僧侶「勇者様は勇者様です」

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799 : ◆8F4j1XSZNk [saga]:2020/08/25(火) 23:28:54.38 ID:ALKaSVx60
魚人グループのリーダー「ああ。地下資源に乏しい共和国だが、大砂漠や海底では魔石がそれなりに採れる」

魚人グループのリーダー「以前は需要が限られていたから売れたものでは無かったが、近年はその用途が広がったらしくてな」

魚人グループのリーダー「あの婆さんはその販売ルートを持っている。俺たちは手付かずの海底の石を手に入れる」

魚人グループのリーダー「そういう利害関係さ」

勇者「あのお婆さん、宝石商ですもんね」

褐色肌の武闘家「しかしそんなに儲かるならそちらを本業にしないんですか?」

太った魚人「はっはっは、それは流石に精神が持たないぜ」

太った魚人「高値で売れるような質の良い魔石は死の海の際にあるんだ」

勇者「死の海……」


共和国は広い国土に対して資源に乏しい国だ。
800 : ◆8F4j1XSZNk [saga]:2020/08/25(火) 23:29:28.17 ID:ALKaSVx60
国の中央に大きく広がる砂漠は作物を実らせず。

死の海と呼ばれる南洋は魚の影も無い

大砂漠と死の海はとある一点を中心に広がっており、そこに近づく者には死が訪れるという。


太った魚人「文字通り命がけで潜っているからな。滅多なことじゃ行かないさ」

魚人グループのリーダー「まあこの間潜ったばかりだがな」

勇者「そうなんですか?」

太った魚人「酒場の二号店を出そうと思っていてね。その資金調達というわけだ」

太った魚人「その準備でここしばらくはここも閉めていたんだけれど、明日には再開できそうだ」

勇者「では今まさに忙しい盛りでしたか?」

魚人グループのリーダー「気にするな。どうやらそれどころじゃない状況のようだからな」
801 : ◆8F4j1XSZNk [saga]:2020/08/25(火) 23:29:57.73 ID:ALKaSVx60
魚人グループのリーダー「他に聞いておきたい事はあるか? 力になれる事はなろう」

勇者「ううん……そうだなあ……」

勇者「お店で扱う食材や資材はどこから仕入れていますか?」

魚人グループのリーダー「うん? まさに今盗難被害にあっているあの倉庫を持っている商会だが……」

勇者「……前回の仕入れはいつですか?」

太った魚人「まさに今日、仕入れて来るところだけど……」

勇者「…………」

褐色肌の武闘家「勇者?」

勇者「……うん」

勇者「僕たちも今日はあの倉庫に行くので、仕入れの時もご一緒させてもらっていいですか?」
802 : ◆8F4j1XSZNk [saga]:2020/08/25(火) 23:30:47.59 ID:ALKaSVx60
魚人グループのリーダー「それは構わないが、一体……」

勇者「実はですね……」
803 : ◆8F4j1XSZNk [saga]:2020/08/25(火) 23:31:20.04 ID:ALKaSVx60





──一方辻斬りと猫又ら


辻斬り「猫又は今何本の妖刀を持っているんだい?」

猫又「……手の内は明かさない」

辻斬り「別に敵対している訳じゃないんだからさ……」

辻斬り「はい、そろそろこれ返すね」


辻斬りは腰に差していた刀を猫又に手渡した。

猫又が受け取ったそれは、徐々に泡のように消えてなくなってしまった。


辻斬り「ふー、しんどかった」

猫又「いい加減慣れなよね」
804 : ◆8F4j1XSZNk [saga]:2020/08/25(火) 23:32:11.44 ID:ALKaSVx60
辻斬り「そうは言ってもねえ……」


辻斬りは妖刀への耐性を向上させるため、そしてトラウマを払しょくしていくためにも普段から腰に差すようにしている。

そして限界が来たところで猫又に預けて、という事を繰り返している。


辻斬り「しかし相変わらず便利な力だね。持てる数には限界は無いのかい」

猫又「私はこの姿になれるようになってから、ご主人様の妖刀を回収するのに必要な力が色々と備わった訳だから……」

猫又「そもそもご主人様の刀以外は持てないから、実質打たれた本数以上は無理なんじゃない」

猫又「あの暗器使いって人間の完全下位互換の力だね」

辻斬り「でも刀回収のために便利な能力が他にも備わっている訳でしょ? 猫又本来の力も残っているみたいだし」

辻斬り「そこまで複数の力が扱えるのは珍しいね」

猫又「大して役に立つようなものでもないけどね」
805 : ◆8F4j1XSZNk [saga]:2020/08/25(火) 23:33:32.04 ID:ALKaSVx60
辻斬り「……一つ提案があるんだけど、良いかな」

猫又「何?」

辻斬り「お祓い師も交えて話したいから、彼らを探そうか」

猫又「……?」


辻斬りらは二人を探すために露店が密集している繁華街へと足を延ばした。

予想通り食べ歩きに精を出す狐神と、その横で財布の中を見て溜息をつくお祓い師の姿を発見した。

二人を捕まえて茶屋へと入ると、辻斬りはとある提案をした。

一同は驚き、特に猫又は心底嫌そうな顔をしたのだった。


お祓い師「しかし驚いたな。お前からあんな提案をされるとは」

辻斬り「これからは今まで以上の強敵と出会う事も増えるかもしれない。ベヒモスもその予兆だ」
806 : ◆8F4j1XSZNk [saga]:2020/08/25(火) 23:34:01.14 ID:ALKaSVx60
辻斬り「出来る事はやっておきたいじゃないか」

お祓い師「まあ、な」

お祓い師「だが俺は“処置”をしただけだ。“発動”はしていない」

辻斬り「分かっているよ」

狐神「まあこればかりは急いでもどうにかなるものではあるまい」

狐神「気長に頑張るのじゃな」

猫又「ふう……まあ期待はしないで」

お祓い師「……さて、そろそろ行くとするか」

辻斬り「おや? 何か用事が?」

お祓い師「勇者に呼ばれてんだよ。この後全員で来てくれってな」

辻斬り「……と、言うと」

お祓い師「ああ、詳しくは聞いていないがある程度の目星はついたって事だろうな」
807 : ◆8F4j1XSZNk [saga]:2020/08/25(火) 23:35:11.90 ID:ALKaSVx60
本日はここまでです。

>>785
スレが落ちない程度に頑張ります……。
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/26(水) 04:41:53.34 ID:9IJCgEhDO
>>807
是非頑張って下さい&更新乙です
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/24(金) 03:23:13.84 ID:ox6OiFVR0
未だ待ち続けてるんだ!書いてくれよ!
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/24(金) 21:02:54.72 ID:VnJFlRub0
あの世で続きやってるから見に行くといいよ
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/25(土) 04:23:51.66 ID:Ncef1LXsO
どうだかw
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/25(土) 15:49:46.12 ID:wf/n9Ir50
最近エタったスレ死体蹴りすんの流行ってんの?
晒し上げたりしないでそっとしとくのも優しさだぜw
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