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ギャルゲーMasque:Rade 李衣菜√
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1 :
◆TDuorh6/aM
[saga]:2018/03/27(火) 20:18:25.48 ID:qI0KAu2uO
これはモバマスssです
ギャルゲーMasque:Rade 加蓮√
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1514899399/
ギャルゲーMasque:Rade 美穂√
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1516469052/
ギャルゲーMasque:Rade 智絵里√
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1517466864/
ギャルゲーMasque:Rade まゆ√
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1518286150/
の別√となっております
共通部分(加蓮√81レス目まで)は上記の方で読んで頂ければと思います
また、今回は李衣菜√なので分岐での選択肢には無かった4を選んだという体で投稿させて頂きます
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1522149505
2 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2018/03/27(火) 20:20:24.13 ID:qI0KAu2uO
P「……青春があったよ」
加蓮「は?」
なんかもう、色々あった。
鍋やったり、キスされたり。
遊園地行ったり、キスされたり。
一言で言うなら、きっと青春がピタリと当てはまる言葉だろう。
P「なんて言うかまぁ……高校生だな、って」
今まで、そんな経験した事無かったから。
もしかしたら高校生なら当たり前の事なのかもしれないけど。
正直どうすれば良いのか分からない、ってのが本音だったりする。
P「……ん、そうだ。先週の金曜日さ」
放課後、屋上で。
北条にもキスされたんだ。
なんだかこの学園が突然アメリカンハイスクールになってしまったんじゃないかと疑うレベル。
彼女達からしたら、キスは挨拶がわりなのだろうか。
……んな訳無いよな、流石に。
加蓮「……あれ、鷺沢の事だからもっとはぐらかそうとすると思ってたんだけど」
P「はぐらかして良い事だったのか?」
加蓮「まさか、このまま言い出してくれなかったらポイント失効どころか会員永年追放だったよ」
危ないところだった。
そして。
北条はけらけらと笑いながら言ってはいるが。
それは、つまり……
3 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2018/03/27(火) 20:21:05.36 ID:qI0KAu2uO
加蓮「……何?もう一回キスして欲しいの?」
P「……いや、やけに明るいなぁって」
加蓮「アンタの性格は分かりやすいからね」
P「自分じゃどうか分からんけど、そうなのか?」
加蓮「どうせ『あいつさては俺に気が……いや待てよ?ドッキリの可能性やその場の雰囲気に流さてた場合も考慮すべきだ……取り敢えず次会った時確認しよ』って考えだったんでしょ?」
お見事過ぎて何も言い返せない。
加蓮「……はぁ。それに……ふーん、へー……」
P「なんだ、日本語で話さないと伝わらないぞ」
加蓮「だよね、言葉にしないと伝わらないよね」
……こいつ、どこまで分かってるんだ?
加蓮「まぁいいけど。放課後は時間ある?」
P「あ、悪い……放課後は予定が入っちゃってるんだ」
加蓮「誰?」
気温が一瞬にして0を下回った気がする。
おかしい、さっきまで楽しく談笑出来ていた筈なのに。
いきなり異世界あたりにワープしたりしてないだろうか。
GPS情報を確認しても、別にここはシベリアになっていたりはしなかった。
加蓮「……ねぇ、誰?」
P「……ヒ・ミ・ツ!」
加蓮「は?」
P「ちえ……緒方さんです」
震えてなんていない。
もし震えていたとしたら、それは寒いせいだ。
加蓮「……ふーん、何?また告白の練習に付き合ってとか言われたの?」
P「いや、単純に来れたら来てって言われただけだけどさ」
加蓮「そ。なら断っても問題ないよね」
……いや、その理論はどうなんだろう。
文的には間違ってないが人間的に色々とアレな気がする。
キーン、コーン、カーン、コーン
加蓮「……続きは教室で話そっか」
P「俺知ってるぞ、俺だけ千川先生に怒られるやつだ」
4 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2018/03/27(火) 20:22:00.96 ID:qI0KAu2uO
教室に俺と北条が遅刻して入る。
一斉に向けられる大量の視線が痛い。
特に、まゆと美穂。
なんでお前北条と登校してるの?的なオーラを感じる。
ちひろ「まったく鷺沢君……二年生になって気がたるんでるんじゃないですか?」
P「気は張り詰めてるつもりなんですけどね……」
当然北条はお咎めなし、と。
さっさと窓側の席に座って俺をニヤニヤと眺めてやがる。
俺はと言えばこの後美穂とまゆと智絵里ちゃんに囲まれなきゃいけないっていうのに。
智絵里「……Pくん……その、ライン……見てくれましたか……?」
P「ん、あー……後ででいいか?」
智絵里「……はい…………」
まゆ「智絵里ちゃん、Pさんと仲良しさんですね」
美穂「ふふ、仲が良いのは素敵な事だと思います」
この教室、外より気圧が高過ぎないだろうか。
肩と心にかかる重圧にプレスされそうだ。
ちひろ「特に連絡事項はありません。夕方は雨らしいので、傘を忘れた子は事務室で借りられますから利用して下さいね」
HRが終わり、千川先生が教室を出て行く。
それと同時、北条が俺の席まで来た。
加蓮「さて、鷺沢。私と一緒に一時間目サボってみたりしない?」
P「流石にそれは遠慮させて貰おうかな」
美穂「えっと……貴女は……?」
まゆ「彼女は北条加蓮ちゃんです。先週のPさんの用事の原因ですよぉ」
加蓮「……ん、アンタは確か……」
まゆ「佐久間まゆ、です。まゆは加蓮ちゃんの事をよく知っていますから、自己紹介は結構です」
加蓮「アンタの趣味が覗き見なのは知ってるよ」
まゆ「それはお互い様なんじゃないですか?」
……逃げ出したい。
居心地の悪さが半端無い。
胃が痛くなって来た気がする。
保健室でサボタージュ、悪くないんじゃないだろうか。
美穂「えっと……加蓮ちゃんとまゆちゃんは知り合いだったんですか?」
加蓮「先週の金曜日に偶々会っただけ」
まゆ「偶々、ですか……ふふっ」
加蓮「ところで鷺沢。私が保健室に行きたいのは本当なんだけど、付き添ってくれない?」
P「ん、それなら構わないけど」
この場から離れられるなら、万里の長城だって天竺への旅だって付き合ってやる。
まゆ「でしたらまゆがお付き合いしましょうか?」
加蓮「体調が悪化しそうだから遠慮しとこうかな」
5 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2018/03/27(火) 20:22:39.85 ID:qI0KAu2uO
北条と一緒に教室から出て……
P「……ふぅーー……はぁーー……酸素が美味しい」
思いっきり息を吸い込んだ。
加蓮「おすすめの酸素マスク教えよっか?」
P「酸素マスクが必要にならない状況の作り方を教えてほしいよ」
加蓮「簡単じゃん。私と付き合えば良いだけ」
P「わぁすごい、インスタントラーメンよりお手軽!」
……なわけないだろ。
普段滅多にインスタントラーメン作らないけど。
P「……はぁ」
思わず溜息が漏れてしまう。
可愛い女の子に好意を向けられるのは、まぁ嬉しい事だけど。
それが複数人となると、嬉しいなんて言ってられない。
P「そういや、まだ結局体調悪かったのか?」
加蓮「治ってはいるんだけどね。マスク忘れちゃったから、保健室で貰っとこうかなって」
P「大変だよなぁ、身体弱いって」
加蓮「なにそれ他人事みたいに」
P「他人事だからな。俺はバカだから、風邪ひいても気付かないんだよ」
保健室に着き、北条はマスクを持って出て来た。
サボっちゃおっかなーと言っていたが、流石にそれは止める。
6 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2018/03/27(火) 20:23:17.27 ID:qI0KAu2uO
加蓮「……アンタはさ、好きな子とかいるの?」
P「ん?んー……んー……」
好きな子か……
好きな子、か……
P「好きな食べ物ならすぐにでてくるんだけどな」
加蓮「聞いてないから。私はポテトだけど」
P「うーん……分からん」
加蓮「何それ」
P「友達として好きってのなら何人かいるし、家族として好きもいるけど……恋愛的な、付き合いたい的な話だろ?」
加蓮「だから私が唐突に家族愛について尋ねると思ってるの?」
P「だよなぁ……」
誰かと付き合いたいだなんて思った事も無かった。
そんな事を想像出来るほど、誰かの恋愛を見てきた訳でも無いし。
今いる友達と、ずっと友達でいられれば満足だったから。
P「……誰かと付き合って誰かと気不味くなるくらいなら、誰とも……なんて考えてる様じゃ、失礼だよなぁ」
加蓮「良いんじゃない?それで」
P「良いのか?」
加蓮「失礼も何も、周りの子が勝手に鷺沢を好きになっただけでしょ?鷺沢も好きにすれば良いんじゃない?」
P「そんなもんなのかなぁ……」
加蓮「告白された子の中から選ばなきゃいけないって訳じゃないんだし、保留なり今は応えられないなりそう言えば良いでしょ」
P「んな曖昧な返事されても困らないか?」
加蓮「消去法で付き合われても困るでしょ?それに他の子もアンタを既に困らせてる訳だし」
7 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2018/03/27(火) 20:23:54.90 ID:qI0KAu2uO
うーん、どうなんだろう。
……あれ?なんで知ってるんだ?
P「俺、北条にその話したっけ?」
加蓮「見てれば分かるよ、私だって女の子だもん。あぁ、この子は鷺沢なんかに恋しちゃってるんだなーとか」
P「なんかにって……」
加蓮「まぁ、私もそのうちの一人な訳だけど」
P「……北条、俺は……」
加蓮「返事は……まだ、いいかな。私、ちょっと焦り過ぎちゃってた。よくよく考えれば、出逢って間もない女子から告白されても困るだけだよね」
少し俯いて、それでも微笑む北条。
焦り、か……一体彼女の中でどんな思考が渦巻いていたんだろう。
加蓮「……で、放課後の話。屋上行くの?」
P「ん?その予定だけど……」
加蓮「……行かない方が良いんじゃない?」
P「行かない方が良い……?あ、放課後雨降るからか?」
加蓮「それもあるけど…………うん、あんたの為にね」
俺の為……?
どういう事だ?
P「ってか北条急にどうした?俺の為なんてらしくないぞ」
加蓮「えー?善意の忠告にそんな事言っちゃう?」
P「俺が屋上行くとなんかあるのか?」
加蓮「……良い事は無いと思うよ」
非常にアバウトな表現。
残念ながら俺はバカだから、逆に気になって行きたくなってくる。
8 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2018/03/27(火) 20:24:21.20 ID:qI0KAu2uO
加蓮「……あの子もきっと……あ、ねぇ鷺沢。放課後、代わりに私が行っておいてあげよっか?」
P「……え?」
加蓮「鷺沢の代わりに、私がその子の告白の練習に付き合う。何も問題は無いよね?」
何も問題はない……のか?
加蓮「私はほら、こないだあの子のラブレター読んだし、それなりにアドバイスも出来るんじゃない?」
P「本人に言ってやるなよ?……ん?」
確か、あのラブレターって……
加蓮「よし、決まりだね。鷺沢はその間に、断り方でも考えておけば?」
P「……いいのか?」
加蓮「……私と付き合ってるから、って断り方の方が楽?なら私と付き合う?」
P「……確かに、そんな理由で付き合いたくは無いな。北条だって嫌だろ?」
加蓮「…………うん。ま、私は好き勝手に好きにやるし、好き勝手に好きになる。今回は私の弱さからの特別サポートって感じで」
P「……ありがとう、北条」
加蓮「感謝は態度で示したら?呼び方変えるとかさ」
P「……北条氏?」
加蓮「大名じゃん。鎌倉幕府執権職を継承させないで」
P「じゃあ加蓮で」
加蓮「……うん、よろしい」
9 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2018/03/27(火) 20:25:06.31 ID:qI0KAu2uO
P「さて、帰るか」
まゆ「あら、Pさん。智絵里ちゃんと何か用事があったんじゃないんですかぁ?」
P「ん?あ、そっちは加蓮が行ってくれるって」
まゆ「……そうですか。良かったですね」
美穂「なら、今日もPくんの家にお邪魔して大丈夫ですか?」
李衣菜「お、今日も集まる感じ?私も行っていい?」
P「あぁ、勿論」
四人で俺の家へと向かう。
途中で雨が降ってきたけど、小雨だし本格的に降る前には家に着くだろう。
P「ただいまー姉さん」
文香「お帰りなさい。……あら、いらっしゃいませ」
李衣菜「お邪魔しまーす」
美穂「おじゃまします」
P「あ、まゆ。俺の部屋は二階だから」
まゆ「ご存知ですよぉ」
なんで?
まゆ「……さて、ここが現実のPさんの部屋ですね」
美穂「現実の、って……」
李衣菜「何する?言っとくけど本ぐらいしか無いよ?」
P「事実だけど酷くない?」
まゆ「……男の子の部屋に来たら、するべき事なんて決まってるに決まってますよねぇ?」
そう言って、まゆはベッドの下を覗き込んだ。
美穂「何してるんですか?」
まゆ「エッチな本を探してるんです」
P「おいやめろ」
李衣菜「そう言えば確かに、何処にあるんだろうね」
美穂「Pくんの事ですから、無い筈は無いんですけど……」
P「そんな本、俺は一冊も持ってないぞ」
まぁ持ってるけど。
上手く隠してあるし、バレる事は無いだろう。
10 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2018/03/27(火) 20:26:25.72 ID:qI0KAu2uO
まゆ「何処ですかねぇ?引き出し一番下段の二重底下の箱に入ってたりしませんかねぇ?」
……なんて具体的な例なんだ。
だが残念だったな。
P「……部屋に引き出しなんて無いぞ」
李衣菜「いやあるじゃん」
美穂「……そこに隠してあるんですね……」
まゆ「エッチな本って言った時、一瞬視線がそちらに移りましたからねぇ」
P「いやマジで無いから!引き出しには何も入ってないから!!」
李衣菜「はーい空気が入ってまーす」
P「小学生かお前は」
李衣菜「で、本当に入ってるの?」
P「……ないぞ?マジでないからな?絶対開けるなよ?俺が見張ってるからな?」
コンコン
部屋の扉がノックされた。
文香「お取り込み中すみません。P君、荷物が送られて来たので運ぶのをお願い出来ますか?」
P「……みんなも手伝ってくれたりしない?」
まゆ「まゆはここで何もせずに待ってますよぉ」
美穂「わたしも、力仕事は……あ、安心して下さい!絶対に何もしませんから!」
李衣菜「しょうがないなぁ……私が手伝ってあげるから」
P「……頼むぞ?絶っ対に引き出し開けるなよ?そこは異世界へと続く扉になってるからな?」
まゆ「ご安心下さい、まゆが信用出来ないんですかぁ?」
にっこにこな笑顔だ。
こんな状況じゃなければ惚れてたかもしれない。
P「……信じるぞ?」
美穂「わ、わたしが見張っててあげますからっ!」
李衣菜「はいはい、行くよP」
11 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2018/03/27(火) 20:27:17.64 ID:qI0KAu2uO
バタンッ
俺と李衣菜が部屋から出る。
「さぁ、開けますよぉ!」
「……はいっ!」
P「……遠くに旅に出たい」
李衣菜「あはは……ま、元気出しなよ」
P「二度と女子を部屋に入れないわ」
俺はそう固く誓った。
李衣菜「私もダメ?」
P「李衣菜はいいや」
李衣菜「おっと、それは私を女子だと思ってないって事?」
P「回答は控えさせて頂きます」
信頼してる、って意味なんだけどな。
そんな恥ずかしい事を言いたくも無いし。
文香「……すみません、こちらの段ボールをお願いします」
P「あいよ。李衣菜は悪いけど、中の本を出して机に積んどいてくれるか?」
李衣菜「りょーかい!」
うーん、重い。
若いとはいえ腰やらない様に注意しないと。
……そうだ。
P「……そういえばさ」
李衣菜「ん?どうしたの?」
P「美穂に告白された」
李衣菜に、相談してみる事にした。
李衣菜「えっ、美穂ちゃん勇気出したんだ……!」
P「……知ってたのか?」
李衣菜は美穂と、一年生からずっと仲が良いから。
もしかしたら、前から美穂は李衣菜に想いを打ち明けてたのかもしれない。
李衣菜「まぁうん。前から応援してたんだよね、美穂ちゃんの事」
P「言ってくれれば良かったのに」
李衣菜「言える訳無いでしょ」
P「それもそっか」
李衣菜「で、OKしたの?」
P「……いや、まだ返事をしてない」
李衣菜「……え?なんで?」
突然声のトーンが下がった。
へ、へー……李衣菜ってそんな怖い声も出せたんだな。
P「……えぁ、えっと……それがだな……まゆと加蓮からも……」
李衣菜「……ふーん。モテ期到来じゃん」
声ひっく冷た怖。
12 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2018/03/27(火) 20:27:56.40 ID:qI0KAu2uO
李衣菜「で、Pはどうすんの?」
P「……どうすれば良いんだろうな、ってさ」
李衣菜「……そんなの自分で考えなよ。好きな人と付き合えば良いじゃん」
P「それもそうなんだけどな……」
李衣菜「私としては美穂ちゃんと結ばれて欲しいけど、そこまで口出せる様な事でも無いしね」
好きな人と付き合えば良い、か……
みんなすっごく可愛いとは思うけど。
正直、まゆも加蓮もつい先日出会ったばっかりでよく知らないし。
美穂ともずっと友達って距離で接してたから、付き合うと言われてもピンとこない。
李衣菜「ま、のんびり考えれば良いんじゃない?その間に嫌われちゃうかもしれないけど」
P「それは避けたいなぁ。とはいえ、断っても……」
李衣菜「っていうか、なんでそれ私に相談してきたの?」
P「他に相談出来る相手がいないからだけど?」
李衣菜「……寂しいなぁ」
P「うるせぇ」
李衣菜「あ、そうだ。文香さんは?」
P「姉さんって恋だの愛だのに疎そうじゃない?」
李衣菜「すっごく失礼だけど……うん、確かにそんな気がするね」
P「まぁ、後で少し相談してみようかな」
李衣菜「っよし、こっちは終わったよ」
P「俺ももう直ぐ終わるわ。んじゃ、お茶でも持って部屋戻るか」
李衣菜「部屋に戻る覚悟は出来た?」
……まぁ、大丈夫だろうけど。
P「……お茶、茶葉から育てるか!」
李衣菜「部屋に戻るのは四年後以降になっちゃうね!」
13 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2018/03/27(火) 20:28:56.83 ID:qI0KAu2uO
まゆ「さて、それでは……」
美穂「ひ、開いちゃうんですね……!」
まゆ「いえ、引き出しは開きませんよぉ」
美穂「……え?あ、あれ?」
まゆ「他の人の引き出しを漁るなんて、そんな非常識極まり無い事をまゆはしませんから」
美穂「……で、ですよね!もし本当にしようとしてたら、わたしが止めてたところだもん!」
まゆ「……じとーっ」
美穂「……な、なにかな?」
まゆ「まぁいいです、本命は別にありますから」
美穂「……え?どういう事?」
まゆ「引き出しの底はフェイクです。いえ、一応数冊は隠してあると思いますが、一番バレたく無い本は別の場所にある筈ですから」
美穂「なんでそんな事が分かるの?」
まゆ「Pさんはあれでいて頭が回りますから。おそらくこちらはバレてもまぁ軽度の致命傷で済む程度の本しか隠されていません」
美穂「軽度の致命傷で済むって、言葉が複雑骨折してない?」
まゆ「おそらく先ほどの会話からしても、引き出しの本を見つけさせてそれ以上探させない為に大げさに焦ったフリをしたんでしょう」
美穂「ねえその心理戦必要?」
まゆ「普通に考えてみれば分かる事です。李衣菜ちゃんや美穂ちゃんや文香さんが当たり前の様に出入りする部屋のあからさまもあからさま過ぎる場所に、バレたら本気で困るものを隠すと思いますか?」
美穂「……確かにそうだね。文香さん、割とナチュラルにタンスとか引き出しとか開ける時あるから……」
まゆ「では、そうですね……見られて特に困るのは文香さんや李衣菜ちゃんだと仮定しましょう」
美穂「なんか探偵みたいだね」
まゆ「さて、ここで問題です。誰かに見られては困る物を隠す時、一番自分が見張りやすい場所はどこだと思いますか?」
美穂「……あっ!……えぇ……」
まゆ「はい、おそらくはそこです。基本誰にも開けられず、常に自分で見張れるのは……」
美穂「……学校の鞄、だよね……?」
まゆ「まぁ憶測に過ぎませんけどねぇ……」
美穂「本当だとしたら、Pくん四六時中エッ……えっと、そういう本を持ち歩いてたんですね」
まゆ「では……開けますよぉ」
美穂「さっきそんな事しないって言ってなかったっけ……」
まゆ「あっ、偶然Pさんの鞄が倒れて偶々チャックが開いてて運悪く中の物が出てきちゃいましたぁ」
美穂「白々しさもここまでくると才能だね……」
まゆ「……見て下さい美穂ちゃん。このブックカバーの本、学校で使用する教科書には無いサイズだと思いませんか?」
美穂「……つ、つまり……この二冊の本は……」
まゆ「……さぁ、開きますよぉ!」
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