千歌「決めた…!私、この転校を機にヤンキー辞めて、真面目に生きる!!」

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88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:32:02.98 ID:1EXSRTGQ0
凛「鞄お持ちしますにゃ」スッ…

千歌「え……あ…ありがとう……」

凛「んん…!?すごく軽いにゃ!!」

千歌「あぁ…お弁当ぐらいしか入ってないから…」

凛「お弁当だけ!?す…すごいにゃ…!!教材が無くても授業が分かるなんて…!!」

千歌「え……いや…そうは言ってな…

凛「喧嘩だけじゃなくて勉強もすごいなんて……さすが千歌先輩だにゃ…!!」

千歌「あ…あはは……」

千歌(ど…どうしよ……この状況……)

凛「それじゃあ、学校行くにゃー!!」ダッ!!

千歌「えぇ…!?ちょっと!?また走るの!?」

凛「当たり前にゃ!!早くかよちんに話がしたいにゃ!!」

千歌「えぇ……私、もう疲れたよ〜…」

凛「いいから、早く走るにゃー!」

千歌「うぅ……もうタメ口に戻ってる……」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:32:36.02 ID:1EXSRTGQ0
凛「あっ!それから、千歌先輩!かよちんの本名は「はなよ」だにゃ!かよちゃんじゃ誰か分からないにゃ!」

千歌「えぇ…!?そうなの…!?じゃあ、なんで、かよちんに…?」

凛「昔の事すぎて覚えてないにゃ!」

千歌「えぇ……気になる……」

凛「って、そんな事はどうでもいいにゃ!!早く学校行くにゃ!!さあ、走るにゃ!!」ダッ!!

千歌「あっ…!ちょ……」

凛 タタタッー!!

千歌「あ……」

凛 タタタッー!

千歌「………」

凛 タタタッー…

千歌「うぐぐ……」

千歌「もう…!!分かったよ!!走りゃあいいんでしょ!走れば!!」ダッ!!

千歌「うおおおおおお!!!凛ちゃん待てぇぇいっ!!!」タタタッー!!!



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90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 14:34:18.49 ID:1EXSRTGQ0

同じ頃 三年生教室−


先生「えー…で、あるからして……」

絵里「………」

ヤンキー「絵里さん…」

絵里「…」

ヤンキー「少しお耳に入れたい事が…」

絵里「………」

絵里「なに…?」

ヤンキー「二年の事なんですが…」

絵里「…」

ヤンキー「〜〜〜〜」コソコソ…

絵里「…!」

絵里「………」

絵里「へぇ……」

絵里「………」

絵里「喧嘩のカリスマ……ねぇ……」

絵里「………」




91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/28(水) 19:57:36.89 ID:+95GnxzRo
期待
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/28(水) 22:14:47.87 ID:1EXSRTGQ0

翌日 昼休み 二年生教室−

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ワイワイガヤガヤ


梨子「時制が間違ってるわ、やり直しよ」

千歌「えぇっー!?どこが!?合ってるよ!!」

梨子「ここよ、これはメアリーが昔から今までずっと住んでいるわけだから現在完了形よ」

千歌「げ…現在完了形……!?」

梨子「そうよ」

千歌「…って、なに……?」

梨子「知らないの!?千歌ちゃん、前の学校で何してたのよ!」

千歌「あ…あははー……えっと…友達とじゃれあってた……かな…?」

梨子「はぁ!?どういう事よ……」

千歌「あはは……」

梨子「あはは、じゃないわよ……このままじゃ千歌ちゃん赤点になるわよ…?」

千歌「そ…そうですね……」
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/28(水) 22:15:23.35 ID:1EXSRTGQ0
凛「えぇっー!?千歌先輩、赤点なんですか!?」ガララッ!!

千歌「わっ…!り…凛ちゃん…!!」

凛「頭良かったんじゃなかったんですか!?」

千歌「いやぁ〜……あれは凛ちゃんが勝手に勘違いしただけで……」

凛「なっ…!み…見損なったにゃー!!」

千歌「…!?」

千歌「そ…そんな事言ったって、しょーがないじゃん!!私、頭悪いもん!!!」

凛「あー!!開き直ったにゃー!!情けないにゃ!!」

千歌「な…情けなくないもん!!だいたい、私のが先輩なんだから敬語…

梨子「はいはい……もう千歌ちゃん落ち着いて……」

千歌「むぅ……わ…分かったよ……」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga ]:2018/02/28(水) 22:16:03.44 ID:1EXSRTGQ0
梨子「凛ちゃんも何か用があって来たんじゃないの?」

凛「あっ、用があるのは凛じゃなくて、かよちんで……」

梨子「その花陽ちゃんが見当たらないけど……」

凛「それは……」

花陽「はぁ…はぁ……凛ちゃん足速い……」

凛「あっ!かよちん、やっと来たにゃー!」

梨子「走ってきたのね……」

千歌「そんな急用なの…?」

花陽「は…はい…!!大変なんです…!!」

千歌「何が…?」

花陽「ち…千歌先輩が…です…!」

千歌「え…?」






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95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/02/28(水) 22:16:49.71 ID:1EXSRTGQ0

数分後−


千歌「えぇ…!?私が三年生からマークされてる!?」

花陽「は…はい……目立った事をしてなくても、やはり千歌先輩ほどのビックネームとなると……」

千歌「そ…そんな……」

梨子「?」

凛「あっ…」

梨子「ビックネーム…?千歌ちゃんが?」

千歌「あ…!」

梨子「なにかスポーツでもしてたの…?」

花陽「え…?いや……その…だって、千歌先輩は…もがっ!」

凛「か…かよちん…!!ちょっとこっちに来るにゃ…!!」

花陽「むがっ…!もがもがっ…!?」ガララッ…!ピシャンッ!!
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/28(水) 22:17:37.82 ID:1EXSRTGQ0
梨子「え…?な…なに……?」

千歌「わー!!水筒こぼしちゃったっー!!!」

梨子「えぇ…!?ちょっと…なにやってるの!?」

千歌「あはは…ごめんごめん……拭くの手伝って……」

梨子「はぁ……もう、しょうがないわね……」

千歌「ありがとー…!」

千歌(………)

千歌(い…今のは危なかった……) フキフキ

千歌(てっきり、花陽ちゃんにも凛ちゃんが伝えてくれたのかと……) フキフキ

千歌(り…凛ちゃんめ……さては、私が不良辞める話しかしてなかったな……) フキフキ

千歌(これは、お仕置きが必要だね……) フキフキ

千歌(うん…これは暴力じゃない……罰だよ…罰……)

千歌「ふふふっ…」

梨子「え……なに……?」
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/28(水) 22:18:19.91 ID:1EXSRTGQ0
花陽「す…すみませんでしたっー!!」ガララッ!!

千歌「あはは……いいよいいよ、知らなかったんだから、しょーがないって」

千歌「だから、悪いのは……」

千歌 ギロリッ…

凛「ひっ…!」ビクッ!

千歌「あとでね…?」

凛「そ…そんな……」

梨子「?」
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/28(水) 22:18:59.90 ID:1EXSRTGQ0
梨子「えっと……なんだか、よく分からないんだけど……その…千歌ちゃんが三年生にマークされてるのは、なんで…?」

花陽「あっ…!そ…それは……えっと……」

凛「ち…千歌先輩が、転校してきたのに、ウチの番長に挨拶にも行かないからだにゃ…!!」

花陽「…!」

千歌(凛ちゃんナイスフォロー!)

梨子「挨拶……?そんなの私もしてないけど……」

花陽「あっ…そ…それは……」

凛「えっと……し…知らないんですか!?ウチの生徒はみんな、番長に挨拶に行ってますよ…!?」

花陽「え…」

凛「ね…!?かよちん!」

花陽「う…うん…!」

千歌(なんじゃそれ……無理があるでしょ……)

梨子「そ…そうなの…!?ど…どうしよう……私も挨拶に行かないと……」

千歌「…!?」
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/28(水) 22:20:02.37 ID:1EXSRTGQ0
凛「………」

凛「梨子先輩って…詐欺とかあいそうですね…」

梨子「えぇ…!?なんで急に、そんな事言うの!?」

凛「なんでもないです…」

千歌「じゃ…じゃあ!私と梨子ちゃんで挨拶に行ってこようか…!!」

花陽「えぇ…!?ほ…本当に行くんですか…!?」

梨子「え…?行かなきゃいけないんじゃないの…?」

凛「そうです…!そうです…!行きましょう!今すぐにでも!」

花陽「り…凛ちゃん!?」

凛「大丈夫にゃ……三年生も、そうすぐには仕掛けてこないはずにゃ……」コソコソ…

花陽「で…でも……いきなり敵地の真っ只中に行くなんて……」コソコソ…
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/28(水) 22:20:49.82 ID:1EXSRTGQ0
梨子「なんの話?」

凛「な…なんでもないです…!!さっ!行きましょう!行きましょう!」

凛「何かあった時のための護衛として、凛もついて行くにゃ……かよちんは先に教室に戻ってて……」コソコソ…

花陽「う…うん……気をつけてね…」コソコソ

千歌「よーし…!じゃあ、三年生のフロアに向けてしゅっぱーつ…!!」

凛「お…おーーっ!!」

梨子「?」

梨子「おー! ……?」



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101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/28(水) 23:22:49.69 ID:+95GnxzRo
見てるよ
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/01(木) 04:46:46.30 ID:bsHdGMxRo
メッチャ楽しみ
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:05:53.47 ID:CcrIMi8F0

三年生フロア−


ヤンキー ジロジロ…

ヤンキー ジロジロ…

千歌(や…やばい……)

ヤンキー「おらぁ!!テメェら殺すぞ!!」

凛「ひぃっ…!す…すみません……」

ヤンキー「落ち着けよ……絵里さんがやってくれるって……」

ヤンキー「ちっ…」

凛「……」ホッ…
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:06:20.76 ID:CcrIMi8F0
ヤンキー ジロジロ…

ヤンキー ジロジロ…

千歌「うっ…」

千歌「り…凛ちゃん……」コソコソ…

凛「…なんにゃ……」コソコソ…

千歌「今からでも遅くない……梨子ちゃんは適当に誤魔化して、帰ろう……」コソコソ…

凛「こ…ここまで来て…!?」コソコソ…

千歌「う…うん……だって、三年生めちゃくちゃ気が立ってるし……梨子ちゃん、さっきから恐怖で、意味分かんない事ばっかり言ってるし……」コソコソ…

梨子「………」フラフラ…

梨子「私はかかし…私はかかし……」フラフラ…
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:06:49.16 ID:CcrIMi8F0
凛「で…でも……どうやって……」コソコソ…

千歌「幸い、私達はまだ絵里先輩とやらに会ってない……だから、梨子ちゃんには絵里先輩は今日休みだとか言って…」コソコソ…

ヤンキー「コラァ!!なに喋ってんのじゃ!!おのれは!!」

千歌「むっ…」

千歌(も…もう……うるさいなぁ……)
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga ]:2018/03/01(木) 13:07:57.35 ID:CcrIMi8F0
凛「…!」

凛(あ…あそこにいるのって……)

千歌(一人ぐらいぶん殴って黙らせるか……)

ヤンキー「何か言わんかい!!コラァ!!」

ヤンキー「ビビッとんのか!?ワレ!!」

ヤンキー「このアホ毛が!」

千歌「…」ムカッ…

千歌(こ…こんの野郎〜っ……黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって……)

絵里「どきなさい……私の客でしょ?」

ヤンキー「あっ、絵里さん……」

千歌(よしっ…ぶん殴ろう……これは暴力じゃなくて、制裁……)

凛「あ…あぁ……」

梨子「私は…かかし……私は…」フラフラ…

千歌(決めた……次に私に絡んできた奴にしよう……見せしめになるように全力で……)

絵里「こんにちわ…あなたが高海…

千歌(てめぇか…!!)

千歌 キュッ…!!

絵里「え…?」

千歌「ふんっ…!!!」ブンッ!!


ゴシャッ!!!!


凛「…!?」

ヤンキー「…!?」
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:08:36.72 ID:CcrIMi8F0
絵里「あがっ…」フラリ…

梨子「私はかかし……私はかかし……」フラフラ…

千歌「パーフェクト…!」

絵里「うっ…」ドサッ…!!!

凛「あ…あぁ……」

ヤンキー「あ……」

絵里「………」

千歌「ふふっ…完璧に入ったね……これは、もう立てないよ……」

ヤンキー「え…絵里さあああああんっ!!!!」

千歌「え…?」

千歌「絵里……さん……?」
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:09:09.60 ID:CcrIMi8F0
ヤンキー「絵里さん!大丈夫ですか!?」

ヤンキー「しっかり!!絵里さん、しっかり!!」

千歌「あー…あれ……?」

凛「な…」

凛「なにしてるにゃああああああ!!!!」

千歌「わーっ!ちょ…大声出さないでよ!」

凛「うるさいにゃ!!バカ!!」

千歌「バ…バカァ…!?」

ヤンキー「許さない……絵里さんの仇……」

ヤンキー「二年の分際で、絵里さんに手をあげるなんて……」

ヤンキー「喧嘩のカリスマだかなんだか、知らねぇけど、ここまでされちゃあ黙っていられねぇ……」

凛「や…やばいにゃ……」
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:16:12.75 ID:CcrIMi8F0
千歌「あ…あはは……まずは話し合いを……」

凛「そんな事言ってる場合じゃないにゃ!!」

ヤンキー「殺せえええええええええええ!!!」

凛「逃げるにゃああああああああ!!!!!」ダッ!!

千歌「ひ…ひぃっっ!!」ダッ!!

梨子「私は…かかし……私は…」フラフラ…

千歌「梨子ちゃん!!」ガシッ!!

梨子「わっ…」フワリッ…!

千歌「行くよ!!凛ちゃん!!!」タタタッー!!

凛「分かったにゃー!!」タタタッー!!

梨子「えぇ…!?ちょっと!千歌ちゃん!?なにこれ!?なんでお姫様抱っこ!?」

千歌「梨子ちゃん足遅いからだよ!!!」タタタッー!!

ヤンキー「待てコラァアア!!!」ドドドドドドドッ!!

ヤンキー「ただじゃ済まさせねぇぞ!!」ドドドドドドドッ!!

梨子「えぇ…!?な…なんで!!??」

凛「捕まったら、殺されるにゃあああ!!」タタタッー!!

梨子「こ…殺される…!?」

千歌「後で説明するから!!!今はとにかく逃げる!!」タタタッー!!

ヤンキー「オラァアアア!!!」ドドドドドドドッ!!
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/01(木) 13:31:03.78 ID:jRpKkWPiO
千歌ちゃんやっちまったなw
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:52:03.83 ID:CcrIMi8F0
先生「ん…?」

先生「なんの声……」

ヤンキー「死ねぇえええええ!!!!」ドドドドドドドッ!!

先生「…!?」

先生「コ…コラァ…!!!なにをしとるか!!お前ら!!!」

ヤンキー「げっ…!」

凛「今のうちにゃ!!!」タッ!!

千歌「うん…!!」タッ!!

ヤンキー「あ…コラ!!待て…」

先生「待つのはお前らだろが!!!全員、生徒指導室に来い!!!」

ヤンキー「なっ…」


千歌「急げ!急げっー!!」タタタッー!!

凛「今のうちにゃーー!!」タタタッー!!

梨子「えぇ……な…なんなの……?」



112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:52:38.17 ID:CcrIMi8F0
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校舎裏−


凛「はぁ…はぁ……」

千歌「はぁ…はぁ……」

梨子「だ…大丈夫……?二人とも……」

梨子「あと、5限もう始まってるんだけど……」

千歌「はぁ…はぁ…分かってるよ……ちょっと休んだら行く……」

凛「凛は5限パスで……」

梨子「えぇ…!?ダメよ!?授業はちゃんと出ないと……」

花陽「あっ…!凛ちゃん!みなさん!!」タッタッ…

凛「あ…かよちん……」

梨子「花陽ちゃん!?授業は!?」

花陽「あ…お腹痛いって言って抜けてきちゃいました……凛ちゃんが帰ってこなかったので……」

梨子「えぇ…!?」

梨子(わ…私の感覚がおかしいだけで、授業をサボるのは割と普通なのかしら……)
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:53:15.48 ID:CcrIMi8F0
花陽「さっき、職員室で聞いたんですけど……」

花陽「三年生複数人が一週間の停学、絵里先輩が保健室で休んでるって、どういう事ですか!?」

千歌「て…停学か……」

花陽「はい……なんか、生徒指導の先生を殴ったみたいで…」

凛「はぁ……良かった…一週間は死なずに済むにゃ……」
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:53:45.01 ID:CcrIMi8F0
梨子「ご…ごめん……私、あんまり覚えてないんだけど…何かあったの……??」

千歌「そ…それは……」

凛「千歌先輩が絵里先輩を殴ったにゃ……」

千歌「あっー!!凛ちゃん、それ言っちゃ…!」

凛「うるさいにゃ」

千歌「…!?」

梨子「な…殴った!?なんで!?」

千歌「あ…えっと……その…ムカついて……」

凛「…」ピクッ…

凛「なんにゃ!その理由は!!!暴力は暴力しか生まないとか言ってた千歌先輩はどこ行ったにゃ!!」

千歌「あー!もー!うるさいなぁ!!ムカついたもんはムカついたの!!」

梨子「そ…そんな理由で……」

千歌「あっ…」

千歌「ち…違うんだよ!!梨子ちゃん!!」

千歌「その…えっと……三年生の人に梨子ちゃんをバカにされて……それで…つい……」

梨子「…!」
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:54:16.24 ID:CcrIMi8F0
凛「?」

凛(そんな事言われたかな…?)

千歌(嘘だけど……)

梨子「そう……そうだったのね……ありがとう千歌ちゃん……でも、理由がなんであれ、暴力は暴力だよ」

千歌「…!」

凛(千歌先輩も、同じこと言ってたにゃ……)

千歌「はい……反省します……」

梨子「もうやっちゃダメだからね?」

千歌「はい……」

花陽「そ…それで、その……どうするんですか!?この後……」

凛「う〜ん…………全面戦争…?」

千歌「凛ちゃん喧嘩辞めるんじゃなかったの!?」

凛「ムカついたから殴るような人に言われたくないにゃー!!」
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:54:48.87 ID:CcrIMi8F0
梨子「はいはい……とにかく喧嘩はダメだからね……?」

千歌「わ…分かってるよ……私、喧嘩とか怖くてできないし……?」

凛「なんにゃ…それ……」

花陽「じゃあ、やっぱり謝って許してもらうしか……」

梨子「そうね……ちゃんと心を込めて謝れば、きっと分かってくれるでしょう……」

千歌「………」

凛「………」

千歌(絶対無理だ……)

凛(かよちんも梨子先輩も、不良という人種を分かってないにゃ……)
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:55:17.69 ID:CcrIMi8F0
梨子「停学中の三年生は、一週間後の停学明けに謝るとして……絵里先輩は……」

花陽「今は保健室で寝てるみたいですから、明日でいいんじゃないですかね…?」

梨子「そうね!そうしましょう!」

千歌「………」

梨子「千歌ちゃんもそれでいい?」

千歌「……あぁ…うん…」

千歌(無理だろうけど……)
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:55:43.66 ID:CcrIMi8F0
梨子「よし!じゃあ、授業に戻りましょう!今なら、まだ始まったばかりよ!」

凛「じゃあ、凛はここにいるんで、梨子先輩だけ行ってきてください」

梨子「…!?」

千歌「ダメでしょ!凛ちゃん!!授業はちゃんと出なきゃ!!」

凛「どの口が言うにゃ……」

梨子「さすが千歌ちゃん!凛ちゃんみたいな悪い子とは違うわね!えらい!!」

千歌「えへへ…///」

凛(一番悪い人なんだけどなぁ……)

花陽「花陽も授業に戻りますね、凛ちゃんも元気になったら来てね」

凛「えー!かよちんも行っちゃうの!?じゃあ、凛も行くにゃ」

千歌「おー!凛ちゃん偉い!」

凛「別に寝る場所が変わるだけにゃ」

凛「さっ、教室に行くにゃ、かよちん」

花陽「うん…!それじゃあ、梨子先輩!千歌先輩!失礼します…!」

梨子「うん、じゃあね〜」

千歌「さて、じゃあ、私達も帰りますか……」

梨子「そうね、行きましょう」



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119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:56:29.76 ID:CcrIMi8F0

次の日 朝−


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二年生教室−


ザワザワ…


??「……」ドキドキドキ…

梨子「また転校生か〜、どんな子だろうね?千歌ちゃん」

千歌「あ…あぁ……」

梨子「ん?千歌ちゃん…?」

先生「はーい、みんな静かにー!渡辺さんが挨拶できないでしょー」

千歌「う…嘘でしょ……?」
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:56:57.57 ID:CcrIMi8F0
先生「じゃあ、渡辺さん、簡単に自己紹介だけして貰っていいかしら?」

曜「はい…!」ドキドキドキ…

曜「静岡の浦の星女学院っていう所から来ました!渡辺曜です!趣味は空手!!特技は空手です!!みなさん、よろしくお願いします!」

生徒 パチパチパチパチ…!

梨子「へ〜、千歌ちゃんと同じ静岡じゃない、もしかして…知り合いだったりして…」

千歌「よ…よよ……」

梨子「って、そんな偶然あるわけないわよね〜」

曜「………」キョロキョロ…

曜「あっ…!」

千歌「よ…曜ちゃん…!!!」ガタッ!!

曜「千歌ちゃん…!!!」

梨子「………」

梨子「はい…?」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 13:57:34.41 ID:CcrIMi8F0
千歌「曜ちゃん!曜ちゃん!!曜ちゃん!!!久しぶりだね!!え!?ていうか、なんでこっちに!?いつから!?なんで言ってくれないの!?どういう事!?曜ちゃん!!!」

曜「あ…あはは……そんないっぺんに言われても……」

梨子「え……?し…知り合い……なの……??」

千歌「し…知り合いっていうか……」

曜「千歌ちゃんの右腕です!ヨーソロー!」ビシッ!

梨子「み…右腕ぇ……!?」

千歌「あはは……」

梨子「ど…どういう事……?」




122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/01(木) 19:41:43.11 ID:3OkYw84SO
ちょっと話しかけただけで殴られたチカ
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/01(木) 20:20:55.70 ID:5Jp5H6Ig0
面白い
最後まで書いてくれ
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/01(木) 20:44:11.10 ID:Bh2QH4C8O
穂乃果ちゃんが音ノ木坂のテッペン取るやつの外伝とかかと思ったら違った?
でもこっちもかなり面白くて期待
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:45:57.21 ID:CcrIMi8F0
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昼休み 屋上−


千歌「…」モグモグ…

曜「……」ドキドキドキ…

千歌「…」ゴックン…

曜「ど…どう……?」

千歌「………」

千歌「曜ちゃん……」

曜「……」ゴクリッ…

千歌「やっぱり、曜ちゃんの手料理は最高に美味しいよ!!!120点!!!」

曜「やったっ〜!!!5日ぶりに千歌ちゃんに褒められた〜!!嬉しい!!!」

梨子「なんで、そんな細かく覚えてるのよ……」

曜「それは、千歌ちゃんの右腕ですから!」
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:46:28.61 ID:CcrIMi8F0
千歌「それにしても、私を追って東京に引っ越してくるなんて、さすが曜ちゃんだね!」

曜「えへへ…千歌ちゃん、すごく落ち込んでたから……私が側にいてあげたくて……」

梨子「…?前の学校で何かあったの?」

曜「え…?」

千歌「よ…曜ちゃん…!ちょっと…」

曜「なに…?」

梨子「?」

千歌「ごめん、梨子ちゃん、ちょっとここで待ってて…?」

梨子「え…えぇ……分かったわ…」

千歌「行こ、曜ちゃん」

曜「う…うん……」


ガチャ…バタンッ……


梨子「………」ポツーン…


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127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:47:06.72 ID:CcrIMi8F0
校舎内−


曜「えぇ…!?まだ話してなかったの!?」

千歌「まだっていうか……多分これからも話さない……」

曜「そ…そっか……たしかに、それがいいのかもね……」

千歌「うん……だから、梨子ちゃんには内緒にして欲しくて……」

曜「分かったよ!それにしても、あんなに真面目そうで、可愛い子と友達になってるなんて、不良辞めるってのは上手くいってるんだね!さすが千歌ちゃん!!」

千歌「あっ…あはは……それは…」

凛「あっ!千歌先輩だにゃ!」

花陽「こ…こんにちは…!」

千歌「あっ…」

曜「ん…?」


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128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:47:41.01 ID:CcrIMi8F0
屋上−


曜「えぇ…!?この学校の番長を三年生全員が見てる前で殴ったぁ!?」

千歌「は…はい……」

凛「いや、その前に誰にゃ!!こいつ!!!」

曜「こいつって……」

梨子「渡辺曜ちゃんよ、今日ウチのクラスに転校してきたの……先輩なんだから、こいつなんて言っちゃダメよ?」

凛「ふんっ、凛は自分の尊敬する人にしか敬語は使わないにゃ」

千歌「え!?じゃあ、私は!?」

凛「尊敬してないにゃ」

千歌「…!?」
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:48:15.52 ID:CcrIMi8F0
曜「凛ちゃん…だっけ……?それは聞き捨てならないなぁ……」

凛「いや、なんで曜先輩が怒るにゃ……」

曜「私が千歌ちゃんの右腕だからだよ」

花陽「ち…千歌先輩の右腕…!?」

花陽「って事は……まさか……あの…」

曜「あれ?もしかして、私の名前、東京まで届いてる?」

花陽「は…はい……さ…最強のNo.2…渡辺曜さんですよね…?」

曜「そう!いやぁ〜!私も有名になったねぇ〜!」

梨子「最強のNo.2?」

千歌「な…なんでもないよ〜…気にしないで…?」アセアセ…

梨子「?」
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:48:49.24 ID:CcrIMi8F0
凛「じゃあ、強いのかにゃ?」

曜「もちろん!千歌ちゃんには及ばないけどね」

千歌「ちょ…ちょっと…!!」

梨子「強い…?なにが…?」

千歌「あっ…そ…それは…

花陽「り…梨子先輩…!!ちょっと来てください…!」

梨子「えぇ…?なんで?どうしたの?花陽ちゃん……」

千歌「…!」

千歌(ナイス!!花陽ちゃん!!ありがとう…!!)

花陽「いいから、早くこちらに…!」

梨子「え…?ちょ…ちょっと…!?」


ガチャ…バタンッ……

131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:49:43.10 ID:CcrIMi8F0
千歌「ふぅ……これで一安心……」

凛「強いって言っても、学校のトップになれない時点で、たかが知れてるにゃ」

曜「トップは千歌ちゃんだからね、私は千歌ちゃんを支えるのが一番あってる」

千歌「ちょ…凛ちゃん……やめなよ…?曜ちゃん、空手やってて普通に強いからね?」

凛「空手…!?」

凛「ふっ、空手なんて喧嘩じゃ役に立たないにゃ」

曜「…」

千歌「いやいや……」

凛「顔を狙わない、狙われない空手なんて、喧嘩になれば…

曜 フッ!!


ピタッ!


凛「にゃ…!」
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:50:22.16 ID:CcrIMi8F0
凛(が…顔面に……)

曜「………」

曜「…」ニヤッ…

曜「私がやってるのは、普通の空手とは違う…」

凛「え…?」

千歌「そーだよー?凛ちゃん。曜ちゃんがやってるのは、顔面も目つきもある、なんでもありの超実戦空手なんだから」

凛「ちょ…超実戦空手…?」

曜「まあ、そんな事教えてる道場なんて浦の星にしかないけどね」

凛「で…でも…!だからと言って凛より強いとは…!」

千歌「無理だよ、凛ちゃんじゃ」

凛「…!」

凛「ぐっ……」
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:50:48.89 ID:CcrIMi8F0
凛「………」

千歌(………)

千歌(ちょっと、キツく言いすぎたかな…?)

千歌(まあ、凛ちゃん、ヤンキー辞めるって言ってたし……別に大丈夫かな…?)

花陽「し…失礼します……」ガチャ…

梨子「はぁ…はぁ……」

千歌「あ!花陽ちゃん!梨子ちゃん!おかえり!なにしてたの?」

花陽「え…えっと……」

梨子「走ってたわ……」

千歌「えぇ…!?なんで!?」

花陽「あ…あはは……えっと…体力作りをしようと思って……」

千歌「あ…そ…そう……」

千歌(何も思いつかなかったんだね……花陽ちゃん……)
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:51:23.58 ID:CcrIMi8F0
凛「………」

花陽「?」

花陽(凛ちゃん……?)

梨子「それで…?そっちは、何話してたの?」

千歌「え…!?あ…え…えっと……」

凛「絵里先輩に謝る方法を考えてたにゃ」

千歌「…!」

千歌「そ…そう…!それそれ…!」

梨子「そう…それで、どうなったの?」

千歌「あー……えっと…心を込めて…謝る……てきな…」

梨子「普通じゃないの…」

花陽「でも、それしかないですよね…」
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:52:04.92 ID:CcrIMi8F0
曜「え…?もしかして、謝って許して貰うつもりなの……??」

千歌「う…うん……」

曜「無理なんじゃ……」

千歌「あ…あはは……」

千歌(そんな事分かってるよ!!)

梨子「大丈夫よ!きっと心は通じるわ!!」

曜「う…う〜ん……不良って、そういう人種じゃないような……」

梨子「そ…そうなの……?」

曜「うん……不良ってのは、なによりも自分のプライドのために生きてるって感じで……」

凛「………」

曜「その番長さんって、全員の前で倒されたんじょ?だったら、プライドはズタズタにされてるはず……」

梨子「え……そ…それって……」

曜「うん……聞く耳を持たないだろうし……会えば、殴りかかってくるまであると思う……」

梨子「そ…そんな……」
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:52:42.09 ID:CcrIMi8F0
千歌「あはは……まずいね……」

梨子「まずいじゃないわよ!!千歌ちゃん、殴られちゃうかもしれないのよ!?」

曜「いや、まだそうと決まったわけじゃないよ?」

梨子「え…?」

曜「その番長さんが、どういうタイプの番長かに寄るけど……まだ希望はある……」

梨子「タイプ…?」
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:53:10.10 ID:CcrIMi8F0
曜「うん……番長ってのはさ、たとえ不良であっても、大勢の上に立つ以上、何か人を惹きつける魅力がないと務まらないものなんだよ」

千歌(ふふっ…それは確かに……)

曜「それで、大事になってくるのが、まずはもちろん「強さ」」

曜「これは、不良のトップである以上、絶対必要……」

梨子「まあ…そうよね……」
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:53:55.56 ID:CcrIMi8F0
曜「ここからはタイプが分かれる。一つは仲間に制裁を加えたりして恐怖政治をひくタイプ」

梨子「きょ…恐怖政治……」

花陽「たしかに……そういうタイプの番長は多いですよね……」

千歌(私は、違うよね……?)

曜「二つ目は、強さと人望で引っ張っていくタイプ」

千歌「…!」

千歌(私、たぶん、これだ…!)

千歌(いや、これであって欲しい…!!)

梨子「そっちは、良い人そうね……」

曜「他にも、頭が良かったり、リーダーシップがあったり、ほっとけないタイプだったり、いろんなタイプの番長がいる」

梨子「なるほど……じゃあ、絵里先輩が、その…良い方の番長だったら可能性はあるって事ね?」

曜「うん……できれば、人望があって頭がいいようなタイプだと良いんだけど……」
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:54:29.56 ID:CcrIMi8F0
千歌「そこんとこ、どうなの?花陽ちゃん」

花陽「う…う〜ん……絵里先輩は、あまり口を開かないタイプなので、詳しい性格までは分からないんですが……」

花陽「「氷の女王」……そう呼ばれています……」

梨子「こ…」

千歌「こおりの…」

曜「女王…」

梨子「絶対、恐怖政治のタイプじゃない……」

花陽「そ…そうですね……」

花陽「即殴られてしまうかもしれません……」

千歌「えぇ……そんな……」
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:55:20.83 ID:CcrIMi8F0
梨子「だ…大丈夫よ…!!だって、ほら!千歌ちゃんのパンチ一発で倒れちゃったんでしょ?それって、あんまり強くないんじゃない!?」

千歌「…!」

曜(いやいや……その人のパンチ、普通じゃないから……)

梨子「殴られても軽傷で済むかも…!!」

千歌「そ…そうだね…!!私みたいな普通の女の子のパンチ一発で倒れるぐらいだもんね…!!あはは…!!」

凛「………」

凛「…」チラッ…

凛「あ……」

凛「絵里先輩が歩いてるにゃ」

千歌「え!?どこどこ!?」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:55:47.18 ID:CcrIMi8F0
凛「下の木のところ」

千歌「……」キョロキョロ…

千歌「あっ…!」

千歌「は…鼻の所に包帯巻いてる……」

曜「折れたのかな……」

千歌「そんな…!」

花陽「これは怒ってそうですね……」

梨子「報復に千歌ちゃんも鼻を折られるかも……」

千歌「ちょ…ちょっと!?なんで、そんな怖い事言うの!?」
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:56:30.30 ID:CcrIMi8F0
凛「謝るなら今がいいんじゃないかにゃ?」

千歌「え…えぇ……今…?」

凛「だって、三年生のフロアだと、周りがうるさいし……」

千歌「あ…あぁ……そっか…」

花陽「行くんですか!?」

千歌「う…うん……行くしかないよね……」

梨子「頑張ってね!千歌ちゃん!きっと分かり合えるわ!」

千歌「だといいね……」

千歌「じゃあ、行ってくる……」トボトボ…

曜「あっ!私もついてくよ!」タッ!

梨子「えぇ…!?なんで曜ちゃんも!?」

曜「右腕だから♪」

梨子「は…はぁ……」
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:57:17.17 ID:CcrIMi8F0
花陽「行っちゃいましたね……」

梨子「無事に帰ってきてくれるといいけど…」

凛「………」

花陽「………」

花陽(ど…どうしたんだろ……凛ちゃん……)

花陽(私達がいない間に何が……)

凛「………」

花陽「り…凛ちゃん…!」

凛「なに?かよちん」

花陽「元気……ないみたいだけど……何かあったの…?」

凛「………」

凛「なんでもないよ…」

花陽「…!」
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:58:15.95 ID:CcrIMi8F0
花陽「で…でも…!」

凛「大丈夫……凛の問題だから……」

花陽「……」

凛「………」

凛「じゃあ、凛、先に教室戻るね」クルッ…

花陽「あっ、凛ちゃん…!」


ガチャ…バタンッ……


花陽「凛ちゃん……」
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:58:58.01 ID:CcrIMi8F0
梨子「………」

梨子「凛ちゃん、どうかしたの?」

花陽「わ…分かりません……」

花陽「私達と、凛ちゃん達とは、人種が違うので……」

梨子「?」

花陽「でも、私は分かってあげたいです……凛ちゃんのために……」

梨子「そ…そう……」

梨子(人種が違うって……どういう事かしら……)



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146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 20:59:26.72 ID:CcrIMi8F0

校庭−


絵里「………」

絵里(………)

絵里(歩くと鼻が痛いわね……)

絵里(こう…なるべく振動が伝わらない歩き方を……)カチコチ…

千歌「え…絵里先輩…!!」

絵里「え…?」クルッ…

絵里「あら……あなた……」
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 22:03:22.30 ID:CcrIMi8F0
曜(ん…?怒ってない……?)

千歌「え…」

絵里「どうしたの?何か用があるんじゃないの…?」

千歌「お…怒ってないんですか……?」

絵里「怒ってるわよ」

千歌「や…やっぱり……」
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 22:04:08.81 ID:CcrIMi8F0
曜「し…仕返しはしないんですか!?」

絵里「するわよ、でも、わざわざ話しかけてきたって事は、何かあるんでしょう?それを聞いてから決めても遅くないはずよ?それに、私、動くと鼻痛いし」

曜「…!」

絵里「まあ、今すぐ喧嘩しようってんなら、買うけどね?」

曜(こ…この人……)

曜(こういうタイプか……)

絵里「で?なんなの?」

曜(まずいな……)
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 22:04:47.19 ID:CcrIMi8F0
千歌「あっ、その……えっと…謝りたくて……」

絵里「謝る…?私に?」

千歌「はい……」

絵里「いきなり殴っておいて?」

千歌「そ…それは…その……事故というか……」

絵里「?」

千歌「う…うーん……実は私は、その…もう不良は卒業してて……えっと…」

絵里「? 話が見えないわよ?」

千歌「あ…えっと……話すと、ちょっと長くなりそうなんで……とりあえず、そこのベンチにでも……」

絵里「そうね、私も鼻痛いし」

150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 22:05:16.96 ID:CcrIMi8F0
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数分後−


絵里「なるほどね……」

千歌「分かってもらえたでしょうか……」

絵里「だいたいね………そう……暴力は暴力しか生まない…か……」

絵里「たしかに、あなたの言う通りなのかもしれない……」

千歌「は…はい……そ…それで…その…」

絵里「まだ、許すとは言ってないわよ?」

千歌「え……」
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 22:05:48.45 ID:CcrIMi8F0
絵里「ひとつ聞きたいんだけど、あなたムカつくからって私の事殴ったじゃない?あれは、なぜ?」

曜「………」

千歌「え…そ…それは……ムカついたからで……」

絵里「なぜムカついたの…?」

千歌「え…なぜ……ムカついたか……」

千歌「………」

千歌「さ…三年生が私の事バカにしたから……」

曜「ちょ…ちょっと、千歌ちゃん…!」

千歌「あっ…!す…すみません…!!別に三年生に喧嘩を売ってるわけじゃ……」

絵里「ふふっ、いいのよ、分かってる。そう……自分をバカにされたから殴った……」
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 22:06:16.88 ID:CcrIMi8F0
絵里「くだらないわね……」

千歌「うっ……おっしゃる通りです……」

絵里「そのくだらない事のために、自分の中の暴力を振らないっていうルールを破った……」

千歌「は…はい……」

絵里「あなた……バカね」

千歌「なっ…!」

絵里「でも、そういうバカは嫌いじゃないわ」スクッ…

千歌「え…?」
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 22:06:44.19 ID:CcrIMi8F0
絵里「あなたは、さっき暴力は絶対悪のように言ったわね」

千歌「はい……」

絵里「私はそうは思わない……」

千歌「…!」

絵里「暴力は悪いからとか良いからとか……そういう事のためだけにあるものじゃない……」

絵里「もっと、くだらない……他人が聞いたら呆れちゃうような……そんな大切なものを守るために、暴力は必要だったりする……」

千歌「くだらない…大切な…もの……」

絵里「そう……あなたはどう…?」

絵里「あなたの大切なものはなに…?」

千歌「…!」
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 22:07:15.92 ID:CcrIMi8F0
千歌「わ…わたしは……」

絵里「ふふっ、今、答えを出さなくてもいいわよ?じっくり考えなさい」

絵里「それじゃあ、私は行くわね、また会いましょう、高海千歌さん、渡辺曜さん」

千歌「え!?行っちゃうんですか!?」

曜「そ…その……!これは、許してもらえたって事でいいんですか?」

絵里「ふふっ…最初からあなた達とモメる気はないわ、今は学校内でモメてる場合じゃないしね……」

曜「え……」

千歌「あ…ありがとうございます…!!!」ペコリッ!

絵里「いいのよ、これからよろしくね」

千歌「はい…!!」
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/01(木) 22:07:47.02 ID:CcrIMi8F0
曜「………」

千歌「曜ちゃん!!絵里先輩、すごいいい人だったね!!私、感激しちゃったよ!!」

曜「そ…そうだね……すごく…いい人だった……」

曜(自分を殴った相手を、戒めるんじゃなく、手懐けた……)

曜(すごいカリスマ性のある人だ……)

曜(本当にまずいな……)

曜(こういう人がやられると……下の人達は……)

千歌「曜ちゃん?」

曜「え…?」

千歌「どうかした?考え事?」

曜「い…いや…!なんでもないよ…!」

千歌「そ…そう…?ならいいけど……」

曜(千歌ちゃんは私が守らないと……)



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156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/01(木) 22:15:43.01 ID:V99ZmVh9O
いきなりダウンでポンコツ感あったけどKKEやったか…
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/02(金) 00:26:31.95 ID:vBOUOGlbo
これはやばいかも…
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/02(金) 00:28:50.29 ID:8LxD/kJmO
まあえりち信者の復讐はヤバイやろな
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:17:08.47 ID:t/ZsgZcX0

二年生教室−


千歌「ただいまー!」ガララ…

梨子「あ!千歌ちゃん!!大丈夫だった!?何もされなかった!?」

千歌「うん!絵里先輩、すごいいい人でね!怒ってもいなかったよ!」

梨子「そうなの…!?良かったわね!」

曜「………」

梨子「?」

梨子「どうしたの?曜ちゃん、浮かない顔して…」

曜「え…!?あ……な…なんでもないよ…!」

梨子「そう…?なんか、さっき凛ちゃんも浮かない顔してたから気になって……」

千歌「…!」
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:17:35.81 ID:t/ZsgZcX0
曜「え…?凛ちゃん?ってあの、一年生の?」

梨子「そうそう、花陽ちゃんも心配してて……」

千歌「そっか…凛ちゃんが……」

千歌「………」

梨子「千歌ちゃん…?」

千歌「ごめん…!私、5限サボる!!先生には適当に言っておいて!!」

梨子「えぇ…!?またサボるの!?」

曜「どうしたの?私も行こうか?」

千歌「大丈夫!!私だけでなんとかするから!それじゃあ!!」ガララ…!

梨子「え…ちょ…ちょっと…!?」
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:18:16.06 ID:t/ZsgZcX0
梨子「行っちゃった……」

曜「まあ、6限には戻ってくるよ」

梨子「え……」

梨子「………」

曜「ん?どしたの?梨子ちゃん」

梨子「そ…その……曜ちゃん達の学校では、授業サボるのって普通だったの…??」

曜「えっ…」

曜「ん〜……」

曜(普通じゃないけど……そう言ったら、千歌ちゃんが素行が悪いみたいになるし……)

曜「まあ…普通だったかな……?」

梨子「そ…そうなの……」

梨子「すごい学校ね……先生が可哀想……」

曜「あはは…たしかに……」



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162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:18:54.28 ID:t/ZsgZcX0

屋上−


凛「………」

凛「はぁ……」

凛「………」
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:19:22.45 ID:t/ZsgZcX0

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千歌「…」サッ!

凛「…!」

凛「にゃ…」

凛(す…寸止め……)

千歌「はい…終わり……今のを振り抜いてたら凛ちゃん立てないよ?」

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164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:20:09.21 ID:t/ZsgZcX0

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曜 フッ!!


ピタッ!


凛「にゃ…!」

凛(が…顔面に……)

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165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:20:37.05 ID:t/ZsgZcX0
凛(………)

凛(強い……)

凛(凛よりも……)

凛(それも二人とも……)

凛(………)

凛(絵里先輩が卒業したら、凛が一番だと思ってたのに……)

凛(いや…いつか絵里先輩も倒すつもりだった……)
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:21:19.34 ID:t/ZsgZcX0
凛(………)

凛(って…)

凛(なに考えてるにゃ……凛は…)

凛(凛はかよちんを守るために喧嘩してただけ……)

凛(かよちんを守れるなら、喧嘩じゃなくてもいい……)

凛(もう喧嘩はしない……自分が、どれだけ強いかなんて関係ない……)

凛(喧嘩で一番になりたいなんて思わない……)

凛(………)

凛(そのはず……なんだ……)

凛(………)

千歌「あ!やっぱりここに居た…!」

凛「…!?」
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:21:53.89 ID:t/ZsgZcX0
凛「ち…千歌先輩……授業は…」

千歌「それは凛ちゃんもでしょ?いいの?花陽ちゃんが心配するよ?」

凛「………」

千歌「はぁ……だんまりか……」

凛「………」

凛「なんで来たにゃ……」

千歌「ん?ちょっと、私も悩んでてね……」

凛「悩み…?なんにゃ……?」

千歌「………」

千歌「本当に不良でいる事は悪い事なのか……」

凛「…!」
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:22:44.05 ID:t/ZsgZcX0
千歌「さっき、絵里先輩と話した時にね、絵里先輩がこう言ったの…」

千歌「暴力は、くだらなくて他人が聞いたら呆れちゃうような、そんな大切なものを守るためにあるんだって……」

凛「くだらなくて……大切な…もの……」

千歌「うん……」

千歌「なんの事か分かる…?」

凛「う…うん……たぶん……」

千歌「だよね……だから、私達って不良やってるんだと思う……」

凛「でも、凛はもう辞めたにゃ」

千歌「ふふっ……」

千歌「本当に辞めれるの…?」

凛「なっ…!」

凛「や…やめれるにゃ…!!だいたい、凛はかよちんのために喧嘩してただけで、本当は喧嘩なんて…」

千歌「私と曜ちゃんに、凛ちゃんのそのくだらないプライドをへし折られても…?」

凛「…!」

千歌「折られたんでしょ?だから拗ねてる……」

凛「ち…違っ…」
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:23:38.94 ID:t/ZsgZcX0
千歌「思うにさ、私達は不器用なんだよ……」

凛「…な…なにを言ってるにゃ……」

千歌「普通の人なら、妥協するような所で妥協できないし……本当は大した存在でもないのに、それを認めたくない……」

凛「………」

千歌「だから、自分の力を認めてもらおうとする……誰より強いとか、誰より弱いとか……そういうくだらない事をすごく気にする……」

凛「り…凛は……」

千歌「悔しいんでしょ?自分が弱い事が……」

凛「…!」

凛「よ…弱くないにゃ!!凛は誰にも負けない…!!凛がこの学校の一番になるんだにゃ…!!」

千歌「!」

凛「あっ…」

千歌「ふふっ…やっと本音を言ってくれたね!」ニカッ!

凛「ち…違うにゃ…!!今のは忘れるにゃ…!!」
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:24:19.42 ID:t/ZsgZcX0
凛「ていうか、千歌先輩も喧嘩やめるんじゃなかったのかにゃ!?凛にそんな事言って、どういうつもりにゃ!!」

千歌「あはは…だよね……」

千歌「私もよく分かんないや……」

凛「な…なんにゃそれ……」

千歌「ん〜…なんだろ……なんていうか……」

千歌「私は、浦の星の時の事で、一度は本当に暴力を辞めるべきだと思った……でも、絵里先輩に言われた事はすごく分かる……」

千歌「私はやっぱり舐められるのは嫌だし、でも、梨子ちゃんと普通の女子高生みたいな生活をするのも好き……」

千歌「私には、守りたい大切なものが多すぎて、何をすればいいのか分からない……」

千歌「だから、探すの……」

凛「探す……?」

千歌「うん……答えを……」

凛「答え……」

千歌「凛ちゃんも見つかってないんでしょ?自分の大切なもの……」

凛「そ…それは……」

千歌「だから、一緒に探そう?私達の本当に大切なもの……」

凛「…!」
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:24:55.35 ID:t/ZsgZcX0
凛「千歌先輩……」

千歌「へへっ、ちょっとクサ過ぎたかな…?」ニカッ!

凛「ほんとにゃ……クサ過ぎだにゃ……」

千歌「え…!?や…やっぱり…?」

凛「クサ過ぎて、ほとんど何も聞いてなかったにゃ……」

千歌「えぇー!?けっこう頑張って喋ったのにー!!」

凛「なんか最後の方で大切なものが、どうとか言ってたのは聞こえたけど、そんなの悩むまでもないにゃ」

千歌「え…!?そ…そうなの…!?」

凛「もちろんにゃ…!凛にとって一番大切なのは、かよちん!!それだけだにゃ!」

千歌「…!」

千歌「凛ちゃん……」
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:25:27.79 ID:t/ZsgZcX0
凛「それじゃあ、愛しのかよちんが心配してそうだから、凛は授業に戻るにゃ」

千歌「うん…!それでこそ、凛ちゃんだよ!!」

千歌「じゃあ、一緒に教室戻ろっか!」

凛「あ、そ…それから……千歌先輩……」

千歌「ん?なに…?」

凛「えっと……あ…ありがとうございました…にゃ……///」

千歌「…!」

千歌「け…敬語……」

凛「…///」

千歌「凛ちゃん、遂に私の事を尊敬して…!」

凛「あー!もー!やっぱり辞めだにゃ!!凛の性に合わないにゃ!!!///」

千歌「えぇー!?そんなー!!!敬語にしてよ!!!」

凛「嫌だにゃ!!千歌先輩なんか尊敬できないにゃ!!」

千歌「いや、なんで!?さっき、一瞬敬語になったじゃん!!」

ワイワイ!ワイワイ!


173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:26:04.23 ID:t/ZsgZcX0
物陰−


花陽「心配で来てみたけど……」ウルウル…

花陽「まさか、千歌先輩が来てくれてるなんて……」ウルウル…

花陽「うぅ…良かったね…!凛ちゃん…!」ウルウル…

ワイワイ!ワイワイ!

花陽「あっ…!こ…こっち来る…!」

花陽「私も教室戻らなきゃ…!」タタッ!




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174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:26:47.65 ID:t/ZsgZcX0
放課後−


千歌「やっと学校終わったー!!もー!めちゃくちゃ疲れたー!!」

梨子「いや、千歌ちゃん、休み時間以外ほとんど寝てたじゃないの……」

千歌「なっ……そ…そんな事ないよ…!一応授業は聞いてたよ!伏せながら…!」

梨子「それじゃダメでしょ……」

曜「おーい!千歌ちゃん、梨子ちゃん、一緒に帰ろー!」タッタッ!

千歌「あ、曜ちゃん!そうだね!帰ろっか!」

梨子「曜ちゃん家、どこなの?方向一緒かしら」

曜「あ、それは問題無いよ!」

千歌「そうなの?」

曜「だって、私、千歌ちゃん家の隣だから…!」キランッ!

千歌「…!?」

梨子「…!?」

千歌、梨子「えええええええええええ!!??」
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:27:13.38 ID:t/ZsgZcX0
曜「お…おぉ……思ったより、いいリアクションするね……」

梨子「い…いや……だって……」

千歌「梨子ちゃんも私の家の隣だから……」

曜「え……?」

曜「ええええええええええええええ!!??」


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176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:27:45.23 ID:t/ZsgZcX0
駐輪場−


曜「それにしても…すごい偶然だね……私のは偶然じゃないけど……」

梨子「そうね……びっくりだわ…」

千歌「でも、楽しいね!!三人でお隣同士だなんて!」

梨子「そうね、ベランダ出れば会話もできるしね」

千歌「おー!それ楽しそう!!今日の夜やろうよ……って…」

曜「よっと…」ガチャン…

千歌「曜ちゃん…!?」

曜「ん?なに?」

千歌「そ…それ……」

梨子「バ…バイク…!?バイクで学校来たの…!?」

曜「いや、バイクじゃなくてスクーター…」
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:28:22.44 ID:t/ZsgZcX0
梨子「いやいや!そういう問題じゃないわよ!!そんなので学校来るなんて、先生が…

千歌「ず…ずるいよ、曜ちゃん!!!」

梨子「え……」

曜「え…?千歌ちゃん、スクーターじゃないの?」

千歌「静岡に置いて来ちゃったよー!!!私も持ってくれば良かったーー!!」

曜「え!?そうなの!?もったいない!千歌ちゃんのすごい良いやつなのに…!」

梨子「いやいや……だから、その前に、学校にスクーターで来ちゃダメだからね…?」

千歌「って…あれ……?曜ちゃんの以外にも原付あるじゃん」

曜「ホンダのジョルノだね、誰のだろ……?」

千歌「綺麗な水色……大事にしてそうだね」

絵里「私のよ」ザッ…

千歌「…!」
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:29:09.62 ID:t/ZsgZcX0
千歌「絵里先輩…!!」

絵里「ふふっ…また会ったわね、そちらは、話に出てきた桜内さん…?」

梨子「え…!?は…はい…!桜内梨子です…!」

絵里「そう…私は絢瀬絵里よ、よろしくね」

梨子「ちょっと!千歌ちゃん、私の事話したの…!?」コソコソ…

千歌「あ……う…うん…話の流れでね……?」

曜「絵里先輩、ジョルノなんてオシャレですね!」

絵里「ふふっ、ありがと。祖母から貰った大切なものなの…」

曜「へぇ〜…おばあさんから……いいおばあさんですね…」

絵里「えぇ……私にとって、すごく大事な人だわ。そんな人から貰ったものだからね……当然、大事に扱うわ」

絵里「渡辺さんのは……リトルカブかしら?素敵ね」

曜「えへへ…///名前を「千歌ちゃん号」といいます」

絵里「ん…?」

梨子「え……?なんて…?」
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:29:48.33 ID:t/ZsgZcX0
曜「いや、だから「千歌ちゃん号」と」

千歌「あはは……やっぱり、まだその名前なんだ……」

梨子「曜ちゃん……あなた……」

曜「?」

絵里「い…いい名前ね……」

曜「そうですよね!あと、カッティングも入れてあるんですよ!!見てください!」

絵里「え…?どこ…?」

曜「ここです!」


千歌ちゃん 命


曜「えへへ……///」
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:30:20.79 ID:t/ZsgZcX0
絵里「こ…これは……」

梨子「曜ちゃん……」

千歌「あはは……」

絵里「い…いいカッティングね……」

曜「ありがとうございます!!」

梨子(絵里先輩……優しいんですね……) ホロリ…

絵里「でも、カッティングは本当にいいわよね、私のダイヤモンドプリンセス号にも入れようかしら……」

梨子「は…?」

曜「え…?今、なんて…?」
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:30:58.05 ID:t/ZsgZcX0
絵里「いや…だから、私のダイヤモンドプリンセス号にもカッティングを入れようかと……」

千歌「ダ…ダイヤモンドプリンセス号……」

絵里「ふふっ、驚いた?いい名前でしょ?」

曜「そ…そうですね……はは…」

梨子(いや…ダイヤモンドプリンセス号て……)

梨子(私…絵里先輩が分からなくなりそうだわ……)

絵里「じゃあ、私は失礼するわね、これから病院なの」

千歌「あ…もしかして……鼻…」

絵里「いいのよ、気にしないで?あれは事故だったんでしょ?」

千歌「…!」

絵里「それじゃあ、また明日ね!」ブウゥゥゥンッ…!!
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 08:31:59.98 ID:t/ZsgZcX0
千歌「お…おぉ……」

梨子「たしかに、千歌ちゃんの言う通りいい人ね……絵里先輩…」

千歌「でしょ!私、あんなできた人、見た事ないよ!」

千歌「ああいう人が番長だったら、ついていきたくもなるよね〜!」

梨子「いやいや……ダメよ?不良なんかになっちゃ」

千歌「あはは、分かってるよ〜!さっ、私達も帰ろ?」

梨子「そうね、曜ちゃんはどうする?一緒に歩く?」

曜「ん〜……そうしたいけど…今日はちょっと寄るところあるから…」

梨子「そうなの…?残念……」

千歌「どうかしたの?」

曜「あっ、気にしないで?全然大した事じゃないから…」

曜「それじゃあね!また明日!」ブウゥゥゥンッ…!!

千歌「あ…行っちゃった……」

梨子「何の用だったのかしらね……」

千歌「ん〜…分かんない…!まあ、曜ちゃんが気にしないでって言った事だし、気にしてもしょうがないよ!帰ろ!」

梨子「そうね、帰りましょうか」







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183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/02(金) 10:11:24.01 ID:f5mbetW1O
番長なのにえらい可愛いのに乗ってんな
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/02(金) 10:16:45.09 ID:8TYjdzTSO
ジョルノ…ぴったりだな
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/02(金) 10:48:47.84 ID:fGj8R4aao
鼻折られたのに寛大すぎるわw
舎弟にガチ恋勢いっぱいいそう
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 19:44:02.91 ID:t/ZsgZcX0

秋葉原 路地−


花陽「千歌先輩、絵里先輩に許してもらえたんだって!良かったね!」トコトコ

凛「ふんっ、千歌先輩なんか一発殴られれば良かったんだにゃ」トコトコ

花陽「ふふっ…素直じゃないね〜凛ちゃん」トコトコ

凛「にゃ…!?/// な…なに言ってるにゃ!かよちん!!これが本心にゃ!!」トコトコ

花陽「はいはい…分かったよ〜」トコトコ

凛「なっ…!し…信じてないにゃー!!」
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/02(金) 19:44:41.63 ID:t/ZsgZcX0
ヤンキー「おおおおお!!!」

凛「え……?」

花陽「…!」

凛「あ…あれ?…あの人達って……」

花陽「うん……停学中の三年生……」

凛「だよね………なんでこんな所に……」

ヤンキー「行くぞ!!お前ら!!!」

ヤンキー「おおおおお!!!!」

凛「行く…?どこに……」

花陽「あっ…!」

花陽「まさか……」

ヤンキー「絵里さんを傷つけた高海を許すな!!」

ヤンキー「おおおお!!!」

凛「…!」

花陽「やっぱり……!」
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