世にも不思議な平行動物達について

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9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/08(木) 08:18:01.94 ID:My0U2YdQO
こういう雰囲気いいね
期待
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/08(木) 16:35:00.09 ID:y/PoUTPq0
平行植物か!
11 : ◆qW4ybjVXFw [sage]:2018/03/08(木) 17:18:09.17 ID:oCynI98DO
>>8
ミス、ミナシミハミの学名は
tantum Horornis nulfructu manduca
12 : ◆qW4ybjVXFw [saga]:2018/03/08(木) 17:25:25.76 ID:oCynI98DO
ホエイトカゲ〜投影される影か立体の影か〜

人の足程度の大きさのトカゲがいる

この平行動物を発見した日本の谷崎・徹教授は最初平行動物としての特徴以外何の特殊性もないただのトカゲだと思っていた

だが少しの間観察していると違和感を感じた
その違和感を追いかける内にある事に気がつく

彼は最初光の悪戯だと思ったらしい。というのも

トカゲ本体より先に、"影"が歩いたのである

影が歩き出してから一秒近く経ってトカゲ本体が歩きだし、影が止まると一秒近くのラグを置いて本体も止まる


影のように見えるだけで本体から繋がっている実体ではないかと考え、影をライトで照すと普通の影と同じく照らされた部分の影は薄れ、強いライトだと完全に消える

影に触れると塵になって霧散し、一秒ほど置いて本体も霧散する

しかし、ライトで照らして消えた部分に触れても消滅現象は起こらない

本体に触れた場合、影から先に消滅し、本体も消滅する

その一秒未満の時間本体に触れることができるのだが、触れている感覚はなく、傷つけることも持ち上げることも動かすことも出来なかった

影と本体とのラグには個体差があり、世界中での計測によると0.86秒から0.98秒という時間であった
13 : ◆qW4ybjVXFw [saga]:2018/03/08(木) 17:26:02.29 ID:oCynI98DO
ホエイトカゲ
tantum Plestiodon umbradeambulatio

成人男性の足程の大きさのトカゲ

一見普通のトカゲではあるが、本体より影が先に動き、一秒近くのラグがある

影に触れても本体に触れても消滅現象が起こるが、ライトで照らして消えた影のあった場所に触れても消滅現象は起こらない

ラグは0.86秒から0.98秒

世界中様々な場所で生息が確認されている
14 : ◆qW4ybjVXFw [saga]:2018/03/09(金) 17:43:25.68 ID:Tjeu/oUUO
オオグチオソイ〜無意味な狂暴性は何のために〜

あるところに怖いもの知らずな少年がいた

少年はどんな猛獣も恐れず大人しか許されない狩りに参加したがった

「僕はワニに負けません」「僕は大蛇を仕留められます」「僕は熊を狩ることができます」

少年がどんなに強くても掟では成人するまで狩りに出ることを禁じられています

ついに少年は掟を破り、制止する大人達を振り払ってヤドクガエルの毒を塗った槍と鉱石で作り上げた鉈を持って森へ深く入っていってしまいました

少年は強く、語った通りにワニに負けず、大蛇を絞め殺し、熊を狩り取りました

「やはり狩りなんて簡単だ」

そう慢心していた彼の前にグリュウタルが立ちふさがりました

少年はグリュウタルをも狩ろうとしましたがグリュウタルは一口で槍と鉈を食べてしまいました

そこまできてようやく目の前に危険が迫っていることに気がついた少年は逃げ出しましたがグリュウタルはその巨大な口で食べてしまおうと追いかけてきます

少年が「僕はまだ弱いのです。もう成人するまで狩りに出ません」と自分の未熟さを嘆き、マラトマに祈りを捧げるとグリュウタルは少年を食べる寸前に霧となって消えました



上記はアクリュムア族と名乗る部族に古くから伝わる民話だ

ベネゼエラにある森に棲む彼らはその民話を子供立ちに何度も語り、自然の怖さと狩りに関する掟を言い聞かせている


さてこの民話から見いだせる真実とは単なる教訓だけではない。グリュウタルと名付けられた怪物についてだ


1983年、ロシアのユーリ・ドモチェフスキー教授がそれを確かめに森の中へ入り見つけ出したのは巨大な口を持つ平行動物のだった

体の半分以上が口であり、無数の牙が恐ろしく生えている

四本の足の内後ろ足はコイルのように渦を巻いており、それをスプリングのように縮め、飛びかかる時に瞬発的な速度を出していた

そして教授は驚くべきものを見た

なんと、この平行動物は襲いかかってきたのだ

伝承の通りに、自分目掛けて巨大な口を開いて

つい護身用の猟銃を向けて発砲した

弾はその平行動物に当たり、霧散させた

教授がその後恐怖を克服し研究した結果、他の平行動物と同じように消滅現象が起こることを確認した

つまり、襲いかかってきても傷つけられることも食べられることもないのだ

逆に平行動物を傷つけることもできない

食べるためでもなく危険を排除することも必要ない。ならばこの平行動物は何のために襲いかかってくるのか

それは不明である
15 : ◆qW4ybjVXFw [saga]:2018/03/09(金) 17:43:53.16 ID:Tjeu/oUUO
オオグチオソイ
tantum magnaos impetus

熊を一口で丸飲みに出来るほど大きな口を持つ平行動物

半分が口な頭に四本の足が生えており、後ろ足はスプリングになっている

瞬発力、巨大な口、無数の牙、そして狂暴性を持つにも関わらず他の生物に触れることも補食することもできない

それに関わらず動く物を見ると見境無く襲いかかる
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/09(金) 19:39:34.88 ID:ZMwl5ViWo
これをSSと呼んでいいかはわからんが、面白いな
こういうの好きだわ
17 : ◆qW4ybjVXFw [saga]:2018/03/13(火) 16:27:02.98 ID:y+gkTBpPO
キョエイカゲマネ〜異次元の知覚を持つか我々の知覚に異常をきたすのか〜

謎に満ちた平行動物群の中で一際謎の平行動物がいる

何故ならば誰もその平行動物の本当の姿を見た者がいないのである

キョエイカゲマネと名付けられたその平行動物は見ている物の姿を寸分違わずコピーする

見た後に変身するのではない。見付けたときには既に自分の姿そのままに色以外を模しているのである

色は平行動物特有の濃い影色をしており、ドッペルゲンガーの正体だと思われる

しかし、それはただの擬態ではない。他の動物や虫含め、キョエイカゲマネを見ている生き物が複数いる場合、キョエイカゲマネは分身するのである

分身なのか、仲間を呼ぶのか、見ている生き物の分だけ擬態して現れる

決して変身前の姿を見せることはなく、既に変身して現れるのが常である

キョエイカゲマネは基本的に群れを成さず、常に一体で見つかる

カメラを設置して離れてもカメラの向こう側で見ている者の姿を模したまま何十日も同じ格好をしていた(実験によると最大63日監視した後に目を離した内に消えてしまった)

無人操作のドローンで録画したものを見ても見た人の姿に変身していた

これを見て出た推測は、彼らは彼らの意思で変身しているのではなく、我々の目に我々自身が映って見える、意識に作用する鏡のような存在なのではないかという物
つまり、彼らの本来の姿を我々は見ていながらそれを自分の姿としか認識できないのではないかという仮説だ

だがそれでは他の人や動物に変身している姿を我々が見ていることに説明がつかないのだ
18 : ◆qW4ybjVXFw [saga]:2018/03/13(火) 16:27:30.24 ID:y+gkTBpPO
キョエイカゲマネ
tantum mysterium imitationis

見ている生き物の姿を真似し、それが複数だった場合はその数だけ増える

カメラや無人機での録画ですら見ている者の姿を真似るためその本来の姿は分かっていない
19 : ◆qW4ybjVXFw [saga]:2018/03/27(火) 20:46:47.33 ID:sFB99pP/O
ヘビドクアルキ〜例外か幻覚か〜

基本的に並行動物はこの世界の物に物理的影響を与えることは無い。だがこの並行動物はその例外の一つと言われている

このヘビドクアルキは一般的なニシキヘビに毛の無い霊長類、つまりは人間に似ている足が一列に生えている

足は対では無く右足、左足どちらもが無規則に一列に生えているのだ


左右に這うように、ただししっかりと足踏みをして歩いている

数は個体によって違い、奇数か偶数かすら違う


ヘビドクアルキの特質として、足が触れた地面の半径10cmが真円に毒に侵されたように見えるのだ

土は灰色となり、草木は枯れる


しかし足が離れると共に元に戻り、色が抜けた花も枯れた木も何事もなかったように綺麗に咲きなおる

その植物や地面を調べても変化は無く、見た目だけが変わる


これに対して学者たちの意見は、実際に自然に影響を与える特異な並行動物であること、他の並行動物同様私たちの視覚に影響を及ぼしていることの二つに分かれており、現状決着は着いていない
20 : ◆qW4ybjVXFw [saga]:2018/03/27(火) 20:47:31.84 ID:sFB99pP/O
ヘビドクアルキ
tantum venenum gradusanguis

人間に似た足が左右、数、不規則に生えているニシキヘビ

歩いた地面と生えている植物が半径10cmの真円を描いて毒に侵されたように枯れ、土が灰色になる

足が離れると即座に元に戻るが影響されている間、戻った後を調べてもデータ的な異常は見られない
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/27(火) 21:15:37.24 ID:BU4qLEwvO
シシ神様かな
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 06:29:02.15 ID:bGT73T5Eo
どう考えてもシシガミ様
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