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先輩「飲みに行くぞー!」後輩「はいはい……」
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18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/28(水) 12:22:46.19 ID:xLCK7g7Oo
乙
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:01:22.41 ID:YpMIaMks0
・
・
・
〜土曜日〜
後輩「……」
後輩「……」
後輩「…………」チラッ
後輩(9時、20分……)
後輩「……」
後輩「……」
・
・
・
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:02:03.02 ID:YpMIaMks0
・
・
・
後輩「……」
後輩「……」
後輩「…………」チラッ
後輩(9時、45分……)
後輩「……」
後輩「…………うぅ」
後輩(既読スルー……)
後輩(先輩……)
後輩(バックレやがった、あの人)
後輩「……うぅぅ」
後輩「……」
後輩「……」
後輩「……行くか」
後輩「…………」トボトボ
・
・
・
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:02:48.89 ID:YpMIaMks0
・
・
・
〜金髪さんのアパート〜
ピンポーン
後輩「……」
後輩「……」
ガチャ
金髪「はいはい〜、……あっ」
後輩「……ど、どうも」ペコリ
金髪「あぁ〜。おはよう、後輩ちゃん。いらっしゃい〜」
後輩「遅くなってすみませんでした……」
金髪「いいのいいの。ひとり?」
後輩「はい、先輩が――……ええと、ちょっと、来れなくなりまして」
金髪「バックレた?」
後輩「バックレました……」
金髪「うふ、うっふふ」
後輩「すみません、どうも……」
金髪「まあまあ、あがってあがって、どうぞどうぞ〜」グイ
後輩「お邪魔、します……」
・
・
・
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:03:31.86 ID:YpMIaMks0
・
・
・
チーン
後輩「……ナムナム」
後輩「……」
金髪「位牌も何もなくてごめんねぇ、せっかく手、合わせてもらってるのに」
後輩「あ、いえ……」
金髪「銀髪の体とか遺品とかは、全部あの子の、田舎の実家に持っていかれちゃって」
後輩「そうなんですか」
金髪「本家だったらしいのよね〜」
後輩「へぇ……」
金髪「仕方ないから、せめて写真だけ飾って」
後輩「……」
金髪「あと銀髪が隠してた暗黒ポエムノートも飾って」
後輩「鬼ですか」
金髪「読む?」
後輩「え、遠慮しときます……」
金髪「うふふ……。今、お茶いれるわね」
後輩「お、おかまいなく……」
・
・
・
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:04:04.66 ID:YpMIaMks0
・
・
・
金髪「……」トポトポ
後輩「……」
金髪「ごめんなさいねぇ、お茶請け、これしかなくて」
後輩「はぁ……。なんです、これ?」
金髪「カロリーメイト」
後輩「……」
金髪「ポテト味」
後輩「……」
金髪「うっふふ、あの子の好物でね〜……。ポテト味ばっかり、いっぱいあるのよね、ウチ」
後輩「……」
後輩(……これは)
後輩(何か、試されているのか? 私は……)
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:04:41.42 ID:YpMIaMks0
後輩「……」
金髪「……」
後輩「……い、いただきます」
金髪「どうぞ〜」
後輩「……」ムグムグ
金髪「……」
後輩「……」ムグ
金髪「……」
後輩「……あの」
金髪「なぁに?」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:05:37.49 ID:YpMIaMks0
後輩「ご、ごめんなさい」
金髪「どうして?」
後輩「私と銀髪さん……、その……、何ていうか……」
金髪「あぁ、うっふっふ」
後輩「知ってましたよね?」
金髪「もちろん〜。でも、ふふ、いいの。いいのいいの」
後輩「……」
金髪「銀髪と私は、パートナーだったけど、お互いのことには口出ししない、って決めてたから」
後輩「……」
金髪「特に『自由恋愛』に関してはね」
後輩「……」
金髪「変わってる、って思われるかもしれないけど。でも、いい関係だったのよ、私とあの子」
後輩「ええ、はい……」
金髪「本当に……、本当に、いいパートナーだったの……」
後輩「……」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:06:25.87 ID:YpMIaMks0
金髪「……ねぇ」
後輩「は、はい」
金髪「あの日……、銀髪が自殺した日……」
後輩「……」
金髪「……あなたのところにいたんでしょ? あの子」
後輩「……」
金髪「……」
後輩「……ええ」
金髪「……そう」
後輩「……すみません」
金髪「謝らなくていいったら〜。……――それで、その時なんだけど」
後輩「……」
金髪「何か、あった?」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:07:35.17 ID:YpMIaMks0
後輩「何か?」
金髪「何でもいいの。普段と違ったり、気になるようなこと」
後輩「それは――……」
金髪「……」
後輩「……うーん」
金髪「……」
後輩「……何も」
金髪「……」
後輩「特に何も」
金髪「……そっかぁ」
後輩「……」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:08:48.54 ID:YpMIaMks0
金髪「……銀髪は」
後輩「……」
金髪「あなたの家を出てからね」
後輩「……」
金髪「ちょっと離れたビルまで行って、屋上まで登って」
後輩「……」
金髪「……そこから……」
後輩「……」
金髪「ねぇ、後輩さん」
後輩「……はい」
金髪「私ね……、全然思い当たらないの。あの子が死ななきゃいけない理由。本当に、全然」
後輩「……」
金髪「どうしてなのかしらねぇ……」
後輩「……金髪さん」
金髪「……それにね」
後輩「……」
金髪「あの子、高いところ苦手なのよねぇ」
後輩「…………」
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:09:41.42 ID:YpMIaMks0
金髪「……ねぇ」
後輩「……」
金髪「……本当に、何もなかった?」
後輩「……それは……」
金髪「……」
後輩「……あ、あはは。いやですよ、金髪さん」
金髪「……」
後輩「それだと、私がなにか、関わってるみたいじゃないですか。銀髪さんの自殺に」
金髪「そうなの?」
後輩「……」
金髪「……」
後輩「……」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:10:15.03 ID:YpMIaMks0
・
・
・
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:10:53.27 ID:YpMIaMks0
・
・
・
〜ゲームセンター〜
カコン
パコン
カコン
先輩「えっ、マジで『ナイトフード』やめちゃうの!?」
後輩「ええ。金髪さん、言ってましたよ」カコン
先輩「うわ〜、マジかぁ〜……」パコン
後輩「料理、全部銀髪さんがやってましたし……、仕方ないと思いますよ」カコン
先輩「あそこのぬか漬け最高だったのになぁ〜」パコン
後輩「あれも、銀髪さんが漬けてたらしいですし」パコ
先輩「行きつけだったのにな……っと!」スコンッ
後輩「うわっ……!」スカッ
先輩「うぇっへっへ、5−1な」
後輩「むぅ……」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:11:31.38 ID:YpMIaMks0
先輩「他には?」パコ
後輩「ん〜……」カコン
先輩「……」パコン
後輩「……あっ、先輩に会ったら、伝えてほしいって」パコン
先輩「おう」パコン
後輩「『今年もラウパ行こうね(はぁと』って……」カコ
先輩「ラインで言えやーっ!」スパーン!
後輩「あいたっ!」ベチン
先輩「よしっ、10−1」
後輩「何勝手に点入れてるんですか!」
先輩「ヘッドショットボーナス」
後輩「ピンポンにそんなルールねえですから」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/02/28(水) 23:12:15.45 ID:YpMIaMks0
先輩「んー……そんで」
後輩「はい」
先輩「他には?」
後輩「……」
先輩「……」パコン
後輩「……えっと、いや……、その……、特には」カコン
先輩「あ、そ」パコン
後輩「……」カコン
先輩「……」パコ
後輩「な、何でですか?」カコン
先輩「聞いてほしそうにしてたから」パコン
後輩「そんな、別に私は……」カコ
先輩「せいやっ」スコン!
後輩「ふわっ!?」スカッ
先輩「うぇっへっへ」
後輩「むぅ……」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/02/28(水) 23:13:18.88 ID:YpMIaMks0
今日はここまでです
>>17
そうです
お読みいただいて、ありがとうございます
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/01(木) 12:01:56.94 ID:M66eS9ayO
なんか良い雰囲気
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:23:19.14 ID:J7/UUKls0
先輩「っていうか」
後輩「はい」
先輩「飽きた」
後輩「あんたが卓球やりたいって言い出したんでしょうが……」
先輩「だぁーって、弱すぎるんだもーん、後輩ちゃーん」
後輩「うっさいです」
先輩「こっちの方、右の方。全然狙ってこないんだもんなぁ? どうちてかなぁ?」
後輩「……」
先輩「ンクク、優ちいんでしゅね、後輩ちゃんはぁぁ〜?」
後輩「…………ふっ」
先輩「……お?」
後輩「ふふ……、ふっふっふ……」
先輩「後輩?」
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:24:16.04 ID:J7/UUKls0
後輩「そこまで煽られたら仕方ないです……」ユラリ
先輩「お」
後輩「見せてあげますよ……、私の秘奥義、大仏サーブをね!」キッ
先輩「お、おぉ、後輩がやる気になった!」
後輩「サービスください」
先輩「あーげる」
後輩「どーうも」
先輩「……」
後輩「……」ググ
先輩「……」
後輩「……っ」グググッ
先輩「……」
後輩「そいやっ!」カコン
先輩「……」パコンッ
後輩「あう……っ」スカッ
先輩「何なんだお前は……」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:25:18.50 ID:J7/UUKls0
後輩「あれぇ……、おっかしいなぁ……」ブツブツ
先輩「もういいからさぁ。そろそろ飲み行こうぜー」
後輩「さすがにまだ、早すぎるんじゃないですかね? どこも開いてなくないです?」
先輩「『亜理愛』行こうぜ。たしか、月末は5時からやってる」
後輩「えぇ……、マジですか」
先輩「いいだろ。あそこボトル入れてるし」
後輩「私のなんですけど、あれ。……むむ」ググッ
先輩「固いこと言うなってぇ」
後輩「……むむむ」グググッ
先輩「…………」
後輩「……そいやっ」カコン
先輩「えっ、……うぉ!?」スカッ!
後輩「めっちゃ曲がった!」
先輩「めっちゃ曲がった!」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:25:45.82 ID:J7/UUKls0
・
・
・
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:26:41.06 ID:J7/UUKls0
・
・
・
〜スナック〜
バイト「……お代わりいりますぅ?」
後輩「あー……、うん」
バイト「はぁい♪」カラン カラ
後輩「……」
バイト「……〜♪」
先輩「サーングラスぅー! はーずしたらぁー! 吹き出しちゃうほどォー!」
ママ「ハイハイハイ♪」
後輩「……」
先輩「あーどけないーっ 目をしてるぅーっ!」
ママ「フッフー♪」
後輩「……」
後輩(アホだ……)
後輩(アホの人だ……)
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:27:42.76 ID:J7/UUKls0
バイト「はい、どうぞぉ♪」
後輩「ありがと……」
バイト「アホみたいに上手ですねぇ、先輩さん」
後輩「アホだからね」
先輩「おーっ、後輩ぃー! デュエットー! お前安室ちゃんなー!」
後輩「……」
バイト「呼んでますよぉ?」
後輩「……いいのいいの」
バイト「いいんですか」
後輩「付き合ってたら、アホがうつるから」
バイト「うふふ、怒られますよぉ?」
後輩「いいんだって。事実なんだから」グビグビ
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:28:26.95 ID:J7/UUKls0
バイト「ふふふ、そうやって、あんまり冷たくしてるとぉ♪」
後輩「……」グビ
バイト「いつかその内、フラれちゃいますよぉ?」
後輩「えっ……?」
バイト「え?」
後輩「あっ、いやあの……、私、付き合ってるわけじゃないからね、あの人と」
バイト「えっ! そうなんですかぁ!?」
後輩「えぇ……」
バイト「えぇ〜……、でもでも、いっつも一緒じゃないですか、おふたりってぇ」
後輩「それは……、まぁ、なんだろ? 習慣で……」
バイト「カップルなんだと思ってたぁ」
後輩「うん、違う」
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:29:37.40 ID:J7/UUKls0
バイト「え……じゃあ、後輩さんが女の人好きっていうのも……」
後輩「あ、それは本当」
バイト「あぁ、へぇ……」
後輩「……」グビグビ
バイト「そうなんだぁ」
後輩「……」グビ
バイト「じゃあ、じゃあじゃあ、私とかでも、結構そういう目で、見ちゃうんですかぁ?」
後輩「そういう目って」
バイト「グッときたりとかぁ」
後輩「いや、まぁ……、可愛いは、可愛いし……」
バイト「ああぁ〜……♪」
後輩「あっ、やっ、さすがにね! そういう趣味ない子に、手は出さないからね! ケダモノじゃないのよ、私これでも!」グビグビ
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:31:26.43 ID:J7/UUKls0
バイト「えぇ〜……でもぉ」
後輩「……」グビ
バイト「後輩さんだったら、私ぃ」
後輩「……」
バイト「ちょっと興味あるかも? なんてぇ……?」
後輩「……」
バイト「なんて、んふふ♪」
後輩「……、……そんなこと言ってると」
バイト「はい?」
後輩「……連絡先、聞いちゃうよ?」
バイト「えぇ〜? じゃあこれラインで……」
後輩「ラインは営業用のやつでしょ? 他にやってない? プライベートでもいいんだけど。ハングアウトやってる? 分かんない? ケータイAndroid? iphone? 分かんない? うんじゃあちょっとケータイ貸して――……
先輩「口説くな」ゴスッ
後輩「ぎゃふんっ」
先輩「ったく……」
ママ「バイトちゃ〜ん、こっちお願〜い♪」
バイト「はぁ〜い♪」
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:32:08.45 ID:J7/UUKls0
後輩「いたい……」サスサス
先輩「本当、まったく、お前さぁ……」
後輩「なんですか」
先輩「見境なしか」
後輩「あ、あれは……、違うんですよ。なんか、こう、雰囲気? 流れ? みたいなので……」
先輩「ばーか」
後輩「むぅ……」グビ
先輩「はぁ」グビグビ
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:32:59.43 ID:J7/UUKls0
先輩「マジで、後輩」
後輩「はい?」
先輩「銀髪さん、あんなことになったのに、それですーぐ次の子って……、良くないと思うわけよ、先輩として」
後輩「いや……」
先輩「道ナラヌ仲とはいえ、恋人だったわけじゃん。それを――……」
後輩「あ、いえ、あの」
先輩「あ?」
後輩「銀髪さんとは、別にその、恋人というわけではなくて……」
先輩「え」
後輩「……」
先輩「え? そうなん?」
後輩「はい」
先輩「……」
後輩「……なんか、すみません……」
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:33:28.20 ID:J7/UUKls0
先輩「でも銀髪さん、しょっちゅうお前の家、いってたじゃん」
後輩「ええ」
先輩「じゃあアレなに? どういう関係よソレ?」
後輩「肉体関係」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……あ、いや、でもほら、向こうはパートナーいるし、遊びだったかもしれないけど」
後輩「はい」
先輩「お前の方はさぁ、ちょっとは、恋愛感情とかあったわけじゃん? いいなぁ、みたいな? そういうのがさぁ」
後輩「……そ、そういうの、全然で……」
先輩「……」
後輩「本当に、お互い後腐れない、付き合いで……」
先輩「…………」
後輩「…………スミマセン」
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:35:47.41 ID:J7/UUKls0
先輩「で、でもさぁでもさぁ、出会った時とかはさ、それなりに、トキメキ? インスピレーション? みたいなものが――……」
後輩「さっきみたいな流れでした」
先輩「……」
後輩「……ちょうどあんな感じ」
先輩「はぁ……」
後輩「溜息やめてくださいよぅ」
先輩「それじゃあお前、誰もかれも、ああやって引っ掛けてるわけだな」
後輩「人聞き悪いこと言わないでください」
先輩「はぁ……」
後輩「やっ、ほんっと、違……っ! たまたま! タイミングで……っ!」
先輩「タイミングねぇ」
後輩「そ、そ、そう、タイミング、タイミングが良くてそうなっただけで」
先輩「ふぅん」
後輩「……」
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:38:05.59 ID:J7/UUKls0
後輩「……」
先輩「でもさぁ」
後輩「はい?」
先輩「後輩、私には、言わないよな。そういうこと」
後輩「……え」
先輩「全然」
後輩「あ、え、いや……いやぁ……」
先輩「……」
後輩「ほら……その、ち、違うじゃないですか。なんていうか、せ、せ、先輩は、あの……」
先輩「……」
後輩「そ、そ、そういうのじゃないっていうか、あっ、いやっ! じゃなくて……! その、あ、あの……」
先輩「……」
後輩「別に先輩のことっ、きらいじゃな――……ああいや、だからって――……、そうじゃなくて、つまり……」
先輩「……」
後輩「あ……す、ストレートじゃないですか、先輩はっ」
先輩「うん」
後輩「……っ!」
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/01(木) 23:39:45.92 ID:J7/UUKls0
先輩「だから?」
後輩「だっ、だ、だからですって。私、そんな、ほら、先輩のことなんて――……」
先輩「そっか」
後輩「あっ――……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……」グビ
先輩「……そっかぁ」
後輩「……」
先輩「…………ボトル入れる?」
後輩「……」
先輩「すんませーん!」
後輩「……」
・
・
・
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/03/01(木) 23:40:39.11 ID:J7/UUKls0
今日はここまでです
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/02(金) 08:37:43.76 ID:HGnPgCN6o
乙
ええな
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:43:38.78 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
スパン!!
パン!!
後輩『はぁ……、はぁ……っ』
先輩『そうそう、そんな感じ』
後輩『……はい』
先輩『あとは手首をもっと柔らかく。……こんな風に』ブンッ
後輩『はい……!』ハァハァ
先輩『……ま、今日はここまでだな』
後輩『いえ、もう一本、見ててください!』
先輩『……校門閉まる時間だから』
後輩『ぅ……』
先輩『それにアンタも。……そろそろ限界だろ』
後輩『いえっ、私はまだ……!』
先輩『駄目、今日はおしまいだ』
後輩『むぅ……』
先輩『……』
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:44:12.71 ID:ScAqVVeT0
先輩『そんな頑張ったって、今度の大会、出れるわけじゃないぞ』
後輩『……』
先輩『ウチのテニス部、年功序列だから』
後輩『……』
先輩『一年生のうちは、出番ねーよ』
後輩『大会なんて……』
先輩『ん』
後輩『私はただ、上手くなりたいだけです。先輩みたいに……!』
先輩『……』
後輩『いえ、先輩よりもっ!』
先輩『……ふ』
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:44:59.70 ID:ScAqVVeT0
後輩『……』
先輩『アンタ程度に、負けることなんてねーよ』
後輩『……』
先輩『……今はな』
後輩『……っ、やっぱり、もう一本――……』
先輩『駄目。ほら、片付けて帰るぞ』
後輩『むぅ……』
先輩『……』
後輩『……』シュン
先輩『……、帰りにたこ焼き屋、寄ってくか?』
後輩『……』
先輩『半分こしようぜ』
後輩『……、……』グゥゥ
先輩『どうする?』
後輩『……行き、ます……』
先輩『あっはは、よしよし』
後輩『……笑わないでくださいよぅ』
先輩『はいはい』ケラケラ
・
・
・
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:45:45.21 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
先輩「……――なんて」
後輩「……」
先輩「昔は素直で可愛かったのになぁ、後輩も」
後輩「うっさいです」
先輩「今じゃ、こんなやさぐれちゃってなぁ」
後輩「……先輩に、言われたくありません……」
先輩「うぇへへ、まぁな」カラン
後輩「……」
先輩「なんかさぁ」
後輩「……」
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:46:27.06 ID:ScAqVVeT0
先輩「変わっちゃったよなー、お互い」
後輩「……」
先輩「歳取ったなぁ、私も、お前もさぁ」
後輩「……、私は……」
先輩「ん?」
後輩「……」
先輩「何だよ」
後輩「別に……」
ママ「なに生意気言ってんのよぉ♪ 私から見たら二人とも、子供世代より下なのよぉ♪」
後輩「……ママ、水割りおかわり」
ママ「はいはい♪」カラン カラン
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:47:04.77 ID:ScAqVVeT0
先輩「そうそう、聞いてよママ。高校の頃のコイツさぁ――……」
後輩「うっさいです。ホントうっさい」
ママ「あらあら♪」
先輩「うぇへへ、不機嫌だねぇ、後輩ちゃんよう」
後輩「……」
先輩「何だよー、ナンパ邪魔されたからって、拗ねてんのかぁ?」
後輩「……そんなんじゃないです」グビグビ
先輩「ペース早くない?」
後輩「別にっ!」グビ
先輩「潰れんなよ?」
後輩「……」グビグビ
・
・
・
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:48:02.54 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
ママ「へぇ〜……、じゃあ金髪さんのところ」
先輩「うん。銀髪さんの親が来て――……」
後輩「……」フラ
先輩「お」
後輩「……」クテン
先輩「ありゃ」
後輩「……ぅー」
先輩「言わんこっちゃない」
後輩「……」
ママ「あららぁ♪ ……大丈夫?」
先輩「うぅん……。後輩、おい、後輩?」ユサ
後輩「……先輩」
先輩「……おう」
後輩「私ぃ……」
先輩「何だよ」
後輩「……」
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:48:46.48 ID:ScAqVVeT0
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……起きてる?」
後輩「……」コクン
先輩「立てるか?」
後輩「……」コクン
先輩「よしよし……」ナデナデ
後輩「もっと撫でて……」
先輩「ばーか」ナデナデ
後輩「……」
先輩「ママ、ごめんね。お会計」
ママ「今度来た時でいいわよぉ♪」
先輩「いや、いいって。ツケなんて――……」
ママ「はいこれ、領収証」
先輩「あ。……お゛っ、げ……」
ママ「ひとりで払う?」
先輩「あ゛ー……、あの、すみませんね、本当に……」
ママ「ふふ♪ いいわよぉ♪」
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:49:28.62 ID:ScAqVVeT0
後輩「……」
先輩「ほら、帰るぞ」グイッ
後輩「いま、なんじぃ……」フラフラ
先輩「まだ九時」
後輩「……『はせ川』行く……」
先輩「無理だろばか。救急車乗ってオムツ履きてーか?」
後輩「……むぅ」
ママ「タクシー呼ぶ?」
先輩「や、大丈夫。……歩けるか、後輩」
後輩「あゆけなすよお」
先輩「何言ってっか分かんねーから。肩、はい。掴まれ。ちゃんと」
後輩「……」コクン
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:50:08.83 ID:ScAqVVeT0
先輩「そーそー、いい子いい子」
後輩「……」
先輩「じゃ、ママ。ここでいいから。また来るね」
ママ「気を付けてねぇ」
先輩「お邪魔しましたー」
後輩「はひゅぁい」ヨタヨタ
先輩「はい、あんよがじょーず、あんよがじょーず」
後輩「……」フラフラ
ママ「ばいばーい♪」
バイト「……」
ママ「……」
バイト「……、……本当に付き合ってないんですかぁ? あのふたり……」
ママ「さぁ♪」
・
・
・
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:50:35.30 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
先輩「……」ヨロヨロ
後輩「……」フラフラ
先輩「……」ヨロヨロ
後輩「……」フラフラ
先輩「……はぁ」
後輩「……」
先輩「あの頃は……、かぁ……」
後輩「……」
先輩「どうして……」
後輩「……」
先輩「こんな風になっちゃったんだろうなぁ、お前……」
後輩「……」
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:51:02.80 ID:ScAqVVeT0
先輩「って、私もか」
後輩「……」
先輩「はは……」
後輩「……」
先輩「……ま」
後輩「……」
先輩「私のせいか」
後輩「……」
先輩「……そうだよな」
後輩「……」
先輩「……心配すんな」
後輩「……」
先輩「大丈夫――……、どんな風になっても」
後輩「……」
先輩「一緒にいてやるからさ」
後輩「……」
先輩「うぇへへ……」ヨロヨロ
後輩「……」フラフラ
・
・
・
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:51:29.03 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:51:55.36 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
――アンタのせいだ!
後輩『……っ!』
――アンタのせいで先輩ちゃんはっ!
後輩『ち、違います……、私は……』
後輩『私は……、知らなかったんです……っ』
後輩『先輩が――』
――知らなかったわけないじゃん!
後輩『違う……、ほ、本当に……、本当に……、私は……』
――知らなかったとしても……
――気付かなかったわけ、ないじゃん……
後輩『それは――……』
――気付いてたんでしょ?
後輩『……』
――アンタが
――アンタが先輩ちゃんを……
後輩『私は……』
後輩『私は…………っ!』
・
・
・
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:52:46.22 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
〜翌朝〜
〜後輩宅〜
後輩「……わた、ひ……はぁ……?」パチリ
後輩「……?」
後輩「……」ムクリ
後輩「……」
後輩「ぉ゛……!?」ガンガン
後輩「ぉ゛ぉ゛ぉ゛……」ガンガンガン
後輩(気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い……)
後輩(死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ……)
後輩「ぅぅぅぅ……」
後輩(たすけて……)
後輩(助けて神様ぁ……)
後輩(二度と深酒はしませんからぁぁぁぁ)
後輩「……ぅ゛ぐぅぅぅ」ドサッ
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:53:13.88 ID:ScAqVVeT0
後輩「……」
後輩(……っていうか)
後輩(どうやって帰ってきたんだっけ……)
後輩(……覚えてないや)
後輩「……ぅ」ムクリ
後輩「……」ヨタヨタ
後輩(時計――)
後輩「……」
後輩「……」
後輩「……会社……」
後輩「……会社に行かねば……」ヨタヨタ
・
・
・
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:54:01.12 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
〜オフィス〜
プルルル
ワイワイ
ガヤガヤ
後輩「……」カタ
後輩「……」カタカタ
後輩さーん、営業からデータの依頼がー
後輩「そこ置いといてくださーい」カタカタ
後輩さーん、この間の案件のー
後輩「そこ置いといてくださーい」カタカタ
後輩さーん、課長が依頼した資料まだかってー
後輩「そこ置いといてくださーい」カタカタ
・
・
・
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:54:49.03 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
新人「後輩さーん!」
後輩「そこ置いといてくださーい」カタカタ
新人「じゃなくて! 後輩さん! 後輩さんってば!」
後輩「……うん?」
新人「もう終業時間ですよ!」
後輩「あっ、ほんと……?」
新人「ええ」
後輩「あぁ……。ウゥー……ン」ノビー
新人「……」ニコニコ
後輩「……っはぁ」
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:55:51.11 ID:ScAqVVeT0
後輩(……終業時間になると)
後輩(体力回復してるのって)
後輩(なんなんだろうなぁ……)
後輩「……」
後輩(飲み行こうかな……)
後輩(先輩……暇かなぁ)
後輩(後でラインしてみよう……)
後輩「……」
新人「後輩さん、後輩さん!」
後輩「え? あぁ……、ごめん、何?」
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:56:40.76 ID:ScAqVVeT0
新人「今日、私たち新入社員で、集まるんですよ。これから」ニコニコ
後輩「……月曜日に?」
新人「食事メインですよ。お酒も、ちょっとは飲みますけど」
後輩「ふぅん……」
新人「それで」
後輩「うん」
新人「後輩さんも来ませんか?」ニコニコ
後輩「えぇ……」
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:57:25.86 ID:ScAqVVeT0
新人「いいじゃないですかぁ、後輩さん、会社の飲み会とか全然顔出さないし」
後輩「苦手なの」
新人「若いのばっかりですから、ヘンに気を遣わなくても大丈夫ですし」ニコニコ
後輩「いや、他の子が気を遣うでしょ。年上行ったら」
新人「後輩さんと飲みたい、っていう新入社員も、ちょいちょいいるんですよ?」
後輩「えぇぇ……」
新人「ねっ! どうですかっ!?」
後輩「うぅん……」
新人「私も、後輩さんと一度、ちゃんと飲んでみたかったですし!」ニコニコ
後輩「……」
新人「いいですよねっ!」
後輩「うーん、パス」
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:58:02.82 ID:ScAqVVeT0
新人「えぇぇ〜……」ガックリ
後輩「今日、飲みに行くから」
新人「月曜日に?」
後輩「月曜日に」
新人「彼女ですかっ!?」
後輩「え、違うけど……」
新人「本当ですかぁ……? 怪しい……」
後輩「本当だって」
新人「そうですかっ」ニコッ
後輩(笑顔がまぶしいなぁ……)
後輩(っていうか、『彼女ですか』、って……)
新人「残念ですけど、また今度ですね」
後輩「あぁ、うん……。そうね……」
新人「あ、今週末って空いてますか!?」ニコォー
後輩「グイグイ来るねあなた」
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 21:58:41.00 ID:ScAqVVeT0
・
・
・
後輩「……」
後輩「……」
後輩(……既読つかないな)
後輩「……」
後輩「……」プルルル
後輩「……」プルルルル
後輩「……」
後輩(出ない……)
後輩「……」
後輩(忙しいのかな……)
後輩「……ふぅ」
後輩(ま、いいか)
後輩(家で飲もう)
後輩(ひとり寂しく)
後輩「……」
後輩「繁桝開けよう、繁桝」ウキウキ
・
・
・
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/04(日) 22:00:53.70 ID:ScAqVVeT0
今日はここまでです
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/04(日) 23:29:32.74 ID:yB/UkHano
乙
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:02:39.14 ID:H3uZVijb0
・
・
・
ほうれん草のおひたし……適量
ツナ……適量
海苔……適量
めんつゆ……適量
・
・
・
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:03:10.82 ID:H3uZVijb0
・
・
・
後輩「……」ムフー
後輩「……」
後輩「さて……」
後輩「……」キュポ
後輩「……」トプトプ
後輩「……」
後輩「……」チビッ
後輩(おいしい……!)
後輩「……」グビ
後輩「……」
後輩「……」グビグビ
・
・
・
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:03:41.97 ID:H3uZVijb0
・
・
・
後輩「……」フラフラ
後輩「……」
後輩「……」グビ
後輩「……っふ」グビーッ
後輩「プハ……」
後輩「……」フラフラ
後輩(……そういえば)
後輩(煙草のにおい、もうしなくなったな、この部屋)
後輩「……」
後輩(……銀髪さん)
後輩「……」グビグビ
後輩「ぅ……」フラフラ
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:04:11.55 ID:H3uZVijb0
後輩(……お酒は美味しいけど)
後輩(ひとりで飲んでると)
後輩「……ぅぅ」
後輩(気が滅入ることばっかり)
後輩(思い出すなぁ……)
後輩「……」グビ
後輩「……」
後輩「……」
後輩「……ぅ」ウト
後輩「……ぅー」ウトウト
・
・
・
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:04:43.03 ID:H3uZVijb0
・
・
・
――それで、君は
――どう思っているの、先輩ちゃんのことは?
・
・
・
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:05:12.25 ID:H3uZVijb0
後輩「……っ!?」ハッ
後輩「銀髪さ――……」
後輩「……!?」
後輩「……」キョロキョロ
後輩「……」
後輩(今、確かに……)
後輩(声が……)
後輩「……」
後輩「…………」
後輩(1.若干寝てた。浅い眠りで、変な夢を見た)
後輩(2.幻聴。ついに酒で脳がやられた)
後輩(3.死んだ者の浮かばれない魂が……、部屋に漂い、生者に語り掛けた……)
後輩「とでも…………」
後輩「言うのだろうか…………」
後輩「……」
後輩「……2と3はやだな……」ヨロヨロ
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:05:49.77 ID:H3uZVijb0
後輩「自殺……」
後輩「飛び降りかぁ……」
後輩「……」
カチャ
カラカラカラ
後輩「……」
後輩(結構涼しい……)
後輩「……ふぅ」
後輩「暗いな……」
・
・
・
――私ね……、全然思い当たらないの――
――あの子が死ななきゃいけない理由――
――本当に、全然――
・
・
・
後輩「……」
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:06:17.64 ID:H3uZVijb0
後輩「……」
後輩「……本当に」
後輩「何ででしょうねぇ」
後輩「……」
後輩(……辛かったんですか)
後輩(……楽になったんですか)
後輩(ビルから、地面に……)
後輩(真っ暗なアスファルトに――……)
後輩「……」
後輩「……ふぅ」
後輩「ま、ここ二階だしなぁ」フッ
後輩「……ここからじゃ、せいぜい怪我――
ピンポーン
後輩「っ」ビクッ
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:06:48.82 ID:H3uZVijb0
後輩「……」
シーン…
後輩「……」
後輩「……」
ピンポーン
後輩「っ!」ビクゥ
後輩「……」
後輩「……」ドキドキ
後輩(……死んだ者の)
後輩(……浮かばれない魂が――)
後輩「……」ブルッ
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:07:19.12 ID:H3uZVijb0
・
・
・
後輩「……」オソルオソル
後輩「……ど」
ピンポーン
後輩「どっ、どちらさまで……!?」
ギィ
後輩「っっ!?」
先輩「……お、開いてた」
後輩「せんぱ……」
先輩「うぇっへへ、よう」
後輩「先輩……」
先輩「お邪魔ー――……どうしたん?」
後輩「え……?」
先輩「幽霊でも見たみてーな顔して」
後輩「……いえ」
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:07:48.91 ID:H3uZVijb0
先輩「つーか、鍵かけなさいって」
後輩「すみません……」
先輩「ん」
後輩「何ですか?」
先輩「窓」
後輩「あ……」
先輩「開いてるけど」
後輩「これは……、その……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「暑かった、から……」
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:08:15.96 ID:H3uZVijb0
先輩「ふーん」
後輩「……」
先輩「虫はいるぞ」
後輩「……そうですね」カラカラ パタン
先輩「閉めるんだ」
後輩「涼しくなったから……」
先輩「そう」
後輩「……」
先輩「お、何飲んでんの?」
後輩「繁桝の……」
先輩「ちょっとちょーうだい」トプトプ
後輩「……」
先輩「んーっ! おいしい!」グビッ
後輩「……はぁ」
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:08:41.17 ID:H3uZVijb0
後輩「……」
後輩(なんか……、具合悪くなってきた……)
後輩「……」
先輩「疲れた顔してんねぇ」
後輩「まぁ、ちょっと……。飲み疲れで」
先輩「そりゃね。昨夜もあれだけ飲めばね」
後輩「覚えてないからセーフです」
先輩「クズじゃん」
後輩「あはは……」
先輩「ちょっと、横になりなさいよ」
後輩「はぁ……、すみません……」ヘタリ
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:09:15.96 ID:H3uZVijb0
先輩「大丈夫かよ」
後輩「まぁ……、ちょっと休めば」
先輩「じゃなくて」
後輩「え……?」
先輩「顔色、悪いぞ。最近ずっと」
後輩「……」
先輩「酒の量、増えただろ。ガッと」
後輩「……別に」
先輩「嘘つけ」
後輩「……」
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:09:41.86 ID:H3uZVijb0
先輩「あの人のことだろ。銀髪さんの」
後輩「違いますよ……」
先輩「嘘が下手だな、後輩ちゃんよう」
後輩「……」
先輩「なぁ」
後輩「……」
先輩「何かあったんだろ、ホントは」
後輩「……本当に」
先輩「……」
後輩「本当に、何もないです……」
先輩「あ、そ」
後輩「……銀髪さんとは」
先輩「……」
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:10:12.32 ID:H3uZVijb0
先輩「……」
後輩「……恋人だったわけじゃないですし」
先輩「……」
後輩「恋愛とか、好きとか、そういう感情もなかったですし」
先輩「……」
後輩「優しいし、年上だけど、大事な友人って感じでしたし……」
先輩「うん」
後輩「でも……」
先輩「……」
後輩「気付かなかったんですよねぇ、私……」
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:10:46.04 ID:H3uZVijb0
先輩「……」
後輩「あの人、死にたいくらい……」
先輩「……」
後輩「本当に死んじゃうくらいの、何かを抱えてたのに……」
先輩「ああ」
後輩「……何も、特に何も」
先輩「……」
後輩「本当に、特に何も、気付いてあげられなかったんです……」
先輩「うん」
後輩「そう思うと、何か」
先輩「……」
後輩「何か――……、何だかなぁ、って」
先輩「何だかって?」
後輩「私って、何なんだろうなぁ、って……」
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:11:15.02 ID:H3uZVijb0
先輩「誰だって、そんなもんだろ」
後輩「分かってます。分かってるけど、でも……」
先輩「……」
後輩「あの日、あの晩だって……。いつも通りダラダラして、普通にお話しして……」
先輩「……」
後輩「……なのに」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「銀髪さん、死んだ日さぁ」
後輩「え?」
先輩「お前、何話したの? あの人と」
後輩「え、それは……」
先輩「それが、あの人の最後の言葉だったりするわけじゃん? どんなこと言い遺したのかなって、銀髪さんが」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……後輩?」
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:11:54.37 ID:H3uZVijb0
後輩「……言えない、です」
先輩「ん?」
後輩「それは……、話せません……」
先輩「うぇっへっへ、そんなこと言わずにさぁ」
後輩「すみません」
先輩「んふ、冗談だよ。謝るなよ」
後輩「……」
先輩「眠い?」
後輩「眠くないです……」
先輩「口閉じたら、眠くなるよ」
後輩「うん……、はい……」
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:12:29.84 ID:H3uZVijb0
先輩「……ちょっと、休め、後輩」
後輩「うん……」
先輩「ベッドのとこ行けよ」
後輩「……先輩」
先輩「おう」
後輩「一緒に寝よう?」
先輩「いいけど」
後輩「……」
先輩「また、布団借りるぜー」
後輩「……どうぞ」
先輩「勝手に敷くぞー」
後輩「……」ウツラウツラ
・
・
・
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/05(月) 22:12:55.96 ID:H3uZVijb0
今日はここまでです
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/05(月) 23:46:08.85 ID:WLRwNs57o
おつ
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/06(火) 04:28:53.81 ID:xikM6dUdo
乙
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:07:55.38 ID:10OKULB60
・
・
・
後輩『……いよいよ、ですね』
先輩『……そうだな』
後輩『先輩の、現役最後の試合……』
先輩『……』
後輩『先輩の、最後の試合の相手に、私がなれるなんて』
先輩『……』
後輩『……』
先輩『……』
後輩『いい試合にしましょう!』
先輩『……』
後輩『先輩……?』
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:08:28.42 ID:10OKULB60
先輩『……うん?』
後輩『聞いてます?』
先輩『……ん、あぁ……、うん』
後輩『……どうか、したんですか?』
先輩『なんでもねー』
後輩『……?』
先輩『……』
後輩『……せんぱ』
先輩『試合が始まれば』
後輩『……』
先輩『敵同士だし……』
後輩『……』
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:08:57.19 ID:10OKULB60
先輩『今からベタベタするもんじゃねーだろ』
後輩『……あ、そ、そっか……。そう、ですよね……』
先輩『分かったら、ほら、向こう行ってろ』
後輩『は、はい』
先輩『……』
後輩『……あの』
先輩『何でもねーったら』
後輩『……』
先輩『……手、抜くなよ』
後輩『……っ!』
先輩『本気でやるから、私』
後輩『……も、もちろんですっ!』
・
・
・
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:09:25.29 ID:10OKULB60
・
・
・
〜寝室〜
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……後輩ー」
後輩「……」スゥスゥ
先輩「……寝た?」
後輩「……」スゥ
先輩「はぁ……」
後輩「……」
先輩(大切なことって言うのは)
先輩(大切にしすぎて……)
先輩(伝えられないものなんだよなぁ……)
先輩「……なんてな」
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:09:54.27 ID:10OKULB60
先輩(大切だから、伝えなきゃいけないことなのに……)
先輩(……気が付いたら、タイミングを失っていて……)
先輩(きっと……、みんなそうで)
先輩(誰だってそうで……)
先輩「……」ムク
後輩「……」スゥスゥ
先輩「……後輩」
後輩「……」
先輩「……」ナデ
後輩「……ん、んぅ」モゾモゾ
先輩「……髪伸びたな、お前な」
先輩(だとしたら……)
先輩(反対に)
先輩(伝えられないことっていうのは、それだけ、大切なことだったりするんだろうか……)
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:10:25.23 ID:10OKULB60
――言えない、です――
――それは……、話せません――
先輩「……」
先輩「……言わなくていいんだけどさ」
後輩「ムニャ……」ゴロン
先輩「……寝相わりー」
後輩「……」スヤ
先輩「風邪ひくぞ」ファサ
後輩「……」
先輩「……おやすみ」
・
・
・
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:10:57.13 ID:10OKULB60
・
・
・
銀髪『それで、君は』
後輩『え?』
銀髪『どう思ってるの、先輩ちゃんのことは?』
後輩『え、うぇ、えぇぇ!?』
銀髪『ふふ……』
後輩『ど、どういう、意味ですか……』
銀髪『そのままの意味さ』
後輩『……』
銀髪『君が、先輩ちゃんに”してしまったこと”は分かった』
後輩『……』
銀髪『けれど、そのことと今の君がどう思っているかは、別の話だろ?』
後輩『それは……』
銀髪『何のつもりもなく、いつも二人きりで四六時中、一緒にいるわけじゃないだろう』
後輩『……』
銀髪『特に君みたいな、不器用な子はさ』
後輩『私は……』
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:11:28.00 ID:10OKULB60
銀髪『……』
後輩『私は、先輩のことを……』
銀髪『……』
後輩『どう思ってるかなんて、言える立場じゃ、ないですから』
銀髪『……』
後輩『こんな、私が』
銀髪『……なるほどね』
後輩『……』
銀髪『そういう風に、先輩ちゃんを未来永劫、束縛し続けるわけか』
後輩『束縛って……』
銀髪『だって、そうだろう? どう思ってるかも、はっきりさせない。どうするつもりもない』
後輩『……』
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:12:21.18 ID:10OKULB60
銀髪『ただひたすらに、隣に置いておくだけ』
後輩『……』
銀髪『宙ぶらりんなまま、引き寄せもせず、突き放しもせずにね』
後輩『あなたに……』
銀髪『……』
後輩『何が分かるって言うんですか』
銀髪『……』
後輩『私と先輩の』
銀髪『ふふ。さぁ……ね?』
後輩『……』
銀髪『ただ、君もそろそろ、先輩離れしてみた方が良いんじゃないか? って、思っただけさ』
後輩『何ですか、それ』
銀髪『たとえば……、そう……私とかと』
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:12:55.48 ID:10OKULB60
後輩『何言ってるんですか』
銀髪『本気さ。君が望むのなら、君のものになってもいい』チュ
後輩『気障女』
銀髪『うっふふ……』
後輩『金髪さん、怒りますよ?』
銀髪『もし君が、その気なら――……』
後輩『……』
銀髪『彼女と別れたってかまわない』
後輩『……ふふ』
銀髪『何だい?』
後輩『誰にでも言ってるんですよね、それ』フフフ
銀髪『そ、そんなことないさ』
後輩『すぐ目が泳ぐ……』
銀髪『……』
後輩『呆れた人ですねぇ』
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:17:34.21 ID:10OKULB60
銀髪『ただね、今の君と先輩ちゃんとの関係は……』
後輩『……』
銀髪『良くないのは確かさ。お互いにとってね。彼女も君のことを――……』
後輩『……』ムクリ モゾ
銀髪『……』
後輩『……』モゾモゾ パサッ
銀髪『お、おいおい。もう服着ちゃうのかい』
後輩『今日はもうしません』
銀髪『……今日は、ね』
後輩『……』ジトッ
銀髪『怒った顔も可愛いよ』
後輩『馬鹿じゃないですか……』プイッ
銀髪『あらら』
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:18:30.79 ID:10OKULB60
後輩『銀髪さん……』
銀髪『うん?』
後輩『もし仮に――……仮に、私が先輩のこと、大好きで』
銀髪『……』
後輩『あ、あい、愛してる、としても……』
銀髪『……』
後輩『……私に、それを言う資格なんて、ないんですよ』
銀髪『そうかい? そういう自分に、酔っているだけじゃなくて?』
後輩『銀髪さん嫌い!』
銀髪『うふふ、傷つく』
後輩『帰りたくなったら、勝手に帰ってください。私ソファで寝てますから』
銀髪『うぅん……、本気で機嫌を損ねてしまったみたいだな』
後輩『……』
銀髪『やれやれ――……』
・
・
・
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:18:59.11 ID:10OKULB60
・
・
・
〜オフィス〜
後輩「……」ボケー
後輩(『言い遺したこと』――……)
後輩(銀髪さんの、最後の言葉――……)
後輩「……」
後輩(『やれやれ』でよかったんですか、銀髪さん……)
後輩(ハルキか)
後輩「……」ボー
新人「後輩さんっ!」
後輩「あっ、はい! そこ置いといてください!」
新人「じゃなくて!」
後輩「え……」
新人「終業時間ですよ、もう」
後輩「あ……」
新人「……」ニコニコ
後輩「あぁ」
新人「ふふっ」ニコニコ
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:19:37.26 ID:10OKULB60
後輩「もうこんな時間か……」
新人「ね、後輩さん」
後輩「うん?」
新人「今日、金曜日ですよ」
後輩「あぁ……、うん。そうだね……」
新人「……」ニコニコ
後輩「……それで?」
新人「飲み行きましょう!」
後輩「あー…………パス」
新人「えぇぇぇ〜〜……」
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:20:06.30 ID:10OKULB60
新人「金曜に飲み行くって、約束したじゃないですかぁ〜……」
後輩「したっけ?」
新人「しましたぁ!」
後輩「……ごめん、覚えてない」
新人「ひどい!」
後輩「ごめんね。私今日、残業」
新人「Do残業デーですか」
後輩「Do残業デーって何だ……」
新人「残業終わってからでも……」
後輩「また今度ね」
新人「はぁ〜……、残念……」
後輩「ごめんて」
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:20:35.42 ID:10OKULB60
新人「っていうか、後輩さん」
後輩「はい?」
新人「大丈夫ですか?」
後輩「え……」
新人「何かここのところ、心ここにあらずっていうか」
後輩「……」
新人「タスク抱えすぎてません?」
後輩「……適度にサボってるよ」
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/06(火) 22:21:06.89 ID:10OKULB60
新人「さっきも」
後輩「……」
新人「ずっと、ボーっとしてましたし……」
後輩「……」
新人「何か、悩みごとですか?」
後輩「…………」
新人「後輩さん?」
後輩「別に、何でもないよ」
新人「……そうですか」
後輩「また今度、飲み行こう」
新人「楽しみにしてますからねっ、センパイ!」ニコニコ
後輩「あ、ごめんその呼び方やめてマジで。本気で。リアルで。ガチで」
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