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唯「てんくうのはなよめ!」
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79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 01:49:15.58 ID:gfTFJXeL0
紬「それに、憂ちゃんがいるのよね……」
唯「え?憂?なんで?」
律「そうだなー、唯のことだからどうせどっかで躓いて……」
唯『え〜ん、わかんないよぉ憂ぃぃ〜』
憂『もう、見せてみて?お姉ちゃん』
唯『おぉ〜、なるほどなるほど!』
憂『そしてこれは〜』サクサク
…………
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 01:49:53.27 ID:gfTFJXeL0
唯『ごめ〜んみんな!憂に全クリしてもらっちゃった♪』
憂『ごめんなさ〜い♪』
四人「あり得る……」
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 01:50:50.45 ID:gfTFJXeL0
唯の家
憂「お姉ちゃん遅いなぁ〜、みんなと喫茶店でも行ってるのかな?寂しいよぉ〜」
憂「はあ、先にご飯食べちゃおっかなぁ……」
ブーッブーッ
憂「あ、メール……お姉ちゃんだっ♪」
『今日から三日間、けいおん部のみんなとうちで冒険の旅に出ます!』
憂「へ?」
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 03:14:03.94 ID:gfTFJXeL0
憂「…………」
憂「……えっと、泊まりにくるってことで良いんだよね……?」
憂「…………って、大変!皆さんの分のご飯も用意しなきゃ!」パタパタパタッ
…………
憂「えぇっお姉ちゃんにゲームのソフトをプレゼントしてくれたんですか!?そんな、悪いですよ……」
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 03:15:09.78 ID:gfTFJXeL0
律「あー、そんな気を遣わなくても大丈夫だぞ?もういらないやつだったし……それに結局みんなで楽しんでるしな」
澪「こちらこそ、突然みんなで週末お世話になることになってごめんな、もしダメならうちに泊まれないかも聞いてみるけど……」
憂「そんな!うちのことは全く心配しないで下さい!私も皆さんと一緒にいれて楽しいですから!」
紬「憂ちゃんのお料理は相変わらずとても美味しいわね、毎日食べられる唯ちゃんが羨ましいわ♪」
唯「良かったら毎晩食べに来なよぉ〜、大歓迎だよぉ〜」
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 03:15:57.93 ID:gfTFJXeL0
憂「はい!私なんかのお料理で良いなら!」
律「おぉ?じゃあお言葉に甘えて……」
澪「お前じゃないっ」ポカッ
律「うわぁ!20のダメージ!」
澪「はあ?」
唯「た、たいへんだぁ!りっちゃんが黄色くなっちゃってる!」
律「う、うぅ、ゆ、唯……」
唯「待っててねりっちゃん!今やくそうを……はいっ(千切りキャベツ)」
律「キャベツうめぇー!!」
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 03:17:04.59 ID:gfTFJXeL0
紬「わぁー、りっちゃん回復ー♪」
律「澪の一撃はおおきづち並みだな……」
澪「だ、だれがおおきづちだ!だれが!」
梓「もう!皆さん食事中なんだから静かにして下さい!!」
唯「あ、プリズニャンもあらわれたー!」
梓「な、なにをぉー!」
憂(な、なんか小学校の教室みたい……)
キャッキャッ
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 03:18:48.81 ID:gfTFJXeL0
おばけたいじ!
唯「ふいー、良いお湯でしたー」
梓「さて、これでみんな準備オッケーですね」
憂「なにやるの?お姉ちゃんからは冒険の旅ってメールが来てたけど……」
律「はは、実はさ、さっき言ってたゲームなんだ」
憂「ゲーム?」
澪「律が唯にあげたゲームをさ、ちょっと部室でやり始めたら、結局みんな夢中になっちゃって……」
梓「それで、それならこの週末使ってみんなでやろうって」
憂「ああ、そういうことだったんだ!」
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 05:08:52.59 ID:gfTFJXeL0
唯「憂も一緒にやろうよぉ〜」
憂「うん!お邪魔じゃなければ!」
紬「邪魔な訳ないわ♪」
憂「わーいっ♪」
ういが なかまに くわわった!
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 05:09:35.77 ID:gfTFJXeL0
憂「じゃあ私、お夜食とお茶、持って来ます」
梓「あ、私も手伝うよ憂」
憂「ありがとーっ!」
紬(みんなとお泊まりしてゲーム……!あぁっ!楽しい〜〜〜〜〜〜〜っ♪)
…………
唯「という訳でアルパカだね」
梓「アルカパです」
唯「どっちでも良いじゃん」
梓「ダメです」
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 05:10:40.74 ID:gfTFJXeL0
澪「サンタローズと比べると随分栄えた町だな」
律「唯、操作出来るようになったら武器防具屋覗いてみようぜ」
唯「そうだねりっちゃん!」
憂「へぇ〜、なんだか楽しそう!」
紬「ごめんなさいね、私達先に部室でやってたから、憂ちゃんは途中からになっちゃって」
憂「そんな、気にしないで下さい!」
澪「まあまだまだ序盤だからな、ここからでもきっと物語にはついていけるよ」
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 05:11:33.15 ID:gfTFJXeL0
唯「ビアンカのお父さん、大丈夫かなあ?」
澪「重い病気じゃなければ良いんだけど……」
律「それに比べて奥さんは強そうだな」
梓「ほんとですね、ビアンカと二人でサンタローズに行ったくらいですし、本当に強いのかも」
憂「あ、動けるみたいだよお姉ちゃん」
唯「ほい!」
ビアンカ『お散歩にいくの?わたしもつきあうわ』
唯「あ、ビアンカが後ろからついてくる。なんかかわいい〜」
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 05:13:31.99 ID:gfTFJXeL0
澪「ビアンカにもステータスが設定されてるな。ということは、今後一緒に戦うことになるのかな?」
紬「女の子なのに?」
梓「まあ律先輩みたいな女の人もいますからね」
律「おい、中野」
澪「きっと魔法で戦って行くタイプなんじゃないかな。RPGは、戦士タイプとか、武闘家タイプとか、魔法使いとか、それぞれ得意分野があるものなんだよ」
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 05:14:12.68 ID:gfTFJXeL0
唯「じゃあ、女の子はきっとみんな魔法使いさんなのかもね」
梓「そうですね」
律「でも、女の子で武闘家とかいても面白そうだけどなー」
梓「面白いですけど、さすがにないんじゃないですか?」
唯「いたらかっこいいけどねー」
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:28:01.10 ID:pMZ4AqP/O
憂「あれ?お姉ちゃん、猫ちゃんがいるよ?」
唯「え、どこどこ?」
紬「ほら、唯ちゃん、この橋を渡ったところ!」
唯「ほんとだ!ねーこさんやぁ〜」
律「ん?この猫いじめられてるんじゃないのか?」
澪「本当だ!」
唯「こ、このワルガキどもめー!」
憂「お、お姉ちゃん口悪いよ!」
梓「でも許せない!猫をいじめるなんて!」
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:29:12.29 ID:pMZ4AqP/O
ビアンカ『やめなさいよ!かわいそうでしょう。その子をわたしなさい!』
唯「おお!よく言ったよビアンカ!」
『レヌール城のお化けを退治したら、このネコをあげるよ!』
澪「お、おばおばおばおばお化け……?」
紬「み、澪ちゃん、大丈夫よ、みんないるから」
律「お化け退治かー、きっとモンスターだな、冒険らしくなってきたじゃん」
梓「ですね!」
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:30:12.44 ID:pMZ4AqP/O
唯「でも、レヌール城ってどこにあるんだろう?」
憂「町の外に出ないといけないんじゃないかな?」
唯「ふぅーむ、でもこの街にも門番さんがいるんだよねぇ〜」
梓「そうだ!お父さんに事情を話すんじゃないですか?」
唯「おお!アズニャン冴えてる!」
梓「お父さん強いですし、きっと一緒に行ってくれますよ!あとカタカナやめてください」
唯「じゃあアズニャンの言うとおり、ビアンカのおうちに帰還しまーす!」
紬「はーい♪」
梓「聞いてないし……」
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:31:32.28 ID:pMZ4AqP/O
唯「お父さーん、あのねー」
パパス「待たせたなホウカゴ。ダンカンの病気はどうやらただのカゼらしい。さて そろそろサンタローズの村に帰ることにしよう!」
唯「ええっ!?」
憂「お父さん、協力してくれないのかな?」
律「えー?どうなるんだ?これ」
『パパスさん、パパスさん、このまま帰るなんてとんでもない!せめて今日だけでも泊まっていってくださいな!』
唯「あ、おかみさんナイス!」
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:32:13.98 ID:pMZ4AqP/O
パパス『それではお言葉にあまえることにするかっ』
梓「良かったですね……」
憂「お約束破っちゃうところだったね……」
パパス『さてと……。明日は早く出るぞ。村の皆が待っているからな。今日はもう眠ることにしよう。おやすみ、ホウカゴ』
律「って寝るのはえーな」
紬「お風呂入らないのかしら」
唯「ご飯も食べてないよ……」
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:34:19.18 ID:pMZ4AqP/O
憂「明日は早く出るって言ってたけど、お化け退治大丈夫なのかな?」
律「ビアンカと何か話せるかと思ったら強制的に寝かしつけられたしな」
『ホウカゴ起きて……ホウカゴ……』
澪「ひぃっ!?」
紬「み、澪ちゃん大丈夫?」
ビアンカ『起きたわね、ホウカゴ。じゃあ はやくいきましょう。どこへって?もちろん、レヌール城へよ。お化け退治をして あの子ネコを助けなくちゃ。レヌール城は この町からずっと北にあるそうだわ。さあ いきましょう』
憂「ほ、ほらビアンカちゃんですよ、大丈夫です、澪さん」
澪「うぅ……」
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:35:23.06 ID:pMZ4AqP/O
律「このお化け退治の間は、澪は役に立たないかもしれないな……」
梓「そう考えると憂の加入は心強いですね」
憂「え?そ、そうかな」
唯「あ、門番のおじさん寝ちゃってる」
紬「こんなところで寝て大丈夫なのかしら?」
律「そういえば昼間にビアンカが夜になると寝ちゃうって言ってたけど、あれはこの伏線だったんだな」
梓「そうですね」
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:35:59.56 ID:pMZ4AqP/O
憂「お姉ちゃん、ここからは‘はなす’を積極的に使ってみようよ、色々とヒントが隠されてるのかも」
唯「そうだね!お話しできるの楽しいしね!」
梓「レヌール城は北西って言ってましたね」
唯「それじゃあ行ってみますか」
紬「あ、唯ちゃん待って!」
唯「ふえ?」
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:37:04.69 ID:pMZ4AqP/O
律「レベルか?」
紬「うん、きっとレヌール城にはボスさんがいると思うの、でも、まだホウカゴちゃんもビアンカちゃんもレベルが低いから、しばらくアルカパの近くでレベルを上げた方が良いんじゃないかしら」
梓「うーん、でも、一晩しか猶予がないんですよね?」
唯「明日は早く出るってお父さん言ってたもんね」
紬「そうよね、それは確かに問題だわ……」
律「おーい、澪?」
澪「ひっ!な、なんだよ!?」
律「やっぱり澪はレヌール城の間は戦闘不能と……」
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:37:46.88 ID:pMZ4AqP/O
梓「って唯先輩、どうしてビアンカの家に戻るんですか?」
唯「へ?そういえばタンス調べてなかったと思って……」
憂「ねえお姉ちゃん、戻ったらひょっとして……」
ビアンカ『もどってきちゃったわね。あ〜あ、眠いわ…… 今夜はもう やめにしましょう。また明日ね おやすみ、ホウカゴ』
唯「あ、あれ!?」
梓「明日って……」
紬「明日はサンタローズに帰っちゃうのよね?」
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:38:33.51 ID:pMZ4AqP/O
律「お、おいどうすんだよ唯?」
唯「そ、そう言われましても〜」
パパス『ハクション、ハクション! うう 頭がいたい……どうやらカゼをうつされてしまったらしいぞ。なさけないことだ』
紬「あら?」
憂「お父さん風邪みたいですね」
唯「じゃあ、出発は中止?」
紬「パパスさんには申し訳ないけど……ホッとしたわ」
唯「でもどうしたらいいんだろう?」
律「ビアンカを探してみよう、何かわかるんじゃないか?」
憂「そうですね」
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:40:14.93 ID:pMZ4AqP/O
ビアンカ『ねえ、今夜もいくでしょ。今のうちにねておく?』
律「あ、ビンゴだな」
唯「りっちゃん凄い!」
律「へへーんもっと誉めろー!」
唯「律さまー!律神さまー!」
梓「なにしてんすか」
ビアンカ『じゃあ おやすみ。夜、むかえに行くからね……』
紬(私だけかしら……なんだかビアンカちゃんの言葉がどことなくいやらしく感じるのって……)
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:42:08.22 ID:gfTFJXeL0
唯「…………」
律「おい、唯」
紬「唯ちゃん?」
憂「お姉ちゃんどうしたの?」
唯「うぅレベル上げ飽きた……」
律「あーあ、やっぱりこうなったか……」
梓「レベルはともかくとして、装備は揃えられるくらいお金は貯めたいですよ、唯先輩、頑張りましょう!」
唯「もうレヌール城行っても良いんじゃない……?」
梓「ダメです!ビアンカもケガしちゃいますよ!」
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:45:00.37 ID:gfTFJXeL0
唯「それは嫌だけどぉ〜」
紬「あ、じゃあ、こんなのはどうかしら!10分ずつ交代でレベル上げをするの!」
律「お!良いな!」
梓「そういえばここまでずっと唯先輩がやってましたもんね、私もやってみたいです!」
唯「おぉー、みんな、助かるよぉ〜」
……レベル上げ中……
律「それにしてもパパスの風邪治んねーな」
唯「もう何日目?」
梓「20日は経ってるんじゃないですか?」
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:49:22.49 ID:gfTFJXeL0
律「もうそれ風邪じゃなくて本気でヤバイやつだろ、ゲームだから仕方ないとは言ってもさ」
梓「ホウカゴは毎晩隣で寝てるのにうつされないんですね」
唯「強いからじゃない?」
憂「お父さんはもっと強いよ、お姉ちゃん」
唯「あ、そっか」
梓「でも、だいぶレベルも装備も良くなりましたね!」
紬「これならお化け退治に行っても安心かもしれないわ」
梓「どれくらいやれば良いのかわからなくて、ちょっと上げすぎたかもしれないですね」
律「もうこの辺のモンスターは瞬殺だもんなー」
【現時点】
ホウカゴ
Lv13
ビアンカ
Lv14
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:50:42.69 ID:gfTFJXeL0
唯「おぉ、ここがレヌール城か……」
梓「結構雰囲気ありますね……」
憂「音楽もなんかドキドキするね」
律「おーい澪、レヌール城だぞー」
澪「や、やだぁ!やだあーー!!」
紬「物語追えなくなっちゃうわよ、澪ちゃん」
澪「うぅ……」
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:51:53.12 ID:gfTFJXeL0
唯「??扉が開かないよ?」
憂「うーん、他のところから入るんじゃない?お姉ちゃん」
律「唯、裏に回れそうだぞ、行ってみようぜ」
梓「視点切替もして下さいね」
唯「ほーい、あ、ほんとだ、ここから登れそうだよ!」
律「へぇー、しかしよく出来てるよなー」
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:55:29.36 ID:gfTFJXeL0
澪「お、おい唯……早くクリアしちゃおうよ……」
律「わっ!!!!」
澪「うわあああああああ!?って律!!」
律「クスクスクス」
澪「こ、この……!」
唯憂梓紬「わっ!?」
澪「わああっ!み、みんなまで……?」
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:56:02.66 ID:gfTFJXeL0
紬「ご、ごめんなさい澪ちゃん」
梓「裏口に入れそうな所があったので、入ってみたんですけど……」
憂「入った瞬間閉じ込められちゃって……」
唯「驚いたねぇー」
澪(レ、レヌールやだ、レヌール怖いぃ……)
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:56:38.90 ID:gfTFJXeL0
…………
唯「あれ!?ビアンカが誘拐された!」
澪「ひいっ!?」
梓「あ、あの透明なのって、ひょっとして幽霊……?」
澪「ひえぇぇっ」
憂「や、宿屋さんに泊まったのに、いつのまにか外に出てるよ……?」
澪「うぅぅ……」
紬「あのおじいさん……人間じゃないわね」
澪「きいいいいーー!!」ボカボカボカッ
律「わー!!どうしてそこで私を叩くんだーー!」
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:57:42.18 ID:gfTFJXeL0
…………
唯「よわっちかったね、おやぶんゴースト……」
憂「ちょっと強くし過ぎちゃったのかも……」
紬「でも、これで王様も王妃様も安らかに眠れるのね」
律「やれやれ、猫を助ける為に色々苦労させられたよなー」
ビアンカ『あら?なにかしら?きれいな宝石ね。きっとお礼よ。ねえ、持ってゆきましょう』
ビアンカは金色に光るオーブをひろってホウカゴに手わたした。
ホウカゴはゴールドオーブを手に入れた!
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 08:58:45.79 ID:gfTFJXeL0
律「お!なんかレアっぽいアイテムだな!」
憂「なくさないように気を付けようね、お姉ちゃん」
梓「でも、これでビアンカとの冒険も終わっちゃうんですね……」
紬「うん……ちょっと寂しいかも……」
唯「大丈夫だよ!きっとまた一緒に冒険出来るよ!」
憂「お姉ちゃん……」
律「そうだな、それにサンタローズとアルカパなんてすぐ近くだし、またいつでも会えるさ」
唯「よし!じゃあアルカパに戻るよー!」
レヌール城のお化けをホウカゴが退治したというウワサはその夜のうちにひろまった。
そして夜が明けた……
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 09:01:21.47 ID:gfTFJXeL0
唯「おお、大ニュースの予感!」
憂「でも、こっそり夜に抜け出してた意味がなくなっちゃったね」
梓「あはは、そうかも」
唯「あ!猫さんくれるって!良かったねー」
『おまえら、けっこう勇気あるよな!』
唯「ふんす!」
憂「えへへ、誉められたねお姉ちゃん」
律「勇気の欠片もないやつがここに一人いるけどな……」
澪「な、なんだよぉ……」
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 09:02:02.14 ID:gfTFJXeL0
ビアンカ『そうだわ!このネコさんに名前をつけてあげなきゃ!』
唯「おお!そうだねビアンカ!」
律「どうする?唯」
唯「あずにゃんで良いんじゃないかな?猫さんだし」
梓「却下です!」
唯「えぇ〜……」
紬「あら?でも唯ちゃん、ビアンカちゃんが名前決めるみたいよ?」
唯「え?あ、ほんとだ」
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 09:02:36.37 ID:gfTFJXeL0
ビアンカ『ボロンゴってどうかしら?』
唯「えぇぇ……」
憂「こ、これはダメだねお姉ちゃん」
ビアンカ『じゃあ……プックルってどうかしら?』
澪「ボロンゴよりはマシなんじゃないか?」
律「猫の名前かって言われると疑問だけどなー」
紬「どうやら幾つか候補があるみたいね、とりあえず全部聞いてみましょう?」
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 09:03:22.09 ID:gfTFJXeL0
ビアンカ『じゃあ……チロルってどうかしら?』
唯「ちろる!」
憂「かわいい名前だね、お姉ちゃん!」
梓「でも、この子にはちょっと可愛すぎるんじゃないかな……?」
ビアンカ『じゃあ……ゲレゲレってどうかしら?』
紬(ゲル状)
唯「うう……なんかトンヌラを思い出すネーミングセンスだよ……」
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 09:04:00.22 ID:gfTFJXeL0
ビアンカ『じゃあ……アンドレってどうかしら?』
律「プロレスラーかいっ」ビシッ
ビアンカ『じゃあ……リンクスってどうかしら?』
梓「リンクス……私、この名前好きかもしれないです」
ビアンカ「じゃあ……モモってどうかしら?」
澪「うーん、なんかいまいちピントがずれてるよな」
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 09:04:47.43 ID:gfTFJXeL0
ビアンカ『じゃあ……ソロってどうかしら?』
憂「なんか猫ちゃんの名前から遠ざかったね……」
ビアンカ『じゃあ……ビビンバってどうかしら?』
律「なあ、これビアンカもめんどくさくなってきてるだろ」
唯「なんかそんな感じがするね」
紬「ドラクエの世界にもビビンバってあるのかしらね」
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 09:05:30.21 ID:gfTFJXeL0
ビアンカ「じゃあ……ギコギコってどうかしら?」
六人「うっ……」
唯「な、なんか私、このギコギコって言葉凄くいや……」
澪「わ、私も……」
律「なんか、いやーなこと思い出しそうになるな……」
憂「み、皆さんもですか……?」
梓「私も……なんか身を切り裂かれるような嫌な感じがします……」
紬「こ、この名前は除外しましょう……」
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 09:06:45.79 ID:gfTFJXeL0
…………
律「じゃあ、平沢姉妹がチロル、私と澪がプックル、ムギが……ほんとにゲレゲレが良いのか?で、梓がリンクス、と」
澪「多数決だとプックルかチロルになるな」
梓「えー!リンクスが良いですよ!ぜったい!」
紬「ゲ、ゲル……ゲレゲレも良いわ!」
憂「どうしよう、お姉ちゃん?」
唯「うーん……あ!そうだ!」
澪「どうした?唯」
唯「じゃあさ、この中から和ちゃんに決めてもらおうよ〜」
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 09:07:26.33 ID:gfTFJXeL0
紬「和ちゃんに?」
律「まあ、ここでそんなに時間掛ける訳には行かないしな……良いかな?みんな」
みんな「オッケーです!」
唯「じゃあ、メールしてみるね〜」
…………
ビアンカ『決まったわね!今日からあなたはゲレゲレよ!』
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 09:08:23.00 ID:gfTFJXeL0
紬「〜〜♪」
唯「の、和ちゃんはチロルを選んでくれると思ったのに……」
澪「なんだか和がどんどんよくわからなくなるよ……」
梓「考えてみたら唯先輩の幼なじみなんだし、普通の人じゃないのかも……」
憂「え、ええ?」
律「ま、まあ、決まった物は仕方ないしな、唯、先に行こうぜ!」
唯「そ、そうだねりっちゃん……」
澪「まあ飼うのはきっとビアンカになるだろうし、名前なんて……」
ビアンカ『ゲレゲレちゃんは、ホウカゴが連れて行ってね。わたしの分までかわいがってよ』
澪(こうなるんかい……)
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 09:09:17.22 ID:gfTFJXeL0
唯「なんかビアンカって、ちゃっかりしてるよね」
律「まあ良いんじゃないか?お母さんが猫アレルギーだって言ってるし」
憂「アルカパともお別れだね、お姉ちゃん」
唯「長かったような短かったようなだよぉ」
紬「夜中にこっそり抜け出してお化け退治なんて、きっとこの二人にとってずっと大切な思い出になって行くわよね」
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 09:10:29.21 ID:gfTFJXeL0
ビアンカ『ホウカゴ!』
ビアンカ『しばらく会えないかもしれないから、これをあげる……』
ビアンカ『そうだわ!ゲレゲレちゃんにつけてあげるね』
ビアンカはゲレゲレにリボンをつけてあげた!
ビアンカ『ホウカゴ。またいつか一緒に冒険しましょうね』
ビアンカ『ぜったいよ』
ビアンカ『元気でね、ホウカゴ』
憂「な、なんだろう、なんか感動するよお」ウルウル
梓「別れ難いね……」
唯「だ、大丈夫、また会えるから……」ウルウル
紬(ビアンカちゃん、ひょっとしたらホウカゴちゃんのことを……)
憂「ビアンカちゃん……」
唯「ビアンカ……」
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/27(火) 09:17:33.07 ID:+rrCtaNIO
和ちゃんはテリワン勢か
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 09:24:47.38 ID:gfTFJXeL0
律「相変わらず外には出れないみたいだし、洞窟も行けるところまでは行っちゃったしな、どうするんだろ?」
澪「まあRPGの基本、聞き込みだな」
紬「それにしても、ゲレゲレちゃんが一緒に戦ってくれるとは思わなかったわ」
梓「あんまり言うこと聞いてくれないですけどね」
唯「まだ子猫ちゃんだし仕方ないよぉ〜」
憂「きっとこれから良い子になってくれるんだよ、梓ちゃん」
澪「ビアンカが抜けて手薄だし、ゲレゲレのレベル上げもしたい所だけど、あの洞窟だともう心もとないよな」
唯「もうレベル上げは嫌っす……」
梓「してもいいですけど、経験値を稼げる所が良いですね」
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 09:25:47.19 ID:gfTFJXeL0
律「ん?唯、なんか教会の近くに新キャラがいるぞ?」
唯「え?」
澪「本当だ、見た目がなんだか特別っぽいから、あの人に話しかけたら物語が動くのかもしれないぞ」
紬「なんだか服装がホウカゴちゃんと似ているわね」
憂「そうですね、そっくりです」
唯「ゴールドオーブを見せて、だって。澪ちゃんどうしよう?」
澪「悪い人でもなさそうだし、見せるだけなら良いんじゃないか?」
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 09:28:10.07 ID:gfTFJXeL0
梓「盗まれちゃったりしませんかね」
唯「大丈夫だよお、そしたらお父さんが助けてくれるよ」
『本当にきれいな宝石だね。はい、ありがとう』
唯「あ、ほら、返してくれたよ」
『坊や、お父さんを大切にしてあげるんだよ』
律「……なんか普通に良い人じゃん?」
梓「う、疑ったりして申し訳ない気持ちになります」
『坊や、どんなツライことがあっても、負けちゃだめだよ』
紬(ひょっとしたらこの人、ホウカゴちゃんについて何か知っているのかもしれないけど……今は、まだ黙っておこうかしら)
憂(もしほんとにそうなら、すぐにわかるはずだよね)
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/27(火) 14:23:21.66 ID:1tv+3JtTo
多分もう書き上げてるんだろうけど100レス越えてまだサンタローズってどんだけ長くなるんだ
途中でダレるぞ
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/27(火) 15:10:21.68 ID:iVvMEPfgO
ええやん、面白いし頑張って完走してくれ
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/27(火) 21:47:35.49 ID:Bpd1jUyfo
このシーン泣けるよな
134 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 02:14:38.54 ID:snpE5JBy0
澪「うーん、何か変わった物と言えば、あの男の人と、あともうすぐ春なのに妙に寒いって言われてることと……」
律「あとなんかイタズラっ子がいるみたいだな」
唯「もうダメだよりっちゃん!」
律「私じゃねーし!!!!」
梓「でも、どれも別にモンスターとかは関係なさそうです」
唯「あれ?」
憂「また半透明な人がいるね?」
律「レヌール城にいた奴か?ひょっとしてまたお化け退治か?」
澪「ひい!?も、もう嫌だあ!」
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 02:15:16.91 ID:snpE5JBy0
『まあっ!あなたには私が見えるの!?よかった!やっと私に気がついてくれる人を見つけたわ!私が何者か、ですって?待って、ここじゃ落ち着かないわ。たしかこの村には 地下室のある家があったわね……
その地下室に行ってて!私もすぐに行くから……』
紬「澪ちゃん安心して?お化けじゃなさそうだわ」
澪「そ、そう……?」
『来てくれたのね!私はエルフのベラ』
梓「エルフ!なんだかファンタジーっぽくなってきましたよ!」
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 02:16:05.95 ID:snpE5JBy0
律「お化けの次はエルフかー、ま、エルフなら澪は大丈夫だな」
唯「あ、イタズラしてたのはベラちゃんなんだね」
梓「さっきお鍋のシチューが空になってるっておばさんが言ってましたけど、それもこの子が食べちゃったんでしょうか?」
律「人間に気付いて欲しかったって……シチューは絶対腹減ってただけだろ」
澪「あ、パパスさんが来たぞ」
紬「ベラちゃんの姿は……やっぱり見えていないようね」
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 02:18:40.09 ID:snpE5JBy0
唯「妖精の国に来て、だって!楽しそうだね!」
澪「妖精の国かあ、良いなあ、楽しそうだなあ!」
律(こりゃさっきとは正反対になりそうだ)
…………
唯「おぉ、雪が綺麗だねえ」
紬「音楽も、優しげで、幻想的で凄く良いわね」
澪「この人がポワン様か」
唯「ポワンって、綺麗なお名前だね」
梓「とりあえず、春風のフルートっていう物を持ってくれば良いんですね」
澪「妖精の、春を告げるフルートか……」
紬「なんだか歌詞のヒントになりそうって顔をしているわ、澪ちゃん」
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 02:19:40.48 ID:snpE5JBy0
澪「ムギ、うん、実はそうなんだ」
憂「私も素敵な世界観だと思います、でも、そんな大事なフルートを奪うなんて……」
唯「許せないね!」
律「お、このベラって子も一緒に来てくれるってさ」
紬「まあ、ビアンカちゃんが抜けて心配だったけど、心強いわね」
…………
律「ベラはこっちの指示を聞いてくれないんだな」
紬「レベルアップもしないみたいね」
澪「妖精の国のみでのスポット参戦だから、かな?」
紬「だとすると、やっぱりビアンカちゃんはまたいつか仲間になってくれるってことなのかしら?」
梓「そういうことかもしれませんね」
唯「きっとそうだね!待ち遠しいよぉ〜」
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 02:21:14.76 ID:snpE5JBy0
…………
唯「ドワーフの洞窟ってここでいいのかなー?」
梓「とりあえず奥に進んでみましょう、敵もそんなに強くなさそうですし」
憂「あ、誰か住んでるよお姉ちゃん!追い出されたドワーフってあの人かな?」
『カギの技法は、この洞くつ深く、宝箱の中に封印した。どうかザイルを正しき道にもどしてやってくだされ』
紬「カギの技法のことと、ついでに犯人も教えてくれたわね」
律「ザイルか。そいつがボスってことだな」
唯「うぅ〜……どうせカギの技法くれるなら、私たちに取りに行かせないで持ってきてくれたらいいのに……」
律「贅沢言うなっ」ビシッ
唯「あうっ」
ベラ『ここって暗いし、ジメジメしてるし、魔物は多いしイヤな感じっ!』
唯「うんうん、わかるよベラちゃん……」
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 02:26:55.47 ID:snpE5JBy0
律「このはなすコマンド面白いよなー」
澪「もし律が仲間にいたら、はなすコマンド使わなくても勝手に喋ってそうだよな」
律「秋山さん、それはどういう意味かしらぁ?」
唯「澪ちゃんは洞窟とかだとずっと‘…………’になりそうだよねぇ」
澪「な、なんだよ!それ言ったら唯だってお腹すいたしか言わなそうだぞ!」
律「梓はガルルルルー!とかフニャーゴロゴロだな!」
梓「なんでゲレゲレと同じ扱いなんですか!やめてくださいよ!」
ベラ『やったわね!これでカギのかかったトビラを開けられるわ。あっでも、悪いことに使ったりしちゃダメだからね!』
唯「あ、カギの技法見つけた」
律「ん?思ってたよりあっさり手に入ったな。本番は氷の館ってことか?」
紬「そうかもね、氷の館へ行く前に宿に泊まって、その後にセーブもしておきましょう」
唯「りょーかいです!」
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 02:29:25.27 ID:snpE5JBy0
…………
憂「あれ?サンタローズに戻ってきてるね、お姉ちゃん」
唯「ほんとだ、私達ちゃんと妖精の国に泊まったよね?」
律「レヌール城の宿屋でも同じようなことがあったな、確か」
憂「確か目が覚めたら外にいて、そして近くにいたおじいさんが……」
澪「見えない聞こえない見えない聞こえない見えない聞こえない見えない聞こえない……」
憂「わあ、ご、ごめんなさい澪さん!こ、怖がらせようとした訳じゃ……」
…………
唯「よくわかんないけど、妖精の国で寝るとサンタローズに戻ってくるんだねぇ」
憂「お父さんには夢でも見たなって言われちゃったね」
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 02:30:12.40 ID:snpE5JBy0
梓「船でもそんなこと言われましたね、そういえば」
律「パパスがついてきてくれたら冒険も楽勝なんだけどなー」
澪「それじゃあゲームにならないだろ」
唯「氷の館に着いたよぉー」
…………
唯「えぇ!?この床滑るよ!?」
梓「所々穴が空いてるのはなんですかね」
澪「罠かもしれない、唯、ゲームオーバーになったらいけないから慎重に……」
ヒューーン
律「一足遅かったなー、澪」
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 02:31:14.89 ID:snpE5JBy0
ベラ『いった〜い!もう!ここの床ったらツルツルすべるし落とし穴はあるしイヤになっちゃう!』
紬(かわいい)
憂「あ、でも落ちたらやり直しになるだけみたいですよ、澪さん」
澪「それならいいけど、滑る床に落とし穴か、厄介だな」
律「澪が最初に言ってた謎解きか?」
唯「謎解き!?無理っす!」
憂「あ、大丈夫だよお姉ちゃん、私もうわかるよ」
梓(さすが憂……)
…………
紬「あら、あそこにいるのがザイルじゃないかしら?」
律「なんかヘンタイみたいな奴だな」
梓「そうですね、さっさと殺っちゃいましょう」
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 02:32:12.02 ID:snpE5JBy0
澪「回復は……憂ちゃんが既にしてくれてるな」
唯「自慢の憂ですから」
憂「えへへ〜」
…………
唯「うーん、ザイルもそんなに強くないねぇ〜」
律「まあ三人いるし、ホウカゴはレヌールで育て過ぎちゃってたしな」
紬「ベラちゃんも回復に補助に頑張ってくれてるわ」
澪「雑魚敵相手だと自重してくれって思うけど、ボス戦だと頼りになるな」
梓「ゲレゲレは相変わらず言うこと聞きませんけどね……」
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 02:32:57.49 ID:snpE5JBy0
憂「あ、やっつけたよ、お姉ちゃん」
ザイル『くそー!お前はなかなか強いな……。え?じいちゃんを村から追い出したのは ポワンさまじゃないって?』
唯「ふんす!見たかざいる!!」
澪「今回戦ってくれたのは憂ちゃんだろ」
梓「でも、良かったですね、これで春に……」
ザイル『けど、雪の女王様が……』
紬「あら?」
唯「雪の女王さま?」
『ククククク……とんだジャマが入ったこと……。やはり、子供をたぶらかしてという 私の考えは甘かったようですね。こんどは私が相手です。さあ いらっしゃい!』
唯「わあ!?」
澪「れ、連戦か!」
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 02:33:39.57 ID:snpE5JBy0
紬「黒幕は雪の女王だったのね……」
唯「雪は白いけど、黒幕……!」
梓「憂、大丈夫そう?」
憂「うん、ザイルくんにはそんなに苦戦しなかったから、大丈夫だと思う!」
ゆきのじょおうは こおりつく いきを
はいた!
律「うーん、ちょっと強いな」
紬「ホウカゴちゃんは大丈夫そうだけど、ゲレゲレちゃんとベラちゃんが心配ね」
唯「あうぅ……ゲレゲレ……」
憂「大丈夫です、皆さん」
梓「え?」
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 02:34:15.20 ID:snpE5JBy0
律「……強い攻撃の前には必ず回復して予防線を張ってるな」
紬「危なげない戦い方ね……」
澪(まさか憂ちゃん、もう攻撃パターンを読んだのか?)
唯「おぉ〜、さすが憂だねぇ」
憂「えへへ」
澪(憂ちゃんもRPGは初心者な筈なのに……本当に優秀な子だよな……)
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 02:34:59.14 ID:snpE5JBy0
ポワン『ホウカゴ、よくやってくれました。これでやっと 世界に春を告げることができますわ。なんてお礼を言えばいいのやら……。そうだわ 約束しましょう』
ポワン『あなたが大人になり、もしなにか困ったとき、再びこの国を訪ねなさい。きっとチカラになりましょう。いいですか?よく覚えておくのですよ。さあ、そろそろ お別れの時です』
唯「えへへ、感謝されちゃったね」
憂「困ったことがあったら力になってくれるって!良かったね、お姉ちゃん!」
唯「宿題とか試験勉強とかかな?」
澪「いや、そんなことでエルフを頼るなよ……」
ベラ『ホウカゴ、あなたのことは忘れないわ。あなたも私のこと忘れないように、これを持って行ってね』
ホウカゴは1本の木の枝を受け取った。
ベラ『その枝は、今は寒くて枯れかかっているけど……世界に春が告げられれば、すぐに元気になると思うわ。それじゃあ元気でね、ホウカゴ』
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 02:35:48.40 ID:snpE5JBy0
唯「うう、ベラちゃんともお別れだね……」
紬「私、好きだったわ、ベラちゃん」
ポワンは春風のフルートをそっとくちびるにあてた…
唯「わあ!」
憂「さくら!綺麗だねお姉ちゃん!」
梓「なんか……協力出来て良かったって気になります」
澪「私、この妖精の国のお話は凄く好きだったな」
紬「ええ、私も……」
唯「……あ、画面が変わるよ、サンタローズの地下室かな?」
憂「そうだね、戻してくれたんだ」
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 02:36:39.30 ID:snpE5JBy0
唯「本当にお別れなんだね、階段も消えちゃった……」
六人「あ……」
唯「さくらが、さくらの花がひとひら舞ってる」
六人「……」
律「…………よし!次の冒険だなっみんな!」
唯「お、おおー!」ウルウル
憂「ひぐっ、が、頑張りましょう……」
梓「またね、ベラ……」グスッ
紬「ベラちゃん……」
澪「また、行けると良いな、妖精の国……」
151 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 03:32:48.68 ID:snpE5JBy0
らいんはっと!
サンチョ『や!坊っちゃん!今までどこにっ!?だんなさまにラインハットの城から使いが来て、出かけることになったんです!坊っちゃんも連れて行くつもりで ずいぶんさがしたんですが……。見つからなくて、だんなさまはたった今お出かけになりましたっ。すぐに追いかければ、まだ間に合うかも知れません。さあ坊っちゃん!』
律「お?いきなり急展開だな」
紬「ラインハット、初めて聞く言葉ね」
憂「使いが来て、ってことは、お城かな?お姉ちゃん」
唯「お使いなら子供じゃないー?」
梓「そのお使いとは違いますよ!とにかくお父さんに追い付かないとまずくないですか?」
澪「そうだな、それに本当にラインハットがお城なんだとしたら、ひょっとするとプロローグに出てきたあの場所かもしれない」
紬「行きましょう唯ちゃん!」
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 03:34:16.35 ID:snpE5JBy0
唯「えーと、外に向かえば良いのかな?」
憂「きっとそうだね!」
サンチョ『おや?坊っちゃん ちょっとお待ちください。ポケットから何か……』
唯「この服ポケットあったんだね」
梓「突っ込むところそこですか」
サンチョ『おお!これは見事な桜の枝ですな!そういえば、すこしあたたかくなってきたから、花が咲いたんでしょうか……。それにしても美しい!坊っちゃんたちのお部屋にでも飾っておきましょうか?』
憂「あ……ベラちゃんがくれた木の枝……」
唯「花、咲いたんだねぇ、良かったねぇ……」
律「はいはいしんみりしないー!行くぞ!みんな!」
唯「そ、そうだねりっちゃん!とりあえずお花は飾っておいてもらおう〜」
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 03:35:52.75 ID:snpE5JBy0
…………
憂「お父さんいないね、お姉ちゃん」
澪「門番も、まだここには来てないって言ってたし村のどこかにはいるんだろうけど……」
梓「建物の中も見てみましょう、唯先輩」
唯「そだね、じゃあ宿屋から〜」
憂「えへへ、お姉ちゃん、確かこの宿の宿帳にベラちゃんがイタズラ書きしてたんだよね」
唯「そうそう、確かこれだよね、全く困った子だよ〜、まだ残ってるかな〜?」ピッ
“ホウカゴ、ありがとう。またいつか会いたいわね。 ベラより”
唯「うぅ……ひぐっベラぁ……」
憂「ベラちゃんん……」
梓「こ、こんなのずるいです、反則です……」
紬「ベラちゃん……来てくれたなら顔を見せてくれたって良いのに……」グスッ
律「ほ、ほら、メソメソしてないで、行くぞ、みんなぁ……」
澪「り、律だってちょっと泣いてるくせに……」
律「う、うるせぇ!」
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 03:36:42.69 ID:snpE5JBy0
…………
澪「うーん、それにしてもいないな」
唯「どこ行ってるんだろう?冒険の前だから、怖くなっちゃったのかな?」
梓「そんなわけないですよ、お父さん強いじゃないですか」
憂「冒険の前……あ、わかったよお姉ちゃん!」
唯「え、ほんと?」
憂「冒険の前に行くところといったら、ほら、一つしかないよ!」
澪「ああ!」
みんな「教会!!」
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 03:38:15.36 ID:snpE5JBy0
…………
唯「大正解だったね〜、憂」
律「もし唯一人でやってたら休み終わっちゃってたかもな〜」
唯「むむ、そんなことないもん!」
パパス『この旅が終わったら、父さんは少し落ち着くつもりだ。お前にはいろいろ淋しい思いをさせたが、これからは遊んであげるぞ。さて、行くとするかっ!』
紬「まあ、良かったわね、ホウカゴちゃん」
澪「まだ六歳だもんな、パパに〜律「パパ?」
澪「パ、パパスに甘えたいよな!!!」
…………
唯「おぉ〜やっぱりお父さんは強いねぇ〜」
梓「ホウカゴもゲレゲレもだいぶ強くなったと思いましたけど、まだまだお父さんには敵わないですね」
澪「ホウカゴのレベルは17か。パパスとは10しか変わらないけど、でもなんだかそれ以上の隔たりを感じるな」
憂「これまでのペースでレベル27になっても、HPはお父さんの半分くらいにしかならないですね」
梓「計算したの?憂」
憂「え?うん、多分210くらいになるんじゃないかな?」
梓「そ、そうなんだ……」
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 03:39:28.59 ID:snpE5JBy0
律「お、関所だぞ」
紬「ここ、レヌール城の時に来たわよね♪」
唯「そうそう、レベル上げに飽きちゃっていろんなとこ探検したよねぇ」
パパス『ホウカゴ、ここから先はラインハットの国だ。この上からの川のながめはなかなかのものらしいぞ。よし!あまり時間はないが、お前にも見せてやろう』
紬「まあ、肩車だわ♪」
律「改めて、ホウカゴはまだまだ子供なんだなー」
憂「それなのに、お化け退治をして、妖精の国を救って……」
梓「お父さんにいっぱい甘えたいだろうに、きっと強い子なんでしょうね」
澪「主人公だからセリフはないけど、きっとそうなんだろうな」
紬「パパスさんも、きっと同じように思ってるんだわ、だからせめて、親子らしいことがしたいのね」
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 03:40:45.81 ID:snpE5JBy0
…………
唯「こっち側に来て、ちょっとモンスターさん達強くなったね」
律「そうだな、でもパパスは問題なく瞬殺してるけどな」
唯「なんかかいしんのいちげき多いよね」
憂「あ、ここがラインハットみたいだよ、お姉ちゃん」
律「まともなお城はここが初めてだな、レヌール城は廃墟だったし」
兵士『待てっ!わが城になに用だっ!!』
唯「むっ!お父さんに偉そうなこと言ったら許さないよ!」
パパス『私はサンタローズに住むパパスという者だ。国王に呼ばれ来たのだが』
唯「そして私はホウカゴだ!」
兵士『おお!あなたがパパスどのですか!?これは失礼いたしました。国王がお待ちかねです。さあ、こちらへっ!』
唯「うむ!よきにはからえ!」
梓「……憂、唯先輩って、いつもこんな感じなの……?」
憂「うん、いつもこんな感じでテレビとも会話してるよ?かわいいでしょ!」
梓「そ、そうなんだ……」
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 03:57:35.13 ID:snpE5JBy0
紬「王様に呼ばれるなんて、パパスさんってやっぱりただ者ではないのね」
澪「そうだな、サンタローズのただの村人がわざわざ使いまでよこされるとは考えにくいしな」
律「強いから、兵士になってくれ〜とか、そんなんじゃないのか?」
紬「けど、サンチョさんの存在も少し不思議だわ」
梓「サンチョって召使いさんなんですかね?」
律「そうなんだろうけど、家も別に豪邸じゃないじゃん?召使いがいるっていうのも変じゃないか?」
梓「私は、やっぱりお父さんは元々王様だったと思うんですよね、何か事情があって旅をしてるんですよ」
紬「でも、王様が子供を連れて、身分を隠してまでする旅ってなんなのかしら?」
律「も……もしかして……!」
唯「り、りっちゃん、どうしたの……!?」
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 03:58:34.08 ID:snpE5JBy0
〜〜〜〜
サンチョ『旦那さま、お呼びでございましょうか?』
パパス『うむ、よく来たサンチョ……実は、私はお前を愛してしまったのだ!』
サンチョ『だ、旦那さま!?い、いけません、旦那さまにはマーサ様が……そしてホウカゴ様もお産まれになられたばかりで……!』
パパス『ならばマーサも国も捨て、共に旅に出ようじゃないか!ホウカゴも連れていこう!』
サンチョ『だ、旦那さま…………はい……ぽっ』
〜〜〜〜
律「こうして禁断の愛、そして逃避行が始まり、今に至ると……」
澪「そんな訳あるかっ!」バシッ
紬「りっちゃんそれ素敵……ぽっ」
五人(ええっ……)
160 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 04:59:52.46 ID:snpE5JBy0
…………
唯「あ、王様の所に着いたね」
憂「なんだか小声でお話ししてるよ?」
唯「憂、聞こえない?」
憂「さ、さすがに無理かなお姉ちゃん」
梓(憂ならもしかしたら……って少し思っちゃった……)
パパス『ホウカゴ、そんな所に立っていてもたいくつだろう。よい機会だから、お前も城の中を見せてもらいなさい。ひととおり見るうちには、父さんたちの話も終わるはずだ』
唯「あー、お城の人みんなとお話しないと進まないやつだね」
律「おっ唯〜だんだんわかってきたじゃん?」
梓「大きそうなお城ですし、なかなか骨が折れそうですね」
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 05:00:20.64 ID:snpE5JBy0
律「そうだな、バキバキ!ベキ!ボギ!」
澪「やめろぉー!」ボカッ
律「そ、その攻撃で骨が折れそうなんですが……?」
唯(澪ちゃんって多分スライムくらいなら倒せそうだよね)ヒソヒソ
梓(とげぼうずも行けるんじゃないですか?)ヒソヒソ
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 05:01:02.73 ID:snpE5JBy0
…………
『わっ!』ピョン
唯「??」
『ああ、びっくりした。てっきりヘンリー王子かと……。人がカエルをきらいなのを知ってて 背中にカエルを入れるんだよ。ひどいよなあ』
『あ〜あ、おでこにタンコブが。まったくヘンリー王子には泣かされてしまいます』
『まったく、ヘンリー王子のわんぱくぶりにはあきれてしまうのう。あんな性格で次の国王がつとまるのか不安でならんわい……』
梓「なんか散々な評判ですね、ここの王子様って」
澪「律が男の子だったらこんな感じだったんじゃないか?」
律「おいおい、私はこんなんじゃないぞ!」
唯「そうだよ!そんなもんじゃ済まないよ!ね!りっちゃん!」
律「いや、それフォローになってねーから……」
163 :
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:2018/03/28(水) 05:02:09.31 ID:snpE5JBy0
『みんなヘンリーさまを悪く言うけど、私はそうは思わないね。小さい時お母上をなくして、王さまは新しい王妃さまをもらったけど……やっぱりヘンリー王子にとっては 本当の母親じゃないし。それに新しい王妃さまが可愛がるのはデール王子だけときちゃ、ひねくれるのも当然だよ』
王妃『なんじゃ、そなたは?わが子デールにあいさつに来たのですか?おほほほほ。
そなたは小さいくせに、なかなか目先がきくと見える。兄のヘンリーよりこのデールの方が次の王にふさわしいと……そう思ったのですね。おほほほほ』
憂「私は、ちょっとヘンリー王子可哀想って思っちゃう……」
唯「そうだね、イタズラするのも、きっと寂しいんだよ」
律「ていうかこの王妃は嫌なやつだなー」
澪「跡継ぎ問題、か……」
164 :
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:2018/03/28(水) 05:02:49.04 ID:snpE5JBy0
律「ムギの家はこういうのないのか?」
紬「ええ、私は一人っ子だから……けど、私か、将来結婚する人が継がないって言ったら、少しこじれちゃうかもね、うふふ」
澪「結婚かあ……」
律「ってことはムギと結婚したら自動的に大企業の社長ってことだよな……あー、私が男だったらなー」
澪「動機不純で却下だな」
紬「わ、私は……りっちゃんがわざわざ男の子にならなくても全然構わないけど……ぽっ」
五人「えっ……」
165 :
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:2018/03/28(水) 05:04:54.65 ID:snpE5JBy0
…………
唯「あ、あの緑色の髪の子ってもしかしてヘンリーかな?」
憂「話しかけてみよっか、お姉ちゃん!」
ヘンリー『だれだ、お前は?あっ!わかったぞ!親父に呼ばれて城に来た、パパスとかいうヤツの息子だろう!オレはこの国の王子。王さまの次にえらいんだ。オレの子分にしてやろうか?』
澪「これはなかなか手強そうだな……」
律「けーっ!生意気な奴だな!」
唯「あはは〜子分ごっこ?よーしお姉ちゃんが遊んであげよぉ〜」
ヘンリー『わははははっ。誰がお前みたいな弱そうなヤツを子分にするか!帰れ帰れ』
律「こ、このガキめ〜!」
憂「断られちゃったね、お姉ちゃんっ」
唯「いやぁ〜嫌われちゃいましたなぁ〜」
紬「ヤンチャさんね〜♪」
梓「こちらの皆さんは全く意に介してないですね……」
律「動物か何か相手にしてるみたいだな……」
166 :
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:2018/03/28(水) 05:05:40.65 ID:snpE5JBy0
…………
唯「あれ、パパスがいないよ?」
澪「話が終わって、ホウカゴを探しに行ったんじゃないか?」
唯「え?ホウカゴはここにいるよ?」
梓「だから、行き違いになっちゃったんですよ」
王『そなたはパパスの息子であろう。なかなかよい目をしておるな。パパスには、わが長男ヘンリーのおもりをしてもらうことにした。そなたもヘンリーの友だちになってやってくれい。たのむぞよ』
澪「パパスがおもりって……」
律「あんま適役とは思えないけどな」
167 :
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:2018/03/28(水) 05:06:13.99 ID:snpE5JBy0
紬「ホウカゴちゃんがまだ小さいから、わかりやすい言葉で言ってくれたんじゃないかしら?」
憂「護衛を頼んだってことかもしれませんね」
律「なるほど、確かに六歳児に護衛なんて言葉は伝わらないかもな」
唯「ごえい?憂、ごえいってなあに?」
澪「ここにもいるぞ、六歳児」
168 :
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:2018/03/28(水) 05:07:10.63 ID:snpE5JBy0
…………
唯「じゃあ、お父さんはヘンリーの所にいるんだね、行ってみよう〜」
律「なんか廊下に立ってるな」
澪「もしかして、立たされてるんじゃないか?」
梓「そんな学校じゃないんですから……」
パパス『おう、ホウカゴか!父さんはヘンリー王子のおもりをたのまれたのだ。本当は王子のそばにいたいのだが、まいったことにキラわれてしまったらしい。だが、お前なら子供どうし、友だちになれるかも知れん。父さんはここで王子が出歩かないよう見張ってるから、がんばってみてくれぬか?よろしくたのんだぞ!』
律「あー、なるほどな」
澪「確かにパパスとは相性悪そうだ」
梓「お父さんが困ってる様子が目に浮かびますね……」
169 :
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:2018/03/28(水) 05:07:43.07 ID:snpE5JBy0
唯「もー、お父さん困らせるなんて、いけない子だねぇヘンリー」
憂「遊んであげようよ、お姉ちゃん!」
紬「行きましょ唯ちゃん!」
律「ヘンリーはこの三人に任せた方が良さそうだな」
澪「そうだな、私達はイライラしそうだ」
梓「です……」
170 :
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:2018/03/28(水) 05:08:24.02 ID:snpE5JBy0
…………
唯「あれぇー?ヘンリーがまたいないよ?」
憂「かくれんぼ強いね、ヘンリー……」
紬「また、パパスさんに夢を見たなって言われちゃったわね」
律「口癖なのかもな、パパスの」
澪「人をたしなめるときのな」
梓「でもほんとに、どうなってるんでしょうね?」
唯「宝箱にも子分のしるしなんて入ってないよねー?」
憂「うーん……あ、お姉ちゃんちょっと貸してみて?」
唯「うん、良いよ?」
171 :
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:2018/03/28(水) 05:08:52.75 ID:snpE5JBy0
梓「何かわかったの?夢」
憂「うん、もしかしたらヘンリー、隠れてるんじゃなくて……」
なんと!隠しかいだんを 見つけた!
律「お?凄い憂ちゃん!」
澪「どうしてわかったんだ?」
憂「いえ、なんとなくです。素早く身を隠すなら、あまり移動しなくて良い所かなって思って」
律「よーし、良い子良い子ー!」ナデナデ
憂「わあ、そんな、律さん……ぽっ」
唯「むっ」
澪「むっ」
紬「むっ」
172 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 05:38:35.16 ID:snpE5JBy0
梓「何かわかったの?夢」×
梓「何かわかったの?憂」○
173 :
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:2018/03/28(水) 18:39:29.92 ID:snpE5JBy0
…………
ヘンリー『なんだ、もう階段を見つけてしまったのか…。ふん!つまらないヤツだな。しかし 子分のしるしは見つからなかっただろう。
子分にはしてやれないな』
唯「へっへー、そんなこと言って本当は悔しいくせにぃ〜」
律「全く口の減らない子供だよなー」
ヘンリー『ん?』
唯「ん?」
『ヘンリー王子だな!?』
ヘンリー『なんだお前らは!?』
唯「な、なになに?何が起こったの?」
174 :
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:2018/03/28(水) 18:40:26.59 ID:snpE5JBy0
憂「お、お姉ちゃん、落ち着いて?」
梓「突き飛ばされましたよ!?」
『わるいがいっしょに来てもらうぜ。そらよっ!』
ヘンリー『うぐっ!』
紬「大変、ヘンリーちゃんが!」
澪「唯、操作出来ないのか!?」
唯「で、できない……」ガチャガチャ
『おい!モタモタしてねえで はやく王子をイカダへ!』
『へいっ!』
唯「ね、ねえ、これって誘拐だよね……」
憂「う、うん……」
律「いきなり重い展開になってきたな……」
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/28(水) 18:52:23.46 ID:bzX03S9sO
今後の展開を考えるとティータイムがどういう顔になるのか考えるだけで胸熱・・・心が痛むなぁ!
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 18:55:05.87 ID:snpE5JBy0
…………
唯「と、とにかく追いかけなきゃ!」
憂「待って、お姉ちゃん」
唯「え?」
紬「唯ちゃん、先にパパスさんに報告した方が良いと思うわ」
澪「そうだな、ヘンリー王子とホウカゴが二人ともいなくなったら大騒ぎになるかもしれない」
唯「う、うん、わかった。じゃあお城に戻るね……?」
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 18:56:09.49 ID:snpE5JBy0
…………
唯「あう〜、お父さんに話し掛けるの気が重いよ……」
澪「そうだな……」
梓「目の前で拐われちゃった訳ですしね……」
唯「六人もいたのにね……」
憂「ゲームの中ではホウカゴちゃん一人だよ、お姉ちゃん……」
紬「ゲレゲレもいたわ……」
唯「じゃあ一人と一匹だね……っていうかゲレゲレがキラーパンサーっていうモンスターって知ったときはびっくりしたよ……」
梓「今さらその話題ですか……」
紬「猫ちゃんじゃなかったんだものね……」
律「あの、早く話しかようぜ、みんな……」
178 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/28(水) 18:57:17.66 ID:snpE5JBy0
…………
パパス『どうしたホウカゴ?なにーっ! 王子がさらわれただと!?』
唯「あうー見事なリアクションで……」
憂「無理もないよ、お姉ちゃん」
パパス「なっなんとしたことだ!いいか ホウカゴ。このことは誰にも言うなよ。さわぎが大きくなるだけだからな……。とにかく王子を助け出さないとっ!ついて来いホウカゴ!」
律「お、でも今回はパパスが一緒に行ってくれるみたいだぞ?」
唯「おぉ〜、それなら凄く安心だねぇ……ってパパスはやっ!」
澪「お、追いかけるんだ唯!」
梓「先輩急いで!」
唯「で、でもでも速くて……」
憂「行っちゃった……」
六人「…………」
唯「どうしよ、みんな……?」
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