カドック君がカルデア爆破から生還しました。【Fate / FGO】

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/13(金) 19:05:01.25 ID:rbNmKb95O
好かれないとか色々あるけど、割と普通に成長する要素はあるからそれ次第としか
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/13(金) 19:43:08.35 ID:ObiA4e8EO
カドックくんの歩みが全てぐだと同じにはならないからなぁ
6章の獅子王はfate的な意味でアーサー王に対して絶対的有利な逸話があるモーさんが存在してるし、七章のティアマトも覚醒させないって形で終わる可能性もある訳で
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/13(金) 20:11:37.49 ID:ZxHSp24l0
ぐだじゃないと協力してくれないとかそれこそ英霊たちに失礼でしょ…
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/13(金) 20:35:17.44 ID:yq6Yga6NO
性能的にも設定的にもマーリンさえ味方になりゃなんとかなるだろ(適当)
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/13(金) 20:36:54.27 ID:Qpfl5Jrp0
そもそも、劣等感の塊なカドック君はフォウ君で詰む。
爆破でカルデアスタッフが激減してる以上、特異点発見速度は上げれないので6章の大惨事回避は不可能。
ゲーティアは設定上だとアルスノヴァされない限り宝具無効。
しかし、マシュが本編の流れで一度死なないとロマンはアルスノヴァする決断がし切れない。
過程が変わるとはいっても、割とどうしようもない詰みポイントがある。
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/13(金) 22:08:58.98 ID:f0MLFW0eo
メタ的に幾らでもぐだが死んでしまった世界線は存在してる
現にCCCコラボでは前周回時のぐだの死亡が確認されているし
本編でも見えない部分で途中で何度もジャガー道場送りになりながらも攻略ルートを確立していったんだろう

あとこの1のフォウくんさ、冬木にすら出てこなかったしマシュと一緒に冷凍保存ルートからのクリプター側に行くんじゃないの?
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/13(金) 22:33:39.52 ID:G8lslhf6O
フォウくんはそんなに簡単に覚醒せんやろ
ぐだにしたってカルデアの人にしたって全く比較なんてしないって人でも無いし
ゲーティア砲が難しいよね…
自分はそれでプロット段階で筆折った
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 00:19:29.42 ID:trNWj7bBo
そもそも獣国のカドックって拗らせきっててSN時点での慎二みたいな状態だしなー
序章のダヴィンチとマシュの評だと自虐癖があるものの優しい笑顔を浮かべる青年とか回りに気を配る人とか言われてたしそこまでコミュ力に不安があるとも思えん
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 09:42:52.44 ID:q7bSIz1v0
>>104
フォウ君は普通の村に放り込んでもいずれ覚醒するレベルやぞ。
一週間以内にフォウ君に懐かれた新所長をみると解りやすいが、コンプレックスを持たず、他者を見下したりもせず、自分は自分だとある種の開き直りをするのが大切っぽい。
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 13:33:31.81 ID:YE+Wl0ZkO
>>97
fateのネロってそんなに沸点が低いキャラだっけ?
忠実の逸話を聞いてるとそんな印象あるけど
extraシリーズやその他の派生作品とか見てるとある程度の事には寛容な感じだけど
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 21:54:31.18 ID:1C5zEGOT0
>>107
それなりの期間一緒にいるから

( ^ω^)「余は寛大だからな」

(#^ω^)「余は寛大だからな」

( ?ω?)「余の寛容にも限度があるぞ」

(▼皿▼)「処刑せよ!」

ってなる気がする
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/14(土) 22:13:09.58 ID:WyJLttc4O
>>108
いやあケイネス先生や慎二みたいな態度ならともかく
あの悲観的なカドックなら、心配性故にネロの忠実とか予めリサーチしてると思うし下手な態度は取らないと思う
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 22:19:22.11 ID:mJ6s8ovX0
ネロは相性バツグンのザビやぐだとかとの会話を見てると忘れがちだが本来はワガママで扱いづらい部類の鯖だからね

まあ>>97は例えマスターがどんな人間であろうと見捨てず体育会式で矯正し続けるってジャンヌの設定を無視してるあたり悪意があるとは思うが
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/14(土) 22:22:00.90 ID:uHAQefG50
そもそも3回以上も相手を怒らせるような事をやる馬鹿がそうそういるかよ
「仏の顔も三度まで」って言葉があるようにどんな人間でも道理に合わない事や嫌な事をされれば怒るのは当たり前
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 22:31:29.55 ID:WyJLttc4O
>>110
設定的にはそうなんだが
ザビやぐだとのやり取りや他鯖との会話を見てると、そこまで強引に相手を振り回す事はあっても、滅茶苦茶なワガママを言ってくるタイプには見えんけどなあ
ラスアンでザビとほぼ別人と言ってもよく愛想も殆どない岸浪ハクノと上手くやれてはいたし

ギルガメッシュ、オジマンやモーさん、パラケルス、メイヴ、セミ様みたいに少しでも選択肢をミスったら生死に直結する様な鯖にはあまり見えん
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 22:42:59.91 ID:LPqdsKeC0
Aチーム全体のことは分からんが、2部1章を見る限りではカドック君は鯖との付き合い上手い方だと思う
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 22:45:20.42 ID:uHAQefG50
自鯖のアナスタシア自体が気位が高くて相手を振り回す性格みたいだからな
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 23:08:07.66 ID:w95trccD0
なんかさらっと書かれたけど、所長は結局レフにやられたの?
えらく扱いが軽いというか、今回はセイバー打倒のアシスト決めてるんだからもっと称賛されてもよくないスかね……
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 08:16:27.85 ID:zJYYc9/c0
カドック君は根幹にある劣等感が大き過ぎて、ネロとの相性は悪いかと。
自分の美しさを自分で汚してるんだから。
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 08:39:56.03 ID:sYzMwawPO
ぐだがあれだけの鯖と仲良くやれてるのは、メタ的にはゲームの都合だからなぁ
だからカドック君が主人公の立ち位置についたらなるようになるんじゃない?
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 08:57:08.42 ID:COYpFLzqO
ぐだの特異点修復は行き当たりばったりで偶然上手くいった展開が多すぎてAチームじゃなくても褒められたものではない
ただ、全く偶然に頼らずの人理修復は誰がやっても無理だと思う
少なくともレフの裏切りを誰も予見できなかった時点でカルデアに集められたメンバーでは無理
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 11:52:33.54 ID:tB/20bBeO
>>118
それを言ったらぐだだって補欠でミーティング中に居眠りして前所長を怒らせて追い出されて偶然難を逃れただけだしな
120 : ◆.qiZSe5l06 [sage saga]:2018/04/15(日) 21:19:17.25 ID:byn+wU3f0
場つなぎ。ssでわかるfate / grand order


幕間の物語 

カドック「最初の特異点はフランスか。しかし依然として戦力は厳しいな。サーヴァントはたったの一騎だ」

キャスター「フユキでは、私の前に力を貸してくれたサーヴァントがいたのではなくて? きっとフランスでもそんな英雄がいるはずよ」

カドック「そうだクー・フーリン。気を利かせて、帰還したらプレゼントボックスに入っていたっていいじゃないか。なぜか理不尽を感じる 」

キャスター「仲良くなれなかったのね。よくある話よ」

カドック「うるさい」

キャスター「ずいぶんご執心なのね。きっと私なんかよりよっぽど頼もしい英霊だったのでしょうね」

カドック「ああ。実力は確かにあった」

キャスター「ふぅん。……ふぅん」

カドック「でも、相性は悪かった。えり好みしている場合じゃないが……カルデアまでついてきたのがキミでよかった」

キャスター「――――。」

カドック「キミも口うるさいほうだが、アイツに比べればまだ……キャスター?」

キャスター「なんでもないけど。口には気を付けなさいカドック・ゼムルプス。私はサーヴァントである以前に一人の女なのですから」

カドック「怒らせたか、くそ、まずったな」

キャスター「ええ――不敬です。罰として私のドレスを繕うのを手伝ってくれる?」

カドック「そんな素材はない。そもそもその霊基じゃ無理だ」

キャスター「じゃあ霊基を上げましょう」

カドック「そんな種火はない」

キャスター「じゃあ、絆をあげましょう」

カドック「そんなAPはない」

キャスター「なにかプレゼントをちょうだい。身につけられるものがいいわ。わたくしに貢物の一つもないなんてマスター失格よ」

カドック「余計なものを持つな。邪魔になる」

キャスター「じゃあ何か礼装をくださらない? 戦闘にも役だつし、効率的でしょう」

カドック「黒鍵でいいか」

キャスター「もう黒鍵でいいわ」

カドック「君はアーツが多いし青の黒鍵でいいか」

キャスター「もう青の黒鍵でいいわ」

カドック「まだ限界突破してないけどいいか」

キャスター「もうなんでもいいわ」

カドック「怒ってるのか」

キャスター「怒ってない」

カドック「龍脈のほうがよかったのか……?」
121 : ◆.qiZSe5l06 [sage saga]:2018/04/15(日) 21:20:41.82 ID:byn+wU3f0
がんばれカドック君。

次のアップデートで実装予定です。
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 21:25:07.83 ID:SGtaN+Ubo
メタい、メタい
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 22:28:11.26 ID:mnMUM2g5o
アナとカドックの組み合わせありならなんだかんだやっていけそうな感じはするなぁ
カドックだけならどこかで詰まりそうだけど、アナとで補いあえそう
124 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/17(火) 19:28:37.06 ID:iJu2c0bx0
【邪竜百年戦争 オルレアン 人理定礎値 C+】


キャスター「ここがフランス。何もないのね」

カドック「1431年のフランスの郊外だ。僕たちの目的は二つ。『特異点の調査』と『聖杯の調査』だ」

キャスター「違うの?」

カドック「ほぼ同義だろうな。どちらを辿っても行きつく先は同じだろう……が手がかりは多い方がいい」

キャスター「――こんなに綺麗な青空は初めて見た」

カドック「そうか。よほど暗い地域か時代の英霊なんだろうな。あんたは。はやく真名を思い出してくれよ」


もの憂げに青空を見上げるキャスターにつられて、首を傾ける。たしかに綺麗な青空だ。とても世界が終わるだなんて信じられないような……。

まて。


カドック「おい、ドクター! 通信は! ドクター」

ロマン「よかった。まだ安定しないけどどうにか通信成功だ。カドック君。キャスター。そちらの様子はどうだい」
125 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/17(火) 19:29:27.80 ID:iJu2c0bx0
キャスター「ええ。とてもいい天気よ。ドクター・ロマン。あなたも外に出てきたらどう。部屋にこもってばかりだと健康に悪いわ」

ロマン「好きで引きこもってるわけじゃないぞ! しかしいい天気かよかった。特異点という現実離れした空間では想像できない異常気象も予測されたが……とりあえずその心配はないようだね。カドック君のバイタルも安定……あれ、どうしたカドック君、心拍数が激しいぞ」

キャスター「それは言わない約束よ。ドクター。私の隣にいるのだから、少しくらい胸躍ってくれないと」

ロマン「ははは。カドック君も隅に置けないなぁ! なんだかんだ男の子か」

カドック「…………! 黙って空を観測しろ、頭が痛くなる……」

ロマン「え、空はいい天気なんだろう? ……なんだこれは!」


空に走る光帯。円状のそれは目算で……いや、規模が大きすぎて読み取れない。


ロマン「大陸ほどはあるぞ……! 察するにアレが……」

カドック「見るからにアレが特異点ないし人理償却の原因だろうな」
126 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/17(火) 19:30:17.36 ID:iJu2c0bx0
あれも宝具なのだろうか。円形の宝具……それもとびきりの規格外か……人理焼却……円……例えばあの円を”指輪”と解釈して……いや仮説はいくらでもたてられるが、まだ判断材料が少なすぎるな。

あの光帯がなんにせよ、いますぐどうにかするのは無理だ。とりあえず方針としては放っておくしかないだろう。

この特異点の調査、聖杯の探索が急務。他の一切は余計だ。効率的に行こう。いつも通りだ。


カドック「行こうキャスター。まずは情報収集だ。人のいる場所を探す。それから龍脈の確保だ」


カルデアと物理的な通信を可能にするためにはその土地の龍脈を起点とした陣を形成する必要がある。ダ・ヴィンチから預かったこれを設置することで陣は形成されるらしい。

重く大きいので今は概念化しているが、持っていても特になんの副次効果もないようだ。礼装というにはガラクタだし、ガラクタというには用途がある曖昧な代物。事情があるのだろうが、一職員の僕の知るところではないし、実際興味もない。……たしかに魔術的には興味がないこともないが、今は必要のない情報だ。


カドック「人の痕跡を探そう」

キャスター「人探しなら、必要なさそうよ」


遠くを見据えながらキャスターがつぶやく。どうやら人を発見したらしい。視力を強化してみる。
127 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/17(火) 19:30:53.58 ID:iJu2c0bx0
カドック「そのようだな。あれは、兵士か?」

キャスター「声をかけてみましょう!」

カドック「おい軽率に動くな」


まるで外の世界を知らないお姫様だな。箱入りってほどには見えないが。

あの兵士たちの得体が知れない以上は接触は慎重に行きたかったが、彼女を制止するほうが面倒だ。

魔力は感じないし、交戦になったとしても問題ないだろう。どの道情報が欲しい。


兵士「なんだ怪しい奴ら!」

キャスター「ボンジュール、発音はあってるかしら」

兵士「不審だ」

キャスター「ウィ」

兵士「敵か」

キャスター「ウィ」

兵士「とらえろ!」

キャスター「ヴィイ」


……なんと言った?
128 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/17(火) 19:31:31.24 ID:iJu2c0bx0
兵士たちの腰から下が氷漬けになる。さて、ずいぶん大胆な初手だな。凡庸な僕の対応力が試されているわけか。冗談じゃない。


キャスター「……質問に答えなさい。凍らせたのは表面だけ。素直にしていれば五体満足で家に帰してあげる」

カドック「案外容赦ないんだな……お前……」


情報を引き出すのは簡単だった。ジャンヌ・ダルクがフランスを滅ぼそうとしているらしい。

救国の聖処女がクーデターとはなるほど特異点ってのはこういうことか。

洗いざらい話させた後の兵士はもちろん解放した。

どうせサーヴァントを連れているんだ。敵勢力があるのであれば、存在がバレるのは時間の問題……いや、特異点に潜入した時点で見つかっているかもしれない。よって口封じの意味はないだろう。

それより「竜の魔女を倒す」とふれ回る勢力があることを広めるメリットの方が大きい。

協力的なサーヴァントの耳に入れば向こうから合流してくれる確率があがる。
129 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/17(火) 19:32:12.19 ID:iJu2c0bx0
キャスター「弱いのね。兵士があの程度ならこの国は恐れるに足りないわ」

カドック「ああ。王を殺した『ジャンヌ・ダルク』は間違いなくサーヴァントだ。国取りは容易だろうさ」

キャスター「それで、とった国をジャンヌ・ダルクはどうすると思う?」

カドック「……さあな」


国取りを為したその先の目標を読み越せれば確かに先手が打てる。

聖女ジャンヌの死後の願い……フランスに革命を起こして、どうする。

最悪なのは、これこそが目的だった場合だ。

王を殺すこと、国を殺すことそのものが目的だとしたら……。


ロマン「会議中申し訳ない。エネミー反応だ。強力だぞ。落ち着いて対処してくれ」


エネミー反応……人間ではないらしい。だか所詮は15世紀のフランス。大それた魔獣クラスの敵性生体ではないだろう。


ロマン「目視できたぞ、これは……竜種!? そんなバカな、なぜこの時代にワイバーンが」

カドック「ワイバーンだと……」
130 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/17(火) 19:33:02.90 ID:iJu2c0bx0
ここは特異点だ。既存の常識は通用しないか。

冷静に対処すれば問題ないはず。こちらにはキャスターがいる。


キャスター「カドック、数が多すぎます。撤退するべきよ」

カドック「ああ。体力を浪費するつもりはない。8時の方向、群れが薄い。突破できるか?」

キャスター「数に加えてこの機動力ではあなたを守りきれない」

カドック「そうかマズイな。……よし、耐寒魔術防護完了。マイナス100度までは保つ」

キャスター「作戦変更。掃討するわ」


キャスターに魔力が集中する。


キャスター「この世界の竜種よ。耐えてみなさい。……もっとも、耐えられたら後がないのは私たちなのだけど?」

魔力が放出され……

「あぶない!」
131 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/17(火) 19:33:32.70 ID:iJu2c0bx0
ワイバーンの包囲網に穴があく。殴り飛ばされたワイバーンが地面に叩きつけられ、泡を吹く。


「私が引き付けます。さあ、ここから早く離れて!」

カドック「囮になるつもりか? 見ず知らずの僕たちを助けるために」

「いいえそうではありません。私なら心配ありません。おはやく」

キャスター「まあ。なんてお優しい。でもお気遣いなく。七割だけ、請け負いましょう」

「なにを言っているのです! これらは竜種。この時代を生きる獣とは訳が違うのです。私が八割を!」

カドック「はあ……。キャスター、前方半分を頼む。おいアンタ、腕に自信はあるんだな。後方半分を任せていいか」

「……わかりました。1分持ちこたえてくださいすぐに援護します」

キャスター「マスター指示を! 30秒で片付けるわ」

カドック「なぜ張り合うんだ……」



132 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/17(火) 19:34:14.89 ID:iJu2c0bx0



「お強いのですね。名も知らぬ人。私が出る幕ではなかったのかもしれません」


18匹のワイバーンを駆除し終えたところで、乱入してきた女がこめかみの辺りを拭いながら歩み寄ってきた。

仕草とは裏腹に、汗一つかいている様子はない。


カドック「サーヴァントだな?」

「はい。もしやとは思いましたが、そちらの貴女も」

キャスター「礼儀を知らない者に名乗る気はありません」


キャスターが妙に刺々しいな。このサーヴァントとは相性が悪いのだろうか。

なにか因縁があるのかも知れない。真名の手がかりになるだろうか。


「失礼しました。我が名はジャンヌ・ダルク。クラスはルーラーですが、訳あって本来のステータスを発揮できていません」

カドック「……なんだと?」
133 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/17(火) 19:35:39.07 ID:iJu2c0bx0
ここまで。キャスターはルーラーが気に入らないご様子。がんばれカドック君
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/17(火) 22:45:33.94 ID:KO42hC9do
おつ
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 16:44:56.73 ID:OBytN6AN0
がんばれカドック君

だが種火無いとこの先詰むぞ
136 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/18(水) 20:08:34.15 ID:RXOx9vx90
ジャンヌ・ダルクといえば、王を殺しフランスを焼き尽くしている……話を聞く限り今回の特異点の元凶。

今しがた僕たちに力を貸したこのサーヴァントがその名を名乗るとはな。どうやら事態は複雑なようだ。


キャスター「えっ、じゃあこれ倒せばいいの? 凍らせる? やってしまう?」

カドック「そうじゃないだろう」

キャスター「そうね、冷静に、話を聞くべきね。仕方ないわね。拷問しましょう。凍らせる? やってしまう?」

カドック「どうしたキャスター、なぜそこまで突っかかる」
137 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/18(水) 20:09:00.58 ID:RXOx9vx90
キャスター「ええよくぞ気が付いてくれましたありがとう。私、この方が苦手よ。一目会った時からビヴィイっときたの」

カドック「なぜだ。かの聖処女と生前因縁でもあったか」

キャスター「いいえ。ただ……彼女と私は決定的な何かが……」

カドック「わかったよ……苦手でもなんでもいい。つっかかるのはよせ。せめて黙っていろ」

キャスター「…………。わかりました」

カドック「助力感謝する。ルーラー。僕はカドック・ゼムルプス。彼女は僕のサーヴァントのキャスターだ。我々は人理継続保障機関カルデアその唯一のマスターとサーヴァント。率直に言う。世界を救いに来た」

ジャンヌ「世界……どういうことですか? 詳しくお話しを聞かせてください」




138 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/18(水) 20:09:28.66 ID:RXOx9vx90



ジャンヌ「人理焼却。まさかそのようなことが……どうやら私個人の事情など些末なことのようですね」

カドック「で、だ。我々としてはこの時代を修復するためにあなたの協力を要請したい」

ジャンヌ「ええ。もちろん。それはつまりこのフランスを救うことにもなるのでしょう。私としてもあなた方が力を貸してくれるのならありがたい」

カドック「その前に一つ問わせてくれ。王を打ち倒したというジャンヌ・ダルクはあなたなのか」

ジャンヌ「知っていたのですね。断じて違います。先程も言った通り私の願いはフランスの救済です」

カドック「このフランスは既にあなたの生きたフランスとは違う。それでも救うというのか」

ジャンヌ「ええ……実のところ、このフランスはまだ私が死んで間もない頃なのです。実感として、救いたいと心から感じます」


ここはジャンヌ・ダルク処刑後のフランスか。生前のジャンヌとサーヴァントのジャンヌがいるのかとも考えたがどうやらそうではないらしい。

そうなると「ジャンヌ・ダルク」というサーヴァントが同時に二体召喚されたか、あるいは目の前のコイツが嘘をついていることになるな。

コイツが”竜の魔女”である確率……コイツが「ジャンヌ・ダルクではない」確率……これらを念頭においておく必要がある。
139 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/18(水) 20:10:14.21 ID:RXOx9vx90
キャスター「処刑後間もない時代だというのなら、尚更納得いきませんね」

ジャンヌ「なにが、でしょうか」

キャスター「ここはあなたを殺したフランスそのものということでしょう。それを救いたい? 冗談にしては悪趣味よ。ジャンヌ・ダルク」

ジャンヌ「……そう思われても仕方がないのでしょうね。しかし、私はこの国を救います。確かに私は処刑されました。でもそれは私に罪があったからです。彼らに罪はない。それをすり替えてしまっては、ならない」

キャスター「世迷い言よ。あなたは死の寸前、恨んだはずだわ。自分を殺す者を、民衆を。それを仕方がないことなどと善良ぶって、目を逸らしているだけだわ」

ジャンヌ「いいえ……いいえ! 違うのです。私は本当に恨みも憎しみも抱くことはありませんでした。この身は既に主に捧げたもの。それを裁くものがあるのであれば、それはやはり主の意思によるものなのです」

キャスター「なんて気味の悪い。今ハッキリとわかりました。……失せなさい。わたくしこそは、あなたが嫌悪するべきものなのだから」

カドック「おい話を勝手に進めるな、失せるなルーラー。僕たちの目的は同じだ。手を貸してやる」

キャスター「マスター! 私は…………」

カドック「わがままを言わないでくれキャスター、僕たちには人類史が掛かっているんだ。個人の矜持なんていってる場合じゃない」

キャスター「わかってるわでも……」
140 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/18(水) 20:11:31.03 ID:RXOx9vx90
ジャンヌ「随分と嫌われてしまいましたね……私はあなたを嫌悪すべきものだとは到底思えないのですが、仲良くすることはできないのでしょうか」

キャスター「無理よ。ワイバーンの方がまだ可愛げがある」

ロマン「そうかいそれはよかった! 話の途中だがワイバーンだ! 先程より多いが是非仲良くしてくれ」

キャスター「黙りなさいロマ二・アーキマン……今の私に冗談は通じなくてよ……!」

ロマン「うわっこわっ! いつもの可愛らしい彼女はどこに……? やっぱり現実の女の子なんて存在しないんだ」

カドック「訳のわからないことを言ってるな! キャスター、全てキミが片付けろ、途中邪魔が入るかもしれないが気にするな」

キャスター「了解よ。邪魔者は全て氷像にするけど構わないのね? 邪魔者は全てよ」

カドック「ああ好きにしろ! おいルーラー、暴れて構わないが僕の指示する範囲には死んでも入るな! 死にたくなかったらな!」

ジャンヌ「わ、わかりました……!」
141 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/18(水) 20:12:54.25 ID:RXOx9vx90
ワイバーンの群れとの戦闘が始まる。先ほどより多く、また赤色の反応の強い種も見受けられる。

僕には防寒魔術、ルーラーには対魔力がある。キャスターが全力を出しても問題はない。

一匹一匹を相手にするのではなく広範囲の寒波で迎撃するが、さすがに竜種。多少は耐えてくる。

対称なのはルーラーだ。一匹一匹を確実に撲殺していく。あの旗はそういう……いや考えないでおこう。

しかし多勢に無勢。ルーラーは強力だが、頭数で押され始める。

キャスターのほうも決め手に欠ける。多数を足止め出来てはいるが、ルーラーと連携できない以上いずれ限界がくる。どうにも戦いにくそうだ。キャスターはワイバーンに不利なのかもしれない。

どうしたものか。二騎のサーヴァントがいながら独立しているせいでうまく機能していない。
142 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/18(水) 20:13:28.89 ID:RXOx9vx90
カドック「どうしたキャスター,竜種に不利な逸話でもあるのか 」

キャスター「ごめんなさいどうしてかしら。やりづらくって……」

カドック「くそ、じり貧だな……」

「ふむ。決め手に欠けると見える。要りようなのは殺傷力かな?」


刹那、目の前のワイバーンの首が飛ぶ。

な……に……? 視覚情報の解析が遅れていやがる。理解不能だが、どうやらワイバーンが一匹死んだ。


「秘剣……”ワイバーン返し”。……といったところか」

カドック「お前はいったい……」

「なに。いかに優秀な魔術師といえど、懐刀の一本もなければおちおち鳥も愛でられまい。この佐々木某を携えてみては如何かな」

カドック「鳥じゃない竜種だ」

「翼があって空を飛ぶのであれば鳥だろうよ。何の因果か、この身はその類を斬ることに執着していてな。頼まれずとも斬り落としてくれよう」

カドック「真名は?」

「サーヴァント。アサシン。逸話も宝具も持たぬゆえ、真名など不要だろうさ」



143 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/18(水) 20:14:41.49 ID:RXOx9vx90
ここまで。ワイバーン地獄に救世主登場。がんばれカドック君。
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 20:18:42.40 ID:ucYYSnXFO

ガチのワイバーン殺しじゃねぇかw
初期ではみんなお世話になったなぁ
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 20:41:10.47 ID:RCfo2/scO
でた!オレルアン救国の救世主だ!Legend of SAMURAIだ!
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 21:09:37.56 ID:ZpyzI/cCO
この伝説の竜殺しは聖杯に呼ばれたのかな?
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 22:03:35.49 ID:T6+MEkjbo
勝ったな(確信)
どうでもいいけどロマニのニが漢数字の二になってない?
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/04/18(水) 22:32:29.29 ID:OBytN6AN0
ウチの初期ワイバーンキラーは色仕掛けの踊り子でした

良かったねカドック君!まともな仲間だよ!
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 23:07:06.14 ID:aFuyMU1rO
ヒュー!
救国の小次郎が来たぞ!最強の小次郎だああ!!
勝ったな、風呂入ってくる
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 00:34:57.98 ID:wRox1RuP0
乙。
アナスタシアとしてはやっぱりジャンヌは受け入れられないよなぁ。
というか、マリーにせよブーティカさんにせよ間違いなく恨む感情はあるわけだから、やっぱりどっかおかしいよなあのマッスル聖女。
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 13:23:08.37 ID:C9VdqaKTo
聖女と言われるほどの狂った鯖だとも捉えられる
カドック君頑張れ、胃の痛みとか感じそうだけど頑張れ
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 17:40:08.24 ID:nPCSKg6u0
まとも……?
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 23:01:18.10 ID:YfIu3+DvO
死んだ時に周囲を恨んだ人から見れば、周囲を恨んでないとまっすぐいう人は理解不能だろうね。
そういう恨んだはずだ恨んでなければおかしい、そうでなければ自分が惨めだ。
そういうのの捌け口がオルタなわけだし。
154 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/20(金) 20:03:29.47 ID:U6A7fChS0



ワイバーンの群れを片付けた後、ジャンヌ・ダルクの案内で村を目指す。

数少ない、まだ被害のない地域で、人は多いらしい。僕たちとしては情報集め、それからこれは個人的な話だが、屋根のある寝床の確保が目的だ。

ルーラーとしては村の護衛をしたいらしい。確かに『現状』無事であるなら、次に狙われるリスクがある。寝床は惜しいが長居は無用かもしれない。

すでに襲われたあとの廃墟のほうが、敵襲を避けられるからだ。

そのあたりはついてから考えてもいいが、今気になるのは……。


カドック「おいアサシン。お前本当に何なんだ。さっきのあれは何だ。次々とワイバーンの首を跳ね飛ばしたそれは、話に聞くサムライソードか? 思ってたより長いんだな」

アサシン「この地には縁もゆかりもない身だが……どうやら「フランスのワイバーンを斬るもの」として召喚されたらしい」

カドック「そんな概念があってたまるか」
155 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/20(金) 20:04:15.75 ID:U6A7fChS0
こいつだ。先ほどから何度か遭遇しているワイバーンをそのたびに斬り落とす、こいつだ。

護衛をかってでるからには人類史(こちら)側のサーヴァントなのだろうが、頼もしすぎて少々不気味だ。

素人目でみても気持ちの悪い太刀筋で飛竜をまな板の上の鯉のようにおろしやがる。

しかしアサシンの言っていることが事実なら、アサシンはワイバーンのカウンターとして呼ばれた……逆に考えてワイバーンも呼ばれた存在で間違いない。

つまり、聖杯。


キャスター「マスター、わたくしはルーラーが好ましくありません。言っておくけど私、決して慈悲深くはないわよ」

カドック「心配するな。人のいる村まで案内してもらうという約束だ。手を組むのは諦めたよ。利用しているだけだ」

キャスター「そう……ならいいわ。あなたの方針に従います」

ジャンヌ「すみません。これくらいのことしかできなくて。せめてサーヴァント感知の能力がいきていればよかったのですけれど」

カドック「……まて、ルーラーにはそんな能力があるのか」

ジャンヌ「はい。他にも本来なら真名看破、真名裁決……令呪ですね。といった権限があるのですが」

カドック「反則だな……」

ジャンヌ「反則ではありません! 裁定者なのですから。ルールそのものなのですから」
156 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/20(金) 20:04:57.53 ID:U6A7fChS0
ルールそのもの、ときたか。さて。根っからの善属性だろうが、少々頭が固そうだな。


カドック「通常の聖杯戦争じゃ呼べないんだったな」

ジャンヌ「はい。ですがルーラーの私ですら、権限を剥奪され現状を把握できていません。もはやこのフランスはルール無用の無法試合と化しています……早急に対処せねば」

カドック「さてな。噂じゃあ審判がオーナーを殺したらしいが」

ジャンヌ「あ、そろそろ村が見えてきますが、私は中に入ることができません」

カドック「なぜだ」

ジャンヌ「……私が、王を殺し、村を焼き払って回っているからです。民に恐怖と混乱を与えてしまう」

カドック「そうなのか。そうは見えないが」

ジャンヌ「そういうことになっています。カドック君は私を信頼してくださりますか?」
157 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/20(金) 20:06:36.33 ID:U6A7fChS0
カドック「いや、信頼はできない。怪しいと思ったらすぐ切り捨てるつもりだ。あとカドック君はやめろ」

ジャンヌ「あ、すみません。つい弟のように」

キャスター「弟……ですって……? どこまでも愚かなのね。怪電波を受信して民を扇動するだけならまだしも、人類最後のマスター、私のマスターを弟扱いですか」

ジャンヌ「マスターを軽んじたわけではないのです。どうかお気を悪くなさらないでください」

キャスター「あなたのマスターではないわ!」

カドック「頭が痛いのはいつもだが、胃痛には慣れてないんだ……頼むから大人しくしててくれ」

ジャンヌ「具合がよろしくないのですか、カドックさん。そういえば顔色も優れないご様子……」

カドック「放っておいてくれ」

キャスター「離れなさいルーラー……」

ジャンヌ「冷たっ……!? 信用されていないのですね……私」

アサシン「安心なされよルーラー殿。得体の知れなさではこのフランスで拙者に勝るものはござらん」

ジャンヌ「あなたそんな話し方でしたか……?」
158 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/20(金) 20:07:06.50 ID:U6A7fChS0
カドック「おい、ルーラー。村、いやアレは町じゃないか? どっちでもいいな。町が見えてきたのはいいが様子がおかしいぞ」

ジャンヌ「門番がいない……この焼け焦げた臭い……まさか!」


敵襲か。

ほとぼりが冷めるまで身を隠すか。それとも戦火につっこむか……さて。


ジャンヌ「先に向かいます! まだ救える命があるはずです」

カドック「おい、僕は人のいるところまでの案内を頼んだんだ、勝手に去られては困る!」


くそ、どうにもこの状況下では選択肢がないな、振り回されてばかりだ。


カドック「行くぞキャスター。ここを逃せば遭難に等しい。ルーラーはひとまず放っておく。死にはしないだろう」

キャスター「困ったわ。町についたらすぐにお風呂に入って、服を新調したかったのに」

カドック「ハア……そんな場合じゃない……だろ? よな? くそ、お前といるとこっちまで緊張感を失いそうだ」



159 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/20(金) 20:07:59.77 ID:U6A7fChS0



惨状だった。強力な反応こそないが、動く死体に襲われたり、親しかったものに襲われる生者の叫びを聞くのは少々堪える。


キャスター「ひどい有様ね。死体が使われている……」

カドック「それはもう人じゃない。構うな。仕留めろ」

キャスター「もう凍らせたわ」

カドック「生存者はそれなりにいるな。逃げる人々に流れがある。この先に誘導者がいるようだ」


市民「うわあああ! ジャンヌ・ダルク! 『竜の魔女』だああああ」

ジャンヌ「はやく逃げなさい! 私はあなたたちに危害は加えません! どうか逃げて!」

カドック「助けにきてるのに散々な言われようだな。ルーラー」

ジャンヌ「カドックさん……私は……それでもかまいません」

カドック「途中、避難誘導はしてきた。助かるやつもいるはずだ。無駄にならなきゃいいが」

ジャンヌ「感謝します……」
160 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/20(金) 20:08:28.35 ID:U6A7fChS0
カドック「面倒をかけたな。確かに案内はしてもらった。ここで別れよう」

ジャンヌ「…………」

カドック「事実はどうであれ、あんたがいたんじゃ町に入るたび大ごとになる、それじゃ調査にならない。わかるよな」

ジャンヌ「ええ。それがいいでしょう。どうかご無事で。私はここに残ります。『ジャンヌ・ダルク』がくるかもしれません。守らねば」

カドック「そうか。できれば死なないでくれ。貴重な戦力なんだ」


残って得られる情報は大きい。ここで決着ということもあり得る。

だが敵戦力も分からない以上それは危険すぎる。ここはルーラーをぶつけて敵戦力を測りつつ離脱しよう。

どうせこの頑固な聖女は言うことを聞かないんだからな。

敵の戦力を削ってくれれば御の字だ。
161 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/20(金) 20:10:27.37 ID:U6A7fChS0
キャスター「ナビゲーターはもう不要なの?」

カドック「お前からそう言ってくるとはな。ルーラーが嫌いなんだろう?」

キャスター「まあ、デリカシーがないのね。今のは失点1。それに、私情より優先するべきことくらいわきまえているつもりです。侮らないで。失点2」

カドック「そうか。悪かった。さっき地図を拾った。これで生体反応に頼らず探索できる」

キャスター「”Edmond”って書いてあるけど」

カドック「もらったんだ。エドモンドはもう必要ないそうだ」

キャスター「……失点3」

ロマン「カドック君! 今すぐここを離れるんだ!」

カドック「そのつもりだ」

ロマン「まずい、まずいまずいぞ! 速すぎる! 超高速でサーヴァント反応接近中! 嘘だろ……合わせて『五騎』だ! 危険すぎる逃げろ!」

カドック「チィ…………目視できた。残念だが…………逃げられない」
162 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/20(金) 20:15:04.22 ID:U6A7fChS0
どうなってやがる、カルデアの探知とサーヴァントの探知、その範囲外から一気に離脱不可能な距離まで詰めてくるスピードがあるだと。

それだけの移動手段を持ってる……強力なライダーがいると推測できるな。

だとしたらまず潰すべきはソイツだ。毎度こんな奇襲をかけられてちゃ命が足りない。初回ですら逃げ切れる保証はないってのに!


ロマン「くそ! いいかキャスター! 撤退だけを考えてくれ!」


キャスターは応えない。予断を許さない状況だ。通信に耳を貸している場合ではない。

最悪だ。こちらの戦力が整わないまま、正体不明の敵に出くわした……結果五体のサーヴァントと対峙することになる。

すでに聖杯戦争のルールは崩壊しているとみていい。通常、七騎のうち五騎が徒党を組むなどありえない。

異なるシステムが基盤にあるか、あるいはそのありえないことが起こったことでシステムが瓦解したか。
163 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/20(金) 20:21:03.65 ID:U6A7fChS0
カドック「キャスター、隙をみて撤退だ。ないならつくる。つくれなかったら強行する、絶対に撤退だ。わかったな」

キャスター「ええ」


全身から汗が噴き出る。

キャスターからもこれまでにない緊張を感じる。

令呪に目をやる。……フユキから帰還後補填してもらった三画の令呪……強大な魔力リソース。

カルデアに戻ればまだ予備はあるとはいえ、無駄づかいは避けたい。……が、ここで一画ないし二画を消費する決断も必要か……。


ジャンヌ「カドックさん! この反応は!」

カドック「ルーラーか。状況が変わった。撤退戦になる。戦線を離脱するまで行動を共にしよう」

ジャンヌ「巻き込んでしまう形になってしまい申し訳ありません。ですが、命に代えてもあなたたちを避難させます」
164 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/20(金) 20:21:34.27 ID:U6A7fChS0
ズン……と重い地鳴りが建物の裏から聞こえ、土煙と共に五つの影が姿を現す。

実際目の当たりにするとくじけそうだ。あれがすべてサーヴァントで、すべてこちらに敵対しているなんて。

もしかして協力してくれる人理側のサーヴァントが集ってくれたのではないか、という希望的妄想が頭をよぎってしまうほどには、絶望的だ。


「我が名はジャンヌ・ダルク。憎悪に身を焼かれ、この国に復讐を誓った魔女」


黒いサーヴァントが名乗りを挙げる。はためく旗には醜悪な紋章。目からも肌からも生気をまるで感じない女は、自身を”ジャンヌ・ダルク”であるという。

実際先に出会った彼女……”ジャンヌ・ダルク”と瓜二つだ。
165 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/20(金) 20:23:00.23 ID:U6A7fChS0
追従するサーヴァントは四騎。

身の丈ほどある杖を携えた長髪の女。

同じく長髪だが、他方からは感じられる清廉さはかけらもなく、代わりに血生臭さと趣味の悪さがにじみ出ている仮面の女。

騎士を思わせる風貌に、華やかな装いとレイピアを構える金髪の女……男……? 中性的なやつだ。セイバーだろうか。

そして退廃的でいて、なぜが高貴さを漂わせてもいる槍を持った男……ランサーか。こいつはやばい。

そしてそのどれもが只ならぬ狂気をまとっている。……通常のクラスに狂化でも付与したか。
166 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/20(金) 20:23:33.48 ID:U6A7fChS0
ジャンヌオルタ「漸く現れたわね。偽物の私」

ジャンヌ「私はジャンヌ・ダルクです。あなたは一体……」

ジャンヌオルタ「ハッ、バッカじゃないの、その耳、うじ虫でもつまっているの? いるのよね。腐った脳みそに虫がわいているのでしょう。でなきゃおかしいわ。私つい今しがた名乗りましたよね。ジャンヌ・ダルクと」

ジャンヌ「なぜこんなことをするのです!」

ジャンヌオルタ「なぜですって? そんなの決まっているでしょう! あなたにはわからないの。この憎悪が。憤怒が。……ああ、おかしい。おかしくて笑い転げてしまいそう。その呆けたツラをみていると憎くて憎くて笑いがとまらないわ!」


熱く、熱く、凍えるほど醜い黒炎がルーラーを覆う。

――発射地点が見えなかった。それほどはやいということか、それともそこが発火地点なのか。


ジャンヌ「――――っ!」
167 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/20(金) 20:24:05.47 ID:U6A7fChS0
かき消える炎。あれほどの魔力がこめられていてもものともしないのか。規格外の対魔力だ。

大したダメージは負っていない。



ジャンヌ「あ、つっ……!」

カドック「なに!?」

ジャンヌオルタ「炎が消えてもこの怒りが消えることはない。私の憤怒ですべて焼き尽くしてやるわ」

ジャンヌ「なぜ……なぜ……」

ジャンヌオルタ「バーサク・ランサー、バーサク・アサシン! そいつらの相手をしてやりなさい」


仮面の女と槍の男がこちらに向かってくる。それぞれアサシン、ランサーか。『バーサク』ってのは、そういうことだろうな。
168 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/20(金) 20:24:50.19 ID:U6A7fChS0
バーサク・アサシン「あの小娘につかわれるのはシャクだけれど……今はそんなことどうでもいいくらいこの身がもだえているの。『血をよこせ』ってね」

バーサク・ランサー「道理だな。我らは血をすする者。そうあるべきものとしてゆがめられた『吸血鬼』だ。ならば、衝動のままに屠ろうではないか。血の伯爵夫人”カーミラ”よ」

カーミラ「だまりなさいドラキュラ! あなたと一緒にしないで。血をすするなんて野蛮よ。私はただ私の美しさのために血を欲するだけ。より若くて美しい血をね!」

バーサク・ランサー「我をその名で呼ぶが……よかろう。よかろう! 我こそは悪魔(ドラクル)! 絶叫せよ、人間。血の晩餐は恐怖によってのみ彩られるのだ!」


理性を奪ったのは浅はかだったな。

ドラキュラ……ルーマニアの英雄”ヴラド・ツェペシュ”に吸血鬼”カーミラ”か。

奴らが本当に”吸血種”なら戦っている場合じゃない。まず何があっても血を吸われるわけにはいかない。


キャスター「くるわよマスター……どうか私にありったけの力を」

カドック「ああ……活路を開く! 持ちこたえてくれキャスター!」
169 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/20(金) 20:25:20.64 ID:U6A7fChS0
ここまで。大ピンチだがんばれカドック君。
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/20(金) 21:03:38.98 ID:Uh4kKdO80

カドック君は十分な戦力を集められるかな? 清姫とは相性悪そう
小次郎みたいに別のが来るのかもしれないけど
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/20(金) 21:13:05.46 ID:KLNx04LeO
清姫はカドックに惚れるような安っぽい展開は嫌だな。

172 : ◆.qiZSe5l06 :2018/04/20(金) 21:17:36.31 ID:U6A7fChS0
基本はその章に出てきた鯖でやっていくよ。無辜のドラゴンスレイヤー級の知名度があれば特別出演もありえるけど奴は例外。
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/20(金) 21:23:02.82 ID:F55uCPfWo
カドックくん戦況分析できる(ややネガティブだが)し戦力さえ手に入れば勝利までの道筋を構築できるはず
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/20(金) 22:18:09.26 ID:TPzuMWum0
>>171
それ言ったらぐだだって似たようなもんだし平気平気
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/20(金) 22:59:18.12 ID:gGkcdVPw0
きよひーはますたぁの読みがマスターになるだけだろ

すまない、ピアノ、マリー、冤罪剣、きよひー、若ーミラ、ジャンヌ、NOUMIN

カウンター鯖を七騎にするならきよひー削られる?
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/20(金) 23:15:10.51 ID:LKpThzxa0
すまないさんが削られるんじゃね?
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 01:07:37.77 ID:89yd/UQco
すまないさんは流石にファフ相手にしなけりゃならんだろ
役割がないのはきよひーだけなんだよなぁ
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 09:06:54.37 ID:VGfEC1sPO
>>175
こうして見ると清姫の場違い感すごいな
なんか理由あったっけ?
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 12:07:51.30 ID:mG7aF8v1O
エリちゃんの「私聖杯なの!?」のツッコミに必要
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 12:54:05.29 ID:Bit1s0k1O
カドック君は戦略には強くても戦術は割と駄目な部類だったり。
マスタースキルや令呪の使い方はそこまで上手とは言えんし。
参謀と現場指揮官では求められてるスキルは違う。
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 15:38:57.44 ID:U1USfEXx0
特異点7つ+亜種4つクリア、加えて幾つものイベントを周回してる歴戦のぐだ(プレイヤー)が比較対象だと仕方ない
6章を進めれば嫌でもプレイヤースキルは上がるだろう
182 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/21(土) 18:14:10.98 ID:t88iehPwo
キャスター「くるわよマスター……どうか私にありったけの力を」

カドック「ああ……活路を開く! 持ちこたえてくれキャスター!」


最大出力で氷壁を展開するキャスター。周囲の建物を巻き込みながら三階ほどの高さで相手を押しのける。


キャスター「指示を!」

カドック「とにかく距離をとれ。接近戦は論外だ。特にランサーに注意しろ。あれは純粋に強い。アサシンの搦め手は僕が対処する。全力で感知しろ! できるなドクター!」

ロマン「あぁ周囲の警戒はまかせろ! けどあまり信用しないでくれ!」

カドック「できるのかできないのか!」

ロマン「限界がある! 最後は自分のかんを信じてくれ」

カドック「キャスター! 下だ」
183 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/21(土) 18:14:47.69 ID:t88iehPwo
キャスターの足元が盛り上がったのを確認してすぐ叫ぶ。地面から鋭利なものが飛び出てくる、その寸でのところでキャスターはこれを回避した。


ヴラド三世「甘いな」

キャスター「はうっ!」

カドック「キャスターっ!」


不規則に突き出る鋭利な先端が数本、キャスターに届く。ドレスの右肩が破れ、血がにじむ。

そのまま後退し、反対の手で抑える傷口に遠隔で治癒を施す。


カドック「無事かキャスター!」

キャスター「痛いわ……マスター」

カドック「耐えろ、時期血は止まる」

ヴラド三世「ここは戦場であるぞ。そのような装いで、女が、これは冒とくか? でなければ余の供物か」

カドック「そうか。杭、か」

ヴラド三世「さよう。我が城塞の礎となれ」
184 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/21(土) 18:15:46.75 ID:t88iehPwo
キャスターの氷壁が砕かれる。なんて数の杭だ。おそらく”ヴラド三世”の血の城塞を体現した宝具だろう。

だが幸い、この能力ならランサーも距離をとってくるはず。遠距離戦なら離脱するチャンスがくるかもしれない。


アサシン「死になさい!」


隙をついて”僕”の背後に忍び寄っていたアサシンが悪趣味な形状の金具を振り回す。


カドック「お前がアサシンと呼ばれたのは聞こえたよ……そして臆病者(アサシン)はマスター狙いと相場は決まっている」


背後に仕掛けておいた術式が起動する。拘束魔術だ。全力で縛れば間合いをつくる時間稼ぎにはなる。

……が、こんな大仕掛け張り巡らせている余裕はない。
185 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/21(土) 18:16:23.46 ID:t88iehPwo
カーミラ「ぐ、こんなもの」

カドック「僕の周りにはいたるところにこの術式が仕掛けてある。ここまでこれるか?」


嘘だ。


カーミラ「その必要がないわ」


思惑通り、こんどは遠距離型の器具で攻撃を仕掛けてくる。


カドック「有刺鉄線の鞭か。どこまでも趣味が悪いな、お前」

カーミラ「避けた……? ただの人間の分際で!」

カドック「いいことを教えてやる。僕の得意魔術の一つは五感の強化だ。血の匂いを嗅ぎ取る嗅覚と、ことさら聴覚は敏感でな。ギコギコうるさいんだよ。その拷問器具」

カーミラ「音で……!?」

カドック「趣味が高じてな。ロックは好きか?」

カーミラ「ロックですって……音楽は嫌いよ! ああ許せない! 消えなさい!」
186 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/21(土) 18:17:34.70 ID:t88iehPwo
狂化した暗殺者なんて怖くはない。僕には必殺の一撃はないが、さび付いた技能でとれるほどこの命は安くない。

気を抜けば即死だが、全神経を集中させれば問題ない。

カーミラ「っ……!」


再びカーミラの動きが止まる。運よく罠にかかった。


カドック「ああ、そこにも拘束魔術が張ってあったか……。キャスター!」

キャスター「素晴らしい位置取りね。あなたさてはポジショニングの魔術師なの」


キャスターの物量攻撃がランサーの杭とアサシンをまとめて押しつぶす。

その隙をついてランサーがキャスターに迫るが、そこに白と黒のジャンヌが割って入る。


ヴラド三世「ぬっ」

ジャンヌ「この!」

ジャンヌオルタ「あっはっはっはっは! 死になさい芋娘ぇ!」
187 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/21(土) 18:18:27.44 ID:t88iehPwo
バーサク・ライダー「はあ……手を貸しましょうか聖女さま?」

ジャンヌ「黙ってなさいライダー! セイバーも手出したら殺すわよ!」

バーサク・セイバー「無論、手は出さないさ」


突然乱入したジャンヌたちの戦いに各サーヴァントが気を取られる。ここが機だ!


カドック「キャスター! 離脱する!」


氷で道を作り滑るように撤退する。よし、完全に不意をついてやった! 逃げきれ……


キャスター「えっ……?」

カーミラ「全ては幻想のうち……けれど少女はこの箱に」


ファントム・メイデン
”幻想の鉄処女”


ビシャッ


血しぶきを上げて、箱状の拷問器具は閉じた。
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/04/21(土) 18:26:09.24 ID:dOKqhT3G0
どんな時でも時空を超えて味方になってくれる鯖きよひー

愛があれば時間も空間も超えられる

ぐだ夫「――見よ我が夢想の軍勢を!肉体は滅び、その魂は英霊として『世界』に召し上げられて、それでもなお僕に味方する伝説の勇者たち!時空を超えて我が声に応じる永遠の朋友たち、彼らとの絆こそ我が至宝!我が王道!凡人たる僕が誇る最強宝具──『友の軍勢』なり!!」


っていう伏線でしょ?
189 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/21(土) 18:43:39.21 ID:t88iehPw0
https://ux.getuploader.com/sssokuhouvip/download/154

https://ux.getuploader.com/sssokuhouvip/download/155

頑張って漫画化したから参考にしてもいいよ。
え、余計わからない?そんなー
190 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/21(土) 18:45:39.73 ID:t88iehPwo
カーミラ「あはははは! 血よ、血よ! たまらないわ……」

カドック「お、おい……アサシン……!」


アサシン「ぐ、ぶっ……」


サムライソードのアサシンが血まみれになって転がる。


キャスター「あ、ああ……あなた」

アサシン「ふ、む。麗しいおなごの危機だったので、な。つい気取ってしまった」

カドック「お前、急に出てきたと思ったら何やってるんだ」

アサシン「いやはや……すまぬ、マスター。懐刀になるとはいったものの、この身、とんだなまくらであったよう、だ」

カーミラ「ああああああ! いやあああああ! 美しい少女の血でなければ! なんなのその優男は! この浴びている血はその……!? いやあああああ!」
191 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/21(土) 18:46:38.20 ID:t88iehPwo
カーミラが発狂する。逃げおおすには格好の時だ。


カドック「畜生、捨ていくぞ、侍」

アサシン「結構。いささか判断が速すぎるが……いいだろう。ゆけ。すまなかったな。大した役にも立てなんだ」

カドック「いや……助かった。ワイバーンを斬るアンタは鬼神のようだった。生前はさぞ名のある剣豪だったんだろう」

アサシン「ふっ…………旅というのも、悪くはなかった……かな」


剣豪は、力なく横たわった。
192 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/21(土) 18:47:57.55 ID:t88iehPwo
「ごめんなさいな。”ギロチン・ブレイカー”」


突如、ガラスの馬がカーミラを跳ね飛ばす。


アサシン「むぅ、感動の別離で、この仕打ちはなんだ……」

「さあ、乗って!」

ジャンヌ「乗ってくださいカドックさん、キャスター!」

カドック「ルーラーか!?」

「そこの血まみれのあなたも、はやく!」

「おいマリア、彼は決死の大往生を果たすところだったんだ。男の覚悟ってやつを台無しにしてしまうつもりかい。え、僕? 男の覚悟とかクソくらえだ」
193 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/21(土) 18:48:55.87 ID:t88iehPwo
正体不明の二人と共にルーラーが現れる。

どうやらこのガラスの馬に乗って脱出する算段らしい。

ルーラーの手につかまりなんとか騎乗する。キャスターはアサシンと共に騎手の女と非力そうな男にすくい上げられたようだ。


カーミラ「このブタどもがああああああ!」


跳ね飛ばされたカーミラが起き上がり、血を流しながら咆哮する。


「おっと、キミはまだしばらく追ってこないでくれ。”レクイエム・フォー・デス”」

カーミラ「く、体が、重い……おのれええええええ」

「よし、いいぞ。このまま離脱してしまおう。飛ばせ、マリア」
194 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/21(土) 18:49:31.54 ID:t88iehPwo
「ごめんなさいアマデウス。この宝具、重量オーバーなの。これ以上の速度は出せないわ」

ジャンヌ「私が降りて走りましょう。大丈夫。もうずいぶん離れました」

カドック「ぐっ……」

キャスター「カドック、アサシン戦で傷が!?」

カドック「いや、大きな傷はない……少し体に負担をかけ過ぎただけだ。この程度の苦痛で済んだなら安い。気にするな」

どんどん距離が開いて、町も敵影も見えなくなり、なんとか撤退を果たした。


……ように思われた。


ロマン「後方! サーヴァント反応だ、追ってくるぞ!」

キャスター「あれは……かめ……」


か……なにやら巨大な生物に乗ったライダーが高速で接近してくる。


カドック「当然だ。現れたときの速度を考えれば相応の移動手段があるのは予測できた。追い付かれるぞ」
195 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/21(土) 18:50:12.25 ID:t88iehPwo
キャスター「迎えうつ?」

カドック「一騎が相手なら恐れることはない。が、ここはまだ戦場だ。他のサーヴァントに追い付かれたら形成は逆転する」

キャスター「そうね。ここは逃げの一手、かしら」

カドック「おいお前、この馬はあとどれくらいの速さが出せる」

「最高速度でもあの亀さんに追い付かれないかどうかは……それにジャンヌ・ダルクさんが降りたところで重量オーバーは変わりません」

カドック「全員できるだけ荷物を捨てろ」

「荷物……」

「おい、僕を見たのか。降りないぞ。こんなところに置き去りなんて御免だ」

「誰もそんなことは言っていません!」

カドック「荷物があるのは僕だけか! くそ、今のはナシだ。重要度に比べて重量がなさすぎる」

ジャンヌ「私が……足止めします」
196 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/21(土) 18:51:15.13 ID:t88iehPwo
走っていたルーラーが方向転換しようと足を止める……のを、長い刀が静止した。


アサシン「…………」

ジャンヌ「あなた……なにを……」

アサシン「荷物ならここにあろう」


次の瞬間、血まみれの剣士は自ら高速走行中の馬から転げ落ちた。


アサシン「ゆけ」


……手負いのアサシンを一人残し、僕たちは走った。


197 : ◆.qiZSe5l06 [saga]:2018/04/21(土) 18:56:44.77 ID:t88iehPwo
ここまで。画像は期間限定ですぐ消す。がんばれカドック君
197.81 KB Speed:0.1   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)