大石泉「高峯のあの事件簿・都心迷宮」

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102 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:32:52.86 ID:29cK37xH0
48

都心迷宮・固められた鉄の扉前

真奈美「何か音がしないか?」

のあ「音というよりは振動……あら」

真奈美「行き止まりだ。鉄の扉だが」

のあ「開かないわね、これは」

真奈美「塞がれているな、溶接か?」

のあ「しかも、反対側から。ここから出るのは無理でしょうね」

真奈美「公式の資料に間違いはないということか」

のあ「真奈美、この先に何があるかわかるかしら」

真奈美「すぐには出てこないな。のあはわかるのか?」

のあ「地下鉄」

真奈美「なるほど。確かに、位置関係もあってるな」

のあ「そうなると、何のためのものだったのかしら」

真奈美「避難路じゃないか」

のあ「避難路?」

真奈美「火事や事故の際に逃げ込めるようになっているんだろう」

のあ「あるいは、排水路かしら」

真奈美「いずれにせよ、緊急事態に使うのだろう」

のあ「それなら、ここを閉じた理由は」

真奈美「それこそ、政治的事情じゃないのか」

のあ「政治的、ね」

真奈美「わざわざ工事も終わってる避難路をないものとする理由なんてあるか?」

のあ「普通は考えられないけれど、工事そのものを隠したかった」

真奈美「工事費の圧縮が市民団体から求められていたが、契約を破棄するわけにもいかない」

のあ「書類とも祖語があってもいけない」

真奈美「だから、消した。工事費用は何かに上乗せして支払ったんだろうな」

のあ「誰も得しないわね」

真奈美「市民団体は満足感を得られただろうな」

のあ「事情を知って使っている人物も」

真奈美「そこまで調べてるのか、相手は」

のあ「それはわからないけれど、行き先は見つかった」

真奈美「サインはどこだ?」

のあ「天井。さっきの分かれ道を右よ」
103 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:34:16.20 ID:29cK37xH0
49

都心迷宮・歯車の絵が飾られた広場

のあ「歯車……」

真奈美「のあ、向こうの道を見て来た」

のあ「どうかしら」

真奈美「ここまでのマッピングだ、参考にしてくれ」

のあ「フム……歯車の絵と関係は」

真奈美「思い当たらない」

のあ「道は複数ある、という意味は」

真奈美「それはあるかもしれないな」

のあ「地図であることを放棄した意味は」

真奈美「確かにこれまでとは違う」

のあ「迷路にするため、かしら」

真奈美「なるほどな。心得がなければ、既に迷っていてもおかしくない」

のあ「そうなると意味としては」

真奈美「侵入者を防ぐため」

のあ「いいえ。古来から逆の意味よ」

真奈美「牛の怪物を閉じ込めるため、か」

のあ「アリアドネの糸は大石泉には用意されなかったようね」

真奈美「ようやく、都心迷宮らしくなってきたな」

のあ「真奈美は余裕ね」

真奈美「人工的に放置された区画だ。限界がある」

のあ「加えて、使われている区画に近づきすぎてもいけない」

真奈美「そこで、考えた」

のあ「降りる」
104 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:34:49.04 ID:29cK37xH0
真奈美「答えを先に言われたか。探偵の意見を聞こう」

のあ「真奈美がマッピングした部分以上にここから離れるとは思えないこと」

真奈美「それで」

のあ「昇るか降りるか。どちらかならば、降りるしかないわ」

真奈美「それは何故かな?」

のあ「何もなくても降りられる」

真奈美「地球は昇るのを妨げるが、降ろすことは助けてくれる」

のあ「人間はそれを制御できないけれど。それで、真奈美?」

真奈美「どうした?」

のあ「降りる場所を見つけてるでしょう、案内なさい」

真奈美「ご明察だ。推理じゃなく、調査から来た結論だよ」

のあ「どちらでもかまわない。行きましょう」
105 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:35:59.46 ID:29cK37xH0
50

都心迷宮・梯子部屋

真奈美「外れたりはしなそうだな……よし、行こうか」

のあ「真奈美、質問していいかしら」

真奈美「どうした?」

のあ「歩きながらでいいわ。折りたたみの梯子で降りて来たけれど」

真奈美「そうだな。外れることはなさそうだから、帰りも問題ない」

のあ「梯子がないと戻れないわよね」

真奈美「ここからは戻れない。別ルートがあるのかもしれないが」

のあ「逃げようとしても逃げられない、と」

真奈美「誰かが梯子を上に戻した場合は、そうなるな」

のあ「上に道があることすら、わからないわね……」

真奈美「のあ、何か思い当たることでもあるのか」

のあ「逃げようとして、迷っていなければいいけれど」

真奈美「……」

のあ「真奈美、ケータイの電波入るかしら」

真奈美「全滅だな。無線らしきものもない」

のあ「助けも呼べない、と」

真奈美「だが、電気は通っている」

のあ「所々、照明がついてるわね」

真奈美「インターネット回線もあるかもしれないな」

のあ「……何のための場所なのかしら」

真奈美「部屋のようなものも見られるが」

のあ「地下鉄からは離れてるわよね」

真奈美「今思えば、歯車の絵は地下鉄駅の更に下だった」

のあ「単純に機械の意味だったのかしら」

真奈美「清路新都心駅から今は北東に進んでいる」

のあ「つまり」

真奈美「行政施設が集まってる区域の下だな」

のあ「シェルターかしら」

真奈美「いや、そんな大仰なものじゃない。計画が頓挫しただけだな」

のあ「計画?」
106 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:36:31.79 ID:29cK37xH0
真奈美「ああ。この資料は見たか?」

のあ「流し見ただけ。教えてちょうだい」

真奈美「地下に歴史資料館、美術館、図書館、商業施設等の計画があったようだな」

のあ「工事だけやられている、と」

真奈美「元々基礎工事で深く掘るのは必要だったみたいだな。放置した理由は私にはわからない」

のあ「真奈美、ストップ」

真奈美「見つけたか」

のあ「向こう側、明かりが強いわ」

真奈美「誰かいるかもしれないな」

のあ「真奈美、警戒して」

真奈美「わかってる」
107 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:37:46.79 ID:29cK37xH0
51

都心迷宮の奥

泉「思わず、隠れちゃったけど……」

のあ「PCに、冷蔵庫に、電子レンジに、ゲーム機……本も大量ね」

真奈美「電気も点いてる。誰かいそうだな」

泉「あいつらの味方かな……同じように背が高いし……」

のあ「冷蔵庫の食料、残り数日分と言ったところかしら」

真奈美「隠れてるか、閉じ込められているか」

泉「銃、持ってる……」

真奈美「ベッドもイスも一つだ」

のあ「古ぼけたイスはあるけれど」

真奈美「誰か一人の部屋だ」

泉「……」

のあ「大石泉、いるかしら。友人から依頼を受けて、探しに来たわ」

泉「……え?」

真奈美「いたな、銃はしまっていいか」

のあ「どうぞ。大石泉さん、出てきていいわ」
108 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:38:17.08 ID:29cK37xH0
泉「……見つかった」

のあ「こんにちは。どうぞ、こちらへ」

泉「……」

のあ「座っていいわ。仕事席かしら」

泉「……そうだけど」

真奈美「写真の通りだな。髪が少し荒れているが」

のあ「美容師は紹介してあげるわ」

泉「えっと……」

のあ「敵か味方で言えば、味方よ」

泉「……誰の?あいつらじゃないの?」

のあ「あいつらが誰かは知らないけれど、あなたの味方のつもりよ」

泉「……質問していいかな」

のあ「どうぞ」

泉「さくらと亜子があなたに……」

のあ「……」

泉「さくらと亜子が、私を探してくれたの……?」

のあ「……」

真奈美「のあ、答えてやれ」

のあ「私は高峯のあ、探偵よ。村松さくらと土屋亜子の依頼を受けて、あなたを無事に帰らせることを約束したわ」

泉「……」

のあ「その約束を果たしていいかしら」

泉「あ……うん」

のあ「大石さん?」

泉「さくらと亜子が……見つけてくれた……」

のあ「……」

泉「信じてた、信じて、良かった……待ってて、良かったんだ……」

真奈美「……」

泉「何も話さないで、親友に何も話さないで、心配かけたのに……見つけてくれて……私、ごめん、って言わないと……」

真奈美「のあ、お茶の準備をしようか」

のあ「お願い。大石泉?」

泉「ぐすっ……なに」

のあ「落ち着いたら、話を聞かせてちょうだい」

泉「……ごめんなさい」

のあ「いいのよ。もう急ぐこともないのだから」
109 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:39:19.18 ID:29cK37xH0
52

都心迷宮の奥

真奈美「緑茶で良かったか?」

泉「うん。ありがとう」

のあ「落ち着いたかしら」

泉「泣いちゃった、まだ二人に会ってもいないのに」

のあ「心細かったかしら」

泉「……二人には言わないでね」

のあ「別に良いと思うけれど」

泉「誰かに連れていかれたんじゃなくて、自分で選んだことにしたい」

真奈美「ここに来たのは君の意思が少なからず反映されている、のか?」

泉「元はといえば、私が願ったこと。それに、ここで追い詰められてた、なんて言ったら死にそうなくらい心配しそうだから」

のあ「追い詰められていた、とはどういうことかしら」

泉「仕事は終わってたの。仕事内容は……ハッキング」

のあ「仕事の話は後にしましょう。それで」

泉「私の支援が打ち切られた」

真奈美「詳しく教えてくれないか」

泉「まずインターネットが切られて、お世話係が来なくなった」

のあ「お世話係は何をしていたのかしら」

泉「生活に必要な物とか色々調達してくれた」

のあ「ここに連れて来たのは」

泉「わかんない……目隠しされてたし」

真奈美「食品も、か?」

泉「そう。でも、残りはあれだけ」

のあ「つまり」

泉「私は選択を迫られてた」

のあ「……」
110 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:39:49.84 ID:29cK37xH0
泉「残るか、逃げるか。餓死するか、遭難して死ぬか」

真奈美「……それは不安だったろう」

泉「私は待つことを選んだ、二人なら見つけてくれるから」

のあ「その賭けには勝ったわね」

泉「でも、わかった」

のあ「なにかしら」

泉「不安だとお腹が空く。食料に限りがあることが不安で」

のあ「……その選択を迫られたのは何時かしら」

泉「一昨日の夜だった」

のあ「誰から」

泉「わからない、親玉みたいな人」

のあ「親玉……」

泉「私の仕事に関わる人のリーダーだと思う……多分」

真奈美「どんな人物なんだ」

泉「名前もよくわからないけど、メガネで長髪の女性だった」

真奈美「女性、か」

泉「30歳は絶対に行ってないと思う。もしかしたら、もっと若いかも」

のあ「仕事の依頼はその人物から、かしら」

泉「大元を辿ればそうだと思う。直接の依頼はお世話係から」

のあ「仕事のことについて、聞いていいかしら」

泉「ハッキング」

真奈美「前からやっていたのか?」

泉「そんなことしてない……出来るかも、とは思ってたけど」

のあ「ハッカーにさせたのは、この状況なのね」

泉「……それを言い訳にしていい、かな」

のあ「それで整理がつくならば」

真奈美「そうだな」

のあ「ショッピングモールのハッキングをしたのは、あなたかしら」

泉「そうだよ。一番大きい仕事だったと思う」

のあ「使ったのは」

泉「銀髪のサンタクロースって自称してた人、なん……だけど」
111 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:40:27.31 ID:29cK37xH0
真奈美「どうした?」

泉「ここで、殺されて……」

真奈美「ここ、か。君は大丈夫か?」

泉「……大丈夫。そのサンタも私がショックを受けるのを望んでない」

のあ「遺体は発見されているわ。トナカイの一人も捕まってる」

泉「……」

のあ「辛いことを聞くけれど、殺害したのは」

泉「偶に来る殺し屋、弓矢で……その」

のあ「弓矢の殺し屋……」

真奈美「もしかして、未成年だったか」

泉「大人っぽかったから……でも、そうかも」

真奈美「夏美君の悩み事が増えるな」

のあ「自棄食いで昔の体形に戻らないといいけれど」

泉「私のせい、かな。あのサンタクロース、悪い人じゃなかった」

のあ「どうして、そう思うのかしら」

泉「助けてくれようとした。その……弟も含めて」

のあ「あなたのせいではないわ」

真奈美「善意を持っていたとはいえ、彼女は犯罪者だ」

のあ「弟について聞いていいかしら。それがあなたの動機なのね」

泉「……そう」

のあ「聞かせてもらっていいかしら」

泉「弟の病気を治療するのと引き換えに、私は仕事を受けた」

のあ「ご両親は」

泉「知ってる。私がここに来た後に知らされてるはず。でも……」

のあ「何か問題が」

泉「治療するのは嘘だった」

真奈美「嘘、か」

泉「治療法が公開されるという情報だけしか、持ってなかった」

のあ「その情報だけで、あなたを操ったのね」

泉「騙されちゃった」

真奈美「治療法があるというのは本当なのか」

泉「これから調べる。ここまでやったなら、普通のことなら出来る」

のあ「応援しているわ。二人は弟さんのことを知っているの」

泉「詳しくは言ってない……言わないとかな」

真奈美「どんな事情でもわかってくれるはずだ」

のあ「そういうものでしょう」

泉「親友だから、話すよ」

のあ「ええ。きっと力になってくれるでしょう」

泉「……うん」
112 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:41:15.78 ID:29cK37xH0
のあ「結果的に、待つのは正解だったわ」

真奈美「おそらく、出れなかっただろうな」

泉「そうなんだ?」

真奈美「帰り道でわかる」

のあ「詳細は警察にでも話してちょうだい」

泉「……捕まるかな」

のあ「事情は配慮してくれるでしょう」

泉「そっか、正直に話すね」

のあ「私が聞きたいことはあなたを雇った側のこと」

真奈美「目的はなんだろうな」

泉「よくわからない。何に協力させられてるのかも」

のあ「ショッピングモールの件は」

泉「あれは本題だったのかな……?」

のあ「わからない」

泉「親玉のような人が言うには、だけど、いや、これも意味がわからないやつなんだけどね……」

のあ「言ってみなさい」

泉「私がハッカーになるのを見ていたかった、とか」

真奈美「……どういう意味だ?」

のあ「犯罪を見るのが目的、と。映画でも見ているつもりなのかしら」

泉「あんまり考えたくない、理解もしたくない」

真奈美「いずれにせよ、真っ当な人間な思考ではないな」

のあ「あなたが会った人物は全部で何人かしら」

泉「メガネの親玉に、お世話係、サンタクロース、弓矢の殺し屋、えっと、もう一人誰かいたんだけど……」

のあ「無理に思い出さなくていいわ。その人物につながる情報は何かあるかしら」

泉「ごめん、何もない。誰かが親玉の名前を呼んでたような気がするんだけど……思い出せなくて」

のあ「でも、妙ね」

真奈美「妙とは」

のあ「影も形も掴ませないのがこれまでだったけれど」

真奈美「確かにそうだな」

のあ「大石さんもこの通り無事で、私達に引き渡された」

泉「それって……」

のあ「現実にならなかった最悪の事態を想定するのは、無駄。心労にしかならない」

泉「……わかった。そうだ、親玉につながる手掛かりならあるよ」

のあ「何かしら」

泉「これ」

真奈美「カギか」
113 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:42:18.45 ID:29cK37xH0
泉「奥の扉のカギ。親玉のコレクションルームみたい」

のあ「ちょっと覗いてくるわ。真奈美、大石さんと帰る支度をしておいて」

真奈美「わかった。大石君、帰り支度をしよう」

泉「わかった」

真奈美「食事は取れているか」

泉「実はあんまり。泣いて安心したらお腹すいた」

真奈美「少し、冷凍庫から拝借しようか。美味しそうだが、どうだったかな?」

泉「味は良いよ。お世話係が持って来たデリバリーはもっと美味しかった」

真奈美「ちょっと見繕おう。帰り支度は続けてくれ」

泉「わかった」

真奈美「PCの回収は後だな。ケータイはあるのか」

泉「そういえば返された。電波が繋がらないから使い物にならないけど」

真奈美「村松君と土屋君への連絡は」

泉「私が文面を作って、お世話係が外で送信してたみたい。私も心配させたくなかったから、それについては共犯かな」

真奈美「お風呂は」

泉「奥の方にユニットバスがあるよ。お湯もちゃんと出たけど、シャンプーが合わなくて」

真奈美「なんとか暮らしていけそうだな」

泉「ううん、暮らしていけない」

真奈美「そうかな?」

泉「友達がいない暮らしなんてイヤなんだ」

真奈美「フッ、その通りだな」
114 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:42:48.25 ID:29cK37xH0
のあ「……」

真奈美「のあ、もう戻ってきたのか」

のあ「大石さん、ありがとう。真奈美は、これを見て」

真奈美「なんだ、日記帳か?」

のあ「スクラップブック、見覚えがあるはずよ」

真奈美「待て、乙倉悠貴が持っていたものだ」

のあ「何故ここにあるのか。それに、これが挟まれていたわ」

泉「……アイドルのプロマイド?眠り姫みたい」

真奈美「そう見えるだろうが……これは」

のあ「遺体の写真よ。このスクラップブックの持ち主が個人的に撮って印刷したもの」

泉「い、遺体?」

のあ「他のコレクションは美術品や写真だった」

真奈美「事件に関わるものがあったのか」

のあ「ええ。成宮由愛の絵も飾ってあったわ」

泉「ライブの半券もあったけど、それも?」

のあ「おそらく。松永涼のバンドがあったわ」

真奈美「つまり、だ」

のあ「乙倉悠貴は、無関係な第一発見者ではなかった」

真奈美「まさか、大石君を雇った側だったのか」

のあ「それに、このページを」

真奈美「西島櫂が犯人だ、と……亡くなる前に気づいていたのか」

のあ「でも、このスクラップブックは見つかっていない」

泉「何の話かわからないけど……」

のあ「あの人物なら合点がいくわ」

泉「親玉に心当たりがあるの?」

のあ「明らかに開示してる。気づいてもらいたがっている」

真奈美「その理由はわからないが。のあ、写真はあるか?」

のあ「希砂島で撮ったものがあるわ。大石さん、写真を見てちょうだい」

泉「……」

のあ「この写真の中に、あなたの雇い主はいるはずよ」

泉「……いた。この人が親玉」

のあ「名前は古澤頼子」

泉「思い出した、サンタクロースが呼んでた、古澤って。あと自分は何と呼ばれているか、言ってた」

のあ「何と」

泉「『キュレイター』って」
115 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:43:21.89 ID:29cK37xH0
のあ「学芸員……そのままじゃない」

真奈美「西川保奈美の事件からずっと近くにいたのか」

のあ「……」

真奈美「のあ?」

のあ「その気ならば」

泉「その気って……なに」

のあ「相手になるわよ、古澤頼子」
116 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:44:38.83 ID:29cK37xH0
53

夕方

高峯探偵事務所

まゆ「ただいま帰りましたぁ」

のあ「まゆ、お帰りなさい」

まゆ「のあさん、お帰りになってたんですねぇ」

のあ「ええ」

まゆ「大石泉さんは……?」

のあ「無事に送り届けて来たわ」

まゆ「まぁ……お体は大丈夫ですかぁ?」

のあ「ええ。村松さくらと土屋亜子に良い報告ができて良かったわ」

まゆ「はい……のあさん、お疲れ様でしたぁ」

のあ「ありがとう、まゆ」

まゆ「着替えたら、お夕飯の準備をしますねぇ」

のあ「慌てなくていいわ。まゆ、聞いていいかしら」

まゆ「お夕飯のリクエストですかぁ?」

のあ「最近、古澤頼子から連絡があったかしら」

まゆ「古澤さん、ですかぁ……ないですよぉ」

のあ「そう。成宮由愛とは連絡を取ってるかしら」

まゆ「最近はお電話してませんねぇ、今日してみようかな」

のあ「……そう」

まゆ「何か……ありましたか」

のあ「事件の背後に誰かがいる、という話はしたわね」

まゆ「……はい」

のあ「それが古澤頼子だった」

まゆ「……え?」
117 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:45:35.48 ID:29cK37xH0
のあ「今は調べているところよ」

まゆ「古澤さんが……?」

のあ「もしも連絡があったら、教えてちょうだい」

まゆ「本当ですかぁ……普通の学芸員さんでしたよ」

のあ「私もそうだと思っていたわ」

まゆ「違うんですかぁ……?」

真奈美「のあ」

のあ「真奈美、何かわかったかしら」

真奈美「佐久間君、お帰り」

まゆ「ただいま、真奈美さん」

真奈美「古澤頼子についてだが」

まゆ「……」

真奈美「市立美術館は先月末で退職している」

のあ「先月末、タイミングが良すぎるわね」

真奈美「6月には退職を願い出ているようだな」

まゆ「希砂島でそんなこと言ってなかったのに……学芸員の仕事が充実してるって……」

のあ「退職理由は」

真奈美「家庭の事情だそうだ、要するにわからない」

のあ「計画通りだった、ということかしら」

真奈美「大石泉が登校して来ないことがわかるのが9月1日、予想通りだろう」

のあ「今はどこにいるのか、わかるのかしら」

真奈美「消息不明だ」

まゆ「行方不明……」

真奈美「職員は親しい友人を知らなかった。個人のケータイでは連絡が取れない」

のあ「消えた、と」

真奈美「学芸員になる前も簡単に問い合わせしてみた」

のあ「手掛かりは」

真奈美「こちらもないが、あることがわかった」

まゆ「あること……」

真奈美「本当に古澤頼子、なのか?」
118 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:47:28.67 ID:29cK37xH0
のあ「言っている意味がわからない。説明してちょうだい」

真奈美「彼女の存在を確認できたのは、学芸員になる前の大学院時代だけだ」

のあ「それ以前は」

真奈美「書類上は卒業しているが」

まゆ「あの人が見つからない……」

真奈美「地味だが間違えはしない容貌だろう、背は高いが猫背だ」

のあ「誰かになりすましている、と」

真奈美「もしくは書類を偽造しているか」

のあ「そう……」

真奈美「どうする」

のあ「こちらが勘付くのも想定内、ならば」

真奈美「調べよう」

のあ「ええ。でも、今日は」

まゆ「今日は……?」

のあ「友情を守ったことを喜びましょう」

真奈美「そうだな」

のあ「何があっても、彼女達なら立ち向かっていけるわ」

まゆ「はい、お友達は大切ですよねぇ」

のあ「ええ」

真奈美「私達も立ち向かえるか」

のあ「きっと」

まゆ「皆で協力すれば……必ず」

のあ「真奈美、まゆ、偶には甘いものが食べたいわ。用意してくれるかしら」

まゆ「はぁい、のあさん」

エンディングテーマ

The brightNess

歌 高峯のあ、木場真奈美、佐久間まゆ
119 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:49:38.03 ID:29cK37xH0
54

幕間

星輪学園・教会

水野翠「……」

クラリス「水野さん、お祈りですか」

水野翠
星輪学園高等部の3年生。最後のインターハイも周囲が望まれた結果ではなかった。

クラリス
星輪学園の住み込みシスター。倫理と宗教の担当教員でもある。

翠「祈りなど捧げていません」

クラリス「誰かの声を聞いているようでした。主の声でないのなら、どなたでしょうか」

翠「自分に決まっています」

クラリス「没我しているように見えましたが」

翠「バカらしい。人間が理性を捨てて、『素直に世界を見たら』、見える世界は完全に主観です。歪みに歪み切った世界が真実だなんて、虚偽が過ぎます」

クラリス「面白い見方をしていますね」

翠「没我ではなく、自分を極める行為なのです。没我したいなら、操り人形になればいいのです。世間とか理想で自分を消していけばいいのですから。わかりますか、シスタークラリス?」

クラリス「祈りではなく、自分の欲望を聞いていたのですね」

翠「ええ、その通りです」

クラリス「翠さん、考えを変えるなら今のうちですよ」

翠「今更、なんですか」

クラリス「自分の欲望をわかっていますか」

翠「わかっています。私は然るべき……」

クラリス「申し訳ありません。今はお話を聞いている時間がありません」

翠「来客ですか」

クラリス「はい。奥の懺悔室が空いています、ご利用ください」

翠「わかりました。お気遣い感謝します」

クラリス「罪を知り、赦すことが魂の救済です。私は限られた時間で一人でも救わないといけません」

翠「救われようなど思っていません」

クラリス「貴方は、まるで炎のようです」

翠「炎、でしょうか」

クラリス「周囲はおろか自身を燃やして、いつか消えてしまいますよ」

翠「ふふっ……それも悪くありません」

コンコン……

翠「来ました、失礼します」

クラリス「どうぞお入りください、扉はいつでも開かれていますよ」

幕間 了


製作 tv○sahi

120 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:51:04.27 ID:29cK37xH0
次回予告

絶対にあの人は無実を証明してくれるから……大丈夫。

第8話
浅野風香『高峯のあの事件簿・佐久間まゆの殺人』
121 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:52:19.48 ID:29cK37xH0
>>84

(1)
Barnett Newman, From “The New American Painting”, SWI 179
122 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:54:22.70 ID:29cK37xH0
オマケ

撮影休憩中の一幕・嗅覚、聴力と来たら……

志希「志希ちゃん、思いついたんだけどー」

音葉「志希さん……どうしましたか」

久美子「アドリブでも思いついた?」

志希「志希ちゃんが嗅覚、音葉ちゃんが聴覚でしょ〜」

久美子「私は?」

志希「良い匂いがする」

久美子「それは違わない?」

志希「だから、視力担当を入れよう!」

音葉「視力担当……ですか」

志希「触覚、味覚、平衡覚にシックスセンス担当も入れちゃおう!」

久美子「そこまで入れると別のドラマじゃないかしら」

音葉「フム……愛海さんに、葵さんに、穂乃香さん、朋さん辺りでしょうか……?」

久美子「触覚担当愛海ちゃんでいいの……?あと、ユッコちゃんがへそを曲げちゃいそう」

志希「わかりやすい視力担当は〜?」

音葉「それなのですが……」

久美子「何故かわからないけど、視力が悪い子とメガネを勧めてくる子しか思い出せない」

志希「あ〜……」

音葉「この前のドラマで衣装として身に着けてから……メガネの推薦が度々……」

志希「にゃはは、執事似合ってたよ〜」

真奈美「……なあ、のあ」

のあ「真奈美……どうしたのかしら……」

真奈美「音葉君は志希君を平然と膝の上にのせているが、役作りなのか?」

のあ「真実は揺らぐもの……虚構と現実は不可分……」

真奈美「それにしても、喉を撫でる必要はないと思うがなぁ」
123 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:56:03.88 ID:29cK37xH0
P達の視聴後

PaP「実際のところ、泉ちゃんはハッキング出来るのか?」

CoP「バカなこと言わないでよ、やらないから、だそうです」

CuP「やれるんですか……?」

CoP「やらないならやれないと同じです」

PaP「格言みたいなこと言うんだな。さくらちゃんと亜子ちゃんにも聞いたのか」

CoP「そんなことしませんよぉ、と言っていました」

CuP「普通そうですよね」

PaP「それにしても」

CoP「どうしました?」

PaP「女の子の声真似も上手いんだな。さくらちゃんの真似の方が似てた」

CoP「これでも役者の端くれだった時期もあるので」

CuP「否定しないあたり、強いなぁ。他にも誰か出来るんですか?」

CoP「そうですね……きらりちゃんの真似は自信がありますよ」

PaP「残念だが、聞きたくない。よしんば聞いても、評価はしない」

おしまい
124 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:58:24.24 ID:29cK37xH0
あとがき

高峯のあの事件簿も後半突入した早々、次話からラストまでのロングスパート開始です。
後半戦は4年を経て、リメイクすることになるあの話から。

次回は、
浅野風香『高峯のあの事件簿・佐久間まゆの殺人』
です。

それでは。

登場キャラクターリストとシリーズもこの後に載せておきます。
125 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:58:59.39 ID:29cK37xH0
主要キャラクターリスト(第7話時点)

高峯のあ
高峯探偵事務所を営む探偵。資産家、実業家の面も併せ持つ。特技は柔道。趣味は前川みく。
中学生の時に両親を失っており、人格形成に大きな影響を及ぼしている。
スパイシーなものが好きらしい。

木場真奈美
助手その1。生活面等々の他方面から探偵を支えている。
普段はボイストレーナーの仕事をしている。海外生活で身に着けた多彩なスキル持ち。
特に料理、運転、射撃は人並み以上らしい。

佐久間まゆ
助手その2。東郷邸の事件をきっかけに高峯家に居候することになった。
お料理と編み物が趣味の優しい女の子。
火事で両親を失って、親族の所を転々としていた。星輪学園の前に通っていた高校にはあまり馴染んでいなかったようだ。

前川みく
愛称はみくにゃん。とってもかわいいねこちゃんアイドル。
小柄ながらグラマーな体形、ジャズを得意にするなどカワイイねこちゃんなだけじゃないのよ。
12月には清路市でライブが決まっているの。今から準備しないといけないわ。
126 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:59:30.82 ID:29cK37xH0
清路警察署

高橋礼子
清路警察署の署長。階級は警視正。中央でキャリアを積んでいたが、訳あって清路警察署の署長職についたようだ。

柊志乃
刑事一課長。階級は警部。留美とコンビを組み、多大な成果を上げていた。猛者揃いの刑事一課をまとめる女傑。

和久井留美
刑事一課和久井班班長。階級は警部補。趣味は仕事とトレーニング。柔道、空手、剣道、少林寺拳法の有段者。射撃も研鑽中。のあとは前川みくの件も含めて腐れ縁。

大和亜季
刑事一課和久井班。階級は巡査部長。自他共に認める肉体派。留美とトレーニングをしていることが多くなったらしい。

新田美波
刑事一課和久井班。階級は巡査。爽やかで真面目な女性警察官。署内では人気があるらしい。

相馬夏美
少年課の巡査部長。真面目、ストイック、正義感の強いという評価をされている。昔は豊かな体格をしていたようで、ダイエットに精通しているらしい。

仙崎恵磨
少年課の巡査。夏美のバディ。ベリショの溌剌とした若手女性警察官。人情にもろい所があるが、夏美とはバランスがとれているらしい。

片桐早苗
交通課の巡査部長。普段は美世とバディを組んで、パトカーで巡回している。志乃や留美とは飲み友達で、のあと知り合いになった時期も早い。

原田美世
交通課の巡査。パトカーの運転を担当している。将来の夢は交通機動隊らしい。

瀬名詩織
いわゆる白バイ隊員。美しいと評判の白バイ乗りだが、勝負を求めて頼子達と内通している。

斉藤洋子
生活安全課の巡査。普段は防犯教育などを担当している。朗らかな性格で老若男女問わず、特に子供から好かれるタイプらしい。

ヘレン
国際調査官。サンタクロースを追って来日した。本人は実績ある調査官だが、怪しく見られることもしばしば。

松山久美子
科捜研所属。常に白衣着用の美女。個性の強い後輩に囲まれて大変よ、と言っているがあなたもそのうちの一人である。突出したものはないけど一通りできるし、使命感がある、らしい。

一ノ瀬志希
科捜研所属。海外の大学を飛び級で卒業したギフテッド。突然辞職届を残して失踪したが、この度科捜研に復帰した。鼻が強いタイプ。

梅木音葉
科捜研所属。久美子とは所属前から知り合いだった。音楽と同じだからプログラミングも出来るとのこと。耳が強いタイプ。
127 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 21:59:56.88 ID:29cK37xH0
高峯ビル

相原雪乃
高峯ビル2階、喫茶St.Vのマスター。お嬢様だが自立し、自分の夢だった喫茶店を営んでいる。立てこもり事件では、事件解決に貢献した。

安部菜々
喫茶St.Vのウェイトレス。メイド喫茶の店長に勧められ、St.Vに勤められるようになった。ウサミンメイドサービスは無料で可能、ただし繁忙期不可。

槙原志保
喫茶St.Vのウェイトレス。良く動きよく働く原動力はパフェ。今の規模ならフロアを一人で回すことができるらしい。

海老原菜帆
喫茶St.Vでアルバイトをしている女子高生。フロアやキッチンのお手伝いだけでなく、和風ラインナップ拡充にむけて情報収集や試食を担当しているとか。

太田優
高峯ビル1階、美容室Z−ARTに勤める美容師。お喋りでウワサ好き。最近はまゆと共闘して、のあの長髪保護プランに取り組んでいる。

星輪学園

高森藍子
まゆのクラスメイト。穏やかな性格な女の子。まゆと一番早く打ち解けたそうだ。

川島瑞樹
まゆのクラスの担任。お喋りが得意な花の28歳。口数の少ない副担任とあわせて、話す量は2人分らしい。

クラリス
星輪学園の住み込みシスター。倫理と宗教の担当教員でもある。生徒の悩みを日々聞き、力となることを目標としている。
128 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 22:00:34.46 ID:29cK37xH0
キュレイターサイド

古澤頼子
『キュレイター』。間接的に事件を引き起こし、人の様子を観察している。現在、行方不明。

渋谷凛
西園寺琴歌を殺害した犯人。実家の花屋を両親と身代わりごと焼殺し、書類上は死亡している。

水野翠
殺し屋。弓矢と短刀が得物の暗殺者。星輪学園の3年生。言動は自罰的でヒステリックと、弓道部の主将を務めていた普段の姿とは異なる。

桐生つかさ
GP社の社長。表向きは学生レベルの事業をしているが、裏では人や物資の手配、真っ当でない仕事の仲介などを行っている。

井村雪菜
『化粧師』。希砂二島の事件を引き起こした張本人であり、死化粧や他人に化けてメッセンジャー行為などを行っている。海外でも活動しているらしい。

イヴ・サンタクロース
爆弾の製造・販売、時に実行を行うサンタクロース。トナカイと呼ばれるメンバーと共に犯罪行為を行っていた。都心迷宮で翠に殺害された。

佐藤心
爆弾魔。爆弾と発火装置を製造していて、彼女の作品は今もまだ存在している。犯行後に自殺。

吉岡沙紀
『ペインター』。西川保奈美の事件で見つかった色が塗られた布や、街中の落書きを担当していた。
129 : ◆ty.IaxZULXr/ [saga]:2018/03/14(水) 22:01:15.89 ID:29cK37xH0
シリーズリスト・公開前のものは全て仮題

高峯のあの事件簿

第1話・ユメの芸術
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1472563544/
第2話・毒花
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1475582733/
第3話・爆弾魔の本心
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1480507649/
第4話・コイン、ロッカー
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1484475237/
第5話・夏と孤島と洋館と殺人事件と探偵と探偵
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1503557618/
第6話・プレゼント/フォー/ユー
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1513078349/
第7話・都心迷宮
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1521022496/
第8話・『佐久間まゆの殺人』
第9話・高峯のあの失踪
第10話・星とアネモネ
最終話・銀弾の射手(完)

更新情報は、ツイッター@AtarukaPで。
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 23:16:11.87 ID:SIzfTmbE0
四年前という事実に震える乙
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/15(木) 05:26:18.71 ID:UMn4i0AgO
次はどうリメイクされるか楽しみ
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/15(木) 08:45:19.79 ID:Ldk6sZ/ho

今回も読みごたえがあって面白かったです
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/15(木) 12:24:47.57 ID:cwZf4mMoO
頼子の邪悪ぶりガクセになるSS
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/06(金) 01:59:42.31 ID:/BwiKsnho
1ヶ月も気付かなかった……
次は例の話すなぁ、
前シリーズのときはうちの担当さん、元子役なのにのあさんに飲まれたりして設定活かせてもらえてなかったし
今度は目立つといいなあ
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