【モバマスSS】 お題は星の数だけ 15夜目

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 23:17:04.47 ID:Ee4pDqff0
こんばんは
お題で書きたいと思います
エロ、グロは勘弁してくださいね
それでは>>3のお題を頂戴します

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1520691424
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/10(土) 23:19:33.21 ID:nLRC737Co
踏み台
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/10(土) 23:19:47.90 ID:DlWPjvnDO
今日は小梅の日
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 23:24:46.57 ID:Ee4pDqff0
「今日は小梅の日」でひとつ
短いかもしれませんがご了承を
口調などは目をつぶっていただければ……

5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/10(土) 23:28:31.61 ID:Ee4pDqff0
今日は……みんな元気

なんでかはわからないけど……

でも、ほかの子たちに影響がないなら大丈夫、かな……

いつも通りの日に感じるけど、なんか違うような気もする

これはいったいなんなのかな? 私の考えすぎかな、それなら良いんだけど
6 :1です [saga]:2018/03/11(日) 09:34:26.02 ID:ksRmjO1w0
やること……なくなっちゃった

お仕事が終わって、プロデューサーさんを待ってるんだけど、手持無沙汰

雑誌も読みたいのないし、ちひろさんは忙しそうでお話できないし

誰か来ないかな……

ソファで足をぶらぶらさせて遊んでると、事務所のドアがゆっくりと開いた

「戻りました」

「プロデューサーさん、お疲れ様……です」

あ、やっと来てくれた……退屈で寝ちゃいそうだったよ?
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 09:46:54.23 ID:ksRmjO1w0
「待たせちゃってごめんな。腹減ってないか?」

「うん……平気、かな。それより……借りてきた映画があるんだけど」

最近気になってたやつだから、早く見てみたい

「グロイのか……?」

「それは……見てのお楽しみ、かな」

私の感性とプロデューサーさんの感性は違うから、説明が難しい……
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 09:53:34.41 ID:ksRmjO1w0
「……あんまりヤバそうだったら、布団被るからな」

「うん……私も側にいてあげるから、大丈夫」

プロデューサーさんはこういう映画が得意じゃないみたい

でも……私が誘うとしぶしぶだけど、一緒に見てくれる。一回も断ったことないかも……?

「よし、じゃあコンビニで食料調達するか」

「うん……あったかいものがほしい」

私はプロデューサーさんの横にぴたりとくっついて、事務所の扉を静かに閉めた
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 10:09:22.18 ID:ksRmjO1w0
外が……ううん、空かな? 騒がしい気がする

嫌な感じはしないけど、でも楽しそうな感じもしない

ぶらりぶらりと彷徨って……どこに行こうか悩んでる、そんな感じ

「小梅? そろそろ行くぞ」

「うん……わかった」

両手に袋を持ったプロデューサーさん、半分はお酒みたいだけど、また酔っぱらって寝ちゃうのかな

また、ほっぺたつんつんして遊ぼうかな……
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 10:21:45.00 ID:ksRmjO1w0
お部屋についたから、映画を見るための準備

私はあったかいココアを淹れて、プロデューサーさんはたくさんのお酒

素面じゃ無理、見られないからって真剣な顔で言ってた

あと、すぐに被れるように布団にくるまってる

「プロデューサーさん……もこもこしてる」

「良いだろ? 暖かいし、俺の視界もシャットしてくれる優れものだ」

むぅ……後でお邪魔してみよう

11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 10:31:56.75 ID:ksRmjO1w0
「ねぇ……お酒って美味しいの?」

映画が始まってから、すごい勢いで空き缶が増えてる

「美味いぞ。小梅も大人になったら一緒に飲もうな」

がっはっはって笑いながら、また新しい缶を開けてる

息がちょっとお酒くさいけど……嫌いじゃない匂い

「うん……考えておくね」

楓さんや早苗さんみたいに……プロデューサーさんとお酒を飲めるのは、ちょっと楽しそう
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 10:40:42.83 ID:ksRmjO1w0
あ……そろそろプロデューサーさんにはキツイかな

ちらっと横目で見てみると、さっきまで陽気だったのに、今は青ざめてる

「大丈夫……?」

「ああ、もちろんだ。うん……平気」

いつもならこういう時はすぐに布団被っちゃうのに、今日は粘るね

でも、無理はよくない……だから

「……えいっ」

「うおっ!? あぶね……酒こぼすとこだった」

布団に潜り込んで、無理やり布団を被せちゃった……あ、これ暖かい
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 10:54:11.97 ID:ksRmjO1w0
「えへへ……暖かいね」

今日は私もこもこ……今度からは私もこうしようっと

「あー、うん……そうだな」

プロデューサーさんの顔がちょっと赤い……なんでだろ

「よし、もう一本飲むかな!」

「あれ? まだ開けたばっかり……だよ」

「あはは、そうだったか。いやーもう酔っちまったかな」

いつもより近くに感じるプロデューサーさんの顔が、困ったような笑顔を浮かべた
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 11:05:23.70 ID:ksRmjO1w0
「な、なぁ……俺、マジで酔っぱらってるかもしれない」

「どうしたの……?」

プロデューサーさんが窓の外を指さしているのに気づく

……そっか、そういうことだったんだね

それは大きな雪のように……淡く光って漂ってる

「大丈夫……安心して」

「小梅が言うなら……」

それはたくさん漂っていて、暗い夜を静かに照らす

ゆっくりできるまで……落ち着ける場所に行けるまで……どうか気を付けて……






おしまい
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 11:06:44.33 ID:ksRmjO1w0
読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 11:24:26.38 ID:ksRmjO1w0
次のお題は>>19を頂戴します
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 11:26:26.85 ID:KZxKF5MA0
日菜子と馬
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 11:26:29.39 ID:D5uZhZ8So
早耶「人気投票」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 11:26:32.19 ID:m1qjO11X0
妹に飲ませるドリンクに毒を入れ続けてるネネさんと、知った上で飲み続けてる妹
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 11:26:48.22 ID:2+dSCX7No
Pのお迎えを待つ幸子
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 11:34:15.65 ID:ksRmjO1w0
「妹に飲ませるドリンクに毒を入れ続けてるネネさんと、知った上で飲み続けてる妹」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶっていただければ……
22 :妹ちゃんの情報が [saga]:2018/03/11(日) 11:41:06.86 ID:ksRmjO1w0


23 :妹ちゃんの情報が…… [saga]:2018/03/11(日) 11:44:02.60 ID:ksRmjO1w0
いつも変わり映えしない風景

それをずっと見てきた、ちっちゃい頃から今までずっと

変わるものと言ったら、テレビの画面だけ

チャンネルを変えればいろいろな番組が見れるし、退屈しない

そこで私は綺麗な衣装でステージに立っている姉を見つけた

きらきらしてて、すごく綺麗。私があこがれてたものに姉がなってくれた
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 11:52:49.28 ID:ksRmjO1w0
いつも私を気にしてくれている姉が、どうにか私を元気づけようと頑張ったらしいけど

テレビに出られるまでに、きっとたくさん苦労したんだろうなって思う

大きなプロダクションに入ったって言ってたけど、これはその力だけじゃないはず

テレビの中の姉は頑張り屋さんだもん

「私も……」

やめよ、ちっぽけな希望にすがっちゃうと後が怖い
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 11:56:21.50 ID:/ZHJnSRJo
呼称はしーちゃん。病弱。ネネさんがアイドルやっていく中で妹も回復してきた(情報)
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 11:56:54.82 ID:ksRmjO1w0
「しーちゃん」

テレビに気を取られていた私は、自分を呼ぶ声に気づく

「お姉ちゃん? 今日も来てくれたんだ、ありがとう」

「良いの。お姉ちゃんが勝手にやってるだけだから」

持っているバッグをごそごそとしながら、いつものドリンクを取り出した

「はい、今日も持ってきたよ」

姉が作るドリンクはちょっとまずいけど、栄養がたっぷり……らしい
27 :>>25 ありがとうございます [saga]:2018/03/11(日) 12:03:53.14 ID:ksRmjO1w0
「今度はもっと美味しく作って」

「美味しくなかった? うう、ごめんね」

姉はこれを美味しいと思っているみたい。大丈夫……?

「じゃあ、いただきます」

少しどろりとしているドリンクを口に含む

ちょっと酸っぱくて、甘くて、この味はこのドリンクでしか表現できない

私がこれを飲むのを、姉はじっと見つめてる
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 12:08:14.53 ID:ksRmjO1w0
「うぇ……ごちそうさま」

とっても飲みにくいドリンクを飲み終わって、プラスチックの容器を返す

「しーちゃん、えらいえらい。また作ってくるからね」

私の頭を撫でながら、満足そうな顔してる

こうやって子供扱いされるのはちょっと嫌だけど、嬉しいとも思っちゃう

「しーちゃんこうされるの好きでしょ?」

返事をするのは悔しいから、姉の好きなようにさせてあげよ
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 12:09:53.81 ID:gQnFNsyQo
アイドルやっていく中で(仕事でしーちゃんに会う機会=ドリンクをあげる機会が減って)回復してきた、かな?(鬱)
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 12:16:46.39 ID:ksRmjO1w0
「もうこんな時間。しーちゃんまた来るね」

ちょっとお話してたと思ったら、結構な時間が経ってた

「うん、またね」

「お母さんの言うことをちゃんと聞くんだよ?」

「もう、わかったってば」

くすくすと笑う姉を、手を振って見送る

……また綺麗になってたな、大人っぽくなってたし、良いなぁ
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 12:25:04.42 ID:ksRmjO1w0
一人になると、急に寂しくなって、布団の中に潜って気分を紛らわす

……それに、きっとそろそろやってくるはず

姉のドリンクを飲んだ後にやってくる、変な感覚が……

初めは自分の体のせいだと思ってたけど、いい加減に気づく

毎回ドリンクを飲んだ後だけにこれはやってくる

「んっ……」

頭がぼーっとして、胸が苦しい、目の前がブレる

32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 12:36:04.10 ID:ksRmjO1w0
これだけは毎回慣れない感覚

ブレ始めた景色がぐるぐると回り始める

あー……なんか今日のはいつもよりすごい

目をぎゅっとつぶって、耐える

瞼の裏に姉の笑顔がぼんやりと映って、やがてそれもぐるぐる回って、崩れた

ほんとなんなんだろう、なんで私はこれをいつも飲んじゃうんだろう……
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 12:44:13.49 ID:ksRmjO1w0
「は、ぁ……」

ようやく収まってくれた

深呼吸を何度かしてみる、うん、ちゃんと呼吸できるみたい

体も……とりあえず動くから平気かな

「ふぅ……」

あー死んじゃうかと思った

でも、人間の体ってすごいね、今日も平気だったし
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 12:49:03.87 ID:ksRmjO1w0
これって結局なんなのかな? 体に悪いものってのはわかるけど

……うーん、誰かに相談するのも嫌だなぁ

姉に迷惑かかっちゃうし……あれ? おかしいな、なんで迷惑かかっちゃうのがダメなんだろ

姉のドリンクが原因なのに、姉に迷惑がかかるのも嫌

それじゃどうしようもないのにね。どうしたいの私は

……まぁいいや、今日はもう寝ちゃおう、きっと明日は来るはずだし
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 12:58:44.53 ID:ksRmjO1w0
うすぼんやりとした場所で私と姉が歩いている

何かにつまずいて私が転んじゃって、姉が私に手を差し伸べる

「ありがとう、お姉ちゃん」

「しーちゃん、気をつけてね」

笑顔の姉の手をとって……あれ、足が動かない

「お姉ちゃん、足が……足が動かない」

「そっか……もう大丈夫そうだね」

聞き間違いじゃなければ、確かに「大丈夫」って言った

それも、とびっきりの笑顔で

36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 13:06:12.88 ID:ksRmjO1w0
雨音で目が覚めた、外は大振りみたい

やっぱりさっきのは夢だった

そうだよね、姉はあんなこと言わないもん

私、嫌われるようなことしてないし

もしもあんなこと言われちゃうと考えると……

それにしても、ほんとに雨すごいな

部屋に入ってくるはずないのに、私のほっぺたが濡れてるもん
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 13:10:58.24 ID:ksRmjO1w0
姉が最後に来たのはいつだったかな、一か月前? それとも三か月?

ドリンクがどんな味だったかも忘れちゃった

あの変なのがやってこないのも不思議と寂しいとか思ってるのはなんでだろ?

きっと、姉が来ない寂しさのせいだと決めつけておこう

そうそう、なんか私の体がちょっとずつ治ってるみたい

病院の先生がそう言ってたし、お父さんもお母さんも喜んでた

もちろん姉も。「もう大丈夫なんだね」って嬉しそうな声で

前にどこかで聞いたことがある気がしたけど、忘れちゃった
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 13:19:27.78 ID:ksRmjO1w0
今度姉のステージを見に行けることになったし、楽しみだな

最後まで内緒にしておいて、びっくりさせてみようか

それまでに少しでも動けるようにしておかないと


……でも、それで本当にお姉ちゃんは喜んでくれるのかな?

お姉ちゃんはこのままの私のほうが良かったんじゃないかな?

お姉ちゃんに嫌われるのは嫌だし、テレビでお姉ちゃんも見れるもんね

最近買ってもらったばかりのスマホで、お姉ちゃんの番号をタップした

「お姉ちゃん、私ね……」



おしまい
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 13:20:05.34 ID:ksRmjO1w0
読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました

再開は夜からです
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 13:20:38.82 ID:m1qjO11X0
おっつおっつ。ありがとうございます。
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 13:39:55.23 ID:69zBO/2DO
乙した
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 19:44:10.76 ID:ksRmjO1w0
それでは再開します
お次は>>45のお題を頂戴します
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 19:45:42.45 ID:m1qjO11X0
ksk
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 19:45:47.36 ID:KZxKF5MA0
乗馬日菜子
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 19:45:59.16 ID:69zBO/2DO
幸子「ペロとのあさんとボク」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 19:46:09.88 ID:PQoQL/5aO
木場さんにメロメロ
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 19:46:11.99 ID:QgvxRPdMo
>>18
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 19:52:12.75 ID:ksRmjO1w0
幸子「ペロとのあさんとボク」 でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂けると……
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 19:59:04.04 ID:ksRmjO1w0
おや? 今日はペロだけなんですか

事務所に戻ると、ソファの上で丸くなっているペロを見つけました

雪美さんはどうやらいないようですね、お仕事中でしょうか

恐らく眠っているであろうペロを起こさないように、ゆっくりとペロの横に腰を下ろします

失礼します、と心の中で思いながら、ゆっくりとペロの体へと手を伸ばす

……しっとりしてて、手触りがとても良いですね
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 20:06:32.08 ID:ksRmjO1w0
このさわり心地が癖になってしまいそうな……

にゃお

「あ、すみません。起こしてしまいましたか」

目を開けたペロがぐうっと背伸びをしたかと思うと、ボクの膝の上にひょいっと乗りました

「どうですか、ボクの膝の上は?」

撫でながら聞いてみると、にゃお、とペロが返事をしました
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 20:16:34.59 ID:ksRmjO1w0
「フフーン、気に入ったのなら存分に堪能しても良いですよ。ボクは心が広いので」

動物についつい話かけちゃうのってボクだけじゃないと思うんですけど、どうでしょう?

犬であれ、猫であれ、たまにイグアナもいますけど、それぞれの鳴き声なんて発せませんし

人間なら言葉でコミュニケーションをとるしかありませんよね? ね?

あ、そういえば雪美さんが持ってきている猫用のお水があったはず

「お水、飲みますか?」

寝起きは体が水を欲しているらしいですし、ボクは気が利きますね!

52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 20:23:01.21 ID:ksRmjO1w0
「ちょっと失礼しますよ」

ペロを抱えてボクの膝の上から……おお、体がぐいーっと、すごい伸びますね

ちょっと面白いですね、これ。ぶらーんってしてみたり

にゃあ

「あ、すみません。止めておきます」

遊んでないで早く用意してあげましょうか
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 20:38:36.66 ID:ksRmjO1w0
確か給湯室の戸棚に……ありましたね

お皿はこの辺りでしたっけ? ペロと可愛らしい文字で名前が書かれたお皿を見つけました

後は適量を注いでっと

「お待たせしました、お水です」

にゃお

「にゃお」

鳴き声が二つ、後の鳴き声は聞いたことがあるような気がしますけど

「幸子……貴女だったのね」

鳴き声の一つは、少し、いえ、だいぶミステリアスなのあさんの声でした
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 20:46:54.71 ID:ksRmjO1w0
あ、いつの間にかペロを膝に乗せてます

「ええと、ペロのお水を持ってきたんですが」

「……ペロ」

にゃお

のあさんの声に反応したかのように、お皿のお水をペロが舐め始めました

「たくさん飲んでくださいね、おかわりもありますから」

お水を飲むペロもカワイイですね、ボクと同じくらいに
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 20:57:39.17 ID:ksRmjO1w0
「貴女……猫が好きなの?」

しゃがんでペロを見ているボクに、のあさんがそう言いました

「動物は全般的に好きです。あ、ライオンとか危険なのはちょっと怖いですけど……」

「そう……」

こうして話してみると、のあさんと雪美さんって雰囲気が似ている気がします

雪美さんも大きくなったらのあさんみたいに……はっ、いつの間にか身長も追い越されてしまうのでは!?

「そういうのあさんも、猫好きなんですか?」

「……そうね、みくに、アーニャ、猫は好きよ」

これはのあさんなりのジョークなんでしょうか、きっとそうですよね

56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 21:04:24.57 ID:ksRmjO1w0
「私たちが飼っていると思い込んでいるだけで、実は飼わされているのかもしれないわね」

は、はぁ……

「愛らしい姿に騙されて……人はペットを溺愛し、まるで人間のように対応している」

何やら話がややこしくなってきたような……

「昔から動物は人と共に歩んできたけど……人間の手綱の取り方を学習してもおかしくないわ」

ちょっと何をおっしゃっているのかボクには理解できないです

「それとも……いいえ、これは戯言ね。やめておくわ」

「ボクたちもお茶にしませんか? ちょっと待っててくださいね

返事を待たずに、ボクは再び給湯室へと向かいました
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 21:14:33.41 ID:ksRmjO1w0
ふぅ……のあさんは言動がクールすぎますね

とは言え、あれだけ話していたら喉も乾くでしょう

気が利くボクは飲み物を用意してあげるんです!

なんかデジャヴを感じますが、まぁいいでしょう

さて、冷蔵庫を開けましてっと……あ、お茶がありますね

これとお菓子を適当に持っていきましょうか
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 21:19:33.73 ID:ksRmjO1w0
「お待たせしました……って、何やってるんですか?」

ボクがお茶とお菓子を乗せたお盆を持っていくと、のあさんがペロの体をぶらーんとさせてました

「健康状態をチェックしているの」

「それでわかるんですか?」

「……そうよ、雪美はちゃんと健康管理をしているみたいね」

なんて言っているけど、本当はこの人、ペロを可愛がっているだけなのでは?
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 21:29:06.65 ID:ksRmjO1w0
「のあさんも猫好きなんですよね? それなら普通に可愛がってあげてはどうですか?」

「……人は欺けても動物は欺けないものね」

きっとのあさんは照れ隠しでこういうことを言ってる気がしてきました

「ほらほら、ペロは撫でられるのが好きみたいですよ」

ペロを撫でてみせて、のあさんにも催促してみる

「……」

すると、のあさんの手がゆっくりとペロの体へと触れました


60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 21:38:57.81 ID:ksRmjO1w0
優しく撫でるその手つきは、とても手馴れているようで

にゃお

撫でられているペロが気持ちよさそうに声を上げました

「……ふふ」

のあさんも心なしか顔を綻ばせているような気がしました

これは良い流れですよ、このままほんわかムードで行きましょう

「……幸子、ちょっと頭を揺らしてごらんなさい」

「えっ? わ、わかりました」

言われたとおりに頭を左右にゆっくり傾けました
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 21:47:54.88 ID:ksRmjO1w0
ボクが頭を傾け始めると、ペロが何かに興味を示したみたいです

右に傾けると、ペロの顔も右に、左に傾けると、ペロの顔も左に

「……あなたの髪に興味があるみたいね」

「ボクの? ……フフーン、ペロもわかってるじゃないですか」

カワイイボクの髪に興味を持つのは当然のことですよね、仕方ないです

猫までもボクの魅力にきづかせてしまうなんて……流石ボクですね

なんて思っていると、ペロが体を低くして、これは猫が狩りをするときの体制じゃないですか?

「……ペロが貴女をほしいみたいよ、モテモテね」

のあさんの言葉をスタートにして、ペロがボクの顔に飛びかかったのです

それはスローモーションに感じられて、その時に見たのあさんは、うっすらと笑みを浮かべているように見えました


おしまい
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 21:48:50.73 ID:ksRmjO1w0
読んでくれた方に感謝を
それと、お題ありがとうございました
今日はここでおしまいです

再開は明日の夜から
63 :1です [saga]:2018/03/12(月) 20:02:56.94 ID:fJcnikaq0
それでは再開します
お次は>>66を頂戴します
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 20:04:15.68 ID:87oySyq70
早耶に人気が集まるわけを
ひたすら研究する仲間たち
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 20:04:32.49 ID:CxT1fQ7A0
乗馬日菜子
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 20:04:34.11 ID:ecXcwkTEo
>>18
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 20:04:52.63 ID:qGh4/G4Z0
合計体重が142kgになってしまった142‘s
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 20:05:38.78 ID:nphhbEuAo
奈緒「ホワイトデー被害者の会」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 20:06:12.48 ID:Xi/93mmN0
い つ も の
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 20:11:24.89 ID:VK8aebS10
土曜日に人気投票スレを荒らしてエタらせておいてこれである
どういう神経してるんだろ
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 20:13:31.11 ID:fJcnikaq0
早耶「人気投票」 でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 20:21:50.65 ID:mJmOIhFJo
もう事前に荒らしNGかコンマスレしか信用できぬえ
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 20:24:05.56 ID:fJcnikaq0
この一年、前年度より知名度も上がって、活動の場も広がった

ファンの方たちに笑顔を振りまいて、お偉いさん方には頭を深々と下げてきた

今年こそ、今年こそはと前向きな気持ちで挑んだ人気投票の当日

でかいホールに集められた、各アイドルとプロデューサーたち

私と早耶は投票の結果を今か今かと待っている

「早耶、大丈夫?」

「もちろん、早耶は大丈夫ですよぉ」

私に笑顔を見せてくれるけれど、早耶の手が震えているのがすぐにわかった
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 20:29:15.81 ID:fJcnikaq0
結果を先に言うならば、今年も早耶はその名前を呼ばれることはなかった

名前を呼ばれるのは、この業界でも化け物じみた活躍をするアイドルばかり

長く下積みをしたアイドルもいるし、つい最近出てきたのに上位に入るアイドルもいる

そりゃ上位のアイドルたちはもちろん個性的で魅力的なのは認める

けれど、何故うちの早耶は名前を呼ばれないのだろうか

これは名前を呼ばれなかった担当プロデューサーたちにも言えることだろうが

私はただ単に、悔しかった
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 20:46:16.33 ID:fJcnikaq0
会場から出た私たちは、二人だけで簡単な打ち上げをすることにした

こじんまりとしたイタリアンの店。混んではいないが味は中々のもので、私も気に入っている

「今日はお疲れ様、乾杯」

「はぁい、乾杯♪」

私は白のワインで、早耶はノンアルコールのカクテル

しかし、シンデレラなんてネーミングのものを頼むのは一体どういうつもりなのだろう

「……今年こそはと思ったんですけどねぇ」

ショートグラスを傾けて、早耶がそう言う。その声色からは感情が読み取れない
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 20:53:18.01 ID:fJcnikaq0
「そうだね、私も同じ気持ちだよ」

早耶も私も精いっぱいやったつもりだ

しかし、それは他者がきめることであり、ただの自己満足と言われてしまうと、私は言い返すことができないかもしれない

何が早耶に足りないのだろうか? ビジュアル? それともヴォーカルか?

身内贔屓になるが、早耶はスタイルが良い

顔だって整っているし、何より私がスカウトして一から育てたアイドルなのだ

……けれど、人気という面においては今日の結果が全てということになる
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 21:07:00.14 ID:fJcnikaq0
「早耶を好きでいてくれる人を幸せにできるのがアイドルだって思ってたんです」

私は黙って頷く

「でも……でもぉ……早耶が幸せじゃないと、誰かを幸せにはできないんですかねぇ……」

私は驚いてしまった。弱音を吐くときはあるが、早耶が涙を流すのは初めて見たからだ

「早耶……」

「早耶は……どうしたら良いんでしょうかねぇ……」

私の言葉を遮るようにした早耶の問いに、私は答えることができなかった
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 21:13:51.11 ID:fJcnikaq0
投票日の翌日、いつも通り出社すると早耶に元気な挨拶をされた

「おはようございまぁす」

「ああ、おはよう」

少し目の周りが赤いような気がするが、メイクで誤魔化せるだろう

しかし、どうしたことだろうか

昨日の今日でダメージを受けていると思ったが、早耶にはそれを感じない
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 21:24:16.65 ID:fJcnikaq0
今日は早耶がレギュラーのバラエティ番組の収録がある

「早耶、気持ちを切り替えていこう」

とりあえず発破をかけてみるが

「早耶はいつも通りですよ、お仕事頑張りまぁす」

いつも通りと言えばいつも通りだが、早耶が平常すぎて何か違和感を感じた

しかし、こういうこともあるだろうと気にも留めなかったのだが

現場入りして、収録の最中に私の不安は的中することになってしまった
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 21:38:22.94 ID:fJcnikaq0
そこそこ有名な芸人さんが司会を務めるこの番組

早耶を上手に弄ってくれるので、いつもなら安心して見ていられるはずだった

今回も良いところでフリが来たのだが、早耶の反応はそれはもう酷くて、まるで素人のようだった

私はどうなることかと息を飲んだが、芸人さんが上手いことその場を乗り切ってくれた



「先ほどは申し訳ありませんでした」

芸人さんの楽屋で、私は頭を下げる

「早耶ちゃん、なんかあったんじゃないの? 雰囲気がおかしいよ」

やはり、こういうことには敏感なのだろう、私はまた頭を下げて楽屋を後にした
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 21:49:08.90 ID:fJcnikaq0
早耶がいる楽屋に向かいながら、考える

私は早耶にどう接したら良いのか?

怒る、それとも諭すか……

結局、早耶の楽屋に着くまで考えはまとまらなかった

……深い深呼吸をして、ノックを三回

「どうぞ」

すぐに早耶の声が聞こえて、私は出たとこ勝負に出ることにした
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 22:02:15.62 ID:fJcnikaq0
「早耶、お疲れ様」

私の声に、一瞬びくりと体を震わせるが、平静な態度のままで

「お疲れ様です。早耶、疲れちゃったので早く帰りましょお?」

後ろめたい気持ちがあるのか、私とは目を合わせずに早耶が続ける

「んー、しばらくお休みとか……リフレッシュも良いですよねぇ」

黙って聞いている私に、早耶はきっと本心なのだろう、冷たい声色で

「ちょっと疲れました。早耶、お休みしたいです」

83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/12(月) 22:10:42.64 ID:fJcnikaq0
臆病な私は早耶の言葉をそのまま受け止めた

「わかった、じゃあ少し休養をとろう」

私がそう言うのは予想外というように、早耶はぽかんと口を開けていた

「止めないんですかぁ?」

「ああ、早耶が疲れてるのは私にもわかるしね」

「でもですよ、ここは頑張れって言ったりするとこじゃ……」

「私はあまり頑張れって言葉が好きじゃないんだ、だからその言葉は使わない」

あっ、と早耶が口ごもって、楽屋がしんと静かになった
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