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北上「我々は猫である」

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142 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:33:11.17 ID:1eFlCC/L0
多摩「ッ!」ブンブン

北上「多摩姉が何か言いたそうです」

多摩「ー!ッー!フッ!!」ブンシュッサッ

木曾「全然伝わらない…」

球磨「あんまり暴れると周りの迷惑だ」

多摩「…」シュン

大井「行きたい場所話ですか?」

多摩「!」フンフン

球磨「あ、わかった」

多摩「!」キラキラ

球磨「トイレだ」

多摩「…」ギュッ
球磨「イタタタタ取れる取れる髪の毛取れる!」

大井「あんまり騒がないでください」

北上「あー球磨姉のアホ毛が…」

別に語尾を取れば周りから変な目で見られることもなかろうに、何故しないのか。
143 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:33:48.04 ID:1eFlCC/L0
木曾「さー着いたぞー」

大井「並んでますね」

多摩「いっても2組位にゃ。すぐ入れるにゃ」

木曾「他の店は、同じようなもんか」

大井「なら並んじゃいましょうか」

多摩「…大人5人でいいのかにゃ?」

木曾「あー…まあ一応大人5人だが」

大井「別にお酒を飲む訳でもないし未成年って事にした方が楽じゃないかしら」

多摩「じゃそうするにゃ」

球磨「お姉ちゃんの髪の毛生きてるクマ?大丈夫クマ?」

北上「…そのうち生えてくるよ」

球磨「え?」
144 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:34:30.30 ID:1eFlCC/L0
「オオイさまー。5人でお待ちのオオイさまー」

大井「わ、私達ですよね」

多摩「だにゃ」

大井「はーい!」

木曾「なんでおい姉の名前で」

多摩「タマもキソもクマも書くと妙に嘘っぽい感じがしてにゃ…」

球磨「確かに…」

木曾「別に落ち込むことではないだろ」

北上「私と大井っちは何となく実際にいそうだよね」

大井「禁煙と喫煙どっちにします?」

球磨「どっちでも」

木曾「空いてる方で」
145 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:35:02.22 ID:1eFlCC/L0
北上「良かったー早めに入れて」

木曾「思ったより腹減ったなー」

「ご注文はいかがなさいますか」

球磨「どうする?」

大井「ミラノ風ドリア1つ」

「ミラノ風ドリアがお1つ」

北上「ペペロンチーノ」

「ペペロンチーノがお1つ」

木曾「マルゲリータ1つ」

「マルゲリータピザがお1つ」

球磨「ミートソース1つ」

「ミートソーススパゲッティがお1つ」

多摩「…ア」

「はい?」

多摩「アラピアータ1つにゃ!」

「アラピアーt…アラピアータがお1つ」

球磨「あ後ドリンクバー5つ」
146 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:35:39.44 ID:1eFlCC/L0
大井「凄かったですね」

木曾「プロだな。あの定員プロだったな」

球磨「よく立て直せたものだ」

多摩「代わりに誰か言えにゃ」

というか多摩姉はなぜ頑なに語尾を取らないのだろうか。

球磨姉ほど疎かにするのもあれだが。

木曾「やはり自分の注文くらい自分でしなきゃな」

球磨「そうそう。それくらいできなきゃダメだ」

多摩「意味わかんねーにゃ。あとドリンクバー行くから早くどけにゃ」

大井「私が残っておくので先に行ってきてください」

北上「じゃあ大井っちの取ってきてあげるよ。何がいい?」

大井「ホントですか!ではアップルティーを」
147 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:36:09.91 ID:1eFlCC/L0
北上「これがドリンクバーというやつか」

球磨「北上分かる?」

北上「これくらいは。あーアップルティーってどこ?」

木曾「お茶はあっちだ。流石にこれは分からないか」

多摩「多摩がやってきてあげるにゃ」

北上「お願ーい」

木曾「午後はどうするかねえ」

球磨「んーもう何気に1時過ぎてるからやれる事は限られる」

北上「車の移動を考えたら8時くらいまでしかいられないものね」

木曾「げっ、コーラ切れてる」
148 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:36:44.04 ID:1eFlCC/L0
木曾「ただいまー」

北上「入れ方わかんないから多摩姉にやってもらったよ」

多摩「はいにゃ」

大井「ありがとうございます」

多摩「気にするにゃ」

大井「ところで多摩姉さん」

多摩「なんだにゃ?」

大井「1口飲んでみてくれませんか?」ニッコリ

多摩「…」タラリ

大井「…」ニコニコ

多摩「……」ダラダラ

球磨「何か入れたか」

木曾「さっきの仕返しか」

北上「皆が標的というわけだ」

球磨「北上、とりあえずそのタバスコ端っこに隔離しろ」

北上「あいあい」
149 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:37:26.51 ID:1eFlCC/L0
多摩「不味いにゃ」チーン

大井「それは良かったです」

球磨「さて、午後はどうする」

北上「食べ終わったら2時すぎるかな」

木曾「門限は何時だっけか」

多摩「一応九時頃ってパパが言ってたにゃ」

北上「門限厳しいなあパパは」

木曾「もっと自由にさせて欲しいよなあ」

球磨「可愛い娘達を放ってはおけないんだ。分かってやれ」

大井「だから過保護なんですよ。あの人は」

木曾「そうなると移動に1時間と考えてここを8時にでなきゃならないわけだ」

北上「あと6時間か〜。長いようで多分短いんだろうね」

多摩「あっという間にゃ」
150 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:37:57.70 ID:1eFlCC/L0
球磨「木曾がさっき映画館があるって言ってた」

木曾「ああ。確か最上階にあるとか」

多摩「映画、悪くないにゃ」

大井「映画館なんて行く機会は早々ないですからね」

北上「よし映画館けってー」

木曾「いや何が何時にやってるかにもよるだろ」

多摩「今だと何が旬なのかにゃ」

大井「リアルタイムで映画なんて見ないですからねえ」

木曾「鎮守府で見るのは借りてきたやつだけだもんな。旬な映画と言われても」

球磨「あ、料理がきた」
151 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:38:31.61 ID:1eFlCC/L0
北上「大井っちのも美味しそうだね」

大井「1口食べます?」

多摩「マルゲリータも良さそうにゃ」

球磨「みんなで一切れずつ分けるか」

木曾「俺のはどうすんだよ!」

北上「あれ、何の話してたんだっけ」

木曾「映画だよ映画。なに盗ろうとしてるんだ多摩姉」

多摩「にゃっ!」ビクッ

球磨「じゃあ映画は球磨が調べておくクマ」

多摩「語尾」

球磨「…調べておく」

多摩「それでいいにゃ」

球磨「別にここなら問題ないだろ」

多摩「意識の問題にゃ」

球磨「自分だけずりぃ」

多摩「普段から蔑ろにしてるくせに何をこだわってるにゃ」
152 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:39:34.66 ID:1eFlCC/L0
球磨「なにを!」

多摩「やるかにゃ?」

木曾「料理冷めるぞー」

大井「北上さんはペットショップに行きたいんでしたよね」

北上「そうそう。さっき見かけたからさ」

木曾「俺もちょっと行きたいところあるな」

多摩「多摩もペットショップ行ってみたいにゃ」

木曾「猫か」

多摩「猫にゃ。いや猫じゃないにゃ」

北上「紛らわしいね」

球磨「映画はー、ドラえもんとか」

木曾「ネコ型ロボットか」

多摩「猫だにゃ。いやだから猫じゃないにゃ」

北上「何回やるのさ」
153 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:40:00.78 ID:1eFlCC/L0
球磨「ホラーは?」

木曾「いやだ」

多摩「いやにゃ。あと猫じゃないにゃ」

北上「ダメなんだ」

大井「多摩姉さんが特に」

球磨「海外のは?」

木曾「ヒーローものか」

北上「スターウォーズとか今やってるんだっけ?」

大井「あまりグッとくるものはないですね」

多摩「大井は恋愛ものとかにゃ?」

大井「いえ、特にそういう趣味もないですね」

球磨「ほほう、意外だ」

多摩「意外にゃ」

木曾「意外だな」

北上「意外だね」

大井「えっ?」
154 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:40:30.70 ID:1eFlCC/L0
球磨「あとは何があるか」

多摩「プリキュア?」

木曾「いや流石にそれはなあ」

大井「私って恋愛ものとか好きそうに見えます?」

北上「割と見える」

球磨「あ」

北上「お?」

球磨「君の名は」

木曾「あー」

多摩「見たことある奴はいるかにゃ」

大井「ないですね」

北上「いいんじゃない?評判良いし」
155 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:40:56.92 ID:1eFlCC/L0
木曾「時間は?」

球磨「1時間後」

大井「席取れるかしら…」

多摩「それほど混んでるわけじゃないしいけるにゃ」

球磨「よし。球磨がひとっ走り席だけ取ってくる」

木曾「いいのか?」

球磨「それで取れたら時間までここでゆっくり出来るし行くだけお得だ」

北上「じゃあここは球磨姉に甘えちゃいますかね」

大井「そうしましょう」

球磨「ふふん、任せろクマ」ドヤァ
156 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:41:26.07 ID:1eFlCC/L0
ミートソースをペロリと平らげて颯爽と去っていく球磨姉。

木曾「随分張り切ってたな」

多摩「お姉ちゃんっぽい事したいんだにゃ」

北上「なるほどね」

大井「普段は全然出来てませんからね」

サラリと酷いことを言う。

多摩「その通りにゃ」

北上「まあ確かに」

木曾「何にせよもう少しここでゆっくりしていかないとな」

大井「何か追加で頼んじゃいましょうか」

北上「ピザ分けて食べようよ」

木曾「俺はもう食べちゃったし、フォッカチオとかでいいや」

大井「ではそれで」

多摩「ハンバーグステーキにゃ」

北上「まだそんなに食べるの」
157 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:41:58.07 ID:1eFlCC/L0
多摩「ピッツァどう分けるにゃ?」

北上「ピッツァ2」

木曾「ピッツァ0」

大井「1で」

多摩「じゃ多摩がピッツァ3にゃ」

北上「さらに食べるか…」

木曾「球磨姉のは?」

多摩「冷めたらもったいないねえから食っちまうにゃ」

木曾「お、おう」

大井「あら、メッセージが…チィッなんだ提督から」

相変わらず反応が怖い。

多摩「なんて言ってるにゃ?」

大井「楽しんでるかーですって」カチカチ

北上「なんて返すの?」

大井「仕事しろ」

ごもっとも。
158 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:42:24.88 ID:1eFlCC/L0
大井「こんどは球磨姉さんからメッセージが」

北上「どれどれ?」

大井「北上さん。自分のスマホで見たらいいんじゃないですか」

北上「え、なんてゆーかさ。出すのも億劫で」

大井「はあ、まあいいですけれど」ハイ

北上「さんきゅー」

木曾「画像が送られてきたな」

多摩「なんおがおうあ?」モグモグ

木曾「食べ終わってからにしてくれ」

北上「おーチケット取れたみたいだね」

大井「館の中で自撮りしたみたいですね…」

木曾「何してんだ姉さん…なんか周りの人も見てるし」
159 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:43:08.13 ID:1eFlCC/L0
木曾「後で行ったらぜってー受付の人とかに、さっきの変な人の連れだーって見られるぜこれ」

北上「グラサンつけたイケイケなねーちゃんがやる事じゃないよねぇ」

大井「私達一応あまり目立たっちゃいけないんですけれどね」

多摩「これはお仕置きが必要だにゃ」

北上「お仕置き」

多摩「木曾」ヒョイ

隣の木曾に手を差し出す。

木曾「…え?」

多摩「木曾!」

木曾「いやわかんねえよ」

多摩「タバスコに決まってるにゃ!」

木曾「いやわかんねえよ!」
160 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:43:46.84 ID:1eFlCC/L0
多摩「これをピッツァの最後のひとつにたんまりかけてやるにゃ」ニヤリ

大井「あまり食べ物で遊ぶとバチが当たりますよ」

木曾「多摩姉、ドリンクバー行くからちょいとどいてくれ」

多摩「にゃ」

北上「あーそっか、ドリンクバー飲み放題か」

大井「北上さんも行きます?」

北上「いくいくー」

大井「何を御所望で」

北上「メロンソーダぷりーず」

大井「了解です」
161 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:50:55.42 ID:1eFlCC/L0
木曾「鎮守府の食堂にもこういうメニュー増えないかなあ」

多摩「パスタはともかくピッツァは厳しいと思うにゃ」

北上「お」

木曾「メニューが増えた事ってあるのか?」

多摩「何回かあるにゃ。フレンチトーストもそうにゃ」

北上「木曾木曾ー」

木曾「ん?」

北上「チクマー」ベロン

木曾「ブッwww」

多摩「な、なんにゃ…その顔は」

北上「この前食堂で事件があってさ」

木曾「めっちゃ再現度たけえ…ww」

大井「何笑ってるの。はい北上さん」

北上「サンキュー」
162 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:54:18.32 ID:1eFlCC/L0
北上「で、最後にこんな顔でチクマーってなってたの」

多摩「それほとんど川内のせいじゃないかにゃ」

木曾「まあそうなんだが流れが完璧すぎてさ」

球磨「ただいまクマァ!」

北上「うお、おかえりー」

多摩「語尾にゃ」

球磨「ただいま諸君」

木曾「チケットは?」

球磨「えーっと、それ!」

北上「なぜ胸元から」

球磨「洋画とかにありそうだと思って」

多摩「この中で胸に挟めそうなのは大井くらいだにゃ」

大井「多摩姉さんもできるんじゃ…」
163 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:55:54.06 ID:1eFlCC/L0
多摩「ちょっとお手洗いにゃ」ガタッ

多摩姉逃げる気か。

球磨「お、ピッツァが!貰っていい?」

多摩「いいにゃ。ご褒美にゃ」

北上「なに、ピッツァって流行ってるの」

球磨「ピッツァはピッツァだ」

木曾「ピッツァだな」

北上「どういうことだってばよ」

大井「前に出かけた時に色々あったんですよ」

北上「色々とは」

木曾「結論から言えば多摩がやらかしたんだ」

球磨「いっただっきまーす」パク

木曾「あ」

大井「あ」

あー。
164 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/04/30(月) 02:59:51.32 ID:1eFlCC/L0
づほの5周年ボイスしゅごい…

子供の時、食べ物に何か仕込むのは定番でした。
タバスコより塩コショウの方がダメージがでかいです。
まだ続く
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/30(月) 12:26:17.96 ID:PuWFOgXAO
乙なのね
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/30(月) 19:29:22.49 ID:5CHVmS1X0
食べ物で遊ぶ悪い子は一航戦に頭から食べられるのです
167 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/09(水) 02:38:10.21 ID:H44u7PEc0
多摩「た、ただいまにゃ」プルプル

必死に笑いをこらえている。さては遠くから見てたな。

球磨「ユルサンクマ」

机に突っ伏したまま呪詛の言葉を吐く球磨姉。

木曾「そろそろ行くか」

大井「そうね」

北上「私ポップコーン食べてみたい」

木曾「上姉も結構食べるな」

多摩「会計はどうするにゃ」

木曾「小銭とかないしまとめてでいいんじゃないか?」

大井「普段現金を使わない弊害ね」

北上「細かいのは帰ってからのがいいもんね」
168 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/09(水) 02:38:51.58 ID:H44u7PEc0
北上「というわけで球磨姉ごちになりまーす」

球磨「クマァ…」

木曾「やっぱ入れすぎだったんじゃないかタバスコ」

多摩「にゃ…」

罪悪感あるならやめときゃいいのに。

球磨「もういい。とりあえずこの残ってるドリンクバーは全部飲んでけ」

北上「はーい」

多摩「律儀だにゃあ」

北上「うわ氷が溶けたせいで殆ど水だこれ」

多摩「ブッ!?ゲホッゲホッ!!」

球磨「ふっはっはー!引っかかった!そいつには同じくタバスコをぶち込んでおいた!」

多摩「き!ゲホッ貴様ァ…」


大井「行きましょう2人とも」

木曾「だな」

北上「慣れてるね2人とも」
169 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/09(水) 02:39:28.13 ID:H44u7PEc0
北上「球磨姉はともかく多摩姉まであんなにはしゃぐとは」

大井「多摩姉さん外に出るとやけにテンション上がるんですよ」

木曾「気持ちはわかるけどな。らしくないというか、普段落ち着いてる多摩姉も外界の魅力には勝てないのかね」

北上「んじゃ映画館向かっちゃいますかねー」

木曾「あの二人は」

大井「まだ何かやってるわね」

店の入口で店内を振り返る。

ふと、私達のいた所とは逆の方に女子学生のグループが座っているのが見えた。

私達の制服と似たセーラー服。中学生だろうか。

セーラー服ねえ。以前海軍の軍服が元になっていると聞いたな。
170 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/09(水) 02:40:01.74 ID:H44u7PEc0
何やら一人のスマホの画面を皆で覗き込んだかと思ったら急に爆笑しだした。

女子特有の甲高い声はここまでよく聞こえる。

こりゃ私達も大分周りに迷惑かけてたかねえ。

しかしまあ、なんら変わらないものなんだな。

私達も今まさに女子学生のようにこの世界を満喫しているんだ。

私達だって。

球磨「何ぼおっとしてる。早く行こう」

北上「あーごめんごめん」

2人ともようやく支払いを終えたらしい。

多摩「時間も丁度いい具合にゃ」

北上「よし行ってみよう」
171 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/09(水) 02:40:40.33 ID:H44u7PEc0
北上「薄暗いね」

大井「映画館っていうのはどこもこうなのかしら」

多摩「眠くなってきそうにゃ」

木曾「買ってきたぞー」

球磨「思ったよりビックサイズがビックだった」

北上「うわホントだ」

木曾「こっちがキャラメルでこっちが塩だ」

大井「北上さん本当にいらないんですか?」

北上「ポップコーンって喉乾くからさ」

球磨「んでこっちがオレンジジュース、コーラ、カルピスだ」
172 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/09(水) 02:41:15.20 ID:H44u7PEc0
木曾「ポップコーンどうわける?」

球磨「どうって?」

木曾「上姉がいらないとして、4人でこの2つをわけるわけだろ。横一列なんだから2人で1つに別れなきゃ」

多摩「じゃあキャラメルがいい人手を上げるにゃ」

球磨「ん」ノ

木曾「ホイ」ノ

大井「あら」ノ

多摩「塩は多摩だけかにゃ…」

北上「なんでキャラメル人気が」

木曾「塩は普段から嫌という程味わってるからな」

大井「もし身体が人だったら今頃塩分の過剰摂取でぶっ倒れてそうです」

球磨「あ、甘いのが好き、クマ…」

北上「おぉ…」

よもや職業柄だったとは。
173 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/09(水) 02:41:47.18 ID:H44u7PEc0
多摩「じゃあ今からゲームをするにゃ。負けたヤツが塩行きだにゃ」

大井「ゲームですか」

木曾「ジャンケンとかでよくないか」

多摩「とりあえず木曾。このポップコーンをよく見るにゃ」

木曾「おう」

塩味のポップコーンを1粒手に乗せる多摩姉。

多摩「にゃ」ヒョイ

それを少し上に放り、その後素早く両手をクロスさせながらキャッチした。

多摩「さあポップコーンが入ってないのはどっちにゃ」

木曾「げ、そういうやつか。普通入ってる方が当たりじゃないのか」

多摩「塩を選んだら塩行きという事にゃ」

球磨「大井、今の見えた?」コソコソ

大井「正直さっぱり」コソコソ

実際多摩姉はかなり上手かった。でも
174 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/09(水) 02:42:22.09 ID:H44u7PEc0
北上「ねえねえ多摩姉」

多摩「なんにゃ」

北上「両手、開いて」

多摩「…なんでにゃ」

北上「まあまあいいからいいから」

木曾「どういうことだ?」

多摩「さ、さっぱりだにゃ!」

球磨「ほれほれ」コチョコイョ

多摩「ニュワッ!」ポロツ


木曾「なんで2つあんだよ」

多摩「バ、バイバイン」

北上「やっぱり猫じゃん」
175 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/09(水) 02:42:50.50 ID:H44u7PEc0
木曾「完全に俺をはめる気だったじゃねえか」

多摩「ぬぅー思わぬ伏兵がいたにゃ」

大井「北上さんよく気づきしたね」

北上「目は自信があるんだ」

球磨「どうやったんだ?」

北上「上に投げた時に逆の手でもう1個を掴んでた」

多摩「騙す時の基本にゃ。右手を見ろと言って左手で仕込むんだにゃ」

大井「何処で教わったんですかそんな技術」

多摩「提督にゃ。あー、うん、提督だにや」

北上「なんでそこで歯切れ悪くなるのさ」

球磨「何にせよキャラメルは球磨と大井ということで」

大井「そうですね」

木曾「あズリぃ!こういう時だけ躊躇なく妹売りやがって!」

多摩「塩からは逃れられんにゃぁ」
176 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/09(水) 02:43:22.36 ID:H44u7PEc0
北上「逆になんで多摩姉はそんなに塩好きなの」

多摩「なんでだろうにゃ。なんとなくにゃ」

木曾「猫って塩はあまり良くないんだろ?」

多摩「猫じゃねえにゃ」

球磨「そろそろ時間だ」

大井「スマホはちゃんと鳴らないようにしてくださいね」

北上「大井っちー、これ鳴らないようなってる?」

大井「えっとー…まず電源がついてませんね…」

北上「わお」

木曾「やっぱ連絡取れるようになってないじゃないか…」
177 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/09(水) 02:43:52.44 ID:H44u7PEc0
木曾「何番?」

大井「3番シアターだから、あそこね」

多摩「ドキドキが止まらないにゃ」

球磨「なんかメガネ貰った」

木曾「おいそれ違う映画のじゃないか」

球磨「なんと!」

大井「ちゃんと戻してきてください」

多摩「これが3Dメガネにゃ」

球磨「ちょっとかけてみる」

木曾「いいのか、勝手に使って」

球磨「おおー」

多摩「どうにゃ?」

球磨「なんか、ぼやっとしてる」

大井「そりゃ普通にかけたら何も起こりませんよ」

なんてくだらないやりとりを眺める。

北上「ほらほら早く入ろうよ」

本当に女子高生にでもなった気分だ。
178 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/09(水) 02:44:54.59 ID:H44u7PEc0
目覚ましボイス…だと…?

予約は全滅してました
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/09(水) 09:27:39.37 ID:OxwT8iKYO
言い出しっぺなのに結局食べないとか自由人あるあるだな
180 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/11(金) 01:57:10.51 ID:ak/BeO/v0





球磨「面白かった」

木曾「内容もそうだけどやっぱ映画館ってすごいな。迫力が違う」

球磨「女版瀧くんはなんだか摩耶を思い出した」

大井「言われてみるとそうですね」

多摩「なら男三葉は天龍だにゃ」

木曾「いやいやそれはねぇだろ」

北上「あー確かに」

球磨「近いものがある」

大井「違和感はないですね」

木曾「あれ?」
181 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/11(金) 01:57:52.92 ID:ak/BeO/v0
木曾「51cm砲で隕石って壊せないかな」

球磨「空想科学みたいだ」

多摩「質量の暴力には勝てんにゃ。何より下からじゃ重力というハンデもあるにゃ」

木曾「すげぇ真面目に返答された」

大井「波動砲なら」

木曾「それは違うヤマト砲だ」

北上「そういや流れ星って見たことないな」

多摩「もうすぐなんたら流星群が来るってテレビでやってなかったかにゃ?」

木曾「そうだっけ?」
182 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/11(金) 01:58:36.62 ID:ak/BeO/v0
球磨「北上はどうだった?」

北上「あーんー、面白かったよ。特に、時間差トリックが、ね」

木曾「あれなー、全然気づかなかったよな」

大井「でも私達も似たようなものですよね」

多摩「確かににゃ。あの戦争から、もう何年なんかにゃ」

球磨「正直イマイチピンと来ない」

木曾「俺もだ」

そう、時間差。

北上が生まれてからもう百年は経つだろう。

北上が死んでからは、この場合何をもって船を死んだと定義するかによるが半世紀以上は経ったはずだ。

北上が消えて、こうしてまた生まれるまでに時差がある。

問題はそこだ。

すっかり忘れていた、というか考えが至らなかった。
183 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/11(金) 01:59:11.60 ID:ak/BeO/v0
大井「次はどこ行きましょうか」

球磨「座りっぱなしで疲れた。少し歩いて周りたい」

木曾「さんせー」

多摩「にゃ〜」

大井「なら服見に行きましょう!先に買っておけばその場で着て周れますし」

球磨「じゃそれでいくか」

多摩「北上もいいかにゃ?」

北上「あ、うん」

生まれ変わりというかはわからないが、何にせよ死んでから生まれるまでに時差がある。

じゃあ、私はいつ死んだ。

猫の私はいつ死んだ。

猫の寿命などたかが知れている。

10年も生きれば大往生だろう。

室内であればもう少しいくかな?
184 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/11(金) 02:00:16.29 ID:ak/BeO/v0
最も新しいと思われる記憶から私の飼い主は恐らく50代だろう。

例えば私がその時点から10年もの長期間を生きたとしよう。

そうなると飼い主は60代。彼が寿命で死んでいる可能性は現代においてそれほど高くはない。

問題は私が死に、北上になるまでにどれほどの時が経ったかだ。

これが10年20年ともなれば飼い主が生きている可能性は著しく下がる。

現状でさえ見つけるのが困難なのに生きていなければより難易度が上がる。

なにより、再開が果たせなくなる。

北上「糸でも繋がってりゃいいのに…」

球磨「ん?なんだ、想い人でもいるのか?」ニヤニヤ

北上「そうじゃなくてさ」

大井「糸ですか…」

多摩「何真剣に考えてるにゃ」

木曾「ほら、早く行こうぜ」

別に運命の赤い糸なんていらないよ。

リードでも繋がってりゃそれでいいのに。
185 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/11(金) 02:00:58.58 ID:ak/BeO/v0
【服屋】

大井「ジャン!」バサッ

木曾「おお〜」

多摩「ギャップが凄いにゃ」

球磨「流石我が妹」

北上「大井っち」

大井「はい!」

北上「マフラーはまだ早いのでは」

大井「これからに備えてです!」

北上「なるほど」

振り返って改めて更衣室の中の鏡を見る。

白くて結構大きめのフワッとしたマフラー。同じく白のセーターに茶色っぽいブーツ。

流石球磨型唯一の女子力。パーフェクトだ大井っち。

正直これがセンスいいのか分からないけど。
186 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/11(金) 02:01:31.37 ID:ak/BeO/v0
大井「…やっぱりもう少し黒を…でもこの方が黒が映えるし…」ブツブツ

北上「あーいいよいいよこれで!これが気に入った」

大井「ホントですか!」

北上「う、うん」

一生懸命選んでくれるのは嬉しいけれどこれ以上時間をかけられても困る。

多摩「大井はそれでいいのかにゃ?」

大井「はい」

木曾「こうして見るとおい姉の方が年上に見えるな」

球磨「今度から保護者役は大井に任すか」

少し濃いめの緑ロングコートに白のレディースパンツ、黒のトップスとパンプス。

落ち着いた茶色のダブルロングと大井っち特有の雰囲気は確かにすごく大人っぽく見える。

何よりも胸が…

(※三越ファッション)
187 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/11(金) 02:02:05.96 ID:ak/BeO/v0
木曾「多摩姉はそれでいいのか?」

球磨「せっかくだし大井に全身コーデしてもらうといい」

大井「そうですよ。多摩姉さんの服も色々考えたんですから」

多摩「これは多摩なりのこだわりにゃ。譲れないのにゃ」

黒タイツに黒カーディガン、妙に短いスカートと艦娘の制服に近い服装。

その上に白のフードパーカーを羽織っている。

(※秋刀魚漁ファッション+α)

木曾「こだわりねぇ」

球磨「こだわり」

多摩「なんにゃ、その反応は」

大井「いえ別に」

北上「…」

フードに猫耳がついていることに、結局誰もつっこめなかった。

白を選ぶあたりは無意識なのかな、白猫は。
188 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/11(金) 02:02:39.26 ID:ak/BeO/v0
球磨「おー結構なお値段、なのか?」

木曾「金銭感覚ゼロだもんな」

大井「どうせお金は腐るほどありますし」

多摩「富豪の気分だにゃ」

北上「現物じゃないけどね」

木曾「よし、皆で写真撮ろうぜ」

球磨「賛成!」

大井「どうやって撮ります?」

多摩「この際だし自撮り棒でも買うにゃ」

北上「あれあれ、1階の噴水広場で撮ろうよ」

建物の真ん中を通る吹き抜けの一番下を見下ろす。

球磨「おーでっかい」

木曾「決まりだな」
189 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/11(金) 02:03:11.19 ID:ak/BeO/v0
大井「これでいいんですかね」

木曾「多分…このボタンで撮るのかな」

球磨「えいっ」パシャ

多摩「ウニャッ!眩しいにゃ」

北上「フラッシュはいらないよね」

大井「えーと、はい!OKです」

木曾「順番は?」

球磨「球磨が真ん中だ!」

多摩「撮るのは大井なんだから球磨が真ん中じゃダメにゃ」

球磨「なんと!?」

大井「なら球磨姉さんお願いします」

木曾「すげえ不安なんだが」

球磨「舐めるなクマァ」

多摩「不安だにゃ」
190 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/11(金) 02:04:33.22 ID:ak/BeO/v0
大井「北上さん!もっと寄らないと映りませんよ」ギュッ

北上「噴水映しすぎなんじゃないの?」

多摩「木曾もこっち来るにゃ」

木曾「あいよ、これでキレイに映るかな」

球磨「…」

北上「どったの球磨姉?」

球磨「こういう時なんて言えばいい?」

大井「普通にはいチーズとかでいいんじゃないですか?」

球磨「なんか味気ない」

木曾「そここだわるとこか?」
191 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/11(金) 02:05:04.47 ID:ak/BeO/v0
やれやれ、呑気なもんだ。

球磨「あ、いいのを思いついた」

私としてはもっとこう色々と考えたいことがあるのだけど。

多摩「ホントに大丈夫かにゃ…」

でもまあ、

球磨「任せろ」

きっと今はこれでいい。

北上「ピースでいいかな?」

木曾「お!丁度噴水が」

多摩「球磨!急ぐにゃ!」

球磨「よし!ちゃくだ〜〜ん…」

大井「えぇ…」

北上「よりによってそれ…」

球磨「今!」パシャ

ずっとこうしていたい。
192 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/11(金) 02:07:44.64 ID:ak/BeO/v0
深海鶴棲姫のボイスで笑わなかった提督0人説
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/11(金) 05:29:21.61 ID:DrICrwYd0
おつ
コンプも無事手に入れられたようで何よりです
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/14(月) 22:54:15.99 ID:YWaQReqso
おつたキソー
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/18(金) 00:42:04.90 ID:uRp6fX6+0
イベ詰まったらちゃんと聞くのですよ>>1
消化不良で書くのはつらそうだ
196 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:39:08.61 ID:58MzKvrS0
その後ソロ写真をいくらか撮りあった。

北上「あれ食べようよ」

撮った写真を皆で見ていた時ふと前方の看板が目に止まった。

大井「あれ?」

木曾「クレープか」

多摩「いいにゃ」

球磨「クレジットも使えるみたいだ」

多摩「あのデカいの食べたいにゃ」

大井「多摩姉さんのお腹どうなってるんですか」

球磨「大井なんて食べて太ってはダイエいてててて!痛い痛いクマァ!」

大井「何か言いましたか?」

球磨「ナンデモナイクマ」

この姉いつも一言多い。
197 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:40:20.43 ID:58MzKvrS0
木曾「俺はイチゴのやつかな。でも1人で食うにはちと量が多いような」

北上「じゃ私と半分こしようよ」

球磨「球磨は多摩から少し分けてもらおう」

大井「じゃあ私も多摩姉さんから」

北上「えっ?」

大井「はい?」

北上「あ、いやなんでも」

木曾「…意外な」

大井「何がよ」

球磨「ほらさっさと買うよ」

多摩「何処で食べるにゃ」

木曾「食べ歩くか?」

大井「それはお行儀が悪いわよ」

北上「あそこテーブル空いてるよ」

木曾「俺らで席取っておくか」

球磨「頼む」
198 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:40:58.29 ID:58MzKvrS0
木曾「おい姉、大人しいな」

北上「てっきり私と食べたいって言うものかと」

木曾「最近あんまり上姉にベッタリじゃなもんな」

北上「女は男ができると変わるんだねえ」

木曾「で、結局提督とはどうなんだ?」

北上「私もよくわかんない」

木曾「聞いてないのか」

北上「流石に直接はね」

木曾「それもそうか」

北上「2人とも照れ屋さんだしねえ」

木曾「それもそうだな」

北上「なんか女子っぽい会話だね」

木曾「え?」

北上「恋バナだよ恋バナ」

木曾「友人じゃなく姉の恋事情だけどな」

北上「まあね」
199 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:42:02.29 ID:58MzKvrS0
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

北上「でっか」

木曾「見てるだけで腹が膨れそうだ」

多摩「美味そうにゃ」

球磨「とりあえず1口欲しい」

多摩「ほれにゃ」

球磨「クレープ!クレープを1口!バナナ一欠片貰ってもしょうがない!」

多摩「ほらあーん」

大井「あーん、あら。意外と甘さ控えめね」

北上「木曾ー、私も私も」

木曾「ほらよ」

北上「…え、あーんは?」

木曾「やる気かよ!?いや、流石に少し恥ずかしいな」

北上「それでも木曾か!」

木曾「どういう意味だよ!?」
200 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:42:44.24 ID:58MzKvrS0
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

大井「結局ほぼ1人で食べましたね…」

球磨「我が妹ながら恐ろしい」

多摩「戦士たるもの食える時に食っとくもんにゃ」

木曾「これも食べるか…?」

北上「もう食べらんないやー」

多摩「いただきにゃ〜」

木曾「今日だけで何カロリー食べてんだか」

北上「草とか食べる?」

多摩「なんで草にゃ」

大井「猫は草を食べるんですよ。本能的なものなので何でと聞かれると分かりませんが」

北上「消化を助けるためとか諸説あるみたいだよ」

私は草を食べてたっけな…?覚えてないや。

多摩「へえ…いや猫じゃないにゃ」
201 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:44:34.68 ID:58MzKvrS0
北上「よぉし次行こう次」

大井「もう移動ですか?」

北上「時間は限られてるんだしちゃっちゃといこう」

多摩「…まあそれもそうにゃ」

球磨「どこ行く?」

木曾「行きたいところバラバラだしな」

多摩「一旦分かれるかにゃ?」

大井「…そうですね」

北上「む、まあしょうがないか」

球磨「何か買いたいものがあったら球磨か木曾を呼ぶといい」

木曾「あーそっか、ならさっきと同じ分け方で行動した方がいいんじゃないか?」

多摩「多摩はとくに買いたいものはないにゃ」

北上「私も〜」

大井「2人はペットショップでしたね」

球磨「なら2人は一緒で、後は各自自由行動だ」

木曾「あいよ」

大井「北上さんのことくれぐれも頼みますよ」

多摩「任せろにゃ」

うわー信用ないな私。確かに連絡を取れる自信は無いけど。
202 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:45:05.68 ID:58MzKvrS0
球磨「じゃ球磨は下の方にいく」ノシ

北上「じゃーねー」

多摩「…どこ行くのかにゃ」

木曾「さあね。俺は、うわ結構上だな」

北上「どこ行くの〜?」

木曾「ひ、秘密だ」

眼帯、眼帯だきっと。

ん?眼帯?眼帯ってデパートにあるのか?

木曾「エレベーターかなこりゃ」

北上「私達はこの上だね」

多摩「にゃ」

大井「私はその上ですね」

北上「大井っちはどこに?」

大井「ん〜小物とか見たいですね」
203 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:45:43.08 ID:58MzKvrS0
木曾「また後で」

多摩「またにゃあ」

北上「エレベーターはー、あれか」

多摩「アレ?木曾と球磨が離れたらまずいんじゃないかにゃ」

大井「あ、確かに」

北上「そういや保護者役だったね」

大井「デパート内だったら滅多な事は起きないでしょう。多分」

北上「それに余程じゃないと私達が怪我することもないでしょ」

多摩「それくらい強いからこそ問題なんだけどにゃ…まなんとかなるにゃ」
204 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:46:11.85 ID:58MzKvrS0
北上「エスカレーターいいねえ。鎮守府にも欲しいよこれ」

大井「物凄く電気代かかりそうですね」

多摩「動く廊下とか楽そうにゃ」

大井「2人はもう少し積極的に動いてください」

北上「動くコタツとか欲しいなあ」

多摩「コタツ型艤装もいいにゃ」

大井「あら」

北上「どったの大井っち?」

大井「いえ、あの店。ちょっと良さそうだなって」

多摩「んー行ってみるかにゃ?」

北上「もう食べるのはいいかな」

大井「私もちょっと…」

多摩「にゃぁ、じゃあまた来た時にゃ」

北上「そだね、また、また来た時に」
205 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:46:51.73 ID:58MzKvrS0
【ペットショップ】

多摩「猫って、可愛いにゃ」

北上「…そだね」

自画自賛。

大井っちとも分かれて私達はペットショップの猫達をひたすら眺めていた。

生後数ヶ月程度の子猫達はそれぞれのゲージの中で遊んでいたり寝ていたり、

主にこの二択だが思い思いの行動をとっていた。

北上「生まれてからずっと商品としてここに並べられるってどんな気分なんだろ」

多摩「本人は特になんとも思ってないんじゃないかにゃ。多摩達も生まれつきのこの立場にこれと言って疑問は抱いてないにゃ」

北上「それもそっか」

多摩「あ、この子可愛いにゃ」

北上「白黒だね。ダルメシアンみたい」

多摩「ダル?多摩は牛かと思ったにゃ」

北上「猫に牛ってどうなのよ」
206 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:47:21.86 ID:58MzKvrS0
北上「ふふ、いいねぇ。鎮守府で猫とか飼えないかねぇ」

多摩「どうだろうにゃあ。犬とかなら番犬みたいな感じで役に立ちそうだけどにゃ」

北上「帰ったら提督に聞いてみよ」

多摩「そんなに猫が好きなのかにゃ?」

北上「多摩姉こそ、飼いたくならないの?」

多摩「可愛いけど、可愛いだけにゃ。きっと多摩達じゃこの可愛い生き物を幸せに出来ないと思うんだにゃ」

北上「…達」

それは、私も含まれてるのだろう。

多摩「あっ、ごめんにゃ。他意はないにゃ」

慌ててフォローする多摩姉。

でも別に私は傷ついたとかそういうわけじゃない。

ただ
207 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:47:52.80 ID:58MzKvrS0
北上「多摩姉はさ、猫に対してこう、シンパシーというか、親近感?みたいなのって感じたりしない」

多摩「猫じゃないにゃ」

北上「ふざけてるんじゃなくてさ、真面目な話」

多摩「んー?いまいち意図が読めないけれど、多分北上が言うような何かを感じた事はないと思うにゃ」

北上「そっかあ」

嘘や隠し事をしているようには見えない。

自分の前世の、白猫の事を、本当に覚えてはいないのだろうか。

いやそもそも本当に多摩がそうなのだろうか。

前に麦畑を見たことがあるような事を言っていたが、それはあの写真の事である可能性もある。
208 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:48:25.46 ID:58MzKvrS0
北上「だーもぉいいや!次行こう次!」

多摩「どうしたにゃ、急に」

北上「他にも面白そうなところ探そう。行こっ」

多摩「もう少しここでゆっくりしてもいいんじゃないかにゃ?」

北上「時間は有限なんだし色々見て回ろうよ」

多摩「…」

北上「多摩姉?」

多摩「今日の北上はなんか変だにゃ」

北上「そお?多摩姉だってテンション高いじゃん」

多摩「楽しいからにゃ」

北上「私もだよ」

多摩「北上は、楽しんでいるというより楽しんでいようとしている感じにゃ」
209 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:49:00.96 ID:58MzKvrS0
楽しんでいようと。

北上「どういうことさ」

多摩「必要以上に、無理に楽しもうとする時の顔だからにゃ」

北上「…なんでそんなこと」

多摩「多摩もその顔をよく知ってるからにゃ」

北上「多摩姉も?」

多摩「昔、鎮守府から皆がいなくなった時の事だにゃ」

北上「…」

吹雪の言っていた、前の提督、前の鎮守府か。

多摩「やっぱり知ってたんだにゃ。吹雪から?まあなんでもいいにゃ」

北上「日記、ちゃんと棚に鍵とかしといたほうがいいよ」

多摩「そうもいかないのにゃ」

北上「なんでさ」

多摩「誰かに見つけて欲しいと、そう思ったりもするからにゃ」
210 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:49:29.01 ID:58MzKvrS0
多摩「無理に笑うもんじゃないにゃ」

北上「教訓?」

多摩「にゃ」

北上「そっか」

これ以上は多分聞いても答えてくれないのだろう。

吹雪は口止めしていると言っていた。

北上「なんかさ」

多摩「にゃ?」

北上「人間みたいにさ、容姿相応に、パーっと楽しめるのかと思ってさ。人みたいに」

多摩「多摩も楽しいにゃ。でも楽しみ方はそれぞれにゃ。自分なりに楽しめばいいにゃ」

北上「そうだね」
211 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:50:45.67 ID:58MzKvrS0
多摩「北上はなんで人みたいにと思ったんだにゃ?」

北上「え?んー、なんでだろ?」

多摩「分かってないのかにゃ」

北上「なんか、あったと思うんだけどなあ。んー?思い出せないや」

多摩「ならいいにゃ」

北上「うん」

多摩「で、次はどうするにゃ?」

北上「…もう少し、ここでゆっくりしてこ」

焦る必要は無い。

私達と人とでは流れている時間が違うんだ。

決定的に。
212 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:51:23.78 ID:58MzKvrS0
北上「あり、大井っちから連絡来てる」

多摩「なんて言ってるにゃ?」

北上「本屋の近くを回りたいから一緒に行きませんか、だって」

多摩「受け渡しだにゃ」

北上「なんで私が子供みたいな扱いなのよさ」

多摩「不満ならスマホに慣れろにゃ」

北上「連絡ってそんなに大事?」

多摩「仮にも軍にゃ。緊急時は鎮守府に戻る必要があるし、事件に巻き込まれでもしたら後々が面倒なのにゃ」

北上「騒がれそうだもんね私達」

多摩「管理という点だけ見れば、こうして外に出すのだってあまりいいとは言えないだろうにゃ」

北上「提督が優しくてよかったよ」

多摩「全くだにゃ」
213 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:51:49.11 ID:58MzKvrS0
北上「はいっと」

多摩「スタンプ使えるんだにゃ」

北上「はいといいえのスタンプだけ使い方教わった」

多摩「だけ…」

北上「今何階ですか?」

多摩「ここは2階だにゃ」

北上「2と」

多摩「数字だけ…」

北上「数字は打てる」

多摩「練習しろにゃ」

北上「今から向かうので2階のエスカレーター付近で待っていてください、だって


多摩「じゃ向かうにゃ」
214 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:52:25.31 ID:58MzKvrS0
大井「北上さーん」ブンブン

多摩「手ぇ振りすぎにゃ」

北上「やほー大井っち。あれ?何も買わなかったの?」

大井「え?あー、はい。見て回ってただけですから」

北上「ふーん」

多摩「多摩は置物とか見てくるにゃ」

北上「また後でー」

多摩「にゃー」

大井「…またあの妙な猫の置物とか買ってくるんでしょうか」

北上「んーどうだろう」
215 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:52:53.06 ID:58MzKvrS0
大井「では私はこのフロアを回ってますから後でまた迎えに来ますね」

北上「はーいママー」

大井「提督と同じ扱いはやめてください」

北上「どちらかというと私の扱いが皆同じなんだけどね」

大井「北上さんはどうにも危険意識が低いからですよ」

北上「えーそうかなあ」

大井「そうです」

北上「ちぇ、大井っちは私と一緒に回らなくていいの?」

大井「北上さんと?でもあまり北上さんが見て面白そうな物はないと思いますよ」

北上「いや、ならいいんだ。またね」

大井「はい、また」
216 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:53:27.69 ID:58MzKvrS0
本屋に1人。

しかしどうにも気が乗らない。

北上「大井っちやっぱり変わったよね」

前なら絶対に私と回ったはずだ。

北上「考える事がいっぱいだなあ」

まーた頭ん中がぐちゃぐちゃになってきた。

とてもじゃないが本を落ち着いて読める状況じゃないや。

どうしよう。

北上「ゴムの事夕張にでも聞いてみるか」
217 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:54:01.27 ID:58MzKvrS0
夕張「もしもしー」

北上「あー夕張?やほー」

夕張「北上!?え北上が電話!?ホンモノ!?」

北上「失礼な。私だって教われば電話くらい出来るんだから」

本屋を一旦出て人気のない通路で初めての電話をした。

夕張「あははゴメンゴメン。えーっと、ああ街に出てるんだ。そういや買い出しとか提督が言ってたっけ」

北上「サラッとこっちの位置を特定しないでほしい」

夕張「気にしなーい気にしなーい。でなんのよう?」

北上「いやね、車に乗ってきたんだよ」

夕張「あーあれね」

北上「そこにコンドームがあってさ」

夕張「げっ!落としてたかぁ」

北上「やっぱお前かい」
218 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:54:30.11 ID:58MzKvrS0
夕張「年に二回各地の夕張が東京のとある場所に集まるのよ」

北上「それ大丈夫なの?」

夕張「ヤバイわよ。だから皆で場所被らないように担当決めて買い物してんだから」

北上「この情報化社会で中々にリスキーな」

夕張「多少変装はしてるしね。で、その集まりでちょっとした発明の発表会とかしてんのよ」

北上「あーオチが読めたわ」

夕張「言いたいから言わせて」

北上「どーぞ」

夕張「前回のテーマがコンドームだったのよ!」

北上「ひっどいテーマだ」
219 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:55:12.91 ID:58MzKvrS0
夕張「面白かったわよー。5mくらいまで伸びるやつとか発光するやつとか、ユニークなのだと段々萎んできて締め付けるのとか」

北上「拷問器具かなにかで」

夕張「個人的にお気に入りなのは使おうとしたら、北上ってゴムの使い方知ってる?」

北上「知ってても知ってなくてもここで知ってるって言ったらアウトだよね私」

夕張「そりゃそうか。袋破いて出したらね、音が鳴るやつかな。あの時はチクマーチクマーってなってた」

北上「鬼か」

軽くホラーである。

北上「夕張はどんなの作ったの?」

夕張「私?私は使うとGPSで居場所が特定出来るやつ」

北上「なんで何でもかんでも居場所特定したがるのさ」

夕張「システム使いまわせるから楽でさー。残念ながらゴムの大きさの都合上破って1時間で電池切れちゃうんだけどね。これで提督の浮気現場もばっちしよ!」

北上「もっとまともな用途は…ああゴムの時点でまともじゃないや」

夕張「ふっふっふー。RubberでLoverを見つけ出すってね!」

北上「別れはいつも唐突で」
夕張「あ、ちょ!ちょっと待って切らないで!」
220 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:55:42.10 ID:58MzKvrS0
夕張「袋は何色だった?」

北上「少し緑っぽい?ピンク」

夕張「なら大丈夫。グリーンは安全なものだから」

北上「色分けしてるんかい」

夕張「物騒なのもあるからね。なんかあったらヤバいからそこら辺の管理はしっかりしてんのよ」

北上「もっとしっかりすべき所は別にある…」

夕張「まあまあ、せっかくだし記念に持ってたら?」

北上「何故そうなる」

夕張「コンドームってなんか持ってると金運が上がるって聞いたわよ」

北上「ものっすごい嘘くさいんだけど」

夕張「ホントホント!あーただ聞いたってのは本当だけど話の中身が本当かはやっぱ分からないわ」

何処の夕張が言ったか知らないが夕張の時点で信用ならない気が…
221 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:56:14.18 ID:58MzKvrS0
北上「そもそもどこにしまえってのさ」

夕張「財布とか、スマホとか?」

北上「スマホに入れるとこある?」

夕張「ケースに、北上ケースって付けてるっけ」

北上「ないよ」

夕張「デスヨネー。今買っちゃえば?」

北上「それはアリかもね」

夕張「ゴム入れるためにケースを買うという前代未聞の購入理由ね」

北上「やっぱやめようかな」

夕張「捨てるにしてもそん時は破いて中身が何だったか教えてよ」

北上「えーここでやれと?まあいいや、じゃね」

夕張「ばははーい」
222 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:58:43.41 ID:58MzKvrS0
北上「…」

夕張「…」

北上「…」

夕張「切らないの?」

北上「どうやるの?」

夕張「oh…」


タッチひとつで電話を切れるとは。

でもこれ間違えて電話中にピッとおしてしまわないのだろうか。

北上「ケースかあ」

言われてみればみんなケースは付けている。形は多種多様だが。

さてそろそろ本屋に戻ろうか。
223 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:59:22.05 ID:58MzKvrS0
来た道を戻る。

角を曲がり、

北上「おっと」
「おっと」

曲がろうとしたら人とぶつかりそうになった。

北上「ごめんなさい」
「いやあこちらこそ」

女性だった。髪型も服装も私とは全く違う。

ただ身長が同じくらいで

北上「あれ?」
「んん?」

心做しか声も似ていて

北上「え」
「うわ」

どことなく顔も近くて

北上「マジか」
「ウソん」

というか

北上「北上?」
北上「北上?」

私がいた。
224 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 02:59:59.30 ID:58MzKvrS0
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

北上「へぇ、皆でショッピングか〜。いいねえ侘び寂びだねぇ」

北上「まあね」

どうやらこの私も侘び寂びを適当に使っているようだ。

先程と同じ人気のない通路。そのベンチに2人で腰掛けた。

北上「その服ってさ、もしかして大井っちが選んだやつ?」

北上「そそ。ちょっと窮屈というか、分不相応な感じがしてムズムズするけど」

北上「あー分かるなぁそれ。だから私は髪を解いてるんだ」

北上「意味あるのそれ?」

北上「変装してる気分になるっていうかさ、違和感があることに違和感がなくなる感じかな」

北上「なんじゃそら」

北上「私も言ってて分からんくなってきた」
225 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 03:00:27.37 ID:58MzKvrS0
聞けば彼女は提督の付き添いで遠くの鎮守府からここに来たそうだ。

北上「もう一山超えたとこの鎮守府に提督が用があるらしくてさ。長い時間話すっていうからその間ここでブラブラしてたの」

北上「付き添いなのに付き添わなくていいの?」

北上「鎮守府の中なら大丈夫だよ。それにあそこまで行くと周りなんもないんだもん」

北上「昼寝とかしてたら?」

北上「そんな、猫じゃあるまいしさ」

一瞬ドキッとした。

北上「ねえ、本って好き?」

北上「本?ん〜漫画とかなら読むけど」

おお、やはり同じ北上でも色々と違いはあるのか。なんか感動。
226 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 03:01:01.19 ID:58MzKvrS0
北上「私の服も大井っちが選んでくれたんだぁ。余所行きの良い奴をって張り切ってさ」

北上「大井っち流石だねえ」

私の服と違って可愛いというよりは綺麗よりな服装だ。派手な色はないがだからこそ際立つ。

北上「そうだった。大井っちへのお土産探してたんだった」

北上「どんなのを探してたの?」

北上「服とかハンカチとか、そういうのかな。ペアルックなのがいい」

北上「ペアかあ」

北上「君はそういうのしないの?」

北上「大井っちと?」

北上「そうそう」

北上「私は、しないかな」

北上「へえ」

そう言ってまじまじと私を見つめる。

向こうも自分と違う北上に思うところがあるようだ。
227 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 03:02:34.50 ID:58MzKvrS0
北上「あれ?それって」

ふと彼女の左手に目が止まる。

北上「これ?あーこれね。昨日阿武隈に噛み付かれた跡でね」

北上「そっちじゃなくて。いやそっちも凄く気にはなるんだけど」

北上「じゃあ、こっち?」

北上「そう、それそれ」

謎の噛みつきあととは逆の手にハマっている、指輪だ。

北上「ケッコンのやつだよ」

北上「結婚!?提督と?」

北上「提督と…もしかしてケッコンってしらない?」

北上「知ってるよそりゃ、結婚でしょ?」

北上「待って、多分違う。絶対齟齬があるこれ」

北上「なんと?」

北上「君は艦歴いくつ?」

北上「半年位だけど」

北上「なら知らなくてもおかしくはない、のかなぁ。まあ説明しとくか」
228 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 03:03:04.48 ID:58MzKvrS0
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

北上「へぇケッコンカッコカリか」

北上「酷いネーミングセンスだよね」

北上「確かに」

北上「こんな名前だから欲しがる娘は多くてさ。提督ラブな娘なんか特に」

北上「カッコカリとはいえケッコンだものね」

金剛さんが真っ先に思い浮かんだ。

北上「もう何人にも渡してるのにそんな特別な意味なんてないだろうにさ」

北上「いっぱいいるの?」

北上「うん。十、いや二十はいたかな。信頼関係ではあっても恋愛関係ってわけじゃないよ」

北上「その辺の違いは議論の余地がありそうだけどね」

北上「かもね。でも私は別に提督の事を好きってわけじゃないよ。極上の信頼は置いてるけどさ」

北上「極上?」

北上「極上だよ。命を預けてるわけだし」
229 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 03:03:41.88 ID:58MzKvrS0
北上「私はどうなんだろうなあ」

北上「おやおや?恋に恋する乙女的な悩みがあったり?」

北上「どっちかと言うと恋に悩めるかな」

北上「相手をどう思うとかじゃなくて、恋自体に悩んでると」

北上「流石私物分りがいい」

北上「別に無理に男女じゃなくたってさ…」

北上「なに?急にフリーズして」

北上「ちょっとこっち向いて」

北上「いいけど、一体なn!?
230 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 03:09:18.06 ID:58MzKvrS0
唇を塞がれた。

しかも唇で。

並んで座っていたというのに恐ろしく早く手慣れた手つきで私の顔を引き寄せた。

驚きで目を瞑ってしまい、暗闇にとらわれる。

えなに何やってんこいつと軽くパニクったがようく考えてみるとこれはキスというやつだ。

勿論知ってはいるが半ば空想上のモノと認識していただけにこのリアルな体験はかなりの衝撃があった。

ここが人気のないところでよかった。

うわ舌を入れてきた。世の中には魚の踊り食いなんてものがあるらしいが口の中で自分以外の何かが動くというのはこんな感じなのだろうか。

控えめに言ってもあまり気持ちの良いとは言い難い感じなのだが。

視界がゼロなせいか余計に感覚が鋭く舌の動きを脳に伝える。

実際には1分もなかったであろう時間もやたらと長く感じられた。

北上「プハッ」

北上「…」

あ終わった。

北上「恐ろしく無反応だね」

北上「拒否反応じゃなくてよかったじゃん」
231 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 03:09:53.50 ID:58MzKvrS0
北上「どう?何か感じた?」

北上「若干引いた」

北上「そうじゃなくてさ」

北上「んー艶かしい…いや生々しい。有り体にいえば気持ち悪い」

北上「えーそれだけ?」

北上「それだけ…第一何でこんなことを」

北上「私はよく大井っちとするんだ」

北上「マジで」

北上「マジでマジで」
232 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 03:10:27.07 ID:58MzKvrS0
北上「キスって好きな人とするものじゃん?」

北上「初対面の、しかも自分のドッペルゲンガーを好きだとは思わないよ私は」

北上「そうじゃなくてさ、実際にやってみたら好きとかそういうのがなんかわかるかなーって」

北上「それだけで?」

北上「それだけで」

北上「…本当、に?」

北上「…キスしてる時の自分の顔ってどんなのか気になってちゃったりしちゃったり?」テヘ

そう言ってチラリと舌を出す。

うーむこいつの前世は蛇だな間違いない。
233 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 03:11:02.09 ID:58MzKvrS0
北上「提督にはしないの?」

北上「そんなことしたら戦争が起きるよ」

北上「言わんとすることはわかるけどよく考えるととんでもない事だよね」

北上「へへ。そっちこそ提督にはしないの?」

北上「なんで私がさ」

北上「してみたら好きかどうかわかるじゃん」

北上「わかる、かなぁ?」

北上「多分ね。何の保証もしないけど」

北上「ちぇー無責任め」
234 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 03:11:31.36 ID:58MzKvrS0
北上「おっと提督から連絡だ」

北上「なんて?」

北上「そろそろお迎えに行かなきゃだ」

北上「ならお別れだ」

北上「そうだね」

北上「元気でね私」

北上「息災でね私」

北上が立ち上がる。

不思議とまた会うこともあるだろう、とは全く思えなかった。
235 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 03:12:05.21 ID:58MzKvrS0
北上「ねえ」

北上「なに?」

北上「大井っちの事どう思ってるの?」

北上「大井っち?大井っちかぁ」

少し考えた後、振り返った北上はこう教えてくれた。

北上「大好きだよ。何よりも。他の誰にも、提督にだって渡したくないくらい、ずっと独り占めしていたいくらいに」

北上が去った後も、その言葉とあのなんとも言えぬ表情がまるで蛇のように私の頭の中に絡みついて離れなかった。
236 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/21(月) 03:16:24.76 ID:58MzKvrS0
同じキャラ同士での絡みって意外と少ない増えて

すり減った資源と精神にすうっと効くミニイベント
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/21(月) 19:32:40.20 ID:0TxJRoZ80
出撃回数とバケツの減りは普通に中規模イベント並み
更新乙様です、毎回の更新楽しみにしてますよ
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/21(月) 21:31:24.74 ID:lWf9zi1g0
おつ クレープ食いたくなったw

カタパルト3、凄い対潜装備などなど貰えるものは下手なイベよりいいので本気モード
通常海域の編成見直しにもなって割と勉強になってる
239 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/31(木) 14:07:13.70 ID:StvkU8fQ0
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

北上「おかえりー」

大井「あら、本は買わないんですか?」

北上「どうも興が乗らなくてさ。大井っちは?」

大井「私も収穫はなしです」

北上「何探してたのさ」

大井「まあ、色々と」

北上「色々ねえ」

提督へのお土産と言ったところか。
240 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/31(木) 14:07:49.76 ID:StvkU8fQ0
北上「大井っちキスって興味ある?」

大井「キス…キス!?どうしたんですか急に!?」

北上「本で読んでさ、なんか気になっちゃって」

大井「もしかして北上さん、キスしたい相手でもいるんですか?」

北上「えー私はいないよ」

大井「でもでも!キスに興味があるんですよね」

北上「う、うん」

なんか物凄い食いつきっぷりだ。目をキラキラさせてるし。何故に。

北上「私じゃなくて大井っちの意見が聞いてみたいんだよ」

大井「そうですねぇ。ないと言えば嘘になりますね」

嘘つけ絶対興味ありありだよ。なんなら既に…

北上「まあいっか」

大井「えーそれだけですか。もっとこう乙女チックな何かないんですか?」

北上「単に興味本意だったからさ」
241 : ◆rbbm4ODkU. [saga]:2018/05/31(木) 14:08:19.46 ID:StvkU8fQ0
大井「まあいいです。次行きたいところありますか?」

北上「んー。うんにゃ、なんか疲れちゃったし休憩したいかなぁ」

大井「休憩、ですか」

北上「?」

大井「いえ。なんだかいつもの北上さんらしくって」

北上「そうかな」

大井「そうです」

おっと、大井っちにも変なテンションだと思われていたのか。

だとしたら、大井っちもやはりらしくないと言える。

言わないけど。
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