連絡が付かない!?」

明石「はい……本日、預かっていた装備を彼女たちに返したんですけど……」

明石「その後、彼女たちに連絡を取ろうとしても一切繋がりません」

明石「電波が通じない場所にいる可能性が高いですね……」

提督「……そうか」

大淀「提督、どうなさいますか?戦艦や空母なら迎撃できる可能性がまだあります」

提督「……いや、艤装での攻撃が焼け石に水なのはわかっていることだ……」

提督「全員避難しろ!艤装を付けて海上へ出るよう指示を出してくれ!」
230 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:11:40.21 ID:T7paMVJ60
工廠裏


『緊急、緊急!総員、速やかに海上へと避難せよ!!』


「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

ズシーン……ズシーン……

巨大生物は、少しずつ鎮守府の方へと歩みを進めている


「……」

ザッ



夕張「どこ行くのよ、大井」

大井「っ!」ピタッ
231 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:12:06.35 ID:T7paMVJ60
夕張「さっき目覚めたばかりでしょ?病み上がりのあなたが何しようっていうのよ」

大井「……止めても無駄よ」

大井「……あの子たちは今いないんでしょ?」

大井「だったら戦えるのは私だけ……私一人でも戦わないといけないのよ」

夕張「ふーん……丸腰で?」

大井「……」

夕張「これが必要なんじゃないの?」ポイッ

大井「!」パシッ

大井「……ショキフォン……」
232 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:12:38.42 ID:T7paMVJ60
夕張「止める気なんてないわ。あなたの好きなようにしなさいよ」

大井「……」

夕張「ただ、無理はしないこと。もうぶっ倒れた大井の面倒見るの嫌なんだからね?」

大井「……悪かったわね」

夕張「そ、れ、と!」カチッ

大井「?何よ、そのボタン」

夕張「あれ、明らかに巨大ロボで戦うタイプの敵でしょ?等身大で戦うなんて無理があるじゃない」


ゴォォォォォォォォォォ……

大井「……!?」

ショキカンオーに似た白い巨大なロボットが海から飛んできた!
233 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:13:08.69 ID:T7paMVJ60
夕張「戦うならやっぱり……」


ズシィィィィィィィン……


夕張「二号ロボくらい用意しないとね?」

大井「……ふん」ニヤリ

大井「お礼は言わないわよ、夕張」

夕張「必要ないわ。その代わり、後で感想聞かせてね」
234 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:14:20.06 ID:T7paMVJ60
執務室


大淀「提督、艦娘の大方の避難、完了いたしました」

大淀「現在遠征中の艦隊にも、帰還せず指示を待つよう通信を行いました」

提督「よし……こっちも別の鎮守府に避難先になってくれるよう要請はした。遠征艦隊にも知らせて、そこへ避難するんだ」

提督「大淀、お前も早く艤装を付けて海上へ出ろ」

大淀「それよりも提督、あなたも避難を……」


「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

ズドォォォォォォォォォォン!!


提督「!?」

大淀「ま、また近づいて来ている音でしょうか?」

提督「いや、違う……何かがぶつかったような……」スッ

提督「……!」
235 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:14:55.46 ID:T7paMVJ60
「グオオオオ……オオ……」

グググ……

大井の乗っている巨大ロボットが、巨大生物と組み合っている!


大井「ここから先へは……行かせないわ……!!」

グググ……

「グ……グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

ドゴォォォォォォォォォォォォォッ!!


大井「!!!」グラッ
236 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:15:24.41 ID:T7paMVJ60
提督「あれは……?前に見たロボットとは違うようだが……」

明石「二号ロボットですよ」

提督「明石?まだ避難してなかったのかお前!」

明石「申し訳ないですけど、今逃げるわけにはいかなくなったんですよ」

明石「夕張ちゃんと一緒に、オペレーター兼メカニックとして色々やらないといけないので」

提督「……」
237 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:15:57.31 ID:T7paMVJ60
提督「……それで、あれは何だって?二号ロボ?」

明石「ええ。大井さん専用の二号ロボ。その名もショキカンジンです」

提督「大井?あいつ目を覚ましたのか」

明石「ついさっきみたいです。それであの生物に気が付いて向かっていったようで……病み上がりなのが心配ですが」

提督「……大井には悪いが、ここはあいつを頼るしかないか……」
238 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:16:22.87 ID:T7paMVJ60
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

ドゴォォォォォォォォォォォォォッ!!

大井「っ!このっ!!」

ドガッ!!

「グオオオオオオオオオオオ!!」

大井「……っ」
239 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:17:03.44 ID:T7paMVJ60
大淀「……大丈夫でしょうか、大井さん」

提督「……少し押されているように見えるな」

提督「明石。ショキカンジンの性能はどのくらいなんだ?」

明石「性能としてはショキカンオーより少し劣りますね。元々ショキカンオーのサポート用として作ったものですから……」

明石「それに、完成したのもつい先日です。細かい調整はできていないですし、大井さんの体調の面も考えると……」

提督「不利ってことか……」

明石「はい。それに、敵も以前戦ったものよりかなりタフみたいですね……」

提督(……今からでも退却させるか?)

提督(いや、向かい合った状態でそれはむしろ危険か……)

提督(それに、あいつらがまだ……)


ピピピピッ

三人「!!」
240 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:17:32.47 ID:T7paMVJ60
例の採石場


「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

大井「はぁ……はぁ……」

大井(手強いわね……全然倒れる気配がない)

大井(攻撃が全く効いていないわけじゃないとは思うけど……それでも、すぐに倒せるようには思えないわ……)


「…………フフフ」

大井「!!」
241 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:18:05.03 ID:T7paMVJ60
センカン「なかなか頑張ってるようだけど……その程度じゃこの子は倒せないわよ?」スッ

巨大生物の頭上にセンカンが現れた


大井「……あなたがセンカンね」

センカン「ええ。こうして会うのは初めてね、ショキカンホワイト」

大井「随分大袈裟なことしてくれたわね。こんなものまで出して」

センカン「フフフ……いいでしょう?この力。思った以上に暴れられて、いい気分だわ」

大井「……」

センカン「それで、どうする気?まだやる?」

大井「……当然よ!!」

ドゴォォォォッ!!
242 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:18:41.20 ID:T7paMVJ60
センカン「あらあら……私、そんなに暇じゃないんだけど……」

センカン「……まあ、もう少しだけ付き合ってあげるわ」

「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

ドゴォォォォォォォォォォォォォッ!!

大井「ぐっ……!!」グラグラ

巨大生物の拳を受けて、ショキカンジンはよろめく!
243 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:19:10.54 ID:T7paMVJ60
大井「このっ!!」グイッ

ブォンッ!!

センカン「甘いわ!!」

ガッ!

大井「!!」

ショキカンジンは拳を振り下ろすが、巨大生物はそのまま受け止める!

大井「……っ」グググ

センカン「はぁっ!!」

グイッ

大井「!!」

ショキカンジンはそのまま投げ飛ばされてしまった!!

ズドォォォォォォォォォォン!!!
244 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:19:43.38 ID:T7paMVJ60
大井「……痛いわね」

センカン「もうわかってるでしょう?あなたと私では力の差がありすぎる」

センカン「このまま戦っても、私に勝てっこないわ」

大井「……まだよ!」グイッ

ショキカンジンは起き上がり、再び巨大生物へと向かっていく!

センカン「……しつこいわね」
245 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:20:13.50 ID:T7paMVJ60
ドガッ!ドガッ!

ショキカンジンは巨大生物に向けて拳を振るうが、怯む様子はない

センカン「……いい加減、諦めたらどうなの?」

大井「うるさいわね!」

センカン「全く……諦めが悪いことこの上ないわ」

センカン「これだけやってもわからないのかしら?勝てないってことが」

大井「……」

大井「……わかってるわよ、そんなこと」

センカン「……?」
246 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:20:42.92 ID:T7paMVJ60
センカン「どういうつもり?勝てないのに戦う……」

センカン「もしかして時間稼ぎのつもりかしら?他の艦娘や、あなたたちの提督を逃がすための時間稼ぎ……」

センカン「そのために犠牲になろうっていうの?ご苦労なことね」

大井「違う!」グイッ

ドガッ!

センカン「……っ」

大井「確かに、私がやっていることはただの時間稼ぎ……」

大井「私一人じゃ、あなたに勝てないことくらいわかってるわ」

大井「……一人じゃ、ね」
247 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:21:18.45 ID:T7paMVJ60
センカン「……まさか、あの子たち……ショキカンジャーを待つつもり?」

センカン「残念だけど、無駄なことよ。あの子たちは私の部下が相手をしている……」

センカン「仮に彼女たちに勝ててたとしても、もう戦えるような状態じゃないはず。ここに来ることなんてできないわ」

大井「……あなた、あの子たちのことがわかってないわね」

センカン「……?」

大井「『ヒーロー』っていうのはね……遅れてでも、待っている者のために必ず来てくれるのよ」

大井「あの子たちは立派な『ヒーロー』よ。私が、みんなが待っているこの場所に……」

大井「あの子たちが……ヒーローが来ないはずがないのよ!!」
248 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:21:54.45 ID:T7paMVJ60
センカン「……もういいわ」

「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

ブォンッ!!

大井「!!」

ドゴォォォォォォォォォォォォォッ!!

巨大生物はショキカンジンの脚部に向けて腕を振るう!


ズドォォォォォォォォォォン!!!


大井「ぐっ!!!」グラグラ
249 : ◆BXyNb5hpYI [saga]:2018/12/16(日) 02:22:21.40 ID:T7paMVJ60
センカン「……もう戯言は言わなくていい」

センカン「沈みなさい、ショキカンホワイト」

ブォンッ!!

大井「……っ!」



ゴォォォォォォォォォォ…………

センカン「……?何、この音?」

大井「……!」
128.87 KB Speed:0.1   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)